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夜行探偵 ユウヅキ は 追う者 ヴェス に投票した。
村の娘 エイミー は 追う者 ヴェス に投票した。
無能 スティーブ は 追う者 ヴェス に投票した。
配達屋 ノエル は 追う者 ヴェス に投票した。
追う者 ヴェス は 村の娘 エイミー に投票した。
追う者 ヴェス は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、無能 スティーブ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、夜行探偵 ユウヅキ、村の娘 エイミー、配達屋 ノエル の 3 名。
─ 上層区域・自宅 ─
[さて、成り行きで首を突っ込む形になったこの事件。
どこまで介入するかを思案する。
仕事以外での屋内透視はまぁ、知り合いの緊急時と言うことで押し通せるが、直接手助けするのは難しいだろう。
案件となっていないものの特殊チームの介入は、場合によっては上層部の糾弾材料にもなりかねない。
上層部の人間を、特殊チームの存在を疎む者達は少なくない。
ここはフリーランスに任せるのが得策と考えた]
[監視ルームはアデルに任せ、ソノランは他の場所を探る。
侵入者の情報は既に伝わっているのだろうか。
いくつか機械生命体が徘徊している場所もあるようだ。
それは監視ルームでも確認出来るだろう]
あの辺りが首謀者のいる場所かな?
[機械生命体がいる場所はある一箇所を護ろうとしているようにも見える。
護る、という意識があるかは定かではないが]
潰すのは簡単なんだけどね。
[今排除するよりは、踏み込む直前の方があちらの虚も突けるのでは、と思っている*]
── 本拠地・部屋 ──
……………ったく。
[溜息が漏れる]
[以降は、男とスティーブの足音だけが響く。
『め』の謎は残ったままとはなったが、飯場関連への注意喚起は行われているだろう。
扉を開ければ。
そこは、格納庫めいた場所、 だったろうか。
薄暗く、中には、がらくたのようにすら見える、バグ・シングの残骸なども並べられた作業台や手術台を思わせるものもあったかもしれない*]
[ヴェスのため息に少しバツが悪い表情をする。]
……まぁ、ほら。
ここまで来たら、やることは単純っつーか。
[恐らくは、ここに<本拠地>じーさんもいるだろう。
扉を開ければ、そこは格納庫だろうか。]
……これ、動かねぇよな?
[バグ・シングの残骸をみながら、
男は言う。]
[奥を見れば、さらに開きそうな扉がある。
そこは電子式の、両開きの扉だ。]
……いかにも?
って感じだよな。
開ける?
[そうヴェスに聞く。*]
── 本拠地 ──
[それは、ドーム外の朽ちた物を運んで来たのか。
それは、護衛による装甲剥がしや動きが鈍い物を見つけたのか。
それとも、管理の甘い場所>>0:356から運ばれたのか]
ちげぇよ。
センセへの溜息。
……………俺も残骸のように見えるな。
今から使える部品を、……コアパーツなりに使用しようというところか?
[視線を彷徨わせ、呟く。
そのまま、格納庫らしき場所を奥へ奥へと歩いてゆくだろうか。
並ぶのは、物言わぬ機械の群れ。
襲って来ないとは言え、偽物とは言え、間近での複数のバグ・シングもどきの間を歩く、男の心境は穏やかではない]
開けるしかねーだろ。
[頭痛がする。
銃を下方向へ構え、安全装置を外す。
彷徨う視線を、焦点を合わせるように電子式の扉を睨みつければ、スティーブが空間交換の異能で解錠するか]
……あぁ、その前に。
[部屋を見渡し、バグ・シングの残骸を見、
左手を剣でも引き抜くように空中を薙ぐ。
風を切らせ、そのまま振り下ろせば、左手にはバグ・シング
のパーツと成っていた棒のようなものが、握られているだろう。]
あ、ちょっと重い。
次、使えるのに、少し時間かかる。
[男の異能はその大きさや重さで間隔がある。
そう言って、悪いと、苦笑いをし、
武器を持った左手は、やはり震えるが、
覚悟は決めた。]
逃げていいんだぜ?
無理すんなって。
俺ひとりでもいけるし?
[それは、軽口。
これでスティーブが逃げれば、儲け物だろう。
頭痛に見舞われつつも、口端に笑みを浮かべる*]
[そして、震えを止めれば、
扉に張り付いている電子鍵を見据え、
左手で空中を握る。
ガタン、鍵は落ち、扉は開かれる。]
……もう、閉められねぇからな。
[そうヴェスに言う。
そうして、そいつは姿を現した*]
おい。なめんなよ?
いざとなったら、なんとかするっつったろ。
[笑みを浮かべるヴェスに、
同じように、にっと笑ってみせた。
震えはもう、止まった。*]
[息が震えそうになるのを、奥歯を噛んで噛み殺す。
ちらっとスティーブを一瞥、にィと口元を歪ませて笑みを作った]
んじゃ、精々期待しとくし?
[ぷしゅぅぅ……と扉が開く音がする。
淡い電子光の逆光の中、現れるそれは]
ー下層区域 F-173付近ー
[ユウヅキは、街を行く。 通りすがる人たちは怪訝そうな顔でこちらを見たり、ドンパチ探偵がまたどこかに襲撃に行くのかと囃し立てた]
[これまでに色々なことに巻き込まれはしたが、街は日常に包まれているのだ…見かけ上は。しかし、それでも確かにこのドームでは…この街を狙う悪意が侵食していた]
……ここか、ふむ…
[辿り着いた下層F-173は、ひとつの廃工場だった。大きさといえばそこまで大きいとは言えないが張り巡らされた柵の向こうの廃工場の扉は開いていた]
[1歩踏み出すとユウヅキの背後から、何かを振りかぶる音がする]
[体を捻り、それを回避する。ガキイイイン!と鋭い音が地面を走り…音の方向を見るとそこには1本の鉄パイプがあった。誰かに握られているらしく…そちらの方に目を向けると]
……おいおいお前ら誰に頼まれたんだ?
『ど、ど、ドンパチ探偵が…!妙な気を起こす前に…!!!止めるぞお前ら!!!!』
『おおーーーー!!!』
おいおいおいまてまてまて?!!
[何人もの下層に暮らす男達が、少し虚ろで恐ろしげな瞳でユウヅキに襲いかかってくるではないか!!!]
[これは操られているのか、それとも日頃の恨みなのか]
[判断がつかないうちは手出しができない!!!]
(くそっ!!!目的地はすぐ目の前だと言うのに…!)
[拳と、鉄パイプと、時々脚蹴りが飛んでくる。スルリ、ゆるりと避けながらユウヅキは後ろの廃工場への入口へとジリジリと下がりながら向かっていった]
[ここを調査して…潰せば…さらに何かわかるかもしれない…!**]
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warning warning warning war
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Golden UROBOROS Robot III
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A C T I V A T I O N
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[それは人型、に似た、巨躯。
それは、精緻には及ばぬ造形。
エゴが侭に組み上げられた、自我無き機械。
エイミーが居れば、電脳世界ではコアに黒い蛇喰い込むモノとして読めたかもしれない、が]
[逃げることは許されない。
座り込むことも許される筈がない。
無力感を押し込み、込み上げるものを押し込めながら、睨みつけ]
ハ、これはこれは。
何とも大型だが、 何だって?
ゴールデンウロボン3号……?
[半身を機械に向け、銃口の先を頭部から胸部に迷うように向けながら、聞き間違いかという顔をする*]
[現れた姿は、人型ではあるが、それには尾が二本。
一本はぐるりと身体へと巻き付き、その先をこちらへ向けている。
下半身の蛇は、そのまま床で蠢いているが
そのうねりはやはり、蛇のようだが、本物のような滑らかさはない。
その手に爪はなく、まるで蛇の口のように開かれている。
その形状を見た男は叫ぶ。]
……いや…いやいやいや
だっせぇ…!!!!!
[そして、ヴェスが名前を言い、
聞き間違いかという顔をする。]
名前も、だっせぇ…
たしかに、金ピカだけど、な…
[そう言いながら、男は重心を落とし、構えの姿勢を取る。]
[警告音は鳴りっぱなしだ。
まぁ、俺らは本拠地に招待されてきているわけだし、
もう、既にバレているだろう。]
……弱点が分かれば、な。
[左手を握る。本物と違い自我がないのであれば、
"コア"が見えれば、異能で切り取ることはできる。かもしれない、が。残念ながら、それを晒してはくれてはいないようだ。]
……っ
[機械が咆哮をあげる。それが指示となったか、
周りの機械に動きが見える。]
おいおいおい、
ふざけんなよ…!
[動き出す前に止めなくては*]
─ 上層区域・自宅 ─
[部屋の更に奥、電子式の扉の先。
警告音と共に現れたのは大型の機械生命体だった。
二本の尾を備えたそれは圧倒的な存在感を持つが、造形は本物には及びつかないもの]
………美しくないなぁ。
[名前の通り金色をしていて、それだけ見れば豪華ではあるのだが。
ネーミングセンスに関してはスティーブの感想と同感だった]
[それはともかく、と遠見の眼で見遣るのはヴェスの方。
如何に似ても似つかない、偽りの機械生命体とはいえ、それを目の前にして彼は動けるのか]
…ま、出来なければそれまでだったってことだけど。
[この事件に関わった以上、眼の前でむざむざ死なせるのは寝覚めが悪い]
精々頑張ってくれよ?
[口端を持ち上げて、視界にいる機械生命体に対して重力負荷をかけ、動きを鈍らせた。
視界から外れている分は影響を受けないだろうが、それでも多少は動きやすくなるだろう。
金色の機械生命体は常に視界に入るようにする]
コアを叩かなくてもぶっ壊してしまえば良いはずだけど……火力足りるのかな?
[見たところ、武器らしき武器はヴェスの持つ銃のみか。
爆弾あればなー、と零すが、流石に自宅には置いていなかった**]
(咆哮による他機械への呼びかけ。
いや、周囲全てが子機というわけではないな……
リーダー機としての機能もあるというところか?
頭部を潰して、命令を途絶えさせても、他が止まるかどうか……)
スティーブ、頭部、いけるか?
[男は、先ず問う]
いけるなら、上に投げる(トばす)。
[3号の頭上数m上へ、トばすと口にする]
(どこからやる……)
[男がバグ・シングと対峙する場合は、部位の破壊から試みるのが基本だった。
もっとも、試みれる場合というのは、よっぽど向こうの動作や機体状況が悪い場合に限られたが。
ただし、偽物を相手取るのであれば、部位破壊に拘る必要性は無いだろう]
タイプは……ごちゃごちゃに組み合わせ過ぎて、分からねーな。
[元のバグ・シングが何であったのか、判断は出来辛い]
動きが……鈍った?
[その時、突如何らかの動作不良でも起こったのか、限りなく3号の動きが鈍る]
(いや、違うな…… 誰だ?
かなりの使い手だ)
[3号の脚部がギシギシと鳴り、蛇の尾が床に押さえつけられたようになっている。
重力系能力者の異能行使と判断することが出来ようか*]
ー 下層区域 F-173(廃工場) ー
[振るわれる鉄パイプを避ける、拳を受け止める、脚を受け流す]
[必死な顔で襲いかかる一般人を、ユウヅキは最小限の動きでいなしていた。一般人にはなるべく怪我をさせない主義なのだが…と歯噛みする]
『うああぁぁああ!』
よっ、と………! 連携のとり方が下手なのがまだ幸いだ…!
『おおーーーー!!!これは先週のチャーハンの恨みいいいい!』
待て待て待て!それは先週ちゃんと弁償したろうが!…うわっ、とと!!?
[必死に避け続ける。まじで追っ手なのか日頃の恨みなのか分からない]
くそっ…!『ウロボロス』とタルタロスだけでも充分面倒だというのに……!!
[その単語を出すと、男達の様子が一変した。恐怖にも似た色に染まっていた顔は感情の色を落とし、虚ろな目は先程までの恨みつらみを忘れてユウヅキに敵対心を向けている]
『………!!! …ァ』
は、ちょっ?!!!くそっ!!!
[その途端、一気に連携の仕方が変わる。仲間に当たろうが、自分の体を傷つけようがお構い無しにユウヅキを狙う!]
……操られているというのなら…話は早い!
[解放するためには一度意識を奪ってやらねばならない。
<UROBOROS OVERDRIVE>の追っ手であることは変わらないのだ]
[ユウヅキは周囲を見渡し武器を探す。血を使うのもありだが血の刃は一般人相手には硬度が高すぎる]
さあ、来るがいい!!!
[廃工場敷地内に、非常時用の貯水タンクを見つけそこに司令を出す! 弾けたタンクから現れるのは無数の水の獣たちだ]
[水獣たちは一斉に虚ろな男達に襲いかかり、ユウヅキから引き剥がしていく!*]
あとは、何かありゃでてくんだろ。
[ヴェスの分析に、相手から目を離さずそう言う。
相変わらず、言葉の制限は受けているが、
偽バグと対峙して、消してくることはないあたり、
ここで殺させるつもりはないのだろう。]
あぁ、いける。
[ヴェスの言葉に迷わず、そう言う。
5年のブランク。いきなり出来るかは分からないが、
やるしかない。]
……?
[ヴェスと同時男も気付く。
3号の異変に。]
誰だかしんねぇけど、
ありがとよ!
[そう言って、]
ヴェス!!いいか、俺に楽なの気持ち悪いとか、
考えんなよ!?
[男は叫ぶ。慣れてるやり方じゃない、それも実戦だ。
そして、それを決めるのはヴェス自身だ。*]
[トばす為に、スティーブ>>+28を視界に入れた瞬間耳朶を打った]
…………は
[ぶわっと背筋の毛が逆立つ心地。
今、何を? 何>>+29を言った?
軽い目眩のような、自己否定が沸き起こる。
息が乱れかける、今は、駄目だ、集中しろ。
スティーブから向けられるものは気持ち悪く無い。
だが、男自身から楽になるのは/既にスティーブから与えられる楽さは受け入れているのに]
すぐに……切り替えられる訳、ねーだろ!
[スティーブを視界に収め、ゴールデンウロボン3号の頭上へとトばす。
スティーブは、撓む周囲を感じながら、3号の頭上5m程のところにいるのに気づくだろう]
[俯瞰視点。
ヴェスとスティーブ>>4:195>>4:199は、
『エリュシオン』内部へと招き入れられるように突入した。
そして、格納庫らしき部屋に踏み入る。
電子式の両開き扉を解錠すると、
現れたのは、ゴールデンウロボン3号だ。
その色は金色。形状は怪奇なもの。
人型ではあるが尾が二本あり、
一本はぐるりと身体に巻き付き、切っ先を敵対者へ向ける。
下半身の蛇は床で蠢くも、本物の蛇が如き滑らかさは無い。
手には爪なく、蛇の口のように開かれていた。]
[ソノランは、自宅にて介入の度合いを思案する。
監視ルームの制圧はアデルに任せ、ソノランは他の場所を探る。
そして、格納庫にいる金色の偽物の機械生命体に対し、
助力者は誰か知られないまま、重力負荷の異能を行使するのだった。**]
─ 上層区域・自宅 ─
[見ることは出来ても彼らの会話までは聞き得ない。
簡単な単語なら、唇を読むことで読める場合もあるだろうが、視界はヴェス達の後方からであるためにそれも叶わなかった。
尤も、聞こえずとも動きを見て援護することになるのだが]
周りの機械と連動?
キーにはなってるのかな。
[ヴェス達も似たような思考になったのか、金色の機械生命体への攻撃が開始される>>+31。
金色の機械生命体への重力負荷は維持したままに、視界を部屋の外へと移してみた]
あらま、信号出たかな。
[廊下を徘徊していた機械生命体が3体、格納庫を目指しゆっくりと近付いてくるのが見える。
金色の機械生命体の咆哮が周囲の機械へと作用し、他の機械生命体を呼び寄せたものを考えられた]
仕方ないなぁ。
…ま、人間じゃないし、良いよね。
[制限には引っ掛からない、と。
機械生命体の一つを透視し、組み込まれているコアパーツをその外へと転移させる。
接続されていた部分は捻じ切られる形となり、バチンとショートして一瞬暴走した後、鋭い爪で近くの機械生命体を引き裂いて崩れ落ちた。
引き裂かれた機械生命体は部位を欠けさせながらも蠢く]
いちいち透視するの面倒だな。
[機械生命体の体内から取り出したコアパーツを崩れ落ちた残骸の近くに捨て置き、部位が欠けた機械生命体へと視界を移す。
右腕だけを対象に転移を付与すると、捻じ切られた腕がもう1体の機械生命体の頭上に現れ、爪が頭部を切り裂いて床に落ちた。
次いで両足、胴、頭と、次々転移させて捻じ切り続ける。
その場におらず、正確に空間を把握する時間があるために出来る芸当。
やがて、格納庫から少し離れた先の廊下に、合計3体分の機械生命体の残骸が積み上がるのだった*]
わかってんだよ!んなの!
[その声が響いたときは、既に空中だった。
もう、さっきの言葉は、言えない。
ふわっと、髪が持ち上がる。
下方の3号を真っ直ぐ見、
左手を突き出し、虚空を掴んだ。
手の中で交換された、それを投げ捨てて、
後は、剥がした装甲めがけて、落下する。]
[3号の注意は、今ヴェスへ向いている。
男に迫るものはない。
本物の機械生命体であれば、そうは行かないだろう。]
……やっぱ、弱ぇな!!
てめぇはよ!!
[3号に向ける言葉と、そして、
落下の衝撃。
機械がひしゃげる音と、バチバチを回路が切断される感触。棒は3号の頭へと突き刺さった。]
ー 下層区域 F-173(廃工場) ー
[無数の水獣と、男と、ユウヅキの大乱戦が起こる廃工場前。怪我をせぬように一人一人引き剥がし、水の質量を持って地面に叩き伏せてたおす]
……っ、くそが これが因果ってやつか…!
[悪態をつくのは、日頃の行いを反省した結果だろうか?
いや、多分面倒ごとは探偵に集まるということかと思った結果だろう]
[襲いかかる男の1人を手刀で叩き落とす。昔はここまで格闘など出来なかったなあ、と思い出していた]
…うわっ…!!
[3号が頭を上げ、ガクンと身体が持って行かれる。
棒にぶら下がる形になる
激しい咆哮、3号は頭を激しく振る。]
……っ動くなっつーの!!
[刺さった棒を両手で握り、その振り子の勢いに合わせて、
両足で3号の頭を蹴る。
その勢いで棒は抜け、男の身体は3号から離れ、
地面に転がるよう、受け身を取り、着地する。]
……やっぱまだ反応遅れんな。
[受け身も若干不十分だ。
手応えはあったが、果たして周りの機械はどうなったか*]
[そんなことをしているうちに、ノエルが事務所にやってきて…しばらく一緒に仕事をしていると、組手の練習をしないかと言われた]
[能力だけに頼るやり方では身を滅ぼす、と]
[最初のうちはこのままでいいと言い続けたが…なんの因果か組手は行われることになる]
[始めた当初は全戦全敗であった。能力を使わずに戦うことがこれ程大変だったとは]
[ユウヅキ曰く、ノエルには一生勝てないそうだ]
……っっ…ふうぅ……
[だが]
このくらいか?
[彼女との鍛錬は、確実に彼を強くした。
自身の能力と、ノエルとの鍛錬で目の前の男達を全て鎮圧できるくらいには*]
[投げ捨てられた装甲>>+34が、床に落ち、ガコンと響く音。
剥き出しとなった頭部パーツは、深々と棒が貫いた]
スティーブ!
[スティーブの、見事かつ鮮やかな手付きでの一撃後。
唐突な咆哮と暴走めいた動き。
巧く受け身はとれたようだ]
チッ、一部動き出してやがる!
[目覚めるように始動する周囲の機械。
全てが始動した訳ではなく、リーダー機3号の危機に連動するようになっているのかもしれないが]
信号の根本をたつしかないな。
[頭部への一撃は一部凹みが、胸部装甲には穴が開いたが動力源までには到達していない。
左腕関節部への射撃は、千切れさせるほどではないだろう]
── 下層区画 ──
[地上へ出る。
ユウヅキと別れ、移動する前に女をかろうじて歩ける程度に回復してやる。他愛ない話をしながら歩き、女の口が回り出したところでおもむろに問いかける。]
ねぇ、機械のウイルスって知ってる?
最近一部で噂になってるの。
[口から出まかせだ。]
いえ、データ盗むやつじゃなくて。
人間の体に取り付いて、
人間を機械にしちゃうの。
[女はとても驚き、知らないと答えた。]
……まぁそうよねぇ、そんなのあるわけないわ。
[この女はテクノなんとかについては何も知らされてないと判断する。]
あなた達の配置とか、どうなってるのかしら。
くれた情報によっては
このまま見逃してあげてもいいわよ。
[女は黙秘を貫いている。
そこへヴェスから驚いたような思考が届く。ちら、と女を見て、珍妙な名を口にしてみる。]
ゴールデンウロボン3号。
『その美しき名を何故……!?』
うつ……!? ……こほん。
今仲間がその、
ゴールデンウロボン3号のところにいるの。
この意味わかるかしら?
[アデルン1号がドアのロックを解除すればすんなりと監視ルームへと侵入する。武装した人間はいない。]
ハロー、そして、グッナイ!
[すでにアラームは鳴り響いている。死に物狂いで襲い掛かる男たちを容赦なくぶちのめせば、ことごとく眠りにつかせるのだった。]
さてと、お目当てはあるかしら?
って、あらら、あの2人は大当たりね。
[アデルン1号にシステムへのハッキングを仕掛けさせる。モニターを見ればヴェスとスティーブが金色の機械生命体と対峙しているのが目に映る。]
悪趣味ねー。いかにもって感じだけど。
[手元の端末でも操作を開始する。鳴り続ける警告音はしばらくの後、止まるだろう。]
[女は慄くと、ゲートそばの民家を含め、いくつかの拠点やロボ配備の状況を喋った。]
ありがとう。
そうしたらお迎えを呼ぶわね。
[娘は端末を手に、通信を始める。
ほどなくしてやってきた警察に女は連れられていった。]
……こんなちょろくて大丈夫かしら……。
[後ろ姿を見送り、呟く。
ユウヅキとノエルの端末に女から得た情報を送信し、娘は中層へ向かう。]*
頭部へ続けて攻撃を。
俺は……
あいつらをどうにかする。
[両眼が赤く染まる。
傍にスティーブがいるから、大丈夫]
ハ、
[視界内、複数対象。
次の出来事は一瞬のうちに起こる]
トべ……!
[始動した機械が一斉に襲い来るのが、空間が揺れ撓む。
一体は男の側へ背向け逆向きに/それを切り裂く鋭い爪先。
もう二体は、壁へ激突するように向かい。
残る一体/最初の一体を切り裂いた爪持つ小型偽バグ・シングの頭部向け、男は、ドン、ドンと銃を撃つ]
[男が撃った偽バグ・シングは、兎と蟷螂を合わせたような姿をしていた。
頭部を撃てば、機械内部の曝露が。
機械の眼が弾け飛び、基盤が弾ける。
最後に胴体を撃ち抜けば、床と平行に吹っ飛び、半ばばらけた]
[バックステップ]
危な……!
[盾にした最初の一体が、振り向きざまに腕を振るえば、鋭いナイフ状の腕が過ぎ去ってゆく。
腕の付け根を撃ち抜きながら、男はスティーブに視線を向け]
ー下層区域F-173(廃工場)ー
[襲いかかってきた男達を近くにあった適当な鎖で縛っておいて廃工場の正門のところに転がす。一応見張りに水獣を残しておけば下手なことは出来ないだろう]
……さて、中に……
…?
[その時ユウヅキは、白いドレスの裾が廃工場の中へと入っていくのが見えた。一瞬見えた女の横顔は、美しい青の瞳が特徴的で…とてもこんな場所には似つかわしくない]
おい、待て!ここは危険だ!
[ユウヅキは慌てて女を追いかける、しかし中に入った時にはもうその姿は見えない]
[それは、アイコンタクト]
使えよ!
[視線を再度、目の前の偽バグ・シングへ。
いや、今しがた弾けさせたナイフ状の腕へと。
ナイフ状の腕の付け根を撃ち抜き、大きな刃と化したそれを、スティーブの方と転移させた*]
…おーい。どこに行った、でてこーい!
[ユウヅキは大声を張り上げながら廃工場への奥へ進む。
一般人が迷い込んだなら厄介だし…ウロボロスやタルタロスの人間となれば話を聞き出さなければならない]
[…しかし、ユウヅキが見つけたのは、女の姿ではなく…]
………嘘だろう?なんだ…これは…?!
[無数に並ぶ、機械生命体の素体であった]
[廃工場全体の電力が現在落ちているからか、機械生命体は動き出す様子は見せない。しかしその数に圧倒される
中途半端に作りかけの機械生命体や、むちゃくちゃに金属類を押し込まれただけのもの。よく分からないデータチップから、小さなミニチュアまで…数多くのバグ・シングの玉子がここに眠っていた]
冗談だろう、こんな数の機械生命体が街に出たら…どれだけの被害が出る…?!!
[ユウヅキは決めた、ここは完膚なきまでに叩き潰す。
連れてきた無数の水の獣たちに指示を出そうとして……]
『そこまでだヨ!ドンパチ探偵!!!』
[スピーカーから轟音のようなノイズと共に男の声。まあそりゃこんな大事な場所を誰一人として見張っていないわけがない]
『まさかおまぃがタルタロス側についていたとは…!!!噂には聞いていたがとんだはちゃめちゃ男だヨ!!!』
『だが、おまぃの活躍もここまでダ!!!
イケ!!!ウロボンズ!!!!ポチッとな!!!』
[ポチリ、と何かが押される音。とても嫌な予感がする]
[その嫌な予感は当たるものでして]
『…*75=$・%$°→*々×○$=|||$……』
まじかよ……!!!
[無数の作りかけの機械生命体が、起き上がってきたではないか!!!*]
[ノエル宛のメッセージには拠点情報の他に一言添えて。]
『連絡遅れてごめんなさい。
あなたとエヴァンス氏の無事を祈るわ。
全部終わったら、笑ってまた会いましょう。』*
[システムへの侵入を果たしたが、ゴールデンウロボン3号はシステムからは独立しており、外部からの干渉は受け付けないようだ。監視ルームのマイクへと近づく。]
ハロー、ヴェス、スティーブのお二人さん。
こちらアデルよー。
[二人が戦う部屋にアデルの声が響く。]
そこの部屋ね、そこのデカブツの耐久実験も兼ねてたみたいなの。
だから、こーんなものもあったり。
[アデルが端末を操作すれば、部屋の壁の一部が開き、中からライフルや手榴弾、リモコン式のC4爆弾等が並んだラックが迫り出す。]
銃は認証式だから反応しないかもね。
アタシはそこのエリアへの侵入を食い止めておくから、そっちはそっちで……ガンバッ!
[グッとサムズアップをした。*]
─ 上層区域・自宅 ─
[遠見の視界を格納庫へ、次いで監視ルームへと移す]
お、流石はアデル。
[通信を介さずに呟いて、制圧された監視ルームからモニターを見た。
格納庫でも機械生命体が動いていたが、兵器の助力があれば格納庫の制圧も然して難しくないだろう(ソノランの感覚で、だが)]
ハロー、アデル嬢、お疲れ様。
手勢も増えたようだし、俺様はこれくらいで失礼するよ。
一段落したらコレクション見せてね。
[接続しっぱなしだった端末から呼びかけて、返事があれば切る心算だ。
その後は再びソファーに横になり、能力使用の疲労回復をすることに*]
[と、3号の腕。その口が男を向く。]
げっ…!
[咄嗟に転がり、放たれたそれを回避する。
壁にぶち当たったそれは、大きな音を立てるが、
さすが、格納庫ということだけあって、
壁は崩れることはない。
回避したその勢いで、すぐに立ち上がれば、
ぐるりと巻かれた方の蛇の尾が、眼前へと迫る。]
……っ!
[ガンっと攻撃を受け止め、重心を左に傾け、
その攻撃を受け流す、が、
べきっと、棒がひしゃげる。
トン、とそのまま床を蹴り、尾から距離をとる。]
まだ、だな…
[少し、ジンジンとする手をブラブラとし、
そうポツリと言う。
まだ勘は戻っていない。
反応がまだ遅れるせいで、力の受け流しが不十分だ。]
……らっ!!
[ふと、なんとなく思いつき。
左手で棒を振りかぶる。離す瞬間に能力を行使し、
3号のまきつく蛇の尾の前の空間を視界に捉えれば、
それは、ガコンと左手の触れた分だけ蛇へとあたる。]
お、でき…っ
[まぁ、そりゃそうだ。案の定蛇はこちらを向く。
それを回避すれば、ヴェスと目があった]
ナイス、タイミング!!
[使えよ!その言葉と同時に、それは男へと転移する。
そのナイフ状のそれは、不格好ながら、
東洋ドームから流通する、薙刀とも似ていたか。]
ー 下層区域 F-173 (廃工場)ー
……っ、この、っ…!
[無数のコードが音を立て、幾千の火花が廃工場内に飛び散る。まだ作りかけの兵器たちだが、動けるだけの能力があるようだ]
…っ、!!!
[水の獣を仕掛ける。鋭い牙を立てて1匹の機械生命体の腕を噛みちぎる。腕と胴体の断面からバラバラと機械の欠片が落ち腕の装甲部は簡単にひしゃげて潰れた]
…想定していたより遥かに柔らかそうだ…なっ?!!!
[だがそればかりを観察してはいられない。
別方向から振り下ろされる鉄くずの拳や鉤爪を躱し、上から水獣による水圧をかけてスクラップにしていく]
[と、その時だったか、
アデルの声が響き渡った。
アデルの言葉と共に、壁の一部が音を立て開く。
天井付近に、監視カメラらしきものを見つければ、
それに向かい、ニっと笑って、グッと親指を立てた。]
『ハハハァ!いい眺めだナ!この素晴らしいウロボン軍団に殺られてしまえィ!』
[スピーカーの向こうからはボリボリと何かを食べながらこちらを笑い囃し立てる男の声。無数にある試作品はまだまだ代わりがいるとばかりに動き出す。]
……っいっそすべて水に沈めて……いや、それだと僕が感電するな…
[一瞬考えた作戦は即廃棄される。汎用性の高い液体操作能力だが感電してしまえば意味がない。この数の『敵』を一網打尽にするにはこの場を水で満たすのはあまりに危険すぎる]
『…$%×14々=$♪÷+$!!!』
…!しまっ……!!!?ぐ、ううぅ…!
[一瞬の油断であった。ウロボンズの一体がユウヅキの腕を捉え、縦に傷をつける!
深すぎる傷ではないがどろり、と血が出てくる。]
……っや、った、なぁ…!!!
[その傷口から出てくる血が、形を、硬度を、動きを変える。
小さくも鋭い無数の『血の刃』が、ユウヅキの周りを舞い]
[ガガガガガガガガ!!!!]
[自身の周囲に近づくものを抉り、削り、破壊していく!]
…や、はり、痛いが、
こっちのほうが、よく、ききそうだ!*
―― 中層R-501 ――
[端末の地図を参照しながら中層を歩き、やってきたのはバー>>0:184だった。
聞き慣れない調子のいい音楽が流れ、一癖もふた癖もありそうな連中がたむろする中を通れば自然と眉にしわが寄る。客達も浮いた雰囲気の娘を物珍しそうに眺めた。]
『おネェちゃん、下層から遊びにきたの?』
[絡んでくる男をうっとうしげに素通りし、奥に進む。]
『暇なんでしょ、今夜どぅ?』
『おこづかいあげるよ?』
[娘は不快極まりない表情を男に向ける。]
そういうの、いいわ。
ヴェスからもらってるから。
[男はヴェスの名を聞くと、顔を青くして席へ戻っていった。]
[カウンターに腰かけ、マスターに声をかける。]
星のカクテル。
付け合わせはマスター特製ハバネロで。
個室、いただけるかしら。
[マスターは頷いて、娘を案内する。
途中、興味深げに娘を眺め、問う。]
『あんた、ヴェスのなんなんだい?』
[娘の瞳に動揺が浮かぶ。]
別に。雇われてるだけよ。
[そう返せば、マスターはそれ以上詮索することはなかった。]
[くるくるとグラスを回し、美しさに見惚れていたが]
せっかく運んでもらったけど、仕事の後で頂くわ。
[机の隅にグラスを避けようとする。]
『大丈夫、ちゃんとノンアルコールだよ。』
[いい笑顔のマスターにサムズアップを頂いた。]
……そんなに子供っぽく見えるかしら?
[残された娘は浮かない顔でカクテルを口にする。]
おいしい。
[飲んだことのない良いお味。
娘は目を丸くする。]
『うまいだろ?これも食べれば仕事もはかどるぜ。』
[マスターは娘の前に小皿に盛られたハバネロを置くと、笑顔で去っていった。]
……ほんとにおいていくんだ……。
[ハバネロはそっとよけ、まずは簡単な仕事から取り掛かる。]*
[現在ドーム間を行き来出来る路はなく、砂漠や荒野を越えられる者は、ほぼ無い。
砂漠、荒野の中央で恐ろしい危険があるという。
しかしながら、武器の形状は、東洋系の血を引いた者による相互扶助的組織、あるいは東洋武器の技術を持つ職人、または過去の戦争以前か砂漠荒野を労し越えて持ち込まれた武器の原型があり、【P13ドーム】でも見ることは出来るだろう。
何にせよ、市場で見かけられる武器の形状だ]
[ポシェットから小さなチップを取り出す。
それをつまんでいた指は長くて綺麗だった。>>3:233 などと、今は関係ない事を思い出した。
早速チップに侵入し、データを解析していく。
程なく解析は終了し、左手にカブトムシ――シルバーウロボン8号の親機を、右手にチップを握り、データのコピーを開始する。
親機を通して、ユウヅキが沢山の機械と戦闘しているのが見える。>>18
早く、早く。気ばかりが急く。
データのコピーが完了したのはユウヅキの周りに『血の刃』を舞わせた頃だった。>>20]
子機へ転送。
ユウヅキの周囲に妨害信号を発生!
[命令が届き次第、ユウヅキの周囲のウロボンズがユウヅキに危害を加える事はなくなるだろう。]*
…っこいつらを全滅させんと先には進めないというのに…!
『ピーーーー!』
…っ…あ?
[『血の刃』を舞わせながら一つ一つスクラップに変えていくと>>18、肩に乗るカブトムシ(子機)がひとつ大きな声で鳴いた>>26]
『…*28→=°°+???』『4×♪:+4635???』
『お、おい?!ウロボンズどうしたんだヨ!?そいつを潰せ!目の前にいるだろうガ!!!』
[カブトムシの鳴き声が廃工場内をこだまし、ウロボンズ達は目の前にいるはずのユウヅキに攻撃する様子を見せなくなる。
攻撃対象が突然居なくなったせいでウロボンズ達は混乱し、ガチャガチャと周囲を探し始める。スピーカーの向こうの男にとってもそれは不測の事態のようで]
……エイミーか! 助かった!!!
[カブトムシの鳴き声と表情(?)を見てユウヅキはエイミーが助力してくれたのを理解した。カブトムシの頭をひとつ撫でてやり……スピーカーに向かってこう言った]
さ あ 、 ス ク ラ ッ プ の 時 間 だ !!!!!
[無抵抗の紛い物機械生命体など、『血の刃』の乱舞に到底耐えられるわけがない。一歩前に進めば混乱したウロボンズが一体、また一体と破壊されていき……先程までの乱闘が嘘のように虐殺していく!!!*]
チッ
[眼を眇める。
男はスティーブを一瞥し、3号の頭部破壊状況を確認。
そして、その後の状況、武器を使うなりC4爆弾や手榴弾を使うなりによって、男がとる行動は合わせるように変化する*]
ー廃工場・放送室(男視点)ー
[男は焦っていた。素晴らしきウロボンズ達がたった一人の探偵ごときに蹂躙され、破壊され、一つ残らず潰されていく様に>>28。
どんなに攻撃指令を出しても、ウロボンズ達は探偵を攻撃しない。それは妨害信号がユウヅキのそばからでているからなのだが>>26、男にはそんなことが分かるわけがない]
『ど、ど、どうなってるんダヨ?!まさか、俺たちのウロボンズが、不具合なんてェ…?!!』
[男は手に持っていたポテチを投げ捨てると必死になって指示電波を送る。しかしどれだけやってもウロボンズ達は動かず、水の獣や血の刃によって見事なまでにスクラップされていく]
[これから素晴らしき兵器になるであろう、技術のタマゴ達がただの鉄くずに還されていくのを男は呆然と見つめていた]
[暫くそうやって、ウロボンズの処刑シーンを見せつけられていたところ…ユウヅキの姿が監視カメラに映らなくなったことに男は気づく。 ウロボンズがいるところでは、水獣や血の刃だけが動いていたのだ]
『ば、馬鹿な?!!あいつはどこにいったんだヨ?!』
[ガァァアァン!!!!]
[男が混乱の叫びをあげたのと、放送室の厚い扉になにかが体当たりをしたのはほぼ同時だった]
しっかしまぁ、結構えぐい研究してるのねぇ。
[無償診療の影で行われる不死への研究。ヴェスも見たであろう資料>>3:159等のエリュシオンの裏の顔。]
こういうのじゃなんだけどなー、アタシの求めてたもの。
[前文明を滅ぼしたのは一体何者か、というのは昔から続く命題である。機械生命体が一体どのようにして、誰に作られたかは未だに謎に包まれている。一説によれば異能力によって物質を変換されたものだとも言われるし、機械が機械自身によって革命的な技術革新を起こしたとの説もある。]
こんなことやってちゃ、また滅びちゃうかもしれないわよ。
[研究データを根こそぎ引き抜いた後、何重にも渡って改ざんデータで上書きをするのだった。**]
[ガァアァァン!!!]
[がぁぁぁああぁぁん!!!]
[ガァァァァアァアン!!!メギイイイ!!!]
[何かが、放送室の扉に体当たりをしている。厚いはずの扉は、体当たりされる度にその部分が盛り上がり、形を変形させていく。 鍵を掛けていたはずなのに、その鍵が圧力によってひしゃげて無意味なものに変わっていく]
[何度目かの体当たりのあと……外の光が、暗い放送室の中に差し込んでくる。 開いた扉の隙間に、白い指が差し込まれ、ガッ!!と扉をこじ開ける]
[黒い影が、光を遮り無理やり扉の隙間を広げる。赤い口をニタリと広げて中へと無理やり侵入してくる]
み い つ け た
[闇のような真っ黒な瞳と目が合って、それが男が気を失う前に見た最後の光景だった]**
[走って、3号を見る。
巻き付いた尾は良く動くが、もう一本は押さえつけられたように、
止まったままだ。
あそこから頭部へ登れるだろう。
が、]
あぁ、もう!
こいつ、邪魔だな!!
[それを邪魔しようと、もう一本の尾が攻撃をしかける。]
……っ!
[しゅる、と胴体から尾の巻き付きが剥がれ、
勢い良くそれが、薙ぎ払うように男に向かう。
咄嗟に飛び、衝撃は押さえるが]
……がっ…つ…!
[壁に叩きつけられる。
が、ガコン。と側へ装甲が落ちる。
尾は一部、装甲が剥がれている。]
ヴェス!
こいつも頼む!
[動く尾の破壊を頼めば、
男はもう一本の方から、一気に頭部へと登り、
先程破壊した場所まで辿り着く。]
[そうして、また同じ場所へ、
今度は刃状の腕を突き刺す。
刃のそれは、確実に回路を切断する。
が、まだ届かない。
再び、3号は暴れ始める。
今度は振り落とされるつもりはない。
もう一度刺せば、奥に何かが見える。
それが何かを確認している暇はない]
って、あ…えぇっと…!!
くそっ…!
[左手をその回路へつっこみ、]
……つ…っ
[ここからなら、良く見える。
アデルが開いた扉にある、導火線のある爆弾と、
奥にあるそれの一部と、そいつを交換する。
破壊された回路の火花で
内部で導火線に火がつく。
手を引き抜けば、男はそこから飛び降り、
しばらくすれば、頭部で爆発が起き、
内部からの爆風で、残骸が吹き飛んでくるか。]
……っ
[ちょうど着地地点、
そこに動き出した偽バグ・シングがいた。
が、それは、すぐに動きを停止した。
息を吐く。
どうやら、信号遮断はうまくいったらしい。
後は、動きを停止していないのは、]
しぶてぇなぁ…
ゴールデンウロボ3号
[だっせぇ名前のそれだけだ**]
[鈍い音が格納庫に連続で続く。
剥がれた付近、装甲がある部分に当たれば銃痕をつけ、剥がれた部分に当たれば、バチ、バチリ、と何かが弾け飛ぶような音ばかりが響いた]
[尾は、近づく男に標的を定め直し、突如、突起状、いや針状のそれを内側から迫り出させる]
ハ…………馬っ鹿……!
[射出される針は、遠隔移動能力で別方向の壁へと転移させればそれで済んだ。
問題はすぐその後だ。
尾が突如、パージされ、ムカデのように足を出し、男の元へと実をくねらせるように迫って来た]
くっ……!
[節足動物の動きに切り替わった様子に、顔を顰める。
尾と言っても、巻き付かれれば人間ひとりは優に締め上げれるだろう]
あああ、もう!
[そこへ、両手が男に向けられる。
クロスするようなラインで、熱線が放射される。
その動きはランダム性を持つ。
たまらず、横っ飛び、転がりながら走り出し、その場から逃げ出す]
ー 下層区域 F-173(廃工場入口) ー
よいしょ…っと、ふう、これでいいか
[ユウヅキは、放送室にいた男を廃工場入口に連れてきた。
水の力を使えば、呼吸を止めて意識を奪うなど造作もない。問題は殺すか殺さないかの境界線だが、ユウヅキはなんと言っても『元・尋問官』。人の生死のラインに関してはこの上なく熟知している]
さて、廃工場の中には他に人員は見られなかったし…多分駆り出されたんだろうな、僕捜索やタルタロスとの抗争に。
まあこんな時間から動いている廃工場というのも怪しいか
エイミーからの連絡によると…>>12、ふむ近くにここで作業する者達のための小拠点があるな
[ユウヅキは片手間に端末を確認しながら、右手では指揮をするように指を動かしている。操るものは当然液体だが…]
[ボガァアアアン!!!]
[その直後、頭部が爆発。
ぐらりと巨体>>+60が動き、その反動で熱線の軌道も変化。
床に身を投げ出すように前方に滑り込めば、男の頭上を熱線が通り過ぎてゆく]
ス、ティーブ!
爆弾! 大きい方!
[それだけで意味は伝わっただろう。
ラックには一抱えほどの数kgのものがある。
もはやムカデとも尾とも分からない機械を、男は上体を起こしざまに撃ち抜く。
どこか頭部なのか心臓部なのかも分からないそれは、一度撃ち抜いたくらいでは動きを止めない]
纏める!
[そのまま弾を撃ち尽くす。
巻き付こうと鎌首あげる動作、そのムカデ尾を睨みつければ、弛み撓み]
ド派手にやったほうが、撹乱や囮にはいいからな
[その液体は、やけにどろっとしていて、臭いが強かった。ユウヅキが廃工場内に他に人員がいないかを探していた時にみつけた『それ』はタンクの中に大量に入っていた]
さて…そろそろ満ちたかな?
[タンクを開き、『それ』を廃工場じゅうに垂れ流し、満たしていく。そこら中が『それ』の臭いに包まれているだろう]
…さーて、やるぞー
3……2……1………
[あとは、水獣を使ってスイッチをいれ、電気を…いや『火花』を起こさせればいい]
[カチリ]
[3号とムカデ尾の合流。
そこへ、リモコン起爆式の爆弾が届き、起爆。
再度大爆発を起こした]
[凄まじい衝撃に、床へ伏せる]
[どっかぁぁあああぁあぁあぁあん!!!!!!]
[工場中に満たされた『液体燃料』は、火花に触れて大爆発を起こす。中にあるウロボンズや機械生命体の試作品たちは全滅すること間違いなしだろう]
[中に人がいたら死んでるんじゃないかと言うほどの激しい炎と爆発。しかし幸いにも中に誰もいないことは完璧に確認済みだし、敷地外には被害が出ないように『空間制御能力』で囲っている]
……ミッションコンプリート!!!さあ次だ!!!
…ごふっ…また血が………
[そのまま、燃える工場と縛った男達と、爆発を見た野次馬たちをよそにユウヅキは次の小拠点に歩き出した*]
……まだ、動くのかよ…… ん?
[尾の方は破壊された。
両腕の先、手の砲は罅も入ったが、まだ作動しそうだ。
3号は重力負荷を受けながらも、立っている。
両肩部分にも武器が内臓されていたのか、赤い光が不気味に強さを増していた。
男が、声をあげたのは、そこではない]
コアか……?
[胸部中央、見えかけのそれ。
男は、手榴弾のピンを外すと投擲。
今度は3号は蹌踉めきはしなかったものの、外れかけになっていた胸部装甲が完全に弾け飛ぶ]
[口元を歪め、見据える。
両眼は爛々と赤く染まり光る]
見つかって良かったぜ……
[先程までは、エイミーがいればと過ぎってもいたのだが、見つかったのなら、事は早い]
[男が、バグ・シングに同情を抱くことはない。
それでも、言い知れぬものを覚えた。
目の前の3号は、不格好も良いところ。
……頭痛がする。
継ぎ接ぎの中、くず鉄のようなそれ、黒い蛇で結合された、美しい金属のイメージをみる]
[遠隔移動能力。
異能行使。
対象は、視界内3号コア・動力源。
3号胸部に異能の力が収縮し、撓み、ゴトリ、と近くの床へ落下した*]
[ヴェスの声に、振り向く。
その時みえた光景は、切り離された尾と対峙している光景。]
大きい方って…!
あぁ、もう!
[男の能力行使範囲は狭い。
それに、ヴェスのように連続で行使はできない。
走って、ラックまで辿り着けば、すぐにそれを床へと置く。
既にそのとき、ヴェスの声と共にムカデのようなそれの空間が歪んでいた。]
借りるからな!!
[ヴェスの方を見て、その歪んだ空間の一部と、
爆弾を巻き込むように空間を交換する。
ヴェスの元を離れた空間だ。対象は定められていない。
巻き込まれないように、ダンっとその場を離れる。
爆弾とムカデ尾の目的地は同じ。
男は起爆スイッチを押した。]
オホホホホ、出るわ出るわの大豊作じゃない。
[アンプル精製、大量の偽機械生命体の開発設計図、調査班の襲撃計画等々、ドームの警備隊が飛びつきそうな『特ダネ』がボロボロと手に入る。]
これだけ挙げればユウヅキやアタシのビル襲撃なんてニュースになりやしないわね。
[メインコンピュータから送られる情報はそのままヴェスにも転送され続けている。]
オーケー、ここは用無し!
お二人さんに合流よ!
[アデルン1号を掴むと部屋を後にする。警備システムは完全にアデルン1号に掌握されている。ドアの開閉から空調まで、このモフモフのゲテモノの采配一つだった。]
[響く爆発音。
だが、まだ、それは立っていた。
そこで、ヴェスが何かに気付く。
その手で投げられた手榴弾は、その胸部装甲を飛ばした。]
……ヴェス?
[どこか様子がおかしく見えるヴェスの名前を呼ぶ。
それは聞こえたか聞こえていないか、
ゴトリ、音がした。
それと同時、ヴンと何かが落ちるような音がし、
3号は、ギシ、ギシと両腕を垂らし、両肩の赤い光は消える。
今度こそ、ゴールデンウロボン3号は動作を停止した。]
ヴェス、お前、
大丈夫か?
[近寄りなが、そう声をかける。
そこに、まだ動くコアを見。
"コア"を持って来いって言ってたが…]
……
[棒代わりのナイフ状の腕を振り上げて、
ヴェスが止めなければ、それを破壊しただろう。*]
―― 中層 D-327 ――
『――― エル……、ノエルーーー!』
[しばらく歩いていればその声はノエルの耳に届いてきた。
表情をぱっと明るくし、声がより大きくはっきり聞こえる方へと、
とにかく進む。進む。
そうしてようやく出会えた。養い親に。
枷を付けられて転がされている様はタブレット型端末のモニターで見せられたのとほぼ変わらず]
ここまで来るのに色々あったんだがとにかく……、
助けに来た。
[養い親が苦笑するのをよそに枷がどうなってるのかチェックする。
鍵はひとつ。電子ロックの類ではない]
『鍵、は……こん中のどっかに隠したとか言ってたが』
……そんなまどろっこしいことしてる暇があると思うか?
[ばっさり断言すると片手を人差し指だけ立てて、
床を指差すような形で軽く振る。
射出された切断機能のない短い鋼線を手に持ち、
枷の鍵穴に侵入させてかちゃかちゃとやり始める]
『ノエル……お前はどこまで知っている、ヤツらの目的を』
……そうだね、ヤツらがとにかくすごい機械生命体を造ろうとしてることは知ってる。
それを使って、ドームの支配に乗り出そうとしてるんじゃないかってことも。
『だいたい正解だな、だがヤツらの思惑はそれだけじゃないように思えてならない。
奴らがバグ・シングじみたモノを造り、必要あらばけしかけているのも、
それが何らかの目的ではなく、
手段に直結するからじゃないかと……』
[しばしの沈黙]
『とにかくその様子なら知らなそうだから言っとくしかないな……』
[男は口ごもる。その理由は、
ノエルに余計なことを思い出させやしないか、というものだ。
ただでさえ実の親に置いて行かれた記憶が長年色々とあとを引いていたのを散々見てきたのだ。
だが、意を決して告げる]
『ヤツらの目的……それはお前だよノエル。
詳しいことは知らん。
僕に何かを依頼しようとした奴は、
前文明の遺跡から発掘された技術の再現のために……とか言っていたが』
…………。
じゃあ、養父さんから依頼があたしに回されたのは……、
『お前を手に入れるに都合がよかったから、ってところか?
何にせよお前、奴らの手に渡っちまったら無事じゃあ済まないだろう』
[かちゃり]
[話しつつも手は止めていなかったらしい。
鍵の外れる音が響く。
枷を外され自由を得た男は祈るような気持ちでノエルに振り返る]
ふ、……ふふふふふふ……、
『!?』
[男が見たのは悪そうに笑うノエルの姿だった。
これは驚くしかあるまい。
程なくしてすぐにいつもの表情に戻ってノエルは告げる]
―― R-501 バー奥の小部屋 ――
[工場に満ちる液体、ユウヅキのカウントダウン。>>33
駆ける水獣、振り落ちる火花。
舞い上がる炎が瞬く間に不格好な機械達を舐めつくす。>>34]
やっっった!
[思わず立ち上がる。
『境』の使い方も完璧だった。
血を吐くユウヅキにエネルギーを送ると立ち上がり、カウンターへ向かう。]
マスター?
ここのメニューに甘いものあるかしら?
ええ、チョコレートでいいわ。
……ハバネロは混ぜなくてよくってよ。
[山盛りのキューブチョコを持って小部屋に戻ると、口に放り込み届いた資料と向き合い始める。]*
あんくらいで、死なねぇよ。
[…まだ、言える。]
…見てた"だけ"ならいいけどな。
[何か、考えているような、
変な感じがしたような。]
証拠ならいっぱいあんだろ。
[証拠だと言われれば、そう言う。]
……武器じゃねぇか。
また使われんぞ。
[ヴェスを見つめる*]
ー〈UROBOROS OVERDRIVE〉中層どこかの小拠点 ー
[中層にある小拠点で、一人の男が焦っていた。
それは、目の前に広がる画面に映る『通信映像』の内容があまりに信じられない光景だったからだ]
[通信源は下層F-173近くにあるはずの作業員滞在用の小拠点>>32、しかしそこに映るのは普段から連絡を取り合っているものではなく、黒髪で満面の笑みを浮かべた男]
『そういうわけだから、他の小拠点のヤツらにも伝えておいた方がいいんじゃないか?』
[彼の立つ映像の後ろでは、機械や装置が蹂躙され、縛り付けられた作業員たち。おまけに奥からはまだ何か破壊する音が響いている]
『じゃあ、すぐにそっちにいくから準備をしておけ!また五秒後に会おう!!!』
[ブヂン!!!と音が立ち通信が途絶える。男は立ち上がる。その肩を掴む、黒い影]
解析してもらいたいんだよ。
[センセという名も伏せて。
エイミーに調べてもらいたいと伝える。
その場合、異能で送ることになるだろうか*]
すまん、3秒後だったな
少々待ち合わせより早かったが、まあ許せ
[口から血を零しながらにたりと笑う朱い目と目が合って、
自分たちは……なんてやつに目をつけられてしまったのだと男は悲鳴を上げる。]
そう歓迎するな、こちらもめいっぱいのプレゼントを持ってきてやったんだから
[口から零れた血液が、無数の小さな蛇となり。虫となり。刃となり。目の前に顕現していく。]
[エイミーが先程回復してくれたから>>41、苦しさはほとんどない。強いてあげるなら吐き疲れはあるか]
さぁ、ここはどう僕を招待してくれるんだ?
[また一つ、小拠点が壊滅した*]
それに……、
ユウヅキにあんなことも言ったしな、ますますこのままにはしておけん。
[つまりはこういうことだ。
“ドームの危機”もあるがそれ以上に“己の危機”であることを実感して、
今、ノエルの中で何かのスイッチが入っていた―――]
『“あんなこと”って何だ……?』
! ……気にするな。
とにかく、……こっから出るぞ。
で、その後は各地にあるっていう奴らの小拠点を潰すつもりでいるんだが……。
『なるほど。じゃあ一緒に行こうか』
!?
[即答だった。
そして言葉を続ける男の顔にも悪そうな笑みが浮かんでいた]
『だって……、そうだろう?
このままやられっぱなしで帰るだなんてたいへん後味が悪いじゃないか』
……これ以上は巻き込みたくないんだが。
『そもそも僕がヘマしたのが原因なんだ。
落とし前くらいつけさせてほしい』
…………、わかった。
[元の表情で頼み込む養い親にノエルはあっさり折れた。
そうして、小拠点を潰すには、
そもそも小拠点の場所を教えてもらわねばなるまいと思い至り。
端末を開いてみるとメッセージが届いていた。>>12>>17
拠点の場所やロボ配備についての情報が記されている。
ノエルはともかく養い親は能力はあれど丸腰だ。
能力なしの組手の時点で、ノエルがまともに勝てない相手ゆえ、
丸腰でも戦えなくはないがさてどうしたものか。
武器を取りに孤児院に立ち寄るか、武器とか気にせずここから近いところに向かうか]
[ひとまずエイミーに返信する]
『ありがとう。おかげで養父さんは無事に助け出すことができた。
拠点情報も助かる。養父さんもやけにやる気なんで一緒に潰していく。
ほんとはこんなドンパチに巻き込まれる前にゆっくり会いたかったんだが……まあ気にするな。
全部終わったらまた会おう』**
ふーん…
[あの馬鹿に該当するのは、他にはいるものの、
別に誰かなど考える必要もなく。]
……
[目を逸し、俯き、]
……わかった。
[振り上げた腕を引いた。]
[と、その時、男の足元の空間が歪んだ。]
……っ!?
[何度も見ているから、分かる。
転移だ。が、ヴェスのではない。
かつん、とコアをヴェスの方へ蹴る。
床から黒い影が飛び出し男を覆おうとする。
それに飲み込まれれば、男の姿はその場にはないだろう。*]
はいはーい、お二人とも、お・つ・か・れ!
[殺伐とした空気を全く読まずに、拍手をしながら二人の下へと走り寄る。]
さすがねー、これだけ相手によくやるもんだわ。
[二人の奮闘を褒め称えたのも束の間、散らばった残骸たちの側へ行けば、しゃがみ込み観察する。物珍しい物があれば、しれっと懐に忍ばせようとするだろう。]
ほほー、これはなかなか。
あらー、これ昔調査班の資料館で見たのと同じじゃない!
[楽しげにガラクタ拾いに勤しんでいる。]
ってあら?
スティーブ、どこ行っちゃったの?
[ふと目を離した隙に、スティーブの姿は消えていた。]
─ 上層区域・自宅 ─
[休息から目覚めたのは地下で金色の機械生命体が動きを止めた頃。
伸びをしてソファーから身を起こし、右眼で遠見をするとヴェス達の姿が見えた]
やぁ、やるじゃないか。
[機能停止した金色の機械生命体を見遣り感嘆の声を漏らす。
その傍でコアパーツを壊そうとしているスティーブがヴェスから何か言われたのか、動きを止めるのが見えた。
それに関しては特に何もせず、遠見の視界を別へと移す]
[探したのはエイミーの姿。
この事件に関わっているかどうかの確認のためだ。
今回も緊急時として透視の制限を勝手に解除する]
こんなところにいたのか。
[エイミーがいたのは中層のバーの奥。
ある意味では危ない場所だったが、個室にいるようなのでまだ危険性は低いか。
今は何か資料を読みこんでいるよう]
ふーん……なるほどねぇ。
[読んでいる資料を覗き込み、透視も駆使して内容を読む。
研究していたのは機械生命体だけではないらしい]
欲望に忠実なことだ。
[前文明から残る機械生命体に不老不死の可能性を見たとでもいうのか。
少なくとも、そうなってでも得たいと思う者がいたということ。
もし研究が成し得たなら、厄介なことになっていたことは確かだ]
ここで潰されて正解…と言いたいところだけど。
この資料が流出しないとも限らないのだよね。
[エイミー達がこれも証拠品として提出する心算なら、一時的には封じられることにはなるだろうけれど。
何が起きるか分からないのがこの世の中だ]
ま、その時はその時かね。
[今考えても仕方がない、と。
内容をある程度読めば視界を自分の下へと戻した*]
[事情も状況も気にせず、はしゃぎ。
辺りの偽バグ・シングの残骸や、バグ・シングの残骸などに、浮かれている]
こ……の……、どこ行っちゃったのじゃねえよ。
攫われたんだよ!
見て、分かれ。
この
―格納庫―
[勝敗がついたあたり、空気を読まず、アデルが入ってきた。]
……おつかれさまでーす…
[男はアデルにそう言って、
アデルは、そこら辺をはしゃいで見て回っている。]
楽しそうだな…
[疲れと呆れの混じった顔で、ため息をつき、
そして、その後、]
[覆ってきた黒い影に、
なんとなく、察する。
連れていきたいのはヴェスの方。
ヴェスを狙うより、こっちのが確実だ。
そして、間違いなく、庇おうとしてくるであろう弟を見る。]
ばーか。
[そう言って、押された力に合わせ、身体を回転させる。
そうして、目の前は闇に覆われた*]
―どこかの部屋―
[目を開けると、そこにいたのは、
じーさんに銃口を向ける『エリュシオン』の職員だろうか。周りには、多数の武装した人間。
それと…人間のように見えるが明らかに、違う。
まだ未完成で失敗作なのだろう。おそらく、機械化した組織を組み込まれた、人間。見た目はといえば、
"最悪"だ。]
[男の姿を見て、銃口を下ろす。
ヴェスにじーさんが人質に取られている、
とでも思わせるつもりだったのだろう。]
……残念でした?
[そう言って、男はにっと笑って見せた*]
ーー 下層区域 どこかの裏路地 ーー
[ユウヅキは進む、一つ一つ指定された小拠点を潰し、目立たせ、壊滅させていく。 探偵というよりもはやデストロイヤーである]
『よォ、兄さん ちょっといいかぃ?』
ん?どうした?
[そんな彼に声かける男がいた。若干見覚えのある]
……ああ、タルタロスの。どうした?
『いやぁね? あんたに聞きたい話があってよ…あんた、俺たちの情報をウロボロスに流したか?』
はぁ?なんの話だ
[目の前の男は話す。つい先程タルタロスの基地の一つが大量のカブトムシロボに襲われ壊滅したと>>3:119。そして…ユウヅキが情報をリークしたのではないか?と]
いや、してないな。むしろ僕はお前達に味方してやってる方だ。ウロボロスの小拠点を潰して回っているんだから
『へえ…まじかよ…でもな…信じられるわきゃねえだろぉがぁ!!!!』
[激昂し殴り掛かる男に、ユウヅキはなんなく拳を受け止める。そのまま腕をひねり上げて、動きを拘束した]
『っが、あぁあぁあああ?!!』
ついでに聞いていいか?タルタロスの拠点はどこにある?
丁度そちらにもお邪魔しようと思っていたところなんだ
『い、言う、わけが……!』
[ユウヅキはため息をつく。面倒なことこの上ない]
どうにしたって、僕達はお前らやエリュシオンを止めなきゃならないんだ。少し約束は違えるが…
まあ、まずはお前から豚箱行きだ!!!
[ユウヅキはそのまま相手を倒す。さあ、タルタロスにも喧嘩を売ったぞ。 …さあ、集まってこい]
[それが陽動である『僕』の役目だ*]
─ 上層区域・自宅 ─
[戻した視界を再び地下へと飛ばす。
格納庫ではアデルも合流し、次へと向かう段かと思ったのだが]
………うん?
足りないな。
[スティーブの姿が見えず、ソノランは首を傾げた。
ヴェスがアデルに対して何か言っている。
カマ野郎、と言うのは唇の動きで見て取れた]
これは……虚でも突かれたかな。
[スティーブ自身が飛び出したか、或いは誰かに転移させられたか。
恐らくは後者か、と微かに残る空間の歪みを見遣る]
[遠見の視界を俯瞰の位置にし、透視も重ねて各人の位置を探る。
格納庫にヴェスとアデル、それよりも奥まった位置にある部屋にスティーブの姿を見つけた。
そこには他にも誰かがいる模様]
…んん?
[視界をスティーブがいる部屋へと移すと、その誰かの姿が良く見えるようになる]
あぁ……資料にあったあれか。
もうちょっとどうにかならなかったのかな。
[その造形に前髪の奥で眉根が強く寄った。
スティーブは何か予兆でもあったのか、慌てる素振りが無い。
何かを言って笑う様子にしばらく様子を見ることにした*]
……で、どうする?
[表情は変えない。笑みを浮かべたまま。
どちらにしたって、ヴェスは来るだろう。
先に来る、来ないが変わっただけだ。
それに、結果的に離れることになってしまった、
ヴェスのことは気がかりだ。
そんなことは、じーさんも分かっているだろう。]
── 格納庫 ──
[アデルとのやりとりはどのようなものだったか。
男は暫しして、少し正気を取り戻す]
(悪いな……)
[それは、繋がった相手へか誰にか。
アデルである場合もあるだろう]
[コアについては、エイミーへと送ることになるだろうか。
アデルの『目印・捕捉』の異能を使ったのか、それとも、ただ建物の奥へ奥へと進んだ結果か、やがて研究室と思しき部屋へと辿りつく。
奥へ向かうならば、この部屋を通ってゆく必要がありそうだ]
[じーさんの、口が動く。]
『何も、変わりはしない』
……
[逃げれるか…?
いや、無理だろう。
男に老人は近付いてくる。]
『――…お前は"無能"だ』
[がくん、男の頭が仰け反り、膝をつく]
…ぁ…っ
[老人を見上げ、男は睨みつけた。]
……のやろ…
[暗示を強めたのだろう。
ほとんど、言葉にならない。]
『黙っていればいい。』
[そう言って、老人は背をむけ、
また元の位置へと戻っていく]
アタシに怒らないでよ!
[>>+94>>+95のヴェスの怒りに逆切れをする。]
死んだわけじゃないわよ、まだアタシの「能力」で追跡できるし。
そんなにも遠くないわ。
[スティーブに付けた「糸」を辿る。同じ建物内、この奥だ。]
というか、なんでスティーブが攫われるのよ……
ってか、誰がオカマよ!!
[バグ・シングの残骸をぐしゃりと叩き潰した。]
[しかし、奥へと向かう度、表情は険しくなってゆく。
それは確かに、機械組織だった。
カプセルも、等間隔に置かれているが、大量にあるという訳ではない。
それでも、中に人体らしきものが見えれば、それは話が別だ]
……わかってる、ドアのロックは解除できてるわ。
[偽バグ・シングの犠牲は一つで済んだらしい。気を取り直してヴェスの後ろを歩く。サーチをかけたところ、スティーブのいる部屋には多数の人間の反応があった。さすがに相手も手ぶらで歓迎とはいかないだろう。]
一つ聞くけど、アナタ銃弾当たっても平気なタイプの人?
それとも銃弾当たらないタイプの人?
[冗談のようなことを真顔で聞く。]
[一人でどうこう出来る相手じゃない。
それは分かっているが、]
……
[何か、出来ることは。
片膝をついたまま、視線を巡らせる。]
[アデルの興味は通路を挟んで立ち並ぶカプセルたちには向いていない。この男が欲するのは、現代で生産されたものたちではない。目の前のそれは彼に言わせれば「贋作」でしかない。]
あら、そうなの?
どうやってさっきあれだけの数倒したのよ……
わかった、前衛は特別サービスでアタシがやってあげる。
スティーブ取り返してトンズラって手もあるけど、最低でも相手の転移系を黙らせる必要があるわ。
そこの辺り、ちゃんとお願いね?
[拳をポキリと鳴らした。]
1回?
ふーん、まぁオッケーよ。
あんまりダメそうだったらぶん殴ってあげるから、気張りなさい。
[ヴェスからの意味深なお願い>>+117については軽く頷き、肩をぐるぐる回している。]
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