情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
>>112 アベル
「竜は優しい言葉を知っているのね。
使い魔というのはよくわからないけど……自分を使う人を大好きでいられるのはきっと素敵なことかしら。」
心が弱っている、と言われてもなお乾いた響きがした。
守り方なんてわからない。
悲しい時にたくさん涙が出るのは心を守るということなのだろうか。
「守れないから涙が出るのかと思ってた。
だからまだ大丈夫なのかしら、と。もう我慢できないくらい苦しくなったら涙が出るのではなくて?
私はうんと叱られたら泣いてしまうの。アベルもシルヴィに叱られて泣いたことがあるかしら。」
叱られてなく竜がいたら案外かわいい生き物なのかも。想像したら笑ってしまう。
あんなに恐ろしい力が嘘みたいにこの竜は話すほどに素朴だった。
「空がきれい、なの。
いいなあ……私も昼間は青い空を、夜は空いっぱいの星を見てみたい。
そんな所を自由に飛べたらとても気持ちがいいでしょうね。」
窓の外に向かって両手を広げてみる。
>>115テルミット
「ご機嫌よう、テルミット。
少し寝不足だけど、悪くはないわ」
昨日。傷が癒えきってもいないのに、処刑人と言う無茶な役を行ったせいで。
腕も脚も、身体もまた痛み。精神的な疲労と、遅くまでルクレースに付き合っていた事もあり。悪くはない訳は無い。
が。それを悟らせないように、気の合う職人を歓迎する。
「なんて洗練され、かつ無骨でありながらも美しいフォォルム……!
貴方を待っている間は。きっと、恋人からの贈り物を待ちわびる乙女は、こんな気持ちなのだろうと想像しながら待っていたわ。期待以上よ。
早速乗りたいわ。肩をお借りしても?
抱えて、乗せてくれても良いのだけれど
…………まぁ。パワフルなのは良いことよ。えぇ
風通しが涼しくなって良かったわ」
同じように、最後の方は小声になっただろう。
何時のことだろうか、広場に姿を見せた少女を見つけるとなんともわざとらしい笑顔で声を掛けるだろう。
>>ヘンリエッタ
「賢者のお嬢サン、少々時間を貰ってもいいかネ?――怪しいモノじゃないヨ、薬屋さんをやっているジュラムというんダ。」
知らない大人と1対1で話すことを、彼女は了承するだろうか。誰か知り合いが居ればいいのだが、とこっそり辺りを見回した。
どこかのタイミングで蓄音機ーアイちゃんに自分の言葉を乗せる。
>>123きっとレーヴとすれ違っただろう。
彼は、自分と同じく城下町を普段から駆け回っているため、顔見知りではある。すぐに屋根から屋根へと飛んでいってしまう為、そんなに話し込んだことはないけれど。
「えっと、まず一番に考えるべきは、今夜、時計を砕く1人。時計職人の本物が1人しかいない以上、どちらか片方は嘘を吐いている。
どちら…というのであれば、私は、レーヴ、お兄さんがいい。理由は…昨日、ルーちゃんを疑っていたから……。でも、特に強いこだわりはないよ。もう1人の時計職人さんについては、あんまり知らないんだけどね。」
どうやら浮浪者のようであったが、貴族名鑑を漁っている時か、どこかで引っかかりを覚えたものの、眠気に負けてそれ以上彼のことは調べられていない。
「今夜視てほしい、って人は、昨日から変わっていないよ。ルーちゃんと、テルにーに、ダズリーお兄さん。」
他にも気にかけている知り合いはいたが、彼女たちは貴族の位。サラだって同じ貴族なのだ。思いたくはないものの、命の秤の上で平等に扱われるか如何かには、一抹の不安もあったのは事実だった。
「あと、気になるのは、やっぱりブレイクお兄さんの正体、だね。正体も何も、ブレイクお兄さんはブレイクお兄さんだけど……
私は私から見たブレイクお兄さんしか知らないから、少しでもブレイクお兄さんと関わりがあった人は、お兄さんの人となりや、お兄さんが眠ってしまう前日、どんな感じだったのか教えて欲しいな。きっと手がかりになると思う。
私の知っているお兄さんは、背中を押してくれる優しい人だよ。」
グレゴリオは蓄音機を操作し、1日目の記録を引き出す。
「ブレイクが賢者だった時の可能性について考えていこうと思う。
ブレイクが時計が砕ける前日に話していたのは、サラ、アイリーン、トッティ、ルクレース、ジュラム、ヘンリエッタ、エルス、テルミット辺りらしいな。ああ、あと国王様もいたが。なんだ、いい歳して女好きか?
エルスやテルミットはサラを助けるために手を借りていた…大事な先生と生徒だったか?を助けるための人間の素性を知るためにといったところか、ここらを見ていたら。どちらかといえば、エルスが処置を行っていたらしいし、エルスを見た可能性の方がありそうか。
呪狼が賢者と名乗るのも無いと私は思っているから、一旦、ルクレースとヘンリエッタも除外しよう。それから、共鳴者であるサラと今日砕かれていた、トッティか。
すれば、ブレイクが見た可能性が高いのはアイリーンかジュラムになるのかもしれないな。
ただ、彼がサラを見ずに他の女の潔白を示そうとするのはどこか違和感がある。勝手な印象だがね」
「結論としては、ジュラムかエルスを見ていそうということだろうか。彼のことはよく知らないけど、相当にサラに執着していそうだし、エルスの方が僅かに可能性は高そうかな」
そこまで言えば、一呼吸置く。
「やはり…賢者がどちらも本物とは考えにくい気がする。上手く行き過ぎてて怖いというか。
ならば、ジュラムやエルスが呪狼と仮定してそこを起点に見てみようかな」
[──時は少し遡る。ルクレースが絞り出すように結果を伝えて休みに行こうとしたとき。入れ違いにレーヴが来て、時計職人だと名乗ったのを聞いた。反射的に振り返ってしまう。]
えっ、.......
[アーネスト、グレゴリオ。どちらかは嘘を吐いていたということだけでも、ルクレースには信じ難かったのに。
もう一つの可能性に、眩暈がしそうになる。]
(2人とも、嘘を吐いていたら.......?)
[顔を伏せ、唇を噛む。まだ、そうと決まったわけじゃない。そう、どこかでわかっていても、どうしても不安で。
グレゴリオの結果を聞く前に、その場を離れた彼女は、夜になるまで、なかなか頭を働かせることが出来なかっただろう。]
「……賢者の力を以て、蝙蝠や小悪魔を退治できたことがわかれば、みんなからの信頼を勝ち得ることができるわ。
ただ、賢者は2人いる。眷属からすれば、賢者のフリをするのはメリットが大きいわ。こちらとしても、無闇に賢者の時計を砕くのはリスクがある。そこに紛れ込むのは眷属側の正攻法と言えるわね。
一方で、眷属は眷属らしく身を潜めたままの可能性も間違いなく切れない。
私の結論は、まだ両方の線を追うべき。
ということになるわね。」
>>127 サラ
調子はどうだ、などと何の気なしに聞いたことを後悔した。よく良く考えれば、いや、考えずにもわかる事なのだが、見れば、幾重にも包帯に巻き付かれ、全身に青痣をたたえたその姿からはどうやっても調子がいいなどという答えが返ってこようもないというのに。
それを悟られまいとするサラの気遣いに、テルミットはどこまでも朴念仁である振りを続けることにした。
「…そうかそうか、それは何より。エルス医師とジュラム薬師にも礼を言わねば。私の大切な人を助けてくれてありがとうとな!」
同好の士、という意味で言ったのかどうかはわからないが、本格的に朴念仁の体をなして来ているのかもしれない。
「ふはは!それ程までに待ち侘びていてくれたのならば冥利に尽きる!
どれ、それでは僭越ながら贈り物を贈る恋人としてエスコートさせて頂こうか!」
操縦座席からひらりと飛び降りたテルミットは、ベッドに横たわるサラの肩口と下肢に腕を通し、ひょいと持ち上げた。
「恋人と言うには些か歳を取りすぎてはいるが…まあ、歯車に手を噛まれたとでも思ってくれ。」
操縦座席から昇降梯子が斜めに伸び、それを昇るとテルミットはサラを座席にそっと座らせた。
「グレゴリオとアーネスト、それにレーヴ。
誰が何者かはわからないけれど、どちらかと言えば私はレーヴが本物に見えている。
それは、レーヴが今日になってから名乗りをあげたことが理由よ。
眷属や蝙蝠たちなら、今まさに時計が砕かれようとしている時計職人に名乗りをあげる意味はないわ。
死にたがりなら、今日改めて名乗る意味がない。それこそ、昨日の段階で勝手に名乗ればいいのよ。本当に時計を砕かれたいのならね。
みんなもそうだったでしょう?今日出てきたレーヴを見てどう思った?『どうせ死にたがりでしょう』とでも思ったんじゃないかしら。
そんなことを思われたら、もしかしたら時計を砕いてくれないかもしれないわ。
そんなリスクを負うより、昨日名乗ればいいことは明白よ。
……だから私はレーヴが本物だと思うわ。
偽物の可能性が残るから、時計を砕く、という判断なら従うわ。」
>>128 ジュラム
「ご機嫌よう……薬屋さん。
小さい患者の味方にして最大の脅威ね。」
きょろきょろと辺りを見回す。
この大人は少し……怖い。正直なところ。
「賢者の力を賜りました、ヘンリエッタ・フレジェでございます。」
怖い時こそ優雅に。素敵に。
「エルス先生から甘いお薬のご相談はもう受けて?
良いお薬が苦いのはもう……時代が進みすぎていると思うの。
ジュラム先生、エルス先生は甘いお薬を花束とおっしゃったの。素敵でしょう?
花束で戦争を終わらせるようなものだ、と。
その素敵な考えにどうか賛同くださいますよう……」
物怖じしないつもりが、珍しく口調も重く、固かった。
[今度こそ、使命も何も投げ捨てたかった。部屋に閉じこもってしまいたかった。それでも――ルクレースは顔を上げる。]
.......『負けるな。生きて。』
[彼の言葉は呪縛だ。優しい呪縛。しかし、今のルクレースに必要なのは、理由で。アーネストのその言葉が、彼女が使命を果たす理由だった。
彼が、何者であっても.......最後にかけてくれた言葉は本当だと思えるから。]
理解者「ルクレースさんはトッティを占って、彼女が倒れている。ヘンリエッタはリリちゃんを占って、悪い人じゃない。考えられる、こと、か。ルクレースさんが本物なら蝙蝠、小悪魔、が消えた可能性もある、ってことになる?もちろん砕かれたところが重なってたっ方が有り得るのかな?
ヘンリエッタは最初にサラを占ってるのよね、偽物ならこんな無駄な嘘をつく必要がないってのが単純な思考、あとは疑いたくない、かな。自分勝手でごめんなさい、でも彼女が悪い人間には見えない。
トッティについて、盗賊が彼女を狙ったなら趣味がわるい。でも、ひとつ、彼女を狙うような人に思い当たる人がいないの。きまぐれ、と言われたら仕方ないけれど、もしかしたら彼女は…。
ブレイクさんについて。ルクレースさんが当てたか、ブレイクさんがハズレを引いたか。ここに関してはまだ言えることが少ない、ごめんなさい。でもブレイクさんが仲良かった人が呪われた力を持っている、って可能性はある。それでもまだ私は今出てる2人ともが本物だと思う。
今日【視て欲しいのはリンちゃん】、じゃなくてアイリーン。【砕いて欲しいのはグレゴリオさん】。」
「……………………。」
少女の手の中には、壊れた時計があった。
ケースがひび割れ、数字の代わりに赤い花の模様がついていたのだろう文字盤も同様に割れている。金色の針はひしゃげ、命を刻む事がもうないのだと告げていた。
その時計をレーヴに差し出しながら、
真っ直ぐに、痛いほど純粋に、哀しいほど無垢に。
まるで、それが当たり前のように目の前の少女はレーヴに願う。
まるで、昔の自分を見ているようだった。母を亡くしたあの日の自分に。
だからこそ、告げなければならない。だって、この国ではそれが当たり前なのだから。例え、恩恵を受けていたとしても。それだけは、覆らない事実なのだから。
差し出された少女の手を、壊れた時計ごと優しく両手で包む。そして、真っ直ぐに彼女の瞳を見つめて、レーヴは口を開いた。
「リリアーヌ。俺は、確かに時計職人だ。マザークロックに選ばれた人間だ。
……だがな、一度砕かれた命の時計は、形だけ直したとしても、その目が覚めることはない。それは、マザークロックの加護を受けた俺が直しても同じことだ。
……トッティが目覚めることは、もう無いんだよ。」
ゆっくりと言葉を紡ぎ、最後は優しく諭すように、レーヴは少女に残酷な真実を告げた。
「昨日のエルスとジュラム、それにヘンリエッタとルクレースの占いと砕く希望を聞き返してみた。
エルスはジュラムとリリアーヌを占い、オブゼビオとアーネストを砕く希望にあげている。
ジュラムはアーネストとダズリーを占い希望にあげている…のだろうか。砕くのはオブゼビオ。
ルクレースは特に出していないように聞こえた。聞き逃していたらすまない。
ヘンリエッタはセレナとルーツを。砕きたいのは時計職人の中からと。
ヘンリエッタはブレイクが賢者であった可能性を見ていて、アイリーンを占うのは怖いと言っている。私が聞逃しているだけかもしれないが、そこまでブレイクという男はアイリーンに執着していただろうか…」
>>134 エルス
あー………はいはい。なるほどね。それは確かにあからさますぎって感じはする。
掘り下げる?………えーと、賢者2人って、俺の中ではマジでイレギュラーなのね。なんでか考えた時にどうしても【ブレイクが賢者だった】可能性しか浮かんでこない。そうなるとヘンリエッタのことを今本物かなって偏った目線になってる自分がいる。
俺は俺で凝り固まってるのが嫌だからあんたとかに意見を聞きたいと思ってたんだけど、そもそもあんたが賢者が2人ってことに対する事実に疑問が少ないことが不思議だなって。
そういう意味で、掘り下げたくはならないのかと思った。あえて触れない戦略?とかやってるんだったらごめんだけど。
>>131アイリーン
一昨日、ブレイクと多少話をしたが。
[祭りの初日に新聞を配って回っていた眼鏡の少女に話し掛ける。掲示板の張り紙で名前も把握していた]
サラ嬢を城内に運んだのちも、彼はずっと瀕死のサラ嬢に声を掛けていた。指示を出せば直ぐに動き、非常に助かった。オレは力仕事は得意でないからな。
夜はオレが見ているからと言っても構わず、部屋で看病を続けていた。
実際にブレイクが何者かは定かでないが、その間で言えば魔女や悪魔に魂を売るような人間には見えなかったと。オレは思うが。
[ほんの僅かな時間のことであったが、アイリーンが求めている情報であると思い伝える。用が済んだ為、エルスはアイリーンから離れ蓄音機へと向かった]
「後は」
言おうか言うまいか迷っていたことを口にする。これは疑わしいとか、そうでないとか関係なく完全に個人的な趣味嗜好の話になる訳で。
「私はレーヴが狼や小悪魔、蝙蝠は無いと思っているから砕かなくてもいいのではと思っている。そもそも、レーヴが夢見たがりだと思っているというのもあるが。
他人が悪夢に襲われて、苦しむ様は少し見たい。上流階級の方々なら尚良いんだけど」
他人の苦しみで自分が救われる訳では無いけど。多少、気は紛れる。
「という訳で、希望を出そう。
賢者に見てもらうのは、ルーツとオブゼビオを希望しよう。口数が少ない人間をそのままという訳にもいかなそうな状況でもあるから、オブゼビオを入れた。
砕く希望はジュラムとセレナを希望する」
そこまで言えば、蓄音機の前を後にした。
>>138テルミット
(……ありがとう。気づかないフリをしてくれて)
サラの姿の惨さを。
気づかないフリをしてくれたのだと、分かる。自分の姿が、悪くはない訳が無いことは分かっているから。
サラは。自身の振る舞いを、無下にしないようにしてくれた彼へと感謝をしただろう
「えぇ。私もお陰で、まだ大切な人達と時間を過ごす事が出来ている。勿論貴方も含めてね」
大切な人の意味は。今は敢えて問わない
「まぁ。恋人にエスコートされるだなんて初めてよ。
痛くないように、優しくして頂戴ね?
っ、ん、ふふ」
触れる身体。その時の痛みは、微笑みで打ち隠す。
吐息の様に漏れた声は、くすぐらせてしまったかもしれない。
軽いサラの身体は、驚くほど簡単に持ち上がる筈だ。
今日賢者に見て欲しい人間は【ジュラムとルーツ】だな。理由は昨日と同じ。
[全員の顔と名前は覚えたが、年齢までは知らなかった。話したことのある人間の中で一番幼そうな少女を選ぶ]
砕く人間か。時計職人で構わないと思うがそれ以外を挙げるのだったな。
であれば【オブゼビオとテルミット】か。
オブゼビオに関しては昨日と同様。その基準で言えば次点はダズリーだが、話してみれば思考しているのを感じる。
テルミットとセレナ嬢にはそれほど差が無いが、《時の魔女》と長い時間を過ごしておいてその内容が茶を飲んだだけとは少し思い難い、と。
「賢者に見てもらう先は【テルミット】
時計を砕くのは【グレゴリオ……だけど、】
もしそれ以外でというなら……【オブゼビオ】。
理由は昨日とだいたい同じね。」
蓄音機の前に立ち、残りの議題に答えるために声を吹き込む。
「すまん、今日の砕く先と視る先、だったな。
まず、【視る先は昨日と変わらずエルス、あとルーツ】にするか。
昨日は魔女の眷属ではと疑ったが……まぁ、違うなら正体をはっきりさせておきたいと思ってな。医者については、昨日と同じだ。
グレゴリオ以外からと言うなら……あぁ、そう言えばあの観測者の……オブゼビオって言ったか。そいつを見てないな。
【砕くならオブゼビオ】を希望しようか。口数が少ないなら裏で何かをしてるんじゃねぇかと思ってな。……まぁ、そんなところだ。」
そう言うと、蓄音機を止めた。
>>全員
「30分前に告知しようと思っていたのに、忘れていたわ。
【仮決定の24分前よ】
名前を挙げるのがまだな遅刻魔さんがおられるなら、駆け足!」
>>129 セレナ
「ミツコ……ふふ、かわいい名前だね!確かに、大人の香り………お姉さんにぴったりだね。」
新聞屋の情報網を持ってしても、高価な香水の名前まではどうやら守備範囲外。少なくともリーン個人には今まで貴族の顧客はいなかったから。
でもだからこそ、初めて聞いたその名前に、リーンは興味深そうに頷きながら彼女の説明を聞く。
そうして少しでも、彼女の顔が晴れればいいな、なんて思いながら。
>>72グレゴリオさん
「そうでしょうか。
私はこれが常なので、あまり熱心とは感じた事はありませんが、ありがとうございます」
[記憶に引っかからないとは。まだまだ未熟だと心の中で思う。]
「>>76>>79の考察は拝聴させて頂きました。
今日グレゴリオさんがアイリーンさんを【白である】そう言いましたね。
内訳は魔女側の賢者、死にたがり、時計職人。
アイリーンさんが仮に死にたがりだとしたら、わざわざ時計職人だと言うでしょうか。
また、魔女側の賢者だとしたら自分の立ち位置くらいは把握して賢者であると言い張るとは思います。」
[様々なパターンを書いては消しての繰り返し。
一番納得行くのは、回避した中に魔女側の主犯格がいるということではないかと考えた。]
>>155 >>157 リリアーヌ
>>153 シルヴィ
目の前で涙を流す少女に、レーヴはそれ以上何も言えず。ただ、その涙を時折指で拭うことしかできなかった。
少女の口から出た言葉に、"俺も会いたい"などと言えるわけもなく。その言葉を胸の内にしまい込んだ時。
ピシリ、と何処かで音が鳴った。
そちらを見れば、あの日見た魔女の姿があった。咄嗟にリリアーヌを庇うように前に立つ。
「…………。」
ギリッと睨みつければ、クマのせいでもともと人相が悪いと言われていた顔がさらに険しいものになる。
何の用だ、と眼だけで魔女に訴えかけながら、後ろの少女が漏らす言葉を聞いていた。*
>>141 ヘンリエッタ
「薬屋さんは嫌いでしたカ、これは失礼」
不安そうな顔を隠せない彼女に、思わず笑いが漏れる。
「賢者の責任を重く背負わずに、明るくいるアナタが気になりましテね。…アァ、座りまスか? 小さな脚に負担をかけてはいけませンから」
もちろんわざと、助けを求める様子に気付かないふりをした。誘い文句も脚を折った令嬢を思い出させるような言葉を選んで――なぜだか、少し意地悪をしたくなるようだ。
広場の傍にあった花壇の縁に腰掛けようと、誘う。もしその誘いに従ってくれたならば縁に上着を敷いて、その可愛らしい服が汚れないようにするだろう。
>>ヘンリエッタ
「ヘンリエッタ嬢、残念ながら今日はあの医師に会っていなくてネ。可愛らしいお嬢サンの言うことぐらい、走って伝えに来ても良さそうなものダ」
こちらとしても、好きで苦くしているわけではない。しかし、その提案はなんとも魅力的なものに聞こえた。
「苦味を和らげることはできるだろうネ。甘くするのはそれよりずっと大変だガ…それでお嬢サン方との戦争が終わるなラ、ぜひ尽力させていただきましょウ」
いつかの時間。
「眷属どもがトッティ少女を狙う理由が見えないとはいつか言ったな。ルクレース嬢の言うように、トッティ少女が今日砂と化したのであれば、眷属どもは他の誰かの時計を砕きにいったことになる。結果としてそれは失敗したのだろうが、大方賢者のどちらかだろうな。眷属としても真贋はついておらんだろうが、二人いるということでたかをくくればどちらかを削っておくのもなくはない。それか、既に眷属側に偽の賢者の所在が割れている場合だ。その場合は既に視られているリリアーヌ少女かトッティ少女が眷属であるということになる。
トッティ少女が【模倣】であるなら、この疑問にも得心がいくのだが…。
レーヴ配達人が言うには【時計職人】側にも眷属がいるのだったな。アーネスト貿易商の態度からすれば確かにこれもまた【模倣】に見えなくもない。
私としてはグレゴリオ氏よりはレーヴ配達人の方が真に近いと考えている。
希望だったな。【賢者の希望は変わらずエルス医師とジュラム薬師】。【時計の希望はグレゴリオ氏以外であればオブゼビオ観測者か…ルーツ嬢】だ。他意はない。私はグレゴリオ氏を推す。」
22時って勘違いしてた。
占って欲しいやつは【アイリーン】【リリアーヌ】。色々出没してるけど確信的な意見は聞けてないから。逆に呪いを持った狼とか有り得そうだけどね。あと、もしトッティが憑狼ってやつなら、そこら辺になり変わる方がやりやすそうかなって。
砕く候補は【グレゴリオ】もありだと思うけど、やっぱ割と【ルクレース】のこと疑っちゃってる。
砕く……人は、
[怖い。そう思ってしまう。誰かの時計を、命を、砕くなんて、言いたくはない。それでも――]
……視たい人の、希望と同じ、ではいけないでしょうか?
[本音を言えば――時計職人の時計を壊すのは、待って欲しかった。しかし、それを口にする際の、もっともらしい理由は考えつかなくて。これが、ルクレースの精一杯だった。]
「今日みて欲しい人、と言われましてもそれほど変わりはありませンねぇ。【テルミットと…】ダズリーは気に食わなければ砕いてしまえば良いでしょウ。【エルス医師】を希望しようかネ。
砕くべきは時計職人とは思いますけどモ、挙げるなら【ダズリーとオブゼビオ】だネ。」
「…遅刻だネ、まあ許容範囲としてくれヨ」
>>全員
「仮決定のお時間よ。
視る対象は
ルクレースに【セレナとオブゼビオのどちらかを】
ヘンリエッタに【ダドリーとジュラムどちらかを】
砕くものは、【グレゴリオ】
【私に、投票を委任することを忘れないように
必ず委任すること】
グレゴリオは。自分の命の時計の最後を託したい者がいるのなら、申し出ると良いわ」
「しばらく前にも考えていたのだけど(>>111)、【ジュラム先生とダズリー】を占ってみたいかしら。
単純にふたりとも昨日私たちが占う相手の中に入っていたから、きっとサラと共鳴する方ではないでしょう。
オブゼビオは昨日より静かね、と思ったから気になってしまったのだけど……難しいわ。
少し話し方のクセが変わった?なんてよくないことを考えてしまったかも。少しだけ疑っています。気のせいだといいな。」
>>166 エルス
え……疑問じゃないの?じゃあなんで二人しか出て来ないのかってならないのか………。ちょっとずつ話したいことからズラされてきてる気がするから、多分根本的に話が合わないんだと思う。
イレギュラーって言ったのは、俺が賢者の資格があった場合のことを考えて言ってる。
俺が賢者なら、隠れずに名乗り出る。俺が賢者の力を持つ狼の協力者なら、撹乱させるために名乗り出る。なのに蓋を開けてみれば二人しかいない。その理由がわからないってこと。…………って、もう何回も言ってる気がするけどね。まあいいや、俺もこれにこだわらず、他のことにも目を向けて考え直してみる。
…………あ、あと。国王は今、どこに眠らされてる?
「時計職人以外の人も、挙げなければいけないのかな。
リーンはポツリと呟く。
「それなら…お医者さんか、ジュラムさん。理由は、ブレイクお兄さんが賢者であるなら、視ていそうなのがこの2人だから。それ以外だと…ごめんなさい、挙げられない。」
顔見知りが沢山いるというのは嬉しいことだが、同時に疑い辛くなる。というよりは、疑えないという方が正しいのか。
「顔をあまり見ないという意味ではオブゼビオさんだよ思う。でも、私は昨日お兄さんと話していて、魔女の眷属…少なくとも進んでそうなりそうな人には思えなかったよ。」
「…………………ご、ごめん遊ばせ?ダズリー
私の好きな魔法学校ものの本に、ダドリーと言う男の子がいるから、つい」
オジギ=ヲ=スルノダが絶対的な敵として立ちふさがる書物を思い出してしまい。
うぅ、と恥ずかしさで頬を染めた
>>ヘンリエッタ
「ご機嫌よう、ヘンリエッタ
その二人がどうかなんて、ヘンリエッタは詮索しなくても大丈夫な事よ。
オブセビオの癖の気になった所を、教えて貰えると嬉しいのだけれど」
>>16ジュラム先生
「紳士らしくエスコートしてくださるなら。
先生が初めてだから、お作法には目をつむってくださいな。
花壇の前、素敵よ?後から思い出してしまうかも。」
手を伸ばして、その手を取ってもらえたなら敷物の上にやさしく腰かけただろう。
「エルス先生はお忙しいしお疲れなのでしょう。
今はまだ、大事な戦いの最中ですもの。
子どものわがままは……もっと落ち着いてからお話しすることでしょうね。」
ほんの少し、落胆の色を見せる。
でもあのユニークで真面目な先生はたとえ子ども相手でも患者に口約束はしないだろう。
「アレは不朽の名作ですからネ、仕方ありませんネ」
そう言いながら静かに肩を震わせる。
「オジギ=ヲ=スルノダ…ククッ……いえ、気にしないでくださイ…【決定は確認しましたカラ】ね…」
>>186 サラ
「あら、あなたの大切なお相手がわからないように考えるのも大切ではなくて?
……トッティと似た話し方をする方がいないか、考えてしまって。
まだ揚げ足取りや難癖の程度だからお話しするのも恥ずかしいの。もう少しオブゼビオがたくさんお話ししてくださったならやはり占いたかった、と思っていたけれど。
ひとまず、あなたのお話の通りに占う相手は心に決めました。」
[書いていた手を止める。]
「ブレイクさんが賢者であって、誰に能力を使用するか、と蓄音機で確認しました。
私は【ルクレースさんを視た】のではないかと思います。
そしてその彼女が賢者として表に立っています。
そう言った意味では賢者の信憑性としては、ヘンリエッタさん>ルクレースさんという位置付けです。」
「賢者に魔女側の主犯格がいるのならば、時計職人を騙っているのは·····」
[そう言って本にメモ書きをする]
『
T.賢者に魔女側の主犯格がいる場合
・時計職人
@)魔女側の賢者と死にたがり
グレゴリオさんーレーヴさん
アイリーンさんーレーヴさん
A)魔女側の主犯格と死にたがり
アイリーンさんーグレゴリオさん
グレゴリオさんーレーヴさん
(続く)
(続き)
Tの場合、アイリーンさんとグレゴリオさんが死にたがりで回避をする理由がありません。ほぼその思考を抜いていますが、A)の上段であれば、許容範囲という所でしょう。』
>>グレゴリオ
……グレゴリオ、さん
[昨日、アーネストに声を掛けた時よりも静かに、ルクレースはグレゴリオを呼んだ。]
後ほどで、構いません……、
お時間を……いただきたくて。
[震える手を隠したくて、手と手を合わせ、強く握り締めた。嗚呼、どうか、この震えが、気づかれませんように。]
>>178 サラ
「【確認した。】異論は…ない。」
>>182 ルーツ
「…ん?ああ、お嬢さん。
ルーツ嬢と…こんばんは、貴方はなんという名前だったかな。私はテルミットという。初めましてだな。」
手人形の少女に話しかけられるが、人形の方にもしっかりと返事をした。
>>全員
「本決定のお時間。
皆。今日は、早目に休むことね
視る対象は
ルクレースに【セレナとオブゼビオのどちらかを】
ヘンリエッタに【ダズリーとジュラムどちらかを】
砕くものは、【グレゴリオ】
繰り返すわ
【私に、投票を委任することを忘れないように
必ず委任すること】
グレゴリオは。自分の命の時計の最後を託したい者がいるのなら。申し出てね」
>>202 ジュラム先生
「ありがとうございます。エスコートもされないまま時が止まってしまうのはとても悲しいから。
お気遣いが細やかなのはきっと、難しい薬の調合に慣れてらっしゃるからなのね。
…………心苦しいお話、何でしょう?」
手を繋いだまま、特別離す理由もなくそのままにしている。
先生の手は大きくて指が細長くて、ひんやりとしていた。
>>199
ゼウス「ルーツを知っていてわしを知らぬなんて不敬な!!主人ぞ、雷神ぞ、ゼウスぞ!?
こ、こほん。少し取り乱してしまったな。」
思ったより声がでかくなってしまって恥ずかしくなる。
ゼウス「じゃなくて、なんか用があったんだろう?ルーツ。」
自作自演の自問自答。私は頷く。
理解者「別にルーツが怪しまれてるからって文句言いに来たわけじゃないの。
今はただ、少しお話したかった、らしいわよ彼女。」
何を話そう、なんて決まってない。
それでも今は他人と話すことは何より大事。
理解者「テルミットでいい?テルミットはどんな物を作ってるの?人形とかも作ってるってリンちゃんが書いてたような。、」
あ……そういえば、朝、話すのを忘れておりました、
今朝、誰かの靴が、私の頭に。
……朝に持ち歩いていたので、ご存じの方もいるかもしれませんが、改めて、ご報告を……。
[報告が遅れてしまった申し訳なさで小さくなりながら、そっと蓄音機に話しかけた。]
>>152 エルス
「あ……こん、ばんは。」
顔全体を覆うマスクを被った男に話しかけられ、リーンは足を留める。
「そうだったんだ…。ありがとう、ございます。サラお姉さんとブレイクお兄さんは、親しいようだったから、きっと心配だったんだね。」
奔走する彼の姿を容易に想像出来たリーンは眉を下げながら、まるで懐かしむかのような笑みを浮かべる。
「やっぱり、ブレイクお兄さんは……貴重なお話し、ありがとう、エルスさん。」
目の前の彼に向かって頭を下げる。
ブレイクとその程度しか会っていない、第三者のような彼から聞く言葉は、リーンの考えを補強するものだった。
ただ、それが、この人を疑う材料にもなってしまうというのは、なんともいえないけれど…。それでも、聞かないという選択肢は取らない。少しでも真実に近づく為に。
〜ルーツとトーストを食べていた頃〜
物知りな竜……長い刻を生きると人間にも詳しくなるのかしら?それとも、竜の涙も同じなのかしら。
>>200 アベル
「物知りなのね。とっても。
私に翼が生えていたらこの国から追い出されてしまったかもしれないけれど……それでも1度飛んでみたい。
あなたとはもっと違うところで話す機会があったらよかったのにな。
……こんなことを言う人間の子どもは愚かだと思われるかしら。
ありがとうアベル。
あなたとお話しするの、とても素敵な時間だったわ。」
竜太の不思議な時間を終えて、ヘンリエッタは現実と向かい合いに行っただろう。
>>アイリーン
えっ………そうなんだ。…おめでと?
(本当は今日あれを渡していればそれらしい祝いには出来たのかもしれないが、と彼女のおさげに飾られた金属の髪飾りを一瞥する)
>>158 >>160 サラ
「私もそこに入れてくれるのだな。光栄だよ。
…まだなどと言うものじゃない、私はサラ嬢との約束を果たしていないのだから。嘘吐きにさせてくれるな。胡散臭い上に嘘吐きではどうあれ世を渡ることもできまいよ。」
「安心するといい、私もこんなことをするのは初めてだ。恥ずかしながらな。」
普段運ぶ鉄板やら機巧からすれば薄絹のような軽さのサラを、できる限り怪我に障らぬようそっと持ち上げたが、やはり痛みはあるようで、動く度にサラからは息が漏れる。それを耳元でやられてはたまるまい。
「そうか…貴族もなかなか大変だな。我々庶民とは暮らしも常識も大きく違……私が?はは、そんなことを言っても何も出んぞ身体がよくなったら私と同じ加速ブーツをプレゼントしよう。」
サラを座席に座らせると、一通りの操作を伝える。マニュアルでは覚えきれなかったことも事細かに教えたので、あとは十全に扱えるだろう。
「名前はサラ嬢が付けてやってくれてもいい。どうにも私の名付けは不評なのだ。
それと、起動時や技を放つ時は大声で掛け声をかけるのだぞ。これは絶対だ。」
と、真顔で付け加えるのも忘れなかった。
>>173 セレナ
「魅力的に……うん、調べてみる!……分からないことがあったら、聞きにいってもいいかな?」
素敵な香りを身に纏う。
大人の階段をぽんと1段飛ばしで行くようで、少し、擽ったい。
>>224セレナ
「……ふふ。とっても嬉しい。
なんだか、身体が火照ってしまいそう。
私も。貴女の香りを。貴女の立ち方を。貴女の時間を、とても魅力的に思っているわ。
昨日、とある殿方に、私の身体の魅力に関して話したのだけど。
貴女から見ると、どうなのかと思って。
なら。ならね。
私の時が、もしも止められてしまっていた時に。
そんな人はいないとおもうけれど。
……私の身体が。不埒な人に汚されないように、守ってね。
時が止まれば。私は、きっと怒る事だって出来なくなっているから。何をされても、止まった時の中で動く事も出来ないから。
私が、私の時間を止められたらどんなに怒るか。セレナなら分かるでしょう?
だから。私を止めた人達に。私の代わりに怒って頂戴ね。
これを、お願いしたくって。
そして」
>>208 ヘンリエッタ
「…アナタの時を止めないために、騎士がいるのだと信じたいですネ。」
こんな小さな子に、死を覚悟するような言葉を吐かせるのか。初めて魔女に恨みのようなものを持ったかもしれない。
「ルクレース嬢は、視た時計を2人とも止めるという…可哀想なことになっていますネ。死神かと思ってしまうほどデス。
対してアナタは、1日目に共有者を視ましタ。2日目はリリアーヌさんが敵でないという、無難な結果ですネ。信用を集めるためには、強い成果が必要でしょウ。
ここまでは雑談でしてネ。…ワタシがお聞きしたいのはデスね、1つが『ルクレース嬢とブレイクさんが賢者の候補という前提で、どちらをより信じるか』、2つめが『アナタは何を目指して賢者の力を使うか』。
尋問のようになってしまいますが、お聞かせ願えますカ?」
>>211 セレナ
[セレナからの冷たい言葉に、胸がきゅっと冷えるような気がした。昨日は、貴重な力だと励ましてくれた彼女も――無理はない。ルクレースが視た2人は2人とも、時計が壊れてしまったのだから。
また挫けそうになる心を、なんとか隠そうとして、ルクレースは淡々と話し出す。]
セレナさん、
視られる側の人からしたら、そう……ですよね。
昨日、お話した通り、……賢者の加護は、人の本質を視る力です。夜に、見たいと思った人を思い浮かべて眠ると……朝、目を覚ます頃にその人の姿が目蓋の裏に見えます。
具体的には、そう、ですね…ブレイクさんも、トッティさんも、白い光の中に立っていました。
[目をつぶり、今まで見た2人の姿を思い浮かべるようにして、話を続ける。]
>>174 レーヴ
すれ違った男が振り返る。
目が合えば、片手を挙げ声を掛けてきた彼に、返せるように向き直った。
「……息災。怪我はないよ。いつもみたいに駆け回れるくらいにはぴんぴん。燃料も満タンだからね。」
新聞屋の嬢ちゃん、そう呼ぶ彼に、配達屋さんのおじさん、と少し意地悪に返してみる。
もちろんおじさんだとは、思ってないけれど。
「レーヴお兄さん、も、時計職人さんなんだね。いや、ううん、その加護を受けた人?」
せっかく得た機会だ。聞きたいことを聞いてみる。あと言いたいことも。
「レーヴお兄さんからすれば、昨日の段階で偽物が2人も出てきた訳だけど、その時のお兄さんって2人のことどんなふうに考えていたのかな?……あと。ルーちゃんは、良い子だよ。確かにお人形を沢山持っているから、不思議に思うかもしれないけれど…。」
最後の方は、少しだけ不機嫌な声になりながら。友人の命に関わることであれば、それはリーンにとって重い。
>>209 ルーツ
ひどい剣幕で捲し立てるゼウスと名乗る人形に、くすりと笑みが零れた。
「おっと、失礼。ゼウス殿。以後お見知り置きを。」
改まって話すルーツにひとつ謝罪する。
「ルーツ嬢、すまない。決して君を怪しんでいるとかそういうことではないとだけは言っておこう。私のことは恨んでくれていい。だが、たとえ君が今後私の時計を砕くことになろうとも恨みはしないさ。」
「人を疑ってばかりでは気持ちももたん。適当な雑談は心の薬だよ。こんなことを言っては薬師に叱られてしまうかもしれんが。
テルミットで構わないよ。
そうか、君はリーンと友達なんだな。何を作っているか…?基本的には自分の好きな物や興味のあるものを作っているだけなのだが…。そうだな、私は人の暮らしを便利にする物を創りたいと考えて日々暮らしていたな。時間は有限だ。なにかに時間を取られてはほかの何かに充てる時間がなくなってしまう。折角の人生だ、やりたいことは全部できたほうが楽しいに決まっているだろう?
無駄な時間などというものが存在しないのは真理だが、それでも私は友達であるはずの時間に追われてしまうのだ。」
要は欲張りなんだな、私は。と笑ってみせた。
相手が時の魔女の眷属だと、どうなのかは……まだ、経験が無いのでわかりません、
[時の魔女の眷属なら、どうなるのか――想像すると恐ろしく、背筋に少しの寒気を感じた。]
相手の人の、考えていることや、過去まで見通すという力ではありません。
これで……答えになりました、か?
[話し終えて、セレナの目を見る彼女は、どことなく不安そうだっただろう。]
>>+23
「馬鹿なことを言う。
よもやそこの眠りについてまだ人としての行動を同じように取れると思っているとはな。
外の国より遥々お越しいただいたところ申し訳ないが、己の身の不幸を呪うがいい。
この国における死を体感した者に向けての道楽など、誰が準備していようか。
せいぜい我が眷属か贄か、得体の知れぬ烏合と戯れているが良いぞ」
>>231 ジュラム先生
「…………そうね。
でもきっと、まだ私は大丈夫。そんな気がしています。
強い成果……私は、見たままを話すだけよ?
あとは皆さんと考えていくの。
ひとりで何か成し遂げようなんて思っていないわ。みんなで、戦っているのだから。
先生の質問、
ひとつめは「おじさまを信じています」。
おじさまのお人柄はここでは過去のものだけど。もし、おじさまが賢者でないのだとしたら……狼のわかるかたや占いのできるかたはおサボりさすがではなくて?せっかくの力ですのに。
ふたつめは……とても難しい。
呪いの力を持つであろうかたはなるべく避けたいとは思うけれど。でもなるべく、眷属や小悪魔と呼ばれる方を占ってみたい。やっぱり焦っているのかしら……
私が"この方は眷属ではない"と言うと、その分その方が狙われやすくなってしまうから。
答えにはなって?」
難しいことをとうとうと話してしまった。
大人の考えにきちんと答えられただろうか。
>>221 ダズリー
本当は誰にも言うつもりのなかった自分の話しをこっそりと彼に伝える。
ダドリーのくだりをいじっても良かったけど、言い過ぎるのはなんだか良くない気もするし…
なんて言うのはただの言い訳で。
もうすぐ終わってしまうその日を、誰かに祝ってもらいたかった、自分の我が儘。
語尾に疑問符をつけながらも、確かにおめでとうと言ってくれたその言葉にリーンは満足げに微笑む。
「これ、誕生日プレゼントってことにしても良いかな?」
さわ、と大事そうに髪飾りに触れながら、もう一つ。小さな我が儘を投げてみた。
*/
小さく舌打ちをするだけの大の大人と、何も言えずにいる泣くだけの少女を交互に見て、くつくつと満足そうに−−そして段々、憂いを帯びて、シルヴィは二名に告げた。
/*
「誰も知らぬだろうな。私でさえ知らぬ。
何千、何万と生きてきたかも最早定かではない私も、死にゆく者どもの行き先など、見たことがないのさ。
それ故に私はこう思う。
幾星霜も伏せられた正解−−答えなど、ないのだとな。
仮にお嬢さんは、大切な人が亡くなり、その行き先がわかったら、さあどうする?
私であれば−−追いかける、と思うがね」
>>オズワルド国王
………………。
(王の眠る寝室に足を運ぶ。人の死を目の当たりにしたことは、そう言えばなかったかもしれない。こんなにも安らかで、静かに眠っている死に顔というのもあるのか…。
胸元に光るコサージュ。やっぱり見間違いではなかったようだ。花びらの繊細な曲線も、花そのものの豊かな膨らみも、細部にわたりこだわった一点物だ。誇らしかった。純粋な技術を評価してくれた事に。そっと、彼の胸元に触れぬよう金の装飾を指でなぞった。)
……………。………礼の言葉は、この戦いが終わった時まで取っとくか。
>>237 テルミット
理解者「私はチクタク、よろしくね。
わかってるよ、何が悪いなんて言ってない、悪いのは。」
どこかからか見てるだろう魔女に向かって心の中で中指を立てる。
ゼウス「興味のあるものを作って、それが結局人を助けてるなんて素敵じゃな。
ルーツが時間について、考える回数はここ最近で増えた。こうやって紡ぐ言葉がいつ最後の言葉になるか分からなくなってしまったのだから。その折角の人生が少しでも長く続くことを祈ってる。
しかしそう思うと、あの蓄音機もとても有難く思えてくるな。あの中でなら故人ともいつでも再会はできる、笑いかけてはくれぬかもしれんが。
お互いに随分せっかちな友達を持ったものだな、常にケツを叩きにくる、まるでヘラみたいだ。」
ふぉっふぉっと笑うと同時に少し咲き込む。うー、またジュラムさんのお薬貰わないと。
>>245セレナ
「勿論。私に何事もなければ、返して貰うけれど。
そうでなくて。私の時が止まっていたのであれば。セレナは。どうか私の命の宝石を持ち続けて。
私は。誰かの記憶の中ですら、私の時間を止めたくなんて無い。そこで、止まったままの存在にはならない。
私との記憶を思い起こすそれが、貴女の時と一緒にいてくれるなら。
貴女が生きて。私の命の宝石と、時間を積み上げていってくれるのなら。
そうすれば。私の時間は。セレナの中で、セレナと私の時間として、進んでいくことが出来るから。
サラ=クロノスティスの時は。
"サラと言う名の少女の宝石は。
その後も友と時間を歩み続けた"と言う形となって。
時を刻み続けてくれるから。
そうして、私の時は生き続けるから。
だから。受け取って?」
テルミットは蓄音機…《アイ》の前に立っていた。
その隣に手紙の添えられた小箱を置く。
アイリーンに向けたものだった。
『アイリーン・クロッカー殿
リーン、誕生日おめでとう。
こんな時だからこそ普段通りにお祝いをしてやりたかったのだが、今年は料理を作るサーメートもいなければ、飾り付けをする会場もない。実に無念。
この件が片付けば例年より盛大な会、いや、式典を催してやろう。
私の《お誕生日を祝うくんVer.16》が文字通り火を噴くぞ。
さしあたって、これは新聞屋になるリーンの為のプレゼント。インクが自動で補充される万年筆だ。
これで書いた記事を読むのを楽しみにしている。
テルミット=ヴィブラートより愛を込めて』
〜刻が今日を告げる前の話〜
>>147>>148 サラ
「……そっか、サラお姉さん、お家にはまだ……。
私は大丈夫。…ここに来れば、こうやって誰かしらいるから。」
当然だ。彼女の身体で、一人ぼっちになるであろう家へと帰す者はいない。
「あっ………。」
確かに止めた手を、彼女の痛々しい手が包み込む。
いたい。いたい。いたい。
柔らかい肌を覆う包帯の感触がする。
導かれれるように彼女の額へと手を持っていかれる。それは、神聖な、祈りだった。
「うん、覚えている。覚えている、から…忘れないように、これからも、……」
そこにいてね、と、小さな小さな声で呟いた。
「………そうだな。どう考えていたかと言われれば、砕かれることを避けたい眷属に見えてたよ。まさか、2人も出るとは思わなかったが………まぁ、事実、出てきちまったモンはしょうがねぇ。
……それに、覚悟は出来てたからな。」
最後の言葉は、どこか寂しげに。アイリーンを見つめながら呟いた。
「ルーちゃんってのは……あぁ、あの人形使いのことか。……そうか、嬢ちゃんの知り合いだったのか。………すまんかったな、嬢ちゃんの友人を疑ったりして。」
そう言うと、軽く頭を下げる。
この状況で、疑った事を謝罪するのもおかしな話かもしれないが。それでも彼女の友人を疑った事に変わりはないのだから。
>>255 サラ
「……貴女は、そう言うと思っていたわ。
頑固で強情で自分を曲げない貴女なら、決して立ち止まることを望まない、とね。
……仕方ないから、受け取るわ。
貴女のその想いも一緒に。
私も立ち止まるつもりはさらさらないから。もし貴女に、そのときが来てしまったら……そのときは、このタンザナイトと共に時を生きる。」
そう言って、セレナは宝石を受け取る。
サラの決意はわかっていたし、その役目は私しかいないとも思っていた。
彼女の言葉は嬉しかった。ただ一点の、引っ掛かりを除いては。
「……私の時計も、いつ砕かれてもおかしくないのだけれど。そのときは、ちゃんと自分の宝石は取り戻して。」
>>250 ジュラム先生
「辻占……ええ。そう思っています。今のところは。
だからでしょうか、小悪魔というものを私に占わせないといけないと狼も都合が悪いでしょうから……しばらくはここにいられるのでは、と思っています。
……おじさまは、不運なかたね。」
壊れた群青色の時計。
ずっと持ち歩いてしまった。壊れた時計がより辱められることはないのだろう。でも守っていたかった。
「先生。私、このおじさまの時計をホールに置いてきます。」
小さな咳払い。蓄音機の前に人形を持たないルーツが立つ。
対面じゃなければ私だって喋れる。
「こんばんは、リンちゃん。
まずは誕生日おめでとう。遅れちゃってごめんね?
こんな事になっちゃったから親友の誕生日すらドタバタしちゃって。
出会って数日なのに、あなたとは数十年来の仲のようだわ。重ねた思い出一つ一つが愛しいからかな?
いつか、全てが終わったら、私に自分の口であなたに感謝を伝えさせて。」
「だからとりあえず今は。」
私は手を合わせて、彼女のことを思う。
好きなんだな、彼女のこと。
ゼウス「ハッピバースデートゥーユー」
エビス「ハッピバースデートゥーユー」
ロキ「ハッピバースデー、ディア」
シヴァ「アイリーン!!!!」
理解者「ハッピバースデートゥーユー」
「リーン、誕生日おめでとう。
大好きだよ。」
>>249 ルーツ
「チクタク殿。私はテルミット、よろしく頼む。
ふむ、ルーツ嬢は友達が沢山いて羨ましいよ。
役に立つ…?くく、それはどうかな。概ね益体もないものばかり作っては弟子に説教される毎日だよ。
そうだな、我々に与えられた時間は増えはしない。その中で好きな誰かと好きな事をして楽しく愉快に過ごすことが出来れば最終的にはいい人生だったと言えるのだろうな。尤も、そうすることが一番難しいのだが。
蓄音機か。ここだけの話だがな、今私はこの蓄音機の音を溜め込んで吐き出す機能と、寫眞を合わせることが出来ないかと考えている。少しずつずらした寫眞をだな、何枚も何枚も用意してそれを次々に捲っていけば動いているように見えるだろう?それに、別でとった音を足すと、どうなると思う……?
どうだ、わくわくするだろう?これが生きるということだ。」
テルミットはニヤリと笑った。
人まばらになったホールへ向かう。
こつん、こつんという足音が寒々しく響く。
マザー・クロックの台座は主人の不在を嘆いているのだろうか。
壊れてしまったブレイクの時計を何度か撫でる。
痛々しくベゼルにはヒビが入り、針も曲がってしまっている。
「……いたいのいたいの、とんでいけ」
撫でたその指をベゼルが傷つけた。
じわ……と血が滲む。
「……っ!」
声にならない小さな悲鳴を上げると、時計はそのまま台座の上に置く。
「ここでいいのかはわからないけど。
たくさんのかたとお話ししてね。おじさま」
>>グレゴリオ
[色々な話が終わった頃合を見て、グレゴリオの近くに行く。]
あの、……
何から、話したらいいか、わからなくて、時間がかかってしまいました。
[何を言っているんだろう、と思う。それでも、正直な気持ちを、すべて言いたかった。]
……以前、『男は女になれないし、老人は子供になれない。そんなどうしようもないことも世の中にはある』と、グレゴリオさんは……そう言っていましたね。
[あの時、何も言えなかったことを思い出して、きゅっと唇を噛む。]
あの時は、何も言えなかったのですけれど、
あれから、優しくしてくださった方が、次々いなくなって……私、あの時のグレゴリオさんの言葉を、思い出しました。
これも、どうしようも……ない……こと、なのか、と。
[ぽつりぽつりと、言葉を続ける。あの時は憤りさえ感じたけれど。今ならほんの少しだけではあるが――解る気がする。どうしようもないことが、壁となって立ちはだかった時の、絶望も。諦念も。]
でも、やっぱり。私は、今ある私を……信じたい。
どうしようもないことも、きっと、自分を信じて、乗り越えられるって。
だから……っ……
[本当は、諦めないで欲しい、と言いたかった。けれど、それを、これから時計を壊されるこの人に言うのは、独りよがりだ。]
>>263 ヘンリエッタ
「なるほど、それは納得できまスね。
アナタの考えなら悪魔の陣営は2人とも起きてイる可能性が高い。
それは同意ですネ。呪われたとしても、砂になったとしても不運には変わりありませン」
時計を置いてくる、と言った彼女について行く気は起きなかった。
彼女のいなくなった広場で、懐中時計を取り出す。やはり正確な時は知れない。だが、日付が変わりそうな位置に針が見えるだろう。
開かない蓋と時計の境目を無意識に引っ掻くと、冷たい金属は人差し指の爪を削り嫌な音を立てる。その神経質な音に顔を歪めて懐へしまい込み、上着を羽織る。
月の中、日付が変わる前に家路についた。
……応援して、くれませんか。
[それは、ルクレースの精一杯だった。涙は昨日、枯れ果てるまで流したから。
今日は、泣きたくなかった。明日も頑張れるように。]
……あなたが、何者でも。
私は、グレゴリオさんと話せて、本当に楽しかったです。本当は、せっかく会えたのですもの。もっとお話したかった。
私に、サーカスのチケットを、林檎飴を、ありがとうございました。
[深く深く、お辞儀をした。涙は枯れ果てたと思っていたのに、ぽろりと一粒だけ、あたたかいものが目から流れ落ちたのがわかった。]
「……グレゴリオは、姿を見せないの。そう。
彼にも、することがあるのでしょう。
なんであれ。総意がしっかりと為すべくなっていれば、処刑は執り行われましょう」
>>268、>>270、>>273 ルクレース
そういえば、そんなことを言った。私もだが、ルクレースも忙しそうで謝罪する機会を失って、すっかり忘れてしまっていた。
「その事なんだが…」
謝ろうとすれば、お嬢さんの方が先に続ける。以前は手紙だったから、今は相当頑張っているのだろう。私は彼女の零す言葉を聞きとげる。
「私は世の中にはどうしようも無いことはあるし、どちらかといえばそういう出来後の方が多いと思っている。…あの時は嘘をついていた」
今だって、そうだ。
どうにか出来たのかもしれないが、それは私ではない人間だったらの話。私が私である限り、変えることが出来なかったのだろう。
これでも、ルクレースの言葉を信じてみたくて、変えられると思いたくて、足掻いてはみた。
>>ルクレース
「応援、か。
なら、お嬢さん。私は君の言う、壁を乗り越えられる可能性にかけてもいいだろうか」
首からぶら下げている、自分の懐中時計を取り外す。
本来、時計を送るのは一生の愛を誓う行為。その際にも、自分の命の時計など渡さない。だとしたら、今私がしようとしていることにはどんな名前がつけられるのだろう。
「共鳴者の彼女は誰に預けても良いと言っていた。ならば、砕かれるその時までお嬢さんに預かっていて欲しい。
お嬢さんが信じる可能性に私も賭けてみたいな」
この場にいる誰よりもシンプルで、傷だらけで、特徴の無い黒い時計をあの日チケットを渡した時のように、多少強引に押し付けた。
「迷惑なら、共鳴者の彼女へすぐに渡してくれて構わない。けど…砕けた欠片の1つでも拾ってくれれば嬉しい」
>>265 テルミット
これが生きる、か。
死に一番近い場所で生を教えられた。
活力に満ちた彼の目には立ち止まった私に見えない未来を捉えてるのだろう。
理解者「それは素敵なアイデアね、って私はあなたみたいな技術がないから口にすることしか出来ないけど…。
動く写真、喋る声。絵画が動くような、夢のようなことが起きる。
そうしたら私たちは永遠になれるのかもね。」
残す者を悲しませたくない、というのは去る者の最も大きな願いだろう。
その悲哀を少しでも和らげられるなら、依存の先を、逃避の先を作れるなら。
理解者「ねね、それっていつ完成予定??」
もし、死ぬ前にそんな体験ができたなら。
>>223テルミット
「クロノスで私を、空へ連れていってくれるのだものね。
その至福の時を過ごせないまま止まるなんて悔やみきれないわ。嘘つきにさせる訳にはいかないし。頑張って動き続けましょう」
「初めての時間通しなのね?
人と、初めてを共有出来る時間って素敵な事だと思うわ」
恥ずかしがる様子は見せないが
テルミットへと、痛みの吐息を浴びせてしまう事は止められ無かっただろう
「その分の富を得ているのだから当然とは言いたいけれど
お祖父様程の方が、私より年下の令嬢を娶っているのを見るのは、中々複雑なものよ。
…………………あぁ、またテルミットと来たら。こうしているのに。私の心音が聞こえてしまうでしょう?
欲しくてたまらないと思っていたものを、的確に用意してくれるのだもの」
思わず抱き締めそうになって、流石にはしたないと思い止まる。それでも、その恍惚とした表情はテルミットにしっかりとみられただろう。
>>256 テルミット
時計の針が12時を指し示すほんの数分前。
アイの調子を見にやってきたリーンは、その隣に小箱と手紙が置かれていたことに気づく。
「………?誰のだろう。」
首を傾げながら持ち主を確かめるために手に取って見れば、右端に書かれているのは紛れもない自分の名前。
「アイリーン……は、私……。」
きょろきょろと辺りを見渡した後、そっとその手紙を開けば、それはテルミットからの、自分の誕生日を祝うものだった。
「わ、え、うそ…。テルにー、覚えていてくれてたんだ…。」
こんなふうに、祝ってもらえるだなんて思ってもみなかったリーンは、予想外の出来事に
驚きと嬉しさがないまぜになる。
「ふふ、誕生日を祝うくんVer.16かぁ…」
そういえば昨年も、そのまた前の年も、テルミットはそうやってリーンの誕生日を祝ってくれていた。今年はこんな状況だから、仕方ないかな、って、諦めていたのに…
「インクが自動で補充される万年筆……わわ、すごい!どういう仕組みなんだろう……!」
箱を開ければ中に入っていたのは、手紙にあった通りの、少し不思議な構造の万年筆。
「どうしよう。わたし、幸せだ、こんな……」
こんな時なのに。そう零れ落ちそうになった言葉を今だけは飲み込んで。
先日アイをもらったばかりなのに、またもらってしまったな、なんて思いながら、箱から出した万年筆を胸元に持つ。
まるで物語の主人公が、初めてもらった箒のプレゼントにはしゃぎ喜ぶときのように、リーンもまた同じように嬉しそうに笑った。
王子が暮らす国の隣には、妖精の国がありました。
しかし、二つの国は仲が悪く、両者の溝はとても深いものでした。
人間の国の王は強欲で愚かで、人々は不満に満ちていました。一方、妖精たちが棲むその国は豊かで美しく、ここには王や妃は存在していなかったものの、皆が信頼しあって幸せに暮らしていました。
ある日、王子はそんな妖精の森に迷い込んでしまいます。
国境近くの林で狩猟に向かった父王と兄、そしてその取り巻きの貴族たちについて行った帰り、彼らとはぐれてしまったのです。
日々の生活に疲れてぼんやりしていたのか、それとも森が彼を呼んでいたのか。
気付けば王子は生い茂る緑が遥か地平線まで続く、広大な森の中にいました。
隙間なく覆った落ち葉からは、金粉のように細かく日の光だけがこぼれています。
あてもなく一人で彷徨う王子は、その中で不思議な生き物たちにでくわします。
尖った耳に尻尾を持つ小人。上半身は馬で下半身は魚の生き物。群れで頭上を飛び去っていくフェアリー。
そして。
透き通った白い肌に、肩ほどまで伸びた色素の薄い髪。総てを見通すような瞳を持つ、美しい少女に出会ったのでした。
──それは、夜も更けた頃。
広場近くの屋根へ上り、変わらぬ空を見つめていた。
柔らかい風がレーヴの頬を撫でる。耳につけたピアスが揺れる。
腰に提げたポーチから、木製の懐中時計を取り出した。カチャッと中を開ければ、真ん中のくり抜かれた文字盤の奥に、動く歯車を見る。その歯車によって動く金色の針を見る。
カチ、コチ、と、レーヴの命が刻まれている。
不意に、それを裏返せば、裏蓋を開けた。
「attrape-rêve………」
ぽつり、とそこに刻まれた文字を口に出す。
今となっては意味の成さなくなった母の願い。
──パタン、と蓋を閉じればポーチの中へと時計を戻した。
ゆっくりと立ち上がり、街を見下ろす。
静まり返った街の中、暗い暗い闇の中へ、レーヴは姿を消した。
>>264 ルーツ
「わわ、わ…え、もう、だめだよこんなの……」
寝る前に最後のチェックをしようと蓄音機ーアイを再生すれば、聞こえてきた声に、呟いたのは涙声。
テルにーの時は我慢、しようとしたのに……もう、…。
嬉しさに涙を滲ませながら、ルーツとみんなのハッピーバースデーを聞く。
「私も、ルーちゃんのこと……大好きだよ……。」
じんわりと胸があたたかくなるのを感じる。
いいのだろうか。こんなに、こんなに幸せで。
だって、幸せを得ればその分だけ、失うのはこわく、臆病になる。
それでも……
「私も…ううん、これは、直接伝えるね。きっと明日、会いに行くから。その時に……。」
そうして蓄音機から離れる。
どうしても直接会って言いたかった。不確かな明日を願いながら、リーンはその場を後にした。
>>274 ダズリー
無愛想な彼の言葉を、肯定の言葉として受け取る。
頸をぽりぽりとかいている彼を可愛いと言ったら、流石に怒るだろうか?
「じゃあ、そうする!改めて、髪飾りをありがとう、ダズリーお兄さん。」
えへへ、嬉しい。
>>258 グレゴリオ
[興味があったから話しかけたのだと伝えると、男は腑に落ちたような顔をした。
この場にいる者たちの中で、彼は一番見すぼらしい様相をしていた。
もとよりそうだったのか。そうならざるを得ない事情があったのかは分からないが。
これまで男が肩身の狭い思いをしてきただろうことはアベルにも分かった]
荷が重い、か。キミは随分と自分を過小評価するんだね。
……まあ、普通はそうだ。一人の人間に出来ることなんて限られている。
ねえ、キミ。キミはここにいる人間の中で、一番人生経験がありそうだ。
だからこそ聞きたい。キミはこの世界に“真実の愛”はあると思うかい?
>>278 ルーツ
「生きることはそれだけで尊い。
人であれ、時計であれ、機巧であれ、そして恐らくあの魔女でさえな。誰しもが生を掴むためにもがき苦しむんだ。
本来であれば祭りに合わせて完成させるつもりだったのだが、どうもここ最近私の時間の流れが早いというか技術が一足飛びに進みすぎている気がしてな。
少し棚上げにしていたのだ。
ふむ…確かにな。
ならば新しい友人たちのために本腰を入れてやってみるとするか!」
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新