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>>68 アヤメ
「……この状況では難しいだろうが、怖がらなくていい。
俺は、ソウビという。」
俺の全ての要素が彼女を怖がらせているのだろうと、表情は仏頂面のままとはいえ努めて柔らかい声音で話し掛けた。
天邪鬼とはいえど、ここばかりは嘯くつもりはないのだから。
「……昨日は悪かった。…逡巡してたようだったが、悩みは解決したか?」
あの後、背が高いソウビは辺りを見回せるからか、何気なくアヤメを目で追っていた。
確か、黒い狐面の男と手を繋いで歩いていたが、訳も分からず本人に聞いてみるのだった。
───時間は少し戻って狐の嫁入りの唄あたり。
>>44 ミゲツ
「そうか?ならいいが…何かあれば言ってくれ。」
氷のように冷たい彼の態度はきっと心ここに在らず、別のものを見ているのだろうと察しがついた。
何故なら、狐の嫁入りの唄に過剰に反応していたようだから。
だが、細かく聞くのは野暮だろうと、身を引くのだった。
身を引く前に、縁があった少女に声を掛けるのを忘れない。
>>86 レイ
「…………そうか。この御時世ではよくある話だが。……せっかくの祭りだ、レイさえよければ親に代わって>>俺が構おう<<。
祭りの浮ついた気持ちが落ち着いたなら、俺の所に来るといい。」
本当に、よくある話だ。俺だって…………。
弁えて自分の身の上話はせず、サラリと道を示せばその場から離れる。
人が少ないところで、ゆっくり考えたい事も多かろう。
ほらヤヨイ、烏丸さん金魚すくい得意なんですってよ。
>>89 烏丸
「ほんと!?すごいねからすまるさん!
やー、ぼくは全然ダメダメなんだぁ…ちっちゃい時におとうさんが『いいかいヤヨイ。金魚すくいの“すくい”はお店のおっちゃんに捕まった金魚たちを救ってあげることが目的なんだ。だから優しい気持ちでそーっと掬いあげることが大切なんだよ』って教えてくれたんだけど、ぼくまだ一匹も助けてあげられたことがないんだ…」
ヤヨイは少し寂しそうに目を伏せました。
「だからね、からすまるさん!金魚をたくさん助けてあげて欲しいの!」
ヤヨイは屈託のない真剣な眼差しを烏丸に向けました。
おとうさんはあとで折檻しておきます。
>>88「…昨日は悪かった」
目の前の男から出てきた言葉に、アヤメの目は瞬き、まじまじとその者を見た。
表情の上っ面は変わらぬものの、身に纏う雰囲気に昨日のような硬さはない。
代わりに声音は申し訳なさそうに。
ぶっきらぼうにも相手を慮るものが感じられた。
(昨日からずっと、声を掛けようとしてくれたのかしら…。)
意外な男の反応に、アヤメはそっと手を添え笑った。
「あたしの名前はアヤメ。人の往来のある中にぼーっとしていたあたしにも非はあるわ。こちらこそごめんなさいね、ソウビ、さん。」
続く“悩み”という問いに、昨日と先ほどの空樹を思い出して苦笑いする。
「そうね、お兄さん…ソウビさんがあたしと付き合ってくれるなら、解決するかもしれない…かもね?」
悪戯に笑うも、その口の端はわずかにぎごちなく。我ながら下手くそな笑い顔だと思うも、こういう付き合い方しか彼女は知らない。
>>91 夜長
「ふふ、お兄さん商売上手やねぇ。ウチの店の売り手に欲しいくらいやわ。」
そう楽しそうにくすくす笑うと、パカりとがま口財布を開いて。
「ならその値段で買わせてもらいます。
オマケも、ありがとうね。大切に使わせてもらいますわ。」
算盤で弾き出された値段分のお金を手渡します。
屋台の他に骨董品があるかもしれないと、多めに持ってきていて良かったと思いました。良い買い物ができてセツは大変満足です。
「あぁ、そうや。せっかくおまけしてもろたんやから、お礼に。」
そう言えば、巾着袋から小ぶりの瓶を取り出しました。
「こんなんで割に合うかわからんけど、ころんとひとつ、どないです?」
色とりどりの星の入った瓶の蓋をぽんっと開ければ、そっと彼の前に差し出して。
受け取って下さるのであれば、主人の手のひらに緑の星がころんとひとつ、落ちることでしょう。
>>93 >>94 アヤメ
「さんはいらない。……何だか、むず痒いからな。」
周りに目上が多いからか、さん付けされたのはこれで二度目だ。定義として他人とばかり触れてきたけど、血の繋がり以上に良くしてもらえていると思う。
……尤も、ソウビの血縁は世に言う碌でもなしばかりなのもあるが。
「……アヤメの望みがそうなのなら、俺は悪戯の共犯者になってやらん事もない。
…本当にそれで、曇り空が晴れるのなら。」
彼女は、見目以上に背伸びしている気がする。
まるで、>>今の<<実家でもある、夜の宿屋の姐さん達のようだ。
彼女らも、普段の振る舞いより背伸びをして、口に朱を引いて笑ってみせる。
そんな違和感を覚えて、少しだけ語気を強めに問いただした。
本当に、それがやりたいのか?と。
もしそうでなければ……彼女の手を引くのは、男の俺の役目だろう。
>>62 ヤガミ
「贈ったやつが贈り物のことを忘れるなんざ、笑止千万。忘れてるわけねえだろうよ。
とるに足らないモノだったとしてもなあ、人ってのは、人にあげたもんは覚えてるもんなんだよ。
そのいかした面をあんたにくれたやつってえのは、どんなやつなんだあ?」
>>76 空樹
「お狐さまは気まぐれってえのが通説だからなあ。
しかし、掻っ払いはいけねえ。商売人の端くれでもよ、ごはんを残すやつと代金を払わねえやつだけは許しちゃあなんねえんだ。
あんた、お狐さまに会うことがあったら言っといてくれ。
お代金をちょろまかすことがあったら、このキキョウが許さねえぞってなあ」
さん付けを断るソウビに、またもアヤメはくすくす笑う。
やはりこの男、きちんと話をしてみれば、とても“いいひと”なのだろう。
>>97「なら、そう、ソウビね。」
笑いながら名前を呼ぶも続く彼の言葉に、思わず彼女の顔がひしりと強張る。
「本当に、ってどういう…。」
ソウビの目はまるで、彼女の心を見透かすかのようで。
貼り付けた、嘘の笑顔に嘘の誘い。
(だって、あたしはそういう生き物なんだもの。“オンナ”としてのあたしを売らなきゃ、生きていくことなんて出来ないんだから。)
(男なんて簡単だ。紅のる口頬きゅっと上げ、はだけた胸元。首をちょこんと傾げ、とろんと目を絡ませれば、ああほら、いらっしゃいませ。)
(そういう、ものなのに。なんで昨日から…今日だって、どうして。)
「だって……それ以外に、どうしたらいいっていうのよ…。」
(>>56セイヤ)
独特な喋り方をする人間を前に、彼女は目を輝かせた
「食い物·····あらそれは食べれるのね!」
食事は人間のするもの。
彼女はそれをしたことがなかった。
「りんご飴、わたあめ·····」
「素敵な、名前ね。ありがとう」
噛み締めるように呟き、それらを受け取った。
彼女はわたあめを少し摘み口に含んだ。
じゅわっと甘さが広がり彼女は顔を綻ばせた。
とはいえそれは微々たる表情の動きで、誰にも気づかれないような変化だった。
夜も深けてきた。
人も段々と増えてきて、露店には多くの人が並ぶ。
金魚すくいに輪投げ、綿菓子にりんご飴。
多くの人が笑って騒いで楽しそうにしている。
友人と楽しそうに露店を回ったり、
子供の無作法に叱る母親と宥める父親。
当の子供は知らん振りだったり。
熱気を帯びていて、参加したら火傷しそう。
そんな祭りの喧騒を鳥居から眺めている。
苦笑いをしつつも、見た事のない景色に
目の輝きは増すばかりだ。
「ずっとこれが続けば良いのに」
ぽつりと呟いた。
楽しい事が続かないのを、知っているから
期待していてもどうせ───
りんご飴も1口齧ろうとして、隣に人がいることに気づく。(>>63リェン)
「お嫁様?」
呟いた言葉は彼に届いたのかは分からない。
お祭り、お嫁様、ミコトバ
彼女は言葉だけでは想像もつかなかった。
そしてもっと知りたいと思った。
(そもそも私はどんな存在なのだろう)
(どうして動けるのだろう)
彼女の探究心は留まるところを知らず、そんなことを考えるうちにまたゆったりと歩き出した。
ふと、緑色の短い髪の女の子が目に止まった。(>>57千代)
止まったと言うよりは視線を感じたのでそちらに目を向けた、と言う方が正しいのだが。
(あの子は·····私の········)
(多分分からないだろうけど。)
にこりと微笑んでその場を後にする。
微笑むと言えど、表情はほぼ変わらず、誰に気づかれる訳でも無かった。
(ーー私はあの子に)
本当は。
せっかくのお祭りだ。
それに今年は一味違う。
100年に1度の、特別なお祭り。
彼女は夢見ていた。
狐の嫁入りのように綺麗になりたい。
あんな綺麗な姿で、愛する男の隣で祭りを楽しんでみたい。
少女たちの楽しげな笑い声。
あたしもあの中に混ざってみたい。
一緒にお面を被り、りんご飴をくるくるまわしてお喋りしたい。
「本当は、誰だっていいの。あたしも誰かと、祭りを。一緒に祭りを楽しみたい…。」
>>102 >>103 アヤメ
どうしたらいいか分からない。
その様に言葉を受け取ったソウビは、悩む。
心のままに生きるというのは、とても難しいのだ。だが、このままでは良くないのは誰にだって分かる。
それならば…………。
「……そうだな、俺を有象無象と重ねるな。人に対して有象無象の扱いをすれば、それしか返ってこないに決まってるだろ。」
何を分かりきった事をと言わんばかりに、ため息を吐く。
「あんたがどうしていいか分からないなら、俺の要望を述べてやる。
俺はアヤメと……仲良くなりたいんだ。そんな態度をされたら踏み込める訳ないだろ、普通は。
……まずはその作り笑いをやめろ。人から見て意外と分かるからな。ああ、興味ないんだなって。…俺に興味無いだろ?って言われた事はないか?」
思った事が矢継ぎ早に出る。
もしかしたら、彼女が怒るかもしれないな……脳の片隅では思いながらも、流れ出る言葉は止められない。
(林檎って、もっと柔らかいのかと思っていたわ·····)
(このコーティングされた艶やかなものが硬いのかしら)
彼女は飴の部分を舐めた。
それもわたあめと同様甘くて美味しかった。
(人間はこんなに美味しくて綺麗なものを食べていたのね)
ふと周りからいい匂いがして匂いの方へと歩いていった。足の部分がきしっと音を立てた。
>>109 アヤメ
「……その誰だっての中に、誰がいるか知らないが。俺に出来る事は手伝ってやる。……だから、その顔をやめろ。」
アヤメの心の内を覗いた気がして、思わず目を逸らす。
なんだ、そんな顔も出来るのかという皮肉すらどこかに飛ぶ程に。
「…………。」
本当は俺と回るか?と紳士的に誘えれば良かったのだが、天邪鬼の自分は彼女を意識しすぎてその言葉が出ない。
だが、勇気を振り絞って彼女の前に手を差し伸べてみせた。
>>101 ヤガミ
「そういうもんよ。アタシは贈り物じゃあねえが、数えきれない売り物をさばいてきたんだがよ。それでも、人を見れば何を売ったか、すぐ思い出せる。
相手のことを考えて渡したもんはよ、そんな簡単に頭の中から消えちまうことはねえ。
あんたにも覚えがあるだろ?
初恋ってか!?そりゃああんたが大事に面をとっておくわけだなあ。
アタシには恋とやらのことはわからねえけど、そういうもんなんだろ?
いいじゃねえか、うらやましいぜ。そんで、そいつは今どこにいるんだ?この村にいるんだろ?」
これはいつかの時分の噺。ぷかぷかぷかと、キセルを吹かした時分の話。
お辛い顔したおなご殿。お顔は晴れやかなったかな。
今度お会いをしたのなら。是非ともその顔華咲かせ。
楽しい祭りをより楽しくとさせてさせあげましょうぞよ。
もしもその隣にどなたかが。おったであらば、そりゃ重畳。祭りはかくとも賑やかが良い。多けりゃ多いほど、空樹ははりきり言の葉紡ぐ
ーー
彼女の見た目はこの祭りでは異色だった。
彼女の体は人間と違い使いすぎると壊れてしまう。
壊れたとして、きっと痛みは感じないだろう。
彼女は見る人によって表情が違う
人によっては微笑んでるように見える
人によっては無表情に見える
人によっては怒っているように見える
彼女がどんな表情をしているように見えるか
それは人それぞれである
ーーー
どうして打ち明けたのか。
彼の、ソウビの真の言葉に、自身も真の言葉を返したかった。ただきっとそれだけだろう。
「誰でもいいというのは、べつに、言葉のあやで、誰でもいいけれど誰でも良いわけでもないのよ。」
自分でも訳の分からない言い訳を並べながらも、差し出された彼の手に、すっかりあたりは日も暮れているにも関わらず、何故だが光が一筋見えた気がする。
「ありがとう、ソウビ。」
差し出された手を取ろうとしたその時、間に入るは綺麗な茶髪。
「えっ、……えっ?」
思わず漏れた声のなんと素っ頓狂なことか。
──露天商主人との会話から少しあとのこと。
買った反物を持って、ほくほくしながらお祭りを楽しんでおりました。
りんご飴に、綿菓子、金魚すくい。見るもの全てが眩しくて、楽しそうで。
けれど、朝からこの波にもまれているとやはり疲れも出るもので。少し休憩と人波から外れた場所に移動することにしました。
石段によいしょと腰をかけ、近所のおじいさんが売っていたりんご飴をひと口齧り。
りんごの酸味と固まった蜜の甘さが口に拡がり、思わず笑みが零れます。
「…………あら?」
少し遠くの方、目立つ朱色が目に着きました(>>112)。
それは、昨日、お話したあの子。──と、その横に、女の子が二人(>>113 >>109)。
「……あらあら?あらあら、まぁまぁ。」
仲良さげにお手手を繋いでいる様を見てしまいました。
「────、」
カリッと、ひと口りんご飴を齧って。
出かけた言葉をりんごと一緒に飲み込んで。
「ふふふ、楽しそうで、いいなぁ……」
ぽつりと零せば、目を細めます。
少し休憩すれば、またあの人波に飲まれようと、そう思いながら。
>>95 セツ
「いやあ、お上手ですねえ。
そう言っていただけると、まけた甲斐もあるってなものです。
ご満足いただけたみたいで何より……え、そんな御礼だなんて。良いんですかねえ、はは」
うんうんと満足げに頷くのも束の間、眉を上げて言葉ばかりの遠慮で済ませます。
すると、男の生っ白くひょろりと細長い指の上を滑るように、緑の星が転がってきました。
「なんと!糖花ではないですか。久しぶりにお目にかかりましたねえ。
いや、これは有り難い。すぐ頂いてしまうわけにはいきません。
いつか、ここぞというときに取っておきましょう」
懐から取り出した油紙に包み、丁寧に仕舞います。
「これだからこの店はやめられません。
ありがとうございます、またご贔屓に」
>>114キキョウ
ふふ、確かに。すごいな。
〔ヤガミはキキョウの言葉に笑みが零れた。言葉は多少ぶっきらぼうだが、優しさの溢れる内容にほっこりとする。〕
すごい説得力のある言葉ですね。
それに、人を見たら売ったものが思い出せるって、それは貴女が真剣にお仕事をしている証拠ですね。尊敬します。
〔穏やかな眼差しから一変、幼馴染の話になると、少し顔に影が宿る。〕
んー、どこにいるんでしょうね?
一昨年までは一緒にお祭りに来てたんですけど……去年、彼女に恋人ができてからは疎遠になってしまって。
たまに散歩してたら見かけるので引っ越しはしてないみたいですけど、彼女の相手がこの村の出身じゃないからか、この祭りには来なくなったみたいです。
>>117 アヤメ
長々と話しすぎたか……俺らしくもないと心の中で反省しながらも、アヤメには言葉が届いたのだろう。
提灯の灯でぼんやりと、晴れやかな表情が浮かぶ。
「……そうだな。
いや…あんたも、そっちの顔の方がい──。」
いいと言いかけて、繋がれた手に身を震わせる。
>>118 レイ
「……レイか、心臓が飛び出るかと思ったぞ。」
そう言いながらも、表情は変わらぬ無愛想さ。
声音がキツければ怒ってるとも取れる顔だ。
「俺は構わないが。……その様子だと、落ち着いたようだな。」
繋いでない手でレイの頭をくしゃりと撫でてみる。
これから道は険しかろうが……幼子とおなごは手を引いてやる。女将からの教えだ。
レイが困った時は助けてやろう。こんなにも無邪気な笑みが崩されるのはあまりにも残酷すぎる。
なんか、面白い光景だなぁ。
〔キキョウとの話の合間に、ソウビ、アヤメ、レイのやり取りを視界の端に入れ、ヤガミはくすくすと笑った。〕
>>59 キキョウ
「あ、キキョウねぇ。お祭りの間だけよ。
しょーがないでしょ。おじーちゃんが絶対来い、いなきゃダメだって、もー!五月蝿かったの。
折角だから楽しまなくっちゃ損だしね。」
また見知った顔。
といっても知らない顔のほうが珍しい村だから、1人にならない限り知った顔ばかりなのは一つの当然。
カラカラと気安い彼女なら、愚痴混じりも流してくれるでしょ。
「えー?鍋?
昨日こっちに帰ったばかりだからなぁ。夕飯もお祭りで済ませちゃったから何も聞いてないわ。
でも、ウチのじーちゃん、使えなかったらさっさとポイよ。
ゴミ集積所に捨てられてなかったなら、なんとかやってるんじゃないかな。」
そうだ。キキョウねぇなら丁度いい。
「そうそう。聞きたいことがあるの。
さっきそこで–––––」
あれ?どこに行った?
金髪のロングヘアーなんて目立つ髪型、簡単に見逃すはずないのに、少し目を離した隙に何処かへといなくなった。
「金髪のロングヘアの女の子がいたんだけど……
どっか行っちゃったなぁ。
キキョウねぇ、知ってる?最近越してきた子?」
ぷかぷかもくもく吹かしていると、面白そうな珍集団>>117>>118>>124
見知った顔二つ。見知らぬ顔一つ。
ぷかぷかもくもく煙を吹かす。霞の獣を吹かしながらも話し掛け。
「おやアヤメ嬢。こんばんわ。今宵は素敵な草履だね
それとおや。君(ソウビ)は鳥居で見たような。
見知らぬお嬢もこんばんわ。出会いの印にここ一つ。種も仕掛けもありまする、霞の妖術ご覧になるか?」
ぷかぷかもくもく霞が跳ねて、狐が幼子の周りをぴょんぴょん飛んでは霧散する
「知っているかな知らんかな?ワタシは空樹と申すもの。今宵は酒気で気分が良い。良ければ戯れ言付き合うかい?」
「本当は酒でも一緒にやりたいとこだが、いかんせ祭りは幼子多い。
あぁ、アカネ嬢は一杯やれる年だったりするのかな。そこなおのこはどうだろう
いける口なら、この"狐の恋煩い"を、共に煽りて楽しみたい所だったのだが」
ナナクサ渡した恋煩い。まだまだ懐ございます。沢山お飲みになれまする
「むむ?おかしいですねえ、そんなはずは。
品物を並べたまま目を離したりしていませんし、ましてやこのお狐様のお膝元で魔がさすような人などいないでしょうから、数え直しましょう。
……ひい、ふう、みい、よお……ううむ。やはり。
どうしてでしょう、何が無いんだ?」
口元に指を添え、ゴザの上を順繰りに目線で辿ります。
やがて、ポンと手を叩きました。
レイが眺める先を見れば、セツがいる。>>119 >>120
りんご飴を齧る彼女の背はたおやかだが…どこか、寂しい。
ふと、彼女がくれた金平糖の味が思い出される。何か見合うものを探す、という約束だったので夕暮れの屋台で密かに買ったものが懐で揺れた気がした。
祭りはまだ続く。明日、声を掛けてみよう。渡すものもある事だ。
……喜んでくれればいいのだが。
「ここに来る少し前に出会ったあの、南蛮のお人形……ゴザの上や荷袋はお気に召さなかったんでしょうか。
不思議で素敵だったんですがねえ」
>>128 >>129 空樹
照れくさいような、それでも穏やかな気持ちで二人の顔を見ていれば黒い面が覗く。
こいつは確か、鳥居でアヤメと手を繋いでいた男だったか。
「こんばんは。…あんたとは、昨日ぶりか。俺はソウビという。
……酒か。たまに嗜む程度の身でよければ頂こう。
言の葉も、言うがいい。祭りの賑やかしの一つくらいにはなるだろ。」
>>118「私はレイって言います」
ソウビとあたしの手を握った少女が、にこりと笑ってお辞儀する。
つられたアヤメもお辞儀をし、
「レイちゃん、そう。あたし、あたしはアヤメ。えっと、一緒に…、」
アヤメの過去の経験で、男を振り回すことはあれど振り回されるなどということはなく。
しかも相手は自分より歳の若い、女の子。
戸惑うのも無理はない。
それでも、表情も声もそれはどことなく嬉しげで。
「あたしはべつに、2人がいいなら…。」
>>124ソウビとレイの顔を順に見ながらそうねとレイの手を握り返した。
>>135レイ
素晴らしい反応頂いて。これは妖術しがいがござる。
素敵なおべべを来ているお子は、飛んで跳ねての大興奮。釣られて空樹も良い気分。
「はっはっはっはっ!
お子に喜ばれたなら冥利に尽きる。
レイと名乗ったなお子よ?妖術使いに名乗ったならば。名を名乗ることの意味を知れ。
こんなものでは済まされぬ。この世ならざる者を見よう
あ、それ。霞ヶ獣の次は、種も仕掛けもある、"狐の送り火"でござい!」
言うが早いか、黒いお面の眼前が。蒼い焔で滑らか光る
そっと何の気なしに指にて触り、全く動じず大空へと投げる。
蒼い焔ははるか上空にてはぜる。
更にはも一つ足元産まれ。も一つ二つと身体を包む。
焔は踊り、触れても熱くは全くない。或いは『現在』に通じた者ならば、何か『ペンライト』なりでも使っているかと思うかも。
しかして、焔はきらびやかに周囲を蒼く彩り行く
それが輝かせるこどもは、どんな顔をしているか
[衣装を替え、錦の袋から神楽笛をするりと取り出した。指の先まで優雅に映るよう、意識してそれを構え、厳かに息を吹き込む。
狐の嫁入りの世話役、それは狐の嫁入りの身の回りの世話の他、儀式の下準備や舞楽の補佐も含まれる。
リェンが息を吹き込むごとに、神楽笛の少し乾いた高い音が、神楽殿に響き渡るだろう]
〜♪
日の落ちて暫くし、提灯が全て点った頃。
先んじて笛の音が境内に響いた。
しずしずと神楽殿に上がり、神のおわす方へ頭を下げる。…観客には目もくれず、深深と。
艶めいた唇が開く。
緑の葉っぱに陽が落ちて
紅刺すころオヤシロに
稲荷の神様コンコンと
鳥居の真ん中通りゃんせ
人が困ってこうべを垂れりゃ
十四(じゅうし)の宮司がぞーろぞろ
いたずら神様閉じ込めりゃ
この先百年安泰だ
>>137アヤメ
少しぎこちなさそうに挨拶をするアヤメ。
もしかして嫌だったのかと思ったが、『2人がいいなら・・・』と聴いて安堵した。
握り返された手が嬉しくて、また笑顔になる。
傍から見たら家族のように見えるのだろうか。
レイが羨んでいたものになっている事に気付かない。
それは一重にこの人達の人柄の良さなのだろう。
「3人で回ったら楽しささんばい?だね」
>>140空樹
「〜〜〜〜!」
次から次へと繰り出される妖術紛いのものに
レイは疑う余地もなく空樹がすごい人であると認識した。
蒼い焔を目で必死に追い、上空で綺麗に弾ける。
レイの双眸は蒼い焔を追うのに必死で
瞬きをするのを忘れてしまうくらいだった。
すごいよ!と手を繋いでいるソウビとアヤメにも
気付いて貰うようにぶんぶんと手を振るのだった。
「さて……と。
おや、今夜も始まりましたねえ」
帳簿を閉じると、ちょうどお社のほうから神楽の音が聞こえてきます。
澄んだ声の主はきっと、鳥居をくぐったときにいたあのひとなのでしょう。
「大変なお役目ですねえ、頭が下がります」
そう独り言ち、肩を竦めました。
**
頬染める乙女紅葉が夜の帳に隠れる頃に、秋の祭りは闌を迎える。
提灯が日の出の代わりと駆り出され、笛の音は荘厳を象るよう。
嫁入りがポツリポツリと零す言葉は不思議と聞き取れず、ただ猫より上手に好奇心を撫でくりまわした。
**
長い神楽を聞き届け、月を見上げる。
ああ、これは良い。言葉で切り取るのが勿体ないくらいに。
>>151
「浅い言葉になってしまうが、歴史を感じるね。」
近くにいる商人らしき者に言葉を投げかける。
こんなにも飾られた夜、沈黙すらも心地よかった。
>>144 空樹
仮面の奥で見られている気がする。確信はないが。ただ、悪意はなさそうなのでその事については触れないでおく。
「変わった酒だな。…戴こう。」
徳利に注がれたそれを飲めば、甘酸っぱい味が広がる。
ふわりと包まれるようなこの甘さ。脳裏に浮かぶのは宿で待ってくれている───。
夢心地に浸りそうになるが、レイが手をブンブン振ったお陰で正気に戻る。>>150
危ないところだった。こんなところでぽやっとするのは気恥しい。
「…………女好きしそうな味だな。あんたもよく飲むのか?」
この手の味はおなごが好きそうだ。
持ち歩く、ということはこの男も飲むのか?
経歴が謎というより、表情が読めなさすぎて話を聞きたいところではあるが。
睨んだこちらなど気にもしない。
相変わらず飄々と、まどろっこしい口上を述べる。露店が閉まってたことのお詫びみたい。
彼の気の持たせ方は上手で。
“非日常”には演出は大事よね、なんてひねくれた考えが片隅にありながらも、どこか逸る気持ちを抑えられない。
視線は素直に懐から取り出された煙管を追った。
もくもく
もくもくもく
「わぁ…」
空を飛び跳ねる狐。そっと足元へすり寄る兎。
とっさにしゃがみ込んで触ろうとするも、ぴょんぴょんと大地に消えていく。
緑の葉っぱに陽が落ちて
紅刺すころオヤシロに
稲荷の神様コンコンと
鳥居の真ん中通りゃんせ
人が困ってこうべを垂れりゃ
十四の宮司がぞーろぞろ
いたずら神様閉じ込めりゃ
この先百年安泰だ
>>155ソウビ
ぐびっといったおのこの顔は、誰ぞを思い返すよな。
年頃らしきおのこである。好い人の一人や二人はおるであろう
あな惜しや。レイのお手振り無ければ、これまた酒の肴になりそうなお顔をしたであろうに。
「あぁ。良く飲むよ。ワタシの最もお気に入り。これを飲まねば祭りが始まらん。
元々は、随分昔に。誰ぞが、自分の恋を忘れぬ様にと。或いは恋を想って作ったらしい酒だがね。狐の恋か。狐への恋かはさてさてな。
……さてさてな?知らずに、ワタシの蔵にそれこそ長い年月を掛けたであろう程度の量が置いてあったので、誰が作ったかは知らんのだがね。
これは、おなごも好むが、哀しい恋をしているものにこそ、より好まれる様であるよ」
神楽殿でなんとなくボゥッと何も無い場所をみていると笛の音が響く
ハッとして見るとそこには狐の面を被った美しき女性の姿が現れた
ああ、あの子の姿だ。
昨日見たあの姿よりも更に妖美さが増してるようにみえて釘付けになる
歌ってる姿を見ていたいけれどそんなことをしていられなくていてもたってもいられなくて
>>149 狐の嫁入り
「……!」
何かを言いたいけれど言葉が出てこなくて、
今ここでやめろと言ったら?
もし騒ぎになってしまったら?
何も言えなくて。でも言いたくて。
(ああだからあの子は僕の元からいなくなってしまったというのに)
情けなくて悔しくて、ギュッと口を結んだ
「ふふ、そう、3倍。」
レイの言葉に顔を合わせて笑いながら、お祭りを回っていく。
ふと見た彼女に一つの違和感。
彼女の身に纏う着物も履物も、見ただけでわかる上等なもので、着丈も彼女に合ってはいるものの。
どことなく、何かが違う気がする。
まるであたしの……
そこまで思案し思考を止める。
人には誰しも踏み込んではならない領域があるものだ。
無邪気な彼女と無愛想な彼との、いまはその幸せな瞬間(とき)を楽しもう。
>>167
「さてさて霞ヶ獣の妖術を。お楽しみ申して頂けたなら。お次は祀りのご主役の。"狐の嫁入り"様真似て。おなごを可愛く彩ろう。なんならおのこも彩ろう。
ここに花の白無垢現れまして。それそれお空へ飛んで行き。おなごもおのこも包んでしまえ。花嫁さーまのお通りだ。花嫁さーまが沢山だ
なに?お狐様が怒るのではと?
お狐様は寛大で、何より酔狂大好きさ。きっと喜び尻尾が跳ねる」
今度はお袖から。引き出しましたはしろぉい綿帽子。花嫁被るよ白帽子。
袖から引き出し空へと投げるとふわふわ漂い散らばり申す。
おのこやおなごへお被り申す。避けようと思えば避けられる。しかし酔狂にて被るは祭りの自由
空樹は手づから、狼の花嫁たる千代に綿帽子を被せただろう。
「そぉれ思った通り。別嬪様の出来上がり。今宵の主役に負けずと劣らぬ、花嫁様のお出ましだ」
綿帽子を被った千代を見て、満足気に微笑んだだろう
>>159 空樹
見られている…と思いながらも、徳利を返す。
「…ああ、道理で。恋を表すには相応しい味だった。狐面をしてるあんたが言うと、説得力があるな…。
……哀しい恋、か。」
昼間にミゲツが狐の嫁入りを見ていた表情を思い出す。あれは、まるで──。
「…止めはしないが、未成年には飲ませてやるなよ。」
そう言った時に、アヤメに差し出す手を見た。
…おなごに年は聞かないが、大丈夫なのか?
いざとなれば、介抱して送り届けてやるかとその様を眺めている。
>>165
「活字を脳裏に刻み、ノートに刻み、自分と紙の世界だけで歴史を知った気でいたよ。
時の流れは止められないのに、書き留めようなんて愚かだったよ。
流れの中にこそ、見つけられるものもあった。」
いい事を学んだ。
「月は大好きさ、だけどあればかりはどうしても僕のものにはならなくてね。
道長公ぐらいまで名を轟かせればもしかしたらするのかね?」
そっと、月に手を伸ばす。
とってくれろと泣けば、とってくれるか弥太郎よ。
あれは届かないから美しいのだろうか。
りんご飴を食べきり、よしと立ち上がろうとしたその時でした。
「あ、このお歌……」
越してきた日に聞こえてきたその歌を、狐の嫁入りが歌っているのが耳に届きます(>>158)。
目を瞑り、その声に耳を傾けて。
「この先百年安泰だ………か。」
そろそろお祭りもお開きになる頃合でしょうか。そうなる前に、もう一度あの人波に呑まれたかったのですが、なんだか力が抜けていきます。
きっと、今はあの中にいるよりも、外側から眺めている方が良いのでしょう。
顔をあげれば綺麗な夜空が見えました。
巾着袋から瓶を取り出せば、ころり手のひらに星を転がして。
あの夜空に輝く星と同じ色を、ほうと、口に放り込みました。
>>122 ヤガミ
「ったりまえよ。魂込めてモノ売ってるからなあ。
あんたも一つどうだ?いいモノ使うと、幸せも近づくってえもんだぜ。
そうかあ、どこにいるかわからねえのか。
それに、そいつに別の相手が出来ちまったってか。なんだ、アタシはよくわからねえが、それって辛いんじゃねえのか?
あんた、辛いのがまんしてるんじゃねえのか?」
>>126 千代
「へえ、いいじいさんじゃねえか。祭事は、顔出しとくもんだ。千代が顔出すだけでみんな喜ぶしなあ。
鍋もまあ捨てられてなけりゃちゃんと使ってるってこったろ。なに、一度使えば二度と手放せなくならあな。
金髪?ロングヘア?さあてなあ。
少なくとも、アタシがモノ売った記憶はねえなあ。
そんな広い村でもあるまいし、越してきたってえなら一度くらい見かけそうなもんだがよ。
……で、そいつがなんかしたか?」
>>172 ナナクサ
「手に入らない方がいいものだって、世の中にはありますよ、きっと。
藤原道長は、贅沢がたたって、亡くなる時は病に苦しんだと聞きますし」
「それに、月には不思議な力があります。何も通さずに見つめていると、気を狂わされてしまう」
月明かりは表情を削ぎ落とすように、横顔に影を落とします。
しかし、それも瞬きの間のこと。
「月が欲しいというなら、こちらはいかがですか?折りたたみのできる望遠鏡です。
かなり質のいい代物ですから、静かの海もくっきりですよ。
紙の上に歴史を刻めるようなお方なら、月面旅行の手助けになるやもしれません」
お次の舞台の前口上が始まった。
“狐の嫁入り”に倣うなんて、次は全員花嫁計画?
男も女もだなんてほっとくとしても。
「白に彩りなんてないじゃない。」
なんて軽口を挟んでみたりして。
空に舞い上がる帽子は、たんぽぽの綿毛のような。
北の方では提灯を飛ばすお祭りがあると聞いた。それもこんな感じなのかなと思ったりして。
最後に手づから被せられた綿帽子の下。
上目遣いで覗いた先には満足げに微笑む口元が見えた。
>>169 空樹
「あはは、本当にあたしを花嫁にするつもり?
それならおにーさんが狼になっちゃうから、悪戯される前に閉じ込めないとなぁ。
って、もう遅いか。」
綿帽子に制服なんてちぐはぐな格好。綺麗に化粧したおねぇには敵わないのはわかっている。
それでも、なんだか掛けられた言葉を素直に受け入れられる気がした。
>>181
「こらこら商人よ。風情を重んじた上での商いとは、余程その腕確かと見た。」
月明かりはいたずらに。
どうしてそう丁度よく品を用意できるのやら、秋の夜長を共にするには持ってこいの逸品だ。
相応の金を手渡すと、ソレは手に入った。
うん、なかなかの質感だ。
「名を聞かせてくれまいか友人よ。
いつか僕があの月に到達したときは、その自伝にこの夜のことを書き連ねるために。
いつかこの秋の物語が完成した時はあとがきにこの夜のことを書き連ねるために。」
>>164
砕けたばかりの相手から、差し出されたお酒を口に含む。
それはほんのり苦酸っぱく、お酒ってこんな味だったっけと思わず顔を顰める。
「狐の恋煩い…。そう、……。ありがとう。」
アヤメは決して酒が飲めないタチではない。
それこそ幼い頃に無理やり飲まされた経験はあれど、今では自ら客と飲むのも珍しくはない。
美味しい、と、たしかにそう感じていたはずだ。
けれども何故だか。
童心に返るとともに、味覚もそうなったのか。
「あたしには、早かったみたい。」
笑って空樹に杯を返した。
>>185千代
「いやいや彩り沢山ありますともさ。白が魅せるわそなたの色よ。白にて彩る花嫁色よ」
軽口へ、同じく軽口返します。楽しく返して心地良い。
綿帽子被って上目で見られりゃ、お可愛らしさで微笑ましい。
「はっはっはっ。なんだ。とっくに花嫁のつもりであったのに。
悪戯も、なんならしてしまおうか。もう逃げるには手遅れよ。そなたはとっくにワタシの虜。このお祀りが終わるまで、離れられると思わんことだ」
少女の制服と、白いお嫁の帽子。
本来ならば有り得ないような姿だが。
"花"の様に咲く笑顔は、神威を纏った"狐の嫁入り"とはまた別の。
この世ならざる美しさを纏っているよに見えた。
つかまれた手首の先を見ると少し老いた風情のあるものがいた
道具にあたるのはよくない、そう指摘されハッとする
ああ情けない。物に当たる自分を。それを指摘される自分を。
>>183
「蒔常松風…」
知っていた。たまに寄席に行くこともあったから。
まさかそんな人に声をかけられ、名を問われるとは思ってもいなかった
「…ミゲツ、です
物に当たるなんて良くないことをしようとしていました。止めて頂きどうも有難うございます
……お狐さまに怒られますね」
自分がいかにもこの稲荷祭りのことをよく思っていないことが伝わらないように。口が曲がりそうな気持ちでそう言った
>>147 >>148 >>149
───凛とした声が響く。
この声が聞こえれば、誰しも耳を傾けるのは道理だ。
狐の嫁入りの唄。子供の頃から慣れ親しんだものだ。
子守唄によく聞いていたか。女将は血の繋がりのない俺に優しかった。
それがどんな意味を持つか───子供ながらに知ってはいた。……それでも、彼女の優しさに甘えていたかったのだ。
過去を振り返れば、舞と唄は終わる。
闇夜に輝く月が、無性に眩しく見えた。
>>188アヤメ
煽ったお顔が僅かに濁る。どうやら、お口に合わなかった様だ。
ーーー或いは、本当の恋の味を、まだ知らなかったのか。これからほんの少しずつ。育み育てていくのやも。舌にゆっくり馴染ませて、楽しんでいければ良いのだが
この酒は、飲む者の気持ちも味溶かし、千差万別模様の味わい。気づかぬ気持ちも気づくだろう。まだ早いのなら早いのだろう
「そうかいそうかい。何、焦って飲むものでも無い。楽しめる心づもりが出来たなら。
大人となって、舌と、恋の心を育んだなら、是非ともまたご一緒しましょうや」
にこりと笑って杯受けとる。
空樹へ微笑み返すアヤメ殿の笑顔は、鳥居にて見舞った笑顔とは全く別の。
思わず自分すらも微笑ましくなるような、童心がごとき笑顔であった
>>178 空樹
「…それも、そうだな。」
ミゲツの名を挙げるのは武士の情けでやめる事にした。
「あんたな……。」
空樹をじっとりとした目で見ながら、アヤメを見守る。
彼女が杯を返し、二人が話を終えた頃にこそっと声を掛けた。
>>188 アヤメ
「………アヤメ、大丈夫か?」
甘さが溶けてなくなって、しばらく経った頃。
ようやく立ち上がり、ポンポンと後ろについた砂を払います。うんと伸びをして、ぷはぁと息を吐き出すと、
「あ!ヨーヨー釣り!
畳屋のおじちゃんがやるから来てなぁ言われてたん忘れてたわ……」
まだ間に合うやろか、と言いながら少し急ぎ足で屋台に向かうも、やはりもう店仕舞いを始めていたようで。
また明日来ておくれと言われれば、赤と白のヨーヨーをひとつ手渡されました。ほんまごめんねと謝れば、カランコロンとその場を後にすることに。
貰ったヨーヨーの輪ゴムを中指に引っ掛けて、ぽよんぽよんと弾いていけば、これがなかなか楽しくて。なんだか童心に返ったような心地になりました。
「そういえば、小さい頃に──」
はたと、足を止め、思い出すのは遠い過去。
ヨーヨーが上手く取れずに泣いていたセツに、誰かが笑いながら隣にしゃがみ込み、一緒にヨーヨーを取ってくれた。
…何てことはない、そんな記憶。
今日はアヤメとソウビと3人で手を繋いでお店を回って
空樹に妖術を見せて貰って、凛としたお姉さん(セツ)に微笑みかけてもらって
レイは楽しくておなかいっぱいです。
んーーーーっ、と背伸びをする。
欠伸も併せて出てしまった。
「ふぁぁ。そろそろ眠いよう。」
「あっ──」
気が付けば、輪ゴムが中指からするりと外れ、赤と白の模様で彩られた水風船がパシャリと音を立てて地面で弾け、割れました。
小さく歪な水の跡が、なぜだか酷く悲しく見えて。
「……あかんね、なにしてんねんやろ。」
ふるふると頭を振れば、地面に散らばった水風船の欠片を拾い集めます。
ゴミをそのままにしておくと、お狐様に怒られてしまいそうだと、思いながら。
何故か溢れそうになる涙には、気が付かないフリをして。
>>179 烏丸
「いーのいーの。あたしだって待ち合わせは面倒だったんだから。」
急ぎながら適当に言い捨てたもんだから待ち合わせの程にもなってなかったし。
ま、いざとなれば人伝いに聞けばいいだけ。狭い村内じゃいつものことだ。
「金魚すくい?
そんな特別上手くも下手でもないよ。2〜3匹取れるぐらい。
え?あたしがやっていいの?」
いきなり渡されたポイに戸惑う。別に奢ってもらうつもりはなかったのに。
もしかしてカラスマルサンとやら金魚すくい苦手なの?
「金魚すくいはある程度コツがあって……
水中に出し入れする時はポイを斜めにする、金魚の尾はポイの外にって具合。
上手い子は十匹も二十匹も取れるけどねー。」
せっかくだから解説をしながら。一匹の金魚に狙いを定めてそろそろとポイを動かす。
器へ!と思ったところへぶっ込んできた。
「はぁ?一目惚れ?
別に信じてないわけではないけどさ。だからって速攻ナンパに移る?」
鈍った動きに金魚が逃げた。ポイへのダメージは少なかったけど、ちょっと破れたから気を付けなくっちゃ。
というか、この話か金魚すくい、どっちかさっさと終わらせちゃいたい。
『許さない(恋しい)
恋しい(許さない)
また、会いたい。
だから、ーーー年待っていて。
そしたら、あの鳥居の下で、もう一度。ほんの一度の逢瀬になれど。私とアナタで会いましょう。それまで、生きていてね。人間。
いいえ、生かしてあげる。恋しいアナタ』
そんなお声が頭に弾け。懐かしく。も一度聞きたいと嘆いた。焦がれた焦がれたお声が一つ。
焦がれた事すら忘れてた。最早過ぎ去る残響一つ。
からくだものの瑞々しさすらも、枯れ果て味せぬ記憶の枝葉
嗚呼やはりきこえないよな。
お面を外し俯き、彼女から背を向けた
「君はもう僕のことなんてわすれてしまったんだろう」
そしてふぁ…と1つ欠伸をする
もう夜も遅い。今日は寝ることにしようと思い、寝床の方へと向かっていった
『忘れたくはない。
だが、俺の、人の記憶は移ろいやすく。脆く弱く。
この気持ちですらも忘れてしまうかもしれない。
俺は何よりそれが恐ろしい。ならば、せめても忘れないように。俺のあの子と一緒に食べた果物で。
この、恋の味を忘れないように。あの子が好きだった、酒を作るとしよう』
『アタマが可笑しくなりそうだ。いずれは忘れてしまうかも。だがーーー。
この気持ちを忘れてしまうことが、俺にとっての地獄だから。それに比べれば、こんな云年なんでもないさ』
男は。誰ぞに貰った、黒い狐を被った男は。
ただ一心で、この味忘れたくはない。この恋離したくはない。
そう願って、恋の酒を作り続けたそうな。
これは、"狐に恋煩った"男の記憶。
今は記憶の枝葉が枯れて、全く別物へと化した。
そんな、"狐の恋煩い"に纏わるお伽噺であったとさ
誰にも語られぬ空事噺であったとさ
良く分からぬままとっくり煽る
"狐の恋煩い"を、ぐびりと煽る
「あぁ。旨い。本当に。恋をしてしまいそうな。恋を、思い出すような味だ」
誰かに語った言葉によると。
ーーー"狐の恋煩い"は、哀しい恋をしている者ほど旨いだそうな
>>199 夜長
全く言葉を手足のように操る男だ。
いや、頭から爪先まで商魂が宿っているだけか。
「商人、夜長よ。今回はそのよく回る口に巻かれておこうか。ただし、」
「三草 七草。僕の本が目に付いた時は端から端まで読み尽くして、他の誰かに上手く売ってくれ。
どんな名作も読まれなければ紙束と同じだならな。
しかしそれは、いずれこの国きっての大文豪になる男の本だ。」
「サインくらいなら友人のよしみで書いてやるぞ」
生産性から乖離した取り留めなのない問答に思わず笑みが零れた。
アルコールを完全に雪いだ僕は軽い挨拶を残し、階段を下った。
>>180 キキョウ
「えー、それにしたって、わざわざ寮から帰ってくるのはさぁ。今だってちょっと長いお休みもらったら帰ってるし。
だいたいこのお祭りは“狐の嫁入り”のおねぇがいればいいじゃん。あたし必要ないしー。
鍋、自信商品だったんだねー。おじーちゃん、そんな機能なんて気にしてるのかな。
多分なーんもわからず、不便ないから使ってるだけだけだよ。」
キキョウも首を捻ってる。この村であたしとキキョウ、2人の目から隠れて引っ越すなんてのはほぼ不可能。
お祭りだけに集まった子かな。
「そう?ちょっと気になってさ。
服装も本に出てくる洋風な感じで……なかなか目立つ子だったから知ってると思ってたの。」
みなさんは楽しんでいらっしゃるようね。
お狐さまも喜んでいらっしゃるかしら。
ああ、こんな素敵な景色ならば、ずっとお祭りが続けばいいのに!
>>217 千代
「まあそう言うなよ。若いあんたがたまに戻ってくんのは、みんな楽しみにしてんだって。もちろん、アタシもなあ。いつぶりだっけか?達者で何よりだよ。
あったりめえよ。アタシが売るもんに自信がねえもんはあり得ねえ。商売人ってのはそういうもんよ。
へえ……アタシは見てねえな。洋風な服着た金髪のやつがうろついてりゃ、嫌でも目につくってえもんだろ?
祭事に合わせて来た、観光客かなんかじゃねえのかい?」
>>203>>205セツ
そんなこんなで首を捻っていると、水風船の欠片を拾っているお子一人。
どれどれ空樹も拾ってしんぜよう。
そう思い腰を屈めておなごを見ると
んん?どこかで見たような、そうでも無いような……?
随分長く、祭りに来ている故に
しかししかして、今宵は楽しい楽しいお狐祭り。きらりと光るものが見えたなら。咲かせてみせよう笑顔の華を。光るものは、見ない振り。見ない振りして声掛ける
「や。物拾いとは関心だ。そなたは大変心が宜しい
余りに感心した故に。思わず、心から動物が跳ねていってしまった」
キセルの霞で形つくるは、小さく可愛い煙のリスよ。
飛び跳ねお子の、お顔の前に。前足上げて、小首を傾げ
ぽつ、ぽつ、と砂利道を進む。
新しくしてもらった草履にしてから足に痛みはない。
先程まであんなに楽しかったのに
独りになると急に寂しくなる。
ふと、狐の嫁入り様の唄を口ずさむ。
いたずら神様閉じ込めりゃ
この先100年安泰・・・
100年。なんて大きな数字なのだろう。
また1/10くらいしか生きていないレイでも
壮大さは理解に及ぶ。
でも・・・いたずらの神様ってなんのことなんだろう?
お狐様はいい神様だし、他にも神様いらっしゃるって
ことなのかな。
ぐぬぬと頭を捻りながら神社まで到着する。
やや、振られちまったのかい俺たちゃ。
なんでい、江戸っ子とご隠居では白花嫁様にゃかなわねーってさ。
そういや、さっきから耳にかかる歌を歌ってたのはあの花嫁さんかい?
このセイヤ様の祭囃子をものともしねえたあ驚いた。さぞかし名のある名首と読んだねえ!
そんでよぉ囃屋さんよ。
俺ぁちょいとあの歌に胸のつっかえがあるんだが、これがなにやら知りゃしねえかい?
"人が困ってこうべを垂れりゃ
じゅうしのぐうじがぁぞーろぞろ
いたずら神様閉じ込めりゃ
この先百年安泰だ"
この先百年たあ大きく出るじゃないか。流石祀られる神様の仕業は違うねえ!
だから。
【百一年目はさて、どうなるんでぃ?】
今年がそのちょうど百年目ってえのも、できすぎてらぁな! あっはっはっは!
緑の葉っぱに陽が落ちて
紅刺すころオヤシロに
稲荷の神様コンコンと
鳥居の真ん中通りゃんせ
人が困ってこうべを垂れりゃ
十四の宮司がぞーろぞろ
いたずら神様閉じ込めりゃ
この先百年安泰だ
今日1日、起きたことのどれもが目まぐるしく、まるで夢のような、そんな日だった。
夜も更けよということでどこから聞こえた狐のお歌。
嫁入り様が歌っているのか、祭りの客が口遊んでいるのか。
はたまた、お狐様が歌っているか。
この街に住んでいる者なら、誰もが知っているこのお歌。
ソウビとレイに別れを告げて、家に帰る夜もすがら、鼻歌まじりに歌うたう。
>>222 >>228 空樹
「………え?」
振り返り、隣を見れば見知らぬ狐のお面をつけた男性が同じようにしゃがみ込んでいました。
しかし、それより驚くことは、キセルの靄から飛び出したこの小さく可愛いリスの方で。
「…うわぁ、すごい、すごいねぇ!
あはは、リスさんの可愛らしいこと!」
パァと顔が明るくなり、それと同時に涙はどこかに引っ込みました。小首を傾げたリスに習うように、セツも小首を傾げ、楽しそうに笑います。
その靄が消えるか否か、そんな折。目の前の男性が自己紹介をしたのなら、セツもきちんと姿勢を正して。
「あ、アタシは梅原 雪って言います。
去年ここに越してきたばっかりやから、お会いするんはたぶん初めてとちゃうやろか?」
空樹と名乗ったその男性の問いかけには、やんわりと否定を示しました。ここに来てからまだ1年だけれど、さすがにこんな面妖な事をする人がいれば、忘れることはないでしょう。
「ほんまにええの?……そう、ありがとう。」
差し出された水風船。それをそっと受け取ります。
先程のものとはうって変わって、綺麗な彩りがされたそれは、まるで目の前の彼がつけている仮面のようでした。
そんな綺麗な水風船を割らないように、落とさないように。数回手の中で跳ねさせれば、満足そうに微笑みます。
「お礼と言ってはなんやけど……」
そう言って巾着袋から取り出したのは、小さな星が入った小ぶりの瓶でした。
このお祭りで出会う人に渡していたら、すっかり中身が少なくなってしまいましたけど、それでも綺麗な彩りはそのままで。
「なんや、励ましてもろたし、水風船ももろたし……よければなんやけど。
ころんとひとつ、どないです?」
もし受け取ろうとするのなら、貴方の手のひらに赤色の星がひとつ、落ちました。
けれどもし、受け取らないのであれば、赤い星は落ちることなく、星の彩りの一部のまま。セツはそっと瓶の蓋を閉じることでしょう。
「いたずら神様閉じ込めりゃ ♪」
(いたずら神様、閉じ込める?)
ふと歌いながら、歌詞の一部に首傾げ。
(ええと、このお祭りって、確か、お狐さまを祀っていて…それで…、この先100年の安泰を願う…?いいえ、祭り自体は毎年あるし…)
(そう言えば、今年は特別な、100年に1度のなんて言うけれど、具体的にはいったい何が特別なのかしら…?)
(いたずら神様が、お狐さまだとしたら、…それを閉じ込める…?)
気づいた不思議な違和感に、思い浮かぶは今日祭りを共にした者。
正体はわからぬものの、なんだか胸騒ぎがする。
そういえばと、レイが手を振りながら神社の寝所へ向かっていたのを思い出す。
「別に、少し、気になっただけよ。」
彼女の問いかけに、上手く答えられなかったことも気にかかり。>>174
踵を返し、アヤメは神社へと駆けて行った。
>>234>>235セツ
「おぉ。これまた丁寧に。大層育ちが良いようだ
梅原 雪嬢か。舌に溶けるよな名前よな」
可愛らしく首を傾げて笑うお子。
気分を良くして口の端上がる。
「おっと。そうであったか?
何分、何年かだか祭りを楽しみ、何年かだかお人と遊んで来ました故に、お顔を間違える事もありまして。
人違いとは恥ずかしい。
それでは改め初めてお会い。一期一会を喜ぼう」
どうやら空樹の記憶違い。そんな事も良くあることだ。
なんせ雷神様が突然現れ消えてく様な、頭であるし
水の風船手にとって、弄んでは満足そう。どこかで泣いてるお子いたら。渡して機嫌を取ろうとな。その企みが、上手くいったはなんたる重畳。
そして、赤い星のお礼を聞けば、こちらもまた嬉しそうに笑って。
「どういたしまして。
……お日様かぁ、ふふふ、確かにそうかもしれんね。空樹さんは楽しいお人やわぁ。」
そう言うと、すっと立ち上がり、瓶を巾着袋に仕舞います。
「こちらこそ、また遊んだってくださいな。
アタシは明日も、このお祭りに参加してるから。」
また明日、出会えれば。
何事もなくお祭りの続きが開かれれば。
きっと、また遊べるでしょうと、そう信じて。
空樹に向かって手を振り、その場を後にしました。
゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚゚*.。.*゚
カランコロン、カランコロン
下駄の音を鳴らしながら、昨夜泊まった下宿先へと向かいます。
今日はなんだか色んなことがありました。
ひとつひとつを思い返す度、なんだか不思議な気持ちになります。
それに、もうひとつ、気が付いた事も──
はたと足を止めれば、キョロキョロと神社の方を探します。パチりと目が合った方に、少しお願い事を。
「こんな夜更けにごめんなさいね。紙と書くものがあればお借りしたいんやけど…」
今日の事や昨日の事を、忘れぬうちに書き留めたいと、そう思って。
そうすれば、この胸の奥にある微かな気持ちも、何かわかる気がして。
「ありがとう。それじゃ、おやすみなさい。」
望んだ物を胸に抱えて、再び下駄を鳴らします。
カランコロン、カランコロン
明日もきっと、素敵なお祭りになると、そう信じて。
゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚゚*.。.*゚
神社の寝所へ着いたアヤメは、中の者を起こさぬようにこっそりと襖を開ける。
男女で別れたその場所は、数人が大の字で寝れる程度の広さを持っていた。
見知った顔を探していけば、小さな影がころんと一つ。
縮こまって寝ているその背の小ささに、何故だか重なる自分の姿。
「レイちゃん、あのね。何故だかわからないけれど、」
「あたしとあなた、ちょっとだけ。似ているなって思ったの。」
両親は幼き頃に居なくなり、まわりに頼れる者などいなく、生きていくためにはこの身一つの、薄汚れた子ども時代。
「なんてね、おやすみなさい。」
どうか明日も、楽しき祭りの日々が続きますように。
そう願い、少女の隣、アヤメも静かに床に就いた。
これは夢だ
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
「ミゲツミゲツ!はやくきてよ〜!」
クルクルと走り回りニコニコと笑う小さなあの子はいつの頃の稲荷祭りなのだろう?
「あ!ほらみて、おきつねさまのお面がたぁくさんあるね!」
「ねえミゲツ、いっしょに買おうよ!
ミゲツは…これがにあうと思うな!」
そう言って持ってるのは今つけている赤の模様が描かれているお面だった
「私はこれ!」
そういってニコニコと笑うあの子は覚えているけれど、
あの子が選んだお面はなんだった?
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
「ねえミゲツ!」
「大きくなってもずぅっと一緒!だよ!」
「またらいねんはこのお面をつけていっしょにおきつねさまのおまつりに行こうね!やくそく!」
そう言っていたけれど、もうあの子と一緒に稲荷祭りに行くことはなかった
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
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