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──そうして、食事を終える。
食べている間、何も目の前の食事に目を奪われていただけではない。
当然、アルベルト・グランとローラン・アルグミュラーの試合はこの目に焼き付けていた。
ファルス王子の側近というだけあって、アルベルトの剣は目を瞠るものがあった。
智力を駆使して戦うクロエだからこそ、彼の動きの無駄のなさはよく分かった。それでいて、瞬発力が凄まじい。それに何より華がある。
鍛え抜かれた体は長年蓄積した経験をもとに、美しい流線を描いていた。
対するローラン・アルグミュラーも、若くして屈指の騎士となっただけある。
アルベルトのように決まった型はなく、一見すると粗削りな立ち振る舞いだが、その時に最も有効な戦い方を見出す臨機応変さは驚嘆に値する。
>>544 カリン
「おれも同郷に会えてアガるわ。また話すのを楽しみにしてんぜ。」
食事に満ち足りたセンゾウは、腹ごなしにと辺りの木に登り、団員たちを眺める。
思い思いに過ごす仲間たちを見て、まだ始まったばかりの暮らしに対する期待感から来るよろこびに頬が緩む。
「…気ィ抜いてる場合じゃなさそうな雰囲気じゃね?」
どこからか現れた少年がグラジナに斬りかかる。
グラジナ。あれは恐らく腕が立つ。直線的な攻撃ならば上手く捌くだろう。……否。
「いやいや、なにあれ、こっわ。小童まじパネェ。」
瞬間、センゾウは木の上から消え、グラジナたちの元へ降り立つ。気配は絶ったまま。
「…おう、助太刀要るか?」
先輩騎士 ローラン が村を出て行きました。
『黒狼騎士団遠征日誌』
一の段
大陸歴一一七三年、天斗遥かに讃え、陽射し強く。
サリーナ王国が誇る黒狼騎士団、若き力を持ち初の遠征任務に就かん。
早朝、城門に集えし新兵、総じて腹に希望野望を据えり。騎士団長以下一八名(遅刻者一名含)出立。先達兵同行賜る。
二の段
道中、魔猪討伐せしめる。模擬戦などし、高めあうことまた好し。
先刻討ち斃せし魔猪、夕餉に上がる。味好し。
三の段
何方より、童現る。
ーーーーーーーーーーーーー
最後の一文は走り書きの様になっている。
絶対に殺った。その感触はあったのに、目の前のこれはなんだろう。不可解だと睨みつけていたその場から姿が消え、真後ろから刃の突き刺さる感触…と、間抜けな音がした。
「お前……!!今のは魔法か?その紛いもんの剣はなんだよ!名を名乗れ!」
>>577エクス
「何を言ってるのかわからないから」
すっと、立ち上がる。
「捕まえてから聞くね」
そう笑顔になると、エクスのと間合いを詰める。
顔面めがけて左ハイキックを魅せる。が、囮。
独楽のように体を回転させて無防備の左ボディに重い蹴りを御見舞する。
いつもの笑顔ではなく、強者と対峙している時のそれだ。
組手で戦うのはいつぶりだろうか。
>>569 ソラ
「反省はいいことだが、また己のよかったところを認めるのも必要だ。謝る必要はない。その団員には誤解を招くような真似をしてしまったと私が詫びていたと伝えてくれ」
まっすぐな言葉に穏やかな笑みが自然と浮かぶ。きっとこの者はいい騎士になるだろう。
時間は飛ぶようにすぎ、そろそろ城へ帰還せねばいけなくなっていた。
「ではそろそろ私は失礼するとしよう。ソラ君、私がいない間、王子のことを頼むよ」
先輩騎士 アルベルト が村を出て行きました。
そうして、ゴミを片付けに来たところでようやく異変に気が付いた。
おかしな剣を持つおかしな少年が、道中にカリュドーンが出るような危険な場所で、騎士団以外いてはならないこの砦で、同輩たちを揶揄うように舞っている。
まるで時空を歪めるように、舞っている。
それを視認しながら、クロエはそれでもなお冷静に口を開いた。
この少年を刺激してはならない。今は一時的にでも場を収めて、そしてすぐに王子に報告せねば。
「あなたたち……揃いも揃って子ども相手に剣を構えて。一体どうしたっていうの。新兵と言えど子どもに手を出すなんて、騎士の名折れね。」
>>エクス
「ごめんなさい。あなたに付き合ってあげたいのは山々なのだけれど、今わたしたちは仕事中なの。帰る道が分からないのなら、近くの町まで送るようお願いしてくるから、待っていてくれるかしら。」
「……行ってしまったわ。」
クロエは平素の表情で、少年が消えた先をしばらく見つめた。
やがて、その場にいたカリンたちに視線を配る。みな異様な目であの少年を見ていた。
「あれはなに? わたしの目に間違いなければ、あの子、確かに──。」
言いかけて、途中で口を噤む。
「今あったこと、王子に報告してくるわ。」
そして、その場を立ち去った。
(確かに当たったと思った右腹部への蹴り。が、すり抜けたな。....魔法か。最初に小太刀が吸われたのも魔法なら説明が付く。もし仮にそれ以外だとしたら、厄介すぎる)
*/
綺麗に着地する。考えることがあって、すこし周りの確認が出来ていないでいる。
*/
/*
明日以降、役が確定してからするRPは決まってる。
とにかく今日はもう寝よう。さすがに寝ないと不味いもんね。
気になるけど、続きはまた明日。おやすみなさい。🔖
「はあ…ま、当たらんよな。知ってたし。」
鉄杭は空を貫き、奥にあった木の幹に突き刺さっていた。
去り行くエクスを見送り、嘆息する。
「…で、なんだったんだありゃ。」
クロエはついてくると言ったカリンを一瞥だけして、またすたすたとファルス王子の元へ歩き出した。
>>ファルス
「ファルス王子──騎士団長。アメジストのクロエ・ド=ベルティエでございます。実は報告したいことがございまして。」
クロエはおかしな少年が砦に現れ、また消えてしまったことを、ファルス王子に報告した。
>>578 ソラ
「怒ってるか? 俺が、お前に置いていかれて、怒ってるか、だって?」
イグニスはゆっくりと言葉を繰り返した。それから、大きく息を吸い込む。
「んなわけないだろ! 俺は俺で他の奴らと組んで狩りに行ったからな! お前のことなんかこれっぽっちも頭を過ぎっちゃいねえ!」
そうして怒鳴り散らしてから、──イグニスはそわそわと体を揺らした。
「…………んで…………は?」
>>592センゾウ
「加勢助かったよ、ありがとう。
当たらないと思っていたのは、なんでだ?」
状況を整理する為にセンゾウに質問してみる。
「…チッ」
逃した、というより、最初からこうするつもりだったのかもしれない。こういう輩はまた現れて、その時には本物の剣を持っているなんてこともざらにある事だ。
やはり魔法としか思えないような消え方をしたその空間を、憎々しげに睨みつけていた。
「うーん。肉体強化の魔法と雷使えてればあのガキンチョ余裕だったんだがなぁ。
人前で魔法見せる訳にもいかないし...」
報告を終えて、クロエはしばらくさきほどの少年について考えていた。
しかし、結局結論は出なかった。クロエは小さく溜息をつくと、気持ちを切り替えることにする。
王子に報告はした。最終的な判断はクロエではなく彼がするのだ。
「……あ。」
そこで、イグニスのことを思い出した。感情に疎いクロエでも、彼が自分との手合わせを楽しみにしていたことは分かっていた。
きっと、約束を反故されたことを怒るに違いない。
その時は素直に謝ろうとクロエは目を伏せた。
>>598 ソラ
ソラの顔が近づくと、イグニスはギョッとしたようにその顔を背ける。
「──だからっ、理由はって聞いてんだよ!!」
/*
即レス対応系ソラ
落とし所決めて終わらせないと朝になるwwwww
いやでもイグニスと話すの楽しいの……イグニスの中の人ごめんなさい………いつでも寝ていいからね………
>>602 ソラ
「はぁ? ────」
話にならない、と言わんばかりの表情で、イグニスはソラを見遣る。
「お前、なんで俺が! 詫びで勝負してもらわなきゃなんねえんだよ!」
そう言ったところでイグニスは、もうひとつ、違う人間から約束を反故にされたのを思い出した。軽く舌を打つ。確かに先の先輩騎士による模擬試合のせいで、闘争心を掻き立てられていた。
「───分かった」
暫く黙ったイグニスの顔には、いいことを思いついたとばかりの笑みが浮かんでいた。
「賭けをしようぜ。お前が負けたら理由を話せよ」
/**/
名前、イグニス・アッカードってなんとなくの響きで決めたんだけど
(アッカードってなんかどこかで聞いたことある気がするから誰かの名前とかだったらめちゃくちゃ申し訳ない)
イグニスの意味が篝火らしくてなんかほんと赤!って感じで気に入ってる。
>>603 イグニス
「ですよねー!」
イグニスの言い分が10割正しい事に、ひーん と嘘の泣きべそをかきながら、作戦失敗を悟ります。
別に平時においてイグニスに手合わせを挑んでも、挑まれても受動側は拒否する理由はないのですから。
交渉のチップとしては手合わせは何の意味も持ってはいません。
しかし、続く彼の言葉は予想とは打って変わっていました。
彼の発言の真意は分かりませんが、隠し通せるチャンスを掴めた事に内心喜ぶ事でしょう。
「……オーケー。話さないで済むならその条件を飲むよ。ボクが勝ったら理由は話さない。」
勝った時の事も明言しておかなければ後で何を言われるか分かりません。一応釘を刺しておきます。
「それじゃあ、明日。互いの都合がついた時に、やろうか?」
クロエとの対決の前後がベストでしょうか。
イグニスと日時についてのやり取りを行います。
──夜は恐ろしい。
暗がりにいると、義兄にされた暴虐の数々が瞼の裏に蘇ってくる。
クロエにとっては理不尽以外の何者でもないようなことを喚き散らされ、責められ、圧しかかられる。
義理の妹を陰湿に睨め付け、あの男はその肌に指を這わせるのだ。
手順はいつも決まっている。義兄は絶対者だった。彼が命じるだけでクロエは意思をなくし、体を預け、満足のいくように振る舞った。
体を暴かれようと、白い肌に切り傷や青痣を残されようと、クロエのすべきことは変わらない。
彼にとってそれは、クロエがド=ベルティエ家の一員となった七年前より始まった、自分と妹を赦すための代償行為だった。
/**/
ソラくんに勝って馬の練習する約束するんだ……
だから頼む……ほんと頼むから1しか出せない呪い溶けて……。
あと役職は今回は共有になりたい。
弛まぬ努力の末に、クロエは騎士となった。
黒狼騎士団には寮があるため、研修を終えたあともあの家に毎日帰る必要はない。
──そう思うと、すこしだけ気が楽だった。
離れていてもあの男の影は常に脳裏にちらつくけれど、おかげで純粋に勉学や鍛錬に励むことができる。
クロエは用意された寝床で膝を抱えて、縮こまりながら目を閉ざした。
イグニスと話し終えた後、食べ終えた食器を片付けながら、ふと思い至ります。
(……あ、そう言えば寝室は男女別の大部屋だったっけ…。)
現状、男性大部屋の寝室で夜を明かす事はなるべく避けたい所です。
幸い、今日はとてつもない量の経験、知見を得ていたので、睡魔とは上手く折り合いを付けることが出来そうでした。
食器を洗い終えた後、こっそりと砦の階段を上がり、城壁の凸凹した狭間窓にもたれて、夜空を見上げます。
丸いお月様は、淡い光で砦を照らしていました。
しかし、よく見ると月はほんの一部分ですが欠けていて、まるで月の欠片がどこかに落ちてしまったような、そんな印象を抱きます。
(欠けた月って不吉なんだっけ?月蝕とかじゃないし杞憂なのかなぁ?
まぁいっか、復習、復習♪)
/*ゆったりと時が流れていく夜の砦で、ソラは今日の出来事を反芻しながら、1日目の夜を過ごすのでした。
明日は今日の自分より一歩でも騎士として成長出来るように。*/
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