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朝。マカロンは身なりを整えて、共有スペースへ赴いた。
「…おはようございます。」
弱々しく微笑んで、誰にともなく朝の挨拶をする。そのまま手近にあったソファに腰掛ければ、背もたれにボスっともたれかかる。
ひどく身体がだるかった。
訴えかけてくる腹の虫と、甘さを求めてやまない身体。最後の最後、悩みに悩んで決めた彼が、極上の甘味ではなかったと理解した事。全てが彼女の精神を着実に蝕んでいた。理性を持ってそれらを制している心は既にボロボロで、考えることすらも放棄したくなるほどだった。
「………限界、ですわね。」
ひとつ、溜息を吐いて独り言ちる。
そろそろ、決意を固めないといけなかった。*
「おはようございます」
誰に向けるでもない簡単な挨拶とともに、共有スペースの椅子に腰掛ける。
部屋に広がるのは咽びかえるような血の匂いではなく、ティラミスの芳醇な香りとゼリーの爽やかな香り。
「……わかっていた、というより予想はしていたという言葉が正しいかしら。
それでも、辛いものがあるわね」
昨日と同じような事が起きるなら、二人はおかしのいえからいなくなる。
これほどまでに単純で、受け入れ難い事実はあってほしくなかった。
ため息のような息を吐くと、呼吸を浅くする。
これが今の私に出来る、唯一の抵抗だからだ。
[眠りは浅かった。いつまでもドキドキしてしまって。
それでも、いつもより念入りに鏡の前で身だしなみをチェックした。
三つ編みとかにしてみたら……だめだめ。今は変なことをするべきではないわ]
……全部終わったら、おしゃれしたいわ。もっと。
[昨日のひと欠片では、空腹感はなくならない。1日経って、またお腹はすいている。
また、アレをしなければいけないのか、と、顔を顰めてから部屋を出た]
>>5 チョコレート
「…ふふ、そうですわね。
いい朝……とは言えませんわ…」
久しぶりに交える彼との挨拶は、いつものそれと違っていて。華やかな笑顔を向けることも出来ず、ソファの背にもたれかかった身体を少しだけ持ち上げることしかできなかった。
「身体が……少しばかり重たくて……
やっぱり、何日もご飯を食べないというのは、いけないことなのでしょうね…」
彼はきっと、もう既に食べているのだろう。
昨日のメモにもそう取れる文字が書いてあったから。
チョコレートは決断をしたのだ。生きるために。そして、皆のために。プリンの最期を引き受けてくれたのだ。だから、
「……でも、それも今朝で終わりますわ。
覚悟は……できましたから。」
最後の言葉はとても小さく、微かに震えている。それでもなんとか、へらりとした笑顔を彼に向けた。彼を心配させまいと。
彼女なりの、精一杯の強がりだった。
目が覚めると、そこはいつもと変わらない自分の部屋だった。ゆっくりと身を起こし、自身の起動を待つ。しばらく何もせずぼうっとしていると、拭い去れない空腹感が襲ってくる。
「……おなかすいた。」
共同スペースにいけば、みんないるだろう。そのあとで、ごはんを食べに行こう。そうしよう。
「昨日あれだけケーキの事を話したっスから…ケーキがその情報を逆手に取っていた場合、追いつける気がしないっスね…」
[ここまで来ると、ケーキが女性を乗っ取っているケースも視野に入れなければいけないだろう。勿論、初めから女性を乗っ取っていた可能性もあるが…。
昨日が、彼を捉える最初で最後のチャンスだったのではないだろうか。シューは内心歯噛みする。]
>>8 キャンディ
「…おはようっス。キャンディさん」
[今朝の状況を理解してしまえば、互いに明るく振舞うなど出来るはずもなく、手がかりもほぼない。絶望感が滲んでいるキャンディの声音は、暗い青色になっていた。
それでも、シューは見殺してきた仲間達の為にも、思考放棄をする訳にはいかなかった。]
「…一緒に頑張るっスよ。自分も夜には具体的な人を挙げれるようにするっス。
あ、あと昨日は実験のお手伝いありがとうっス。
クロワッサンっスけど、残念ながら結果は失敗だったっス…。
でも、新しい仮定を思いついたので、自分は今夜また試してみる事にするっス」
[シューとキャンディしか知り得ない記憶。
【極上の甘味】を追い詰める為には、何か互いにこれと言える何かを持っていなければいけないようにも感じた。
シューで言うケーキの愛称呼びの件もそうだが、このカードはもう切ってしまった。元々警戒してはいるだろうが、この件でケーキが尻尾を出す事はもうないのだろうな、とシューは感じ取っていた。]
>>11 シュークリーム
シュークリーム……
[苦しそうな顔をする彼女の肩にそっと触れた。彼女の心境は察するにあまりあるものだ]
……大丈夫よ。
そうそう、他人に成りすまし続けられるわけがないわ。
でも、そうね。そう考えると……もしかしたら、昨日ケーキはゼリーだったのかしら。
今なら、私たちが予想しづらいひとになりやすいと、思って移った可能性は、考えられるわね……。
でも、きっと、きっと大丈夫。
ケーキを探すというより、「そのひとらしくない」ところを、注意深く探せば……
昨日は間違えてしまったけれど、今日は昨日より情報もある、わ。
[本当に?と内心で自分自身に問うけれど。そう信じたかった]
>>14 キャンディ
「…ありがとうっス。
『そのひとらしくない』ところ…了解っス。探さなければいけないっスね」
[キャンディが心配してくれている事、思いついた事を伝えてくれた事に、シューは心強さを感じた。絶望するよりも、希望を持って取り組む方が建設的なのだから。]
>>15 キャンディ
「いやいや!だからこその実験っスよ…!
キャンディさんのお陰で分かった事だって沢山あるっス。謝る必要はないんスよ…。
ありがとうっス。【極上の甘味】探し以外にも、やる事は多いっスからね…!頑張るっスよ!」
[最後は自身への鼓舞も含めて、シューは自分に言い聞かせるようにキャンディに答えた。]
「ヤー、ヤー。
チョコレートに投票しちゃったの、僕なんだよねえ。ごめんごめん。
さすがにそろそろ…何も食べないの限界だなぁ…
ティラミス、か。お菓子の味云々は置いておいて、彼はちょっと食べてみたいよね。
極上の甘味ってヤツさ。まーまーストレス抱えてると思うんだよねえ?誰かのフリして何日も過ごすなんてそうできたことじゃあない。あと、できれば自分の1番好きなもの、食べたくない?
僕的にはケーキ→ゼリー→?って言うよりは、また違う別の誰かがやってるんじゃないかと。だってさ、毎日違う人になるより、1回成り代わったらしばらくそのままいた方がラクだろ。
すーごく!怪しまれる動きをしたなら話は違うけど、とりあえずそうじゃなさそうでさ。」
>>13 チョコレート
元は生きた人間で、つい先日まで言葉を交わし、同じ時を生き、同じ病と戦っていた彼らを、自分が生きる為だけに殺し、食べるという行為。それは、想像するだけでひどい吐き気を催すものだった。
……それでも、それでも。生きる為には、食べなくてはいけないのだ。
手を合わせ、命に感謝をして、頂く。
いつもと同じ事だ。いつもと同じ事なのだ。
「………ありがとうございます。
私、頂いてきますわ。……命を。」
彼がマカロンに向けた笑顔。
それは、いつもと変わらない笑顔で、少しだけ安堵する。それでもきっと、無理をして笑ってくれているのだろう。自身の胸に掴む、力の篭もった手を見てそう思った。
……優しい人だと、思った。
「……えぇ。他の方も、移動した方が良いかもしれません。お手伝いできれば良いのですけれど、私では力になれそうにありませんわ……ごめんなさい…」
自分を支えるだけで精一杯の彼女には手伝えることなど何も無い。ただ、その提案を肯定するしか出来ないことが、ひどく歯がゆかった。
頭の中で仮説を立て、それを組み立てて一つずつ考えていく。
そうしていると、朝時間は終わりへと近付いていた。
「……もうお暇しないと駄目な時間ね。
皆さん、また夜に」
「つまんねー挨拶も終わりだ。全く。」
救われないのはまだいい。
しかし、救えない事実は反吐が出るほど気に食わない。
皆のために、なんて言いながら結局はこのザマか。
「頑張れよ、お前ら。」
「そう。貴方やっぱりゼリーなのね。
私、昨夜は貴方が──実際は貴方の顔をしたケーキだったわけだけれど──怪しいと思っていたのに」
空中を泳ぐように漂う。
その手は生きたものには何にも触れることはできなくて、どこまでも空虚な感覚に気が狂いそうだ。
「病気を治して、ここから出て。
彼に会いに行かなくちゃいけないのに。
どうして他人なんかに邪魔をされなくちゃならないのかしら。
こんなに腹が立ったのは人生で二度目よ」
こうして他の者を眺めていると、言葉にしていない思考まで手に取るように分かる。
特に、自分の身体を使う不埒者が、へまをしないようにと慎重に行動しているのを見ると滑稽にも思えた。
口癖だけ形ばかりのコピーをして。
私はそんな言葉遣いしないわ。
他人の死が辛いですって?笑わせないで。
「私は私が生きられればそれでよかったのに。
随分と人格者に見られたものね」
苦々しく吐き捨てる。
何を思っても、どんな呪いの言葉を吐いても、生きている者の方が強い。
「こんばんは、諸君。夜更かししたせいで今朝はまた惰眠を貪ってしまったよ。」
小さく欠伸をしながら、僕は共用スペースへと顔を出す。
朝が遅いのはいつものことだけれど、キャンディが鬼の首を取ったように指摘してくる未来が見えて、もう少し早寝すれば良かったかなと考える。
なぜ夜更かししたかは、語るまでもないだろう。
「……ティラミスとゼリーが。そうか、そうだったんだな」
今朝の分の録音を耳にして、ティラミスがおかしのいえの総意でそうなったこと。それから、ゼリーが死んだことを知った。
……ティラミスとトランプをする約束が果たされることはなくなったんだな。
「つまり、ゼリーが極上の甘味だったってことだね。」
[夜の交流時間を告げる目覚まし時計の音。
緩慢な動きで鐘を止めると、シューは支度を始める。
正直、今も思考はまとまっていない。
また間違えて仲間を死なせてしまったら、そう考えると疑いを掛ける事ですら慎重にならないといけないのだ。思考も鈍る。
しかし、だからと言って交流終了間際に伝える事も良くないとシューは学んだ。
あの時はティラミスがもっと多くの反論ができる時間を設けるべきだったのだ。
その後悔の念がシューの胸を苛む。
同じミスは、もうしてはいけない。そう心に決めて、シューは扉を開いた。]
「こんばんは」
誰に向けるでもない簡単な挨拶とともに、共有スペースの椅子に腰掛ける。
そして、朝時間と部屋に戻ってから考えていた事を頭でまとめる。
朝から何も食べていない空腹に苛まれながらも、自分の意見を形にしていくのに余念がなかった。
[結局、朝はスフレに会わなかった。でも、部屋に戻って大きめの鏡で顔を見たら、重ね塗りしたリップは少し濃くて……逆によかったかもしれない、と思った。
交流時間の前に、もう一度シャワーを浴びて、髪をしっかりまとめて、そして、さくら色のリップを適量塗った。今度は大丈夫……重ね塗りはしない]
……夜は、いるわよね。
居なかったら、心配だもの。
ちゃんと、スフレよね。
無事、よね。
[だんだん不安になってくる。しかし、ここで怖がっていても仕方ない。早くこんなことを終わらせるために、いろいろ、考えなくては]
共有スペースはまだまばらだ。
ふらふらと空腹を抱えながらシュークリームに声をかける。
>>20 シュークリーム
「想像に過ぎないけどさあ?
例えば僕たちの知らないところで誰かさんの特徴を全員で話し合ってさ、ひとりが演じ続けるとしよう。それってリスク分散と言えば聞こえはいいけどすごく酷だよなあって。それにそのひとりがその日の"晩ご飯"に選ばれたら?
あとの2人はノープランから誰かに乗り移るんだよね。それはそれでリスクじゃないかと。持ち回りで乗り移っておけば不測の事態にも耐えられる…?みたいな。
まあ、そんなに大したことじゃないか。
誰かを当てる推理材料にもならないかもね。」
ぐうううー…………とお腹が鳴った。
「………………味見」
[共同スペースの扉の前で、深呼吸した。平常心、平常心。ムースもいるといいな]
……こんばんは。
[部屋を見回す。スフレだ!こほん、と咳払いをする]
>>スフレ
あら、朝は見かけなかったわね!
今日はあなたがおねぼうじゃないの?
……さぞかしゆっくりお眠りだったのね!のんびりさん!
[自分はどきどきしてちっとも眠れなかったのに。寝坊するほどぐっすり寝てるのは、やはりくやしい。つん、とそっぽを向いた]
[共同スペースのボイスレコーダーに、昼間に考えた考察を話しておく。]
「昨日段階で、ゼリーさんが【極上の甘味】だというのは間違いない情報っスね。
昨日のゼリーさんの発言は【極上の甘味】の発言として見ていくっス。
ゼリーさんの見解は>>119の通りっスけど、【極上の甘味】にしては無難な印象を抱くっスね。
ケーキがすり替わっていたにしても、ゼリーさん本人の意見だったとしても嘘はついてないと思ったっス。
ケーキがゼリーさんにすり替わったなら物静かなゼリーさんを選んでいるので、嘘をついている訳ではないっス。
そしてゼリーさんの性格からしても、無難な事をそのまま言っているように感じたっスね。
この事から、多分ケーキは疑われるのを避けて物静かな人を乗っ取った可能性が高いかなと考えてるっス。つまりゼリーさんっスね。
ただゼリーさんを乗っ取ったケーキが誰を次の標的に選んだのかは分からないっス…。
ケーキが別の人を乗っ取っていて、2人目のゼリーさんが乗っ取るなら…それでも物静かな人を狙うんスかね?そこまではちょっと分からないっスね…」
あ、そうだわ。私、ひとつ思ったのだけれど。
昨日、誰かが……シュークリームだったかしら?
ケーキが先に動いたことについて、言っていたわよね。
私、その考え方でいくと、【昨日の時点で、パイが極上の甘味、ということはなさそう】だと思うわ。今日はまだ分からないけれど。
だって、生きている人間も味見したがるようなひとよ?
もし極上の甘味なら、真っ先に自分を食べるために動くと思うの。
少なくとも……ケーキよりは先に動きそうだわ。
ゼリーについては……もう一回記録を聞いてみるわね。
……とはいえ、ケーキがどうしても、ケーキを食べたかった、とか、どうしても先に動きたい、とか、なら、わからない、から。
もう少しケーキのことも思い出さないと、とは思うわ。
── 今朝のお話 ──
重い足取りで"しょくいんさん"の部屋へと向かう。朝の交流時間もそろそろ終了する時間だ。それまでに、早く済ましてしまわなければなからなかった。
コンコンコン、と扉をノックをする。もちろん、返事はない。…当たり前だ。そこにはもう"人間"はいないのだから。
「………失礼します。」
扉を開けた瞬間、全身が甘い香りに包まれる。色々な甘味の混ざりあった匂い。むせ返るような、甘い甘いお菓子の匂い。
求めてやまなかった甘いもの。もう、我慢しなくても良いのだ。そう考えるだけで、理性が吹き飛びそうだった。
横たわるプリンの傍に立つ。身体のあちらこちらが欠けていて、酷い有様だった。あまりのグロさに吐き気を催しそうになるが、胃から出るものは何も無い。そして、そんな状態でもソレを美味しそうだと思ってしまう。
…それは、彼女の心が既に壊れてしまっているからだろうか。
部屋の片隅、並べられた刃物から一番小さな物を手に取った。
……どこを食べれば良いのだろうか。
なにぶん、人間だったものを食べるのは初めてだったから、勝手がよくわからない。そもそも、かなり日が経ってしまっているからこそ、肉の部分を食べることは少し憚られた。
「………プリン色。」
彼の髪の毛がそう見えた。綺麗な黄金色。てっぺんの辺りが少しだけ黒くなっていることも、まさにプリンを連想させる。
肉が食べられないのなら、それで良いんじゃないだろうか。爪ですらも甘味を感じることができるのなら、髪の毛だって。
そっと彼の頭を持ち上げて、後ろ髪を刃物でザクザクと切っていく。横になった時、あまり目立たないようにしようと。
ある程度切り取ると、またそっと彼の頭を元の位置に寝かせる。切り取りに使った刃物も元の場所に戻した。
「いただきます。」
手を合わせ、いつも以上に思いを込めて、感謝の言葉を口にする。
それから、左手に持った髪の束から一本抜き出して、舌の上に乗せた。
「…………おいしい」
感嘆のため息と共に、自然と呟きが零れ出す。いつもの食事とは違う。想像しなくても味がわかる。それが、どれ程幸せな事か。
もう一本、またもう一本と、口に運んでゆく。舌に乗せる度に、プリンの甘い味が口の中に広がって、心が満たされていく。
「………っ」
涙が止まらなかった。
それが、どの感情から溢れてくる涙なのか。悲しいものか、嬉しいものか。
「…ごちそうさまでした。」
手に取った食事を完食した後も、マカロンには何も分からなかった。**
「ケーキは亡くなった仲間を食べることを非難していたし、今日死んだゼリーがケーキだったって可能性はなんとなく低いと思うな。」
「昨日何人かは見たと思うけれど、ゼリーのやつ、ケーキやプリンにがっついていただろ。服の汚れを気にしてる素振りも見せずに。」
「だから、ゼリーはもう一人の極上の甘味じゃないかなって少し思ってる。じゃあ彼らが誰の身体を奪ったのかっていうのは、まだ分かんないや。
二人の性格や発言を思い返してくるよ。」
「ああ、あと。俺は周りとあまり交流をしない人間の中に極上の甘味がいそうだなとも思ってるよ。
あまり人と話さなかったゼリーがそれを証明しているし、そっちの方がボロを出さないように振る舞いやすいんじゃないかな。」
目を開く。そして重たい頭をもたげた。
夢の中であの人は、じっと僕を見つめていた。それが、どうしてか責めているように見えた。人を殺めて、あろう事かその死肉を口にした僕を。
これは夢であって、現実じゃない。
…………あの人は、きっと僕を責めたりしない。
どこまでも僕に優しい人だった。あの人は僕にとっては、──。
身支度を整えて、部屋を出る。
空腹が限界を達し、2階へと赴く。
プリンの遺体はもう腐っていてもおかしくない。
それならとティラミスの部屋へと入る。
2階も自室と似たような殺風景な部屋だ。
「ティラミス、どんな気持ちだったのかしら」
横たわる彼のそばに立ち、ぼんやりと亡骸を見つめる。
そうしていると、ふわりと漂う甘い香りに空腹が際立ってきて、反射的にお腹が鳴る。
「さようなら、ティラミス」
そして私は───、
一日に一度は食事を取らねばならない。
しょくいんさんの部屋に向かう。そう、他の人も移動しようとしていたことを思い出す。
ケーキ、ティラミス、ゼリー。まだしょくいんさんの部屋にいない人が居たのなら、僕は彼らを運んだだろう。
そうするのが、一番だと思ったから。
そして、僕はプリンの前に再び立った。
首筋に噛み付けば、血が溢れる。
体内にあったからか、まだ固まってはいない血を飲み干し、薄い唇についた血も舌で舐めとった。
「美味しい」
淡々とした響きで、思わず感想を呟くほど美味しい。
甘い物が好きな自分には堪らない味に頬を紅潮させる。
昨日は、私も、ティラミスがシュークリームを相性で呼んでいたのが引っかかってしまったわ。
それに、なにか考えている時の表情がそれまでと違って見えて。
……ティラミスには、悪いことをしたと、思うわ。
[だからこそ今日は、今日こそは間違えたくない]
「…そう、ゼリーとティラミスが。」
遅れてやってきたドーナツが零す。
「ゼリーに関してはあれね。あれだけ貪欲に食を求めていたんですもの、極上の甘味であっても得心が行くわ。寧ろそうじゃなかったのならわたしたちもいずれああなっていたかと思うと怖気がするわね。ああ、でも否定はしないわ。既にわたしたちは彼と同じ。そうよね。」
「ティラミスを誰がどうしたかはさておいて、わたしたちが間違った選択をしたのは間違いないわ。
神職としてみんなに安寧を与えきれなかったのはきっと無念に思ってるでしょうね。彼はみんなを愛してくれていたわ。
よく言ってたわね。『愛しちゃうぞ、コノヤロウ』だったかしら。」
こんな時でも表情を崩さないドーナツだが、沈痛な雰囲気は見て取れるようだった。
しょくいんさんの部屋は、今や甘やかな匂いで溢れかえっていた。
目を瞑れば、ケーキ屋のようかもしれない。実際は、薄暗い部屋に、あちこちが欠損した死体が数体あるのだけれど。
僕はプリンの腕をそばにあった鋸で切り取る。誰かが使ったのだろう、それはすでに血で汚れていた。人の皮膚を割く感触。それらはやはり耐え難く、頭では決めたつもりでもやはり屠殺のように割り切れはしないのだ。
「……いただきます」
静かにつぶやいて、口に入れる。──違う。あの時、殺したばかりのプリンを頬張った時と比べて、彼の味は少しだけ劣化していた。
こんな状況でも、遺体は劣化していく。当たり前だというのに、そんな都合の悪い現実感に笑いが漏れた。
それでも、できることなら彼を食べ切りたかった。
部屋で1人考え事をしていた。タバコを吸っていた彼を真似みる。僕にタバコは吸えない。
口に持っていくのは別のもの。
昨日拝借した彼の指をタバコに見立ててみる。
「…。ふぅ。」
煙は出ないが息を吐いてみた。
吐いたものには色々と含まれていそうで。
しかし僕にはないものがあるのだろう。
ソレを再び包む。
僕は昨日とは違う上着を取り出しそれを着た。
真新しいハンカチも準備し、部屋を出ようとして立ち止まる。
忘れるところだった。
テープに[くれーぷ]と書き上着に貼り付け僕は共有スペースへ足を運んだ。
「私は甘いものなんて好きじゃないわ。
好きなのは、あの店の、フルーツタルトだけなのに」
いつになく表情を醜く歪めて、歯ぎしりをせんばかりに低く呟く。
あのとき甘みを感じて昂ぶったのは、病が治ったのならこの施設から出られると思ったからだったのに。
「私の身体で煙草を吸ったりしたら、絶対に苦しめて殺してやるんだから」
>>44 キャンディ
「つれないなあ。多分アップルパイの味、すると思うよ?胃もたれどころか酸味と甘味が絶妙だと思うけど。わかんないけどね。」
そっぽを向いたキャンディの指先にキスを落とすとまたわずかに甘味が舌を刺す。
ああ、さすがにもう何も食べないのはゲンカイだ。
なんだっけ?大きな駅によくある焼き菓子のお店。
特にお腹が空いていなくても、バターと砂糖の焼ける匂いは引き寄せられるのにな。
ましてこんな空腹なら……?
ティラミス。冷やして食べるとおいしいんだよね…………
匂いのする方へ、足が勝手に歩いていく。
それは蛾が松明に飛んでいくのにも似て。
破滅だとわかっていても吸い寄せられていく。
「うーん…ケーキとゼリーさん以外にまだ仲間がいるなら納得なんスけど…もしも2人だった場合、【究極の甘味】だったのはケーキとゼリーさん、と自分達に教えてしまう事のメリットってなんスかね…?
乗っ取ってしまうからこそ複数が露出しても関係ないっスか…?」
目が覚めると、そこはいつもと変わらない自分の部屋だった。ゆっくりと身を起こし、自身の起動を待つ。しばらく何もせずぼうっとしていると、徐々に湧き上がる衝動に身体が熱くなってくる。
「……ごはん、食べなくちゃ」
興奮を抑えるかのように、1人呟くと、しょくいんさんの部屋へと向かう。
>>52 キャンディ
「褒められてちょっと嬉しいくせに。」
軽薄だとこぼすキャンディを見て、僕は笑った。
彼女を見つめる僕の瞳は、いつもより穏やかだったかも知れない。
「ああ、そうだね。さすがの俺でもこんな日々が続いたら、気が滅入るし。さっさと解決しよう。」
>>56 シュークリーム
「メリットは分からないけれど、こうは考えられないかな。昨日、一人が続けて身体を乗っ取っているんじゃないかって誰かが言っていたよね。キミだったっけ。」
「実は本当にその通りで、図星だったからゼリーも動き出すことにした。……とか。」
「あとは……そうだな。キミの言うとおり最終的に乗っ取ってしまうことを考えると、あまり露出を気にする必要はないのかもね。」
>>57 タルト
「そうだったか」
彼女の表情は変わらない。涼やかな瞳からは今何を考えているのか窺えそうになかった。
「なるほど、合理的だ」
唇のはしを持ち上げる。責める口ぶりにならないように、殊更慎重におだやかに。
「……流石にまだ大丈夫だとは思うが、腐敗は深刻な問題だな。体調を崩すわけにはいかない」
口ぶりからして、僕が来る前に食事は済ましていたのだろう。そう判断して、持ってきたシーツで彼を包む。そして雑談替わりに、僕は口を開いた。
「……なあ、君はこの先に何があると思う。極上の甘味を見つけられたとして──そのあとの話だ」
果たして、状況は良くなるのだろうか。
部屋に入ると、ワッフルにはソレしか目に入らなかった。動悸がする。身体が熱い。何故か息が切れ、頭がぼうっとする。何も考えられない。
「あまーい……あまーいの、食べたいの……」
そうして、ソレらを食べ始める。おいしい。ああ、なんておいしいんだろう。甘くて、ふわふわで、こんなにおいしいものは他に食べたことないくらい……。ワッフルは無心に食事を取った。口の周りと両の手はまるで幼稚園児のように汚れ、滴る何かの液体が床にぽたぽたと水溜りを作る。それでも、ワッフルは満ち足りた気分だった。自分が何をしているのか、それが何を意味するのか、今のワッフルには考えられなかった。ただ純粋に、自身の欲求に突き動かされただけだったのだ。
「……ごちそうさまでした。美味しかったわ……」
食事が終わると、恍惚の表情でその場に座ってじっとしているのだった。
[スフレに話し合いの輪に連れてこられて、こほん、と咳払いをする]
ええと。ひとつの争点が、ゼリーは極上の甘味だったのか、ケーキが昨日ゼリーになっていたのか、という点だったわよね。
私、レコーダーも使ってゼリーの言動を確認してみたのだけど、特にハッキリおかしいような点はわからなかったわ。
だから、これに関しては……断言はできない、と先に言っておく。
ただ、もしケーキがゼリーになっていたと仮定すると……こういうことは、言いたくないけれど、いちばん、ケーキをおいしそうに、たべ、たのは、ゼリーだったように、見えたわ。
クッキーの血を飲んでいたのはゼリーだったわね。ゼリーになれば、自分を、好物のケーキを、堂々と味わえると思った可能性は、あるんじゃ、ないかしら。
…………そこまで理性を捨てられるものなのかしら。
次は……ケーキとゼリーが仲間だったと仮定しましょう。つまり、極上の甘味はこのふたり。
そうすると、昨日と今日、2日とも乗っ取られていない人は、今日の時点で潔白ということになるわ。
だから、今日は、それらしいひとは……指名から外していいと思う。ティラミスがどうして死んでしまったのかは、わからないけれど……指名が多い人が、し、死ぬという、ことでしょうから。
もしも、動いているのがケーキだけなら、まだ乗っ取られていないひとの中に、極上の甘味の仲間がいることになるけれど。
……私が、今の時点で昨日と今日、乗っ取られていないと思っているのは、シュークリームと、スフレ。
パイ、も、かしら……今日も、昨日と変わっていないように見える。あのひとのスタンスを真似するのも、たいへんそうよね。
昨日だけなら、チョコレートと、ムース、クレープ。これは昨日説明したわ。今日は……どうかしら。
うーん、雰囲気だけなら、タルトとマカロンも変わってなさそうだけれど。
つまり、こうして考えていくと、私は、現時点では【ワッフルかドーナツ】が、その、怪しいのかしら、と。
「そう……そろそろダメになっちゃうのか、プリン。
コンロなりオーブンなりがあればできるのにな。焼きプリン。」
ああでも、今日の本命は。
「…………キミがいいよねえ?
祈る相手もいやしないよ。
神様がこんな状況を許すなら、それでもなお信仰を捨てずに死を受け取ったキミは…何に祈って誰に届いたのかな?
…………少なくとも、僕じゃないね?」
横たわる"ティラミス"の隣に座る。
その手にナイフを握りしめて。
「…僕は、おいしいものは1番に食べるタイプだよ?」
胸の中央にナイフを突き立てる。
ゆっくりと引き下ろし、むせ返るような甘い匂いに軽いめまいを覚えながら。
「きっとココが、キミの中で1番おいしいだろうね…」
うっとりと、ティラミスの胸の中心を暴いていく。
ばき……
ごき……
「やあ、はじめまして。
まさか生きているうちに出会えるなんて想像もしなかったな。
クールな男ほどハートは熱いなんて言うけど、どうなんだろうね?」
ナイフを床に落とし、まだほんのりとあたたかいそれを両手に包むと。
滴る赤い雫に思わず迎え舌になりながら、頬張った。
甘い……!
甘い…………!!
>>61 スフレ
「多分今朝言った事っスね。昨日言ったのは、ケーキが先に動く場合の仲間がどこだろうと言う話っス。
…正直その前提の乗っ取れば、ケーキとゼリーさんならケーキが先に動くのは納得の範囲ではあるっスね。
自分の発言で行動を制限出来たなら良いっスけど…結果的に今日、ケーキさんとゼリーさんの2人じゃないかって思ってる人が多くなってる気がするっス。
自分以外の多数から疑われるならあんまり意味がないような気がするっスね。そんなに自分を警戒する必要があるんスかね…。
後考えられるのは、一刻も早く自分の食べたい甘味にありつく為に…っスかね。メリットとかを度外視して動いてるというならある程度は探りやすいんスけど…うーん…」
悦びと共に空腹を満たす。
「は……あは。
アツいもんだねえ?やっぱ、クールな男はこんなものを隠しているんだ?ズルイなあ…僕にはきっとこんなもの入っちゃいないよ。
キミに教えてあげたかった。
キミがこんなにも、こんなにもおいしいなんて。
ありがとう。
ありがとうティラミス。
正直僕、ティラミスの甘いのか苦いのかよくわかんないスタンスって好きじゃなかったけど、たった今好きなお菓子になったよ?
…………ごちそうさま」
指に絡みつく赤を惜しむように舐めとりながら、こんなにも実感を持って言ったごちそうさまがあったかと、物言わぬ男にそう告げ、また共有スペースへと戻った。
>>タルト
「美味しいだろうな、みんなのために死んだ奴の身体は。皆の幸福を祈ったから、俺の身体も熟していたのかもな。」
「全く、人の皮被って大胆なことする野郎だ。」
[考えるとお腹が空く。
プリンの耳をいただいたことと、昨日の夜からの甘酸っぱい気持ちで胸がいっぱいなことで、何も口にしていなかったときよりは、まだ、マシだけれど。
今日こそ、本当に、極上の甘味を……はやく]
シュークリームとスフレは、なんて言うのかしら。昨日からの連続性?を感じるのよね。
私が、昨日二人とよく話したから、そう感じるのかもしれないわ。
やっぱり、直接話すべき、よね。
……私、ワッフルを探して、話してくるわ!
ドーナツは暫く、何も考えていないのに何かを考え込むように椅子に腰掛けギコギコやっていたが、突然立ち上がり、
「お腹が空いたわね!」
と、曰った。
「お腹が空いたら戦が出来ないんだなぁ、とかいかにもおむすびが好きそうな感じの人が言っていたわ。
あの人あののんびりした風体で戦とかするの?ランニングシャツって防御力ゼロだと思うんだけれど。」
益体もないことを考えながらしょくいしんさんの部屋に入ると、血溜まりに座り込むワッフルとその傍に佇むキャンディがそこにいた。
「あら二人とも。奇遇ね。
あなたたちもお腹が空いたら戦えない口かしら?
いいのよ、お腹が空くのは生きている証拠だもの。
お腹が満たされなければ心が空になってしまうわ。
空っぽの心では誰かを愛することも出来ないわよ、キャンディ。」
「ハァーイ!皆サン!」
少女はかつての“いつもどおり”派手な音を立てて共有スペースの扉を開けた。
「ムースちゃんは1日考えマシタ。
コノ狂った空気をどうするベキナノカ?
コノ重い空気に浸かったママ日々を過ごすベキナノカ?
ムースちゃんの結論は違いマス。
こんな時だからコソ、kawaiiムースちゃんの明るさで皆と楽しくスルべきデス!」
扉の真ん中で仁王立ちになった少女は堂々と告げる。
「ナノデ、もうムースちゃんはメソメソしまセン!
クッキーも、プリンも悲しいコトデシタシ、ティラミスには悪いと思ってマスガ、彼ラの屍を踏み越え、成り代わっている2人を見つけ、甘みを感じる生活を取り戻すノデス!」
>>パイ
「このキチ〇イド変態が。」
極上の甘味の当人に食べられるより遥かに腹立たしい。
奴の目は飢餓の中のケダモノの目、捕食者の目ではなかった。
彼は、そう、ただの食事をしているのだ。
テーブルクロスのひかれた食卓に、質感の良い椅子。
エプロンをつけ、両手にはそれぞれナイフとフォーク。
奴の目に映る俺はきっと、殆ど人間としての俺ではない。
美味しいデザートだ。
完全に見下ろされていた。完全に辱められていた。
まだ貪り、食い散らかされたほうがマシだった。
でもそんなことはしない。当たり前だ、そこにあるのは美味しいデザートなのだから。
>>続き
犯さず、汚さず、冒涜せず、恍惚と"俺"を頬張る。
「·····やめてくれ。···············やめろ。」
獣の狩猟ではない。ただの食事という行為。
「やめろ、やめろ、やめてくれよ·····。なァ。」
「おい、頼むよ。パイ、俺を人として食べてくれ」
「頼むからっ!!!!
··········俺という"人間"を"デザート"にしないでくれ·····。」
人間性の否定だ。性格などを否定されたのではない。お前はデザートに成り下がったのだ、お前はもう人間ではない、という否定。
食事は続く。胸が裂け甘い匂いは部屋に充満する。
食事は続く。俺とお前はそんなに違っていたのか。
食事は続く。パイ、デザートにしては量が多いだろう?
食事は続く。俺が美味しい、と。その声届いている。
>>続き!
そして、食事は終わる。
「ごめんね」でもいい。「ありがとう」だったら嬉しいな。
しかし、期待なんてするものじゃないと神様は教えてくれていなかった。
「ごちそうさま。」
彼がデザートを食べ終わった後の呟きは俺を完全に否定した。
「うわあああああああああああああああああ」
膝から崩れ落ち、涙は際限なく溢れる。
俺に愛された彼は、俺ではなくデザートに感謝を表したのだった。
パイ、お前は"俺"を愛してくれなかったのか?
「次に【極上の甘味】だと考えにくいのはキャンディさんっスかね。
なんというか、自然っスよね。
ケーキやゼリーさんが乗っ取っていて、スフレさんとあれだけ親し気に話せるのだろうか、って言うのが正直な所っス。ケーキなら殴ってそうっスし…。ちょっとだけ羨ましいっス。
スフレさんは、もしかしたらケーキが乗っ取っているかもしれないと昨日少し疑ってたっスね。
もしもケーキの仲間がゼリーさんだったなら、ケーキは男性陣の中でならティラミスさんかスフレさんを乗っ取って発言力を確保しようとするんじゃないかって思ったっス。
でも、ティラミスさんは【極上の甘味】ではなかったっスし、スフレさんも今日の考えからゼリーさんが【極上の甘味】だった場合、かなり追い詰めているように感じるっス。
ケーキが乗っ取ってるなら、【極上の甘味】がいそうだと思う場所をもう少しぼかすと思うんスよね…。
ケーキが乗っ取り続けていた場合の乗っ取り候補先である可能性はあるとして、もしそうなら仲間は弁の立つ所にいるのかなと思うっス。
両パターンを考えながら話していると頭がこんがらがるっスね…。分かりにくかったらごめんなさいっス」
夜の交流時間が始まった。
朝より随分身体が軽い。少しだけでも食事をとったからだろうか。
ベッドから抜け出して、身だしなみを整える。寝ていた時についた寝癖をなおして、髪の毛をまとめ直す。
──そういえば、年下の彼女とヘアアレンジの練習をする約束をしたのだったか。この状況を切り抜けられたら、その約束を果たせる日がくるだろうか。
「………いいえ、きっときますわ。
だからこそ、彼女に似合うヘアアレンジを、その日までに見つけておかないといけませんわね。」
引き出しにしまった、宝物。
マカロンに似合うようにと、不器用な彼女でも一人でアレンジができるようにと、手書きで丁寧に書かれたヘアアレンジノート。そこから、今夜こそ幾つかピックアップしておこうと心に決めて。
ゆっくりとドアを開けて、共有スペースへと向かった。
「パイさんは、今日少しだけ話したっスけど【極上の甘味】っぽいとは感じなかったっスね。
昨日もちょっと思ったっスけど、疑われる事を気にしている様子がないっス。
自由に振舞っているからこそなのかも知れないっスから過信は禁物っスけど…。
後は自分の目に【極上の甘味】っぽくない人はいないっスかね。
自分目線で怪しい人は、タルトさん、ドーナツさん、チョコレートさん、ワッフルちゃん、ムースちゃん、クレープさん…の6名っスかね…、もう少し頭を絞って考えてくるっス」
>>ワッフル
あとは、そうね。
あなたは、だいじなことを思い出すとき、お父さんとお母さんのことを、よく話してくれたわ。
それがね、昨日の、『お食事』のとき、一言も聞いていないのが気になっているの。
……プリンを食べるとき、お父さんとお母さんのこと、考え、なかった、の?
[ああ、いじわるだ。この子の大事なものを踏みにじってしまったら……?
でも、気になったことを聞かないまま、ただの消去法で、ワッフルを指名するなんてイヤだった]
>>90.キャンディ
「はあ…キャンディかわいい…おっと、思わず心の声が溢れてしまったわ。いけないいけない、ちゃんとしまっておかないと。」
キャンディがワッフルを撫でる手を止めたことに気づき、首を倒す。
「貴重ななでなでタイムを邪魔する程の考えとなるとわたしには荷が重いわ。
でも極上の甘味が誰になっているかというのはみんなの中では特段の重要事項なのよね。だったらわたしも少しくらいは役に立たないと綺麗なお姉さんとしての面目が立たないかしら。
今のところケーキとゼリーが元からそれだった可能性があるのよね。それか、ケーキが点々としているか。
わたしとしてはケーキ単独行動説を推すわ。
もし極上の甘味が2人組だったとして、両方が誰かに入り込むのはあまりにも目立つでしょう?
ケーキじゃない方の極上の甘味は、今すぐには怪しまれない位置に入り込めてるんじゃないかしら。
スフレ、シュークリーム、…あとはあなた。そう思いたくはないけれど、ね。」
>>93 クレープ
「今もある程度考慮してるっスよ。
ケーキが女性を乗っ取った場合のケースを考えているのは、他者に説得力を持たせる意味合いも含んでるっスから。ケーキが女性を乗っ取ると考えている人に向けて言っているっスね。
単純に起こり得る可能性を全て検証しようとしてるだけとも言うっスけど。
ゼリーさんに関しては、あの人が【極上の甘味】だった場合、食の為に一番効率がよさそうな人を狙いそうだなと感じているっスから、乗っ取り先の性別は考慮してないっス。
その辺りがごちゃごちゃになってるっスかね?
答えになってるかちょっと心配っスけど、大体こんな感じっス」
「ヤー、ヤー。
…………特にコメントないな。
昨日までの僕、さよなら。まあ悪くはない気分だよ?
さて…僕の"投票"ってやつ。今のところワッフルになってる。
ひとつは、ゼリーのマネは簡単そうだということ。これはまあ……"極上の甘味"ってヤツに先手を打つやり方だ。ああ、ヒドイこと考えるなあ、僕は。
ふたつは、彼女の話し方には初日から軽い揺らぎがあって、それは今も続いている。乗っ取られている揺らぎ方ではない気はする、でもね?
昨日の晩、ゼリーに元気でと言って休んだようだけど(>>3:209)それにしてはあまりに今朝は動揺がないというか。
僕は乗っ取りは1人に任せないんじゃないかなんて言ったけど、ワッフルがまだ動いていない甘味だったりして、なんて思ってるね。
つまり僕はワッフルの白黒問わずお別れしようとしてる訳だ。
あー、ひどいなあほんと。
真摯に慰めてもらおうかなあ?」
>>94 キャンディ
「……キャンディ、わたしだって……突然何かが気になったり、気になったことをそのまま聞いてみたり、することもあるわ……。
それに、お父さんとお母さんのことは……思い出さなかったわ……。だって、人を食べるのなんて、初めてだったもの……。お父さんもお母さんも、人を食べることなんて……教えてくれなかったわ。わたしは、なんでもは知らない。お父さんとお母さんが、教えてくれたことだけ……。」
キャンディに疑いの目を向けられることは辛かった。それでも、話せることは限られていた。疑われているからといって、知っていること以外のことは話せない。ワッフルは努めて、真摯に答えたつもりだった。
>>102 キャンディ
「……そう……。わかったわ……さよなら、キャンディ……。」
キャンディが指名するとわかっても、ワッフルが全員から指名されると決まったわけではなかった。ただ、ワッフルにとって、キャンディが信じてくれなかったことはそれ以上の悲しみをもたらした。
「……あは……!わたしの……わたしのことが信じられないなら……!わたしは、あなたの知らないワッフルにだって……なっちゃうんだから……!」
誰もいなくなったしょくいんさんの部屋で、さっき食べたソレをもう一度貪り始める。あまくてあまくておいしいそれは、さっきと変わらず、甘いままだった。
「チョコレートさんは、死者への弔いや運搬を率先してやってくれている事はとてもありがたいと感じているっス。
でも【極上の甘味】を探す意思はあまり感じないのが悩みどころっス。
探す気がない【極上の甘味】なのかと邪推が出来てしまうっス。
ただ、それ以外に怪しいと思える要素もないんスよね…。
ケーキが乗り移る先かと言われると…あの日はチョコレートさんは、その…プリンさんを…手に掛けた、っスから、タイミング的に狙いづらかったように感じるっス…。
ゼリーさんが乗っ取ったとしても、チョコレートさんが無難な乗っ取り先だと言う印象もあんまりないんスよね。判断に困る所っス…。
タルトさんは昨日考察を披露してくれているっスけど、今日はあまり話していない印象っス。それが【極上の甘味】故なのかなのもまた分からずっス…。
ただ、連日の食に対する執着は、ゼリーさんと似通っていて乗っ取り先として候補には上がるんじゃないかと思っているっス。
ケーキが乗っ取っている可能性は…タイプが違い過ぎるっスから、真似をしにくいとは思うっスね。…完全に否定はできないのがもどかしい所っスけど…」
[共同スペースに入り、自分の二つ折りの携帯電話をテーブルに置いた]
……はい。これは、私の携帯電話。
昨日のうちに個人情報は消しておいたから、好きに使って。
スフレに倣って、ボイスレコーダー機能を使えるようにしたから、適当に持って行って。
ふたつあった方がいいでしょ?
ここには、さっき、しょくいんさんの部屋でワッフルとドーナツと話したこと、録音してある。
私は、今日は【ワッフル】を1番怪しい、と結論するわ。
[この携帯には、先生から貰ったメールが入っていた。でも、それももう要らない。部屋で全ての履歴を消した。もちろん、写真も、番号も]
ティラミスの痛ましい慟哭に目を伏せる。
「…………貴方は悪くないわ。
彼が、ちょっと快楽主義的で、破天荒だっただけよ」
けれど、その彼も悪いわけではないのだ、きっと。
どうやら、悪の反対は悪ではないようだった。
「考えをまとめるのにかまけて、今日自分がやりたい事を出来ない気がするっス…。
ケーキが乗っ取り続けている場合の、ある程度の発言力を保っている仲間の場所。
ゼリーさんが乗っ取った場合の共通点、食に対する執着心がある所として、自分は【タルトさんを挙げるっス】
…パイさんが言うように、ワッフルちゃんが現状で白黒問わずお別れ出来る場所と言うのは、頷けてしまうんスけどね…」
>>65 タルト
「……あはは。医師であったのは昔の話だよ、残念ながら」
嘘をつくのは後ろめたくて、あまり意味が無いだろう訂正をした。それから、瞬きをひとつしてから、答える。
「そうだね、この状況をどうにかしなければならないというのは間違いない。だが……」
少し迷ってから、素直に言うことにした。きっと彼女なら、話しても素直に受け止めてくれる気がして。
「大義名分なんだ。きっと、極上の甘味を探すというのは。僕らは少なからず正義を名目にして、食糧を得ている。いや、違う人もいるのだろうが、僕は。事件が終わって、それでも、誰もここを開けなかった時を考えると──」
そうして振り払うように笑った。
「くだらないことを言ったな」
「今夜はワッフルが殺されるのかしらね。
善意の、声の大きい誰かの、鶴の一声で」
手も顔も赤黒く染まったその少女を見やる。
「みんな極上の甘味を探し出すことから逃げているのよ」
「つらいわよね。誰かに任せたいわよね。
何度も何度も言葉を聞き返して、かすかな違和感を無理やりにでも明文化して。
なんとなく怪しいと思ったら、重箱の隅も突くようにして粗を探す。
途方もない作業だわ」
「理由まで述べられる人がいたのなら、そうだそうだと乗っかりたいに決まってるわ。
昨日が良い例よ」
[まずは、シンクに投げ出されていた使用済みのボウルとゴムベラを洗い直して、水気を拭き取る。
ゴムベラはひとまず置いておき、ボウルを抱えてしょくいんさんの部屋へと向かう。]
[しょくいんさんの部屋へと辿り着いたシューは今日の実験の材料を取りに来た。
それは『味のする物』だ。
プリンのシーツをめくり、両手を合わせる。]
「…今から、プリンさんの身体を傷つける事をどうか許してほしいっス」
[そう告げた後、シューは手探りでしょくいんさんの机に置いてある刃物を手に取る。
探る際に少し指を切ってしまうが、構わずに包丁の形をした物を取り出す。
プリンの上体を起こし、首を斜めに傾ける。その下にはボウルが設置されていた。
そしてシューはプリンの首筋に刃物を押し当て、流血させる。
死体の痛みが進んでいる為、血液は凝固し始めており流れは悪いが。
ボウルに指を入れ、ある程度の量が溜まった事を確認したシューは、プリンを再度寝かせ、首筋にシーツを押し当てた。
そして元の場所に刃物を置き、しょくいんさんの部屋を後にする。]
『……ジュ……ズッ……クチャ……ジュル……』
しょくいんさんの部屋には、液体を啜る音や、それが滴り落ちる音、肉が千切れる音で満ちていた。いや、実際はそうではなかったかもしれない。人の身体を貪る間、ワッフルはずっと、夢を見ているかのような高揚感に身を委ねていた。ずっと追い求めてきた甘味の誘惑に、抗うことなくその身体を任せ、貪る。屠る。
「あまーい……あはは……とっても、あまいよ、お母さん、お父さん……!わたし、あまーいの、わかるんだよ……?ねえ、お父さん……だからね、わたし、ちゃんと……お父さんの子どもなんだよ……?お母さん、わたし、あまいの、わかるから……お母さんの子どもだよ……?とっても……おいしい……あまーい……」
口の周りを目一杯汚して、ワッフルは忘れかけた甘さと思い出を堪能する。
[キッチンに辿り着いたシューは、粘土を適量冷蔵庫から取り出す。
…粘土の量から見て、実験はこれを含めて後1回程度だろうか。
型が必要ないと思われるので、シューは粘土を丸く、手の平サイズにこねる事にする。
粘土をこねて…味のする血液と共に機械に投入する。
…着色料はどうしようか。ケーキとキャンディが茶色い着色料を使っていたはずなので、最後にしまっていた音の記憶を頼りに棚を探る。
手に取った袋が本当に茶色だったら良いのだが…ひとまず、それも投入口へと入れた。
そして、機械のスイッチを押す。]
「今日はゼリーが極上の甘味か、そうでないかよね」
「まずはゼリーの中にケーキが入っていたのなら、次に真似するのは大人しめの人を続けて真似しそうだと思うわ。
可能性があるのは、ワッフルやドーナツ。この二人は大人しめで周りとあまり話していないように思えるから」
「次に、ゼリー自身が極上の甘味だった場合。
二人が誰を真似るか定かではないけど、真逆のタイプを真似した方が生存率が上がると考えて、片方は特徴があって真似しやすい人を選びそうね。
可能性があるのはムースやパイ」
「ただ、この場合は先にケーキが真似をしたのか気になるところね。
ケーキとゼリーならゼリーが先に真似て、後でケーキの流れが自然に思えるわ。これはあくまで立ち位置のみでの考えだけど、しっくりきたの。
だから、ケーキのみが真似ていそうと思うのだけど」
>>117 ムース
翡翠の彼女は向日葵の様な明るさだ。見ていて気持ちが良い。
「やぁ、小さなレディ。久しぶりです。
貴方を心配している者も多い。元気な顔を見れるだけで安心しましたよ。」
フフっと微笑む。
「そうですか、ティラミスでしたか。」
彼女が誰と触れ合っていたかは分からなかったが、彼と関わりがあったのは理解した。
さて、翡翠の彼女に僕の考えをどう伝えるものかと考える。
「そうですね、僕が怪しいと感じたのは…ワッフルですね。まぁ、昨日の時点ですが。」
そう告げ人差し指を彼女の唇に当て、耳元で囁く。
「今日は◯◯◯◯です。」
そう告げ微笑んだ。
>>120キャンディ
「ウェッ!エッ!スフレデスカ!?」
突然の告白に大きく叫んでしまった。
クルクルと辺りを見回し、周囲に聞こえないよう声を落とす。
「スフレは大人ですカラ…憧れが恋になったなら意外とも言えないデス?
スフレ、この状況にも一番早く馴染んだ見たいデスカラ、頼りになるところもありマスシ…
イエ!なんであっても、キャンディの恋ナラ応援シマス!
kawaii女の子の恋なんて、この世で一番kawaiiと言っても過言ではありまセンカラ!」
少女はキラキラと目を輝かせると、キャンディの手を取り胸元で握った。
「そうデスね!そうと聞いたナラバ、キャンディの恋を叶えるタメ、一刻も早く、極上の甘味を見つけないとデスね!
ソフレは違うのデショウ?」
「人が一度放った言葉を薄めてのばして、そうまでして一体何を追い求めているの?ケーキ」
実際には届かないのだから一人芝居もいいところだし、自分だって、何を差し置いても病を治してここから出たいという欲望があった。
きっと彼にも何か、プライドや外聞や、これまで過ごした相手との信頼関係、それらを遥かに凌駕する何かがあるのだろう。
それでも、不愉快さに任せて言葉をぶつけずにはいられなかった。
>>130 ムース
[ムースは驚いていた。うん。それはそうよね、あんなに喧嘩ばっかりしていたのにそんなの。自分でもビックリだもの]
あ、憧れとかではないわよ!あのひと、私のことからかってばっかりだし!
で、でも、なにか、その、なにかしら。
うーん、でも、やっぱり大人っぽいところとか、なのかしら……。
[キスひとつで、と思うところもあるけれど、ファーストキスが嫌じゃない、どころか、しあわせでいっぱいになったこと。これは大切だ。キスのことはムースにも言わないけれど]
そ、そう!?
ふふ、よかった。こんなときに何を、と怒られるのも覚悟だったの。でも、胸にしまっておくのが、苦しくって。
聞いてくれてありがとう、ムース。
うん、頑張って、早く終わらせましょう。
みんな、無事なあいだに……
[みんなに含まれるひとは、誰だろう。
ムースは絶対に潔白かと言われたら、きっと言い淀んだだろう。でも、こうして話している彼女は、いつものマイペースで、やさしいムースらしい、と、信じたかった]
スフレはちがうわ。きっと。
ゼリーの元へ近づき座ると、自然と笑みが浮かんでくる。
「今日はゼリー…貴方ですか。」
そう彼だったものに告げ、僕はハンカチとスプーンを取り出した。
そして彼の"右眼球"を抉り取り出すとそれをハンカチに包みしまった。
そして残された左眼球も同じように抉り、今度は僕の口の中へと運んだ。
「…!」
感激のあまり体が震える。あぁ爽やかなサイダーの味。少なくとも僕にはその様に感じる。
欲張るのはいけない。
次はティラミスの元へ足を運んだ。
>>129クレープ
「フフン、このkawaiiを司るムースちゃんデスカラね!
昨日は申し訳ないコトに、皆んなにkawaiさを振りまけなかったノデ、気になったヒトもいたデショウ!
何よりコノkawaiさに成り代わりたい!と標的にされても可笑しくないデスカラ!」
クレープの褒め言葉に胸を張って答える。
しかし、少女に質問してきた割に冷めた感想だ。
彼は何を聞きたかったのだろう、と疑問を覚えるが、突然の耳打ちに肩が跳ねた。
「フェッ!いきなり何をスルのデスカ!
kawaii乙女に向かってソレはよくナイデス!ちゃんと聞き取れなかったではナイデスカ!
ア!言い逃げは禁止デス!
もう!明日キチンと教えてくだサイ!」
少女は耳を抑えると、共同スペースを去っていくクレープに文句を並べつつ見送った。
>>#1
「───」
[シューは、そのまま甘味の塊を貪るだろう。お腹も少しは満たされるだろうか。
死体から採取した冒涜的な実験を経て、シューも罪を犯した。
これで謎の機械で行える実験はある程度終了した。
後はこの機械が『生命を生み出せるなら』シューが考えている悪夢のような仮説を紐解ける鍵になりうるのだが、現状それを確認する手立てはシューには思い付かなかった。
それに、仮説を証明する為には、自分達が何故甘味を感じられないのかを解き明かさなければならない。
記憶が正しければ、『おかしのいえ』に入院する前から甘味は感じられなかったのだから。
シューはまた思案に暮れる事だろう。]
「……ひとまず、ドーナツとワッフルの発言を聞き返したのだけど、どちらとも取れないわね。
……考えさせてもらってもいいかしら」
他人の名前を挙げるだけで、その人が死ぬかもしれない荷の重さは計り知れない。
命がかかっている以上、極上の甘味に追従されるのは困る。
今日も誰が怪しいと思うか、日記に書いておこう。
>>132キャンディ
「そういえば、男の子は好きな女の子をイジメてしまうと言いマスからね。
ソフレがからかってくるナラ、チャンスと言ってもいいデショウ!
アレ?でもそういうトコロは大人っぽくないデスカ?」
普段のキャンディとソフレのやり取りを思い出していると分からなくてなってきたが、一先ず置いておく。
好きなものは好きなのだから。
「こんな時だからこそ、楽しいコトは楽しむベキデス!
暗いニュースばかりではやる気も出まセン!
スフレとはお話していまセンガ…キャンディが違うと思うナラ大丈夫デショウ。
ケーキ→ゼリーで成り代わったナラ、静かなヒトだと思いますガ、誰に憑いてるのデショウね。
ゼリーから移動した場合だと全くわかりまセンガ…
ワタシは、あまり交流しないヒトの方がボロが出やすいと思いマス!」
「一度言ったことをなぞるだけでいいんだから、いいご身分よね」
苛々と髪をかきあげるが、短い黒髪の毛流れが変わるに過ぎなかった。
「本当に腹が立って脳味噌が沸騰してしまいそう。
……今夜は休むわ」
「おやすみなさい」
……じゃあ、私も今日はそろそろお部屋に帰ろうかしら。
おやすみなさい、みんな。
夢だけでも、良いものでありますように。
[部屋に戻る前、ワッフルのことが頭をかすめたけれど、頭を振って、戻ることにする]
ティラミスの元へきたが…
すでに先客が来ていた様で、胸部から抜き取られた後がみられる。
しかしずいぶんと綺麗に抜いたと思う。
明らかに狙っていたのだろう。
幸いなことに、今日の僕の目的はまだ残っていた。
先ほどとは別のハンカチとスプーンを取りだす。
そして、ティラミスの眼球を抉り取るとハンカチで包みしまった。
「さて、今日はこれで良いでしょう。」
そう呟き僕は居室へと戻っていった。
[共同スペースに着くと、今日最後の考察をボイスレコーダーに録音する。]
「ムースちゃんとドーナツさんは、情報量自体がそこまで多くないっスね…ただ、どちらも特徴的で真似をするのは少々骨が折れると推察するっス。
ケーキが乗っ取っているのも、ゼリーさんが乗っ取っているのもあまり印象的に結び付かないっスね…。
他に選択肢があるならそっちを乗っ取っていそうっス。
ただ、初めから【極上の甘味】である可能性は切れないっスね。
でも沢山お話をする所でもないっスから、ケーキの仲間なのかと言うと首を傾げる所っスね…。
という所で、時間的に自分から伝えられる事は以上っスかね。
皆さんおやすみなさいっス…」
[最後におやすみの挨拶を告げて、シューは共同スペースを後にした。]
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