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モデル ギルバート に 1人が投票した。
妄者 エーリカ に 3人が投票した。
旅人 ミト に 1人が投票した。
喪失 ライ に 6人が投票した。
放浪娘 リコッタ に 2人が投票した。
喪失 ライ は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、モデル ギルバート が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、修道士 アイザック、フロイライン アウローラ、売女 アデリーナ、記者 ノエル、妄者 エーリカ、運転手 シュウジ、旅人 ミト、異国の婦人 レイコ、シャーマン トッド、放浪娘 リコッタ、トレブル ベガ の 11 名。
「……あら」
本当に、何故人間は此処まで合理的でないのだろうか。
文字通り決死の覚悟で行った人らしい行いもエーリカには『全く違う』と言われていたようで。
ーー目の前には、見知った他人の死体が2つ。
あれほど疑われていたエーリカですら自分の腕の中で目を閉じていた。
>>1レヴィン
「おっさんが持ってなよ」
こいつまじ神経おかしいんじゃねーの、と思いつつ、それは自分にも当てはまる事なのでつぐんだ。
ギルバートが死んだ。死んでしまった。でも安堵してしまった。良かった、自分が死ななくて。
昨日みたく、誰かが自分の代わりにギルバートとライを弔うだろうと去ろうとしたが、場の雰囲気的にそれは行われそうになかった
>>ここにいる人
「僕がギルバートとライのお世話するよ。さ、散った散った」
自分がいつも請け負う仕事。片手で出来るのか?皆まで言うな。そんな野暮なことを考えるんじゃあない。
人の姿が見えなくなったあと、なれた手つきでギルバートとライを弔った。
「……………ギルバート、さ………ん」
鈍色のような赤に染まるギルバートを見て、視界がぐらりおと歪む。
───────もう、限界だ。
倒れる前に見た眩い天井を最後に、私の意識は途切れた。
─あぁ、ギルバートさん。やっと犯人を見つけたっていうのに。─
「占いの結果をお伝えするわ。【ミトさん。彼は人狼】よ。私をウソツキ呼ばわりした彼が庇うような発言をしていたから占ったの。」
>>ノエル
「……大丈夫か?
アンタ、疲れてるんだよ。…………部屋まで送らせてくれ。いや、そこのソファの方がいいってんなら、そっちでもいいが」
眉を下げて笑った見せた。誰もが信用できないこの状況では、無理もない。
それでも、少しは心が安らげば。
「ーーーー!」
ばっと目を見開いて飛び起きると、大広間のソファーにいた。時刻を確認して僕は慌てて辺りを見回すが、既に周りには誰もいない。
どうやら誰が犯人かを考えるうちに、疲れて眠ってしまっていたらしい。
「…………しまったな。」
そうこぼしたあと、なんとなしに床全体に視線をめぐらす。ここ数日ーー誰かの血で汚れていた広間の床は、僕がうたた寝をする前となんら変わらなかった。
今日は誰が犠牲となり、誰が民意によって処刑されたのだろう。そこで今さら不安になって、僕は自分の頬をぐいっとつねってみた。
ーー痛い。
自分でも気付かぬうちに命を落としたということはないらしい。
「何を寝惚けてるんだ、僕は……」
ひょっとしたらーーなんて淡い期待もほんの少しはあったのだが、見事にそれは打ち砕かれた。
僕は未だに不明瞭な頭のまま、昨晩から今朝にかけての録音に耳を傾けた。
「ギルバートさんと、ライさんが……」
思わず言葉が漏れたが、それ以降は口を噤んで最後まで聞き届ける。
もはや涙も出なかったが、胃がずしりと重たくなる感覚ははっきりと分かった。
「……………」
もう一度、近くにあった長椅子に腰をかけて、帽子をボイスレコーダーの脇に置く。
それから背もたれのふちに首を寝かせて、僕は薄暗くて高い天井をぼんやりと見つめた。
「……考えることが本当にたくさんだ」
「……アウローラさんは、エーリカさんの死にたくないという言葉を聞いて、自身が身代わりになると言った。ーーー彼女の願いは心を得ること、か。」
レコーダーでのやりとりを聞いて、僕は何とも言えない表情をする。
眠ってしまっていた僕が言えた義理ではないが、やれ年齢がやれ罪悪感がという理由で決断を鈍らせる人たちにも、複雑な心境を抱いてしまっていた。
僕は僕なりに考えて、皆に協力することにした。
情に流されないようにどうにか平静を保ってーー。
「……一時の感情に流されていいなら、僕は誰も選びたくはないよ。でもーーみんながみんなそうしたら、無為な死を重ねることになるじゃないか……」
誰に向けるでもなく、一人きりでぽつりと呟く。
「………」
気持ちを切り替えるように、たった今聞き返したレコーダーの内容を反芻する。
「……トッドさんはシュウジさんを見て犯人ではないと言った。そして、レイコさんはミトさんが犯人だとーー」
レイコさんが占い師ならば、ひとり欲深き者を補足できたということか。
このままレコーダーに何か吹き込もうか悩んだが、散らばった思考がなかなかまとまらない。
散々眠ったはずなのに、まだ頭がぼうっとしている。
「寒い………」
こんなところで寝ていたから、風邪を引いたのかも知れない。せめてベッドに移ろうと思ったが、気怠さに負けてしまった僕は、その場に膝を抱えて丸くなった。
【ライは人狼じゃないわよ】
[それだけ言うと、ギルバードの死体の前にしゃがみこむ]
なんで!?
せっかく同じ力を…手に入れたのに。
あたしの理解者を殺したのは、だれ?
…ん、
/*
占いの結果を聞いて、とりあえずミトの話を聞こうと思って、それから……
*/
そのまま寝ちゃってたんだ。
…………
/*
溜息をついてソファーから体を起こす。
人の姿は少なくて––ライとギルバートの身体はトッドが『お世話』すると言っていた––椅子に丸まって眠る者の姿が目についた。
*/
/*
ずきん、ズキンと頭が痛い。
昨晩、あれだけ大声を出したからだろうか。三半規管で酔いを感じながら、朝日に瞼を刺され目を覚ました。
いつのまにかソファに寝直していたようだ。昨日の、自分の渾身の叫びと、その後のことは、これはしっかりと覚えている。後で、アウローラに礼を言いに行かないといけない。
どんな反応をするのか、どう思うのかは、分からないが。
開いた双眸でエーリカが目にしたものは、
*/
「ギル……バート、さん……」
/*
最後の最後で自分の思いが伝わってくれた、頼りになりそうだと思った人物。
*/
/*
それと同時に、トッドに連れて行かれるライのことも確認する。
1回前の、亡霊のときよりも、より皆の念を受けて、死んだのだ。私たちが明確に殺した。そんな実感が込み上げてくる。
だからたまらず、この言葉が口をついて出るのだった。
*/
「……ごめんなさい」
/*
泣き腫らした目で、二人を見送った。
*/
「トッドさんは、シュウジさんを犯人でない。
レイコさんは、ミトさんが、犯人だ、と」
/*
ミト、という人物のことを思い出す。
まだ16歳で、優柔不断で、誰を念じるかで、昨日はずっと迷っていた光景がフラッシュバックする。
あの素振りも、格好だったのだろうか。おおよそ犯人だったとすれば、似つかわしくない姿である。
*/
「……もうちょっとだけ、休んでもいいですか?
おかしいんです、私おかしいんですよ……色んなものが聞こえてきて……」
>>+4
おや、随分と諦めがいいみたいだね。
それだけ、君という人間は願いに作られていたということかな。
>>+5
何か間違っていたかい?
概ね、合っていれば伝わると思うさ。
占いの結果、ちゃんと確認したよ〜。
昨日、間違えちゃったからさ……
レイコさんが、僕を占って、犯人だって言うんだね。
そんな、ばかな。
僕は何もしてない。死んで欲しいなんて、念じてもない。
レイコさんは、ニセモノだ。
そうに、違いない。
>>+6 ライ
それは、幸せであり、不幸せであり。といった感じだね。
まあ、君の願いもあの中に誰かの糧になったのだから、良かったんじゃないかな。
近くでエーリカのぽつぽつと零す話し声が聞こえ、ゆっくりと瞼を開く。
いつの間に眠っていたのだろう。気付けば近くのソファにもたれかかるような体勢でいた。
>>26エーリカ
「おはようございます。
……二人とも生きてましたね」
どうしてなのかは分からないが。
「それ、昨日も言ってましたよね。色んなものが聞こえるって。
少し話を聞きたいですが、お疲れですか」
泣き腫らした目を見てキッチンへと歩く。綺麗な布巾を何枚か温めたお湯にくぐらせて絞った。
そして元の場所へと戻ってくる。
>>エーリカ
「もう少し休んで、それからお話しましょう。せっかく時間も出来たことですし」
目に乗せると楽になりますよ、と言って温めてきたお絞りを手渡した。
>>アウローラ、エーリカ
ああ、そうだ。再び、朝を迎えたのはどんな気持ちだい。
君達二人は、特に生きていることへの喜びが大きいと思ってね。命の尊さを皆に伝えられるんじゃないかな。
人間でも、容赦なく殺すのね。
やっぱり、小瓶を奪いたい気持ちはみんな変わらない。
ギルバートの死を悼む人と、ライの死を悼む人。同じ死なのに、ここまで差があるんだから。
[そう、ボイスレコーダーに話しかけるように語る]
誰を殺すか、なんて話し合い…ただの茶番じゃないの。
…ねぇ?ギルバート。
あたし、あんたのこと結構好きだったわ。
ご飯行けなくてごめんなさい。
>>昨日のギルバート、エーリカだったかしら?
あんまり好きじゃなかったから?かしらね?
[クスクスと笑いながら、冗談のように]
幽霊の死ってなにかしら?って思っていたところに、アウローラが疑っているのを見たの。だから、背中を押してあげたわ。
それに、あたしは仲間だなんて思ってないわ。このとおり、求婚は受けてない。この後も、あのまま弄ぶつもりだった。そして、【彼に私の役職は告げてないの。】聞かれなかったから。
目が覚める。
体に伝わるのはベッドの柔らかい感触で、思わず上体を起こして辺りを見渡す。
何処かの一室のベッドの上のようで、そういえばシュウジさんが昨日心配そうに見ていた事を、霞む意識の中で見た事を思い出す。
恐らく、彼が失神しかけていた自分を抱きとめ、ここまで運んでくれたのだろうと考えながら身嗜みを整える。
お礼を言わなくっちゃ、と長い廊下を歩く。
ふと、厨房が目に止まってお腹が鳴る。
昨日は一食しか食べていない事を思い出し、冷蔵庫を開けると、そこにはチェリーパイが物陰に隠れて置いてある。
ライさんが残した置き土産を見て、自分は昨日、誰の名を念じたのか、はっきりと思い出す。
誰かを犠牲にしなければいけない。
だが、その為に自分に親切にしてくれた、優しかった人の名を念じて、殺す事に背筋に冷たいものを感じるのは罪悪感からか、はたまた自分へと伸びる死の手からか──────。
そんな思考を振り払おうと、失せてきた食欲を無視して、チェリーパイを口へと運ぶ。
日が経ったせいか、タルト生地がしっとりしていて甘さが増したように思える。
優しさの塊だったであろうそれを、半ば無理矢理口へと押し込む。
塩など使われていないチェリーパイが何故だかしょっぱく感じられたが、何とか完食した。
何も知らない人に渡す事も出来ただろう。
だが、これだけは自分が食べきらなければいけないと、そう思った。
ライさんと自分のただ一つの約束を守らなければいけないという責任感からだろうか?
その約束を果たしても、彼は物言わぬ屍と化している。
チェリーパイ以上の重みが、胃を襲う。
胃の内側から何かに侵食されるような、じくりと侵食する胃の痛み感じながら、使った食器類を洗って片付ける。
ふと、時計を見ると12時を回っていたが、もう何も食べる気にはなれず、用を済ませるとまた皆がいる場所へとの歩き出した。
低く、それでいて澄んだ男性の声が聞こえる。ボイスレコーダーから顔を上げた。
>>31レヴィン
「朝を迎えた気持ち、ですか? ……特に変わりはない朝かと」
死ぬと朝に何か変化が起こるのだろうか。死んだことが無いので知る由もないが。とアウローラは考える。
「そうですね、昨日のことで多少は皆さんの気持ちが理解出来るかと思いましたがあまり成果はありませんでした。故に命の尊さを実感することは……。
ああ、いえ。私たちの代わりにライさんが亡くなりました。片方の占い師から無罪と言われている情報がある彼が亡くなったのは、私たちが死ぬことと比べると残念なことだと」
『命の尊さ』の意味を完全に履き違えていた。
ふふ、レヴィンには色々な声が聞こえるらしい。
ああそうだ、私にはもちろん聞こえませんよ?興味もありませんし。
>>レヴィン
愛があるから「家族」として結びついている。
結び合える無上の幸福を感じていますよ。
会えずにいた時間すら、今を引き立てると思えば愛おしい。もうずっと、離しませんから。
思えば、私たちの願いはずっとシンプルなものでした。
それなのにここのかたがたときたら……
ふふ。愉快ですね。ああそうだ、人の姿を奪う力を手に入れた方もいるようですね。
それだけは早く見てみたいものです。もしかしたら、すでに"そうなった"のかもしれませんけど。
ぱち、と目を開く。
ひどい頭痛に一瞬、全てのことが思い出せないでいた。
体が痛い。喉が渇いた。いや、腹が減った。生理的な欲求が飢餓感を呼び寄せる。俺はそれを振り払って、皆の元へ帰った。
これがきっと、生きているということだから。
「おはようさん。っても、もう午後だな。……」
情報を確認する。
「トッドが俺を占って、レイコサンがミトを…………、……え? ミトが、犯人?」
とうとう犯人を見つけたという。アデリーナが本物だとすれば、アデリーナを守れさえすれば、占い師の真偽が明らかになるかもしれない。ならば今日は──。
頭痛がする。死を弄ぶゲームに参加しているという、良心の呵責が俺の眼前に迫っている。頭痛がやまない。
これは正義の行いだろう。犯人を倒すための。……けれども、本当に?
頭痛がするんだ。
痛みの奥で、アイツが今だって俺を非難している。
昨日と同じく椅子に腰掛けて寝ていた。
例によって、首、肩をぐるぐる。
あらかた体が解れるとさらっとボイスレコーダーの音声を聞いた。
「いつもお昼すぎに起きていたらダメね。ボイスレコーダーがなかったら話に置いていかれちゃうもの。ノエルさんに感謝ね。」
彼女は自身で占って人間だとでた人だ。単純に考えれば身の安全が確保されるまでは仲間ということになるか。今回投票で死んだライを思い眉を顰める。彼もまた人間とでた人物だった。
「……おはようございます。」
目が覚めても気怠さがまだ残っていて、僕は浮かない顔のまま呟いた。
周囲には既に人が集まってきており、そろそろ立ち上がろうとした時、はらりと肩から何かが滑り落ちる。
「………これは?」
誰のものだろう。上着を丁寧に拾い上げながら、辺りをきょろきょろと見回す。
>>50 レヴィン
「素質って、なんだよ」
この男と話していると、気が抜けてくる。自分が一体何を相手にしているのか、よく分からなくなってしまうのだ。
「……全てがなかったことになったって、苦しみも、全部有ったんだよ。あとな。俺は俺のための望みを叶えるためにこんなゲームに乗ったわけじゃねえ。
最終的に生き残ることが目的だったとして、その過程で苦しむ人が少なくなるように願うのは、当然だろ……!」
そう、同じ人間ではない。常識が通じないから、怒りも伝わらない。いや、こちらを自分と同列に扱っていないから、そもそも相手にする気がないのだ。
「楽しませろって言ったのは、そっちだろ」
俺は、こいつみたいに友人をさも道具みたいに扱ったりしない。こういう人間が、俺は、一番嫌いなのだ。
気が狂いそうだった。なんでみんな普通に話をしてる?
何故館の主と会話が出来る?
底の知れないその男に、私は近づくことすら出来ないと言うのに。
結局、アタシの願いはその程度だったのだろうか。
あの子の心臓を食べて人になったアタシに、あの子の復活を願う事は許されることではなかったのだろうか。
−−−
心の中にまだあの子の温もりがある。
アタシが非情になるのを必死に止める彼女を、殺さなくては。
……もう1人が見当たらないにゃ。
昨日時点で、ヒューズは公証人と言われていたし亡霊くんは求婚者とのことにゃ。
モデルやろーも霊能でいいだろうし、あるとしたらライかにゃ?
他にいるなら次の声で昨日の合図を送って欲しいにゃ!
ごめんにゃ……猫ちゃんの3人はそれぞれ仲間が誰か分かってるものと思い込んでいたにゃ。
もっと指示を早く出すべきだったにゃ……
>>40エーリカ
「いえ、大したことではないのですが。
昨日は何故、あんなことを?」
ブーメランなことこの上無いが、アウローラは朗らかに言い放つ。
「死にたくないと言っていたので代わりに成りましょうと申し出ましたが、貴女はそれを拒否しました。誰も命を失うことなくこの状況から抜け出すことは不可能であると、聡明な貴女なら理解してたと思うんです」
/*
目を温めながら、聞こえすぎる耳が、穏やかでもある、殺伐としてもいる、各所のやり取りを拾ってくる。
シュウジとノエルが、とても温厚に言葉を交わすのを察知して。
また、それでも今晩誰かを殺すことを話さなければならないことを気にかける。
ひと時の心の安らぎかもしれない。
でもそれは、まやかしに過ぎないのかもしれない。
いつ誰が−−自分のことを、殺すよう念じる、と言い出すかもしれない。
体感した昨日の恐怖は、拭えない。
その上で彼女−−アウローラは、エーリカと少し話をしようと名乗り出た。
殺しあうもの同士の馴れ合いも相互理解も不要と断言しそうな、彼女が。
……少し、緊張しているのかも、とエーリカは自分を評した。
*/
>>58 アウローラ
「……だって、嫌だったんです。
自分が死ぬのも、自分のせいで誰かが死ぬのも、嫌だったんです……。
わがままかもしれませんけれど、嫌なものは、嫌だったんですよ」
/*
きっと、アウローラだったら、エーリカの立場で、それなら私の代わりに死んでくれ、と言うのだろう。
そこに憐憫の情も、罪悪の感もなく。
死ぬと申し出たものが死ぬのが合理的だ、と言って。
*/
「それで……アウローラさんが死んで、それで皆さんの気持ちが変わるとは思わなかったんです。
時々、別人みたいだ……なんて、そんなことを言われて、それだけの根拠で、"自分以外"である人間を殺す口実として、今日も明日もずっと言われ続ける。
そのために、私は昨日生き延びたんじゃありません。
【本当に……犯人を探す気があるのか】を、あの場の皆さんに問うたのです」
>>43レヴィン
「……ほ、褒めてませんよね。それ」
文脈が繋がらない為、恐らく皮肉だろうと思う。
「いいえ、ただ小瓶だけに頼らず色々な方法を試してみようとしたんです。今回は上手くいかなかっただけで。
まだ私の心臓は動いています。貴方と話す度にこの胸を締め付けます。だからきっと私の願いは続いていますよ」
不発に終わったが、彼自身の手で殺されることで何か感じられることが無いだろうかとも考えていた。
僕は相当朦朧としていたらしい。
さっき上着に見えたものはブランケットだった。
こんな事態になっても他人に心遣いができる誰かに感謝して、広げたそれをもう一度丁寧にたたむ。
「今日注目すべきは、ミトさんがレイコさんから狼だといわれたことでしょうか。……ギルバートさんは亡くなられましたが、まだアデリーナさんは生きている。
ですので、占い師の真偽をはかるためにアデリーナさんにミトさんを見ていただくのはどうか、というのがまず一つ。」
人には言いにくいことを口にするギルバートさんは、僕たちにとって有り難い存在だった。彼のようにとまではいかないけれど、僕もそうであろうと思った。
だからノエルさんと目が合った時ーー僕は視線を外して、綺麗に畳んだブランケットの端を握りしめながらそう言った。
「しかし、死とは取り返しのつかないもの。私はミトさんから見えるお話も聞かせていただきたいと思っています。それから、トッドさんの見解も。……彼にとってレイコさんは、偽物以外のなにものでもありませんから。」
「アウローラさん。心がない、とか、心がわからない、とか、言われていましたよね。
私には、心がない状態、というものが分かりません。
もっというと、理解できない人間なんて、沢山います。私を置いて死んだ両親の神経も、そこにいるご主人の人間性も、私には分かりません。
どうしても、分かり合えない人、というのは、いるのかもしれません。
本当に、それだけ、じゃないですか。
私は、私のために死んでくれると名乗り出てきてくださった女性が殺されるのが嫌です。
アウローラさんは、理解されないかもしれませんが、それでも私は嫌だった。
"それだけ"のことなんじゃ、ないでしょうか。
そう、思っています。
……煩わしい、かもしれませんけれど。
私が生きている以上、そんな人間もいるんだってふうに、考えてくだされば、いいんじゃないかなと、思います」
>>60エーリカ
「わがまま、ですか」
理性を超えるほどの拒否感がその時の彼女にはあったらしい。
「ああ……それは確かに、そうかもしれませんね。私が代わりになった所で貴女の疑われる要因が消える訳じゃないですもんね。
実の所、私も貴女を無実だと確信していませんし、ミトさんの次くらいに投票する想定でいました。
結果的にその貴女を庇う形になっているので……『本当に犯人を探す気があるのか』と言われると困りますね、ふふ」
自分の願いに近付くかもしれないと行った暴挙を思い出し、『わがまま』という概念を理解した。
このエゴで、僅かに心へと近付いたのではないだろうか。
>>57 シュウジさん
自分に笑いかける彼を見て、無理をさせてしまっている事に申し訳なくなりながらも、自分も精一杯の笑みを返す。
優しい彼に、これ以上負担をかけたくないと思ったからだ。
その彼も、内心では何かを、と思ったが、今はその考えを振り払った。
「そうですよね……気が、滅入らないわけがないんです
……どうしても辛い時は、無理をせず休んでくださいね」
彼は頑張ろうとしている。
だから、引き止め過ぎぬ程度に休んでいいと言った。
「……そうですか?
お役に立てたみたいで、よかったです
……今日も、お互い頑張りましょうね」
何か話そうと思ったが上手い話が出てこず、様々な物事を見てきた記者なのに、と自分を情けなく思った。
彼から元気をもらっているのは自分も同じで。
せめて、彼のノエルと話していたら元気が出てきたという言葉が本心からである事を願った。
>>55 レヴィン
「……俺はアンタの家族にゃなりたかねえよ……」
疲れてしまって、弱い声が出た。そうしてから、表情を引き締める。
「アンタが小瓶の話を最後までしなかったように、俺だって小瓶に願いたいことが”過去に戻りたい”ってこと以上は語ってない。アンタが勝手に解釈するのは自由だが、生憎と俺はそれじゃあ希望を叶えられないんでね」
へっ、とレヴィンに向かって左の口角を吊り上げてみせる。
「……そーかよ。じゃあ、勝手にさせてもらうぜ」
俺は守りたいのだ。今度こそ。過去を変えてでも。既に興味を失ったのだろう背に向けて、言葉を投げた。
物陰からレヴィンの様子を伺う。
こちらを見ていないのが分かるとコソコソと這い出てきた
「今日も……誰かの死を願わなくちゃいけないにゃ?」
/*
エーリカの言葉は、アウローラに届くものなのかは分からない。
人づてに聞いて、感情を理解するのは、感情を持つことにはならないと思う。本を読んでインプットしても、それは自らが生み出したものではないように。
*/
「……」
「行きましょう。
私たちは話すことを止めたらいけません」
>>66 ミト
「レイコさんの正体はなんだと思います?……ミスター・メルゼブルクによると、彼の子らの力をここにいる全員が賜っている。レイコさんに限らず、トッドさんが偽物である場合も、私は狂人や狂信者の類ではないかと思いますが……」
「狂人は狼が誰か分からないそうですよね。やはり、彼女が偽物である場合は、誰が仲間か分かっている狂信者でしょうか。仲間を知っているという点では、狼という可能性も残りますね。」
彼の話を聞きながら、僕も一緒に整理していく。
「ミトさんがもし潔白ならばーーそうですね。トッドさんが本物で、リコッタさんとシュウジさんは犯人ではない。ヒューズさんが憑狼である可能性は……アデリーナさんがもう一方の霊能者のようですからありませんよね。彼女はヒューズさんが交渉人だと証明してくれた。
となるとトッドさんが占っていない相手ーー私とノエルさん、アウローラさん、エーリカさん、ベガさんの中に欲深き者がいるということになるのかな。」
「……私はレイコさんが本物の場合も考えてみますね。貴方が犯人であるかどうかは、一旦フラットに考えようと思います。気付いたことがあったら教えてください。」
「レイコさんが、ミトさんを犯人と仰るのですね。
ギルバートさんが、そろそろ犯人見つけたいよね、といった矢先。ゴーストバスターを目指すだけあって、言霊でもあったのかもしれません。
あぁ、耳がいいので聞こえていました。
ギルバートさんはもういらっしゃいませんが、アデリーナさんがまだ、霊能者さんとして残っておいでです。
お二人いらっしゃる霊能者さんのもうお一人ですから、ミトさんや、レイコさんやトッドさんより、信用できると思うんです。
よほどのことがなければ、ミトさんを、と考えております」
「ミトさんの様子で私が気に留まっていたのが、昨晩の念じる人を考えている時です。
ただただ、優柔不断な方なのかな、と思っておりましたけれど。今考えますと、敵を作りたくない意思の表れだったのかもしれません。
反対にいうと……そこを、レイコさんに突かれた、と思えなくもありません。
私の他に怪しまれていたのも、ミトさんだったかと記憶しています。犯人に仕立て上げるには、いい人物だったのかもしれません」
/*
その可能性は自分にもあった。
処刑の筆頭であった私を避けて、ミトさんを占われたのは、他の人たちの希望に沿った行為ではあるが。
*/
ふぅん、なるほど。別に庇ったわけでも何でもないただの感想だったんだけれど。それをあの人はそんな風に受け取ったと。
まあ、犯人って言いやすかったんじゃない?周りから若干怪しまれていたし、ここで見つけたって言って信用得たかったとかね
「そっか、ハズレたかぁ。ライって人は犯人じゃなかったんだね」
ギルバートがいなくなったのでアデリーナの事も考えなくちゃいけないなと思う。
彼女が偽物の場合は狼しかないだろうし、その場合もう1人の霊能者が誰だ?と言うことになるし、ほぼ本物だと思ってみていいでしょ。
それはギルバートの事も同じで、死んだからといって犯人の可能性はあったが、誰がもう1人の霊能者なのか分からないためほぼこの2人は本物だろうな
「さて、僕も犯人見つけなくちゃ。」
個人的な趣味は、じわじわ味方を見つけて犯人を追い詰めていく方法なんだけれど、ここの人たちはせっかちで、犯人を探しに躍起になってる。というか当たり前か。人を殺さなきゃいけないんだし
というか人を殺した人殺しなら殺してもいい、みたいな考え方ってヤバいよね。言わないけど
「ちなみに私は今日もミトさん投票で構わないと考えています。一応トッドさん視点でも正体は不明ですし。これで彼が犯人だったという結果が出てもレイコさんへ信用を寄せることはあまりありません。
今の状況としては霊能者ありきの占い結果ですもの。彼女が本物でも偽物でも違和感は無いです」
霊能者の人や、もしかしたら占い師の人だって、
名乗り出てないってことあるのかな。
襲われるのが怖かったら、黙ってたりしないのかな。
現にこうして、自分は霊能者だって言ってたギルバートは襲われちゃったし。
……考えてもしょうがないことかもしれないけど。
「占いの偽物は狂信者でしょうねえ、それが犯人たちにとって一番メリットが多いです。
狐の線はあまり考えてません。偽物はどうしたっていずれ盤面に無理が出ますから……欲望を一人占めするつもりなら本末転倒です」
「……残酷ですけど、今日は【ミトさん】の事を念じます
理由は、ギルバートさんとアデリーナさんが霊能だと思っているからです
ギルバートさんは今日の犠牲者だから言わずもがな
憑狼だと仮定しても、それなら昨日アデリーナさんが出てきた時にもう1人出てきたはずです
流石に、この状況下で霊能が黙秘を貫くのはデメリットしかない
この事から、一昨日はヒューズさんが公証人、幽霊さんは求婚者で憑狼が動いた可能性はなし
だから、まだ憑狼は自分の体にいるのでしょうね
アデリーナさんが他の人から求婚を受けているという仮定は、それなら霊能と名乗らない方が安全では?と思いました
役職持ちだと名乗れば狩人のでが守ってくれるかもしれませんが、それ以上に狙われる可能性も上がるわけですし……ハイリスクハイリターンですよね
占師の真偽の確かめ方は狐を呪い殺せたかが一番手っ取り早いですが、それが出来れば苦労はしないので盤面の白黒をはっきりさせるという意味で……その為に、殺すのかと言われたら返す言葉がないのですけど」
ま、待ってよ、僕は何にもしてないよ!
本物かどうかわからない人に名指しされたからって、とりあえずミトでいい、なんてそんなの……ひどいよ……
僕は誰にも死んで欲しいなんて思ってないし、念じた覚えもないんだよ!
考え直してよ、まだ、まだ死にたくない……
願いの小瓶が欲しいなんてもう、言わないからぁ……!
死にたくない、
彼女のいないこんなところで、死にたくない……!!
そうだよ、僕のことを突然犯人だなんて言い始めたレイコさん、絶対犯人だよ、そうでしょ?
だって、そうだよ、ねえ
レイコさんをすぐやっつけなきゃダメなんだよ
ねえ、そうでしょ?誰か
なんでみんなそんな、冷たい目で僕を見るの
まるで……まるで、あいつらみたいな
そんな目で僕を見るな……!
ねえ助けて
僕は彼女に会わなくちゃいけないんだ
彼女の心を手に入れて、もう一度僕のことを見てもらわなきゃ
そうじゃなきゃ僕は、僕は、
ねえ何とか、何とかしてよ……!
>>+13
君は殺してしまうには惜しい性質をしていたのだと思ってね。生きていた頃よりも今の君の方が私は好みだという話さ。
おや、それは残念だ。
あたしも、今日はミトを選ぶわよ。
せっかく貰った力だもの、有意義に使ってみたいじゃない?
[ロイヤルミルクティーにハチミツを溶かしこみながら、いままでで一番真っ当なことを言う。]
>>+15
やはり、君は私の『家族』になれると思うのだかね。
…それが面白いとは私は思うよ。愚かで哀れでね。私とは違う価値観を持っている。昆虫観察をしている、とでも言えば分かりやすいかな。
『友人』だからね、君含めて。そんな無駄には消費しないさ。
ギルバートが生きていれば…
今よりもっと信じてもらえてた、はずよね。
[唇を尖らせながら、
もう溶けきったそれを無為にかき混ぜた]
また、悲痛な叫びが聞こえる。
耳を塞いで、どこかへと走り去りたくなる。
胸が痛い、誰かの名を挙げるだけでこんなに辛くなる事は今までなかった。
耐えられない、痛い、逃げたい。
……だが、ここで逃げれば私は永遠に、生きていても死んでいても、この事を後悔するだろう。
そう思うと、何かがふつりと切れる音がする。
シュウジさんの元から離れ、錯乱するミトさんの前へと立ち、彼と目を合わせる。
>>88 ミトさん
「……ミトさん、単刀直入に申し上げます
私達の為に、死んでください
貴方が、本当にシャルロッテちゃんの力を持っているのであれば」
冷静な、自分でも驚く程冷えた声音だった。
優しく諭せば、情が出ると。
ミトさんが、私を恨んで恨んで恨み抜いて───他の人の事など、恨まなければいいと、そう思ったからだ。
思わずミトから目を逸らした。悲痛な叫びを聞いていると、感覚のすべてを遮断してしまいたくなるのだ。
そうして、俺は口を開く。
「……俺も、今日はミトのことを念じる」
昨日とは状況が違う。……それでも。子供を殺すことが。積極的に選ぶことが、おぞましかった。
「占い希望はベガとエーリカ。昨日から理由は変わらねえよ」
ミトさんが大きな声をあげて、周囲の人間たちに命乞いを始めた。
僕はわずかに表情を翳らせた。願いの小瓶を手に入れたいだなんてもう言わないから、自分を助けて欲しいと。そう叫ぶ彼は、どうしてか親に折檻されて泣きわめく子供のようだった。
その姿が、いつかの僕と妹のように映ったのかも知れない。
「…………」
ーーダメだよ、理性的にならなきゃ。
頭を使うんだ。泣いたってどうにもならないんだ。いつだってそうだったから。泣けばもっと叩かれたから、僕はそれを嫌というほど知っている。
この状況で、潔白を晴らしたければ喋るしかない。言葉で覆すしかないんだ。
「ミトさ……」
彼にそっと手を伸ばして、そう言おうとした時。
ーー私達のために死んでください。
「あ……」
我に返る。
ーー自分は今、彼女に何をしたんだ。
「すみませ…………」
すぐに謝罪しようとしたけれど、どうしてか言葉に詰まった。
自分の行動に自分で動揺して、落ち着かない様子で視線を狼狽えさせる。
その時、ぽろりと右の目から何かがこぼれた。僕はその時初めて自分が泣いているのだと気付いた。
「私が昨日までに1番疑いをかけられていたミトさんを犯人側だと嘘をついて信用を得ようとした……確かにみなさんから見ればその可能性は捨てられないと思いますわ。
ですけれど私やトッドさんより、既にある程度の信用を得ているアデリーナさんが霊能者としているなら、【今夜はミトさん】を選んでアデリーナさんに見てもらうのが良いのではなくて?私は当然そうしますけれど。どちらかを偽物と決めつけるのはそれからにして頂きたいわね。」
─占ってオオカミとでた人間以外に投票する選択肢は私には存在しないもの。─
「……」
昨日とそこまで変わらない光景を見ている、と思った。
誰も彼と入れ替わると宣言することが無いことだけ違う。昨日の行為は色々な意味で無意味だったと分かったから、アウローラももう何も言わない。
眼前の景色を黙って見つめていた。
「ごめんなさい、……ごめんなさい、ノエルさん……。」
声が震える。
「……分かってるんです。分かってるのにーー僕はアウローラさんのように、……ここにいる誰かのためには死ねない。……こんな風に怒っても、ミトさんのかわりに死ぬなんて言えない小心者のくせに。
ーー貴女が今言った通りなのに。それが最善だからとミトさんの名を念じようとしてーーそれは結局、僕自身のためで……僕のために……」
「名乗り出ない可能性か……それはあり得るな。僕も実際、ギルバート君が名乗りあげるまで、黙っておく気満々だったし。あ、でもアデリーナとギルバートを偽物だと決めつけてる訳でも、後から名乗り出ることを許容するって意味でもないよ?可能性があるよねーってだけ」
あの小さい子が言うようにあり得ない話ではないが、居るとすれば偽者が本物のフリしてる状況を許してるなんて、どんな神経してるんだって思っちゃうね
「あ、今日死んでもらう人はミトって人で僕も問題ないかな。前言った感想の箇所を見れば犯人像は離れるけれど、みんなが言うような彼の違和感は確かに強いし」
なんて話してると、本人登場。
情に訴えかけるこの流れ、なんか昨日も見たな
でもなんか修羅場ってる。“私達の為に死んで”とかすげぇ。言える人がすげぇ。いろいろすげぇ。
犯人じゃない、死にたくない、小瓶などいらないと叫ぶ子供。
ああ、そうだよな。怖いよな。
ここでミトを、理性的に考えれば一番の安定を選ぶことを辞めれば、他の人間を殺すことになる。
なんて、そんなことは言い訳でしかなく。
そうやって思考の渦に身を沈め、何も言わないでいるうち、ミトに何かを告げる彼女の声が。
そちらを見たくなくて、強く目を瞑った。駄目だ、逃げるな。
──そうして何も出来ないでいるうちに、乾いた音がした。
/*
ミトの、悲痛な声が響く。
ノエルの、無慈悲な願いが彼を打つ。
アイザックの、掌が彼女をはたく。
エーリカは、何も言えない。
一歩違えば我が身だった。
私が犯人呼ばわりされて、本当に、皆の望む通りに、殺されるところだった。
ただ、レイコという、こちらも嘘か真か分からない占い師に、犯人だと告げられた、その違いのみ。
頭が痛い。
何かの声が聞こえる。
*/
「…………」
「悲しい。悲しいの? 誰かさん」
>>102 アイザック
ミトさんを見つめて、静かに言葉を続けようとした、その時だった。
横から頬に強い衝撃を受け、思わずその場へ崩れ落ちる。
顔を上げると、そこには涙を流すアイザックさんの姿があって。
ひりひりとやけるように痛み、熱い頬を手で触れるとやはり痛く、頬を叩かれたのだとようやく頭が追い付く。
「…………気が、済みましたか?
……貴方は、神に仕える人
人の命を蔑ろにする、私の言葉が許せなかったのですね
ですが私は記者、真実を伝えるのが私の仕事
……私は、謝りません、貴方にも、ミトさんにも
謝るくらいなら、私は最初から動かないべきなのですから
……でも、よかった、貴方みたいに、優しい人がいて
アイザックさん、貴方は、変わらないでくださいね
……私から言われても、癪だと思いますが」
相も変わらず冷静な声音を放つ。
自虐的に乾いた笑いを浮かべると、またミトさんと向き直る。
アイザックさんの顔を見る勇気は今の私にはなくて。
ただ、今の酷い顔をしているであろう自分を見られたくなかったから、長い髪で表情を意図的に隠した。
頬を打った手が痛かった。
あの優しい彼女が一体どんな気持ちで、ミトさんにあんな残酷な言葉を放ったのだろう。
大人の自分が抑えなければいけないのに、ーーそれでもあの言葉を聞いた瞬間頭が真っ白になって、彼女が憎くてたまらなくなった。
でもーー彼女は正しい。
今までだって僕は、僕自身のために誰かに死んでもらっていたじゃないか。どんなにこのゲームに嫌悪を抱いても、そういった犠牲の下でこの命が成り立っている事実は変わらない。
>>108 シュウジ
「…………」
ーー分かっている。
そう心の中で呟く。
「……こんな思いばかりするくらいなら、生まれてきたくなかった」
>>+20
そこを越えてこそ、『家族』になれるのさ。
ふふ、考えておこうか。
>>+25
君はもう私を楽しませることが出来ないからね。
適切な対応をしているつもりだよ。
私の昔話かい?ああ、確かに君によく似た『家族』がいたよ。私も数回しか会ったことがないけどね。
/*
……今、誰に問いかけたのだろう。私は。
そんな雑念と、ミトを取り巻く混乱を振り払うように、エーリカは再び考える。
*/
「占いの希望ですね。
アイザックさんの表、というのでしょうか。こちらを拝見すると、まだお二人に見られていない方も結構いらっしゃいます。
アイザックさん、アウローラさん、トッドさん。あと、私も。
……難しい、ところでございます。
乗り移るものもいれば、さらには仲間同士分からないまま、殺されてしまうこともありえると、ご主人は仰られておりました。
そうしますと、お二人から潔白と評されていましても、完全に信用できるわけでもありません。乗り移りもそうですが、犯人に与する方々は、私たちと同じく人間として扱われるようですから。
そして、襲われて殺された方々も、犯人ではなかったと、断定できないということでは、いわゆる詰み将棋のように犯人を追い詰めることもできないかもしれませんから」
/*
その観点でいうと、トッドの独り言(>>78)は多少なりとも引っかかる。楽観的で随分と余裕があるようだが、ことの深刻さを把握しているのか。
*/
おや、今夜は随分とあっさりしているんだね。
あまり口を出して、自分が死ぬことになっては困るからかな。それとも、そろそろ他人を殺すことに慣れてきたのかい?
「ですから私は、その時その時で気になる方を注視したいと思うのです。
本日は、ミトさんとレイコさんに話題が集中して、あまり他のお話がありませんが……。
【アウローラ】さんへの疑いは、完全に晴らしたいと思ってます。
あんな身代わり、犯人がするとは思えませんけれども……人の心を知るという願いを、死を以って見出したのでしたら、名乗り出るのは不思議ではありません。
【おあとはアイザックさん】。なんといいましょう、掴めません。誰かに印象を話されている、という記憶もあまりない方なんです。それがうすら怖さがあって……」
>>110 ノエル
「……………」
ーー彼女はやはり優しい。
突然暴力を振るわれて、それでも僕を責めないのだから。それどころか僕を、優しい人だという。ああーー彼女は、僕たちのかわりに汚れ役を買おうとしているのか。
男のくせにみっともなく涙を流しながら、僕は彼女を見つめた。
「……僕は優しくなんてない。神に仕える者が誰かに手をあげるなんて、あってはならないことだ。これはそんな崇高な感情じゃないーー理不尽な怒りをただ貴女にぶつけた。……ただの八つ当たりです。」
手のひらはまだひりついていた。
叩いた側がこれだけ痛いなら、ノエルさんはもっと痛かっただろう。
あれだけ憎んでいた父や、ツァデックの血に、僕は抗えなかった。
「……なら、私も謝りません。ーーそれでは。」
ーーもうきっと、彼女は僕に笑いかけてはくれないだろう。
それが残念だった。その理由をここに記すのは、きっと野暮というものだ。
僕は彼女にそうかけると、シュウジに向き直った。
「あー……コホン。こんな状況で申し訳ないんだけれども。ちょっと席を外すね、こればかりはごめん、許して」
死んでもらう人はミトを選んだ。まあこの反応からして、あの誰かを守る能力は持ってなさそうだし、現状況他に殺すほど怪しい人っていないし。民意を反映させた。
「【占い先はアイザック】にしてるよ、変えて欲しい人がいたら、部屋まできて。館の主の隣の部屋に間借りしてるからさ」
本当のところを言えば、面と向かって死んでなんて言えるノエルを占いたいところだが、確定で犯人じゃ無い人物を生み出すと、乗り憑られる可能性があるし、それはまだ良いかなと思う
>>114エーリカ
「うん?なんか僕変なこと言ったっけ?…あ、返事は今度でいいよ。ちょっと立て込んでるから、じゃ」
神妙な顔つきで自分を見る彼女に声をかけてみる。
ただ、すぐ部屋を出たのでこのタイミングで話しかけるのは悪かったかもしれない。
>>アイザック
ふふ、君も随分といい表情をするようになったじゃないか。
……よく、似ているよ。君も『家族』になれるかもしれないね。
「ああ、そうだ。占い先はエーリカさんを推しておきます」
特に潔白を信じている訳でもない彼女は、言ってしまえば自分が延命したようなもので。そこに関しては責任を負う必要がある。
彼女自身が話していたように、一日生き延びるだけでは意味が無いのだから。
>>119 アイザック
「いいえ……いいえ、貴方は、優しいです
貴方の行いは人として……当然の行いでした
人の死を、人が告げるなど、あってはならないのですよ……例え、何があっても」
泣いている彼を静かに見つめ、言葉を返した。
私は、私の都合で皆を傷付けているだけにすぎない。
自分の弱い心に耐えれず、さも当たり前のように人の死を願った事実は変えられない。
皆、必死に心に抱え、黙っていたというのに。
一度回り始めた歯車が易々と止まらぬように、自分の心も冷たく冷え切っていくのを感じる。
「…………」
私はただ、彼の小さくなる背を黙って見送った。
何故、こんな事になってしまったのだろう。
彼には、幸せになってほしかった……この気持ちは、本心だったのに。
シュウジさんに連れられる彼を見て、涙すら出てこない自分に嫌悪しながら、再びミトさんに向き直る。
>>116 ミト
「……ここでミトさん以外の方を念じた場合と、ミトさんを念じた場合に入る情報の確かさと量は段違いのものです
ミトさん以外に念じる人の候補を、正確に述べられる人は人狼……ネモ君の力を得た人だけ
今、ミトさんが死を回避したとして……この後、無実だった人が死に、狼やハムスター人間につけ入れる隙を与えて私達が負ければ、ミトさん、貴方は生き延びた者と死した者の恨みを背負う事になります
貴方があの時殺されていれば……とね
その重みを、生き地獄を耐えれますか?
そうですね……ミトさん以外で、ミトさんが念じられた場合と、同じくらいの情報が出うる人の名を挙げられるのであれば……皆さんも考え直すのではないでしょうか
それが出来ないのであれば、今、ここで……」
これ以上は喉に何かがつっかえて言えなかった。
口元を手で抑え、目線だけ彼の方を見遣る。
ぼんやりしてたら遅くなっちゃった。
夜更かしするの慣れてないんだ。
占い師に見てほしい人は、【シュウジと、アウローラって人】かな。
誰に対しても同じ態度貫ける人ってこわいんだもの。
「…………ミトさんの名前を、思い浮かべてます。
すみません、私もどうしたんでしょう、もう、眠たくて……。
まだ、疲労取れてないのかもしれません。こんな時にですが、失礼いたします」
/*
思えば、昨晩は眠った気もしない。アウローラの腕を借りて、いつの間にか意識を手放していただけだった。
広間のソファに腰掛ける。
意識がないまま、あの一瞬の死を迎えたとしたら、
どんな感じなんだろう。
もしかしたらこの後に自身に降りかかるかもしれないという想像を、眠気で無理矢理押し込んだ。
*/
「話していて気づきましたが、求婚者がいない今、占師は狐……ハムスター人間を呪い殺す事が最優先ですよね
名言はされてませんが、狼と私達が同じ人数になるとまずいかと
数が同数になると、こちらは勝てないのではないでしょうか
その事を踏まえて、まだ占われていない【アイザックさん】と【エーリカさん】を
理由はアイザックさんは発言も多く、皆の為に働こうとしているのが、目に留まりますが未だ誰からも占われず、気になります
エーリカさんは昨日の事がありますし……一度、見てもらうのがよいかなと
ベガ君も占われてませんが……この三人なら、三番手にきます」
彼女の言葉を聞いて、罪悪感がという事は飲み込んだ。
今、情を出しては私が壊れてしまう。
手に爪をたてて握りしめ、必死に遠のきそうになる意識を手繰り寄せた。
周りに聞こえぬように、小さくため息を吐く。
それでも、心にのしかかる重荷は軽くはならなくて。
じんわりと痛む頬を放ったらかしにしながら呆然と誰もいないソファに座っていた。
ふと、頬に冷たい何かを当てられる。
閉ざされかけていた瞼を開けるとそこにはベガ君の姿があった。
突然の事なので反射のように言葉が出る。
>>132 ベガ
「…………あ、りがとう」
もらったタオルでそのまま頬を抑えていると、じんわりと両眼から込み上げてくる熱い何かを感じ、急いでタオルを広げて顔を覆った。
お行儀がよくない事かもしれないが、みっともない顔を誰かに見られるよりは、幾分かましだった。
>>126 シュウジ
「……拾われた修道院で、隣人を自分自身のように愛さなければならないと私は教わりました。優しくあるーーというのは、簡単なように聞こえて実は難しい。どんなに綺麗な言葉を並べたとしても、人間は自分の欲には逆らえない生き物ですから。」
僕たちは、普通の人が当然知っていることも知らず、当たり前に持っているものも持たず、生きてきた。現代社会において子供が学校に通うのは当然であるとか、もっといえば、食事が毎日もらえるということも知らなかったくらいだ。
子供の頃から親からは何一つ教えてもらえなかった僕とレティシアは、そんな家庭で唯一そのことを教わった。
「……シュウジさんはどうして、小瓶を求めていたんでしたっけ。」
>>134 アイザック
「…………」
そんな立派なものでは無いのだ。敢えていえば、その欲が俺の場合はこれだっただけで。けれど、訂正しようという気にはならなかった。
「……大事な友達がいてさ。一人は病気がちな少女で、もう一人は俺と同い年の男。……俺のせいで、二人とも死んだ。取り戻したかったんだ。アイツらを」
脳裏に、うつ伏せた彼の白い横顔が浮かぶ。赤い水たまりに、遺書と書かれたシンプルな便箋。紫陽花の青は酷く場違いに見えた。
「次は俺が犠牲になってでも、アイツらを助けるんだって、そのチャンスが欲しいから、過去に行きたかった」
そう言って俺は薔薇の花を一輪手折った。
「…………でも、今は」
「小瓶が手に入っても、そう願うつもりはない。……なあ、アイザック」
「彼を救う手段で非道になっちゃ、意味が無いんだ。結果があれば過程なんてどうでもいいっていう奴もいるけど、俺はそれじゃ許せない」
毎日人が死んでいく。あの主人の力によって。
「……俺はここに集まっちまった奴らを、救いたいんだ。何一つ諦める気は無いぜ。願いを叶える方法は、生きてさえいればまた探せる」
皆の話を聞いて思う。
「なんで、みんな!みんな他の人の死なんて願ってないにゃ!
他の人の命を奪ってまで願いを叶えたいなんて思ってないにゃ!それなのに、なんで……」
誰も願わないこの小瓶に、なんの意味があるのだろう。
キッと館の主を睨む。無駄だと分かっていても。
他の人の命を奪っても願いを叶えたい人が事実として存在しているから、こうして毎日人が死ぬのでは?
叫ぶように訴えるリコッタを眺めて思う。
静かに目を閉じて、その時が来るのを待っていた。
「悩んだけど、今夜占う人は【エーリカさん】を選ぼうと思っているわ。昨日のことがあるけど、昨日はライさんが死に、今日はミトさんが選ばれるでしょう。後回しにしないで何者なのか見ておきたい思ったの。」
また、この時間がやってきた。
自分以外の人の名を必死に念じる、この時間が。
その人に罪があったとしても……それは、館の主の娘や息子の力故のものかもしれないのに。
その人は、必死に抗って────それでも、泣き叫びながら人を殺してしまっただけかもしれないのに、その淡い気持ちすらも糾弾し、人殺しに加担する。
自らの手は汚れない、人殺しの儀式に。
目を開けていたら、自分が生きていても、死んでいても、何かに耐えきれない気がして。
私は、静かに目を閉じた。
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