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[私も同じ、彼女と同じ。最愛の人の思い出が薄れないうちに、送り届けて欲しかった。彼女の心境を思うと、胸が痛い。]
……みっともない姿を見せちゃったわね、ごめんなさい。
…ただ、早く歪みが見つかればいいと、そう思うの。彼女のためにも、早く。
[真っ直ぐと彼女を見据えて、そう答えた。]*
「あ!ちゃんとわかりやすいように言っとかなきゃ!あとで思い出すときわかりにくいと困るから。
えぇと、【占ってほしいのは、サヤカおねぇさん】だよ。
あぁ、これでいいかな。
じゃあ、ボク、ちょっとあそんでこよーっと!」
──ほかの歪みが見つかれば、もう少し協力していけるかもしれないじゃない。
[こてん、と首を傾け心の中で呟いた。]
……この世界に連れてこられた事には同情するわ。だって、私も同じだもの。彼の思い出を胸に、こんな空間を介することも無く、早くその命を終わらせて欲しかった。
あの神は残酷すぎた……
でも、きっと、今は幸せなはずよ。だって、その魂と共に、愛おしい彼の元へ帰れたのだから。
[ゆっくりと、空を見上げる。
どこまでも続く白い空間が、涙に滲んで揺れた。]
【彼女の知らぬところで、"歪み"は身体を侵食し続ける。
少しずつ、思考がおかしくなっていく。
少しずつ、自分がわからなくなっていく。
何かが壊れる音がした。
けれど、それに彼女が気が付くことはない。
"歪み"はそれほど強力で、
それほど彼女を魅了する力を持っていたのだから。】*
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