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[待ち合わせは夕食を済ませ、風呂へ行こうとする級友たちで宿に動きがある頃。
浴場へ向かう通路とは外れた、先程会った場所。
逢瀬のあと風呂に行きますよと言わんばかりに、着替えを包んだ風呂敷を提げていた]
こんばんは矢神さん、夕食はどないでした?
あ、うち食べるときまでこれ持っているわけちゃいますのよ?
[にこやかに話しかけて旅のしおりをぱさぱさしてみせた。
もしかしたら緊張をほぐす意味合いもあったかもしれないが、気遣っていると印象はまず受けないだろう]
元を辿れば僕が誘ったようなものだからな。
[>>195 君と見ることが出来たなら、記憶に残るはずだと。それに貴女が答えてくれたのだから、此方はそれに応えるのだ。
袖を掴まれたことで、その手の小ささを感じられて。何となくむず痒いような心持ちを覚えるのは、新鮮な感覚であった。]
星が…
[見えてきた、と。
木々が拓けて、明るさが増して。
その光景が自分たちの前に姿を見せる。
少し感じる冷気さえ、今の自分には心地良くて。暫く声も出さずに見上げていた。]
…真砂なす 数なき星の 其中に
吾に向ひて 光る星あり
[短歌を1つ、諳んじて。
この光景を見ようと思った最初の切っ掛けを、伝える。]
― ロビー ―
ええと……勝負の場はあれです。
さ、どうぞ。
[促した先にあるのは物陰にある背もたれのない長椅子。
中央付近で長椅子をまたいで座り、身を乗り出して自分の目の前のあたりの埃を手で払って見せた――向かい合って座れと言っているらしい]
今でこそ柔道は立って組み合いますが、古来の武術とは本来座って戦うものらしかったそうですよ。
剣道の居合ありますよね、あの『居』って座った状態って意味らしいです。
……なんて言ってますけれど、うちはそういう心得とかまったくないんやけどね。
で、真っ向から柔道やったらうちが勝てるわけあらしまへん……なので実力差を埋める意味でこの『座り柔道』で勝負しませんか? 座っていればそうすぐには投げ飛ばされないでしょうから。
あとねぇ……うちって柔道できないって言ってるのに。『柔道できないって言っているけど実は寝技の鬼』とか級友に噂されてましてなぁ
矢神さんにどう思われているのか存じませんけど、これなら寝技にも持ち込みにくいから安心ちゃいますやろか
[ほんまに柔道やってへんねんけどなぁ……って小さくため息。西野ぐらいの実力者には分かってもらえるのだが]
一本勝負、投げ飛ばされたり背中ついたりしたら負け
どないです――?
[肌身離さず持ち歩いている旅のしおりを床に置いて――本気でやりますよとアピール。
負けたらどうなるか、とかは一切付け加えなかった。
矢神が西野に勝利を誓っているとかはもちろん知らない]
もしですね。
[井村の軽口>>151を耳にして、しばしの間口をつぐむ。何か考えるような仕草をしてから、おもむろに満面の笑顔を浮かべてから]
もし、うちの前に、空っぽの箱をお持ちになって、それを千両箱だなんて、おふざけたことを仰って、あまつさえ、うちをくださいなんて口にされる殿方がいらっしゃるなんてことが、万が一、万が一、あったら、即、番頭さんにお願いいたしまして、その殿方をその箱に詰めて、閂掛けて、一山も二山も越えた先にある琵琶湖の真ん中に、百貫の重しをつけてお沈めいただくことになると思いますわね。
[と、一気に言い放ち、再度満面の笑顔で*返した*]
それでも、貴方を誘いたいと思ったのは私もですから
ともに見られたのならば、良いと思いまして
[どんな記憶になるかは分らないけれど
こうして星を2人で静寂の中見遣れば
小さく吐息が零れるというものだ
自分の手と対照的に彼の手は大きく。
掴めばきっと、自分の手は隠れてしまうのだろうとは思う
声すら。吸い込まれるような
そんな数多の星浮かぶ、漆黒の空は
流れ星の1つでもあれば願いを唱えようが
今は満天の中、煌めくだけなので]
自分に向けて、光る星を詠んだ歌、ですね
私もその歌は好きです
西野さんは自分だけを見つめる星を
……求めておられるのでしょうか
[その句で思い浮かべた方は方は
どなたなのかしら。と小さく笑って尋ねてみせたりして]
空はかる うてなの上に上り立つ……
[告げつつ、貴方にそっと差し出す本は
ギリシア神話、星座に関わる物語を
翻訳したものであります
お気に召すといいのですが、と小さくささめきながら]
[同じくお風呂に行こうとする頃、柔道着ではなく着物に袴姿で先に待つ井村の元へ]
こんばんは。食事、か。
[正直味もわからなかった]
そりゃあ、いつも持ち歩いていたら阿呆だろう。風呂とかどうするんだ。
[西野に解された緊張がまた甦って来たのも忘れた。
井村によって解されたとは気付かなかったけど]
[長椅子を指さされればびっくり仰天]
真面目に言ってる、のか。
[長々と話すのを聞きながら疑っている]
まあいい、どちらにしろ負けるわけがないから、それで良い。
で、勝ったら、若しくは負けたらどうする。
[旅のしおりを手放したのを、本気の証拠と受け取って、向かい合う形で埃を払われた辺りに座った]
>>152西野
本当はおさぼりしたかったんですけどね。
[当然の意味がよく分かって、冗談を言ってみる。ついでにぺろっと舌を出してみる]
おかげ?うち、なにかしましたっけ?
[自分で本を薦めたのを覚えていない]
あの本は何の本でしたの?また、時間がある時にでも教えてくださいな。
[と、別れ際にそう問うた*でしょう*]
[吐息の音も聞こえそうなこの静けさは、自らをもその漆黒に溶け込んでしまいそうな感覚さえ及ぼしているが。
引かれたままのその袖が、自分を此処に留めているような、そんな感覚。]
籠の中の鳥を愛でる趣味もないのだがな。
変わらぬものなどない。僕自身でさえ、知らぬ間に変容している。
[そう、関係性も。何時迄も同じでは居られなくて。
小さく尋ねられた言葉には、軽く肩を竦めようか。]
自分だけを見つめる星が欲しいだなんて、言わないけれど。為人を、知っていく中で。ふと感じたことに合うような気がしたから。
[君がその歌を好きなのはどうしてだい?と今度は問いを投げかけながら、彼女の手にしていた本を受け取った。]
-林間学校の夜-
[代返要員として、一人部屋に残っている。先生の見回りがあれば、代わりに誤魔化す役割だ。
二人の布団には、別の部屋から持ってきた枕を仕込んである]
逢い引きかあ。
[二人が戻ってくる頃には、寝息をたてて寝入っていること*だろう*]
あら、星が輝くとはいえ
籠の中の鳥というだけではありますまい
並ぶ双子星の様に
隣で輝きながら見つめ返すものも
あるかもしれませんよ
変わらぬものはない、ですか
確かにそうですね。時が経つにつれ
変わるものもあるでしょう
[自分の知らぬ間に、周囲の変化に置いていかれそうになる
そんな風に感じるのは己だけやも、知れず]
なるほど……ふと、感じたのです?
だとすればそれこそ貴方の変容かもしれませんね
今迄に星を見ても。そんな風に感じたことがあるのなら
別でしょうが
[自分がその歌が好きなのはどうしてか
尋ねられたなら、小さく微笑み]
だって。星が自分を見てくれているようだ、なんて
数多の人の中から、自分だけを見つめてくれる人がいる
そんな風に解釈したら浪漫ですし
それに、親の、子の背を慈しみながら見つめている
と、解釈すれば。親の愛を思い浮かべますし
解釈次第で、変わるのが面白いのです
[と、告げた]
んー……武道の勝ち負けに何かをつけるのはどうないなんやろって思いますけど……じゃあうちが勝ったら髪の毛一本ください
負けたら……うちが提示した勝負ですし何言われても断れへんねぇ、あとで好きなもの決めてくださいな
[この勝負によってどうこうするつもりは特に無いらしい。
向かいに座るのを確認すれば両腕を上げて、にこやかなままいかにも素人とわかる構えをとる]
――では勝負
…………はじめ!
[自分で発した掛け声とともに試合開始]
おっと、おおっ
わっ! これは……本当にお強いですねぇ
[お互い座っているので上半身だけのつかみ合いになるわけだが……それだけでも実力は遥かに違うのはお互いすぐに分かっただろう。
ただし――床につく足で踏ん張れば投げ飛ばされることはなかった。
長椅子にまたいで座ればそれだけ重心が下がるわけで……矢神がどれだけ熟練していても"柔"では投げようがないのである。
それでもかなり慌てることになったのは結構な計算外だったのだろうが]
[ではこの永久につかないであろう勝負を提案した理由はというと――
人があまり通らない頃合いの、そのまた物陰で。
長椅子にまたがって向かい合い、お互いの肘の裾やら襟やらを掴み合おうと伸ばし合う計4本の腕と、それが届く2人の体。
描かれるシルエットは、睦み合う男女と言っても過言ではないだろう]
矢神さん
また、逢えたね――
[柔道をしたまま、やっていること何一つ変えることなく。
ただ囁いて、柔道から逢引きに様変わりさせた――]
[また、と言うかさっきぶりか。
逢引きの約束をしたあのときの矢神にまた逢いに来た――といったニュアンスだろうか。
柔道でもしていなければ成立し得ないこの近距離、簡素な囁きはどうんな反応を起こさせただろうか。**]
[自分を照らす星、という解釈をしていたから。
解釈の違い>>209に、目を瞬かせた。
感じていた違和感に、嵌まり込むような感覚と。
広がったその世界に、覚える充足感と。]
これはまた一つ君を知ったとも、言えるのかもしれないな。
[立ち位置が変われば解釈は変わる。
_________ややこじ付けだろうが。柔道でも組み方が変われば受けも、力の伝え方も変わるのだ。]
入学してから此処までであれ、多くのものが変わって。
変わったことを、置いていかれたと感じるのは嫌だな、とな。
それを受け容れた上で、見届けられればいいのだろうと。
[口数が普段より増えているな、などと心の片隅に浮かばせながら、言葉を紡ぐ。
開いた頁には、瞬く星の物語が描かれているようで。ほぅ、と息を吐いた。]
髪の毛一本ならこちらが勝ってもあげてもいいけど、すぐになくすでしょうよ。
[ふん、と鼻を鳴らしてから組み合う…襟ぐりを掴み投げようとするが、なげられない。実力差はすぐに気付いたのに]
あれれ、おかしいなぁ。
[西野になら理由はわかっただろうがさっぱりわからず、しばらく組み合っていれば腕が痺れる感覚が]
え、また逢えたって
[意味がわからなかったが気付けば密着していて、お互いの息も届く距離で、こんな所を誰かに見られたら、何を思われる事だろう]
あ、の。そろそろお開きにしないか。なんだか気恥ずかしいし。
[かと言って手に込めた力を緩めたら負けそうだから、全力から少し力が抜け、火照った顔を少し背けた]
私も、西野さんの事をまた1つ
知った気がします
こんな風に和歌を教えて頂くのも、
その理由を貴方の口から聞くのも
同じ歌でも、考えの違いが
貴方の考えがこうして見えるのが
楽しいなと思うのです
[和歌だけではなく、貴方が今迄嗜んできた柔道や
すべての物事に関しても
同じような事が言えるのかも、知れません]
変化というものは悪いだけではない
……置いていくのではなく、成長と
考えた方がすっと気持ちが楽になりませんか?
受け入れるのは難しいかもしれませんが
それもきっと時が経てば。大人になれば
受容できるのやもしれません
その大人になるのが何時かは個人差はありますが
見届けるのではなく、同じ変化の中に身を浸し
寄り添うというのもいいかもしれませんよ?
[と。本を見ながら息を吐く彼を
淡く笑みつつ私は見つめておりました]
変化の中に、私も
……それは目から、鱗でした
[綺麗で花盛りな2人から一歩引いて
見守るだけの、ものとばかり
思っていましたからと
一歩踏み込んだ指摘に、目を瞬かせながらも]
これが、変化の中にいるということなら
悪くない感覚だと思います
[それは良いものである、と
彼にとってはどうであろうか
伺いながらの星空の、下]
……あら、それは申し訳ないです
だとしたら少しばかり疎外感を感じさせて
しまったかもしれないですから
[とはいえ、それを寂しいと思ったのか
それともただの新説心でかはわからねど
告げてもらった言の葉は
婉曲的ではありますが、確かに
前向きになってみようかと思うのに
効果的でありましたから>>222]
そうでしょうか、ね
……だとするのなら、私も
一歩前向きに進んでも良いかもしれませんね
なんだか、青春してるみたいです
[夜風も冷たかっただけですが
何処か優しくも感じられますけれど
矢張り体は正直で。思わずくちゅんっとくしゃみを1つ]
お開きにしようと言われても――
勝敗の成立条件に「まいった」は含まれていないので、やめられないんです。
投げ飛ばすか、背中がつくか――この逢引きはそれまでずっと続くんですよ?
[まだちゃんと柔道やっている気のようで、力は緩まない。代わりに顔を背けるさまはその色をよく表していて]
言われたとおり、試しているんです
矢神さんという――… お ん な 、を
[そう囁やけば。
右手をさらに差し込んで奥襟を掴めば――そのぶんさらに近付いて。
左手は矢神の右腕の肘の裾を強く引きつけて――そのぶん離さないように。]
男女の恋路に本当は興味はあるけれど、それを意識する機会がなくて――あのときだけその好機があって、赤くなってでも自分から逢引きに誘ってくれた、あのときの矢神さん……
また、逢えたね――
[もういちど同じ言葉を繰り返した……自分で意識はしなかったが、囁きは先程より甘く]
矢神さん、こっち見てほしいな……
や、実はなぁ…うちも、実際にやってこないに緊張するとは思わんかってん――
[言葉はいつもの調子でも、紅潮や高鳴りは隠しきれない顔を近付けて見つめ込んだ。
矢神が背けた顔が動けば、目が合うかのぐらいで少し体重を前に、彼女の方にかけた――]
うっくっ。
[いつもよりすこぅし甘い声を吐息に乗せて]
ああ。勝敗に、待ったは無かった、けど。
[井村の吐息が温かいと感じる]
おんなを……嗚呼そう言った、確かに。
[また逢えたは、逢引きを指す言葉。もっと寄り添われたら、井村の背中に両手を回して抱きしめるように、けれども負けたくない気は本能で、背中をつけたくないから倒れないように堪えれば、なお密着した]
嗚呼、ごめんなさい。わたしはおんなです。
[縺れるように背中に倒れ込めば、はらりと短い浅緋の髪が長椅子に拡がってその茶を彩った]
負けました。
[唇を噛んだ]
[体重をかけて、ゆっくりと倒していく。
前のめりになったせいで足が浮き、もしこのタイミングで投げを打たれればひっくり返る可能性はあった――が、組み合っていた彼女の手は襟ではなく、背中に回されてきて。
体が密着すれば、わたしはおんなだと告げられて――応える暇もなく、背中をつけさせてしまった]
試合はうちの勝ちやね
――起きれる?
[女を試してみろと誘われて、ここまで女であると見せつけられるとは思わなかった。
ゲームプラン通りに進んだはずなのに上手く行った気がまったくしない。
短い浅緋を手で梳いて微笑んで……それ以上何もしなくて、彼女を起こした]
決着もついたし、逢引きはこれで終わりや
今髪の毛絡んできたからこれ貰っていくわぁ
[さらに甘い逢瀬にする計画もあったに違いないだろうに、しかし進めることはせずに。
試合の前と変わったことは、梳いたときに手に入れた髪の毛を握り込んだ拳が開かず、それまで手を占有していた旅のしおりは懐に仕舞い込まれた。
そのまま――矢神が少し落ち着くまでただ隣に座っていて]
さて、部屋まで送ろっか?
それとも風呂行こっか、うちもこれから行くところやし
実は脱衣場柔道ってのもあってなぁ……
[やがて回復すれば、風呂敷を持ってそんな誘い――それは軽口を叩けるようになれるまで戻った自分のことかもしれない。
もちろん脱衣場柔道は嘘だが]
[矢神の回答がどうであっても、別れ際に添えた言葉は――]
…――ええおんなやね
[向けた微笑みは、羨望に近いものがあった――**]
― 居室 ―
[そのあと風呂に入り、その後また誰かと何かがあったかもで。
西野と顔を合わせれば、星見の成果を尋ねただろう――偽装工作の報酬としては当然の要求だろう。
面白おかしく語るような親友ではないが、だからこそそんな彼が逢瀬をどう報告するのか、楽しんで聴いて]
うち?
せやねぇ……試合に勝って勝負に負けたってああいうの言うんやろな。
[自分のこと訊かれれば、そうでなくても自分からそう述べただろう。]
ねぇ…――自分、「僕は男だ」って女の子に対して自信持って言える?
[追加でそんなこと聞いてから就寝。**]
[解放されて撫でられて起こされて、誇りがガラガラと音を立てて崩れていく]
あ、ありがとう。
[見事おんなを試してみせた井村にしおらしく相対する。
これから先も多分]
本当に髪の毛一本でいいだなんて。案外優しい所があるんだな。
わたしの風呂の順番は終わったはずだから、部屋へ。
[部屋までの道すがら、なにも言葉を発することができず、俯いて歩いた。別れ際の言葉に、耳まで赤くなったのは気付いて欲しくない]
送ってくれてありがとう。井村の男気も見せてもらったよ。
[もっと色々いたづらが出来たはずなのにしなかったのはわかっているから。立ち去る背中を見えなくなるまで見送った]
[部屋に戻って]
おーい、お園さーん、代返ありがとう。
[が、お園さんはすでにすやすやと寝息を立てていた]
あららおつかれなのね。そりゃあ昼間あれだけ歩いたら。
紫織ちゃんは大丈夫かな。
[未だ帰ってきていないようで心配ではあるが、西野がいれば大丈夫だろうと自分も先に寝た**]
ー回想・昼の遭遇に(回想時期:上着を羽織って貰うかどうかの下りの後)ー
おさぼりされて此処に2人しか来なかったのなら、悲しさは覚えただろうな。
[>>206 舌を一瞬出して戻す動作に少し目を遣ってから、続く言葉には動きが止まっただろう。]
憶えていないなら、構わない。
先日の坪内逍遙氏の翻訳なされた物語は面白かったぞ。今度、何かで話そう。
[憶えていなかったとしても、事実は変わらないことは分かっている。自分にとっては価値あるものでも、彼女にとっては路傍の石のような価値の言葉だったのかもしれないから。
それは、とても。残念ではあるけれど*]
ー居室ー
満天の星空が煌めいていてな、美しいと思った。
以前、本で読んで引っ掛かりを覚えた歌があって。その引っ掛かりを知るために観に行ったから。
まぁ…藤乃さん、井村が言うほど高嶺の華であったりはしないと思うがな。
[>>232 居室に戻った後、勿論待っていたのは彼の質問だった。予想され得るべきものであるが、不出来な恋路の弟子は元々下心的な物ばかりで行くわけでも無かったから、彼にとって面白いのかは分からない。一先ず、素直に答えるだけである。
高嶺の華のように扱うから、そう感じるのかもしれないと思った。
自分から彼に聞くことはない。ただ、彼が自分から話すことは聞いていた。矢神との逢瀬があることも。]
井村が提案した勝負なら、矢神が勝てるとは思わないがな。
……でも、まぁ。勝負に負けたというのなら。ぼくも少し安心するのかもしれない。
[他に同室の男子はいるのかどうか。何にせよ、耳元に口を寄せて]
[一瞬の変貌に、井村はどんな反応を示すのだろうか。
底冷えするような、自分の声は。少なくとも今、彼女に向けた思慕の情の発露でこそないものの。
親愛という名の元に発せられた言葉であることは、自らも疑っていなかった。
この言葉に意味があるのかどうかは、さて置いて。]
さて、明日も早い。寝るか?
[調子を戻して、そう問いかける。
話がひと段落ついたのであれば、そのまま寝てしまおうか*]
ー次の日・早朝ー
[設定された起床時間より早く目が醒めるのは何時ものことである。昨晩の宣言の代わりに、というわけではないのだが。
運動着で以って外へ出て、昨日の道を走破する。
山道は膝をしっかりと緩衝材にしなければならないことが問題ではあるが、どちらかと言えば慣れている。
息が切れない程度でその場所へと着いた。]
……。
[朝と夜では、印象が違う。
昨日満天の星空を見せたこの場所は、今は眼下に森を望む広場で。
状況が、立場が変われば全てが変わる。それを示しているように思われた。]
取り敢えず、戻るか。
[解散した後、3人のうち2人にしか会わなかったな…と思いながら。
昨日星見前に矢神と遭遇したベンチへと、向かって。朝に行動せねばならぬ時までいようかと考えている。]
−次の日・早朝−
[原田家の朝は早い。
今では地元の名士などと呼ばれるような豪商にはなったが、元々は農家の出自。家訓により、早寝早起きの癖がついている。産まれた時からそんな家庭に育ったものだから、夜のお誘いを掛けるなど思いもよらぬ事だった。むしろ、風呂に入った後は、消灯時間を待たずに就寝するほどであった。
朝起きた頃には、まだ外は薄暗く、二人もぴくりともせずに深い眠りについていた]
まあやちゃんも、紫織ちゃんも、おませねえ。
[矢神の前髪を軽く梳きながら、そんなことをぽつりと漏らす。かと言って、自分が特別奥手とも思わないが]
さて。
[少しのびをすると、自分の布団をきちんと畳み、身支度をして、手ぬぐいを持って洗面所に向かう。すでに起床している子もちらほら見える。洗面所の窓から見えた姿は誰のものであろうか、昨日も会った柔道家の君だったように思う。運動着で駆けていく姿から、朝の鍛錬であろうことは想像がつく]
....。
[顔を洗い、髪を整え、一旦部屋に戻ってから外に出てみる。件の男子学生が戻ってくる頃には逢瀬ができるかもしれないとの下心があったのかも知れない。
しかし、そこで逢えても逢えなくても、それは一つの運であるのだろう。
あの腰掛けに座って、朝の空気を堪能してみた]
そう言えば....
[昨夜の会話を思い出すにつけ、本の話になった刹那にほんの少し寂しそうな、残念そうな蔭が見えたような気がした]
坪内逍遥の翻訳かあ。
日本男子たるもの、日本文学を読まねばとお伝えせねば。
[しかし、思いついたのは全く別の方向であったりして、独白を呟いたりしていた]
うわぁ...ようございまあす。
[思ったより早くに現れた姿に少し慌てたのか、いきなり噛んだ。しかも、両手が少し踊ったくらいにして。なんとも挙動不審]
あ、はい。朝はいつも早いので。そちら様も、朝から鍛錬ご苦労様でございます。
あ....
[と感嘆詞を漏らしてから、おもむろに袂から桜柄の手巾を取り出して差し出した。果たしてそれは昨夜井村から戻ってきたばかりのあれである]
(嗚呼、もう少しおしとやかな動作ができないものか)
[等と、自分の挙動が不満であった]
あの...汗が...
そんなに固くならずとも。
[>>246 挙動不審な姿に一瞬訝しげな視線を向けるも、それは取り止めて。
昨日などももう少し柔らかい言葉遣いであったように思うが、何かしただろうか。
そう考えていた内に、彼女の袂から取り出される手巾で汗をかいてきたことへの意識を初めて行なった。走ってる間も多少は汗をかくかもしれないが、走り終えた後に一気に吹き出すのだ。
放っておいてもどうせ引くとは思うのだが、親切を無駄にするのも如何なものかと思う。]
…後日洗って返せば良いだろうか。
[返答は、如何に。
どちらにせよ、ありがとうと謝辞を述べ。気がつかぬ間に少し口角を上げただろう。]
昨日の疲れは取れたか?君も、疲れていたように思うから。
[徒歩でこれだけ歩いて来たことに対してかなり不満気であったことは覚えている。]
あ、いえ、そんな...
[怪訝な目を向けられたのがはっきりと分かった]
(嗚呼、もう....)
[と、後悔するも遅し。
さりとて、昨日、その前と全く状況が異なるのは、今日は二人きりだということ。いつも会う際は複数人同士での出会いと会話でしかなかったのだから。朴訥な青年にはそれが分からないのかもしれませぬ]
(若しくは、そういうことに慣れていらっしゃるのかしら?)
[夕べも藤乃の誘いを即受けしていたところを見るに、見た目より案外遊び人なのかも知れないと認識を新たにしたり。
ちなみに、かの友人井村の場合、遊び人というより、色魔の印象]
あ、いえ。そんな必要もございませんわ。
[そう言って、手を差し出したが、どう応答するものか]
足がぱんぱんでございますね。普段こんなに歩くことありませんから。
[言語が堅いのは自分も承知ではあるが、殿方と二人きりなどという場面にそうそう合うことはないだけに、自制ができないのがもどかしい]
西野さんは...さすがに、武術をやっていらっしゃるだけはありますね。
さらに、朝から鍛錬されて。
うちは、帰りがおっくうですわ。考えただけで汗が出そう。
[>>248 怪訝な表情を読み取られてしまったらしく、頭を掻く。
因みに、自分が特段緊張を見せていないのは。恐らく武術によって平常心を常に持ち続けるようにという訓練を課し続けているというのが一番大きいだろう。]
……恩に着る。
[何か返礼をすべきだろうかと考えながら、汗を拭くのに使った面をせめて内側になるようにして返す。
隣に何も言わずに座るのはどうかと考え、自らは立ったまま。]
…確かに、日頃身体を動かさぬ女性にとっては此処まで来るのも一苦労だろう。
僕は流石に毎日取り組んではいるからな。まだまだ未熟な身ではあるが、この程度であればな。
[ゆっくりと、調子を合わせるように言葉を落としていく。
緊張を掛けているようではあるが、話を辞めようとしているのでなければ。自らをそれに、合わせていこうと。]
…下りの方が、怪我は多いし。気をつけねばいけないな。
この程度...
[「恩に着せられても困ります」の言葉は飲み込んだ。受け取ったそのまま手巾は袂に戻す]
そうですね。普段は学校の体育くらいで。家事の手伝いと言っても、重労働には当たりませんし。
朝は毎日走っていらっしゃるの?
[所在なげに立っているのは気になったが、さりとて隣に誘うのも何かと思い、そのまま見上げる体制のまま話を続けた]
下りの方が怪我が多いのですか?
[山登りには慣れていないため、その手の知識はない]
[相手がこの程度、と思うことにこそ。その方の良心が映るから。だからこそ、感謝をするべきなのである。]
普段の体育だけでも、何もしないよりはいいのだろうな。
[何をしているのかは無論知らないが、それがなければ原田さんや藤乃さんは此処まで来れないように思う。]
普段なら他にも幾つかやるのだがな、此処ではやれないから。
[普段であれば剣道場で修練をある程度してから大学に向かう。物も場所もないから、最低限のことはやっておこうと。]
あぁ、足首を痛めてしまったりだとか、色々だな。疲労が蓄積しているのも原因の一つであろうが…君などは、心配だな。
[身体的なものも、そうだが。妙なところで気を抜いてしまって怪我する、などあっても良くない。とはいえ、今すぐに出来ることは思いつかないが。]
時に、家事の手伝いは日頃よりなのか?
[男子であるがために、自ら行うことはそう多くなかったもので。気付けばそのように尋ねていた。]
体育と言っても、お遊戯みたいなものです。女学校の体育なんて。
[校庭を散歩しているかのように歩いたり、舶来の「ダンス」と称して盆踊りを滑稽にしたようなもの等が主だった。もちろん、矢神などははりきって走り回るのだが]
ああ、でも、薙刀はちゃんとした運動かも知れませんわね。
[何故か薙刀だけは得意だったりする、瞬発力だけはあるのかも知れない。持久力はとんとだが]
他に...?
[ここでできないとなると、道場でやるなのかなのか程度の予想はつくが]
では、下りは気をつけて帰るようにいたしますわ。足首ですね。
[言われる通りに心に念を押した]
か、家事ですか?
あ、ああ、はい、母上のお手伝いなど。はい。
[婦女子たるもの、家事ができなくてどうするといつも母からは言いつけられるものの、数日に一度程度しか手伝いもしない。一人娘ということもあり、全体的には甘やかされて育ってきたのだ]
薙刀か、それはきちんと行うのであれば佇まいなども整うから美しいのだろうな。
[>>253 武道は、突き詰めれば美に届く可能性はあると考えている。勿論、心技体が揃わねばならぬのだろうが。]
…まぁ、型とかだな。
[剣道場を使って、存命していた頃の祖父に習った剣道の型である。柔道の型は、基本的に相手がいるものであるが。剣道であれば1人であれどある程度形になり得る。
まぁ、恐らく。飽くまで真似事の域は越えないが。祖父からの精神を受け継ぐと言う意味で日々行なっていた。]
ふむ…
[母上の手伝いなど、と言われて暫し黙る。実家を想起して。]
視野と見識を拡げるという意味ならば、家事も嗜むべきなのだろうか?
[大真面目に尋ねている。]
[美しいと言われて、鼓動が鳴った。今度から薙刀の授業はきちんとしようと思ったとかなんとか]
型ですか。
[剣道をやっているのは知らないので、柔道の型とやらを想像している]
...へ?
[彼の言う意味が一瞬では掴めず、戸惑ってしまった]
それは、西野さんが、家事をなさるということですか?
あの、お掃除はともかくとして、いくら世が変わったとは言え、男子厨房に入らずと申しますか、さすがに、お料理はどうなんでしょう?
[とは言え、巷では男料理なる言葉が生まれつつあるのも聞き及んではいるが、原田家の主は明治一桁産まれのごつごつの日本男児である]
楽しみというか、趣味?であるなら、それも愉しくはあるかも知れませんね。
[と、お茶を濁したり]
胴着の洗濯などは、昔から自分でやっていたが?
[>>256 自分の用いるものなのだ、手入れも勿論自分で行うべきであろうという家の考え方のものだ。]
本を読んでいてな。男女がこうあらねばならぬという当たり前の認識が間違っているような気がしてな。
大正2年には、女性も帝国大学に通う者が現れ始めた。その中で、自分自身も。今の時勢も見つめ直さねばならぬのかもしれない。そんなことを思ってな。
[自らに社会を変えるなどといった志まで、持っているとはいえないが。]
女性が男性がやるべきとするものに来るのであれば、逆もまた然りなのではないかとな。
料理である必要はないのだろうが。
[どうやら、反発は根強そうだと苦笑した。]
自由主義でございますか?
[ぽろりと出た言葉はそんな単語であった。特に教養だの何だのと気にしたことはないのだけれど、なんとなく最近大人たちが流行り熱のように語っている単語を口にしただけだった。
普段であれば、主義主張など、婦女子の口にすることではないと言われそうだが、この御人であれば、問題がなさそうとの思いで出たのかも知れない]
本というのは、先だってお読みになっていた御本でございますか?
[翻訳本だったというから、外国の思想にかぶれただけなのか、それとも、何か思うところがあったのか、少し興味があった]
まあ、まあやちゃんのような男女見てますから、いずれ、男女平等なる世の中が来るでのはないかという気はいたしますが、とてもうち等のような庶民にはあまり関係のない話と思っておりましたわ。
[矢神がいないことをいいことに酷い言いようだが。
反発はないが、そんなこと言い出す男子を初めて見ただけに戸惑いの方が先にあったのかも知れない]
…最近大人たちが言ってるそれか。それとは、違うと思うが。
[国家に対して人間は理性を持ち従来の権威から自由であり自己決定権を持つ、などと言ったものではない。
権威が不要だとは思わないからである。]
先立って…そうかもしれないな。
『天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと」いえり』とは、世の中に聞こえよがしに言われていることだと思うが、君なら『「人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」とあり。されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり。』と後に続くことは知っているだろう?
[自身は聞いていないが、彼女自身も引用している>>15。それに]
君がいきなり読んでみよと勧めたのだ、不慣れながら真面目に読んで考えてみた結果のつもりだ。
[そう言って、反応を見るべく視線を真っ直ぐに合わせてみた。此処まで言って忘れられていれば、それはそれで…と言ったところであろうか。]
[彼の言葉を黙って聞いていて、最後の台詞で思い当たることがあった]
あ!
[思わず大きく開けた口を、慌てて手で塞いだ]
そうでしたね。お勧めしましたね。
[あれは、いつのことだったろうか。卒業前の中学三年の冬の時期であったように思う。何の気なしに言った言葉だっただけに、すっかり忘れていた、確か彼を入れた複数人の男女で何かを話しているところで、『これからの世の中は、体力だけでなく、教養も付けた方がよい』等と、誰かの言葉の受け売りをしたのだった]
福澤先生は、男女平等の精神は謳ってはいなかったように思いますが、確かに今まで私たちが育つにつれ会得してきた知識とは全く異なるお考えでございました。
[と、真面目吹いてから、くすりと笑い]
西野さんは、本当に生真面目でいらっしゃるのね。
でも、それであれば、男子が女子の真似事をするよりも、女子の気持ちを掬い取る気持ちをもたれる方がよろしいかも知れませんよ。
ああ、でも、真似事をすることでその気持ちを分かるということも確かではありますわね。
...難しいところですわ。
[とミイラ取りがミイラになった]
君もそのように驚くことがあるのだな。
[>>260 ハハッ、と。此方も軽くながら声を上げて笑うのは珍しいかもしれない。]
あの時は國語が苦手でな、やれることはやってみるかと読んでみたものだよ。
[生真面目というよりは馬鹿の一つ覚えであろう。兎に角一直線に行ったのであるから。]
謳ってはいないだろうが、そういう考え方もあるだろうなと思ったのだ。それは人生経験によるものなのかは分からぬが。
[それこそ、矢神の存在も関与してあるのかもしれない。]
女性の気持ちを掬い取る、か。
それは、中々に難しいものであろうな。女性というより。一人一人の気持ちを酌み取ることは難しいから。
君の言葉もな、どのような意図で言っているのか。
それを分からねばならぬのであろう?
[そう、返答する。でも、まずは朝の遭遇時より雰囲気が柔らかくなっていることに、内心で安心を覚えるのだ。]
[朝、井村に遭遇すれば、その手が握られているか確認する。さて、どうだろう。どちらにしろ]
井村さん、おはようございます。
[しおらしく挨拶して周囲を驚かせた。井村の反応を気にすることなく通り過ぎた**]
― 朝食後 ―
や〜
やっぱ何かあると落ち着きますなぁ
無いと不便ってわけちゃいますし、むしろある方が不便とか邪魔だったりするときも多々あるんやけれど、それでもおってくれるのがええんですな〜
……男女の仲もそういうものなんとちゃいます?
[大人しかったのは手が独り身だった間だけで。
結局、空き家となった手に収まったのは、朝食時に掴んだ醤油差しだった。
醤油をこぼさないように気をつけつつ、立ち話で捕まえた誰かと楽しく話しながら新たな人生のお供を口元にかざして交流を深めていた。]
醤油差し持ってたな。
[笑えば良いのか怒れば良いのか、呆れれば良いのかと考えれば、呆れ半分笑い半分といったところか。
この日は何度か思い出し笑いをすることになるだろう**]
そりゃあ、ありますよ。そんな、冷血女に見えまして?
[西野が声を出して笑うのを見て、向こう様もそれなりに緊張はしていたのかなと思い至る。少し距離が縮まったのを感じた]
そう言えば、そんなこと仰っていたかも知れませんわね。
國語が苦手だと。
目から鱗と申しますよね。鱗が剥がれると、世界が広く見えるのかもしれません。それこそ、福澤先生の仰った、学問のすすめなのでしょう。
[勉強が嫌いなのどと日頃言った口が何を言うかというところだが]
人の心は万華鏡でございます。くるくると回る度に変化いたします故に、自分でさえも推し量ることができませんわ。
...あら、これは、誰の言葉だったかしら?
時に、西野さんが己の見識を広め、男女の役割のなんたるかを再考しようと思ったきっかけは何でしたの?
[けだし、矢神か藤乃のせいであろうことは容易に想像はつくが、念のために尋ねてみるついでに、自分の隣を指し、お座りになりませんかと誘ってみる]
いやいや、冷徹だとは思わないが。
[>>267 そう言い返す様子にまたクスリと。
心理的障害が少し減るような感覚。]
鱗が剥がれれば、傷つく余地も生まれそうなものだが。変化への土壌と言い換えても良いかもしれないな。
[恐らく、一年前と比べれば自分も変化があると思う。それがきっと、学問によるものなのだろう、とな。]
確かに、な。自分自身のものでさえ、うまく説明出来なかったりするのだし。
[隣を示されれば、言葉に甘えながら。彼女の言葉の続きへの返答を考えて。]
……広範なことを言えば、自らの周囲全般、となるだろうが。本を読む間に思ったことであるから、君の読書の勧めが切っ掛けと言えるのではなかろうか。
それまでの僕は武術と親から伝えられた精神論的なものしか知らなかったからな。
[思考には知識が必要である。
現状に疑問を持たなかった自分は、書を読むことで小さなものながら疑問を持つようになった。]
…だから、君の言葉は。
あの時の僕にとって、無類の価値を持っていたと思う。
[今更になってしまうのだろうが有難う、と。座って距離が近くなろうと、目を見詰めたままに伝えた。]
それならいいんですけど。
[そう言って微笑んでみた。西野の表情も幾分和らいだ気がした。西野が横に座る素振りがあれば、自分は少し腰を動かして距離を置く]
変化には必ず何かの犠牲があると言いますよ。それの対価が自分にとっての価値であれば、土壌と呼べるのでしょうね。
うちの一言が西野さんの糧になったのであれば、嬉しい限りですわ。
...うちは、すっかり忘れていたのだけれど。
[と、少し自嘲気味の笑いを浮かべてから、じっと見つめられた瞳に見入る。]
あ、あの。
男子校は今日はどのようなことをされるのですか?うちは、調理実習らしいですが、それを皆さんで食べていただくらしいですの。
あの...うちの料理食べてみていただいてもいいですか?
[料理に自信は全くないけれど]
男女の役割に変化はあったとしても、得意不得意はあるわけで、得意な方が得意なことをやった方が、社会的に効率が良いでしょうね。
[なんだか訳の分からない言い訳だったりする]
だった、ということは
今は違うのでしょうか……?
[過去形にそう尋ねる、本の虫であり続けた己は
多分彼よりも情緒には疎いのであろうとは思う
言葉が足りなかったよりも、
多分自分が自分を卑屈に思っているからこそ
伝わらなかったのやも、しれず
高嶺の2輪を見上げる人らを見守るはこべの花は
小さなくしゃみを1つして
そうすると正面から学ランが
ふわり、と衣の上へと]
わ、いいのですか?
あの、その。ありがとうございます……
[その時の自分の頬には朱がさすだろう
腕は流石に大きそうなので
肩に羽織って、歩く形になろうけれど
ほんのりと温かくなった帰り道
貴方は寒さは大丈夫?と尋ねながら
草の根踏み分け宿舎の方へ*]
― そして翌朝に ―
[一夜明けての変化はまあやちゃんが顕著に
あらわれていたのではないでしょうか
普段であればかみつく井村さんへと
柔らかく挨拶する様は、まるで蕾が花開くよう
ふ、と。彼女と仲の良い西野さんが
この光景を見遣ればどう思うのであろうな、と思いながら
自分は朝餉をもぐもぐと食べているのでありました*]
−朝 西野との会話の後−
[食堂に向かうと藤乃が先に食事をしていた]
おはよう紫織ちゃん。
[と、声を掛けてから、そそと近づき]
西野さんとの星見はどうだった?
[逢い引きと言わないところが、多少気を遣ったつもり]
― 翌朝の ―
おはよう、お園さん
星見ですか。ええ、とても面白かったです
個人個人による解釈の違いで
同じものをみているのに、違う感想になることとか
昨日は代返、ありがとうござます
私が一番遅かったみたいで……
[此方も声を潜めて、内緒のお話
気遣いに微笑みながらの、言の葉をひとひら]
星を見るのに、解釈なんて要るの?
[ある意味斬新な発想だった。月を愛でるのと同じように、星は星で綺麗だと思うくらいしか思い当たらなかったから]
ううん。大丈夫。先生、一度しか見に来なかったから。
[実のところ、寝ていたので、何度来たかは定かではない]
寒くなかった?何時頃?戻ってきたの。
[最後だったということは、矢神の方が先に帰ってきていたのだろう]
例えばですけれど
星を綺麗だな。って想ったら
どうして綺麗だなぁと思ったのか
とある人は、輝いているから綺麗と思った
とある人は。色が鮮やかな金色だから綺麗だと思った
綺麗、にも違う捉え方、見方での
綺麗があると知ると、面白いなと思うのです
[素直に愛でられるその気性こそ、自分に足りない物
なのだろう、と思う
まあやや園子の女の子らしさはそこから来ているのだろうか]
そう。よかったぁ……
12時前には戻ってきたから大丈夫
[それに、羽織ったぶかぶか学ランを思い出せば
ほっこりと笑むのでありました]
嗚呼、なるほどね。
[二人が昨夜どんな会話をしていたのかは分からないが、そんなやりとりをしていたのだろう。今朝自分がしたような下世話な話ではなく、もっと浪漫的な、園子からすれば、まるでお伽噺のような世界だったのではないかと想像した]
12時!よくそんな遅くまで起きていられるわね。
[ということは、西野はそんなに寝ていないことになるけれど、今朝の様子ではそんな素振りもなかったが]
ねえねえ。今日の調理実習、何作るんだろうね?
まあやちゃんおはよう。
探してたの?
ううん、全然。ってか、そんなに大きな声で代返とか言わないの。
[周りを気にしない矢神に、指を立てて、しーっとやる]
― 男子のお時間 ―
川で伝統漁法を学ぶ、ですか。
海の漁とはまた違った趣があってよろしおますなぁ
[以上、先生から説明]
……食事込み、ですか
現地調達ってやつですね、いけずやわぁ
[以上、先生から説明]
そうですね、少しばかり遅くまで星を見すぎたようで
後で西野さんに謝らないといけないですね
遅くまで、つきあわせっちゃって……
調理実習。作るとしたら何でしょうかね
とはいえ、美味しいものができて
それをみんなで食べられるのならこんなにも
良いことはないと思いますが
……あ、まあやちゃん。おはようございます
[代返を、大きな声でばらしちゃうその姿に
くすくす、笑ってしまいました]
探してたの。どうしても会いたくて。
あ、ごめんね気づかなくて。し〜、だね。
なになに、調理実習の話をしてたの
楽しみだね〜。料理はちょっとは得意分野だからさ。
今朝会ったときには、そんなに眠そうにはしてなかったけど。
[つい、が出てしまった]
あ。何作るか、先生に聞いてこよう。
すぐに戻るね。
[そう言って、矢神と入れ違いに席を立って、職員たちのいる方へ向かった]
えー、紫織ちゃんの料理美味しいのに。お口に合うから嫁に来てよ。なーんてね。わたしが男だったら紫織ちゃんを嫁にもらうのになぁ、本気で。
[そう言って片目を瞑った。憧れの君は恋愛対象ではないらしい]
まぁ、それは嬉しいことをおっしゃって下さいますのね
まあやちゃん。嬉しいです
……お園さん?
[今朝あった。と
さらりと言って、去って行ってしまった園子
彼女の事です。さばさばとして明るい
そんないつも通りの発言ではあると思うのですが
少しばかり不思議な、不安げな影がよぎるのは
どうして、でしょうか]
だって紫織ちゃん可愛いし、ちいさいし、そりゃわたしからすればおんなのこみんな小さいけど、そういうのじゃなく。
あ、お園さーん。
[あっという間に先生たちのところへ行ってしまった]
どうかした、紫織ちゃん。お園さんが居なくて不安になったの。兎に角そんな表情似合わないよ。あ、井村さんに笑わせてもらうと良い。今日は醤油差し持ってたから。く、くく。
聞いてきたー。
[しばしして、戻って来ると]
なんかね、お煮付けが主なんだけど、男子校の方は、川釣りに行くらしいの、それで、男子に内緒で、彼らが釣ってきたお魚を捌いて調理するかも知れないんですって。もちろん、釣れればの話だけれど。
なんか、男子校をびっくりさせるつもりらしいわ。
[と、まくし立てた]
― 一方その頃 ―
女子は調理実習らしいですなぁ
きっと美味しいもの作って食べるんやろなぁ
せや、もし魚釣れなかったら女子が作ったもの恵んでもらえるかもしれませんなぁ
男子の誇り?
そんなのあるから女子と上手く話せないんでっせ、そのときはうちが頭下げに行くさかい安心しーや
[思いっきりすれ違っていた]
んー……不安になった、というけれど
なんだか2人とも一晩経たない間に
雰囲気変わったなぁ、って
[皆さんにどんどんおいてかれちゃう気分、と
小さく微笑みながら]
……まあやちゃん、井村さんと
なんだか仲良くなったんですね
良かったです
[楽しそうですね、と
思い出し笑いをする彼女にふふり、と。笑みました
そんなところで……
速攻で帰ってきたようで。お園さんはお園さんでした
あれ。私の気の所為だったんでしょうか?]
じゃあ、うちもご飯食べよう。もう、ぺこぺこ。
まあやちゃんは?まだ?
[矢神がまだであれば、一緒にお膳を取りに行き、一緒に食べ始めるだろう]
わ、わたしはわたしだよ。井村さんとは、仲良くなったのかなぁなんだか遠くなった気もする。わかんないけど。でも、醤油差しだよ、醤油差し。これが笑わずに居られようか。
[また笑っているとお園さんが戻って来た]
へー男子校との合同作業ってやつか。面白そう。川魚ってあんまり触ったことないけど。
ご飯、お供しま〜す。
[お園さんと紫織ちゃんと一緒に朝餉]
林間学校に来てよかったな。
[夕餉の分まで取り返そうとたくさん食べた]
醤油差し?
[話の途中から聞いたので、何のことやら。
再度、矢神から詳しく聞けば]
あの人なんなの?
笑うていうか、もう理解不能。
[園子のツボではなかったらしい]
箸が転んでも面白い
そんな時期なのでしょうか。青春ですねぇ
[協力授業の内容聞けば、あらあら。と]
魚釣りですかぁ
新鮮なおさかなを焼いて、
白米と一緒に頂くのは美味しそうですねぇ
[なんて言いながら、ご飯を食べ終えたなら
少々林道の散策にでも出かけましょうか]
― 川 ―
けっこう近いんですなぁ
ええこってす
[多くの級友が川の流れを見ている中、自分だけここまでの道程と宿舎を見やっている。
無学の頭の中で働いているのは、宿舎からここまでかかる時間――言い換えればここから宿舎に戻るまでの時間と、さらにここに帰ってくるまでの時間、あと宿舎で要する時間を足してどれぐらいかかるか、という計算。
出した答えは、こっそり抜け出して女子の活動を見に行くことも女子を呼ぶのも可能、である]
えー、お園さん面白くないんだ。どうやって持ち出すか、誰かに叱られないか、気にならない。
[見渡す範囲に井村は居なかった。残念。代わりに西野を見つけたかもしれないが声をかけに行けなかった]
というか男子だけなんでこんな早いんでしょうか
女の子たちと一緒に朝食をいただきたかったのに
[男女別行動であるが、行動の開始のタイミングも別だった。
男子の釣果によって女子の調理実習が影響を受けるため、男子のほうが先に動かなければならない事情があったためだが――さすがに知る由もなく。
おかげで朝食も仲良く一緒にとることもできなかったと不平を鳴らす……が、本当は醤油差しを掴むまで醜態を晒していたのでただの取り繕いである]
あ、紫織ちゃんまたあとでね。
こっちに来てから元気になったね、帰りは楽勝かもね。
[お園さんの朝餉の倍は食べてごちそうさまでした]
― 川 ―
いろいろあるんですなぁ……
漁法の選択も勝負の鍵のひとつ、ってところやろか
[紹介された漁法はかなり種類が豊富で。
大別すれば竿によるもの、網によるもの、設置物によるもの、そういうもの介さないで直接針に引っ掛けたり銛で刺すものなど。
好きなもの(複数可)選んで、とにかく結果を出せと]
……ま、これで。
[自分が選んだものは当然ながら設置系で。
自由な時間を作りやすいのと、醤油差しを手にしたままでは細やかな技術が求められる漁法は不利だからである]
気になる方向、そっちじゃないような気がするけど。
[とは言え、矢神はいつもこんな感じだから、井村と気が合うのかも知れないなとは。気が合うというか、一方的に矢神が井村を笑う方向]
(あれ?井村さんとはあまり気が合わないのではなかったっけ?)
[確か、春先は火花散らしていたいた印象。どこかで何かあったのだろうか?その辺の心境の変化は園子には分からない]
じゃあ、行きましょうか。
[藤乃に誘われるがまま、散策に出る]
価値と呼ぶか土壌と呼ぶかは、当人のその時の感覚次第だろうな。
[>>270 他人のそれを、受け入れて寄り添えば良いのではないか、と聞いたのは昨日のこと。その声を、思い出しながら。]
…川で魚の伝統漁法を学ぶなどする筈だ。もしかしたら、それも関係しているかもしれないな。
[「皆さんに食べて頂く」のなら。校長が意図してこのようなことをやっているのなら尚更であろう。
原田さん自身の料理を食べて欲しいのは、きっと。知らぬ者より知る者の方がいいからだろうか…とまで考えて。]
僕で良いのであれば、喜んで。
…井村からは守らないとならぬな。
[そう、冗談も交えながら。
さて、まだ起床用の鐘の音は聞こえぬが。そろそろ、時間切れなのかもしれない…と。何となくの気配で察した。]
ー回想・星見の夜にー
…はは、どうだろうな?
[そう言って笑みを一つ送り、学ランを着せる為に顔の距離が近づいて。先程は落とさなかった、言葉を一つ。]
君も、いや。君は綺麗だからな?
[はてさて、これは井村に似てしまったのだろうか。
さて帰ろうか、と顔を離してながら声をかけて。帰路に着くことであろう。彼女の表情を、しばらくは確認することもない。
袖はいるか?と問いかけながら。
寒さは、自分には特段感じられなかった*]
魚釣りなさるのね。頑張って。
[>>304に、力こぶをつくる仕草で励ましてみる]
じゃあ、うちも頑張っておいしい料理作ってみるね。
はい、井村さんからは死守してくださいな。
[そう言って、笑った。そろそろ学生たちの姿が散見されるようになったので]
そろそろ、時間ね。みんなも起きてくるし。
では、また後ほど。
[深々とお辞儀をして、その場を*立ち去った*]
― 回想:星見る夜に ―
……もぅ、いけずです
[と言いつつも、笑みを見せる貴方に
私の眦は緩んでいたので
拗ねている様子など言の葉だけでしょう>>305
唯、学ランを肩に重ねて呉れた貴方の
その言の葉には、息をのみましょう]
私は、です、か
貴方も、その……男前ですよ
[3人それぞれを誉めた貴方が、今は自分だけを誉めている
それも心境の変化なのか、それとも
今この場に私しかいないからなのか
世辞か、本当か。なんて普段であれば考えるのでしょうが
星に充てられたのでしょう
私も素直に、その誉め言葉に笑んで
お返しに思うことを吐露しておきましょうか]
[並び歩く帰り道。此方を向いてくれない貴方は
帰路、何処を見ていたことでしょう
問いかけには、じゃあ頂いても宜しいですか?と
小さな手で、貴方の御袖をつかみましょうか
寒くないのであれば。私が寒いので、と
かじかんでこけてしまいそうと言い訳、1つ
寒空の下、明かり見える宿舎まで辿り着いたなら
学ランを畳んでお渡ししましょうかと
その際、機会あれば今度は月でも見に行きませんか。と
お誘いも1つ、落としておいて*]
ー朝餉ー
[何故、気がつけば他校の生徒…いや隣の女子校だが…とすれ違うのか、と思うがそれは同じ宿泊所での朝餉だからである。時間帯が同時か否かは分からないが。
さて、結論から言うと矢神の井村への挨拶は目撃していない。遠くに一度、ちらと視界に入り。
直感的に何かの変化を感じ取ったが、「試合に負けた」所為であるのか、それ以外なのか。はたまた勘違いなのかは判らずに。]
…………。
[静かに、箸を進めていたことだろう*]
― 川 ―
かかるとええどすなぁ……
あ、ちょっと小用に
[小の用と思わせておいて、宿舎に飛んで帰る小さい用件。
級友に場を任せて移動開始。
間際に西野の釣果が見えた、結構な釣果なようだ]
[宿舎に戻れば、仲居さんやら他の宿泊客やらに聞き込み、女子たちの料理場を聞き出す。ここらへんの会話術はお手の物。]
なーなー、何作ってますのん?
味見やら客観的な審査員でも何でもやりますえ?
もちろんうち宛に作ってくれててもええですよ?
[群れから離れた小魚を狙う大物のように、少し遠巻きにいる女子を狙って物陰から声をかける。
――顔見知りでも気にしない。]
そそっかしい 原田園子 は肩書きと名前を 女学生 原田園子 に変えちゃったよ。
[星夜からの帰り道は、兎に角彼女が転んでしまわないように道を気にしていたことだろう。
それだけが、理由と言えるかは。自分でも今は分からぬが。
月夜へのお誘いは、機会があればなという返答を返したものの。その返答の場合はあり得るということは、彼女ならよく知っていることであろう。
また後ほどというその声も、釣りの間に想起されて。
ゆらり、ゆらり。
井村がいなくなる時には軽く手を振るに止める。止めて止まるような奴ではあるまいから。]
【業務連絡】
明日朝六時に、村開始いたします。
【男のコ、女のコの選択に誤りはありませんか?指さし確認お願いします!】
あと、肩書きも明日朝以降変更できませんので、変えるなら今のうちですよ〜。
以上、よろしくお願いいたします。
新入生 西野圭一 は肩書きと名前を 黒帯 西野圭一 に変えちゃったよ。
新入生 藤乃紫織 は肩書きと名前を 本の虫 藤乃紫織 に変えちゃったよ。
新入生 井村あずき は肩書きと名前を 誑し屋 井村あずき に変えちゃったよ。
と言うか、そちらの学校は、釣りなんじゃなかったでしたっけ?
早く釣ってきてくれないと、こちらも調理できないんですけど。
[と、びっくりさせるはずは、ネタばらししてしまった]
園子さんじゃないですか
お久しゅうございますなー
[昨日ぶりです]
女子が調理実習しとるって聞きましてなー、興味わきましてん
何作ってはんのかなって
美味しいもの作ってはったらご賞味させてくれへんかなー
あ、でも園子さん、料理の腕前は、れいて……あいたっ
[何か見えない硬いもので頭を殴られたような気がした]
はい?
[さすがに閃くまで時間がかかった]
……。
つまり
うちが釣った魚を園子さんが調理してくれると?
[誰にどの魚が当たるかなどわかりようもないが]
あっ、あっ
[ネタ晴らしと、不審者さんの見覚えのある姿に
ちょっぴり困り顔を浮かべた所――
彼がお園さんに告げた言葉に
私は生まれて初めて本気で怒りました]
失礼なことを仰るのではありませんっ!
……お園さん。あの軽薄な舌、
ぎゃふんといわせてあげませんか?
私、お園さんのお手伝い致しますから
[男が魚釣り、女が調理。皆で協力するもの
隣同士の学校の初めての共同作業でもありましょう
それを、揶揄であることは分かっていましたが]
貴方は、作る前から
そう言われてお園さんが喜ぶ人に思えますか
誰かに愛を囀るのも、色々と褒めるのも良いことです
それがあなたの真摯な心の1つなのでしょうから
でもその口で。揶揄で誰かを貶めるのは辞めてください
課題の一環であっても
誰かの口に入るものを作る私たちは一生懸命なのです
それがたとえ冗句であろうとも
私、友達を馬鹿にされて
許せるほど大人ではありませんの
そこで調理風景を……
[す、と指さす土間。ええ、まごうことなき土間]
おや、藤乃さん
昨日ただでさえ長い移動でお疲れと思っていたのですが、すぐにご就寝されなかったそうで……気になっていたつもりだったのですが、お元気そうですね
[気になるは心配したの意ではなく、さすがに自重したの意味である]
目ぇかっぽじって一挙一動見て御覧なさいな井村あずき
[すらりと抜いた包丁、割烹着をびしりと着替えて
皆の調理風景を見てから
同じことを言えるものならおっしゃいな、と
何か1人で燃えているけれど
当然冗句と分かっている園子やらは
1人でかっかしてるなぁとか思うかもしれませんね
後で我に帰れば悶絶もので土下座状態でありますが
本の虫は今、猛烈に激おこぷんぷん丸でありました]
嗚呼。
[と、後悔の感嘆詞は、藤乃の怒りの言葉が覆い隠した。
「あ、いえ、うちの料理、確かにそんなに自信はないのだけれど」と言いかけて、藤乃の剣幕に言い出せずに]
あ、うん。
[と頷くだけで]
よろしくお願いします。
[と、藤乃に頭を下げた]
お、おう――
そこまで言われて釣れませんでしたでは済まされそうですねぇ
よろしおま、園子さんのぶんも藤乃さんのぶんもええ魚釣って来ますわ
――素材がいまいちだったから仕方がない、なんて品評はうちもしたくありませんからね
[のんびりと仕掛けを設置しただけ現状では無理だろうが、藤乃の剣幕に受けて立たされた]
あ、あの...紫織ちゃん...。
[さすがに包丁を抜いた時には、制止の構えをとった]
あ、ありがとう、うちのために。
でも、それはさすがに。少し落ち着こう?
[そう言って、なだめようと]
ええ、ではいい魚釣ってきてくださいまし
油のよくのった物でお願いしますね
――遅すぎたら、他の方の釣った魚で
お召し上がり頂く事になりますけど
そうなさらない自信、あるのでしょう?井村さん
[ということで。意訳として。魚持ってきたら
調理風景を見てなさいなと戦闘宣言
……ええ無論、彼が魚を取りに行った後
私ったら1人で決めてしまって申し訳ありませんんと
園子に謝り倒す本の虫がいたとかいなかったとか]
ええですなぁ
割烹着もよう似合(お)て
――うちのためにあんなに燃えてくれるなんて光栄やわぁ
[目をかっぽじるのは割愛したものの、藤乃のさまは一挙一動見ていた。
ばーにんぐの理由はまったくもって違うのだが、逸し方は天性か]
……園子さん
どうしても困ったら、これ使うとええですよ
[燃えて視界が狭いであろう藤乃を尻目に、園子に近寄って――持っていた醤油差しを手渡した。
何か手にしていないと落ち着かない種のこの人間が、自分から手放すのは相当な珍事である]
んじゃ、いったん失礼しますわ
釣れるんを楽しみにしとってください
釣れるよう応援よろしゅうにな
この方角でまっすぐ行ったところにおりますさかい
どうせなら一緒に釣った魚のほうが美味しゅうなるんちゃいます?
[さすがに来てくれるとまでは思っていなかったが]
[園子が井村と釣りに行こうとするなら止めはしないだろう
そのままご飯を炊いたり、味噌汁の具を刻んだりと
メイン以外を作る作業に入るだけでありますし
視界が狭くなっている現在では
誰かが抜け出したとしても気づかぬまま
料理に没頭している事でしょう]
― 川 ―
……ちゅうこっちゃやねん
西野くんも美味しい料理食べたかったらどない?
――魚よこせなんて言わへんよ
[釣り場に戻ると西野に事情を説明した。
彼が乗っかる可能性については女子たちに言っていないが。
結構な数を既に得ているようだが、そこに美味そうなものを厳選するなら今少し努力と運が必要かもしれない]
はー。
[なんだか怒濤の瞬間が終わった。藤乃をなだめ、井村を牽制し、しかも意味不明な醤油差しを渡され、終いに井村の逸し方に愛想が尽きた]
紫織ちゃん、大丈夫?
いえ、いえ、そんな謝ることもないんだけど。うちの為に怒ってくれたんだし...むしろ、嬉しいよ。
[とか、なんとか言って、おこおこがぺこぺこになってしまった藤乃をまた別の意味でなだめるのに時間を要したとかなんとか]
――意外と捕れるもんなんやなぁ
[手抜きのために選んだ設置系の漁法。
魚の通り道にガラス瓶を沈めた、簡素な罠。
引き上げてみれば確かに魚が捕れている。
これは簡単だ――と感じたが、漁法を説明してくれた漁師によると、瓶が透明なのでどこに沈めたのか分からなくなるので廃れ気味な技法とのこと。けっこう寂しい話。
見た目や脂の乗り方を採点するなら―― 93 17 78 ]
[普段の賄いは、母と女中さんが行うので、厨房に立つことはあまりしないのだけれど、手慣れた先輩方の作法を見よう見まねしていたこともあり、自分が思っていたよりは下手ではないことが、実習で分かった。
そう言う意味では、実習の意味があったのかも知れない]
でも、うちの女中さん、みんな上手なの。うちなんて足下にも及ばないと思ってたわ。
[藤乃に良い腕と言われれば、そう謙遜してみる。良き師匠あれば良き弟子ということなのだろうか]
[迷いなく川魚の腹をさばき、取り出す内臓
鱗を包丁の裏でこそぎ落とし
流水で中を洗って下処理をこなす
その工程一匹3分の早業
棒櫛に通し、じっくり炭火で焼けば
美味しい鮎の塩焼き御膳のできあがりでございます
無論、園子さんのお手伝いを
此方は務めさせて頂きました。あなかしこ]
……。
[頭数は揃ったが、これでは期待(←)に応えられるとは思い難い。]
次、次のやつ……!
すみません、もういちど教えてください…!
[あのときは女子のところ行くことばかり考えていて、漁師さんの説明は右から左だった。
今度は頭を下げ、もういちど説明を聞き直し、何が自分に合っているのか助言ももらって]
これは、いけそうな気がしますなぁ
名前がええどすなぁ
[多数の針をつけた糸を垂らす。
先端の重りが川底についたら、アクセントを付けて跳ねさせ、その動きで針を踊らせ――寄ってきた魚を引っ掛けて釣り上げる。
――跳ねさせ方の言語的表現からピンコ釣りと呼ばれている、ちゃんと実在しますからね。
なお釣果は――3(10)匹。]
…………。
[欲しいのは質だが、厳選のためにももう少し数が欲しかった。
餌もつけない漁法を初めてやってこれだけ釣れれば上出来と言えなくもないが。
それでも欲しかった]
…………。
[何も持っていない、独り身の左手が落ち着かない。
いいものが釣れたか自信がなくて、助けを求めている。
なお見た目や脂の乗り方は―― 97 17 90 ]
……これと、これと、これかな
西野くん、どない思います?
ありがとうなー
んじゃうち行くわっ!
[料理の経験や才能が皆無なので、正直なところ本当に美味しい魚がどれなのかは確証が無い。
自分の才能は、それを抵抗なく他人に聞けることだろう。
奇跡的になかなかいいものが釣れているらしいのがわかり、厳選した三匹(93 97 90)を魚籠に入れて駆け出した]
お待たせしてすんまへーん!
これでどないや?
どないや? は、はぁ、はっ……
[魚籠を女子たちに差し出した。
柄にもなく全力で走って来たらしく、息も切れれば前髪も張り付いている]
村の設定が変更されました。
村の設定が変更されました。
ええですなぁ
女性が料理している後ろ姿というのは
夫婦の間柄とかだと終生この光景に飽きないんやろなぁ
[藤乃のお墨付きがあるので、女子たちが料理しているさまを後ろから堂々と見学。
自分が釣った魚がどう調理されていくかも見ごたえあったが、それ以上に目を奪われたのは、まさに女性の見せ場の姿。]
ねえねえ、今度、藤乃のお宅で料理教えてもらいに行っていいかしら?
[何故か急に花嫁修業に精を出したくなった園子であった。
そうそう、藤乃のおうちは和食を生業にしているのでしたね]
特に、その...お魚の扱い方をば。
[包丁さばきも含めてと念を押して]
これはすごいものできそうやなぁ……
[料理については積極的に覗き込まなかったので詳しくは見ていないが、相当本格的なものが出来上がりそうである。
ちなみに…… 少食0 ← 49 →100大食 ]
[できあがった料理は教職員がとりまとめて皆に配る段取りのようだった。なので、こっそりと西野の分を別途小皿に取り分け、後で隙を見て渡すつもりでいた]
井村の分、どうする?
[井村が持ち込んだ魚の分は、本人が食べたいだろうからと思い、藤乃に相談してみる。もし、矢神が嫌がらなければ、彼女に持たせて井村のところに運ばせたかも知れない。
園子が持って行くつもりは毛頭なかった(←]
あ、醤油だけ差しておくね。
[さっき渡された醤油差しから、鮎に数滴の醤油を垂らしてから、矢神に魚を持たせたことだろう]
あの。これ。
[片付けをしている最中に、こっそりと抜けだし、教職員や仲居たちに紛れて、男子校の一団に入り込み、隠れるようにして、西野に小皿を渡す。
返事も聞かないうちに、そそくさと厨房に戻って、何事もなかったように振る舞うので*あった*]
折角の功労者ですし
食べて戴きましょうかね
持っていくのは――
[誰が良いかしらと呟けば、最近彼と仲良くなった
まあやちゃんを選んだのを聞き
彼女が嫌がらないのならばその皿を持っていくのを見守りましょう
園子が途中抜け出したことは知りません
唯――]
[其々が井村と西野に魚料理を渡している間
私はといいますと、他の教職員の方達に
料理をと配膳をしておりました
はっと気づけば自分の分はなく
苦笑したものではありますが、もう食べましたと誤魔化して
調理実習を終えたなら、1人離れて小川の方へ向かい
他の方たちが食べるであろう楽しげなささめきを後ろにして
1人、木々の中小さくなって
小川のせせらぎに耳を欹てておりました
あでやかに咲く花が2つ、其々の蝶の前で揺れるのを
遠くで眺めるなずなが1つ
少しばかり疲れたと寂し気に
唯、呟いて目を閉じましょうか**]
[矢神が料理を持って来れば――彼女が調理したものがあればそれだけを平らげて、たいへん美味しかったです、やっぱええ女やね、と褒め倒して――それ以上は箸をつけず、皿を持って席を立った]
……こんなところに居はったんですか
川魚はやはり川辺で食べるほうがええって意味ですのん?
あ……
[わざわざ藤乃を探したのは、あれだけやり合っておいて本人のいないところで食べるのがありえない話だったからだ。
全体的な名義上では園子の料理ということになっているようだし、鼻を明かすのも園子になっている――が、それは藤乃の闘争心によるものだったから。
なので藤乃のもとを訪れたのだが――出し切ったのか眠りに落ちているようだ。]
……こういうところが高嶺の花なんやけどなー…
[先に見える風景――花や蝶で彩る風流は、自分には身についていない。
傾きの教養としてあったほうがいいものだとは知っているが――その良さや歓びを感じるには自分が希薄すぎた。]
さて……どないすればええやろ
ま、お先にいただきますか
[藤乃が寝入っているのを起こすほど野暮ではないつもりだが、料理の鮮度が落ちるていくのを知りつつ見守るのは勝負への冒涜ではないだろうか。
藤乃の隣に座り、御膳を置き直して考えた末――起きるまでに完食しないように気をつけながらゆっくりと箸を伸ばし始めた。**]
ー川ー
…何か知らぬが、やる気になったようだな。
[やはり釣った魚でも調理させるのだろうか、と。
魚を釣ったら先生の所に持っていくとの旨を伝えられていたのであるが、それなりに面倒になって井村以外の人に自身が釣った事にして届けさせていた。
…先生には訝しまれを通り越して看破されているとはまだ知らぬ。]
(女子が絡めば)御前は運も上がりそうなものだから、釣ればよい。
[そう言ってくすり。流石に90点超えを3匹釣るとはまだ知らないが*]
[その裏にあった、誰かの怒りも。
誰かの努力も、何も。
伝える人がいなければ、読み取る相手が居なければ伝わらないのだ。
釣れと言われ、淡々と釣り続ける自分には。
自分以外の皆がそれを通して交流を深めていたことを、知ることさえ無いのかもしれない。
______そして只今89匹。]
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