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>>18 ムービー
そう…そっか。人それぞれ、ってやつ、だね。
しあわせ、かぁ。
[うんうんと頷いて。]
そういえば、出せるんだっけ。ビーム。
まるで映画のヒーロー…ヒロインか。
もし、宇宙海賊をやっつけられたら。
お手柄で、衛星放送にモモさんが出てくるのかな。
[きっと彼も実際には見たことがないだろう、でもありえないことではないので疑っていない。こちらも冗談なのかよくわからない真顔で答えていた。突っ込みが不在のまま、店の片づけと荷造りはのんびり進んでいくんだろう。**]
>>18続き
ただでもらえるなら、本当に全部もらっちゃうからね。
撤回はなしだよ。
私も、家に帰ったら片付けなくちゃ……。
[作業中は、こんな調子で他愛もない会話をしていたのだろう。それは今まで通りの仕事風景に、よく似たものだったに違いない。**]
―タヨーナ公園区/夜、近く―
わぉー――ぉお――……ん……
ぉおー――ん……
[宣伝船が歌をこぼした時、仲間に呼びかけるような犬の遠吠えが響いた。ひとけの減ったタヨーナにその声は遠く近く反響して、うっすらと消えていく。
消えていく己の声を、そして歌をこぼしていく船を追うように、空を彼女は駆けた。種の原始の姿を思い出したかのように手足で空を蹴り、殴り、跳躍する。それはまるで――荒野を駆ける幽霊牛を追い立てる、幽霊カウボーイが連れた犬のようだ。]
>>14>>15 リスリー
[追い立てていた牛は、ふつりと歌を止めた。移住先の候補をこぼし始めた船に、追う足は徐々に緩んでいく。追いかけっこの興をそがれた彼女は船の周りを1度2度、くるくると回って、それからようやく足を止めた。]
クゥ……。
[小さく鼻声を漏らす。見下ろせばそこは公園の上空だ。小さく赤い光がチカチカと点っていて、それをくわえているのは顔なじみの人で。彼女はパッと笑みを浮かべた。
無重力遊泳の中でそうするように空を蹴り、あなたのそばへと舞い降りる。]
わふっ。わう!
[人の言葉ではない。ないけれど、その声と笑みは確かにあなたへと向けられている。]
>>21 ライカ
[気も漫ろに見上げていた空から、顔なじみが降って来た。半透明なあなたを視認できたのは、かなり距離が近づいてからだ。]
お、
[思わず口を開きかけたせいで電子タバコが落ちかけて、慌てて噛み留める。一度摘んで、口の端に挟みなおした。器用に咥えたままで、話かける。]
どうも、ライカ、……今はわんわん時間か。
[発声の度に、電子タバコの光がくんくんと揺れた。来るであろう反応が人の言葉でないことはわかっていたので、言葉を続ける。]
……こっちの手がかりは増えていないよ。
《空っぽ》だらけだ。
[報告が暗い内容であることを、苦笑いに隠そうとする。それで紛れる、というものでもないであろうが。]
>>22 リスリー
[揺れる電子タバコの光に視線が持って行かれた。わかっていても好奇心が少々うずくせいで、尻尾がゆらゆらと揺れる。
問いかけにはタバコの光を見つめたまま頷いたが――]
……クゥ。
[苦笑いの後ろの感情をかぎ取ろうとするかのように、鼻を2度、3度と鳴らした。眉尻が下がったのはその報告と、それ以外の感情故。
まずは、小さくかぶりを振った。これで「お願い事のことは、気にしないで」と、そう伝われば良いのだが。
続きの意思を、感情を伝えようとわふ、と口を開いて、閉じた。
一歩近づいて、あなたの隣のベンチを指さす。尻尾とともに傾げられた首の意図するところは、「座っても?」――通じるかは、定かではない。]
>>24 リスリー
[ベンチを示す掌に、わふんと喜びの声が漏れた。跳ねるように腰掛ける――僅かにベンチに沈みかけたのは一瞬のこと。腰掛けるような仕草で浮いている。つま先はきちんと揃えられて、尻尾は無意識にゆらゆらと揺れるばかり。
隣のあなたを見上げて、また鼻を鳴らした。]
くぅ……くー…。
[鳴き声をしのばせて、あなたに手を伸ばした。お手に似た仕草で、いつか尻尾を丸めている自分に、誰かがしてくれたように。
空っぽばかり。そんな言葉の後ろに、何かとてもいたいものを覚えたので。大丈夫だよと、言いたげなその仕草は、けれど幽霊の身には(もし、あなたが避けなかったとしても)ただの透ける空気に過ぎないのだが。]
>>25 ライカ
[座ろうとしたあなたが一瞬沈みこむのを見て、瞬きをした。彼女が物質に干渉できないということを、度々忘れてしまう。先日の座り姿が過ぎる。座るということ一つに、細かな調整が必要になってからも、彼女は座るということをやめていないのだ。なんだか、すごいことのように思う。一呼吸が妙に勢いづき、息が鼻を通る音がした。]
[あなたの手が伸ばされるのを、怪訝そうな視線が追う。実害が生じないことは充分に知っているので、するに任せた。半透明の手は、丁寧にこちらの輪郭を滑っただろうか。]
……ん?
もしかして俺、慰められてる?
[問いかけて、首を傾ける。避けたように思われないよう、微かな角度で。あなたを窺う顔には、面白がったような表情が浮かんでいた。]
そりゃあ、成果はなかったけどさ。
それでこっちが慰めてもらうっていうのは、こう、違うんじゃないか?
>>26 リスリー
[生身であれば確かにあなたの手を撫でただろうが、残念ながら輪郭をたどるだけに留まった。
「慰められてる?」
少し、違う気がして、もう一度あなたの手の輪郭をなぞる。励ましている……それも少し違う。応援している。違う。こちらも僅かに首を傾げた。言葉を探す間、霊体の手はあなたに触れたままだ。]
――わふっ。
[ようやく言葉に思い至って、疑問符に甘噛みするような声を上げた。「元気つけたい」。協力してくれて、成果がないことに苦い顔をしてくれるような人から、苦い表情を取り去れたら――それがたぶん、知っている言葉の中で一番近い。もう一度その声を繰り返した。
これで意思を伝えられただろうか。そんな心配で少し下がったまぶたを持ち上げてあなたを見上げれば、ぶつかるのは楽しそうな表情。
……伝わったかはわからないけれど、笑っている顔を見るのは好きだ。自然、こちらの頬も緩む。
だから、彼女は今度は少し元気に尻尾を揺らして、そのリズムに合わせるように、あなたの手をぽんぽんと撫でた。]
>>27 ライカ
[違ってたか? 考えを巡らせるようなあなたを見て、リスリーは最初にそう考えた。考えている内にあがった声が、疑問符を持ち去っていった。
あなたが懸命に考え、伝えようとしたことが、全てそのまま伝わったとは言い難い。それでも、もたらそうとした結果は叶ったようだった。]
ま、いいか。
[声色は軽い。諦めではなく、追求の必要性がなくなった、そんな調子だった。]
気に掛けてくれてるんだよな。ありがとう。
[あなたの元気に揺れる尻尾が、透けて見える。なんとはなしに気持ちが明るくなるリズム。一度大きく息を吐いた。気怠さがほんの少し、逃げていくようだった。]
気に掛けてもらったわけだし、
ちゃんと残りの仕事とか……いろいろ片付けるかなー。
[撫でられていない方の手で電子タバコを摘み取った。少し力を入れ、パキ、と音を立てて折る。(そういう構造になっているのだ。後でゴミ箱に放れば、ナノマシンが分解してくれる。)折った電子タバコは一旦ポケットに突っ込んだ。
撫でられていた手をやんわりと引いて、背筋を伸ばす助けにする。そうして、立ち上がろうとしながら、]
完全に夜になる前にもう一巡り、だ。そっちはどうする?
>>28 リスリー
わん!
[「こちらこそ!」そんな気持ちを込めた一声だが、ただの喜びの声に聞こえたかも知れない。翻訳機が働かない時間は意思の疎通が難しい。
電子タバコの一連の始末に目を奪われていたから、手をひくのは実に容易いことだっただろう。背筋を伸ばすあなたの隣で、ぽんぽんと自分の膝を叩く。自分の居場所を確かめたそのそぶりのあと、あなたを見上げた。スンスンと鼻を鳴らしてから、]
ぉんっ。
[疑問符には一声吠えて、行動で応えた。飛び上がるように宙に浮かんで、泳ぐように一度前転。少し離れた距離を戻すように、あなたの後ろに滑るように回り込む。
いつか昼間に会ったとき、何となくついて行ったときと同じ位置だ。]
>>29 ライカ
[まさしく喜びに受け取って、子供を見るような眼差しを向けていたかもしれない。言葉の裏などというものがないやり取りには、むしろ気が緩んでしまうところがあった。もどかしさを覚えずにすむ方は気楽なものだ。]
[吠え声に、はきはきとした応答とやる気を感じる。果たしてそれは合っていたようで、あなたはついてくる意思を見せた。初めについて来られた時には戸惑ったものだが、今となっては慣れたもの。それに、もうしばらくもすれば、"わんわん時間"も終わるのだ。]
――よしわかった。
……本人が居るなら、聞き込みも手っ取り早いな。
[これまで毎度のように添えていた注意の文句――あまり邪魔にならない位置で――の代わりに、そんな言葉が収まった。一度確認するかのようにあなたを見て、あとはまっすぐに仕事の路へと戻っていく。]**
【親水公園・昼】
[セイバリー・グロウズは途方に暮れていた。時刻は昼、しかしながらかつての賑わいはもうどこにもない。せせらぎの音だけが静かに聞こえる公園のベンチに腰掛けて、彼がぼんやりとしはじめてもう数十分になる。]
名案だと思ったんだけど……。
[手にはひと抱えの花(移住までに減らしておこうと思ったが、うっかり咲かせてしまった)。肩からかけた鞄には、宇宙共通規格でパッケージング済みの種が入るだけ沢山。昨日から一晩かけて、ラベリングも終わった。もとより研究に使うものだけは几帳面にしまってあったため、ソラリアに手伝って貰えばあっという間だった。]
[全部はやはり持っていけないが、しかしながら処分するのは惜しい。だから、誰か欲しい人に『おすそ分け』しようとこうして出てきたのだが。よくよく考えてみれば、事務室に来てくれるダマリやアンドロイドのソラリア以外にろくな知り合いなどいないのだった。]
やっぱり燃やすしかないのかなぁ……。
燃やしても生き残るやつはわたしが持っていくとして……。
―親水公園・昼―
>>32 セイバリー
[勝手ながら>>1より後日ということにさせていただきたい。
人気の少ない公園に、如何にもインドア派ですという男が、きょろきょろあたりを見渡しながらうろついている。土地勘がない様子だ。布で覆われた鳥かごなんてもっている。
セイバリー、貴方を見ると、他に話しかけやすい人がいないことを数秒確認して、おそるおそる近づいてきた。]
こ、こんにちは。
あの、人魚がいる池って、このあたりですか。
まさかあの噴水じゃないですよね。
[きょろ、と機能だけが残っている噴水を振り返ってから。じぃと花を見つめて。]
すごい…これまさか、みんな本物…ですか…?
[ぽかんと口を開けた。]
>>33
[ぼんやりと考えを巡らせている間、あなたが公園に入ってきたことも、何かを探していることにも気づかなかった。話しかけられてようやく、目の前にあなたがいることに気づく。]
は、はいっ。こんにちは。
人魚、人魚……かい?
それって、あの……生き物だよね。ここにいる、のかな?
[もしかしたら、ソラリアから話を聞いたことがあるかもしれないが、彼の頭の中では結びつかなかった。それよりも、花を見られている。そう、植物の話である!]
本物かって、もちろんそうだよ!まぁ、「自然」に生えているやつかって言われると、定義が難しいけどね。でもこの子たちは実験室で育てたものだけど、環境さえあってれば種をまけば生えてくる子たちもあるんだよ!
[急に饒舌になると、鞄からパッケージされた種を出して見せたりするだろう。]
>>34 セイバリー
[まさかそこまで考えに没頭しているとは気づかなかった。]
はい。僕も、前に一度、会ったきりで。
そんなに都合よく、会えるとは…。
[水路や、水場を探してそれなりに歩き回った後だ。疲れ気味の様子で、同じベンチに少し離れて腰かけた。鳥かごを膝に抱える。
植物の話をまくしたてられれば隠れた目を白黒させて]
あっ、そ、そう、ですか、へぇ…。
[反応は一歩引いて見えるかもしれないが、興味深そうに花と種を見つめている。そうか、これが花なんだ。なんて柔らかそうなんだろう!それにいい匂いもする。]
種を撒けば生える。
[それだけ繰り返して種を見つめている。]
>>35
[考えに没頭していたというより、ぼんやりしているのである]
人魚かぁ。一時期はやったけど、街にいるんだね。全然知らなかったな。移住のこんな直前に新しく知ることがあるなんてなぁ。
[あなたが引いているかどうかに気を配るタイプではない。興味がありそうとみれば、ずいっとさらに押し出す]
実は余ってしまってね。移住先に持っていけない分は人に譲ろうと思ったけど、あてがなくて困ってたところだったんだ。興味があったらいる?よければこっちの咲かせちゃった子たちも。ね。
[それからようやく、名乗りもしていなかったことに気づく。多分、知り合いかアンドロイドがこの場にいれば、もっと早く指摘してくれたのだろうけれど。慌てて居住まいを正した。]
あ、名乗りもせずにごめんね。
わたしはセイバリー、食用植物の研究をしてる会社員だよ。
>>36 セイバリー
僕も、噂ばかり聞いてて。
店の常連さんが、好きなんです。噂話。
その人魚、とてもきれいな声で、歌うんです。
[うらやむような声音で。]
だっ、だめですこんな高価なもの!
あ、余って…余ってても…余ってるなら…
[押しに弱い性格である。初めは真面目に断っても、まるで建て前でしたというようなスピードで押されていく。だって花だ。こんなのきれいに咲いてる。種も、撒けばいつか咲くらしい。撒くって、どうするんだろう?机の上でいいんだろうか。]
食用、植物…わ、わぁ。すごい。
あの、すみません、気安くはなしかけたりして。
合成じゃない植物なんて、僕、僕…。
すごいなぁ。
[キラキラした視線(ただし目隠れだけど)をそちらに向けていた。]
>>1:20 続き
医療用測定機を起動。脈拍、表皮チェック。
どうやら不摂生、もしくは摂取不良によるエネルギー不足と判断。
消化器官に無機物反応が見られる為、内蔵器官の故障かも……。
ソラリアの解析が進むなか、成人男性が身じろぎした。
「もし。お加減如何ですか?なにか……」
「……は」
「は?」
「はら……へった……」
「……マフィンありますけれど」
がばりと起き上がった成人男性に、空腹による行き倒れがまだ存在するのだと、ソラリアは認識を改めた。
行き倒れていた一般男性はカルックスと言った。
腸内の燃焼効率増幅装置がたまに故障し、逆に消費してしまうのだと。
「やーすんません。やばいなーと思ったらもう倒れてて」
「いえ。作りすぎてしまっただけなので。
しかし体内機官に故障が見受けられるのであれば、早急なメンテナンスが必要と思われます」
>>38
ソラリアの至極真っ当な意見に、しかしカルックスは苦笑いで返した。
「確かにそうなんスけど、それより今は移住費かな。いやーカッツカッツで」
たははーと笑うカルックスにしかし、ソラリアが日頃感じている処理遅延事項への懸念ーーマスター曰く『不安』ーーは感じられない。
「……カルックスさん」
「はい?」
「移住に必要な事前準備とは、どの様なものなのでしょう?」
「……はい??」
それ、俺に聞きます?と首をかしげたカルックス。
「とりあえず、マスターに聞くのが良いんじゃないっすか?」
「指示事項は既に遂行しています。……私は、ここソコラで本格的活動を開始しました。他の場所で活動した事がないのです」
「……ああなるほど。まぁ。俺もここの生まれでここしか知らねぇっすけど……俺は楽しみで、あんたは不安なんすね」
不安。生物特有の感情をさすその言葉はアンドロイドにも適応されるのか、ソラリアには少し疑問である。
しかし自分が陥っている状況を端的に示すには、とても分かりやすい言葉でもあった。
>>37(つけたし)
あ、す、すみません。
僕、フェルムです。
からくり屋を…やって…やってました。
[きゅっと鳥かごを覆っている布を握った。]
>>39
「……マスターにもその様に指摘されました。不確定事項が一定量を超えると、途端に演算速度が落ちてしまうので、出来れば同じ移住者の方の意見を参考にしたいと考えているんです」
カルックスはその言葉に、うーんと何度か唸って見せる。
「……俺はまず、移住できるかどうかから始まるっすから……もう出たとこ勝負かなぁとかまでしか考えつかねぇや。あんたの場合だと、移住した人の話を聞いた方が早いんじゃねぇかなって思うんすけど、なんかそれも違いそうだしなぁ。やってみなけりゃわかんねぇよ。ってしか、言えないっす。……すんません」
「……わかりました。貴重なご意見。ありがとうございます」
ソラリアは立ち上がり、ぺこりとお辞儀をする。
カルックスは頷きつつも、うーんと相変わらず唸っている。
自分の聞いたことが負担になっているのではと、ソラリアがもういいと声をかけようとした。
>>41
だが、カルックスがはたと手を打つ。
「あんた、ようは違う場所でまるっきり生活が変わっちまうのが怖いんすよね?」
「え、ええ……端的に言えば、その様になるかと」
「なら、移住先に行ってもこっちとまるっきり同じ事ができるように準備すりゃいいんじゃねぇっすかね。
いつもやることを向こうでもやれるようにして、いつも行ってる場所に似たところ探して、こっちのものを持って行って、まるっきりあっちを『ソコラ』にしちまえばいいんっすよ」
「……移住先を、『ソコラ』に」
「俺だっていくつか思い入れのあるもん持っていくつもりだし、アンドロイドのあんただって、そういうのいくつかあるだろ?お気に入りがあれば、それだけでもちょっとは落ち着くんじゃねぇかな……って思うんすけど」
どう?といたずらを思いついた顔で笑うカルックスに、ソラリアはしばし提案内容を解析演算し、新しい解決策に該当するかもしれないと結論を付けた。
「ありがとうございます。指針の一つになりそうです。何か、お礼を」
「いやいや!そんなの……って言いたいとこなんすけど」
マフィン、もうちょっともらえたりしません?カルックスは照れ臭そうにそう言った。
[ソラリアはくるりと部屋を見渡し、最後の点検をする。
天井:異常なし 家具:良好 床:チリ0
日課である居住区の手入れの完了を確認し、キッチンへと向かった。マスターであるセイバリーの外出理由と、現在時刻を計算したうえで判断した『お弁当』がそこにあった。
外出先である親水公園に行こうとして、はたと立ち止まる]
本日はダマリ様はいらっしゃるのか、確認するのを怠っていました……。
[ふむ。としばしの演算。鍵がかかっていれば問題がなく、来訪の痕跡があれば後程向かおう。と結論付ける。
外に出る前にもう一度部屋を見渡す。段ボールが増え、転居の用意は少しずつ進んでいる。だが、そもそもの彼の移住先をまだ聞いていない。
できれば。と思っていた。
会社所属のアンドロイドだが、希望があれば社員をマスター登録し続けることができる。
できれば、ついていきたいと。そこらでの、最後のマスターであるセイバリーに。
そのことをまだ、ソラリアは伝えられていない。]
―自室・午前―
ええ、では早急に。
[響く声、小さく会話用の端末から通信終了音が響く。通信が終われば大きく息を吐きながら作業用の椅子にもたれかかった。
片付いているというよりは物が少なくガランとした旧式の部屋に、ダマリだけがいた。
いつもならば当にでかけている頃なのだが、出勤用のコートは玄関付近の衣類スペースに収納されたままだ。 ]
(予定は前倒し進めておくものだとは誰かにも常日頃から言っていたものだが。)
[上司からの連絡だった。
移住推進局からのアナウンスが入った。
『移住先の決まっていない者、手続きの終わっていない者はそちらを優先するように』との連絡。
あの職場はダマリ以外で決めず手続きもしていない者はほとんどいないだろう。
大抵上の者が移動先を決めるか薦めるかしていたからだ。それをダマリは拒否し続けたのだ。
先程の会話の中には君は人手の足りないスサ・ミー支部にいって欲しいのだがという小言もあったか。
特にこちらからアクションを起こさなければそこに移住することになるだろう。]
>>37
歌かぁ。会えるといいね。名前は分からないの?呼んだら出てきたりしないかな。
[何の根拠もなく、楽観的にそんなことを言う]
高価……あぁ、そうか、これ高価なのか!
[市場価値に疎い。]
きれいな花に見えるのかな?うんうん、けっこう可愛い花が咲くんだよね、用途は食用なんだけど。
あ、食用と言っても、本当は合成食品の材料になるもので、そのまま食べると……慣れが必要かな。わたしは結構いけると思うけど、人に勧めたらすごい顔されたよ。
[きらきらした視線にうなずいて]
本当に、もらわれないなら処分するしかないんだよ。
移住先によって持ち込めるものは違うから、どれでもあげるってわけにもいかないけど。
移住先が分かってれば、大丈夫なものをあげるよ。その方が植物もきっと喜ぶ、植物に聞いたことないけど。
[名乗りを聞いて、不思議そうに首を傾げた]
ん?「ました」なんだ?
[デスクの上にぽつんと置かれた最新式のネットワーク機器をオンにする。
メールボックス他常設のソフト以外はほぼ移住先についてのデータや検索結果だ。
その一つには緑鮮やかな草原の写真データがありタイトルにはクーキ・オイシーの文字がある。
すいと電子画面へ指を伸ばせばスサ・ミーの検索結果が開いた。それらを眺める目つきは酷くぼんやりとしていて、内容を吟味しているようには見えない。
『ダマリくん、優秀だから』セイバリーの声が頭に響く。]
……そんなことはないさ。
[今やるべきこと。恐らくは――あの夢を諦めきること。
距離を離しても解決はしなかった。――なら自らの手で?]
短絡的過ぎる。
[部屋にいて考えていては気が詰まる。少し外に出てみよう。そう思えば立ち上がって端末をオフにした。映し出された沢山の画面がふっと消え、部屋が広くなったかのような錯覚を覚える。
コートを着込み素っ気無い部屋を後にした。**]
>>45 セイバリー
あっ、そ、そっか!名前を呼べばいいんだ!
ニンフェーア…ニーって呼んでって。言ってた。
[今ようやっと気づいた様子だ。きっとまたどこかで歌っているだろうなんて考えていた。]
ホログラムの花も、フェイクフラワーも、みんな、本物の花に追いつこうとして美しいんです。
いのちには、かなわないです。よ。
[こころなしか、こちらも饒舌になっていた。]
それじゃあ、これがもやしになったりするんですか?
なんだか、もったいない、です。
[例えが貧弱だった。]
わかります。植物も喜ぶ、って気持ち。
僕も、からくりが喜んでるなあって思うと、嬉しくなるんです。
あ、ああ…移住先…まだ、決まってない。えっと…レックスαは大丈夫かな。
[がくっとうつむいた。何もかも、そこからなのだが。
とりあえず、一番有力な候補を聞いてみる。]→
>>45(つづき)
はい。…移住するまでは、やってるつもりですけど。こういう、からくりを作ってるんです。僕はまだ、こんなにうまくは作れないけど…。
[自己紹介代わりに、鳥かごからからくりをとりだす。
やや小さめのオウムを象ったものだ。
フェルムがどこかをいじると、ぱた、ぱた、と鷹揚に羽を動かした。]
―タヨーナ自然科学技術史館(閉鎖住み)/夜―
[タヨーナの誇ったミュージアムもすでに閉鎖されて久しい。
希少性の高い物は持ち出されたが、巨大な展示品――それは例えばホールにそびえ立つソコラの全景モデルだとか、天井からぶら下げられたド・コカーノ系の分布モデルだとか、宇宙船の原理を解説する断面モデルだとか――は、輸送コストの高さのせいで放置されたままだ。
入り口の扉だってはじめこそ施錠されていたのだろうけれど、部品泥棒のせいか、近所の子供のいたずらか、浮浪者が寝床でも探したのか、扉ごと傾いて開きっぱなしだ。
それに物体に干渉しない彼女にとって、扉の有無なんて関係ない。]
[ここに来たことはなかった。外から見ることは多かったけれど、「入館料」とやらが払えない彼女にとって、ここは「立ち入り禁止」の場所だったのだ。
でも、もう「入館料」はいらないらしい。
ふわふわとした足取りで、扉をくぐる。]
―親水公園・昼―
>>45セイバリー >>47フェルム
[この街の水路は、案外入り組んであちこちに繋がっている。流れは時に緩やかでもあり、強かでもある。その中を我が物顔で泳ぐ人魚の娘は、やや濁り気味の繁華街の水域を抜け、多少薬臭くはあるものの、触れ合うに足る清浄さに保たれた人工池へと滑り込む]
[人魚はこの場所が気に入っている。広い池と静かな空気。それがきっちりと調整された作り物だとしても、彼女はそれ以外を知らない]
[水面を目指して泳ぐ途中、水中からでも音を拾えるその耳が、己の名を呼ぶ声を聞き取った。緑の尾を強く振って、ぱんと水面を割る]
はーい?
[そして気の抜けた返事と共に、陸の二人の方を見て。――それぞれが手にしているものに気づけば、それに熱い視線を注いだ]
>>50 ニンフェ
―――うわああああ!?
[セイバリーに、からくりオウムを手に乗せて見せていたところだったろう。
突然立った水しぶきと軽やかな声に、初めて会ったとき以上に、この男は慌てふためいた。大事な祖父のからくりを取り落しそうになる程度には。]
あ、あ、な…に、ニンフェーア!ニー!
きmっ、君、どこから…!
[あわてて言い直したりなどしながら。そうか探していたのは自分だったと思い出す。]
>>49
[入ってすぐのホールは、大理石を模した壁と柱、そして床が、窓からの夜光をうっすらと反射していた。そびえ立つソコラの全景モデルが反射光に淡く照らされて、入館者を出迎える。
かつての入館者たちがそうしたのと同じように、モデルと人々を区切る柵に手を置くように歩み寄った。
見上げれば巨大な、けれど実際のものに比べれば遥かに小さなモデルだ。天使の通り道のような光は、銀色をなめらかに浮かび上がらせていた。]
――……きれい。
[その言葉は思考を経ず、すとんと落ちてきたものだ。
ドーナツ型のフォルムや、スポークで繋がれたドッグ。光を反射する青みがかった巨大な鏡。
ごつごつした小惑星や、まん丸の星々。その中に浮かぶにはあまりにも不自然な形なのに、それでも、そう思った。]
―午前中 ソコラ:ドッグの外れにて
ドッグにほど近いこの場所は、以前は多くの宇宙船を収容されていた。
廃棄が決定し、移住が進み。人がいなくなると老朽化も格段に早まるのか、ひび割れから流れる『隙間風』が、捨てられた場所という感覚をさらに強めていく。
そんな中で一人。青年が生き生きと半無重力の足取りで歩いていた。
青年はあるポートのドアの前に立つ。システム入力を求められる。≪Fry Me To≫]
「――NewWorld! 」
歌うように響く声に、扉は空気音で応えた。
スライドされるも半分も開かないドアへするりと身を滑り込ませると、何も無い筈の空間に、一隻の宇宙船が浮いていた。
カルックスの所有する、未登録未検査無断譲渡の違法移住用宇宙船――アメリア号である。
カルックスはきょろきょろと停泊スペースを見渡し、船に異常がないか確認した後、そっと外壁を撫でた。
そしてどかっとその場に座り込むと、おもむろに懐から銀色の箱と、大判の紙を取り出す。
表面に浮かんだ光式ボタンをタップすれば、空中にホログラムが浮かび上がる。それはド・コカーノを進むための宇宙の海図――星海図であった。
「やー。これがないとどうにもなんねぇって思ってたけど、手に入るもんなんだなー!ほら、これをお前に組み込むんだぞ。これでどこでも行き放題だ」
アメリアに向かって、カルックスは上機嫌に語り掛ける。
ついでのように広げるのは、ちょっと前までレトロ趣味、インテリアとして人気だった、紙製の星海図だった。
「これでも一応、行けなくはねぇっていうけど……流石に紙広げて唸るキャプテンは、乗組員としては謹んで遠慮申し上げますってやつだろ?
俺は結構好きなんだけどさ」
どこに行こうかなーと鼻歌交じりで好き勝手指さしながら、カルックスはマフィンにかじりつく。行き倒れていた時に、アンドロイドからもらったマフィンだ。
ただ同然で手に入るといわれるタブレットバーでも、ただではない。そのただではない分すらも宇宙船にあてがいながら、彼は自らの力だけで巣立とうとしていた。
マフィンを三口で食べ終わると、床を軽く蹴り上げて宇宙船内へ。そこでまたごそごそと、A.Iに組み込む予定のメモリーや『お仕事』に必要な工具を取り出す。
またひらりと半無重力に任せた跳躍でポートに戻った時だった。
「いっ!」
着地の瞬間に走った痛みに、顔を顰める。苦い顔のまま靴を脱ぐと、内蔵された加速装置に繋がるコードが、踝の接続口から伸びているのが見えた。
「やっぱあの時、軽く焼けたかなぁ。っくそあの電気ヤロー。コード類だって探してくるのくっそめんどいんだぞ……」
痛みを噛み殺しながら一本のコードの取り換えを済ませた彼は、履き直した靴を馴染ませる様にその場で軽くジャンプをする。
「ま、こんなところで立ち止まってるわけにはいかねぇってな」
見上げる宇宙船に、AMERIAの文字。それは、彼が子供のころスラムの老人から聞いた場所の名前だった。
歯がほとんど抜けた老人だ。実際はヤメリマかもしれないしマメリヤかもしれない。
昔どこかの星にあったというその場所は、だれでも住むことができ、出身は問わず、実力のみでなんでもできる、夢がつかめる場所だったという。
フロンティアスピリット、新世界。新しくコロニーを作る人々は、すべてこの場所出身なのだと。
そんな夢の様な場所に、たどり着くのだと。
目標地を掲げた船に笑いかけ、カルックスはまた、廃棄が決定された街へ剥ぎ取りを行いに行くのだった。
>>47
へぇ。スイレンだ。良いセンスだね。
も、もやしになるのかなぁ。なるのかもしれない。
[首をひねる。自分の作ったものがどう活用されているのか、ほとんどわかっていないのだ]
勿体なくはないよ。そのために栄養価をたかめたり、どんなところでも育つようにしてるんだ。
でも、確かに、結構きれいな花なんだ、これを見てもらえないのは残念なのかもなぁ。
あぁ、フェルムくんも決まってないのか……わたしも決まってなくてね。
レックスαね、ちょっと待ってね……[タブレット端末としばらく格闘し]、うん、「宇宙のミント」とかじゃなければ大丈夫。
……えーとつまり、好きなのを選んでいいよ。
[あなたが取り出したからくりには、へぇ、と身を乗り出してみせた。動物は好きなのだ]
かわいいねぇ。へぇ、動くんだ。こんなものもあるんだねぇ。
動物、好きなんだけど。会社の寮じゃ飼えないし、なにより本物はわたしの給料じゃ手が出ないからねぇ。
へぇー。触ってもいいかい?
>>50 >>51
おお?
[突然の声にはそこまで驚かず、そちらをゆっくりと向いたのだが]
うわっわぁ びっくりした、大きな声出るなぁ君
[フェルムの大声には、少し驚いて、落としそうなからくりの下に手を差し出したりした]
>>52
―タヨーナ自然科学技術史館(閉鎖住み)/夜―
[びくり。カルックスは体を固まらせた。
閉鎖され、だれもいないはずの科学技術史館で、人の声が聞こえたのだ。しかも、女性の声]
……まじかよ。……同業者?
[科学技術史館には、今日も相変わらず『お世話』になっていた。頂いた配管コードやら装飾金属を『回収袋』にしまい込むと、カルックスはそろそろと、声のした方をうかがい、息をのむ]
[そこにいたのは、半透明の女性。噂に聞く幽霊か。でも幽霊なんてあったことがねぇぞ。こういう場合どうするんだ?というか怒られたりとかすんのかな。いやでマッチだって不法侵入……幽霊に不法侵入って該当するのか……?
そんなことを考えていたせいで、うっかり。
うっかり、元は赤い綱がついてであろうポールを蹴ってしまったのだった。
カランカランカラン……その音は、何もない空間によく響く]
やっべ……!
[気づいたかな。と、窺ってしまったのが悪かった。ばっちりと、目が合ってしまったのである。その幽霊と]
あ、こ……こんばんはー……?
>>51 フェルム
あ、フェルムー。うん、ニーだよ!
どこから?えっと、あっちから。
[言って指をさすのだけれど、あいにく通ってきたのは水中である。揺らめく人工池が広がるばかりだ]
ね。それ!このまえの子の、おともだち?
[驚きまくる相手の様子は(前回で慣れたのか)特に気にせず、鳥籠を見て首を傾げ]
>>57 セイバリー
あと、それ。おはな?
きれい。
……あ。はじめまして。ニー。ニンフェーア。
[次いで抱えられた花に視線をやって問い、それから思い出したように自分を指して言った]
>>52
[このコロニーが作られていく様を屍のそばで見ていたのかも知れないが、彼女は覚えていない。
窓の外にはいつだって真っ暗な闇と、遠くに煌めく星々ばかりだったから。
けれど、旅の果てにこのきれいなものが浮かんでいたら、それはとても――]
>>58 カルックス
[突然の金属音に、尻尾も耳もピンと逆立って飛び上がる。人の頭の高さくらいまで飛びたって、そちらを伺う。
……目があった。]
……、こ……こんばんは。
[驚いたせいで、声はかすかなものだ。まだ手足を縮こませたまま、じっとあなたを凝視している。
誰だろう――そう考えた帰結が、]
お邪魔、してます。
[住人だと思った。]
>>56 セイバリー
うん、その名前が、とても似合ってるんだ。
[思い起こして、ちょっと笑顔になっていたのだけれど、そんな話をしている間にご本人が登場してた。悪い噂じゃないのだけれど、とてもどきどきしてた。]
そっか…ぼくたちのために、がんばってるんだね、きみたち。
[花に向かってそう話しかける。植物はきっと本分として育っているだけなのだけれど、そういう感傷を持つこと自体は、悪いことじゃない。きっと。]
宇宙のミント。っていうのは…。
ど、どれでも大丈夫なんですか?
[唯一持ち込んではならないとは、いったいどんな恐ろしい植物なのだろう。ミント、というと、さわやかなイメージしかないフェルムはしきりに首をかしげていた。]
からくりの、お辞儀する花も、人気ですよ。[くすくすと笑う。]
これは祖父の作品で、本物ほどじゃないけど、ちょっと、値が張っちゃうんです。
…あ。そうだ。お礼。これがいい。
[いいことを思いついたという顔で、笑った。]
>>60
お、オジャマシマス……?
えーっと、なんだ、お、おかまいなくー?
[うろたえていた所によく分からない挨拶をされて、こちらもよくわからない挨拶を返す。
会話が成立するということは、怖いものではないんだろうか……と警戒しながらもうかがう。
怖がられてるのかな。と相手の挙動を見ながら思った。空を飛ぶことに対しては違和感を感じない。無重力が職場だからだ。
綺麗な女性だな。と思う。耳は犬だけれども]
あ、いや。ごめん。でかい音たててビビらせて。
えっと、あんた、名前は?……ここに憑いてるのか?幽霊、だろ?
>>59 ニンフェ (>>セイバリー)
あっち?…あっち、かぁ…。
[指さされた水中の道はあいにく人間には辿れず、とにかくフェルムは予測できないニンフェーアの出現にまた驚かされるだろうことは想像に難くなかった]
うん、お友達だよ。
ずぅっと、年上なんだ。この間のは、赤ちゃん。
これはね、自分で歌えるんだ…。
[そんな風に例えて、これ幸いとベンチの背にオウムを止まらせる。フェルムが何度か羽を動かすと、それがねじ替わりなのか、手を放しても自分で一定の動きを繰り返し始めた。
そして準備運動は終わりとばかりに、浪々と笛の音で歌い始める。子供のころに聞かされる童謡を、まるで人が演奏しているかのような抑揚で。]
これ、セイバリーさんに。
お花のお礼で差し上げます。僕も、捨てるところだったから。
モモさんに、みーんなあげてもよかったんだけど、言っておきます。
>>59
はい、はじめまして。わたしはセイバリー。名前の由来が似ているね。よろしくどうぞ。
[植物由来となれば、似ているの範疇に入ると判断した。大雑把な判断だ。]
そう、これは……一般にはなんて言うんだろうな。地下茎がデンプン質の取得に使われるやつの花だよ。
……ええと。わかるように話すのは難しいな。そう、お花。よかったらひとつあげよう。
[そう言って、ひとつ、白い花弁の花を差し出した]
>>62 カルックス
[(あれっ)――小さな違和感に尻尾が揺れた。
お構いなく、というのは来客の言う言葉ではないだろうか……では彼は住人ではないのだろうか……。挨拶を間違えたかも知れない。
「ごめん」
その言葉に、きっと彼はわるいひとではないのだろう、と思った。少なくとも、ぶったり蹴ったりはしないだろう。
伏せっぱなしの耳と縮めていた手足をそろり、そろりと戻していく。まだどこかに警戒心は働いていたけれど、わるいひとではないなら、警戒するのはいけないことだ。]
……いいえ、こちらこそ驚いてしまって、ごめんなさい。
わたしは……コールサインはR1T-K2RYV。でも、今はライカと呼ばれています。
憑いている、わけではありません。ソコラに住んでいるから、憑いている? のなら、ソコラに、かも知れません。
ここに入ったことがなくって。もう、「入館料」がいらないみたいだから、入っても良いかなって思って。入っただけです。
>>61
宇宙のミントっていうのは、異名なんだ。今はミントっていうとあの味付けのことだよね。その味を出すのに昔はミントと言う名の植物を使っていたらしいんだけど、どうもずば抜けて繁殖力…育つ力が高かったらしくて。
宇宙のミントも、各星の生態系を破壊……ええとつまり、もともと住んでいる植物の生えるところを奪ってでも生えてきちゃうくらい力が強いんだ。一説には自力で宇宙空間を渡るとも言われている。だから、そんな呼び方をされてるよ。
わたしの研究は、どんな環境でも育つ食用植物を作ることだったから、当然手元にはあるけど……これはわたしが責任を持って管理しないといけないんだ。
[一応彼なりに言葉を選んで、そう解説した]
[それから、お礼という言葉には目を丸くする。]
ええ。それこそ、いいのかな。高価そうだけど。わたしの研究室に飾られるだけになってしまうよ?いや、わたし多分結構遊ぶけど。うちのアンドロイドも、こういうの好きかもしれないけど。[全然遠慮しているように聞こえないセリフを言いながら、じっと手の中のからくりを見つめた。]
>>63フェルム
[問いに肯定を貰えると、尚更目を輝かせてそのオウムを見つめた。もっとよく見えるように、すいと二人の近くの水際まで泳ぎ寄る]
わぁ……わぁー。すごい!その子のお歌も、すてき!
[奏でられる演奏に、ぱちぱちと拍手をしてみせた]
>>64セイバリー
セイバリー。いっしょ?ふふ、よろしくね。
[何が似ているのかはよくわからないようだが、それでもそう言われれば親近感を覚えたか、嬉しそうに笑う]
うん、……ちか……でん、ぷん、しつ……??
[説明に首を傾げていたら、お花がひとつ差し出された。一瞬目をぱちくりさせた後、めいっぱい手を伸ばして受け取る]
しろい。かわいい。ありがとう!
セイバリーも、とりさん、よかったね?
[花を大切そうに掌で包みつつ、>>63のフェルムの言葉を聞いてニコニコしていた]
――とある無人酒場・夜――
[ムービーは、哲学者風の額を持った弟からこんな話を聞かされたことがある。
ある放浪種族は、個体の寿命が一日しか持たないそうだ。その代わり、自分と全く同じ姿、記憶を持つ次世代を生み出すことができ、周りから見れば同一人物が生き続けているように見える。しかし実際は、日々新たな人格が生まれ、死んでいくことを繰り返しているのだと。
弟はここまで説明すると、熱っぽく自説を展開した。
日々生まれ変わるのは、別にその種族に限らないのではないのかと。自分達を構成する細胞は、常に新しいものと入れ替わり続けている。心だって、昨日思ったことと、今日思ったことが違うのはよくある話だ。昨日の自分と、今日の自分と、明日の自分は、もはや別人と考えるほうがよいのではないか?
なんせ、知ったかぶりが多かった弟だ。細かい知識を語る時の言い草には、どこか危ういものがあった。それでも、ムービーはこのたわごとをずっと忘れられずにいる。
――なんせ、怖かったから。]
[さびれたタヨーナの中でも特にさびれているこの地域は、住民のムービーが最も親しみを覚える場所だった。スラム街に近いので、カルックスと何度か鉢合わせしたのもこのあたりだった(はずである)。
ソコラ廃棄の噂がまことしやかに囁かれていた時も、ここのお化けビルは相変わらずがらんとしていて、シャッター通りは相変わらずシャッターが下ろされていた。ムービーは家の近くに来るたびに、ずっと変わらないものがあることを確かめることができた。――それももう、今となっては叶わない。
ムービーは今日、今まで通りすぎていた無人酒場に初めて入り、今まで飲んだことのないカクテルを初めて頼んだ。店員も客も他に誰もいない、文字通りの無人酒場に、小人族のうめくような声が響く。]
ソコラの、おえらいさんの、ばか……。
[カウンター席で酔いどれているムービーは、酒に弱い方である。]
むしょく、ばんざい……。
[ムービーはカクテルのグラスを一瞬掲げたかと思うと、そこで突っ伏すように寝てしまった。無人酒場を運営するロボットに、酔いつぶれた客を介抱する機能は、残念ながらついていなかった。**]
>>66 セイバリー
[丁寧で、しっかりとした解説を、じっとそちらを見つめながら聞いていた。
簡単な言葉を選んでくれているのがよくわかったし、まったく自分の知らない、新しい分野についての話はとても面白くて、刺激的だった。]
う、宇宙空間を渡る。
…植物って、本当に強いん、ですね。
ぼくらよりずっと、生きる力にあふれてる。
ちょっとずつ力をもらって、ちゃんと管理してあげなきゃ、だめなんですね。
[ヒーローに重大な秘密を知らされた子供のような顔つきでうなづいた。]
喜んでくれるなら、よかった。
ああでも…もし、壊れて動かなくなってしまったら。
直せる人は多くないですから。
たまーに。たまーに、歌わせてあげてください。
それがいちばん、長持ちします。
[一度ねじを撒けば数時間は歌い続けてしまう、祖父の得意だったからくりだ。よかったね、歌をたくさん聞いてもらえるね、とからくりオウムの頭をなでる。]
>>67 ニンフェ >>セイバリー
そうでしょ。ね。
素敵でしょ。
[そう、満足げに返しながらも、心の中では「その子のお歌『も』」という言葉がちょっぴり引っかかっていた。
こっちの方がずっといい、と言ってくれるのを期待していたのかもしれない。
やっぱりお祖父ちゃんはすごいなあ、といい思い出にできただろうから。]
…聞かせてあげられてよかった、約束だったから。
もう、会えなくなっちゃう、でしょ。
ニーにも、この子たちのこと、覚えててほしくて。
[言いながら、まだ歌い続けるオウムを鳥かごにいれて、セイバリーに渡した。]
歌ってるの、止めないで、ね。
壊れちゃう、から。[オウムはご機嫌に歌い続けている。]
>>65
ライカ。ライカね。俺はカルックス。
あんたと一緒で、入場無料だからもう入っていいかなって思っちゃってさ。
面白いよな。変なの色々あって。俺もいろいろ『お世話』になってる
[物理的になんだけどなって心の中でぺろりと舌を出して、カルックスはにっと笑った]
へー!ソコラの幽霊!すげーなー。
あれ?でも、このコロニー。廃棄が決まっただろ?
そうすると幽霊ってどこに行くんだ?アノヨってやつ?
死んだら星になるって、スラムのばあちゃんから聞いたことあるんだけどさ。
[幽霊は初めて会う。好奇心の赴くまま聞いてみる。優しく穏やかそうな彼女なら、仲良くなってしまった方が得かもしれないと感じたのだ。
それに、怖がらせたくはなかった。ふわふわとした彼女は、どちらかと言ったら笑っていた方が似合いそうだったからだ]
>>67
喜んでもらえるならよかった。
控えめな花だけど、生命力は折り紙つきだよ。
退去するくらいまでなら、持ってくれるじゃないかな。
あまり水につけっぱなしも良くないから……あぁ、頭とかに載せておくといいかもね。
[あなたは水の中にいるから、とそんな提案をした]
うん、鳥、嬉しいなぁ。わたしみたいないい歳した男がもらうより、君みたいな女の子の方がいい気もするけど、動物好きだから、もらっていくよ。
>>70
[あなたが説明を理解してくれたようなので、表情の乏しい顔にも安堵の色が浮かぶ。]
宇宙空間を渡るってとこは、まだ実証されてないけどね。でも、心強いと思わないかい。どこででも育つということは、どこにでも人も住めるかもしれない気がしてくる。
[では、と花を持たない方の手でそっとからくりの鳥を受け取った。]
そうだね、壊れてしまったらとても悲しい。幸い、見てるだけでも楽しい子だ。一緒に連れていくよ。
じゃあとりあえず、何種類か種を渡しておくね。水と根っこが伸びるスペースさえあれば育つよ。まぁ、調べればすぐにわかるさ
[交換に種を数袋手渡した。]
>>71フェルム
[頷いていた頭が、そのうち曲に合わせてご機嫌に揺れる。相手の複雑な心境など知らず。……余談ながらこの人魚は、苦痛を感じるものでさえなければ、大体何でも好意的に受け止める。そうあるべきとされた愛玩生物としての性質なのか、この個体としての性質なのか、それはわからないにせよ]
うん、聞けてうれしい!
おぼえてる……おぼえて、たいけど。
[少し表情が曇った]
わたし、いろんなこと、すぐ忘れるから……
またときどき、会いたいな。
[この人魚はまだ知らない。「コロニーの廃棄が決まった」と、その噂は耳に届いていても、それが何を意味するのか、理解をしていない。だから、明日も、明後日も、その後もまだ。今日と同じように、この公園で、貴方達と会えると思っている]
>>72 カルックス
カルックス。
[聞き覚えのある名前だったから、音を確かめるように繰り返した。あれは確か、……そうだ、友達がそんな名前を口にしていた、と思う。
でも、自分に向けての言葉ではなかったから、あまり自信はない。
――あとで聞こう。そう決めた。]
わたし、入ったのは初めてで。まだ、この[視線でコロニーモデルを示す。]ソコラしか、見ていないのです。
でも、そんなにいろいろあるなら……楽しそう。
[あなたの心中など知らず、期待に少し笑った。まだ夜は長い、ゆっくり眺められそうだ。]
「どこに行くんだ?」
――わかりません。アノヨ……って、なんですか?
わたし、死んだことが……ありますけど、こうなってからは死んだことがなくて。
ごめんなさい、わからないことだらけで。
[困ったような笑みをあなたに向けて。そういえばずいぶん見下ろしたままだった、と気づけば、あなたと視線の高さを合わせるようにふわりと床へと近づく。]
>>73セイバリー
とってもうれしい!
おり……?たい……?げんき、ってこと?
[折り紙付きも、退去も、やわらかな頭には難しくて首を傾げたが。頭に、と言われた意味は流石にわかった。少し考え、自分の長い髪にそっと、髪飾りのように白い花を挿す]
いいな、いいな。
でも、歌わせすぎると、よくないのね?
またいつか、聞かせて!
[羨ましいと思いはしても、他人のものとわかっていて欲しがりはしない。ただ、また歌が聞けたら嬉しいなと思った]
>>73 セイバリー
僕らと同じ、生きてるんですから、ね。
[広い宇宙を生きる同志のような。そんな気持ちになって、咲いている花を見つめた。]
[からくりを受け取ってもらえば、生まれたペットを里子に出したような顔つきになっていた]
ごめん、なさい。僕、修理できなくて。でもきっと、長持ちしてくれます。
[つぶつぶとした種をまじまじ見つめ]
僕、ほんとに、育てるなんて初めてで!
わぁ、大丈夫かなあ。
あっ。た、大切に、育てます!
[そう思い出したように、大真面目に告げた。]
>>74ニンフェ
[技術が上だとか下だとか、まったく関係がないのだ。その笑顔を見れば明らかだった。ただただ、ニンフェーアはこのからくりの奏でる音楽と、動きを、楽しんでいる。
でも、それを正面から受け止めるのは、自分が彼女の幼さに甘えているようで抵抗があった。]
あ。え、えっと…ニー、僕らは…
[言いかけて、口をつぐんだ。どう説明すればいいのか、わからなくて。]
ま、また。会えるといいね。また。
[そうやって、二人に別れを告げてその場を後にしただろうか。オウムのからくりと引き換えにやってきた花の種を、ぎゅっと大切そうに握りしめた。
気持ちが軽くなったような、逆に後ろ髪引かれるような、ふわふわした気持ちだった。**]
>>78フェルム
?
[何かを言いかけるのを見て、こちらは動きを止め、口を閉じて待った。相手が口をつぐんでも、その先があると思って]
うんっ。
お歌、ありがとう。またね。
[やがて吐き出された言葉には、翳りのない笑顔で応えて。去って行く青年へ、ひらひらと手を振る。さよなら、ではなく、またね、と]
>>75
[期待に笑う顔に、つられて笑って]
初めてかー。俺は一通りあs……辺り見て回ったから、ゆっくりしていくといいよ。
あ、あとここの掃除頼まれたから、色々ごそごそしてる。
うるさかったら言ってくれ。
ここのおすすめは……俺、宇宙船展示が好きなんだけど、あんただったら何だろうな……植物の所に、花畑再現っていうの、やってる。似合うかもしれねぇな。
そうだなー……あ!一番奥にプラネトリウムっつーのがあって、なんか宇宙空間にいるように見えたり、どっかの星の景色をヴァーチャル体験できるんだって書いてあった。
電気通ってないから、見れないんだけどさ……
[スラム出身の貧民にとって、ここは無縁の世界だ。閉鎖したから大手を振って見られる等、笑える話ではあるけれど。
歯抜けの展示に最初入った当初はだよな……というほのかな期待を完膚なきまでに叩きのめして箒で掃き出す様な諦観を、彼女には感じてほしくないな。と思った]
>>75
[困った顔に]
あー……それもそう、だよな。あっちに行ってないからここで俺と話せてるんだもんな。
……ごめん。
[こっちもつられたように困り笑いをする。しかし、困ったような笑みが、どこか迷子のように見えて。
ううむ。と余計困ってしまう。コロニーに憑いた幽霊は、コロニーがなくなったらどうなってしまうのだろう]
……ま、わかんねぇことはなってみねぇとわかんないもんな。
廃棄まではまだちょっと時間があるし。うん。
ギリギリまでは俺もソコラにいるつもりなんだ。また、会えるといいな。
[幽霊は基本夜しか活動できないだろう。これ以上彼女の楽しみを無駄にするわけにはいかない。
自分にも仕事があるのだ……。と切り上げることにした。
彼女が有名な幽霊なんて知らない。科学史館で出会った秘密の出会いに、ちょっとしたときめきを感じたのも致し方ないかもしれない。
作り物の宇宙空間に浮かぶ彼女は、とても美しかったので]
>>80 カルックス
はい。
――わたしに何かできることがあれば、言って下さいね。
見て回るのは、得意なのです。
[物質には触れられないけれど、報告ならできる。
種族的な特性で、ひとの役に立ちたがるくせのある彼女は自然にそう付け加えていた。]
「宇宙船展示が――」
! 宇宙船もあるのですか!?
あの、古いものも……昔の宇宙船もありますか?
[喜悦に尻尾が揺れる。遥かな過去に宇宙船で旅をした彼女にとって、それはひどく馴染みがあるもので、なにより"探し人"の手がかりになるかも知れない――そう思えば、鼓動を刻まぬ胸も踊った。
感情の高ぶりを押さえるように胸に手を当てたまま、あなたへとにじり寄る。]
>>82>>83
へっ……!?あんた、宇宙船好きなの?
昔……つっても、写真とかそう言うの多かったな……
実物は全然。全滅。
あ、でも、等身大レプリカで宇宙船の一部とかあったな。あと滅茶苦茶ちっちゃい、人が乗れそうもないやつとか。
へーあんた、宇宙船好きなのかー……
[宇宙船エリアはなにかないかと一番に探した場所だ。
期待をしぼませないようにフォローする。
アメリアを見せたらどうなるかな?とちょっと思ったところにとんでもない名前を聞いてうえっと言う顔]
え。あんたチービー……じゃねぇ。ムービーと知り合い?
>>85 カルックス
懐かしいのです。乗ってきたので!
好き……かというと、わたしには難しいです。でも、とっても懐かしいのです。
写真でも見られるのなら、すごく嬉しい!
ありがとう、カルックス!
[今でもドッグへと行けば、いくらでも宇宙船を見ることはできるのだけれど、それは馴染みのない船ばかりだ。
もっとちっぽけで、燃料と計器ばかりが積み込まれている船なんて、今ではそうそう見ない。
飛び跳ねんばかりにはしゃぐ声を上げて、尻尾を盛んに振った。
そんな喜びがぱたりと止まったのは、あなたの表情の変化に首を傾げたからだ。]
はい、お友達です。
ムービーが以前、カルックスの名前を口にしていたので、覚えていました。
>>86
知り合いっつーか腐れ縁っつーか家が近所っつーか……
[ぽりぽりとばつが悪そうな顔をする]
嫌われてんの。俺。あいつに。キャンキャン噛みつきやがって小型犬かっつー……あんたは大きそうだな。
どーせ人聞きの悪いこと言ってたんじゃねーの?
[ムービーを知っていて、名前と所業を聞いているのなら、もう向こうも警戒するだろう。あいつ認識でこっちはこそ泥犯罪者なのだから……実際当たりなのだが。
態度が変わる予感にため息をつきながら、目を合わせずに奥の通路を指さす。]
……宇宙船エリア、あの角左曲がったらすぐだから。
説明文とか、宇宙船史とかのパネル、でかいの残ってるし、見てたら夜が明けちまうぜ?
幽霊なんだったら、日中厳しーんじゃねーの?
―からくり屋「ラクリマ」工房・深夜―
[夜は静かだ。人が少なくなったタヨーナの夜なんて、少し不気味なほど。
フェルムの「飛ぶ小鳥時計」は、寝ている間でも、3時間おきに部屋をひゅーんぱたぱたと一旋回する。
その小鳥時計がフェルムの寝ているハンモックにバシッとぶつかった。]
いたいっ。
[いつもならそうならないよう毎日飛び立つ位置を修正しておくのだけれど、忙しさにかまけてうっかり忘れていたのだ。起き上がって床を確認すると、地面の上でばたばたともがいている。眠い目をこすりつつ拾い上げると、]
「オマエノセイダ!」[なんと喋った。口をぽかんとあけて見ていると、]
「オマエガコワシタ!オマエガコワシタ!」ご、ごめん、ごめんなさい、あの、直すから!
[骨がゆがんでしまった羽部分をばたばたと動かすさまはどこか苦しげで、フェルムはあわてて作業台にそれを置く。動きが止まらないのでなんとか抑えようとしていると。]
「ねぇ、この子も直してあげてくれない?」
[顔を上げると、常連客で歌手のディアが、鳥のからくりの「エール」を持ってそこに立っている。]
>>88
あ、う、な、直せないんです…僕には、お祖父ちゃんと同じようには…「その子もお歌が歌えるの?」
[なぜだか部屋の中に突然できた小さなプールから、ニンフェーアがいつものように上半身を乗り出している。その子も?その子も?と、きらきらと邪気のない瞳で、工房内の作品を指さしている。]
ち、ちがうんだ、ここにあるのはみんな僕ので、まともに歌えるのなんていないんだ「まともに歌えなくて悪かったな!」「おまえが未熟なせいじゃないか!」
[今度はからくりたちが一斉にしゃべりだし、棚から飛び出してきた。フェルムはあわてて工房から店内に逃げ出した。アルバイトをしてくれているムービー・モモがきょとんとこちらを見る。]
モモさん!た、たいへんなんだ!からくりが動き出して!「やだなあてんちょー、からくりは動くものでしょ」
そうなんだけど!「お店はてんちゃのものなんだから、好きにしていいと思う」
でも、でも、お祖父ちゃんのなんだよ!
>>89
[暴走からくりはついに工房から飛び出して店の中に入ってくる。泡を食って外に出ると、カルックスが宇宙船のハッチを開けて「乗れ!乗れ!」と合図してくれている。からくりの追跡を逃れて間一髪乗り込むと、宇宙船はまるでロケットのように発射して、コロニーの鏡の天井をぶちやぶって宇宙に出た。
ここまでくれば安心とほっとすると、ポケットがなにやらもぞもぞする。わさわさと緑色の葉っぱが溢れ出し、宇宙船の中に根と茎を張り巡らし始めた。宇宙ミントだ!]
「なんだこりゃあ!宇宙船が壊れちまう」僕が逃げてきちゃったから!ごめんなさい!ごめんなさい!
[カルックスは怒って、僕を緊急脱出用のカプセルに押し込んで(すごい力だった)宇宙にぽいと投げ出した。宇宙ミントが、カプセルの中と外にわあっと広がって、いつの間にやらコロニーも全部真緑に変えてしまった。]
ごめんなさい、ごめんなさい…
[夢はそこで終わりだった。飛ぶ小鳥時計は、静かに床に落ちていた。フェルムなりに骨組みを工夫して、丈夫な軽金属でできたそれは、落下の衝撃にもほとんど無事だった。それを拾上げて、ひとしきり、声を殺して泣いた。**]
>>87 カルックス
[少し目を丸くした。頬に手を当てて、彼女の言葉を思い出す。確か、]
……厄介だ、と話していました。
[どう厄介なのかは、言っていなかった。無事に思い出せたことに安堵してあなたを見れば、視線が合わない。
また少し考えてから、にこりと笑った。]
でも、カルックスはわたしに、親切にしてくれました!
ムービーも、とってもすてきな、やさしい子です。
[自分がわかるのはそのふたつだ。ふたりの間に流れてきた時間のことはわからないのだから、どうと断じることはできない。
通路を示す指を視線で追ってから、ぺこりと頭を下げた。]
ありがとうございます!
ご心配も、ありがとうございます。でも、わたしは昼も大丈夫なのです。言葉は、喋れなくなりますけれど。眠くなったら、お花のベッドを探して寝ます。
お掃除、頑張ってくださいね。
何かできることがあったら、言ってください。お礼です!
[言葉の通り尻尾を揺らしてから、宙を小さく蹴った。あなたが示した角を左に曲がろうとする。*]
>>92
厄介。ね……。けっ。言いやがる。
[不貞腐れがどんどん膨れ上がろうとした時、柔らかな声と、親切にしてくれたという言葉が降る。
驚きに目を向ければ、ぺこりと下がった頭と、お礼という言葉。
何をしたわけではない。驚かせただけだし、宇宙船エリアがあるという話をしただけだ。
何もしていない。のに、彼女は嬉しそうに礼を言い、戸惑っている間にゆらんと尻尾を揺らして角を曲がろうとしていた。]
………乗ってきた船!あるといいな!
[去りゆく背中に、最後に一言だけ声をかける。
自分にはどれかは分からない。宇宙船に乗ってやってきたという彼女は、宇宙で命を落として、幽霊になったのだろうか。
経緯は分からない。けれど、彼女が探しているものが見つかればいい。
それだけは、素直に思えた。**]
>>78 (>>ニンフェーア)
そんなに緊張することはないよ。生えるに任せてれば、結構勝手気ままに咲くものさ。こういう風にしてやろうって力むと難しいけど、フェルムくんはゆっくり見守るの得意そうだし。
一度に全部じゃなくて、少しずつ挑戦してみてね。
[そう言うと、去っていくあなたをひらひらと手を振って見送った。膝の上に乗った鳥かごの中では、元気よくオウムが鳴いている。止めてはいけないとのことだから、この子が泣き止むまでここでもう少しぼんやりしていることにした。]
[傍らに人魚が残っているならば、なんとはなしに聞いていくかい?と話しかけて、そのままそこでじっとしていることだろう**]
>>94セイバリー
[フェルムが去った後も、歌っているオウムをじっと見ている。少し一緒にぼんやりとしただろうか]
[聞いていくかい?の声に、遠慮なく大きく頷く。やがてオウムのさえずりが止まり、相手が戻る時間になれば、その背にまたねと手を振って]
[自分もまた水の中に帰る寸前、水面に映る己の髪に白い花が咲いていることを確かめれば、嬉しそうに目を細めていた**]
>>93 カルックス
[宇宙船や花畑の事を教えてくれたし、困ったら一緒に困ってくれたし、励ましてくれた。また会えたらいいな、なんて言ってくれた。
それは確かに小さな事かも知れないし、さほどの好意や善意がなくてもする程度のことだったり、もしかしたらただのリップサービスかも知れない。
でもそのひとつひとつが、彼女にとっては嬉しかった。そしてその"嬉しさ"は、あなたが今、ここにいなければ得難いもので。だから、嬉しかったという事と、ありがとうという言葉を伝えたかった。
感情をストレートにぶつけてくる犬と同じように、彼女にとってはそれはごく自然な事に過ぎない。
だから、あなたの驚きも戸惑いも、彼女は知らない。]
[角を曲がるとき、あなたの声が背なにかかる。
少し足を止めて、]
はい!
カルックスのお掃除も、はかどるといいですね。
[笑みとともに頷いて、──彼の"お掃除"が何かを知らない故に、そんな言葉も付け加えた。
そして浮足立った(物理的にも)足取りで、宇宙船エリアへと向かう。**]
―タヨーナ標準時計塔近く/夜―
[タヨーナの時計はすべてこの時計に合わされているともいわれる標準時間を示す時計塔。
役目を終えるその時までは正確に動かなければならないと、今この瞬間も精密な時を刻んでいる。]
[そのすぐ真下の路地を夜だというのに子供が1人で歩いていた。腕に着けた端末にはせわしなく何かのメッセージが飛び込んできていることを示す灯りがチカチカとともっている。]
あっちの企業にこっちの町に。
うっとうしいくらいにれんらくが入るんだから。
[初めは律儀に見ていたメッセージも今となっては面倒くさい。]
……通知きっちゃおうかしら。
[あるきながら、じっと腕の端末をみつめた]
>>98 ライカ
[ふわりふわりと宙を泳ぐあなたの動きには音がない。だから気づいたのは背後から声がかかった時だ。
突然呼ばれた名前に斜め後ろに振り向いて見上げた。緑色の瞳は驚いたように少し見開かれていたけれど、あなたを見とめて微笑みに緩む。]
ライカ。とつぜんだったから、びっくりしたわ。
[そうしてあなたも見つめる先、いまだピカピカと存在を主張する小さな端末へと視線を戻した。]
どうせ移住のごたごたについてよ。
今はもうぎょうむ時間外ってやつだわ。
―簡易診療所・朝―
「診察が完了しました」
「まもなく薬が処方されますので、しばらくお待ちください」
[人の声とほとんど変わらない合成音声のアナウンスに促され、ムービーはカプセル型診察室から外に出た。料金が安いこの診療所を、彼女は何度も利用してきたが、狭くてまっしろい空間で、機械の作動音を聞きながらじっとするというのは、未だに緊張してしまう。額に浮いていた汗を手の甲でぬぐって、ムービーは待合室の椅子に腰掛けた。大人の人間用に作られた椅子なので、ムービーが座るとどうしても足が浮いてしまった。
この後は、人の手によって診察結果に基づいた薬が処方されるはずである。待合室にはムービーの他にも具合の悪そうな者が何人かいる。自分の薬が処方されるまで、もうしばらく時間がかかりそうだとムービーは思った。]
……あ゛ー、あ゛ー。
[試しに出してみた自分の声を聞いて、ムービーは顔を曇らせる。ひどいガラガラ声だった。先ほどまであった悪寒はひいていたので、少しは良くなっていることを彼女は期待したのだが。
完璧な風邪っぴきである。]
>>101
[原因は見え透いていた。昨晩、無人酒場で酔いつぶれたまま一夜を過ごしたことだろう。ムービーが起きたばかりの時はもっと症状が重く、何より移住前に病気になったら、検疫やら何やらが面倒になるので、彼女は大事をとって診察に来たのだった。
待合室でスマートリングをいじってホログラムを投影する気にもなれず、ムービーは手持ち無沙汰のまま、足をぷらぷらさせていた。]
>>100 ライカ
[小さく出された舌が子供ぽくみえて、いいのよ、と微笑んだ。]
そういえば、ひさしぶりだったかしら。
外出自体、あまりしていなかったかも。
[何か買い物をするにしたって家から出る必要はないし、と端末から少し視線を外してここ最近の自分の行動を振り返る。
移住のうわさが出てからは何だかんだとのんびりしてる暇がなかった気もする。
手元に視線を戻せば依然ぴかぴかと夜の中その光は目立っている。]
いいえ。わたしはフリーだもの。
ただ、この機会にうちの企業にーだとか、どれそれの技術はどこどこの星の何Gのかんきょう下でもつかえるかーとか、つかえるようにしてくれーだとか。あれそれの生き物を移住船にのせるのにうんぬかんぬんだとか。
[ずらっと並びたててため息をついた。]
ぎりぎりになっていわれてもこまっちゃうわ。
>>103 ビクトリア
お忙しいのかと思っていましたよ。
でも、お元気そうで良かったです。
[そうはいったものの、ため息をこぼす横顔をを見れば、こちらも苦笑をもらしてしまう。
見た目通りの歳ではないだろうけれど(女性に年齢を聞いてはならないのだ!)体の大きさは体力の量にも比例するから、疲れが溜まっているのではないか、なんて余計な心配まで、鼓動を忘れた胸に落ちる。]
――ビクトリアはひとりしかいないから、引っ張りだこになると困りますねえ……。
もちろん、ビクトリアならそんなお願い事、頑張って出来るのでしょうけど。
ビクトリアがしていることのお邪魔になったら、困りますものね。予定が狂ってしまいますもの。
>>94
[ 親水公園。人工の緑地と池があるこの場所は、ソコラに癒しと憩いを提供する場所だ。
沢山の種と一株の花を抱えてここに来ている筈の人影を探し、ぼんやりと池の横にたたずむそれを見つける]
マスター。こちらにいらっしゃったのですね。
昼食をお持ちいたしましたが、こちらで食べていかれますか?
[持ってきたのはサンドイッチだ。彼が作った野菜をふんだんに合わせ、塩分強めの合成肉の燻製をみじん切りにし、でんぷん質と煉り合せたものを塗り込んでいる。
ここで食べるならば手の消毒と、口腔の洗浄は除菌ミストでいいだろうかと思案する]
>>104 ライカ
いそがしかったわ。そう、えっと、最近のことばだと、ヨタ忙しかった!なんていうのかしら。でもげんきよ。
[若者の間(一部かもしれない)で流行っているスラングを口にしてから、端末の光だけ落として、苦笑するあなたを見上げた。]
ライカはさいきんはどうしていたの?移住のことであたまがいっぱい?
[にこりと微笑む顔に言葉通り疲れの色は出ていなかっただろう。]
そうねぇ、がんばらなくてもできるのも多いけど、時間はゆうげんだからね。
ライカに触れるようにも、まだできていないし。
【親水公園・昼】
>>105
[からくり屋の青年と、人魚との、のんびりとしたようでいて短い語らいの後。からくりのオウムも鳴き終り、人魚と別れを告げた後だろうか。増えた荷物をどう持っていこうか思案しているところに、見慣れたアンドロイドの姿を発見する]
ああ、ソラリアくん。こっちこっち。
ここでぼんやりしていたら、種と花をもらってくれる人がいたんだよ。あてがないから、いい人と会えてよかった。
お礼にと、こんな良いものまでもらってしまったしね。
[籠の中で今はおとなしくしているからくりを、良く見えるように籠ごと持ち上げてみせる。あなたが近づくと、座りやすいように荷物ごと少し横につめた]
お昼ご飯……もうそんな時間か。ありがとう、また忘れるところだった。
折角だしここで頂いていくかな。外で食べるなんて随分久しぶりのような気がするけれど。
―からくり屋「ラクリマ」工房・午前中―
[きょろきょろと辺りを見渡し、数種類のからくりがディスプレイされた大きな飾り窓から店内を覗き、もう一度辺りを確認する。
そんな少し挙動不審な行動をとりながら、カルックスは楽リマの店内へ体を滑り込ませた]
こんちゃー。おーい。フェルム。フェルムいるかー?
[カウンターの下に潜り込んでいるか、工房にいるのか。
見えない姿に声をかけるその声はどこかワクワクを抑えられないといった具合。
懐にはようやく手に入れた星海図があった。
数少ない違法宇宙船の協力者に、こちらの無謀な挑戦を心配してくれる友人に、もしかしたら同じ船に乗る仲間になるかもしれない相手に、いくらかの安心と乗り気を与えられそうな気がしていたからだった。
退去準備を進めているのか、おもちゃ箱の中の様な賑やかな店内が少しすいて見える。
陽気なオウムのからくりがいないことに気付いて、あああいつ売れたのかな。と定位置だった止まり木をつついていた。]
>>106 ビクトリア
ヨタ。
[与太。よたよた。ヨタ……少し考える間があいて、]
……キロ、メガ、ギガ、テラ、ペタ、エグザ、ゼタ、ヨタ……
なるほど。わたしの知っている言葉だと、「すごいヤバい」ですね!
[遥か昔の最近の言葉で言い換えて満足げな声を上げる。
見上げるあなたを見下ろして、]
いいえ。
最近は、お友達や顔なじみの人に、人捜しをお願いしていたのですよ。だから、わたしも頑張って探していたのです。手がかりとか、通信とか……。
でも、皆さんが移住するなら……どこに行くのかなあ、って。気になってはいます。ビクトリアは、まだ決まっていない……ですか?
[微笑む顔に安堵を覚えた。だから、素直にそう聞いた。
「まだできていないし」]
気にかけてくださって、ありがとうございます。
わたしはわたしに触れるんですけれどね……
>>102
[ところがしばらくしないうちに、ムービーの番号が受付で呼びだされた。待合室にいたもの全てが患者というわけでもなかったらしい。思いがけぬ僥倖だったが、ムービーは大して嬉しそうな顔もせずに薬の受け取りに向かった。
簡易診療所を出て、ムービーは喉に手を当てながら再度声を出してみる。]
あ゛ー……う゛ぅ……。
[今日一日付き合っていかねばならない声に渋い顔をしながら、ムービーは青いホバーボードに乗って一陣の風になるのであった。**]
>>109 ライカ
そうそのヨタ。若い子の考えることばはおもしろいわ。
そんな、えーっと、すごいやばい単位をもってくるんだもの。
[正確に使えているのかは分らぬが、あなたの言った言葉を早速使ってみた。]
人さがし。あなたのこきょうの人かしら。
私のいじゅう先はまだ決まってないけれど……そうね、うるさくなくてすこしふしぎなところがいいわ。
[ふわふわとした移住先の候補をあげて、ふわふわと笑う。]
このさきいじゅうで離ればなれかもしれないから、やれるだけやりたいもの。
でも、ふしぎよね。あなたの周りだけ少しナノ粒子の動きが違うから、その情報をとうろくすれば……とも思ったんだけどうまくいかなかったし。
[情報の精度があれこれ粒子毎に細かい位置情報も登録すべきだったかうんぬんと話かけたところでオタクの話になってしまったと少し咳払いをした。]
あ、魔力のながれも違うから、ドイツコイツ星の魔導石をくみこんだのを作ってみたんだけどためしてもいい?
―からくり屋「ラクリマ」工房・午前中―
>>108カルックス
[カルックスが声をかけてから、しばらく間をおいて、工房につながっているドアが開いた。一見木製に見える、あまり「機械」らしさをにじませないその扉も、ドアノブには指紋認証がついているし、火炎放射でも破るのに時間がかかる金属を使っている。
いつもより髪がぼさぼさで寝癖だらけだ。どうも寝ていたらしい。]
やぁ、カルックス。船、どう?
[訪ねてくるということはその要件だろうと、口元をほころばせて、さっくりと本題を切り出す。カルックスの挑戦は、殻を破るということができない自分にとって、信じられないほど大きな「夢」で。それを本気で叶えようというのだから、心配ながらも心は躍った。]
[つついている止まり木を見て、ああ、と頷く。]
交換、したんだ。これと。
…大事に、してくれそうな人だったから。
[引出しからそろりと植物の種を取り出す。まだ植えてはいなかった。]
『―――Wow!!』
[街中に、電子の花火が蛍光色にはじける。巨大なホロステージには、先日のドレスとは打って変わって、ステッキを振りかざし、タイトなボディスーツにピンヒールの衣装で踊る彼女がいる]
『求めてよ ”宇宙の人(スペース・マン)”
求めてよ ”宇宙の人(スペース・マン)”
興味なんてないんでしょ 前世から 銀河の生き物
当然よ ”宇宙の人(スペース・マン)”
当然よ ”宇宙の人(スペース・マン)”
未練なんてないんでしょ
生まれつきの”宇宙飛行士(アストロノウツ)”
古い考えね 明日はデートだわ
新しい部屋まで迎えに行ってあげる 』
[虚像の彼女がステッキを回せば、それに合わせてあちこちで花火がはじけた。宙に映し出されているだけとはいえ、中々の迫力がある]
[…その映し出される映像の、真向かい。
薄暗いビルの屋上にあるドーム型の庭園で、ベンチに座り、自分の姿をのんびり見ている本人がいた。]
やっだ。なつかしー。
いつ録ったプロモーションだっけ、あれ。
[攻めた衣装で不敵に笑う姿とは裏腹に、面白そうに、他人事のように自身を眺めている。そう、あれはライブではない。特に注釈もなく流されいるが]
投票でスキャン済みの再放送ーとしか聞いてなかったし…
昔の自分のおかげで、ヒマが出来るってのも変な話だな。
[独りごちつつ、足を組む。
この屋上庭園は開かれてはいるが、基本的に人気がない。彼女にとっては、夜ともなれば絶好の散歩スポットになる穴場だった。
鼻歌まじりで、景色と、音楽と、昔の自分を楽しむ]
>>111 ビクトリア
面白いですね。
それに、とっても物知り。「すごいヤバい」言葉も知ってるんですもの。
[同意と感嘆の声を上げた。するりと飲み込んだから、あなたの使い方に違和感は覚えなかったと伝わるだろうか。]
はい。わたしに、"お仕事"をくれたあの人です。
"あの人"が来るまで、ここできちんと待っているのがお仕事なのに、ソコラがなくなったら、迷子になってしまいますから。
決まったら、教えてくださいね。
[具体的な名前は来なかったから、先ほどのスカウトは断るんだろうな、なんてふわふわ思った。彼女の、自由に楽しそうにお仕事をしている姿が好きだ。
けれど、離ればなれ、なんて言葉に少し耳を伏せる。]
――、ありがとうございます。
えぇと……わたしの構成物質? を繋いだ形で登録して、繋いだもので外郭を作る……って、ことです……か?
[咳払いを受けても、あなたの言葉を理解しようとした結果がそれだ。
続いた疑問符にはもちろん、と頷く。まだ、前の理論を理解しようと若干上の空。]
-早朝、珪素屋敷の交信室-
月下35°24′S,44°0′Wより分岐せるアルマのD684世代は、思考結晶の情報結合を行い、高速に書類情報を処理している。思考系は分割して処理され、高速化されているとはいえ、最終的に当代個体の生のおよそ1/20は日常の事務処理に費やされることとなった。
擬似ディスプレイには、当該個体が永遠に見ることのない、数百光年離れた惑星系の入植資料が表示されている。
[almaD684 solid memory wrote.]**
RP中大変申し訳ございません。
*おっとそこまでだ*
この村のルール上、2IDのPCを「同時に」動かすことは禁止しております。
>>105のソラリアさんを一度〆るorいったん中断するか、
>>108のカルックスさんからの流れを一度〆るorいったん中断するか、
どちらかを選択の上、RPを続けるようお願いします。
気づくのが遅くなってしまいすみません。
メモにて関連の方で打ち合わせて頂ければと思います。
打ち合わせの結果、中断となった場合、中断相手の方が再開まで別の方やソロールを回すことはもちろんOKです。
せっかくされたRPを生かす形でルールに沿って頂ければありがたいです。
よろしくお願いします。
>>115 ライカ
ありがとう。これから使ってみようかしら、すごいやばい。
[どうやら違和感なく使えた様だと、少しうれし気に繰り返す。]
ライカはソコラに向かって送られたの?
どこか遠くへって送られただけなら、つうしんきの発信をたよりに、きてくれるんじゃない?
[ここにこだわらなくても、というように少し首を傾げた。
決まったら、という話には、みんなにないしょにするならね、なんてふわふわとした微笑みを浮かべる唇の前に指を立てた。まるっきり子供が「しーっ」とするような仕草だ。]
そんなしょげた耳しないで。わたしは長いきだからはなれてもあえるわ。
そんなかんじかしら。構成物質とか……あとはそれだけだとたぶん触るには密度が低いから別の物質で補ったりとか。
[頷かれれば、ポケットから小さな円形の薄っぺらい機械を取り出した。あなたの下に置いて「起動」と呟けば、ブンと鈍い音と共に円の真ん中から光があなたの全身を照らし出す。あなたという形を作り出している小さな要素を結び付け、補い、繋ぎ合わせて実体を作り出そうとする、その働きが上手くいくかは分からないけれど。]
>>114 ディア
―寂れたドーム型の屋上庭園―
[ホロステージなるもの、ムービーは一度も見たことがなかった。元より、音だけを聞いて、曲の世界を想像の中で広げることの方が好きだった。
ただ、ソコラを出る前に1度くらい見収めようかと思い――これもソコラの廃棄が決まって起きた『変化』の一つだろう――ムービーはこの庭園に足を踏み入れたのだった。
まさかそこで、憧れの歌姫に会えるなんて思いもせずに。]
あの゛……も゛しかして、『今宵もタヨーNight』の方……?
[ディアがガラガラ声のした方を振り返れば、一見人間の七歳くらいの子どもが、しかし実際はハタチの小人族が、きょとんとした顔であなたを見ていたことだろう。]
>>112
[ぼさぼさの寝癖髪に、あきれ顔をするカルックス。が、どこか笑っているように見えるので、作っているのだろうというのが一目でわかった。
すぐに船の話を切り出してきてくれたのも嬉しいのだろう]
おいおい店主さん今起きたのかよ。客が逃げちまうぜ?
ふっふーん。見て驚けよ。やっと手に入ったんだよド・コカーノ星海図メモリ!
これでどこでも行き放題。宇宙迷子の心配もなくなるぜ。
自分で組み込むつもりだけど、一応メリー=ドリーに見てもらって、調整してもらう予定。
メッサ・トーイだって行けるぜ?お前どっか希望ある?
[どーよ。と顔に書いてある。
オウムの行方と、引き出しから出した種にへーっと顔を近づける]
面白いな。食えんのかなこれ。えーっとろ……やべぇ読めねぇ。
種かー。流石にアメリアで自家栽培する余裕はないからなぁ。
あ、でも鉢植えで花育てるのは面白そうだな。ずっと冷凍
睡眠ってのも味気ないもんな。
[フェルムが乗る事前提のように話しているが、一応別の道を行くなら止めるつもりはない]
>>118 モモ
ひゃっ
[背後の気配に気づかず、突如かけられたしわがれ声に、驚いて小さく悲鳴をあげた。不審者か、と勢いよく振り返れば、けれどそこに居たのは少女のような姿で、ぱち、ぱちくり、と思わず目を瞬かせる]
… ……え。ええ。そう。だけど。
びっくりしたあ、アナタ番組聞いてくれてるの?ホントに!?
[束の間、すぐさまホッとしたような、嬉しそうな笑顔になった。遠くのホログラムを背景に、姿勢を正して向き直る]
ディア・コスモス・ハートよ。
いまどき音声だけのマイナーラジオで、若い女の子のリスナーなんて珍しいから…嬉しい!
>>107
[掲げられたオウムに、目を丸くする。口調は機械的なのに、反応はとても豊かで人間的だ。HKシリーズの特徴でもある。]
これは……オウムですか?
花と種のお礼に?とても……成功ですね。高価なものではないのですか?とても精巧……。
マスターの花と種が、それだけの価値であったと、認めていただいたのですね。
とても素晴らしいことです。私も誇らしい。
このオウムは……喋ったりするのですか?
[自然と内部解析をかけながら、ソラリアは答える。声明を模したものは、アンドロイドの仲間だ。
旧形態のからくりに感心する。大事にしなければならないものだろう]
ここでいただくのであれば、まず手の消毒を。口腔内の洗浄も致しますので、こちらの洗浄ミストを口の中に含ませてください。
[その間にソラリアはランチマットを広げ、サンドイッチを広げ、スープを入れた水筒を傾ける。
セイバリーの空腹具合でサラダやデザートも追加がある。
公園ではもしかしたらニーがいるかもしれない。とデザートは多めに持ってきていた]
>>120 ディア
[ディアが名乗りをあげると、ムービーはわぁ、わぁ! と感極まった声を小さく上げた。声は荒れていたままだったが。]
私、ムービー。ムービー・モモです。
ラジオ……メ゛カニックの仕事で毎日は聞けな゛かったけど、好きでした。
あっ、すみ゛ません。オフ中に。
[夢を見るような瞳をしていたが、慌てて相手の休息を邪魔したことに気づき、申し訳なさそうに視線を落とした。]
>>122 モモ
[掠れた声に、大丈夫?と少し首をかしげてみせるが、口には出さない。この街には色んな人がいる]
ムービー。良い名前、よろしくね!
そっか、メカニックならマイナーウェーブにも詳しいのかな。アタシの知り合いにも技師の店長さんがいるけど、マシンの好きな人は自分で作っちゃうよね、ラジオとかオモチャとか…
[こちらこそ、心底嬉しそうにキラキラした目で、顔をほころばせながら答えていた。首をブンブン振って笑う。]
全然!お喋りするの好きなの、仕事してると周りがうるさくって…
アタシこそ、ムービーのお散歩の邪魔しちゃってない?
>>119 カルックス
[確かに少しからくりを触ってはいたけれど、夢見が悪くて寝不足なだけで。久しぶりの二度寝というやつをむさぼっていたのだった。]
いいでしょ、寝てたって。もう、お客さんなんて、来ないし…[ふぁ、とあくび。]
…わ、すごい!ちゃんとしたやつだよね…?ちゃんと、調整してくれる人まで、見つけてるんだ。
宇宙を漂って、エイリアン、いっぱいの惑星に、漂着するんだろうと思ってたけど。
どこにでも、行けるんだ、カルックスは。
[真面目な顔で冗談じみたことを言うものだから本気なのかどうなのかわからなかった。羨ましそうに、カルックスを見る。]
僕は…僕は、どこでもいいよ。行きたいところなんて、ないし。
[移住する場所もまともに決められないのだ。困り顔でそう返した。]
そ、そう!食用なんだって。合成食品になるって。
そのままは、あんまりおいしくないらしいけど。
はちうえ?あ、ああ、器に土をいれるやつだね。
[まだ調べ始めたばかりで、植物のことは疎かった。せっかくだから、きれいに咲かせてあげたい。]
>>124 ディア
[こんな時にどうしてこんな声なんだろう! とムービーは思っていた。この街にはタイミングの悪さというものがある。]
ああ、うちのてんちょ……私、ラクリマってお店で働いてたんですけど、そこの店長もラジオ、自分で作ってました。
私は、メカニックだからじゃなくて、ちょっとした……レトロ趣味でラジオが好きだったんですけど。
[ディアのほころんだ顔を見れば、ムービーもほっとしたように体の緊張が解けたようだった。]
私、ちょうどホロステージを見に来ていたので。ホログラムを見る必要も、なくなっちゃいましたが。
[はにかむような笑みが、ムービーの顔に浮かぶ。]
>>125
漂着って……。ま、実際そうなってもおかしくなかったしな……。
でもこれでアメリアはほぼほぼ完璧だぜ。あとは試運転と……できればもう少しブースト装置欲しいよなぁ。出発時に加速力高めないと、とっ捕まって出鼻くじかれたくないし。
[はー。とため息をつく。宇宙船の登録、検査には金がかかる。スラムチルドレンが逆立ちに逆立ちを重ねたって無理な額が。
性能自体はちゃんとしたものだと自負はしていた。廃棄当日の出発なら、どさくさに紛れてしまうだろうという予想も。
また、種の中身についても目を輝かせる。]
食用!いいじゃん!そのままがまずいなら焼きゃいい。大体食える。
スラムの婆ちゃんが色んなもん鉢植えにしてたから、何に突っ込んでも土と水がありゃ、大丈夫なんじゃね?聞いてきてやろうか?
>>125
[ウキウキ気分でいたかルックだが、どこでもいい。という言葉には顔を顰めていた。]
……フェルム。お前さー。まだ移住先も決めてないだろ。
どうするんだ?もう廃棄決まっちゃったんだぞ。
店続けんだったらそれなりの場所探さねぇとだろうし、やめるにしたって、もういいところないんじゃねぇの?
ぐずぐずしてたらチョーヘンキョーとかバイス=ゴイヤとか、貧民船のやつらが飛ばされるようなとこしか、行けなくなっちゃうぞ。
[何もない自分と比べて、フェルムはこの店がある。からくりに囲まれて過ごすフェルムは穏やかで、ここが好きだということはカルックスにだってわかった。
それが強制退去だ。戸惑うのも仕方ないだろうが、それにしたってぐずぐずしすぎだと、カルックスは思う。]
>>126 モモ
…ラクリマ。あそこで働いてるの?
ってことは、店長さんってフェルムのことでしょ。なんだ、同じ人の話してたの!
[目を見開くと、ケラケラ笑いだした。]
アタシもよくお世話になってるんだけど、そっか、最近覗けてないからなぁ…レトロ趣味、うん、分かる気がする。
あのお店、古いものが今も生きてるみたいでワクワクするもの。そういうのが好きなら、天職だよねえ。
[言いながら、おもむろに傍らのハンドバッグを開く。大きくない荷物の中から、更に小さな、機械の小鳥が出てきた]
ホロステージも是非、見て欲しいけど…
今日はこの子と歌いに来てたんだ。どう、よかったら一緒に一曲歌わない?
―川縁・夜―
[街の近くを流れる川の底で。冷たい水に長い髪を揺らめかせながら、人魚はじっと考えていた]
[コロニーの廃棄。このところ、この街の人々の誰も彼もが囁き交わしているその言葉。人魚にその意味をはっきりと伝えてくれた人はまだいなかったが、何か大変なことが起きようとしているらしい、ということだけは理解をせざるを得なかった]
[見かける人々の多くは、慌てた様子であったり、どこか寂しげな様子であったり――人々のそのような様子を見ていると、人魚の胸の内も、ざわざわと落ち着きがなくなる]
[指先が白い花に触れた。今日出会った、優しい男性がくれたものだ。綺麗な声のからくりオウムが歌っていた記憶も、引きずられるように蘇る]
[頭上の水の外、歌が聞こえた。大切な友達の歌声だ。顔を上げてふわりと浮き上がり、水面へと乗り出して、近くの小さな中州に腰掛けた]
[夜風に乗って、どこかの飯屋の香りが鼻に届いた。友達の作ってくれた料理の味を思い出して、ちょっとだけお腹が鳴った]
[――思い出に慰められるなんて、この人魚の知識では自覚は出来なかったけれど。それでもいつしか、夜空に小さな歌声を放す程度の元気は、出ていた]
>>127 カルックス
エイリアン用の武器、いらないのかな、って思ってたんだ。[真面目な口調である。]
試運転、するの?さすがに…みつかる、ような。
…これ以上、ブーストつけたら、ばくはつする。
[試運転は音も動きもそれなりにわかりやすいんじゃなかろうか。とっくに目を付けられているんだから、もしまた、それも宇宙船と一緒に見つかったちしたら大変だ。]
料理かあ…最近やってない。ブロック飯、ばっかりだ。
種、よかったら。カルックスも半分、持ってくといいよ。
沢山あるから、大丈夫。
[その場で、小さな袋に種をわけ始めた。]
>>128 カルックス
[どうするんだ?そう聞かれて、きゅうっと酸っぱい顔になった。]
どっ、どうするって…そんなの、カルックスが気にすることじゃ、ないよ。
どこだって、いいんだから…ここ以外なら、どこだって一緒だよ。
[ものはためしに強がって見たものの、数秒ともたなかった。]
僕、もうこの店、やめるんだ。
からくりも、大事なのをほんのいくつかだけ、持っていくけど。
あとは、みんな、誰かにあげる。モモさんも、もらってくれるって。
だから…僕のことはいい、よ。
[ははは、なんて乾いた笑いを出した。]
>>129 ディア
……え゛。フェルム゛って、てんちょ……。
えー……!
[こちらは困惑しっぱなしだった。てんちょ、ちょっとくらい話してくれても、よかったのに……! と、ここにはいないフェルムをぼそぼそした声でなじる。]
……ラクリマは、今まで見た中で一番素敵な店。う゛ん、確かにあの店に入ったらワクワクします。
本当は、ずっとあ゛そこで働きたかったけど……。
[閉まっちゃうんですよねと、遠くを見つめながら少し寂しそうに笑った。ホロステージからのきらびやかな音が、まだ辺りを包んでいるだろうか。
機械の小鳥が出てくれば、少し目を見開いてその形に注目し]
それ……も゛しかして……。
歌? 歌っていうのは……喉から声を出す歌……?
[びっくりしすぎたのか、ケホンと軽い咳が出た。]
>>131
武器!武器かぁ。ああそういやすっかり忘れてた!
そうだよなぁ宇宙海賊とかもいるかも知んねぇし……そっちでアテ……あ、あるかぁ??
しかしこっから武器まで搭載しようとするとちょっと厳しいな……レーザーガンなら何とか工面できるかな……でもにらまれてるからきっちぃな……
ブーストもだめかぁ……うーん。ギリギリ……超えてるけどやんねぇと死ぬもんな。やっべぇなぁ
[うんうん唸りながら新たに必要になったものと入手法を考え始める。真剣な顔はそれでも、困難に屈しないという強い意志を感じた]
料理は俺もやってねぇ。というか一日一ブロック飯だし。
え?種?いいよ。どうせここじゃもう育たねぇし、お前が乗るならお前が世話した方がちゃんと育ちそうだし。
[ぽりぽり頭をかきつつ、小分けし始めるのを止めたりはしない。何が役に立つか分からないのだ。もらえるものはもらう主義でもあった。]
>>134 カルックス
武器、作る?間に合うか、わかんないけど。
ロケットパンチなら、ありあわせでなんとか。ならないかな。
[ちなみに、真顔である。]
いいの。カルックスにあげるよ。
宇宙船で育てるんなら、同じ鉢植え用意しよう。どっちが育つか、競争しよう。
あっでも。アメリアに持ち込んでいいか、わかんないなあ。
調べれば、わかるかな。
[セイバリーの言っていた検疫法を気にして、ううんとうなる。そういうところは、見た目通り真面目だった。]
>>132
そうか、やめちまうのか。
へー。チービーに。あいつに価値なんてわかるのか?
……まぁ、あいつ手先器用だし、長持ちするよな。多分。
やるにはちょうどいい奴か。
[数秒も持たない強がりに、乾いた笑い。
ここ以外ならどこも一緒というのは、ここでなければだめということで。
……なんとなく、この前会ったアンドロイドを思い出した。
ここ以外を知らないというアンドロイド。フェルムも、似たようなものかもしれない]
……ここじゃないと、だめならさぁ。まるっと持ってくとかも、無理なのか?
お前の腕ならまぁ、やれなくもないだろ。
アメリアに乗るなら、色んなコロニーとか星とか回って、流れのからくり販売とかもやれるかもしれねぇぜ?
……お前、からくりやりてぇの?からくりも、ここじゃなきゃ意味がねぇ仕事なのか?
俺はさ。正直、ここを出たい。というかスラムのガキをやめたいから、こんなばかやってるんだけどさ。
……なぁ。アメリアに乗らねぇ?新天地行ったら、いっそ何もかもすっかり変わるかもしれねぇぜ?
>>133 ムービー
子供の頃にね、歌う鳥の子を買ってもらってから、ずっとお世話になってて。アナタみたいな可愛い店員さんがいるなんて知らなかった、こないだジゴバで会ったのに!さては隠してるな?
[冗談めいた言い方をしてみる。きっとそちらのセリフなのだろうが]
…そっか、やっぱり閉まっちゃうのか、あのお店。
古いものは、段々忘れられていくものなんだろうけど…残念だね。
まだまだ忘れられない人、沢山いるのに。
[ね、と寂しい微笑みを返した。ステージはもう終了時刻を迎え始めて、エンディング・テーマを流しながら瞬いている。
咳払いに気が付いて、はた、と小鳥を抱いた手を止めた]
もしかして、調子悪いの?
やだ、てっきり元々そういう声なのかと…ゴメンね気付かなくて!
それじゃ、今日はおあずけ。
[小鳥に向かって囁くと、カタタタ、と鳥が動いた。なるほど、オウム返しに歌や言葉を返す仕掛けらしい。ただ、鳥のさえずりは駆動音だけで、声がしない。壊れている。]
(続き)
>>133 ムービー
一杯喋らせちゃって、無理させたよね。
また今度、元気な時にお喋りしてくれる?もうステージも終わるし…外まで送るよ!
[言いながら、立ち上がって庭園の入口を見る]
>>135
ロケットパンチ……!?ロケットパンチって、あの、たまーーーに街頭ホロでやってたロボットがドーンバーンやってたあれだよな?
まじで!?めっちゃいいじゃん。作ってくれよ。すんげぇ楽しそう!
[目をキラキラさせる。テレビなんて持っていない。街中で華やかなロボットアニメのつまみぐいをするのがせいぜいだ。
それが自分の宇宙船につく。それがどれだけのすごいことか!]
あ、競争いいな!楽しそうだ!
科学技術史館でそういうの分からねぇかな……。
[勝負なら真剣にする。真面目に全力で遊ぶのが信条である]
―スーパーマーケット、夜―
[夜の闇の中、スーパーマーケットの灯はいつも通り煌々と照っている。そんな店の自動ドアを、間の抜けた声と共に通り抜ける者が一人。]
ほいほい、オープンセサミ、っと。
……やあやあ、おばさん。自動ドアってモンは凄いね、こいつぁまるで魔法のようじゃあないか。おれは初めてこいつに出会って以来、会うたび会うたび驚かされるよ。
――あっ、髪型変えたろ? よぅくお似合いだ、イイね! 新たな旅立ちってやつにはぴったりじゃあないか!
[品揃えはそこそこ、けれども24時間営業でいつ何どきも開いている事が強みのこの店には日頃からよく通っていて、中年の女性店員とはすっかり顔なじみだ。何しろ、この店員がろくろく言葉を喋れぬ頃からの付き合いなのだから。
取るに足らぬ沢山の言葉を店員と交わした後、そのまま意気揚々と店内へ足を踏み入れる。]
さあて、久々の旅立ちだ! 備えをばっちりせにゃいかんが、やあ、宇宙航海ってやつにはいったいぜんたい何が必要だったかなあ……。
缶詰が幾つあっても困りゃしないってのは覚えてるんだがね。
[カートに缶詰を適当に放り込みながら、しかめっ面で独りごちた。]
>>137 ディア
……てんちょは、案外秘密主義な゛んでしょうねー。
[ディアの冗談に乗っかってへなっと苦笑いをした。]
……うん。忘れられないもの゛も、たくさんあります。
[それ以上語ることはしなかった。今までソコラに残っている人なら、みな似たよう思いを共有しているだろうと思っていたから。]
『おあずけ』には、ほっとしたような、ちょっと残念なような顔を見せたが、「風邪引いちゃって」と説明していた。小鳥の音のないさえずりを聞いて、あ、とでも言うように口を開いた。]
……その゛子と同じです。い゛つかは治る……と思いま゛す。
[けほんけほんと、続けて咳をした。すぐにとは言わなかった。自分より腕のいい店長に直せなかったものが、簡単な故障なわけがない。でも、]
……治したいですね。
[今夜くらいは、そんな夢をつぶやいてもいい気がした。]
>>136 カルックス
モモさんなら、ぜぇったい、大丈夫。ここにいるみんな、任せられる、よ。
[片づけられつつある店内と、からくりを見わたして、微笑む。]
もう、自信がないんだ。
このお店は、すごいからくりをたくさん作ってたお祖父ちゃんのお店だけど。座ってるのは未熟者の僕だから。ここに来るみんな、がっかりしてるんだろうなって、思って。
前はね、からくり触ってると、いやなこと、ぜーんぶ忘れられたんだけど。今は、からくりのこと、忘れたくて、カルックスの宇宙船にいるんだ…。
[いつもは、宇宙船のことで話が終始してしまって、言わないようなことだ。]
…あはは、ぼくも、違う人になりたいよ。そっか、だから、カルックスのこと、羨ましかったんだ…。
か、カルックスはさ。僕がからくりを作るのをやめても、僕のこと嫌いになったり、あきれたり、しない?
[おずおずと聞く。]
>>138 ディア。
ありがとうございます。でも本当に喉だけで、あとは大丈夫なんですよ。
[と、ディアにつられて一緒に庭園の入口を見ながら]
……でも、お言葉に甘えちゃおうかな。もうちょっとだけ、『その子』のお話が聞きたいです。
[と、意味ありげに機械の小鳥を示した。
その後、ディアの許可さえあれば、持っていたスマートリングで『エール』のスキャンをしていたことだろう。**]
ビームが出せる ムービー・モモは、"Fly_Me_to_theMoon" ディアPLさん、ありがとうございました! これにて失礼いたしますー! ありがとうございました!(大事二度)
>>139カルックス
[フェルムはなんだかんだで娯楽放送好きだ。映画もドラマもアニメも、ちょこちょこつまみ食いをするタイプだ。そしてよく、からくりに取り入れたりする。]
うん、これこれ。これに、パンチをつける。
後で、街に、材料、探しに行こう。
[言いながら、いわゆるのびーるマジックハンドを工房から持ち出してきた。何度も言うが、マジである。]
カルックス、意外と、勉強するんだね…?
[相手が乗ってくれたことに満足しながら、はい、と種を渡す。]
>>142
なら、いいんじゃね?あいつならここのからくり全部渡しても、意外と全部さばいて、それぞれに良い持ち主見つけてくれるかもしれねぇな。クソ迷惑なお節介だし。
[微笑むフェルムに、満足しているならいいか。とこっちも笑った。]
[嫌いになったりしない?という言葉に]
なんねぇ。お前はお前だ。
自分で宇宙船持つって言ってる犯罪者に加担してくれる馬鹿な奴だ。
お前の手先の器用さは尊敬してるし、あの飛ぶ鳥とか、気持ちよくて好きだ。
……確かにお前のじいちゃんのからくりはすごいけどさ。俺は、お前のからくりの方が好きだな。
まぁ、じいちゃんのは手が届かねぇってのあるけどさ!
あ、あの時間になって飛ぶ鳥のやつ。もしよかったらアメリアに乗せてイイか?時間、わかった方が良いだろ?
……がっかりしてるかどうかは、俺にはわかんねぇや。俺、ここの客にはなれねぇから。
でも、毎回ちゃんとかよってくるやつとか、いるんだろ?
毎回来てくれるなら、それはそれで、お前を必要としてるんじゃねぇのって思うけどな。
俺は、アメリアにお前が乗ってくれたら楽しいと思う。いろいろやれそうだし、お前の腕は信頼してるし。……うん。
>>141 モモ
やっぱそー思う?喋りたくないならいいけどさ。時々ポロっと、どうせ言うなら早く言ってよ!みたいなこと言わない?彼。
[そんな所もあの店らしいといえばらしいんだけど、なんて言い方で、苦笑いにニヤッと不敵な表情を返す]
コロニーが廃棄になるって、移り住むだけ、なんて言うけどさ。
…生まれた時から住んでる人の方が、多いくらいの場所だもん。故郷が丸ごと、二度となくなって帰れなくなるのに、平気な訳ないよね。
[だから、と言いたげに、去ろうとする背後の風景を振り返った。まだ明りの灯る街並みと、寂れた庭園。残っている人はきっと、皆同じようなものだ。]
…直る、かな。そうだね。
とりあえずムービーは安静にしなきゃ、ヒトのノドは機械と違って、大人しくしてないと治らないからね。
[ノドはシンガーの命、なんてしかめつらしい顔をしてみせつつ。けれど小鳥の話をせがまれれば、喜んでまだ手の中のエールを渡しつつ、立ち上がったままアレコレ話し続けた。
結局、AIの無い機械の良さだの、旧い音楽だのと、気のすむまでクラシックな趣味の会話に花を咲かせるのかもしれない。**]
"Fly_Me_to_theMoon" ディアは、ビームが出せる ムービー・モモ、最後駆け足で失礼しました!ありがとうございましたございました(大事二度
>>144
[ぽりぽりと、急に照れ臭くなって頭をかく。
彼にからくり技術者を続けてほしいのかどうかは、自分にはわからない。
でも、好きだったものが嫌いになるのは、もったいないなと思った……が、自分にどうこうできるかは、分からなかった]
これかぁ。エイリアン吹っ飛ぶかなぁ。
でも無重力だから、一発入れてやれば結構吹っ飛ぶんだよなぁ。
材料買いに行こうぜ!足りなかったら俺、どっかから持ってくるからさ!
[勉強するんだねという言葉に]
不法侵入だけどな?金はねぇけど、知識がなきゃ金稼げねぇじゃん。
まぁでも幽霊も出入りしてるんだから、勉強したいスラムのガキが入ったって、むしろ熱心だね?って褒められていいと思うんだよなー
―スーパーマーケット、夜―
[塵芥がまだ大きく見えるほどの極小の世界で活動する機巧が、空中にひとつの像を結ぶ。
対人のコミュニケーションにおいて重要な一要素たりうる顔を放棄した、無貌のヒトの写し身を。]
……御主人、独り言は程々に。胡乱極まりない上、店の迷惑になります。
それと、缶詰はやたらあっても困ります。積載重量は最低限にする必要があると、あれ程何度もご進言申し上げたはず。
……もしや、かつての旅の事をもうお忘れですか?
むやみやたらに荷物をあれもこれもと積み込んで、それを魔法で強引に誤魔化そうとした結果、酷い目に遭ったでしょう。
クーキ・オイシーの航空法に触れる程のあの大荷物……逃げ果せたから良いものの、次はあんな幸運はありませんよ。第一、あの時も――……
[時間に不釣り合いないやに明るいBGMが流れる店内に、くどくどと無機質な声の説教が畳み掛けるように続く。
しばらくそんな調子が続いたあと、不意に言葉を切った。]
……ところで。いい加減、移住先は決めたのですか。
[きっと彼が人間であれば、この時、声のトーンを落とした事だろう。]
>>117 ビクトリア
[嬉しげな様子に目を細めた。かわいい、なんて思っているのだ。]
いいえ。あの頃は、ソコラはまだありませんでしたから。
この星域に、きちんとたどり着くように、励ましてもらいましたよ。
[そしてその星域に、ソコラが出来た。だからここにいるのだ、と少し寂しい誇らしさに胸を小さく張ってみせる。その姿勢を解いて、あなたの仕草に寂しさも吹き飛んだように笑う。
秘密のお話ですね、なんて、真似して「しーっ」の仕草とともに頷いた。
励ましの言葉にはぴこん、ぴこんと耳が揺れて。もう一度、頷いたけれど]
補う物質をどこから集めるかが問題になるでしょうか……わたしがブラックホールになってしまいそうです。
[最後の一言は軽口だ。
下に置かれた機械に、思わずつま先を縮こめて、おそるおそる見下ろす。
呟きとともに放たれた光に目をつむって――それは70%くらいの可能性で成功に至るだろうが、今宵の可能性は55%で、もし成功したら69分くらいはきっと持続するのだ。]
>>145 カルックス
それも、いいな…それは、僕なんかより、モモさんのほうがずっと上手だから。
[しみじみ、頷いていた。]
[あとは、口を引き結んで、カルックスの言葉を聞いていた。びっくりするくらいまっすぐな言葉だから。うっかり受け流してしまいそうで。じっと最後まで聞いてから、口を開く。]
あんなので、いいの?お祖父ちゃんの時計も、あるのに。[歌う鳩時計を振り返る。]
もちろん、いいけど…アメリアの広さに合わせなきゃ。調整しとく。
[言いながら、まさかあんな試作品が人の手にわたるなんて、と首をかしげる。]
…カルックス、それ、言わないでよ。それが一番、つらいんだ。
僕は…ほかにないから、『必要』だけど。『十分』じゃない。
なまくらの包丁みたいなものだよ。[肩をすくめた]
僕も、カルックスが一緒は、楽しいと思う。暇、しないよね。
[うん。と頷き返した。]
>>117 ビクトリア(>>149続き)
[あなたの試行錯誤はついに実を結んだのだ。光の粒子が集約して繋がって――それは煙のような、もやのようなレベルだったけれど、確かにソコラの回転を感じた。]
――……!!
[光が収まったとき、ふと足下を見る。思っていた高さよりも、低い。じわじわと近づいている地面。
自分の手をぺちりと叩く。変わった気はしない。相変わらず半透明だ。
あなたを見て、首を傾げる。
まだ、地面までは少し距離があった。でも、さっきより落ちている気がする。かすかな粒子の結合とはいえ、実体はソコラの重力に導かれていた。
おそるおそる、あなたに手を伸ばす。その小さな手をとろうとして伸ばした指先は、濃い霧に触れたような感触をあなたに与えるだろうか。]
>>147
[もし仮に、からくり作らないお前なんてノミ以下だ!だとか言われても、また作り出すなんてことはなかっただろう。それこそ生命活動に支障が出る程度に落ち込むことはあっても。]
うんと、頑丈に作ろう。お守り代わりだから。
…うん、行こう、やっぱり、あとでとか言わずにすぐ行こう。
[がしゃんがしゃん、とマジックハンドを動かしていたが、それを机の上に投げ出した。今度はばたばたと外出用の鞄を持ち出してくる。]
もう、閉鎖されてる、もんね。
カルックス、すごいと思うよ。ほんと、頑張ってる。
[そう、たどたどしくほめながら、街に行こうと手招きをして。
その日一日は、ロケットパンチの材料探しに奔走するんだろう。**]
>>149,>>151 ライカ
ライカは随分なおばあちゃんね。
じゃあこの周辺の星域でいじゅう先をさがさないとなのかしら。
[そうよひみつよ。なんて繰り返して秘密の仕草を解く。
そもそも彼女はこの星域から離れられるんだろうか、とも思ったけれど、それは口には出さずに心の中でだけ首を傾げた]
そうね完全な実体には粒子を用意してあげないと難しそうだけど……そんなにふとっちょになるきなのライカは。
[軽口に小さく笑いながら装置を起動させて。少し緊張と期待の面持ちであなたを見つめる。色んなものを作ってきてもこの瞬間はいつでもどきどきするのだ。]
[ゆっくりと下がってくるあなたは自分の意思で降りているのか、それとも重力に従って落ちているのかわからなくて、こちらも首を傾げ返した。
おそるおそる伸ばされた指先と小さな手が触れる。いつもの”無”の感触ではない、実体とまではいかずとも明らかに何かに触れた感触があった]
ふふ……。
[笑いながら手の形を崩さないように指先を握ろうとして。]
カたコとカたン フェルムは、宇宙冒険者希望 カルックス急に切る形で申し訳ないです、必要であれば朝返信します〜!ありがとうございますお疲れ様です!
>>153続き
びっくりした?
[ふしぎでしょう?といいたげに瞳が悪戯げに輝いて。
そうしてすぐにあなたの様子を観察するような視線へと変わった。]
きもち悪くない?変なところとかは?
[上から下まで視線が行き来する。]
>>150
……そうだよな。悪い。
[お店の常連に、それは直せないから、と断っている姿を何度か見ていた。
確かに、ふがいないだろうし悔しいだろう。大切に扱ってくれているものを、元通りにしてあげられないことは。
じいさんがすごすぎて、早すぎたのだ。親を持たないカルックスだが、ちょっとばかり文句を言ってやりたくなった。
大事なダチが、お前のせいでしょげてるんだぞと]
え、マジでくれんの?やったぜ!
お前が乗ってくれるなら、ずっと歌って飛んでくれるしな。
ロケットパンチの整備だって頼めるし。
だろ?暇しないし……そうだ。からくりの作り方とかも教えてくれよ。
転がって勝手に起きるやつとか、あれに煙玉仕込んだら攪乱させるアイテムとかになりそうじゃね?
ジャミングも効かないとかなったら相手もびっくりするだろうし!
[そういうカルックスは、完全に悪戯をたくらむ顔だ。
一頻り、船内での暇つぶし遊びを連想した後、改めてフェルムの方を見る]
……ほんとに乗るなら、食糧と、あと、行きたい場所一個だけ決めろよ?
期限はそうだな……廃棄日が決定した時と、その一日前で。
俺さ、いろんな場所転々として、お気に入りを見つけるつもりなんだ。俺だって実際どこだっていい。けど、目的地決めとかないと、ナビ出来ないだろ?
最低限、方向だけ決めといてくれよな。
……よし!ロケットパンチの材料、買いに行こうぜ!
[動き出したフェルムに、こちらも軽い足取りで続く]
あと、普通に褒めんなよ犯罪なんだから!
[照れくさくて怒ってみたけれど、それもきっと、照れ隠しだとばれていただろう。二人は町へと繰り出した**]
>>148 メリー=ドリー
……たまにさあ。おれ、いつおまえの腹から生まれて来たっけ? って思うことがあるよ。おまえ、おれの母さんか何かか? 逆だろ、むしろおれが母さんだ。育ての親な。
いいか、リー。母さん、あんたをそんな子に育てた覚えはないぞ!
[AIとも思えぬあまりの口煩さに眉を寄せ、大げさなほど顔をしかめて見せる。最後の問いには一瞬間を空けて、面倒そうに後頭部を掻きながら答えたる。]
……とりあえず宇宙に出てから考える。
[その言葉は、普段の彼女を知る者が聞けば驚くかも知れないくらいの暗い声色で吐き出された。
直後、打って変わっていつも通りの明るい――いや、いつもよりかは随分強引に気分を上げた様な明るい調子で、何事も無かったかのように話を戻す。]
と言うかだな。かつての旅の事だなんて、もう覚えてる訳がない。何年前の話だか、よぅく思い出してみな。
――そら、おまえならその程度の記録、簡単なクエリひとつで呼び出せる。ところがどっこい、人間はあいにくおまえと違って頭が悪いのさ。
……忘れる生き物なんだ。
だから、もうそんな昔の事は覚えていない! いやあ、おれも歳をとったもんさ。
[飄々と笑った。]
【ハナサカ植物研究所・私室/深夜】
[大きなあくびが一つ出た。今日は珍しく、外を歩き回ったからだろう。これくらいの運動で足が痛くなることにちょっとだけ危機感のようなものを感じたが、もう一つあくびをしたらどうでもよくなった。]
[私室とは名ばかりの、空いた部屋にごちゃごちゃと物を持ち込んだだけの研究所の一室で、パジャマに着替えて横たわる。疲労回復にはポッドを使う手もあるが、どうも子供の時から慣れ親しんだ、ただのベッドでないと寝た気がしない。]
……本物の花、いのち、かぁ。
[昼間の、フェルムという名の青年の言葉を思い出す。実験室で咲かせたとはいえ、コロニーや星によっては自生しているありふれた植物だ。だから彼は、植物に馴染みがないのだろう。祖父の作品がどうとか言っていたから、ここ育ちなのかもしれない。だとしたら頷ける。ここはけして「自然豊かな」場所ではないから]
植物の生えてない、生きていけない場所は、まだまだいっぱいある、ってとこかなぁ。
[うつ伏せのまま手を伸ばして、枕元のスイッチを押す。壁に投影するように設置したプロジェクターが、データアーカイブに保存された映像番組を映し出す。何度も見た、古いドキュメンタリー。]
「不毛の惑星に、緑の大地を」、ね。
わたしは少しでも貢献、できて、いるのかなぁ……。
[クーキ・オイシーほどではないが、自生する植物が当たり前にある星で育った。その辺の草花を無遠慮に摘んでは標本にするような少年時代に、だからことさらその映像記録は衝撃を与えた。]
(こんなにきれいで面白いものを、知らないで過ごす人がいるなんて!)
[今も昔も考えることはそれひとつである。以来、どんな環境下でも育つ植物について学び、それで就職し、こうして研究に励んでいるわけだがーー]
(初心、忘れてるかも……しれないなぁ……)
[うつ伏せになって、もう暗記したナレーションを子守唄にまどろみに沈んでいく。どこに移住しようという悩みは、かつての志と溶け合って、そのまま眠りの淵へとセイバリーを引っ張り込んでいくのであった**]
>>153 ビクトリア
そうですね。ひなたぼっこも好きですもの。
――そう、なるでしょうか。
[でも、あの人が送ったのはこの場所で。棺が漂っていたのはおそらくこのあたりだから、動いてはいけない気もした。だからその言葉は少し言いよどむような響きがにじんでいる。
ふたりの秘密ですか、なんて問いで、よどみは追いやったのだけれど。]
! 太っちょになるのはダメです。席に、入れなくなってしまいます…小さいことも、ファイナリストに残るには大事なのですよ。
[自分で叩いた軽口に慌てた弁明を返したけれど、それも光が差すまでの話だ。
長らく感じていなかった重力が、ほんの僅かでも感じられて、鳴らないはずの胸がどきどきしている気がする。]
[伸ばした指先に、あなたが触れた。その力は本当にかすかなものだけれど、体温が霧のような実体を通して、伝わる。丸めていた尻尾が、ゆらりと揺れた。]
――すごい、すごいです……!
えっ……ビクトリア、ビクトリアにわたし、触れていますよね? ビクトリアですよね?
[震える声で尋ねて、疑問符に言葉で返す余裕もない。半透明の姿はそのままだけれど、少しばかり色彩が強くなっていて――光を反射している。]
[歌って、歌って。ざわざわしたこの思いを忘れる]
[明日はまた、楽しい話をしよう。そう、言葉として意識したかは定かではないが、人魚はそう思っていた]
[変わらぬ日々を生きてきた人魚は、今日の延長線上の明日を、当たり前のように夢見ていた]
[――変わらない日々の消失は、この娘にも、変化をもたらしていくのだろうか**]
>>162 ライカ
だって、誰もいなくなったらさびしいわ。
[問いかけには、ふたりのひみつ、なんてあなたの言葉を楽し気に繰り返した。]
ふとっちょライカもかわいい気がするけど。それなら控えめな吸い込みにしておきましょう。
[その言葉の後に調整したわけじゃないから、言葉通り、というわけでもないのだけれど。彼女にかかっている重力は僅かなようなのが、触れた霧のような実体からもわかる。でも、あなたがそこに在ることは確かに伝わってきた。]
[成果に誇らしげに緑の目を細める。街灯を反射するあなたの姿が目に映る。髪だってわずかだけど風に従って揺れているんだろう。]
すごいでしょう。この方向でまちがってないみたいね。
そう、ビクトリアよ。いまライカが触れているのが私。
[その実体を伝えるように手を握り直す。]
そして、これが今のライカ。
>>159 シゥル
生憎人の親子関係には疎い身の上なれど、あなたがおよそ人の親らしくない事は、集積されたデータより容易に結論付けられます。
……そしてノー・プランという事ですね。承知しました。
[主人の冗談を無情に切って捨て、首を左右に振る。貌すら持たぬくせに、“母”の教育のおかげで、皮肉にも人間じみたジェスチャーのストックは膨大に持ち合わせているのだった。
腕組みをし、表情の無い貌でじっと主人を見る。]
忘れる生き物、とは。相変わらずの大法螺吹きですね。
……死んだ恋人を忘れられず、このコロニーへの未練を捨て切れないあなたが、よりにもよってそのような事を言うとは。
生憎、私はその手の冗談を解しうるほどの情緒は持ち合わせていませんよ。
[組まれた腕の上で、人差し指が物言いたげに一定のリズムを刻んでいる。]
>>164 ビクトリア
[くらい宇宙。]
そう……ですね。
[さびしい。その言葉に同意の呟きをこぼした。
そんなさびしさも、ふたりの秘密、なんて言葉が嬉しいから、今はしまい込んで頷く。
食べ過ぎには気をつけます。なんてしかつめらしい表情。]
[風が髪を揺らしたし、瞬きするときの目尻に、いつもより水の気配がする。唇を湿らせる息こそないけれど、鼓動のリズムこそ感じないけれど、頬を空気がなぜる。
――こんな感覚を、久しく忘れていた。]
、……ビクトリア、
[握り直される手に伝わる力と、体温。音だけじゃなくて、視覚だけじゃなくて、匂いだけではなくて、]
――ありがとうございますっ!!
[ここにいる。ここにいる。世界とふれあっている。あなたと触れている。
それが嬉しくて、尻尾を千切れんばかりにふりながら、あなたに飛びつこうと――もちろんあなたが避けなくても、流石にそこまでの実体はなかったから、あなたを僅かに押したに留まるのだろうが。
そうしてあなたに伝わるのは間違いなく、冷たくて死者の体温に過ぎないのだろうけれど。]
>>166 ライカ
なあに。
[よばれた名前に笑ってあなたをみあげる。
勢いのよい礼の言葉と共に、尻尾をちぎれんばかりに振って、それこそ大型犬のように飛びついてくるあなたに驚いたように目を瞬かせた。
子供の姿はあなたにすっぽりと覆われただろうか。僅かに伝わる押されたような感覚と冷たさ。でもその冷たいのがあなたの体温だ。]
そんなによろこんでもらえたなら、やったかいがあったよ。
[小さな手が背までは届かなかったかもしれないけれど、あなたの体をぽんぽんと叩く。]
あれ、あげるよ。
まだせいども低いしも時間も短いだろうけど。
>>165 メリー=ドリー
……やれやれ、手厳しいな。
おれがナイーヴな娘っ子だったら、ここできれいな涙のひとつも流すところだぜ。
[深々と溜息を吐く。融通が利かぬAIを敵に回すのは、下手をすると熟練の弁士を相手にするより面倒だ。ゆえに言い返しはしない。
あー、とか、うー、とか、意味のない声を何度かこぼしたあと、きまり悪そうに頬をかく。]
まあ、リーが思うほど何も考えてやしないって訳でもないさ。
一応、いざとなったらここに行こうと決めている場所はあるんだ。しょーじき、おまえに言うの忘れてたけど。[小声。]
……ただ、まあ……よそに行ったら、もうあいつは居ないんだなあと。そういう無駄な感傷に足を掴まれてて、もう少しだけ現実逃避ってやつを楽しみたい気分なんだ。
>>168 ビクトリア
ありがとう! 本当にありがとうございます、すごく嬉しい!
[小さな体をすっぽりと抱きしめて、そう繰り返した。
冷たいから、帰ってあなたの暖かさが、はっきりと感じられる。小さな掌が慰撫するように身を叩くのも、頭を撫でられたときと同じくらい嬉しかった。
あなたの髪に頬ずりして感謝と感激を伝えていた時間はそれなりに長い。尻尾は疲れを知らず振り続けられていたのだけれど、]
――頂いて良いのですか?
嬉しい。またビクトリアに、みんなに触れられます!
大事にします!
[名残惜しげにもう一度頬ずりすれば、ようやく身を離した。
その頃にはすっかりつま先が地面に触れていて。その地面に置かれたままの機械をゆっくり慎重に持ち上げる。指先に集中しないと落としてしまいそうだ。たっぷりの時間をかけて持ち上げて、ぎゅっと握りしめた。]
>>169 シゥル
……………………。
[沈黙。
いつの間にか、店内のBGMはやけにノリノリなダンスチューンに切り替わっていた。曲のBPMより随分のろいテンポでかぶりを振る。]
ここにだってもう居ないでしょう。彼が死んで何年になりますか。
全く、もう少しもう少しって……ここ数十年ずっとそんな事を言って現実逃避してきたでしょう。
――話の続きは後にするとして。
とりあえず買い物を先に済ませましょう。もう出立まで日がありませんので。
[そう言うと棚に向き直る。そのまま幾つか品を見繕い、直に店を出るだろう。**]
>>170 ライカ
[頬ずりして尻尾を振りたくる相手は全身で喜びを表現していて。それを邪魔するわけでなく、あなたの感激が引くまで小さな手であなたを慰撫していた。]
いいよ。
[最後の頬ずりが離れれば少しだけ照れたような表情が浮かぶ。慣れていないのだ、もういい歳だし、変に金持ちになったのと子供の容姿がミスマッチで友達もいないし。
慎重に持ち上げる様子を見守って。たっぷり時間はかかったけれど、持ち上がればほっと息を吐いた。]
えいぞく的なこうかはまだ得られてないとおもうから、偶にひかりを浴びなおすか……だれか連絡をとりやすい人にあずけるといいよ。
もし、なくしたりしてもなげかないでいいからね、作りなおせるから。
[そんな高揚していてでもどこか穏やかで満ち足りたような空気を切り裂いたのは、通知を切ったはずの腕の端末だ。先とは異なる色で輝いている。]
あぁー……もうちょっとけいかをかんさつしたかったんだけど。
これはわたしじゃないとダメな用事みたい。
[彼女が消えるとか、そんな作用が起こるような仕組みは使っていないからその点は大丈夫だとは思うのだけれど。]
ちょっといってくる。また、そのあとどうだったかきかせて。
いじゅうさきも、教えてあげなきゃいけないしね。
[そう言ってあなたへと小さな手を振れば、夜道を歩き出した**]
―タヨーナ標準時計塔近く/夜―
[犬の彼女から少女の姿をした彼女が歩き去って遠ざかって犬の彼女が見えなくなった頃。小さな路地をすり抜けて見た目だけは少女な彼女の足元へとするりとすべりこむ]
さあでは、ふたたび自己紹介といこう。自己紹介の重要性は依然なんども説明したかと思うが、犬のお嬢さんには未だ説明をしたことがないはずなのであって、やはり説明は省略あとは自学自勉に任せるというのはいささか無責任に過ぎるのではないかという思いがあるのだよ。
なに、犬のお嬢さんはもうどこかに去ってしまっただなんてそんなことは些細なことではないかね。一向に吾輩の自己紹介を聞こうとしないそこな娘に聞かせるための方便のようなものだ気にしないでくれたまえ。そして犬のお嬢さんは方便に使ってしまったことを許してくれたまえ。
[遠くライカへと猫が頭を下げる。]
さて、吾輩は猫である。名前はまだない以下略でMr.Xとでもよんでくれ。先に省略は無責任だという話をした直後にこれなんだ。だが吾輩が名前の好みの話だ生まれの話だしたところできっと興味はないのだろうそろそろそんなこと位わかってきたぞ。それに猫は無責任な生き物なのだ。忠義だとか何だとかっていう面倒な事柄は犬の輩に任せてしまえばよい。
忠犬ハチ公の伝説はいまや宇宙全土に広まりかの有名な宇宙ヒーローフェンリーでさえもハチ公前で待ち合わせをしたという話が残っているわけがないのでここは聞き流すところだぞ。
いやそこな娘の友人である犬のお嬢さんを馬鹿にしている訳じゃないのだ、そこはわかってくれたまえよ。忠義や責任もちろん大事だ。ただ猫には向かないだろう。猫は気ままなところがチャームポイントなのだと思わないかい。
[翻る足元のスカートを煩わしそうにしながら歩く少女へと付き従いながら猫の舌は良く回る。]
しかしドッカ・二・アール星ではなくドイツコイツ星の石を使うアイデアは良かったじゃないかね、魔力というものは純度やその属性というものも効果に大きく影響してくるのはよく知られたところであるからして、ドッカ・二・アール星の鉱石は魔導・電導効率は高いが純粋なものへと変換することは苦手なことに加えて属性はないがその点ドイツコイツ星の鉱石はドッカ・二・アール星と比べ魔導・電導効率は落ちるものの魔力の純度を高めるろ過装置としての役目は上を行くし加えて雷の魔力を帯びているため粒子を電磁的に集めるという点も見逃せない重要なポイントだ。
あとは粒子の固着や密度の問題だが、スキャンももっと精度をあげられるのではないかね例えば膜のような状態にして密着させるだとか、その場合はシンド社の製品がよいと思うぞ。
[ひょいと少し高い場所にとび乗って彼女の端末の操作状況をのぞき込む。開かれているのはシンド社のカタログだ。
満足げに髭と尻尾を揺らして彼女のあとをついていく。気まぐれな猫だって時には満足するのだ**]
――タヨーナ商業区往来・夜――
[トランクを道に滑らせる。買い物帰りだった。とはいえ、トランクの中身は大した量ではない。
保存性がウリの食品類に飲料。買い足しが必要だった消耗品類。電子タバコは細型なことが幸いして、数カートンでもかさばらない。
あとは、家に帰って、馴染みの物品や着替えを詰めたら、もう準備は済んでしまう。家具は備え付けのものが多いのだ。移住先で新しいものを揃える他ない。]
[イイトコ・イコーのサポートコールは、一度かけてしまえば思いの外親切だった。
『似たような仕事がある移住先は多いですよ。システムにこだわらなければ――個人の体力に依存する部分が、今のソコラの仕事より増えてしまっても構わないのであれば、ですね。更に幅が広がりますよ。』
そんな言葉までもらえた。特に秀でた技術を持たない身である彼にとっては、率直にありがたい話だった。具体的な候補も紹介された。それぞれにおける"似たような仕事"の詳細を、丁寧に、比較できるように話してくれた。]
[「少し考えますね」と告げて、彼は通信を切った。]
[結局、紹介された移住先の反芻もせず、買い物だけをした。]
[左腕に装着した、ハンドヘルドタブレットの電源を入れる。控えめなアラート音。小さなパネルに目を落とす。現在位置不明(アドレスエラー)。もしかすると管理局自体が、位置情報取得システムの電源を少しずつ落とし始めているのかもしれない。タグは《空っぽ》。数歩を歩く。タグだけが切り替わる。《居住者無し:店舗使用中》。こうなってしまえばもう、ただのマッピングアプリだ。]
[今更この機能を削除しろとも言われまい。指示が出たとして、厳密に確かめやしないだろう。大本を管理するシステムも、悪用できる場所も、全て無くなるのだから。しかし、それはつまり、残す意味だってないということだ。頼まれ事だって、他の機能で事足りるだろう。]
[舞うように宙を滑る、風変わりな同行者の姿が思い起こされる。一瞬の回想は彼女を笑顔で描いた。連鎖して、新しい小さな"顔なじみ"との、出会いの記憶が甦る。この閑散となりゆくソコラで、知り合えたことを尊ぶ言葉。そもそもこの仕事をしていなければ、半透明の彼女との遭遇から、なかったかもしれなかった。今にも完全に失われる、この仕事でなければ。]
[――機能消去の指示が、ないことを願った。]
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>>172 ビクトリア
[照れた表情にかえしたのは、相変わらず満面の笑みと、ぶんぶんと――今は少しだけ風を作る――振りたくられる尻尾だ。彼女が本当の犬ならば、頬を舐めているだろうと想像すら可能なほどの喜び方。
持ち上げられた。握りしめられた。あなたが有限の時間を割いて、考えて、作ってくれた大事なもの。機械はこの体と同じように冷たいけれど、でも確かにこの手の中にある。
――あなたや、お友達や……生きているやさしい皆に等しく流れる時間の中に戻ってきたように思えて、無性に嬉しかった。]
はい。……はい!
[注意事項に何度も頷く。「まだ」なんて言葉すら嬉しかった。まだなら次がある。未来がある言葉は好きだ。今はいつもよりもっとその言葉は嬉しいものに感じられる。]
ビクトリア、本当にありがとうございます。
どんなお礼も追いつかないくらい、とっても嬉しくって。
いっぱいいっぱい、ありがとうございます!
>>173 ビクトリア
[できることはないか――そう尋ねようとした時、あなたが腕の端末へと視線をやった。
告げられた言葉に残念そうに眉が下がる。]
――行ってらっしゃいませ。
いっぱいいっぱい、お話しますね!
秘密のお話も、たのしみにしています。
[気をつけて、と歩き出すあなたへと手をふる。
ふった指先にも空気を感じて、ふにゃりと笑う。手をふるのも楽しくて、あなたの小さな背が見えなくなるまで振り続けていた。]
[そこでくるくる回ったり、飛び上がったり降りたりして、あなたを待った。そのたびに髪がなびいて、服の裾が風を受けて、地面はしっかりとそこにあって、実体があることを伝えてくれた。
半時の半分ほど経ってから、これはあなたの用事も長引くのかと理解した。
だから、いつか行ったことのあるあなたの居場所へと向かった。幸いにしてまだ管理人がいたから、その人へと山のようなありがとうの言葉と、また会いに来ると伝言を頼んだ。管理人を呼び出すときに窓ガラスを叩けたのが嬉しかった。]
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