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>>+16水
そういやって。[呆れ声。]
……そう。あなたがそうしたいなら、そうすればいいわ。
抵抗していたのはあなた達だもの。
[ふい、と顔をそむける。神社の方を、ぼんやりと眺めた。]
――償い、ね。
それこそ、それ以上の方法なんてないように、思うけれど。
アタシは、常盤の意に染まない事をした。常盤の命を脅かした。
……常盤は、それを退けた。愚かな襲撃者を返り討ちにした。
本当なら、それでオシマイ。
命以上を求めるなら、今、あなたが、どうにでもするしかないでしょうね。
[捻られる手を、一瞥した気配があった。]
――それは、残念だわ。
>>+17水
[未練について問われれば、"そう"との短い応答。
思案する様子のあなたから再び目を離した。故に、あなたの見た目以上の意味を持つであろう揺らめきは、このネズミの意識にさほど留まらなかった。]
立花。あのコは……そうね。惜しまれるべき、コだとは思うけれど。
[逡巡。"黒いあれ"を野放しにした、あの時の後悔がありありと蘇って、ギュリ、と歯を慣らした。]
……立花については、探してあげてもいいんじゃない。それまで精々一緒にいてあげたら。
[そう言い放って、雌ネズミは身体を持ち上げる。少し周囲を歩いてくる。そんな言葉と共に、ふいとあなたに背を向ける。**]
【神社付近/午前中】
[彼女の目覚めは、少しばかり遅かった。その理由が何であったのか。彼女の得た力の副作用だったのかもしれないし、単なる心の持ちように過ぎなかったのかもしれない。しかし結局のところ、朝の日が昇りきった頃、亡霊には少々似つかわしくない光の中、その目覚めは唐突に訪れた]
…………。
[黒いドレスに身を包んだまま、気づけば神社の一角に立っていた。足下には誰かの墓とおぼしきものがある。周囲には、朝の光に照らされて尚、渦巻く闇が見える]
[そっと胸に手を当てる。鬼の爪が貫いたはずの胸の穴は、影も形もなくしていた]
………?
[首を傾げた*]
>>17猫
違くないのか?
だって……ねねが、鼠の仲間が、何考えてんのかわかんねーから。
あきらみてーに、心配できねーし。
[返答も続いた問いかけは意外だったようで首をかしげてしまった。]
どうしたいって。
……。そう、言われてもな。
[すぐには思いつかない。口を開いたり閉じたり。伝えるべきことに悩む。外側に沿っていった首を戻し一呼吸してから呟いた。]
また、やめろって言うかね。
――終わる前に、やることあんだろ、ってさ。
[あれからしばらく神社へ沙霧とねねの死体を埋めに行こうとする幼馴染と常盤を見かけ迅と共に着いていった。自分や隣に居たであろう彼は体は残らず消えていったから残っていった二人のその後が気になっていた為、しっかりと埋葬してくれた事に安堵し、届かないが埋めてくれた二人に感謝する。]
[それから、しばらく待っていたが一向に現れない二人の魂。まさかそのまま黄泉の国に行ってしまったのではないかとハラハラしていたが、ふと立花はもしかしたら、沙霧は殺された河川敷にいるかもしれないと思いつく。そして立花はそちらに様子見に行くと告げると、心配なのか離れるのを躊躇った彼を説得し、河川敷に向かった。]
[結果から言うと、そこははずれだったが…しかも立花のいない間に彼は鼠の彼女を引っ張り上げていたのだから。だから立花は知らない。その時彼が呟くように放った本心を。]
[様子を見に行ったがそこには誰もいず、もちろん探していた彼女は影すら見つからなかった。立花はしょんぼりしながら神社へと戻っていく]
【神社付近/午前中】
>>+20歯
[こうしてやっとの事立花は神社に戻ってくると、そこには待っていた彼の姿はなく立花は首を傾げた。]
えっ、えぇ…あれ?迅兄ちゃんどこ行ったの…?
もしかして、ねね姉ちゃんに逃げられたの追っかけてったのかな?
[そう考えながらふと、彼女達の墓を見て、そこでようやく気づいた。]
[自分が探していた人物が墓の近くで立ち尽くしていた事を。]
[立花は何を言わず、飛びつくのを押さえススッと彼女に近づく、黒いドレスのままだったのが少々気がかりだったが、姿が見えるのなら、なんとかなる。]
[そして彼女が自分の現状に首を傾げている間に、立花は自分の両手で彼女の、胸に手を当ててない方の手を掴んだ。突然の事で彼女は驚くかもしれない。ただそれも気にせず立花は彼女の顔を見て、涙目になりながらも笑って言うのだ。]
――沙霧姉ちゃん、つーかまーえた!
>>19猫
ふうん。同じか?同じ……。
[飲み込むように繰り返した。あなたが首を向けた方向にあるものは察すことができた。気まずそうに視線を逸らしたか。]
おれだって、今、屋敷に来なければ、あいつら相手にこんなんしてなかったか。
鼠は追い払うけどさ。
[後悔しそうになった。だがいつもだって夕飯を取られそうになれば追い払う。そう思い出して持ち直すようにしっかり言い切った。]
……なんだろうな。
[自分から言っておいて具体的にはよく掴めていなかった。追い払うだけでは自分の夕飯を取られそうになる。ねねにはそれ以上な事に悲惨な事が起きていたから、こうした。あのとき主張とこの襲撃の様子を見れば、薄々分かってきた。
でも同情はしない、してやるものか。 ]
飯とか、いつものこと?
仲間とか言うなら、そいつらと生きようとしろって。
>>+22花
[ぼんやりとその場に立っていたら、ふと手を引かれるような感触があった。ゆるゆると視線を落とせば、そこに居たのは消えたはずの少女で]
……り、
立花ちゃん?
[当然驚いた。それは急に手を掴まれたからではなく、あなたが自分の目の前に存在しているという事実にだ。こちらを見つめる涙で潤んだ瞳を見つめ返しながら、ただ、小さく彼女の名前を絞り出す]
>>+23歯
[彼女に気づいてもらい、名前を呼ばれた事で立花の表情はさらにパァっと明るくなる。そして大きく頷き返事をした。]
うんっ!そうだよ、立花だよ!
よかったっ。立花、沙霧姉ちゃんの事、探してたの!
[そういった後、彼女の反応に首を傾げたがすぐその理由をなんとなく察した。そうだ、自分は目の前の彼女よりも一日早く死んでいる。だから彼女が死んで目が覚めたそのすぐ目の前に、その自分が現れたのならびっくりするだろう、と。]
ええっと…ええとね。立花、死んじゃったんだけどその後なんでかこう、幽霊みたいな感じで目が覚めたの!今の沙霧姉ちゃんみたいに!
[説明になっているかどうかわからないが本人は頑張って説明しているようだ。もし昨日ずっと隣にいた彼が見たら、見かねて代わりに説明して…くれていただろうか。]
>>+24花
[どうやら、目の前にいるのは本当に自分の知るあの「立花ちゃん」のようだった。戸惑いをあらわにしながらも、まずは口にされる説明を聞く。細かい事情は彼女の説明からは読み取れず――あるいは彼女自身、わかっていないのかもしれず。ただひとつわかったのは]
……そっか、やっぱ私、死んだのね。
それから――立花ちゃんも。
[小さな手をそっと、握り返した]
助けられなくて、ごめんね。
[それはこのゆきんこの死を知ったときに思い、永遠に伝える術のなかった言葉だ。謝ったって何もならないことはわかっているけど、でも言わずにはおれず]
>>+25花(>>+26続き)
そう、そうだったの……
じゃあ、立花ちゃんはその方法を、
[探さなくちゃ。言いかけた言葉が途切れた。彼女は、沙霧姉ちゃん「達」と言った]
待って。
私以外にも、誰か死んだの?
>>+26歯
[突然の彼女の謝罪に立花は表情と思考をピタッと止めてしまう。そして彼女の謝罪の意図を理解した途端、先ほどの笑顔から一転。潤んでいた目から涙がぽろぽろと落ちると同時に首を横に振った。]
なんでっ…沙霧姉ちゃんが、謝るのっ?
立花が死んだのは、立花が勝手な事や悪い事ばっかり、しちゃったから、で。
沙霧姉ちゃんは何も悪い事ない、よ?ねね姉ちゃんも、高尾兄ちゃんも。
[それに―――と立花は彼女の胸。幼馴染が刺してしまったであろう場所を見て話を続けた]
謝るのは、立花の方、だよ。何も役にたてないまま、何も言わないで、死んじゃって、ごめんなさい。
立花が死んで、皆に悲しい思いさせてしまって、ごめんなさい。
立花のせいで、辛い思いたくさんさせて、ごめん、なさいっ。
[そう言いきると立花は彼女の胸に飛び込んだ。彼女が立花を助けられなかった事を後悔したのと同じくらい。立花は何も言わずに自分が死んでしまった事を責めていた。彼女が幼馴染と戦う事になったのも、今はいない鼠の彼女が敵陣営に侵攻したのも、少なからずどこか自分が原因になってしまったのではないかと、思っていたのだ。]
>>+19 鼠
[待て、という言葉は、なぜか音にならなかった。ただふっと漏れる息にしかならなかった。]
[言うべきことは、まだまだあった。そのはずだった。常盤に謝るなんて本当はどうでもよくて、本当はねねが生き返ってやらないと常盤が悲しむからで、それ以上に自分がねねに生きていてほしいと思っていて、それにねねにも生き返ってもらわないと立花がそうできないと思ってしまうかもしれなくて、そうなったら、]
[でもそれは、誰のためだ]
[あなたを追って、数歩進み、止まる。感情の落ちた瞳で、足元を見る。どこまでもぽかりと口を開けた深い奈落を見る**]
>>+28 >>+29花
で、でも。……私達がもっと、
[一緒にいたら、なんて、今更の話だった。だから結局、あなたの泣き顔を見ながら口を閉ざす]
アンタが――それこそ、アンタが謝ることじゃないでしょ。
辛かったのも、痛かったのも、立花ちゃんなんだから。
……だから、泣くことないのよ。
[胸に飛び付いてきたあなたを、慌てて抱き留めた。そしてその頭を優しく撫でる。恐らくはあなたが落ち着くまで、その動作を続けるつもりで。けれど、その手が一瞬、止まった]
……ねね?
アイツ、……アイツ、死んだの。
【水タバコ屋/午後】
[どこをどう移動したのか、よく覚えていない。ただいろいろな言葉が頭の中で反響して、それを見つめるのに必死だった。立花のことは、少しだけ頭をよぎったが、そもそもが「支配陣営」の2人がこちらにやってきたのだ。]
[今は、自分がそばにいなくてもだいじょうぶだろう。]
[気が付くと店の中にいた。結局のところ自分にはここしかなかった。身体を浮かせたまま、ぼんやりと誰もいない店内を眺めた。ドアは開いていなかった。]
[床には降りられない。大きな穴が足元に空いているから。]
(……ああ、そうだ)
(怖いんだ)
[「なぜか」消えていないなんて、そんな馬鹿なこと。指摘されるまでもなかった。「消えたくないから」消えていない。それだけのことだった]
[気づいてしまえばあとはシンプルだった。誰にも消えてほしくなかった。なにより自分が、消えたくなかった。消えるのが怖かった。死ぬのが怖かった。いつから。多分ずっと。一度死んで、目覚めた瞬間からずっと。]
[だから、立花に言った。きっと生き返れると。言い聞かせた、自分に。そうでもしないと、恐怖でどうにかなってしまいそうだった。けれど、それは立花も同じ、いやそれ以上のはずで、ならば自分がそんな姿を見せるわけにはいかなくて。]
[生き返り方など知らない、分からない、できないかもしれない、そう認めるのが恐ろしかった。だから何度も言い聞かせた。ねねにも沙霧にも言うことで、どうにかして自分に信じ込ませたかった。]
[足元の穴は深い。]
[あきらにそばを奢っていない。一平に、立花を救えなかったと、謝っていない。それだけじゃない。博物館だって、もっと先に行けば広がっているはずの街にだって、まだ全然行っていない]
[なにより生き返って常盤に謝らなければいけないのは自分自身だ。]
……消えたくねえなぁ。
[呟く。誰にも聞かせられないから小さく。無理をしなくていいと言ってくれた人とは、もう、話すことができないから**]
>>+31歯
[言いかけた言葉を途中で閉じてしまったその口。その後開かれた口から紡がれた言葉は自分を責めず、慰めてくる。立花はそれが温かくもあり、辛かった。結局留まってなお、自分は泣いて迅や目の前の沙霧を困らせてしまう。]
(立花は困らせて、ばっかりだ。)
[そう嫌悪に似た感情を立花は泣きながら胸に落とした。昔から立花は誰か、特に大人を困らせてしまうのを嫌がっていた。困ってしまうと必ず、立花に気を使って本心を隠してしまう事が多かったからだ。だからこそ、立花は困らせない為に自分の事は相談せずに自分で決めていこうとしたのだ。]
[その結果がーーーーこの現状だ。そして、迅の言うとおり生き返る方法があるのなら、黄泉の国への誘いを拒むのなら。どうすればいいか立花は考える。ふと迅が言ってくれた「人に話さず1人でいろいろ決めたこと」を思い出す]
(……1人で勝手に決めて、優しい人たちを困らせるのはもう、だめだよね。お母さん…立花は、立花はまだ…)
>>+34続き
[そう思うと同時に、優しく撫でてくれていた彼女の手が止まった。驚いたようなそんな言葉を発したと同時に立花はまだ目は赤い顔を上げた。今思えば、確かに目の前の彼女が死んだのは夕方。深夜に起こったあの侵攻は知るよしもなかった。]
……沙霧姉ちゃん、あのね。
[立花は意を決し、彼女から少し離れ、そう話をきりだすと子供ながらだが昨夜起こった事を全て話すだろう。そして話終え、彼女何か言い出す前に話しを続ける。]
沙霧姉ちゃん、立花ね。このまま黄泉の国ってところに行くの嫌なの。
まだ、やりたい事たくさん、たくさんあるの。
その中にはね、沙霧姉ちゃんや迅兄ちゃんやねね姉ちゃんがいないと駄目な事があるの。
だからね、立花。生き返る方法があるなら、“皆”で一緒に生き返りたいの。
>>+35続き
[あの時、生き返るか不安だった。でも彼は言ってくれた、生き返る方法あるかもしれないと。だからその言葉は立花の微かな期待になった。]
[沙霧の死に直面する前、彼と歩んだ町並みは生前、1人で歩くよりすごく楽しかった。生き返ったらこんな風に彼とでかけたいと強く思った。それは立花の望みになった。]
[沙霧やねねの死に際を見て、立花は思った。こんな悲しい終わり方…間違っていると。その後彼が言ったできる事を。それは今の立花のやりたい道になった]
[だから立花は動揺しているであろう彼女の手をまたとり言い放った]
だから、沙霧姉ちゃんにも、少しでも、このまま死んでいくのが嫌って、“生きて”やりたい事があるなら、立花と一緒に探してほしいの!
“皆で生き返る”方法をっ!!*
>>21猫
おれ?何?
[届かなければ、きっと聞き返す。あなたが答えを濁すのはもやもして落ち着かない。だが答えてくれないからっていつものようにむくれたりすることはない。「いいけどさ」と話を終えてしまうだろう。]
……あきらは何考えてん。
[黙ってしまったあなたに尋ねる。]
>>23猫
[今は話せずともいつか話してくれるかもしれない。それで終わり。未来のことはきっと分からないからなるべく今を考える。]
おれは話しても通じなかった。でもあきらならうまくやれたんかな。
おれよりあたまいいし。……相手の気持ちも分かる。
[ねねとのやりとりを思い出す。彼女の覚悟には自分は反抗するしかなかった。]
>>+34 >>+35花
[頭の上に手を置いたまま、じっと話を聞いていた。侵攻のこと、そして起きた戦いのこと、――悪友の死のこと。少女の言葉はつたない部分もあったかもしれないが、それでも、事態を把握するに十分な誠実さも真摯さも持っていた]
アイツ、そんなのちっとも……
[呟きは半ば独り言だ。何故教えてくれなかったのか。そう思って、改めて気づいた。悪友の思惑はわからない。けれど、仮に教える意思があったところで、教えることは出来なかったのだ、だって自分はそのとき]
[感傷に引きずられる意識を、少女の声が繋ぎ止める。生きたいと望む声が、繋ぎ止める]
…………………私は、
急に言われても……私自身はまだちょっと、どうしていいか、決められないわ。
私は死んだから。私は負けたから。力が及ばないのなら、舞台から退こうと思ったのよ。
でも――立花ちゃんは、そうなのね。
……「生きるか」は、まだ選べないけど。
立花ちゃんの望みを叶えたいと思うのは、私自身が選ぶ道だわ。
>>+36花
だから、そうね。
一緒に探しましょう。その、方法を。
[全てを失ったのだと思った。失われるのは怖かったけど、仕方ないのだと思った]
[でもまだ終わりではなくて、失われていないものがあるなら。自分の全てがなくなるまでは、歩き続けよう。人にも妖怪にもなれぬような自分は、それだけがきっと、]
[……それにもし、奇跡が起こるのなら]
[あの少年の涙くらい、拭ってからでも。逝くには遅くはないだろう**]
>>24天
[神ならぬあやかしに、未来は読めぬ。だからただ今を思うのはお互い、仕方の無いことだ。]
よくねーよ……こちとら綿だよ。
[普段であればこんな卑下はしないけれど、思わず弱音がでてしまう。肩を竦めれば、抱えた小妖がフードを引っ張って抗議して、だからなだめるように揺すり上げた。]
人間……じゃないけど……付き合いなんて、多分トライアンドエラーだよ。サトリじゃあるまいし、相手の気持ちなんてそう簡単にわかるもんじゃないさ。
生きてきた時間も、環境も、生まれも違うんだもん。
そう簡単に、相手の気持ちがわかる、なんて言えないよ。
だから、考えなきゃだよね、って。
いっペーちゃんは大丈夫。さっき、たっぷり考えてたもの。
次はきっと、もう少し通じるよ。
>>25 猫
そーいやそうだった。……おれののーみそとどっちが重いだろな?
[思考顔。真面目に考えてしまった。話題をずらしたが、子妖がフードを引っ張る様からあなたの様子が普段と違うのは伝わったはずだ。一つ咳払いをしてあなたの言葉を聞いた。「んん」と唸り少し間を空けてから答えた。]
おれはあきらによく分かられるからか。そんな気がしたんだよな。でもすぐには無理だよな。そうだよな。
そうかな。
おれは、あれだ。……なんだっけ?これか。馬鹿の考え休むに似たりってやつだ。それらしいからなー。
ま、次はもっと強く言って連れて帰ってやるか。
[手が空いていたらことわざを思い出すまでに頭をかきむしっていただろう。思考が足りたという自信はないが、次があるのならばそうするまでだ。自分にできることはそのくらいだ。あとできそうなことと言えば]
いけそうならさ、あきら、おまえと二人で行くか。
>>26天
[話題をずらしたのも、あなたの気遣いのように思えた。だから、今度勝負すっか、なんてそれですませた。]
いっぺーちゃんは、ちゃんと話してくれるからねえ。本音も聞かせてくれるのは、嬉しい。
そうだよ。──ちゃんと考えて、人の気持ちを考えようとする子は、ばかなんかじゃないけどね。
[そうして、あなたの誘いの言葉があったから、]
ウン……、そうだね。
二人で行けば、二人で考えられるもんね。一緒に行こうか。
[そして、間が空いた。彼女のことと一緒に、ぽつぽつと、雨だれのように考えていたことを、ぽとりと落とす。]
……そうだねえ。
次、は。もう少し、聞きたいな。
[それこそ、彼女のことではなくて。烏のことだけれど、あなたがそれを察するかどうかなんて、]
>>27 猫
[あなたの提案にはおうよ、といい返事をしたはずだ。どうやるつもりなのかは考えていないだろうが。]
そんなん言われるんじゃ、おれは天邪鬼の仕事サボりすぎたな。
それともあきらが甘いか。
ま、おれはいい子だからな。
[照れ隠しのような皮肉。あなたからの肯定を受け取っているのは伝わるかどうか。]
ウン。最近バラバラだったし、一緒に行こうぜ。
[勢いを落とすあなたの言葉に疑問を持った。もしかしたら。]
会いたい奴、他に誰かいるんか?
行けるならおれも行ってやんぞ。
[あなたと高尾が喧嘩友…知り合いであるのは知っていた。だがその誰かに当てはめることはできなかった。]
>>28天
[こちらも考えていないからお互いさまだ。]
まったくだねえ。ま、いっぺーちゃんが全力出して天邪鬼っても、わかりやすい子だって笑っちゃろ。ぬいぐるみの突然の厳しさに、またいい子に戻るじゃろ。
[からかいの言葉を向けたのは、いつものようなやりとりだ。]
まず行くのは腹ごしらえだけど──……、
[間。言葉か、判断に迷うような。]
……うん。
何にもわかってなかったなー、ってさ。バカで腹立つしムカツクし、喧嘩しかしなかったけどさ。
楽しかったんだよね、それもさ。でも、奴はそんなことなかったんだよなあって。
だから、……うん。会いたいなーって。
また喧嘩すっけど。でも、……何かできないかなあって。
[口がへの字になった。決意したくせに、どうすればいいかわからなくて、だ。]
……そうだねえ。その時はお願い。
>>29猫
なめやがって。本気出してないだけだかんな。おれが全力で天邪鬼したらすごいぞ!
……多分。
[あなたに逆らえないことを思い出したので自信なさげな語尾を付け加えてしまった。いつものやりとりでも押し負けてしまうのだろう。]
[腹ごしらえという単語にはそうだったとうっかりしていたような返事をした。腹が減っては話もできない。]
高尾サンか?
あきらが不機嫌なときはだいたい愚痴聞かせてくるから、覚えてら。
あん人バカかなあ、カラスに話しつけてくれたけどなー。
[だが彼もまた今は変わってしまっているのだろう。初めて会ったときのことも大昔のようだ。]
会いたいなら会えばいいじゃん。探そう。
[喧嘩という単語には触れられなかった。今、思考の違う者と、対立をする者と、喧嘩をするかもしれない、それは危険だ。
だがあなたが言うまた喧嘩するは違うだろう、楽しかったから、そういう奴に見えなかったから、会いたい。そう感じ取れたから。]
頼まれた、じゃあそんときはいっぺー様に堂々とお願いしろよな。
[茶化したような返答。自分にぐらい迷惑をかけろ。と遠まわしに言いたかったのかもしれない。]*
>>30天
ほうほう。楽しみにしていよう。
[余裕ぶった声色。あなたの気持ちにつけ込むような、“いつも”のおわり。]
うん。バカだよ、人のもの勝手に持ってくもん。
[頭の善し悪しではなくて、ただの悪態の“ばか”だ。だから、あなたのまっとうな疑問は解消されなかっただろうし、カラスに飛びかかったり、扉に無体したり、カラスと奪い合いしたり──こちらに都合の悪いことを、今はいわなかった。以前はあなたにそれも含めて話したから、お互いさまだ、なんて言われたことはあるかもしれない。]
[あなたのシンプルな言葉に、一度息が詰まった。
だって、会っても、会いたい理由にはたどり着けないかもしれない。]
>>30天(>>31続き)
[人のふりをして妖怪であることを忘れるのが怖いと、痛いと、彼はそう言った。自分自身がなんなのか、と。
それなのに、彼は道を切り落とす。
願いと意志と行動があって、それが積み重なっていって──それがすべてなのに、人間だとか妖怪だとかに悩んで、妖怪であることを望んで、歩いてきた道を切り落とす。]
[その痛みが、恐怖が、わからない。
痛いなら、怖いなら、そのどちらも自分と胸をはればいいのに、彼は胸をはらない。
──彼の幸せが、わからない。]
[自分基準の幸せを押しつけたって、彼が幸せと思うわけがない。でも、彼の幸せがわからない。がむしゃらに走ったって、自分の望みと結果が、一本に繋がってくれない。]
[それが怖くて、痛い。
でも、なにかしたいとただ、それだけは思う。
だから会いたいと思う。このままは嫌だと、そう思う。]
【公園/午後】
[自身の古巣での時間も束の間。いつまでもここにいてはいけないと、立花の元に戻るべく店をでたはいいものの。]
……ここって言ってたよなぁ。
[ふと思いたって、ここへ来た。昨日歩き回る中、ぽろりと立花が言った公園。ここで彼女は最期を迎えたという。そして、もしも自身の核が……すなわち、生き返るヒントが何か残っているとしたら、博物館に無かった以上、ここにあるのではと踏んだのだ。]
……ねーよな。持って帰ってくれたんかな。
[やはり屋敷で感じた微かな気配がそれだったのだろうか。そんなことを思いつつ首をひねる彼の足元には、あの時砕けた彼の心臓半分の欠片がある。成桐がそれに気づく様子はない。今の存在の不安定さは、弱気は、もしかしたら核が砕けたことに原因があるのかもしれないが、やはり本人の知る由はない。]
……リッカに直接聞くのがはえーかな。*
【某所:早朝】
[大鼠は結末を知った。おぼろげに、ではあったが、充分だった。
正体を現したまま、人間達を文字通りすり抜け、ふらりと向かった"あの廃ビル"には、混乱が渦巻いていた。
報を口に出して共有する段階は過ぎていたようで、正確な状況を聞き取るのは難しかったが、その喧騒がありありと示していた。つまり、自らの死を最後に、後は、続かなかったようだった。]
(負けた、のね。あの時。"群れ"も。)
["あの部屋"に悪友の姿は見えなかった。ネズミに一鳴き、呼び掛けたが、届くはずもなかった。"彼"へ告げようとした感謝も何も、その場所に残りはしなかった。
ふと、人間の姿をとってみようとして、どうにも上手くいかなかった。現世での変化と、魂の装い方は、勝手が違うようだった。
――しばらく、パンが減るのを見届けて、踵を返す。足元にまとわりつく泥濘を引きずって。**]
>>+37 >>+38歯
[彼女の言葉を聞いて、ひとまず彼女を繋ぎとめられた事に立花は安心する。わがまま言っている事は自覚しているがこうしないと、そのまま去ってしまいそうで。でもさすがに彼女の反応を見て唐突すぎたと今になって気づく]
うん…!ありがとう、沙霧姉ちゃん!
立花もいきなりいっぱい言っちゃったもんね…びっくりさせてごめんなさい…
えっとね、立花待つ事できるから、待ってるから。一緒に方法探しながら沙霧姉ちゃんがどうしたいかゆっくりと決めたらいいと思うの!
[そう慌てて補足する。彼女を留めさせる事にひとまず成功し、立花はよしすると同時に一緒に留まっているであろう鼠の彼女と、彼女を何とかするといった彼を思い出す。周りを見るが帰ってくる気配は感じられず]
…沙霧姉ちゃん。あのね、きっとねね姉ちゃんも沙霧姉ちゃんと一緒にこんな感じになってるかもしれないの。
ねね姉ちゃんを留めさせるのは迅兄ちゃんに任せたんだけど…会いたいから、一緒に探しに行こう!
[繋いでいる彼女の手と一緒にブンブンさせながら彼女に言う。そしてきっと彼女は頷いてくれるだろう。それを確認するとそのまま立花は彼女を引きつれ神社を後にするのだ**
>>+39水
【公園/午後】
[目覚めてからしばらく。ひとまず同じく死んでしまった仲間を探しながら、街をうろついていた。共に歩いていたゆきんこの少女は、まだ傍にいるのかもしれないし、何かでいないかもしれない]
[そんなときにふと、見覚えのある顔が目に入った。たまに話すこともあった、異国の妖。……彼もそうなのか。じゃあ立花が言っていた、聞き覚えのなかったあの名前は]
……アンタさ。
迅って名前だったのね。
[かける言葉に迷った末、少々唐突な内容になった*]
>>+43 歯
[かけられた言葉に、ぼんやりとした頭のまま返答する。自然、言葉は取り留めのないものになる。]
え?あー、その名前な。そりゃおやっさん、おやっさんは前の店長だけどな、その人が日ノ本で暮らすなら日ノ本式の名前がいるだろってつけた名前でさ。ジンって同胞全体の名前だから、そりゃニンゲンにニンゲンって名前つけるようなもんだろって、言ったんだけどきかなくてなぁ。俺としては、ナルって呼ばれた方が……おう、お前か。
[あなたの姿をみとめて、ちと喋りすぎたな、とでも言いたそうなバツが悪い顔で頬をかく。少しどころではなく、気が抜けているようだ。]
お前こそ、サギリって名前だったんだな。
……どうだ調子は。その様子だと、リッカはうまくやったみてーだけど。
[公園のベンチに腰掛けて、まるで集会でバッタリ会った時と変わらないような口調で話し出した。*]
>>31>>32>>33猫
人のもんったってゴミだろ?
ゴミならいいじゃんか。
[いつしか聞いた愚痴の内容を振り返る。この子鬼は縄張り意識は薄いため所有権争いはピンと来なかったし、事情を聞いていたのなら「扉壊したんなら人のこといえねーじゃん」なんてツッコみをいれたんだろう。]
[返事が来るまで黙って待つ。
会いたいから会ったって分かることもないし、後悔することは起こる。よく分かっていた。
沙霧だって、自分が探さなければ、他の妖怪が見つければ、自分が腕を振るわなければ、 きっと今だって……。きっと忘れられない。
ねねや立花に対してだって。]
>>31>>32>>33猫
[だが、あなたがしたいのだから、すればいい。それを言うことは止めなかった。成桐も言っていたことだ。
目の前のぬいぐるみが烏に対して何を悩んでいるのか、自分は把握していない。他人を分かろうとしない、そんな生き方は駄目だ。今まで自分のしてきた生き方だ。だがそれでは、誰かと共存なんてできない。自分は共存していくと決めたのだ。
それになんでもできる器用なやつ、そういうやつのあなたがいればうまくいくかもしれない。そう希望が持てたから。]
ちゃんはいらねーって![様付けだって慣れていないだろうが。]
……おーよ。
[感謝の言葉。あなたの笑みが柔らかかったから思わずふにゃりと笑い返した。いつものやりとりでもなかなかない穏やかな表情。本人の自覚は薄いが、あなたから頼られることが心のそこから嬉しかったのだ。
そのうち朝日が自分達を照らせば、今日はきっと。そう思えるんだろう。]**
>>+44水 (>>+45 >>+46花)
ふぅん、そうなの。じゃあナルちゃんって呼びましょうか。
……ええ、私は沙霧。
っても、お互い今まで名前なんて知らないでもやってこれたんだから、今更って気もするわね。
[黒いドレスの裾をゆらして、相手の座るベンチの前まで歩み寄る。いつもの軽口のような言葉を口にしながら、軽く肩をすくめて見せて]
とりあえず調子狂ってはいるわね。
まあでもひとまずは、立花ちゃんの願いなら叶えてあげたいし。生き返る方法?とやらを探すことにするわ。
[この辺りで、>>+46の声が聞こえただろうか。「あんまり遠くは行かないのよ」なんて子供扱いするような返事をして、少女を見送り――そして少し、沈黙]
……アンタさ、めっちゃ普通な顔してるけど。確か向こうの陣営よね。
私……ってか私らの陣営に対して、何か思うこととかないワケ。
あっても別に謝んないんだけどさ。*
[大鼠一頭、ただうろついて、また神社にでも戻ろうとしていたところだった。]
【公園/午後】
>>+44水 >>+47歯
[昼の公園に目立つその姿を視界に捉えて、ぴたりと歩を止めた。]
[目覚めた時に挙げられた名前に、その名前はなかった。今朝に覗き見た廃ビルの混乱の中、決定的な言葉は、この雌ネズミの耳には入っていなかった。故に、立ち尽くして、目を見開いた。]
(沙、霧……?)
[しかし、そのドレスだ。そうでなくとも、この悪友の顔を見間違えるはずもない。駆けて近付く。]
沙霧! なんだってあなたまで死ん……、だ、のよね?
……来ていたの?
[真っ先に浮かんだ原因は、昨日の敗走であったので。後方にでも追い付いていたのかと、言葉の足りないままに問いを投げる。同時に、ベンチに腰かけている外の国の妖に気付いた。ふいと目を逸らして――、]
[ゆるり、少し離れて遊んでいる少女へ(>>+46花)も目を向けた。黒々とした目が、眩しがるように細められた。*]
>>+45 >>+46 花
おう。よくやった。[素直に褒める。どこに現れるかの確証もない中、ひとりでよくやったものだ。それから少し言い淀む。]
ねねは……あいつは、まぁ、起きた。どっかにいるんじゃねーか。
[生前の最後のやりとりのせいだろうか。どうも鼠の彼女はこちらへの当たりが強かったように思えた。自分に対してだけなら良いが、と不安がないわけではない。]
[やがて離れるあなたを、公園からでんなよ、と見送り、ひそかに胸を撫で下ろした。万一自分の死であるとか、陣営としての話になった時。当然立花に殺された話に触れざるをえない。その話をする自分を、あまり立花に見せたくはなかった。]
>>+47 歯
ナルちゃんはやめろ、ちゃんは。ナルでいいよ。それか成桐。
[名乗るのも随分久しぶりだ。黒いドレスには、お前白以外も着るんだな、と至極真っ当な反応をした。自身の隣を勧めることはなく、あなたの顔を軽く見上げる形で話し続ける。]
生き返り、な。
保証はない……立花には言うなよ。でも、協力してくれるなら、ありがたいな。頼む。俺もまだ生きてやりたいことあるしなー。
[先の弱気のせいだろうか。随分と殊勝にそんなことを言った。]
>>+49続き (>>+47 歯)
[それから、やはりというべきか。あなたからの問いに、しばし視線を立花の方にやる。子供たちのそばでニコニコと話に聞き入っている様子から、こちらの話は聞こえていないだろうと判断する。]
別に。あんたに言ってなかったけど、俺は今まで通り過ごしたいってだけで、ドンパチやってる連中に興味はなかったし。
リッカと……あとねねがそっち行ったのだけ気に食わねーから、連れ戻すのにいろいろやったけどな。ねねのやつはもうオトナだろ。そしたら俺がアレコレする道理ねーし。
リッカも……最初はほら、あんたの名前がシュハン?として出たから、リッカのこと連れ出したのこいつか?と思ったりもしたけど……そういうんじゃ、なかったみたいだからな。
[無意識に、胸に手を当てた。あの日貫かれた心臓は今はない。]
俺が死んだのは、俺が弱いから。それか事故だ。
だいたい死んだやつに向かって、陣営だなんだのって言う気はねーよ。
[そう言うと、これで終わりだとばかりに肩をすくめた。]
【住宅街:夜】
[神社で所用を済まして、ここ最近の棲み処となっている屋敷への帰り道。
丁度帰宅時間も過ぎて人気のない住宅街の間をゆっくりと進む。
大鼠を失っても未だそこかしこにいる鼠や、小さな虫、空を横切る鳥たち、そういった種々の生き物の視線も支配陣営の見張りの物のようで、慣れ親しんだ街だというのにどこか居心地が悪い。]
(実際、見張りで街に散ってるものも多いんだろうけど)
(それとも鼠たちはねねの復讐でもしたいかな)
[自身が死んだときはどうだったんだろう、と思うけれど。後の家族のことは正直、よく知らないことも多い。遠くへ引っ越したことは確かだ。全部忘れたかったのかもしれない。]
……早く帰ろう。
[少し重いため息をついた。速度をあげると、肩の傷が痛んだ。]
【住宅街/夜】
>>36狐
[事実、見張りとして散っている動物たちは多いだろう。空を飛ぶ烏もそのうちの一種だ。
実際には、烏の目は夜にも良く利く、そんな烏があなたを見つけたのはいつ頃だろうか。]
あなたの前から一人の男が歩いてくる。それはいつもと変わらぬスーツ姿。]
──ん、あ、常磐さんじゃないですか、こんばんは。
[ここ数日は、掃除にも、朝のゴミ捨て場にも現れなかったその男は、
あなたの姿を見つけると、数日前に会った時と変わらぬ調子で声を掛けた。]
神社…ってこっちでしたっけ?
[以前、カラスよけの相談を受けた際に行った記憶がある、あなたの歩いてきた方向から、そのような問をしたのだろうか]
>>34>>35天
ゴミじゃないよ、リサイクルしてんだから。
[かつてのツッコミには、「直したからノーカン」なんて言っていたことを、あなたは覚えているだろうか。]
[じっと待ってくれる沈黙がありがたい。たっぷりと思考をたゆたわせて──そうしてあなたの言葉に、肯定の言葉を返したのだ。
この小鬼は、彼の懊悩にどんな応えを出すのだろう。聞いてみたいと、そうも思った。]
……身長並んだら、ちゃんは外そう。
[からかい言葉は、二人の間にかわされた柔らかな笑みに溶けて──また歩き出す。
その後は交わす言葉も少なくて、それもまた心地よかった。
(彼の言葉を忘れないようにしよう、なんて思ったのは、もう少し後だ。)**]
>>37高尾
[誰かが歩いてくる音と姿が目に入って僅かに身構える。妖怪がそんな正面からやってくるとも考えにくいけれども、]
――ん、あぁ、高尾さん。こんばんは。
最近お見掛けしなかったですけど、また取材ですか。
[見知った人物の姿に気が抜けたように小さく笑みを返す。
高尾という支配陣営の者がいるのは知っているけれど、これまで出会ったあなたから妖怪の気配を感じたことはない。妖怪が多い成桐の店でも、人間の振る舞いだったように思う。
それに人を疑う、というのもあまり得意ではない。]
ええ、もう少し先のあの会社の角を曲がったところ。
[歩いてきた道を少し振り返って、住宅街の中にある小さな会社の看板を指差した。]
>>39狐
[大丈夫、まだ隠せている。
あなたが、そんな言葉を返してくれば、心の中でそうつぶやく]
──ええ、そんなところです、少し忙しくて。
[柔らかい笑み、と言うよりは薄ら笑いに近かったかもしれないが、夜では判別が難しいだろうか。
元々名前は聞いていた、だが近所のあなたという答えにまで至らなかったのはこちらも同様であった。
昨日の夜の襲撃から逃げおおせた妖怪から大鼠が敗れた時の様子を聞き、辿り着いた。]
…あぁ、そうですよね。お出かけですか?
でも丁度良かった、なんだか最近烏が騒がしい気がしたので、常盤さんのところは大丈夫かな、と効かないようであればこれをと思いまして。
[それは、いつか烏よけの鈴を渡した場所の事をさしていただろうか。そう言いながら、スーツの懐に手を差し込んだ]
>>+49 >>+50水
そう、じゃあナル。
[拒否されればちゃんは抜いた。白以外も――などと言われるのには、ちょっと笑って見せるだけ。死ぬ前まで黒く染まっていた腕は今はもう、色白な肌に戻っていて、どういう原理なのかさっぱりわからない。あの力が残っているのかさえも。だから、説明は省いた]
……ま、そうでしょうね。私だって、そう簡単に見つかるとは思っちゃいないわ。
私自身は……別に、このままならこのままでもいい。だから方法が見つかるか、アンタ達の気の済むまで付き合うわ。それだけよ。
[だって、自分は死んだのだ。人にも妖怪にもなりきれぬ、宙ぶらりんのまま、死んだのだ。端から見たら酷く愚かしい道であったとしても、自分で選び、進んできた道は半ばで途絶えた。だから]
……………。
ああ、私も大体そんな感じ。死んだからって誰かを恨むつもりはないし、まあ悔しいとか残念とかはそりゃあるけど、なんていうか……仕方ないかな、って。
[質問の答え>>+50を聞けば、笑みは少々苦いものにはなったが。相手の言い分には共感できる。死んでまで争う理由はない]
だからアンタの考え方、スッキリしてて好きよ。結婚しよ?[そして最後に、軽口]
>>+48鼠
[聞き覚えのある声が響いたのは、そんな話をしていた直後だ。弾かれたように声の方を振り向く]
ね――うわぁー。
アンタ、まだそのカッコしてんの。
[振り向いた先にいたのは大鼠。いつぞやと同じような、酷く失礼な感嘆の声を漏らした]
そうよ。私からしたら、そのセリフそっくりそのまま返してやりたいトコだわ。
ああ、私は戦いには関わってないわ。立花ちゃんから話を聞いただけ。
……随分無茶したみたいじゃない?
[自分の腰に手を当てて、溜息混じりにあなたを見やる]
>>40 烏
――そんなに忙しいなら、偶には良い物を食べないと。
[あなたの内心を知らずに向けるのは、好意的な微笑だ。
あなたのことを"良い人間"だと思ったままの。]
うーん、お泊り会みたいな。
あぁ……[烏の騒いでいる理由を知っているだけに、苦笑の混じったような声が漏れた。そういえば、最近は烏避けが効かない。気が高ぶっているのか、妖怪の指示を受ければ気にならなくなるのだろうか。]
気を使って頂いてありがとうございます。
最近、確かに騒がしくは感じていて。
[貰って落ち着くものとも思えないが。
あなたの気持ちは素直に嬉しく感じて、笑みと共に軽く頭を下げた。]
>>狐
…あはは、そうですね…──最近は肉ばっかりです。
[苦笑いの様な笑みを浮かべてそう答える。そうだ、あの時あなたは良い人間と言った。今思えば…いや、そんな事を思い出してしょうがない]
[お泊まり会、という言葉に答える前に、ス、と懐から何かを取り出そうとする]
あぁ、やっぱりそうですか。
いえいえ、ご近所さんですから。
──多分、これで気にならなくなりますよ。
>>+53歯
こっちに来てから上手く化けられないの。
あなたこそまだオジイチャンがくっついているじゃない。
[まるでいつぞやと同じように響くものだから、反射的に言い返した。]
そう。それはそれで、どうしてこうなってるのか聞きたいものだけれど。
["無茶"。少女の方を眺めていた大鼠は、ついとあなたの方に視線を寄越す。]
……共存派の拠点。見つけたのよ。逃がしたくなかったの。後続に道を開いておく、つもりだったわ。
[それから、一段と声のトーンを落として。]
結局、こう。
戦いは終わるどころか、支配派自体がぐしゃぐしゃになって。
無様に失敗したってわけ。
……"例の犯人"すら、探せず仕舞いで、ね。
[息をつく代わり、ギュリギュリと不快気に歯を鳴らした。]
>>+54 鼠 (>>歯)
[聞いていないふりをしていても、耳には入ってくるわけで。それでもふりをしている以上、オジイチャンやらなにやらわからない単語も聞き流そうと思っていたのだが。]
……男って、誰だ?
[思わずこぼしていた。ねねが、昨日の時点で探さなきゃいけなかった男。なんとなく、この女が動くならば復讐のためのような気がして。自分のあずかり知らぬ支配陣営の仲間、はたまた敵でなければ、それは。]
[ちらりと立花を見た。昨日の時点で死んでいた、向こうの陣営の者は、知る範囲であのゆきんこだけ。ならば。]
[誰も恨んでいないと言った中、密かに密やかに、心奥に秘めた殺意の向く先、その手がかりではないかと期待しながら]*
>>42,>>43烏
スタミナはつきそうですけどね。
[そんな近所の人同士の立ち話を続ける。
けれど、烏避けの物を受け取ったらそろそろ辞した方が良いだろう、なんて考えながら、あなたの動作を眺めていたのだけれど、]
――、え?
[取り出された大きく黒いそれが何なのか、一瞬理解が追い付かずに呆けたような声が出た。状況は分からないまま、慌てて体を翻そうとするけれど、妖怪の力をもってしても、すでに遅い。]
[パン―――ッ。と響いた音は胸部へと吸い込まれた。至近距離からの強い勢いがついた弾が、背後に抜けて地面に落ちる音がする。]
、ぁ、っっが、
[理解が追い付かないまま。ド、と膝から崩れ落ちた。]
【住宅街・夜】
[屋敷の女給に頼まれて、買い物に出た帰りだった。
物理的に手が足りなくて、抱える荷物を運ぶには身体が傾ぐ。だから、その歩みは遅い。
もう少し行けば、神社が真正面に見える。少し寄ってみようか、彼女がいたら、声を掛けようか。
そんなことを思いながら歩く中、ざわめく夜のかすかなしじまを裂いた音。──人の世でも、人の手でも、使われる道具の音。
面倒事にかかずらっている暇はない、一度足が止まった。
その音はわりと近くで、しかも屋敷への経路の方向で。
(ヤクザの家なんて、この近くにあったっけ?)
──そんなことを思いながら、対面に小さな会社の看板を見る曲がり角から、そう、っと顔を覗かせた。]
[息苦しさと眩暈と、灼熱のような激痛が襲う。]
ァ、ぅっぐ、
[よくわからない。何が起きたのかこの痛みは何なのか、でも逃げなければならない。逃げなければ、逃げないと、]
[必死で体を支えて状態を起こす。服と身体の下へとみるみるうちに血溜まりが形成されて、自分の血で腕がぬめった。
当たった場所も、血の量も、明らかに近い未来の確実な死を予感させるものだ。]
――、
[見上げた顔は、人間ではなかった。いつかみた、己を殺した者とも違った。
でも、ただ、ここでこの妖怪に殺されて自分は死ぬのだということを、唐突に理解した。]
[街灯の周りで、虫玉がヂチと飛んでいる。
そのかすれた光の向こう、影がふたつ。
佇む影と、その前に膝をついた影。
目を細めて、]
[その影が誰とわかれば、息も飲まず胸を鳴らしもせず、走り出した。
走り出した背後で、卵と牛乳パックが落ちて潰れる音がした。そんなものに構うはずもない。]
>>狐、烏
[キミたちはその気配に気づいてもいいし、気づかなくてもいい。]
【廃墟ビル/深夜前】
[そのときは一人でいた。ぬいぐるみの親友に言っていたことと自分がやっていることが違う。後で怒られるかもしれない。
護身用の先のひしゃげたバットを背負い、歩いていた。背負っているものは自分の爪よりは加減ができるだろう、そう思ったからどこからか拾ってきたものだ。]
(常盤サン……。)
[窓だった空間からの入る光も少ない。暗闇の中で階段を昇る自分の足音だけ響く。細めの懐中電灯の光が頼もしく思えた。 目的地はなく、一人で誰かを探していた。]
>>+56水
[視線の向きのわかりにくいネズミの瞳に代わり、煩わし気に鼻をひくつかせた。それもやがて収まって。あなたと同じく、少女へ鼻先を向けた。少女が、まだこちらに注意を払ってないことを、よくよく確かめた。]
[ネズミ達から伝え聞き、その時想像することをやめた死の現場を。改めて思い返した。大きく呼吸を、一度。数秒の間。]
……今話しても、どうにもならないことだけれど。
立花についてた、"黒いもの"。
――ナル、あなたはよく知っているでしょう?
"あれ"の、今の居場所……かも知れなかった相手のこと。確かめられてなんて、いないけれど。
>>50猫
>>51,>>52烏
[頭の中まで騒ぎ立てるような烏の音がうるさい。死を歓待して連れてこようとしているみたいだ。そんな中、]
(ねね、)
[痛みと貴方から逃げなければならない、とばかりが巡る頭に名前が届いた。這う動きが少し鈍る。
見下ろす暗く濁った目が、霞みかけた視界でも見えた。]
(ねね、)(ねねのなかま)
(ふくしゅう)
ぁぁ…………なら、 しょう がなぃ、 ね
[肺の空気を吐き切るようなか細い声のあと、そう、呟いた。
妖怪の眼差しはそこで見えなくなった。目の前を見慣れた色のパーカーが覆ったから。
肩へと自分を抱えるように手が回って、焦点のぼんやりとした瞳がぬいぐるみを見上げた。]
>>+54鼠
本性垂れ流しじゃないの。――ちょっとやめてよー、これやっぱおじいちゃんなワケ?執念深すぎない?
[いつもの調子の会話の流れ。けれど続いた言葉に、一度唇をきゅっと結んだ]
……よく見つけたモンだわ。それはすごいと思うけど。
だからって、ひとりで、行かなくたって。……私が言えたこっちゃないけどさ。
[何しろ自分は、夕方には死んでいたので。あなたから少し視線を外し、後半は口の中でのぼそぼそとした呟きだ]
だったみたいね。
……その男は、私も見つけられてない。それより先に、[一瞬の間]
一平ちゃんに。
>>54 烏
[主を殺した犯人は彼にとっては大切な女性であった。遺体を屋敷へ持ち帰った際、喜んだ妖怪もいただろうか。だが、彼としてはあのようなことあり得てはならなかった。それゆえ自分が狙われていることはこの子鬼は余り感づけていなかった。
だが、近くの不穏な気配はすぐに感じ取れた。]
――あ!
[階段の先を懐中電灯に当ててあなたを見つけようとする。以前会った時の同じような姿に見えただろうか。]
高尾、……![いつものように呼びそうになり、言葉を詰まらせる。]
……常盤サンをやったのは。あんたか。
>>+57鼠 >>+58水
[あなた達の様子には、口を挟まない。「どうしたかった?」異国の妖が問う]
[右手が強く、黒い服の裾を握り締めた。どうするかなんて決まっていた。恐らくは、目の前の男と同じ結論だ]
>>57天
[あなたを狙う理由、それは最終的にこちら側の目的の為だ。形勢はそちらに傾いている、それを引き戻すために、襲撃の失敗と主を殺した妖怪を殺せば、士気の高まりにもつながるだろうと]
──久しぶりだな、一平…とか言ったか。
あぁ。だったらどうするって言うんだ?
[あなたの問には短い肯定の言葉。
あなたが懐中電灯を向ければ、見えるのはスーツ姿の男だろうか。でもそれは人ではない。
以前あった時人は違い、ひと目で妖怪と分かるような、そんな気配を漂わせている。]
[そのまま、身を翻し革靴の音を階段に響かせて登る、扉を開いてその先へと男は消える。その先は──]
>>56猫
[抱えられた身体は自分では動こうとせず、あなたに体を預けたままだから、猶更苦戦を強いただろう。ただ、這いずることもやめていたけれど。
片腕だけで引き上げられた体が傾いだ。
まだあまり濡れていない肩に触れる手からは暖かさを感じるのに、血液であなたの身体の暖かさよりも、べちゃべちゃとした感触や痛みの疼きが割り込んでくる。
どこか、鈍り始めた感覚は最初程の痛みを伝えてはいない。]
[強張った口元が見える。フードの姿。]
――……、
[痛みと苦しみと恐怖と諦めと納得と色々なものが混じっていた表情が、あなたの姿と言葉が届いて、ふっと安堵したように緩んだ。]
しょ じき……、もの の、ぬぃ……ぐるみ、だも…ん、ね。
>>+62水
[大鼠とのやりとりに、こちらはよくわからない顔で首を傾げていた。言いふらされたわけではなかったのは、あなたには幸いだろうか]
……そうね。死んだモンは仕方ないわって思ってたけど。
そいつが犯人なら、[本当は確証はないのだけれど]殴ってやらなきゃいけないわ。
>>+63鼠
見た目に気ィ遣いなさいよ。もうちょっと。[肩をすくめる]
[連絡した、と言われれば、そう、と小さな声を返す。ただ、あなたに知らぬ間に死なれてしまったことが、あなたを知らぬ間に死なせてしまったことが悲しかったなんて、言えやしなかった]
アンタも知ってる一平ちゃん。
……事故みたいなモンよ。あの子は悪くないの。
それに、先に殺そうとしたのは私だもの。あの子は自分の身を守ろうとしただけ。
泣かせちゃった。
[自嘲するように、笑う]
>>58 烏
――。
[すっかり様子の変わってしまったあなたに戸惑いは隠せない。尻込んで後ずさってしまいそうになるがなんとか踏み止まる。
短い肯定の言葉が不気味だった。以前のように人の仕事をしていると分かる外見であるのに、そこにいるのは妖怪だとしか思えなかった。]
昨日の夜屋敷に来た連中も沢山死んだんだぞ!まだ続けるんか!
あきらだって。あきらだってあんたと会いたがってた……!
喧嘩するけど、何かできないかって!
[ぬいぐるみの親友の言葉を繋ぐ。あなたが階段を上るのならば、追いかけ自分も階段を一段一段上がっていく。そしてその先にある扉を開けるはずだ。]
>>61猫
[あなたの左腕が空を掻いて、傾いだ姿勢のままで体が止まる。
あなたの指や腕に込められた力で、そこに繋ぎ留められている。
見上げるあなたの口元が強張って震えながらも持ち上がったのが見える。
前は逃げたくても助けてほしくても、最期まで誰も来てくれなかったけれど、今はあなたがきてくれた。
無理をさせてるのかもしれない。けれど、あなたの言葉も何も、どこか嬉しかった。
ふ、と一瞬口許が緩んだ。]
……、
[あなたの力だけで膝がわずかに地面から離れる。あなたの力がわずかでも抜けるか、足りなければすぐにでも崩れ落ちるほど、力はない。]
ぁき、ら……ぎゅ、ってし、てね
――……しょが、なかった、……から。 もし、ぅらんで、も、 ふくしゅ……は、な、し。ね
>>+67鼠
まあ確かに、言われてみりゃフカフカだけどー。
[「残念だったわね」……そう、残念だった。その言葉が、何だかしっくりきた]
……そうね。
私は――私はまあ、死んじゃった方だからさ。特に恨みがあるワケでもないし、……いいんだけど。
あの子、思い詰めてないかが。ちょっとだけ心配だわ。
[呟きを聞けば、そちらへ視線を向けて]
……アンタも、そんな感じだったの?
>>+68水
[あなたの言葉に小さく頷き。そして、どこかへ立ち去るその背中を見送りながら]
何かあったら、教えてね。
手伝えることあれば手伝うわ。
[それだけを言った]
>>64狐
[紡ぐ言葉に、つなぎ止める力が、本当にわずかでも、わずかなりともあれば。
気持ちが負けたら、あっという間にこの手は離れてしまいそうだ。
だから、大丈夫なんて、嘘をつかないって、]
[がむしゃらにあなたの身体を引きずり上げて、自身の足もつま先が屋敷を向いて、──]
……、……なにが、なにも、
[しょうがなくない。あるわけがない。
まだだ。あなたはまだ生きている、言葉を紡いでいる。
それがまるで遺言のようでも、あなたはまだ生きている。
──あきらめない。
あなたを力の限り抱きかかえて、(それはあなたの言葉の通り、ぎゅうとしているのと同じだったけれど、)あなたの足を引きずってでも、一歩を踏み出す。]
>>63烏
死ぬのを望んでるって。……死んでる奴は辛そうだったぞ。
ねねは未来のためだ、そう言ってた。
[あなたを睨み付けようと暗闇の中視線を向ける。]
あきらとは!喧嘩するけど友達じゃなかったんかよ!そうじゃなきゃ、あきらがあんなに悩むはずねーだろ!
[顰めるあなたにそう叫んだ。懐中電灯であなたに探し、やや早足で近づこうと。]
>>+46 花
[遊び回る子供たちを嬉しそうに眺めるあなたに、一歩一歩近づく。これであなたがその子供たちと一緒に遊べているのなら、よかったのになどと思いながら。]
おう。なんか、サギリ元気そうでよかったわ。
お前もねねと話してこいよ。……なんか、いろいろあんだろ。
俺は……今夜は少し、一人で行きたいところがあるからさ。
あいつらと一緒にいれるか?明日、またそのへんで会うことにしてさ。
[そんなことを尋ねれば、あなたは承諾してくれるだろうか。しぶるなら、手を合わせて「すまん、頼む」とまで言うだろう。]
……あとさ。
お前、俺の核……ええと、心臓みてーなの。
どこいったか、知らないか?
[真剣な目で、そう聞いた。]
>>65猫
[がむしゃらに引きずり上げられて、顔を強く顰める。
本来なら痛む肩も胸もどこが痛いのかもわからない位に身体の感覚が分からない。]
……わ、たし
[一度殺された身だから、その重さは知ってる。殺したのだから殺されてもしょうがない、ともあきらめがついた。でも、それが続いてももっとしょうがないと思っていて。かといって恨むなともいえなくて、そう紡いでいた。
ぎゅうっと力の限り抱えられて、引きずられながら少しだけ進む。]
……だいじょ、うぶ。 、ぁきら、は、……だぃじょぶ、よ。
ぁ から、 ぃきて、 ね
[喘鳴が酷くなって、言葉が途切れて、引きずられる振動でも言葉の端々がかき消えた。
必死になってくれているあなたは酷く落ち込むだろうな、ってぼんやりした頭が思うけど、酸素の回らなくなった頭には気の利いた言葉なんて浮かばないから、根拠のないそれを繰り返して、最後は望みを一つ。]
[あとはもう返事もできなくなって、あなたの背の上で少しずつ命が消えて行くだけ]
>>66 天
そうだな…死ぬのは痛いし苦しいだろうな。
だが、戦って死んで行った奴らは、それ以上に何かを望んだからだ。
死ぬのが怖くても戦って死んで行った連中だ。
ねねだって、きっとそうだと思っている。
だから俺はそっちを恨んでるわけじゃない、
死んだ連中を悲しんでるわけでも──ただ、俺も同じようにするだけだ。
[そう、あなたの視線から目をそらさずに言う。]
友達…か、言われてみれば、そうだったかもな…。
あきらに言っておけ、俺のことは忘れろってな。
[憎まれ口ばかり叩き合っていた、その名前に目を伏せる。今のところ、動く気配はない。
窓の外の烏が数羽、こちらを覗いている]
>>67狐
──なに、
[言ってんだ。まるで子供に向けてはならないような、語気の荒さもこめた力に立ち消えた。
あなたを抱えて引きずって、また一歩。]
……ッ、ときわちゃん、こそ、
だいじょうぶ。大丈夫、なんだから。
[あなたの言葉が途切れて、かき消えて、それでも繰り返されて。
あきらめない、あきらめたくない。だってあなたはまだ、まだ──もっと、どれほどまでも、いつまでも、]
ったり、まえ……でしょ、
ときわちゃんが、いるん、だから。
[あなたの幸せを願うことが、あなたが幸せになることが、このぬいぐるみの幸せなのだ。あなたが生きて幸せになるのを、見ていたい。
だから、死なない。死なせない──]
>>+64歯 >>+65鼠 >>+71水
[それから立花は邪魔しないように、なるべく2人を見ないようにしながら子供達を見ていた。いつの間にか探していた鼠の彼女が加わっているのも知らずに。ふと立花の目に入ったのは少年と少女がなかよくおままごとをしているところだった。その光景に立花は自分と幼馴染である子鬼をダブらせる]
(…そういえばあの子達、家が隣で生まれた時から一緒って言ってたっけ。)
[立花が生前遊んでいたときに聞いていた話。それを思い出したせいかふと、幼馴染に会いたい欲がわいてくる]
(この後、探しにいっちゃだめかな?)
[立花がそう思ったのと同時に大人たちの話も一段落したのか、迅がこちらに向かっているのが目に入った。そしてふとそちらに顔を向けるといつの間にかねねが加わっていた。しかも彼女の姿は自分が気に入っている大鼠の姿だった。それに立花は目をキラキラさせているのと同時に彼に声をかけられた。]
ね!立花も沙霧姉ちゃん元気で安心してる!
うん!立花もねね姉ちゃんとたくさん話ししたいっ!もふもふできるかな?
[そう言いながら手をもふもふしているような仕草をする]
>>68 烏
生きてる以上に望むことなんてあるんか、なあ!
怖いのに、わざわざやることなんてあるんか!
[もはや八つ当たりのように叫ぶ。恨んでいる、そう言われたほうがやりやすかった。]
く……。
[あなたに動く気配がないのならばそのまま近付く。窓の外の烏に警戒しつつも背負ったバットに手をかける。いつでも振り下ろせるようにして。]
おれは、もう、殺さねー。でもこっち来ないんなら、抵抗するぞ。
>>+74続き
え…えぇ…迅兄ちゃん大丈夫?迷子にならない?
[彼が別行動とると聞いて立花は不安そうにいう。そんな立花に彼は手を合わせるだろう]
…じゃあ、立花に何も言わないで勝手に消えないって約束して。
立花、迅兄ちゃんに案内したいところまだいーーぱいあるんだから
[そう言うと立花は小指をたてゆびきりをさせようとする。もし彼がゆびきりを知らないなら、説明をするだろうし絶対させているだろう。]
あ…えと…
[核と聞いて立花はドキッとする。聞かれてほしくなかった事を聞かれ立花はふと誤魔化そうとするが、真剣な目でみる彼と幼馴染に話した「嘘はいけない」という母の言いつけを思い出し、気まずそうに話した。]
立花、あの時博物館から持っていってたの…
でも、その…ね。立花がその…刺されて倒れちゃったときに、落としちゃって…
パリンッて音がしたの…
[そう言った瞬間あなたから反応があるかもしれない。それを確認した後、立花は悔しそうな顔しながら続けた。]
…立花、守りたかったのに、守れなくて…せめて半分だけでもって手に持ってたの。
それは…たぶんいっくんが持っていったんだと、思う。
あとの半分…わからない…ごめんな、さい…
(>>72続き)
待て!
――あ!くそう!なんだよ!
[その瞬間反応はできなかった。烏を追い払おうとバットや手足を振るい抵抗をするも、飛ぶ相手ではなかなかうまくいかない。勢力は逆転され追いかけられ、この部屋から出ざるを得なくなった。
そうしてあなたの姿はすっかり見失っているだろう。]**
>>+74 >>+75 花
もふもふ……?鼠だぞ。お前、み……手は洗った方がいーぞ
[店はいる時、と言いかけて、あわてて口をつぐんだ。]
消える?なわけねーだろ。俺は起きて博物館にいくんだよ。案内……は、なんだ、オトナが行っておかしくねーとこにしろよ?
[ユビキリとやらはきいたことがなかったので、説明を怪訝そうな顔で聞いていた。渋るが勢いにまけて、指を差し出す。いささか滑稽な風景だが、あなたが満足そうにしているので何も言わなかった]
……そうか。
半分なぁ。うーん……まぁ、いーんじゃね?なんとかなるだろ。ようは燃えればいいんだ。多少は弱くなるかもしれねぇが……飯が作れれば、それでいいよ。気にすんな……まぁ、それっぽいのあったら拾っといてくれ。
[そういうと、一度だけあなたの頭に手をおき、すぐ離す。そして、じゃあまた明日な、というと公園を後にするだろう。**]
>>+72鼠
[触るかと聞かれれば、やめとくわと返す]
…………、後悔してるの?
まあ、するんならアンタの勝手だけどね。
私は後悔してないわよ。だって、選んだ道でしょう。
残念とは思うわ。悲しいこともあるわ。でも、私は自分で選んだ。この結末でさえ、選び取った先のものよ。
アンタも……自分が心から望んでたんなら。
そのことだけは、否定しないでやんなさいよ。
[ばかだったかも、なんて。悪友の珍しい弱音を聞けば、こちらもまた、珍しく本音でぶつかっていった。全てが「良かった」とは思わない。だが、「悪かった」としても、そこへ至るまでの気持ちは――確かに、本当であったのだからと]
[……だがそこで、ゆきんこがあなたに飛び付いてきたので、ぎょっと目を丸くした]
>>+76花
[沙霧へぽつぽつと言葉を投げた、直後だったろうか。
小さな雪崩が飛びついてきて、ぎゅむと毛皮を抱きしめられた。こちらに来てからの常で、衝撃だけがあった。]
――立花。
[立てば、少女の胸元に鼻っ面がくるほどの大鼠だ。さぞかし抱きがいがあるだろう。大鼠の目は、きゅうと眩しがるように細められて。]
――。
[――このコに殺させてしまった。気付きながらも見逃して、よりにもよって彼を。
このコを殺させてしまった。そして、仇のひとつ、討てやしなかった。]
……遅くなったわね、立花。
[一呼吸、二呼吸。そうしてようやく、自身を抱く少女に、悪戯気に首を傾げるようにして。]
こうしたかったんでしょう、ずっと?
【廃墟ビル/深夜】
[烏との攻防は続いていた。振り切るため。室内で密集された烏を相手にするのはこちらが不利。ならば広い場所に出て密度を低くし、一匹一匹追い払っていくべきか。先ほどだいぶ上まで来ていた。故に下に出るより屋上が近い。
屋上の扉が背中にあければなんとか空いた手で開ける。屋上に背中から飛び込めば烏達がまばらに飛び出していく。未だにこちらを追いかけているもののこれならば、一匹一匹に狙いを定めれば抵抗はできる。]
あ、やった……これで
[もう一歩後ろに下がれば目の前の一匹が目前に入る。烏達を追い払い、早く屋敷に帰らなければ。]
[後ろに出す足がずれる。そこに踏むはずの地面はない。廃墟ビル故、屋上の柵が一部なかった。追っ手の烏達の声がぐんと遠くなる。何故?]
[視界は都会の夜を背景にした高所から、暗い空へと変わり、]
[鈍い音。]
[]
[冷えたコンクリートの上を暗い色をした液溜まりだけがゆっくりと広がっていった。走馬灯も最期の言葉もなかった。空が暗く、世界が真っ逆さまになっていく。その様子を最後まで眺めていただけだった。彼はそのときも今のことだけ考えていて、この変わりいく様子が理解ができなかったから眺めていた。
そしてそれを理解することも、分かることもなかった。]**
>>+79鼠 (>>花)
[珍しい感謝の言葉に、一瞬目をぱちくりさせたけれど。その後には胸を張って笑みを浮かべていた]
[そしてあとは、あなたと少女とのやりとりを見ている**]
【神社/夕刻】
[境内を歩き回って、けれど求めた影は見つからず。ただ、さわさわと風に揺れる葉がさざめきあう音しか聞こえない。数日前までは、感覚を研ぎ澄ませるなにかが満ちていた気がするが、今はそれもはりつめて千切れそうな、そんな気配にしか感じられない]
……トキワ、どうしてんだろうな。
怪我、どうなってんだろなぁ。
[先日、共に酒を飲んだ縁側に腰かけて。もう一度酒を飲もうという約束は、自分が生き返るまで果たすことができない。だからこそ、起きてもういちど会わなければならない。そして、謝らなければならない。自分がいなくなるとつらいと言ってくれた、友人を、置いていってしまったことを]
……屋敷かな。
……明日になりゃ、くるかな。
[会えたところで、何が言えるはずもないのに。じっと座って、そのまま動かなくなる。リッカの話では、心臓は半分になってしまったと。それがあるからこそ、動けているのだろうが。だとしたら、日に日に高まっていくこの身体の重さはなんだ。膝に頭をもたれかけ、目を閉じる。時折その半透明の体が、ゆらりと存在を波打たせるのを、見る者はいない。**]
>>+80鼠
[生前では逃げられてばかり追いかけまくっていたその姿。ここへきてやっと立花は彼女に抱きつく事ができたのだ。]
うん!やっと…ねね姉ちゃん捕まえられた!
[今までできなった分ぎゅむと抱き寄せた。これで体温があったら、どんなにぽかぽかと暖かくいられたか。そう考えてすぐ、消し去った。]
…ねね姉ちゃん。立花、役にたてなくて、ごめんね…
心配させて、悲しい思いをさせてごめんね…
[ぎゅっと抱き寄せながらポツリポツリと朝、沙霧に言った事をそのままねねにも謝罪する。きっと、沙霧みたいに立花は悪くないって言ってくれるかもしれない。それでも立花は、謝りたかった。]
[それから鼠の彼女と会話をした後、立花は2人にお願いするだろう。]
立花ね、いっくんの所にいきたいの!
なんか無性にね!顔見たくなっちゃって!
だから、沙霧姉ちゃんとねね姉ちゃんについてきてほしいなって。
[きっとそういうと立花に優しい彼女達は肯定してくれるだろう。もしかしたらそれぞれ違う用があって別行動しているのかもしれない。
2人が用事があるなら立花は迅に言われたが気にしないまま2人を見送り、自分は幼馴染のところへ行くだろう。]
[その、夜。彼の身に起こってしまった事を。今の立花は知らない。それでも彼女はきっと幼馴染のところへ、行ったのだろう**]
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