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>>30歯
してくれるんじゃないの? いっぺーちゃんが。
それとも結婚したくなくなったん? 結婚したい系お姉さんが。
[鼻で笑ったしぐさに引っかけるように、また疑問符。
「気づかなかった事にはできないの」思案するような一拍が開いて、]
そらそうだね。
──わからんままじゃ、今日から敵だと言われたって納得がいかんわけだよ。
両親が離婚して子供は母親についてったからって、両親がなんで離婚したかもわからんまま、子供は父親を嫌えないのと一緒。
だから、あなたたちの話を聞いてみたかったってわけ。
なにが不満なのか、あなたのいう"妖怪らしい生き方"がなにかわかれば、泣く子が減るかなと思ったのもあるけど……ま、一見には話さんもんかな。
これからどうするかってのは、悩んでるんだよね。
[言葉の通り、わざとらしく思案するように片手の指をあごに押し当てる。とがった唇がピスピスとなる様子は、苛立ちを誘われる者もいるだろう。]
>>29烏
[あなたの食事を褒める言葉に、一瞬毒気を抜かれたようになったが、苦々しい顔をになる]
ヨーカイでもニンゲンでもうまいもんはうまいだろが。自分の感覚にセキニン持てよな。
[会議。おそらくまだしている。忙しくしているだろう常磐のことを思い出すと、少し頭も冷える。挑発に乗って余計なことを吐かないようにと、一応は頭をよぎる。]
知らね。馬鹿馬鹿しくてすぐ出てきた。
……まぁ、お前らなんかにそう見つかるようなタマじゃねーよ。諦めろ。
知ってどうする?決まってんだろ。
騙されてるなら連れて帰る。馬鹿なこと考えてたら殴って連れて帰る。んで、博物館に行くんだよ俺らは。
[よく考えたらその予定も狂っていたことを思い出して腹が立ってくる。]
……つーか、まだるっこしいんだよ。
知ってるなら吐け。知らないならさっさと帰るかここで死ね。
[あなたの目つきが変わったのを感じ取り、言い放つと、自身の足元からぐるりと炎が立ち上る。それは胸の高さで複数の火球になり、成桐が腕を打ち振るうとともにあなたへ向かって疾走した*]
>>31 >>32猫
[その疑問符には少し眉根を寄せるだけで、だんまりを決め込んだ]
……なるほどね。
アンタ意外と、考えてるモンなのね。
[やや感心したように頷いて、悩むような仕草と、それに続いた言葉に腕を組む]
最初の、何でインド。
最後の選んで、今後邪魔しにこないことをオススメするわよ。
アンタは一平ちゃんの友達だし、邪魔しないなら見逃してあげる。
[それだけ言うと、話は終わりと言わんばかりにくるりとあなたに背を向けた。引き留める言葉か、あるいは――こちらを害そうとする何かがなければ、そのまま歩き去るだろう*]
>>33 水
なんだ、それじゃあ聞いても無駄か。
烏じゃあんたぐらいしか見つからなくてな
[すぐ出てきた、と聞けば残念そうににそう言った。あなたの言いようにきっと動向もわからないだろうと]
騙す?誰が
馬鹿なこと?人間を支配することが?
あんたがどう思ってるか知らないけど、そっちにいないっていうことはそういうことだろうが
[あなた達の過ごした時間や、やり取り等は知らない。その男が発した言葉は、そんな者の言葉]
吐くのも死ぬのも勘弁願いたいな──ちっ
[まともにやりあっても、勝ちの目は薄い。ならば選択肢は一つだ。
普通であれば距離的にも、大きさ的にもあたるはずだった──普通の人間ならば]
[男がいたはずにところに人の影は無かった、代わりに、大柄な烏が1羽と、その周りに通常の烏がばさばさと宙を飛んでいる]
──安心しろよ、立花はちゃんとこっち側にいるぞ。
[人の言葉発したそのうちの1羽はそう告げて、特に追撃がなければそのまま飛び立とうとするが。]*
>>34歯
[スルーではなく眉が寄せられたから、ぴす、と唇を鳴らした。]
インド、行ったことないんじゃない? 新しいもんが見られるよ。
それに、あなたの人生変えるわよっていうからさ。
[そもそもか、それともこれが軽口か。あごに当てていた指を離す。どうするか決めた。]
"本気なワケない"とか、"友達だから"とか、いっぺーちゃんのこと気にしてるのにね。
[>>24の言葉をほじくり返した切り上げ口調の、疑問符は付いているけれど勝手に決め付けた言葉。]
そのいっぺーちゃんの友達が、邪魔しに来ないってほんとに思う?
[あなたが背を向けたタイミングで、あなたの腕に手を伸ばす。
つかめればそのまま引っ張っていこうという、非常に原始的な拉致を試みる。*]
【主の館・昼前】
[こっくりこっくりと首を縦に振る。徐々に首が前へ行き俯き、前に倒れそうになった瞬間ハッとしたように首を上げる。
まぶたの重そうな顔の額にちょこんと突き出したもの――角だ。
妖怪の姿のままでも咎められない環境とはいえ、無意識でこれは油断し過ぎだ。慌てて引っ込めて平らな状態にする。普段お気楽な彼でさえ気の留める不注意を起こしてしまう程、今朝は疲れた。]
……寝てたか。
[早朝から館と神社の周囲をウロウロしたものの得られるものはなかった。「一人では危ない」そう言われたから、屋敷に戻り何となく溜り場にいる。いつもならば自分以外にも寛ぐ妖怪がいて穏やかなものだが、今日はただ忙しない空気を薄めたような淀みのある空間になっている。]
[常盤は神社の妖怪の代表として忙しい。あきらはでかけてしまった。成桐は店に戻ったらしい。なら、自分は。昔、北の国での鬼同士の喧嘩のときはこうして離れた場所で止むのを待っていただろうか。
頬杖をつき支配陣営としてあげられた名前を思い出す。]
りっちゃん――沙霧サン。
[よく知る者の名前を呟く。この二人の他にも知っている者の名前はあった。自分とは違う突拍子もない思想を持つ者がこんなに近くにいただなんて、分からなかった。知らなかった。]
――なんでなんだろ。
今は待つだけじゃ……落ちつかねーや。
やっぱ、話さなきゃわかんねー。
[あぐらをかいた状態から立ち上がり、軽くももをはたいた。そして知っている者達を探しに向かう。**]
【水タバコ屋/昼】
[慣れしたんだ町並み、通路。いつもなら元気かつ笑顔で通るが、今日は違う。その足取りはとても、とても重かった。それでも行かなきゃいけないのは…]
(…大丈夫。ねね姉ちゃんとそのお友達さんに協力してもらったから、確かなはず。)
[そうこう考えている間に着いてしまった居候先。その扉には“閉店”と書かれた看板。それを見てひとまず安心する。そしてゆっくりと扉に手をかけ開く中を見るといつもこの時間なら客やら知り合いやらで賑わっているが、今日は真逆。しばらくドアの前で立っていても何も起こらないあたり、家主は外出しているとわかる。]
(あぁ…よかった。はやく、はやくみつけて戻らないと。)
[扉を閉めると真っ先に向かったのは自分の部屋。中に入ると昨日自分が出かけた時のまま。そこから隅にある箪笥の一番下を開けると左側に小さな長方形の箱。それを取り出しパカッを開くとそこには母親の唯一の形見であるかんざしなど立花の宝物がたくさん詰め込まれていた。]
>>35 烏
ちっ……だからニンゲン以外は面倒なんだよっ
[飛び上がったあなたを見上げ、即座に追撃を編み上げる……が、しかし。生まれた疑問が、あなたの言葉に炎でなく言葉で返すことを選ばせた。]
お前らこそ、本気でニンゲンをシハイとか考えてんのか。
俺にはそれ、ぜんっぜんわかんねーんだけど。
ニンゲンなんて別に、気に入らなきゃそいつ殺せばいいだけだろ。全員従える必要がどこにあんだよ。はじめから俺たち化け物の方が、力で勝ってる。
[純粋に疑問だ、という顔だった。それはまさに、死の恐怖を覚えぬ者の顔。生を持つがゆえの苦しみを知らぬ者の言葉。はじめから生命ならざる者として生まれた者の思想だった。]
あとな、俺は別にお前らがニンゲン殺そうが化け物殺そうが、知ったこっちゃない。好きにしろ。
シハイってのも、やりたきゃ勝手にやれよ、と思う。
でもな、お前らが騒ぐとこっちの連中も騒ぐ。で、俺の生活が台無しになるってわけ。
[生活、という言葉には、おそらく身の回りの″人々″が含まれているのだろう。それは、今や対立しているあなたや、あなたの陣営を含めて]
>>42続き
[再び店まで戻るとふと目に入ったのは何か書かれた紙と梨。そういえば昨日の夕方から何も食べてない事に気づき、それらに近づくとまず梨をとり背負っていたリュックに入れると、そのまま紙に視線を移す。その紙には店主の字で「はくぶつかん行く。行きたかったらいっしょにこい。」と書かれていた。]
…はくぶつかん?
[ここに書いているという事はこれは自分宛だという事を理解すると同時になんてタイミングが悪いのだろうと思った。滅多に構ってくれない上にぶっきらぼうな店主からのお誘い。]
そんなの、こんな事がなかったらっ……行くに、決まってるのに…
[そう苦しそうに呟いた言葉は静寂に消える。もう、ここに戻る事は二度とない。何を思ったのか少女は近くにあったペンをとり、紙の隅っこに文字を書いていく。]
『はくぶつかん、じんにいちゃんといっしょにいきたかったなぁ…ごめんなさい』
[そう書ききるとペンを置き、再びその紙を見た]
>>44 水
そうじゃなかったら、そっちの主を殺したりなんてする思うか?
[問いかけのような言葉には、問いかけで返した。]
ほかの連中は知らないけど、俺は人間が憎いから支配したいわけじゃない。
憎いならただ殺せばいいだけだろう?
あんたは強いな、きっと、人間の中でも、妖怪の中でも変わらないんだろう。
──そんなあんたには、きっとこっち側のことは、言っても理解はできないさ。
[純粋な疑問をぶつけてくるあなたには、そう返した。烏のいう こっち側 にはあなたと親しい面々も含んでいて。]
あぁ、こっちも好きにさせてもらうさ。
せいぜい主のじーさんと同じ道を辿らないようにな。
[そう言って、烏が飛び去っていく]
【路地:昼】
[傍目に女は、黙って歩き続けていたが、]
――――、――。
[少なくとも人間においては、けして聞こえることのない周波で、]
――。――――。――。
[鼻歌のように響かせるそれは、]
――――。
[まさしくネズミの言の葉だ。]
[空を受け持つカラス達の威容の裏、都市の暗がりでは別の群れが蠢いている。
彼らと交わす言葉を、耳に感じ取る妖がすれ違ったとして、その全容を知ることはできないだろう。
つまり、女は黙ったまま、時折周囲へ目を配り、ただ歩いている。]
>>49 鼠
[空であろうと陸であろうと、ケモノの声は彼の耳には届かない。けれど空からの目は、烏にも負けない程度には持ち合わせている。先ほどやりあった烏たちのテリトリーを我が物顔で通り抜けながら飛翔する。そして、およそ動物的な勘で当たりをつけた路地裏に、果たしてあなたの姿を見つける。]
……やっぱりな。空があいつらなら、地面はお前らだろうと思った。
[中空に朱の鬼火。それを取り巻くように陽炎が渦巻いて、火を心臓とした人型をとる。あなたの前に立ち塞がるように降りた男は、声は努めて穏やかに、しかし感情を窺わせぬ顔であなたを見据える]
お前もそっち側か。
[確かめるように、尋ねる。]
>>36猫
なるほど、確かに行ったことはないわ。[そこには納得した]
そりゃあ……別に、嫌いなわけじゃないもの。
気にくらいは、
[「邪魔しに来ないって本当に思う?」問いかけ、背後で動く気配。女は歩み出そうとした足を止め]
――あんまり、思わないわね!
[周囲に闇が渦巻いた。それは黒い、怨嗟のような何かの塊で、確かな重量を持っている。――恐らく主を押し潰したのは、この闇だ]
[風に揺れる白いドレスが、闇が質量を増すのに比例して、じわりとその色に染まっていく。今まで汚れ一つなかった婚礼衣装は、さながら喪服のように、黒く]
[振り向きざまに、伸ばされた手に、その手の持ち主たるあなたに、闇を投げつけた]
>>53 水
そうだとしたら、あなたの頭の平和っぷりを甘く見過ぎていたアタシの失敗よ。
[承知の上だ。なので、軽口まで叩いた。]
彼に会ったの。彼だってきっと、変わってないわよ?
[彼は"人間"を上手くやっていたのだろうと、あなたの言い草から察する。あなたはこちらの腐れ縁など知らないだろう。けれど、構いなくそう首を傾ける。身内を誇るように笑む。]
そう。どっちでも良いならこっちに来てくれてもいいじゃない?
争いごとになってるのだって、貴方達が下手に抵抗するからだわ。
[そうでなければ、コトは簡単に運ぶだろうと。]
……違って見える?
前のままよ。人間の食事が好き。人間の作る穴だらけの建物も好き。人間が作り上げる缶詰の中身が大好き。
そして、溢れているものを食べただけの同胞が、食事にもならずに殺されるのは嫌い。
"皆"の幸せを願ってるだけよ?
好きなことと嫌いなことのバランスを、より良い方に傾けたいだけ。
[アタシはね。と。雑談のような調子で。]
>>54歯(>>57続き)
[飛来する闇。主の腕時計の見たものと、その向こうの顔も同じ。その闇が向かう先はこちらの伸ばした手。とっさによこにずれるも指先が、手首が闇に触れた。
闇が質量を持ったような衝撃に、耐えることを放棄した。なに、腕の一本潰れても所詮はぬいぐるみだ、綿をほぐして整えれば"直る"。それよりも無理に抗って千切れた方が直らない──腕を押しつぶす流れに身を任せて、背後へとすっ飛ぶ。]
──ッふ、
[だからといって一矢報いずにいられるか。身体を弓のように、そして弾くように、流れを作るように片足を大きく振った。すぽんと冗談のようにその足から靴がすっぽ抜ける。つま先は人の足ではなく、ぬいぐるみの足。
──ぶんっ、くたびれ掛けてはいるけれど、それなりの質量のあるミリタリーブーツがあなたの顔面へと飛来する。]
>>55花
[相手に駆け寄ってしゃがんで覗き込む、その仕草は何時か共に出かけた先で逸れたあなたと出会えた時のとよく似ていたけれど。
その時と違ってあなたの顔は青くて、拒否を示す叫びと共に伸ばそうとした指先のすぐ前へと氷柱が飛び出した。]
――っ、
[驚いて指先は引かれる。感情が高まった時には確かに相手は制御できずに冷気を降らせたものだけど、それとも何かの質が違う。一瞬だけ見えた黒い何かも。覚えはない。]
そう、文には書いてたけど、本当だったんだね。
主を殺したりなんてするから、殺気立ってる連中もいるよ。
襲われたり怪我はしてないかい、立花。
[まずはそれが心配だ、というように同じ質問を繰り返してから、]
――何だって、そっち側に行っちまったんだい。私にも、成さんにも、一平にだって何もいってないんじゃないか。
[少しだけ表情を歪めた。]
>>57 >>58猫
!
[叩きつけた闇を、恨みの塊のようなそれを、相手は抗わずに受けた。なるほど、潰れても平気なタイプの妖怪か。頭の隅でそう理解した、その間に、相手は既に動いていて]
[顔面へ向かってくるブーツ。こんなもんを、女の命にぶつけるなんて冗談じゃない。顔を庇うように身体を捻り、腕を持ち上げる。重い衝撃。直撃を受けたのは図らずも、あなたの潰れた腕と同じ側だ]
……。
手袋代わりと見なすわ。
次に会ったら、腕だけじゃ済まさないからね。
[黒いドレスを翻し、今度こそあなたへ背を向け、歩き出す。その後ろ姿は闇に霞んで――消えた**]
>>56 鼠
[皮肉に満ちた軽口には、違いない、と苦笑を返して。]
タカオにも言ったが。殺しは好きにすりゃいいが、俺の今の生活が崩れんのが我慢ならねぇ。そういうとこで、こっち側の息巻いてる連中にも腹立つし、原因作ったお前らにも苛ついてる。だからまずお前らから殴る。それだけだ[言の葉とは逆に、さっぱりとした口調で言って。]
ニンゲンいねーと店続かんし、アヤカシいないとつまらんし。俺はもう少し今の店続けたかったんだ。それを邪魔すんなっての。
[それから、語りだすあなたの動機を聞く。それとともにタカオの去り際の言葉を思い出す。あの時は理解不能だった言葉が、ピースを得たパズルのように腑に落ちていく。]
……あぁ、そうか。そういう理由なのか。
「同胞」がいると、そんな風に思うようになれるのか。
[何故か少し苦しそうな顔で、そう呟いた。]
>>59 狐
[少女の母親なら少女と自身をを守る為によく使われていたが、少女が出すのはこれ初めてだった。だからなのか氷柱はすぐに溶けて水と化してしまう。]
(……困らせたく…なかったのに…)
[こんな事しても今だ自分を心配してくる相手に立花は思わず泣いて、抱きついて、すがってしまいそうになる。でもできない。そう、させてくれない。立花は涙を堪えゆっくり一息つくと答える]
ごめん、さい。立花も…おじいちゃん殺すとは、思ってなかったの。だから立花もびっくりしている。
今のところは、大丈夫なの。お兄ちゃんやお姉ちゃんのお友達に協力してもらったから…
[その次の質問に、答えようと口を開くが言葉がでない。問う相手の顔もちゃんと見ているから立花もなおさら辛そうな表情をする。そして、ただ一言。]
――ごめんなさい。
>>60歯(>>63続き)
[そしてあなたが闇にその身を飲み込ませ、消えた。]
──……あーぁ。
[コンクリートの上に大の字。昼前の空は馬鹿みたいに青い。照らされたストリートアートも白々しい。
そんな中、右腕を押しつぶした闇の怨嗟が耳に騒がしい。
その怨嗟に耳を澄ますように、フードの下、目をつむった。]
[しばしののち、よいせと身を起こした。
ぺちゃんこの腕はグチャグチャで、あふれた血だってペンキみたいなまがい物にしか見えない。
ぶらぶらさせて行くのもはばかられた。片手を使ってポケットにねじ込んで、ぶん投げた靴を拾いにけんけんぱ。
ミリタリーブーツを人の足に突っかければ、ひとまず館へと戻らんときびすを返した。**]
>>61 水
その順番をちょっと逆にしてくれるだけで助かるのに。
でも、そうね。それなら話は単純だわ。
あなたは"今"が好きなんでしょう?
アタシはもっと、アタシ達に添った未来を望む。
好き同士の平行線よね。どうにもならないわ。
[邪魔をするな、はお互い様だと。瞬間、笑みの落ちた表情であなたの目を見た。]
……コトが収まった後の、もっとステキなあなたの日常も保証してあげたいけど。アタシにはそんな約束できないもの。
[そう口にする頃には、表情は戻っている。]
理解してもらえたかしら。
……ナルも、アタシ達のためを思ってくれていいのよ?
[くすくす。苦しそうな貴方を置いてけぼりにして、雌ネズミが笑む。]
>>62 花
[目の前で氷柱は溶けて崩れたから、少女の表情も良く見える。涙をこらえているような表情。抱き着いて泣いてくれたらいいのに、そうはしてくれない。]
そうか。一先ず大丈夫なら、よかったけれど。
[殺すとは思ってなかった、というのに眉を下げた。これからも死が出る可能性があることを分かっているのだろうか。
更につらそうに表情を変える少女に少し歪んだ心配げな表情のまま口を開く。]
言えないことかい。
何でそんな馬鹿なことしたんだろ、ってそりゃ思ったけど。
立花なりに何か理由があったんだろう?
――理由は言えなくても、何がしたいのかは言えるかい。目的が分からないよ、こんなことする。
[人を支配したい、という敵の陣営の意向は、少女のこれまでの姿とはそぐわないように思った。]
>>65 鼠
[ことここに至って、ようやくあなた方の主張が飲み込めてくる。そして理解する。説得は不可能だ。共感も不可能だ。あなたの言う通り、これは永遠に交わらない線なのだ。]
……そうか。お前の生きにくさは、俺にはわからねーやつだ。何百年かけてもな。
さぁてな。アヤカシで大繁盛してくれるなら、それもかまわねぇのかな。[声に出して、しかし目が違うと言っている。成桐は、この炎精は、おそらく自覚している以上に、人間を眺めているのが好きだったのだ。]
ネズミは俺の敵だぜ?残念だが、無理な相談だな。カラスもダメだ。生ゴミ漁る連中はみんな店の敵だ。
[苦味を振りきれぬ笑みで、それでも軽口を叩こうとして。けれど、結局はうまくいかず、]
俺に同胞はいない。この国にいるかも知らない。だからお前らとは分かり合えん。
トキワとかお前とか、ガキどもがいたから十分だったけどな。ただ、お前が行くならもう止めない。好きにしろ。で、もう俺の前に出てくんな。[そう、絶縁の言葉を叩きつけて。それから、苦しそうな呻きを、堪えきれなかったように。]
でも、あいつは……リッカはどうなんだ。
あいつもお前らと同じ考えなのか。
>>66 狐
[相手の言っている事は立花自身もよくわかっていた。だからこそ、言うのに躊躇ってしまうが、目の前の相手はそう簡単に黙って逃がしてくれそうにない。]
―――…りっかはね、もう…さみしいの“いや”なの。
[そう、ポツリと呟くと同時に抑えきらなかった涙が落ちる]
りっかは、おかあさんがいなくなって、すごくさみしくてっ、つらくてっ。
でもあのときは、いっくんやときわさんたちがいてくれたからすぐさみしくなくなったの。
いまも、いままでも、そうだったよ。じんにいちゃんのおうちにいさせてもらって。たくさんのひとや、あやかしとあそんだりして。さみしくなかったの。
っ…でも、でも!!!いまのままだとっ、あやかしもひともどっちもいつかいなくなるかもっ…しれないって!!
[話せば話すほど、少女の目からどんどん溢れる涙。一度言葉を出し始めるともうとめられないらしい。相手が少女の話に言葉を挟む隙を与えず、そして。]
>>68続き
だから、おしえてもらったの。
たいせつなあやかしのみんなをなくさないためにも、あやかしが“自由”にいきれるようにしないと、だめだって。いまのままじゃ、だめなんだって。
あとはね、りっかもあそんでくれるひとのこどももね。いつかはりっかよりもおおきくなって、そしてしんでいく。りっか、それもいやなの。そしたらねこうていあんしてくれたの。
りっかのちからで、“こどものままこおりにとじこめてしまえばいいんだ”って。そしたらとしをとることもないって。
[そう言い切った少女の言葉は感情は、見た目の年相応に感じたかもしれない。長生きしているからといっても、立花はまだ子供である“ゆきんこ”だったのだ。少女の話をきいて相手は何か反論しようとするだろう。そしてそこでようやく気づく。店の中の温度は下がり、一部が凍っている事を。]
そう、立花は思っちゃったの。だから、常盤さん
“ごめんなさい”
[そう告げた瞬間店中に猛吹雪が起こり、相手は立花を見失うだろう。吹雪が収まり相手は前を見ると、そこには立花はおらずあたり一遍、雪だらけだった**]
>>67 水
残念。味の趣味は似ているのにね。
……何も人間を絶やそうとしてるわけじゃないわ。
人間だけが何も知らずに生きている。
それを、"知って生きてる"にしたいだけ。
あなたの店だって、今より繁盛するかもしれないわよ?
[この言葉も、届く前に燃え落ちるだろうことは理解の上だ。雌ネズミは、あなたの目を見ていたので。]
それでも、アタシのことは受け入れてくれたじゃない。
なんだかんだ言いいながら。美味しい料理を作ってくれたでしょう?
――改めて敵だ、出てくるな、なんて言われると。寂しいわね。
[首をゆっくりと振る。あくまで軽口のそれは、溜息を孕んでいる。]
けれど、そうね。 ……そうさせてもらうわ。
>>67 水(>>70続き)
[油断なく後ずさる。目掛けるは路地脇の側溝だ。最小限の距離でネズミと化し、水の溜まったその"水路"を泳ぎ去ろうと。移動の最中、あなたの問いが飛ぶ。]
……立花は違う。あのコはあのコでちゃんと……、考えているわ。
[思考を挟むような、断続的な返答。
続く最後の言葉までには、この場面にはそぐわぬほどの間があって、]
……もし、こうして話しにいくつもりなら。精々気を付けて。
[逃走の動作に入る直前、最後に落とした言葉は、まるで捨て台詞だったが。これまでの、どの言葉とも違い、からかいの調子は全くなかった。あなたが阻もうと阻むまいと、ネズミは駆け、もう振り返ることはない。**]
>>70 >>71 鼠
[もう少しこの男に感情の機微というものが分かれば、自身の抱えたものをもっと分かりやすくあなたに伝えられたのかもしれないが。]
……ま、お前らの目論見が叶った暁には、どっかでまた飯屋でもやるさ。
[そこに来ればいいだろ、とは結局言えないまま。あなたが妙な動きをしたら、いつでもかかれるようにと、目の奥に炎をくすぶらせて見つめるだけだった。しかし。]
……気をつけろ?
……何を、
[あなたがこぼした言葉に、いつもの軽快な揶揄の響きはなく。それが問い返しを一歩遅らせる。ばしゃりと水音。追いかける足を踏みしめたまま、ずっと感じ続けていた不穏さが、ひたひたと足首までせりあがってくるような感覚を味わう。それにとらわれたまま、しばらくその場を動けずにいた。**]
【公園/夕方】
[慌てて水タバコ屋を出て逃げた公園で立花は隠れるように置かれていた遊具の一つであるトンネルに入り、体育座りをする。やってしまったと立花は後悔した。でもこれでいいのだと。このまま自分を呆れてしまってくれた方が…それでいいと思っていた。]
………博物館
[ふと思い出したのは店に置かれていた自分宛のメモ。その近くにあった雑誌をみると記載されていたのは東景博物館とシルクロードの風展。こんな事がなければ、もしかしたら今もあの家主といっしょに見に行っていたのかもしれない。子供だが新しい事は何に関しても知るのが好きな立花にとって博物館はとても興味がそそられた。]
>>68,>>69 花
[ここで逃がしてしまってはまたどこぞに行ってしまうのは分かっているから、いつの間にかどこかに行かないようにと貴女を見つめていた。]
さみしいのが?
[さみしく、させていたのだろうか。とこれまでのことを振り返った一瞬で、口を開いた少女がこれまで溜め込んでいたものをすべて吐き出すかのように言葉を並べる。途中で口を挟む暇すらないほどに。]
[相手の言葉の中に見え隠れする、誰かの影。不安を煽って少女の思考を捻じ曲げたような。言葉の端々に纏わりつく黒い靄。まるで先ほど見たような。]
――立花、そうじゃない、その方法じゃ、……えっ?
[此方を見つめる少女の表情も元となった発想も子供のものだから、それではいけないのだと諭そうとして、身動きが出来ないことに気づく。
店の温度は下がり、凍った一部の床と服が張り付いていた。]
待って立花、っっ、立花、
一平や、成さんが傷つくことになるよ、立花!
[猛吹雪から羽織で庇いながらもそう呼びかけていたのだけれど、吹雪が収まった先には少女の姿はなく、行き先も雪の中へと消えていた。]
>>73続き
(…“今日ならまだ、まだ行ける?”)
[本格的な争いが起こる前に最後に家主が見たかった、誘ってくれた場所にどうしても行きたくなってしまった立花。全は急げといわんばかりに立ち上がり、トンネルをぬける。]
[今から行ったらどう考えても閉館時間だが妖である立花には関係なかった。ふと真上に気配と肩にとびつく何か。立花はそれを見やると上には烏。肩には鼠がいたのだ。
さすがに1人でくるのに気が引けたのか。鼠の彼女と烏の彼にお願いしてボディーガードをやとってもらったのだ。…はたしてちゃんとボディーガードになっているかはともかく。]
ごめんね、もうちょっとだけ。付き合ってほしいな…
[申し訳なさそうに言う立花に対して一匹と一羽は逃げる気配がない。どうやら最後までついてきてくれるようだ]
えへへ…ありがとう!じゃあ、行こっか!最後の思い出作りに。
[脳裏で先ほど店で鉢合わせてしまった母親の友人の顔を思い出すが、これでよかったのだと、1人言い聞かせながら少女は進み始めたのだ**]
[雪で埋もれた店の中、1人立ち尽くす。真白な雪は友人を思い出させた。
あのゆきんこを置いてこの世を去ってしまった彼女。]
雪華さん、……もう少し頑張ってみるけど。
でも、私じゃやっぱり駄目だったかもしれないよ。
[母親代わりになれるとは思ったことはないし、友人の忘れ形見だから、という理由だけでなく、彼女のことが好きで見守ってきたつもりだったのだけれど。
少女の気持ちにこれまで気づいていなかった、と、そう呟く声も雪に飲まれた**。]
【水タバコ屋/夕刻】
[得た情報は、定期的に屋敷に帰って共有することにしている。だから、店で何があったのかも、もうそこに探し人はいないのだということも、常磐から直接聞いて知っていた筈なのだが。]
……ひでぇな、こりゃ。
[はは、と乾いた笑いが漏れて、それからため息に変わる。部屋に雪が降ることなんて、今まで珍しくもなかったが、これは。]
たく、掃除どうしてくれんだ、これ。
[テーブルに触れる。刺しこむように指先が冷える。いつもの癇癪の雪ならば、ただ触れただけで溶けるそれが、今は力を込めないと溶かせない。常磐の話が、ちらりと頭をよぎる。ねねの忠告も、また。]
……あいつ。
[くしゃ、と前髪を掴んだ。想定しているよりも、もっと悪い方へ、暗い方へ事態が進んでいる。そんな予感は、ずっと、もうずっと前からしていたはずなのに。寒気がする。本来は感じるはずのない寒気が。]
>>77 続き
[どういうきっかけで、雪女の子どもなど預かることになったのか。過去を振り返らないたちの成桐はもう覚えていない。ただ、子守なんて向いてないぞと断ったのは確かだ。それでも、引き受けたのは、結局のところ。]
……サビシイってのは、同族じゃねーと、なんとかできないもんなのかね。
[異郷の地で他に同胞もなく、おそらくは自分のように身を守り戦うすべも満足に持たぬ、ひとりきりの生き物を、放っておくに忍びなかった。そういうことなのだろう。今はわかる。]
俺もそうだって、もっと早く気付いてりゃ、言えることもあったろうになぁ……。
[パリパリ、と音を立てて溶けて水に滲む雑誌。故郷の懐かしい装飾、染物の色合い。この焦がれる思いがサビシサだと言うなら、自分もずっとそうであったと。言えていたところで、何かが変わったかは、わからないのだけど。]
……ん、あれ。文字……?
[そこで、自分の残した書き置きに、書いた覚えのない幼い字を見つける。それは、あの子の。行きたかった、という、願い。]
…………。[氷を溶かそうとして、思いとどまる。きっと滲んで残らなくなる。そうしたら、そうしたら……良くない、気がしたのだ。ただ文面を読む。繰り返し読む。おそらく、嘘偽りはそこにない。ならば。]
あいつ……まさか。
[確信、あるいはもうそれしかないという、焦り。それを胸に抱いて。店を後にしようとし、それから常盤への土産があったのだ、と引き返した。本来なら今日の今頃開けていたはずの瓶は、ひどく冷たく、手のひらを焼くのであった。**]
【博物館/夜】
[目的地に到着すると案の定、博物館の玄関には閉館と文字が。立花にっとってこは想定内らしい。色々試行錯誤を繰り返した結果、無事博物館内に侵入する事ができた。その代償として博物館の裏口の一つ。その鍵穴が何かでごっそり丸い穴になっていたが。]
うぁああ…!すごいっ!!
[中に入ると驚きの連続だった。以前、常盤に連れられていった時は展示のテーマが和テイストだったが、今回はシルクロードの風展。そのテーマにふさわしく展示やら雰囲気が家主と似ている。初めてみるばかりのものに興奮気味な立花だが奥に飾られていたツボを見て家主を思い出す。]
……迅兄ちゃん、喜びそうだなぁ…
[その呟きは誰も居ない静かな博物館に反響し消えていく。]
【博物館/夜】
[なぜだろう。誰にも行き先を告げずに出てきた。立花を連れ戻すという話は、信用できる3人の間で共有していたけれど。博物館、そこにいると確信した立花を迎えに行くのに、彼らを誘わなかった。ただ、1人で行くべきだと感じたのだ。]
[電車は、意外となんとかなった。博物館の場所も、聞けばすぐわかった。その場にいる誰か人間に訊けば、すぐできることだった。こんなことを試みなかったなんて、人間の基準で言えば随分長い間損したことになる。足元が揺れる、カタンガタンと慣れないリズムを感じながら、ぼんやりと、人間はまだ、変わりなく生きているのか、と思った。]
[博物館は、当然閉まっている。人目のないところで、目を閉じる。紐を解くような感覚と共に、姿が消える。体の核にある炎だけが、時折朱に揺らめいて見える。]
……さてと。
[行くか。短い確認と共に、エントランスから中へ入っていく。]
>>80 花
[暗くて物が見えない、などということは、殆どの妖にとって縁遠い感覚だろう。成桐にとってもそうだ。照明が落ちた館内でも見える、故郷の写真、衣服、楽器、陶器。触れてみたいと、昼間ならば感じただろうそれを、横目に一瞥してすぐ進む。懐かしむのは、また今度だ。]
[そうして、あなたはいる。あなたを見つける。]
……ふぅ。
[す、と息を吸い込み。少しばかり思案した。なんと言うべきか。しかし、すぐに結論は出る。普通に行こう。いつも通り。妖にだけ見える程度に薄く半透明の実体を現し、床にそっと降り立った。]
……よ。
[声をかけて、あなたは見ただろうか。あなたが何かを返す前に、スタスタと詰め寄って]
こーーんな時間までどこほっつき歩いてたんだこのバカ
[しゃがんで、そう声をかけた。]
>>82 水
[一度あることは二度ある。昔立花はそう常盤に教えてもらった事があった。妖に会ってしまうかもしれないと注意はしていたが、まさかまさか。よりにもよって、彼がここに来てしまうとは、立花は思わなかっただろう。]
っ!!
[後ろから聞こえる、いつも通りのあなたの声に立花は驚き、振り返ると目の前にはさっきほど立花の呟きにでてきた名前の彼だった]
…迅、にいちゃ…
[まさかこんな場所にこの時間に、目の前の彼に会うとは。立花は彼から離れなきゃと思うがあいにく目の前には彼。後ろは美術品のつぼがある。きっと常盤から昼間の出来事を聞いているなら彼は簡単に逃がしてくれないだろう。立花は罰が悪そうに、顔をしたにむけた]
>>83 花
[さて、どうしたものか。しゃがみ込んだまま、俯いたあなたを見て暫し逡巡する。あきらに言われた通り深呼吸をして。ねねの忠告を思い出す。常盤も心配していた。距離をとって話すべきだろうか。……しかし、話すならば、やはり。]
暴れるなよ?きっとその壺とか、割ると高いぞ。
[あなたのそばで、片膝をついたまま話を続ける。]
お前が家にいないと、どうも落ち着かねーんだよ。
だから追いかけてきた。俺がそうしたいからな。
お前はどうなんだ。お前はどうしたい、リッカ。
[もう1つ思い出す。随分遠い日のような、しかし昨日の朝の話を]
いくらでも待つ。いくらでも聞く。
だからなにがしたいのか、ちゃんと話せよ。
>>84 水
[予想通り、釘をさされてしまい立花をビクッと肩をすこし揺らす。その後の彼の言葉に立花は目が熱くなるのを感じる。今日はいったい何回泣けばいいのだろうか。]
……迅兄ちゃん。
[そこでやっと立花は彼の顔を見た。あの時は自分を今の陣営に導いた何かの“介入”によってやめた話。
今、その何かはなにも語りかけてこない。それはつまり…話してもいいってことなのだろうかと、立花は頭をぐるぐるさせている。]
[考えている時間は短くはなかったがそれでも目の前の彼は言葉どおり待ってくれている。立花は一瞬目を伏せるが意を決したのかすぐ目を開き、彼をもう一度、見た]
…迅兄ちゃんは、さみしいと思ったことないの?お店にきていた、人や妖の常連客が突然こなくなったらって思った事ない?
―――立花は、さみしいの、こわいの
>>85 花
[虚をつかれる。半透明の実体の中で燃える炎がぱちりと小さくはぜた。この方が身軽に動けると思って実体をとらなかったが、自分の内心を露わにしているようで、あまり落ち着かない。]
……さみしいってのは、あるぜ。あった。
[周りを見渡す。故郷の息吹を宿した品々。けれど、同時に感じる。ここにもやはり、同胞はいない。苦笑しないように努める。こんなとこに来るまで寝るような馬鹿は、やはり自分くらいしかいなかったのだ。]
俺の国はな、西にずっと、お前のふるさとよりもずっと先に行ったところにある。そこには山ほど同胞がいるけどな。この国には俺しかいない。多分、それがずっとさびしかった。
[気づいたの、マジで最近なんだけどな。と苦笑して。]
けど、来なくなったらってのは、考えたことねーなぁ。
起こってないこと考えんの無理なんだよ、俺バカだから。
……けど[髪飾りをくるりと指で回し]そうなぁ、
来なくなったらこっちから会いに行く。
いなくなってたら探しに行く。そんだけだな。
……それじゃ、お前はダメなのか?
[常盤から店でのやり取りは聞いている。しかし、敢えて斬りこむ。それを避けていても、何も事態は進まないから。]
>>86 水
[意外だった。さみしいという彼の言葉も、彼の表情も、半透明の彼の中で燃えている炎の反応も全て、彼と一緒にいることが多い立花だったが、初めてみた感覚でぽかんとしていたがなんとなく、胸にすとんと落ちた。]
そっか…そうだったんだ…迅兄ちゃんも…
[昔母親に言われた事がある。『人も妖も、自分の気持ちは自分でさえわからない時がある。言葉にしないからといって、勝手に決め付けてはいけない』と。まったくもってその通りだ。]
立花も、迅兄ちゃんみたいなバカがよかったなぁ
[そう呟く立花は涙を流しながら、彼の言葉に首を縦に振る]
だって会いにいっても、探しに行っても、いなかったら…意味ないよ。
それだったら、いつでもわかるように近く置かなきゃ。
そう…立花、もう決めちゃったの。
[立花の言葉と聞いて、あなたはなんとなく感じたかもしれない。自分達の周りの空気が以上に冷えている事を。]
[そしてーーー立花の周りに自分とは違う“何か”がいるという事を。]
>>87 花
なぁおい、俺みたいなバカってのはどういう言い草だ。……そうな。バカな方が生きんの楽だったろうにな。
[あなたが泣く。いつも、あ、と思う。やってしまったと思う。今まではちくちくと胸を刺すようで嫌だったその感覚も、今となっては受け入れられる]
……勝手に決めんなバカ。大人に相談しろ、そういうのは。
[目を閉じて覚悟を決める。空気が軋む。パキ、パキと端から追い詰めるように冷えていく。今まではけして、この身を蝕むことはなかったあなたの力。話に聞き店で見たように、今は異常に強まっている。]
リッカ。俺は炎でできてる。
多分、その方法と俺は、相性悪いぞ。
[そう、二重の意味で。炎を呼び出し、身に纏う。あなたを溶かしそうで、傷つけそうで、けして見せなかったもの。うまくいけば溶かせる。けれど、もし、これで防げないなら。]
[一回。防ぐしかない。どう来るかはわからない。けれど、体術に持ち込んでしまえればこちらが勝つ。]
……だから、俺以外にやるなよ?
[目を開いて笑う。]
【廃倉庫/夜】
[場所は、街のそばの工業団地。工場が立ち並ぶ一体の、その一角にある、今はもう使われていない廃倉庫。街のそばということもあり、この時間に周りに稼働している工場は殆ど無い。]
[2階より上の部分は事務所にでもなっていたような造りをしている。長く使われていないであろうことは、汚れた外壁、割れた窓ガラス、錆びた配管からも見て取れる。]
[その倉庫の周りをカラスががあがあと鳴いて飛んでいるのは、今始まったことなのか、それとも。普段は人が使うわけもないその倉庫の外に、1台車が停まっている]
──あぁ、よろしく頼む。
[男の声が、倉庫の壁を反射して響く。話し相手は電話口の向こうだ]
[がらん、とした廃倉庫の1階。がらんとした倉庫のには朽ちかけた木材や、プラスチックの梱包資材が無造作に放置されていた。天井についた証明も、明かりが灯る気配はない。
本来は、人気が無いはずのそこに、男は居た。光源といえばこの男が手に持っている物くらいだが、それもスーツのポケットに仕舞うと、後は窓から差す外からの薄い光だけだ。]
……今日はハズレか
[そのうちの1羽の烏が割れた窓から中へ入る、男のそばによれば、がーと一声鳴いた。どこか予想していたような声でそういった。収穫といえば、この場所が使えそうなことくらいか、それでも本来の目的には至らず、そう零す]
>>88水
(あぁ…なんだ、やっぱり…)
[初めて立花の前で見せる彼の炎。間近で見る炎は立花にとってやはり少し辛いようだ。彼の言葉もわかってはいる。だからこそ、こうして今まで立花の前では見せなかったし、構ってくれない態度も、そうならないように密やかに彼なりに気を使ってくれていたのかもしれない]
(優しいなぁ…迅兄ちゃんは。)
[彼の優しさを改めて身に知った立花の心は、ポカポカと温かい。が、それに浸っている時間がない。この状況をなんとかしなければならない。立花は戦う意思などない。周りの空気が冷えているのは気がついていたらなっていただけだ。逃げるは立花はお得意分野だがその自分を知っている彼相手にどう逃げ切れるか。]
[ひとまず、立花は自分達周辺を吹雪かせる。その力は弱いものなので彼にとってはあまり効果は薄いかもしれない。それでもなんとか逃げなければと立花は考える]
>>89続き
[すると、急に吹雪がとまり、彼は少しおかしいと思うだろうか。次の瞬間、今までなりをひそめていた黒いもやもやとした“何か”が立花の周りに現れたのを、あなたは初めて見る事ができるだろう。立花は顔をバッっとあげた。その表情は苦しそうだった。]
だめっ!!!!!いや!!!!!!
[そう、彼女少女が叫んだ瞬間、彼から二歩ほど離れたところから氷柱が3本ほどでてくる。少し彼は驚いてその氷柱をみていたのかもしれない。その3本は彼を傷つけることはなかったのだが。彼の視線を移すのには充分だった]
《コロセッ…コロスンダ!!》
[立花とも彼とも違うその新しい声を彼が聞くと同時にドンッと音がなる。彼はそこでやっと目線を立花に戻すかもしれない。そして彼の目に映っていたのは。]
[宙に浮いている黒いモヤッとしたかたまり的な何かと、その何かからでている大きな手みたいなモノが立花を地面に押さえつけている。その光景を。]
【廃倉庫・夜】
>>89>>90烏
[月明かりと街の明かりだけが窓から差し込み、あなたの声とカラスの声と羽音だけが静寂を破るその空間。
扉はあなたが入ってきたまま開いているか、閉じているか、それは問わない。
不意に、フッ……と窓の向こうの明かりが遮られた、その次の瞬間。]
[──ガシャン!! 先ほどカラスがくぐり抜けたガラスが木っ端みじんに砕ける。
あなたは振り返るだろうか、窓の外の明かりのわずかな逆光をあなたがとらえればそこにあるのは、飛来する身を縮めこませた、だがその隙間から覗く──]
──高尾ォォォ!!!
[絶叫。ガラスの破片をパーカーの袖に突き刺したまま、その手に握られた白濁の塊を、あなたの顔面に叩きつけんとその腕を振りかぶる──!]
[そんな大ぶりの一打、しかもガラスを突き破って跳躍の勢いは殺されていて、あなたが足を滑らせでもしない限り、あなたの足下に叩きつけられるだろうが。]
>>93猫
[男が烏にそう零した刹那、窓からの明かりが遮られても、広い倉庫、違和感を覚えるのに時間は足りなすぎた]
っ──!
[その存在を認識したのは、ガラスが弾ける音がしてからだ。自然には生まれないその音に、当然、男は何事かと振り返る。
人間の姿を取って入るが、視力は烏のそれ、いやそれ以上か、僅かな明かりの先に何かが飛来するのを捉える。
瞬間頭を過るのは敵襲の二文字。まだそれが何かを認識するのは至らない、ただ迫るそれに備えんと。]
…ちっ。
[その叫び声は確かに自分名だ。一瞬、思考が止まる。カツッ、と革靴がコンクリートの床を叩く音、とは言えこの短時間で男が取れる行動は身を守るため腕を上げて前に出すことくらいだ]
[避けることよりも防ぐことを選んだ男に、弾道を見極める余裕など無く、次の瞬間に襲った感覚は足元──靴を含め何かがぶつかる感触だ、反射的にそれが当たったであろう足元を見やる]
…──んなっ。
[べたり、男の足と靴、コンクリートを飛んできたそれが繋いでいた。その後あなたが何者か見極めようと顔を上げるところだ]
>>94烏
[飛び込んだそれはあなたの足下に全力で白濁の塊……こぶし大のトリモチ(小麦粉グルテン製)を叩きつけた。投げたのではない。手に持って叩きつけた。ふしゅう、なんてわざとらしい呼吸音。
……飛び込んだ勢いであなたの足下に膝をついているが、それは致し方ない。]
……っひ、やっぱ高尾だったなぁ──
お前何してやがんだよ。
[あなたが顔を上げても、襲撃者の姿はない。否。足下にあった。だから、その声もあなたの足下からした。
ベチャベチャのトリモチを左の手のひらに若干残したまま、無理矢理に引きはがす。ゆっくり立ち上がったから、トリモチでとらえた(といっても、すぐに引きはがせるレベルの粘着力しかない。)足と反対で蹴ることだって可能だ。]
【河川敷/夕方】
[川が夕日に照らされオレンジ色に染まる。川が反射する光は普段の穏やかなもので。先日はこの景色を背景に買い出しで通ったときは成桐にどうやって肉をねだろうかなんてこと考えていたけれど。今の脳内は数名の名前が反響しているだけだ。
目を皿のようにして見逃さないように街の中を隅から隅まで探し回ったが]
……どこ行ったんだろ。
[探している妖たちは見つからない。一旦土手のベンチに座り一度休憩する。だが日が沈むとともに寂しさを増していく空気が急き立てさせ休まっている気分はない。]
>>99鼠
(……!ねねか!)
[鼠の姿のあなたならば姿を見間違えることはない。何度か野宿を共にしていった折にこの友人と鼠の区別はつくようになっていた。
落ち着かなく宙を漕いでいた足を止め、様子を伺った。幾ばくかほんの一瞬か、判断に悩んだ末]
ねね……だよな。
[あなたの名前を呼ぶんだろう。]
>>104鼠
あんたには。……。
[しっかりと声に出したものの続きの言葉はなく、空いた間に日常の音が挟まる。]
……どうも、しねーよ。おれはな。
[分かりやすく含みのある言い方。恐らく単純な力勝負ならばこちらが勝るだろう。種族由縁の逃走方法、抗する手段を持つあなたを見くびれるほどの戦力差はない、と判断した。話もしないまま逃げられる、今はそれが一番最悪だ。]
聞きたいことあんだ。
探してるやつがいる。
沙霧さん、あとりっちゃん、立花…っていうんだけど。
どこにいんのか知んねーかな?
それと……人間を支配して何か楽しいか?
[野宿を共にしたあなたに日常的な様子は見せていただろうか。それらとはかけ離れた見せたことはないであろう真剣な表情で尋ねる。]
>>107天
[貴方が声を詰まらせる間、このネズミはそっとベンチの下に身を寄せた。まだその場にある日常の最中、何者かが通りすがるのを懸念して。しかし、あなたの足からは油断なく距離を保つ。一動きもすれば、すぐさま離れるぎりぎりの距離。]
あなたの味方がどうにかしてくれる?
ナルは止めない、なんて言ってくれたけど。
[くつくつとリズム良く歯をかち鳴らす。あなたの含みに応じたような、挑発に似た笑み音。]
……。"今"どこにいるかは知らないわ。皆それぞれやってるもの?
[あなたが挙げた名に、逡巡したかのような間があった。
その後に渡すのは、やはり軽薄な返答だ。]
楽しい? そうね、楽しくもなるでしょう。
けれど、その言い方じゃ正しくないわ、一平。
"楽に"なるのよ、アタシ達。
>>91 >>92 花
[吹雪く。逃げの一手か。そう、その判断は正しい。吹き荒れる雪が中心を凍えさす。けれど目を眩ませるほどではない、耐えられた。一度吹き飛ばされた炎を再び燻らせ、しかけるなら今だ。踏み込み、手を伸ばそうとしたその時、]
……っ!!
[あなたの叫び、瞬間恐ろしい速さで下がる温度、そして何より第六感が反応する。飛び退ったその目の前に、身を貫いてなお余りあるだろう、鋭い氷柱が3本]
お、まえ。あっぶねぇだろ……!?
[舌打ちを1つして、手首を捻って振り火球を飛ばす。氷柱を溶かし、音とともに蒸気があがる。体の中心の冷えが益々強くなる。彼は知らなかったが、その感情は戦慄と名付けられているものだった。]
……誰だ、いや、何だてめぇは。
ッ! おい、リッカ!!
[声に反応するとともに蒸気の霧が晴れて、そこには巨大な黒の手に押さえつけられたあなたの姿がある。即座に炎をぶつけようとして、瞬間打ち消す。あなたを傷つけるわけにはいかないと、]
どきやがれ、このっ[駆け寄り、手を伸ばそうとした*]
>>111鼠
[あなたの移動には細心の注意を払っている。把握しきれるかはまた別問題であるが。距離が離れたままであれば詰めることはない。あなたはこちらからほぼ見えてはいないだろうが、上半身だけに留める程度にその方向に向きなおす。足を下ろしたまま続ける。]
じんと会ったんかよ。
あいつはそう言うかもな。
[味方という言葉に成桐、あきら、常盤の顔を思い浮かべたがそれを言葉にすることはない。だがあなたの笑い方にむすっとした表情は隠せなかった。]
……そうかよ。
それぞれっつったっておれじゃあるまいし、ずっとでかけっぱなしもねーだろ。
戻って集まる場所、あんだろ?
探してもいねー、今もわかんねー。
ならそこでおれは待つぞ。
[軽薄な態度に強気に返した。日常的にあなたの軽薄な態度にムキになってしまうことはあったかもしれない。声色だけでは判断がつかないが、恐らくこれはそれらとは違う。]
楽にか。そんなにしんどかったんか?
ねねなんかいつもへらへらしてたくせに。嘘か?
>>116天
[こちらも、ベンチ下の深い暗がりから、顔だけを向けていた。黒々としたネズミの目があなたを見ている。]
ええ。会いに来てくれたの。
お陰でアタシ、水に飛び込む羽目になったわ。
[むすっとした表情に構わず、あるいはそれゆえ、音は再度鳴った。]
ねえ一平。あなたとアタシは別の群れに分かれたわ。
あなたがいつもの"さかさま言葉"でそちらについてしまったので無ければね。
[強気をからかうように並べていた言葉を、途絶えさせて、一拍。]
――そんな相手に、ねぐらを明かすなんて、本気で思ってる?
[続けた言葉は、あなたに聞かせたことは少ないはずの、平坦な調子。]
いいえ? 慣れきって、嫌な部分をしっかり見ることさえ忘れてたわ。
でもね、見なかっただけ。好きなものばかり見てただけ。目を向ければ、しっかりあるもの。
潰された、沈められた、あるいはべたべたに巻かれた死骸の山がね。そんなもの、減らせるなら減らしたいじゃない?
[そんな話をする間、この雌ネズミは、あなたが形容した通りの、"へらへらとした"調子を続けていた。]
>>122 猫
そうかよ、頭でも撫でれば喜ぶってのか?
──っんなら最初っからそうしてるさ!
[そうだ、する気があるならば、こんな風に額を押し付け合わずに最初から]
いらねーよそんな尻尾、バランス悪くて飛べやしねー
[トーンが落ちた理由はわからずも、あなたの言葉にそう返す。]
そうさ、人間の真似をして、妖怪であることを忘れたら俺は何なんだ──だから、俺はその声に応えた!
[あなたの勢いに押されたのか、それとも言葉に押されたのか、額の押し合いから、空いている方の手で、あなたの頭を押し返そうと手を伸ばすが]
…何が、馬鹿にしてるってんだ。
>>114 水
[自身を押さえつけてくる力に立花は耐えるしかなかった。この黒い何かがここまで大きく出てきたのは今が初めてだ。ここまで大きいと、まだ未熟な立花には抑えきれない。それは立花が一番わかっていた]
っ……じ、にい…ちゃ……
[こんな事になってもまだ、立花を傷つけず助けようとする彼に立花は罪悪感でいっぱいになる。彼がこちらに駆け寄ろうするのを吹雪がまた拒むだろう。]
(だめっ…このままだとっ…)
《マダ、テイコウスルノ?ハヤクコロサナイト、カレハテキダヨ》
(違うっ!迅兄ちゃんは敵じゃない!!)
[頭の中で響く声に、立花は必死に抗った。すると黒いなにかは一瞬考えるとそのままゆっくりと立花の身体に入っていく。それはきっと彼が立花に手を伸ばそうとしたのと同時にだろう。]
>>123烏
はっ、尻尾でぶん殴ってやらぁな!
──ッ、
[ぐ、と一度唇を引き結ぶ。噛みしめすぎたせいでわずかに震えた。
けれど口を開けば、震えはおさまって。]
逃がさねえ、って言ってんだよ。
人間の真似してたって、人間になれねえだろ。んなこた、お前が一番わかってんだろうがよ。ご近所の目ェ気にして、そのくせ人のモンかっさらっていきゃあがって。カラスまんまだ、この泥棒猫。
[押される力にわずかに抵抗したけれど、本気の力に勝てるわけもない、元々が子供のおもちゃだ。
押される手に額は離れて、すっかりずれかけていたフードが落ちる。
あなたに見せたのは多分初めてだろう、フード越しではない目で、あなたの胸ぐらを掴んだまま、]
お前の今までの、人生をだよ。
[人の皮膚と布がごちゃ混ぜになった中に浮かぶ、醜くひび割れた左目も、深森の湖の色を残した右目も、清濁あわせた目が至近距離、あなたをにらみ上げている。]
>>121鼠
そっか。風呂入れてよかったじゃんな。
[いつもどおりのからかいか憎らしい相手への皮肉か、判別は難しい。その音は耳障りに感じ始めている。]
!……。
[こちらの言葉については答えなかった。
あまり見たことのない調子を初めてのように錯覚してしまう。ひやりと身体の芯が震えるような不気味さを感じ、思わず脚を震わせてしまっただろうか。それを誤魔化すように脚を膝まで振り上げ、下ろそうとすれば。ようやく口を開く。]
――ケチめ。
別の群れだったって元からだろ?
一緒んとこで野宿したからねねがおれと同じだなんて思ってない。思わねーけど……。
おれとねねもきょーぞんできねーの?
[そして、あなたを見つめようと。]
>>121鼠(>>127続き)
そりゃ……。
[納得できることではある。この小鬼にだって都会のルールを把握するまでに命の危機を感じたことは数え切れない。分かるから、予想できるから。言葉を詰まらせてしまうが。]
ねねは……んな根暗みてえな性質だったんか。
嫌なことなんか、いっぱいあんだろ。
それ見てるよか好きなことの方増やせばいい。
どうせ……おれらだっていつかは終わる。
なら楽しい方が多い方がいい。
[ポツリポツリとからかう調子を戻す。だが音量はいつもより控えめであることは明白だろう。]*
>>126 猫
──はっ、だろうな、機嫌よく尻尾振られたら調子がくるっちまう。
[あなたの言葉に、口の先を歪ませて笑う。]
だったらどうする?捕まえるか?
──そうだな、そんなことは分かってた、いくら真似したって俺は人間じゃない。
それでも真似事をして、その中で生きれれば良いって、そう思ってたさ。
…お前はいつもそうやって…烏なのか猫なのかはっきりしやがれってんだよ!
[あなたの言葉に、明らかに、苛ついたように、手に力を込める。
初めてあなたの素顔を見るも、元々自分も相手も人ならざるものだ、一つ、息を吸い込むだけで、その瞳を受け入れた]
人生…ね、そんなもん、はじめからありゃしないんだよ
[人生と、目の前のあなたは言う。どこか冷えた口調でそう返す]
>>129烏
お前のその気取った顔が間抜けになるンなら、いくらでも振ってやるよ。
[瞬間の前言撤回、売り言葉に買い言葉。
けれど問いには答えぬまま、]
思ってた、過去形ね。
そんで? 人間を否定すりゃ、支配すりゃ、本当のお前になれるとでも思ってんのかよ? 本当の、最高の人生が待ってるとでも言うのかよ。
──泥棒猫で、穀潰しで、鳥あたまの高尾だよ!
[引きはがされても胸ぐらは掴んでいる。その至近距離で叫ぶ。]
舐めてんのか? どんだけ鳥あたまだ、高尾。
お前が人のモンかっぱらってって、……、殴り込んだだろうが。[少し言いよどんだのは、今は強引に勢いで押し込んだ。]
お前ンちのカラス追っ払ったら高尾、怒ったくせに。
カラスのガラス玉奪ったらお前、キレてきただろうがよ。
それでもなかったっつーんなら、“最初っから”殺しにでも来いよ。
なかったって言いてえんなら、──お前のその人生に関わったもん潰してから言いやがれ。
てめえの選んだ選択肢の尻ぬぐいぐらい、しやがれってんだばかやろう!
>>124 >>125 花
[名を呼ぶ声。助けを求めていると、それだけを認識した。この黒い物体はなにかとか、これに立花は操られているのかとか、そういう細かいことは常盤に任せるに限る。全て済んでからの話だ。]
ああくそ、どけよこの……!
[触れようとする、かき分けようとする、しかしそのためには実体に戻る必要がある。そうしているうちにも闇を凝らせたような黒のそれは、あなたに浸み込むように消えていく。吹雪が、能力の行使を阻む。まどろっこしい。腕だけあればいい。指先からゆっくりと実体を取り戻す手を、あなたに伸ばした、]
[叫びを、]
………………っ、は、
[パキ、と、自身の内側で高い音がなった。内奥から背筋を通り全身を焼いていく冷気。今更実体化した足がたたらを踏む。冷たい、と感じた。彼は痛みを知らなかったから、そう感じることしかできなかった。苦鳴の代わりのように、一度だけ炎が指先をなぞり、散る。放たれた氷柱は、晒したままの核を、真っ直ぐに貫いていた。]
……あー、くっ、そ つめてぇ、なっ
[腕をぐいっと突き出す。もう一度だけあなたに触れようとする。胸にとどまっていた炎が、氷から逃れようとするかのように、四肢を伝う。だから、腕も燃えていて、それで]
ああくそ、溶かしちまう、なーー
[掴めなかった。]
[パキリ。もう一度音がして、火の粉が舞って、そのまま自分を焼き尽くしたかのように。吹雪の中に灰が散った*]
>>130 猫
ほんっと憎たらしいぜ、お前は変わらないな、ほんとによ!
[どこか、小憎たらしいような、そんあ口調で]
さあな、本当の俺なんてものがあるかはしらねーよ、ただそれは人間じゃあない。
──「人生」なんて俺に待ってるわけがないだろうが、烏として生まれて、妖怪になった、人の真似事をしたって、人としての生なんて始めっからも、これからもありゃしねーんだよ!
[あなたの叫びに、こちらも叫び返す、それは自分に向けても言ってるような、そんな言葉]
そうだな──あぁ、お前とは色々あった、何かなくなるとすぐに俺のとこに来やがってよ[大体そのとおりだが]、烏もいじめるわ、お前も俺の事いえーじゃねーかよ、思い出すと腹立ってきた。
あぁ、たしかにあったさ、でもそれは人じゃないお前と関わってたのは…妖怪の、烏の俺だ──だから、戻るんだよ、妖怪の俺にな!
[そう言って、胸ぐらをつかむあなたの手を振りほどこうと、あなたの襟元を掴んでいた手を離し、自分の胸ぐらを掴んでいる手を掴まんと手をのばす]
選択肢の尻拭い…な、あぁ、だからこうして俺はこっち側に居るんだろうが!
>>127 天
[あなたが返した皮肉に、含み堪えるような色で奏でたのが最後。音は止んだ。
脚が振り上げられれば、ぴくりと四肢を張り、小さく跳ねるように身体を引く。追撃は起こらなかったので、窺うような髭のひくつきを隠さず、再びあなたに目を向けた。]
そうね、あなたはネズミじゃないし。アタシも自分を子鬼だと思ったことはないわ。
それでも仲良くやれていたのは、
妖同士。野宿するもの同士。話ができるもの同士。巧くやれていたから。でしょう?
今の話はもっと大きな群れの話よ。
人間にアタシ達を知らしめるか。それが気に食わないか。
アタシは、共存したくないわけじゃないのよ?
[けれど、道を重ねる気はないのでしょう、と。ネズミの瞳が向く先は確認しづらくとも、それはおそらく、あなたの目を覗き返していた。]
>>127 天(>>134続き)
ねえ、一平。
その通りよ。好きなことをしてればいい。楽しいことが多い方がいい。アタシはできるもの。してきたもの。してるもの、毎日楽しいわ。
でもね。
アタシ"達"に降りかかる嫌なこと、減らすための手段と、力と、機会がそろっていて。
それでも、なくなりはしないから、なんて、放っておくの?
[チィ、と、甲高くも呻くような声。]
ゴメンだわ。そんなの。
あなたも、そうは思わないの?
いつか終わる? 猶更よ。終わるまでの間に、もっと素敵な未来を作る機会が訪れたことを、喜ぶべきだわ。
[ネズミの目は、今もあなたを見つめていた。見つめていたが、やがてふい、と顔をそむけた。夕陽はベンチの影を大きく傾けながら、今にも沈もうとしている。河川敷沿い土手道に、帰路につく人間どもが、ちらほらと姿を見せ始める。]
――もう、行くわ。
あなたも考えてみて。
[その言葉を最後に、ネズミは草叢に向けて駆け出す。あなたが追ったとしても、追いきれぬように。**]
>>133烏
てめえは何が変わったって言うんだよ。
[へ、とまた吐き捨てる。]
そもそも人間じゃねえ、人間のふりしてただけだろうが。それでも、人に見られてたんだろうがよ。そこに、誰かが見た“人生”があるだろうがよッ! それをお前だって受け止めてたんだろうが。だから人のふり続けてたんだろうが。やめたからって、今更知らねえとは言わせねえぞ、この鳥あたま!
──てめえを、高尾を……お前が過ごした時間を否定すんじゃねえ!!
全部、全部お前の中にあるんだろうがッ!
そいつを抱えて飛べねえほど、チンケな烏だとは言わせねえぞ、高尾!!
[たぶん、今まで叫んだ中で一番の激情、絶叫、慟哭にも似た叫びに、ないはずの声帯すら傷む気がした。
あなたの胸ぐらを握ったこぶしが震えるほどの。]
こっちだって腹立ってるわ、ばか。いつから一人の気になってんだ。
戻るも何も最初っから妖怪だろ。……、……
>>136猫(139続き)
そりゃ…お前の買いかぶり過ぎだな。
怖いんだよ、人間の振りをして、妖怪であることを忘れて、自分がなんのかって。
痛いんだ…人間の振りをするほど聞こえるんだよ、お前は妖怪だって声が俺の中で。
[あなたの叫び声に、静かな声でそういう。言い返すのではなく、自分を吐露する]
[あなたの手を引き剥がす、それでも手をのばすあなたがつかむのはきっとスーツかシャツの袖口だ]
なんだよ…一人じゃないだろってか?
そうだな…、この姿を得たときから俺はずっと妖怪だ。それを思い出したんだ。
[一人のつもりかよ、の言葉に、一瞬、意外そうな顔をしたがふ、と笑った。それは人の時に見せるような柔らかい笑い方]
──…張れてたら、こんなことしてねーよ。
…悪いな、あきら、俺はもうそっちには戻らない。
[きっと、この男があなたに悪い、なんて言葉を言うのはこれが初めてだ。そう言うと、あなたを突き放そうと、手をのばす]
>>139>>140烏
……、そうかよ。
[吐き出された言葉に、唇を噛んでほどいて、それだけ呟く。
向けられた苛立ちにも、目を細めることもなく、じっとあなたを見上げている。
疑問符のようなその言葉に、返す言葉は少し、間が空いた。]
──……高尾、だから。だよ。
[それでもはっきりと言い切ってから、このぬいぐるみはよく回る舌で続けるのだ。]
そっちに行ってもてめえをてめえで認めてんなら、とやかく言わねえよ。
てめえの今までの選択肢も背負って胸はって、何があっても高尾だ、今までもこれからも高尾だって認めて誇ってんなら、いくらだって肯定できらぁね。
[けれど、続いた吐露にはその舌すらも止まる。触れたシャツの袖をゆるゆると握って、]
……、……
……そんなの。[言いかけた言葉が、止まった。初めて表情が崩れて、駄々をこねる前の子供のような。]
>>139>>140烏(>>141続き)
──なんで、そんな……どうしてだよ。
なんで今更、そんな顔すんだよ。
胸、はりたくねえのかよ。なんもかんも、投げ捨てていくのかよ。
怖いんなら、痛いんなら、……[続く言葉を、このぬいぐるみは見失う。自分は思っていたよりこの烏妖に嫌──困──迷──……もう、わからない。]……。
……いや。だ。
そんな言葉が最後だなんて、……いやだからな、……[唇がはくりと動いて、ああ、どうして言葉が出てこない。]
[それでも突き飛ばす手に、袖を握った手だけ残してどんと後ろに下がる。あなたが腕を振れば、その手も離れてしまう。]
>>141 >>142 猫
[思わず吐いてしまった疑問、返ってくるのをただ沈黙して待つ]
…そうか…。ありがとよ。
[あなたの一言に込められた意味など、全ては推し量れはしない、それでも間を開けて受けた言葉に、今までの肯定に、自然と口からそう零れる]
…俺は、俺であるためにこっちについた。それだけだ。
最初に言っただろ、理解してもらおうとは思わないさ。
[先程までのように、あなたに言い返すこともなく、静かな口調であなたに返す。]
お前だって、人のこと言えないだろうが、こんな時にそんな顔しやがって、
[そもそも今までは顔は見えなかったが、それでも、今までの──昨日までのあなたとのやり取りで見てきたあなたの声色やとは違っているのは察せられる。
あなたの表情に、苦しそうに顔を歪ませる。言葉を見失うあなたに、吐露した言葉を後悔する]
>>134>>135鼠
今だってこうして話せてるじゃんな。
仲良しって感じゃねーけど。
ああ、最初に会ったときもそんな感じだったかね。
あのときは、おれの夕飯の近くにねねがいるもんだから、だったか。[この記憶が定かである保証はない。]
ふーん。
[そうかもなと鼻をならすような返答。あなたを見るときは睨みつけることはしなかった。ただあなたがいることを確認するように。]
気に食わない。
知らしめる、なんて言うけどよ。結局は人間にえばりたいんだろ。よーするに。
人間はおれの楽しみなんだ。掟はごちゃごちゃだし、めんどうも持ち込むけどよ。色々作って、なんだかんだ言い合って、楽しそうでさ。飽きない。
手段と力と機会があるからって楽しいことをおじゃんにするなら、おれは。
怒るぞ。
[そう強く言い切った。
土手道から人間の笑い声が聞こえてきた。視線を逸らしはしないだろうが、無意識にそちらに意識を向けてしまったか。あなたとの間を埋める空気が瞬間途切れ――あなたが駆け出したか。]
>>134>>135鼠(>>145続き)
[鼠が駆ける方向を見やったものの、追いかるわけなかった。舌打ち。気に食わない相手にやるそれ。草の擦れる音が止むまでにあなたが逃走を終えている、そんな予想から。]
嫌なもん減らすとか素敵な未来なんて言うくれーなら
神になってやる、ぐらい言えばいいんだ。
ケチ。
だから”おれら”は――弱えままなんだ。
[ベンチを立ち上がり、休憩が終わる。**]
>>131 >>132水
[叫び、無意識に出してしまった氷と共に立花の脳裏に浮かんでいた過去のトラウマは、プツリと消え去っていた。それでも立花はまだ恐怖心に囚われたままだった]
(こわいっ、こわいこわいこわい!!やだやだ助けて!!!)
[心の中でそう叫ぶ立花に本能が動いているのか、吹雪はいっそ強くなる]
[そんな時、ふわりと立花に暖かい気配を感じた。その暖かさはまるで立花に大丈夫と言うような、安心させる何かがある。]
[そんな優しい炎を立花は知っている]
…じんにいちゃん
[そこでやっと立花は正気に戻ったのか、彼の名前を呼び、前を向いた]
>>150 花
[炎を、人を温めるために使ったことはなかった。体の奥で燃え盛る火が、いつでも自分だけを温めてくれたから。なにより、自分の火は強すぎて、焼き尽くすことしかできないと思っていたから。]
[けれど、そんな感慨を彼が抱くことはない。あなたの頬をかすめるように、灰は散っただろうか。それを最後にして、カツン、と氷柱の先端から何かが床に落ちる。それは2、3度転がって、あなたの前で止まった。]
[握りこぶし大の、石炭のような黒い塊。手に取るとほんのりと温かく、よく見れば、ひび割れた隙間から中心部が脈打つ
ように赤く明滅しているのがわかる。]
[あなたは直感する。これを潰せば、おそらく永遠に彼は失われる。その塊をどうするかは、あなた次第だ。]
[そして、それだけを残して、成桐の姿はあなたの前から消えた。**]
>>151 水
[一瞬、何が起こったのかわからなかった。たださっきまで目の前にいた、大切な、大切な、イフリートであり、ジンであり、家主であり、そしてぶっきらぼうで構ってくれない時が多いが優しい兄のような存在でもあった彼が…消えていた。]
…………じん、に、ちゃ…?
[人がいる日中だったら必ずかき消されているであろうか細い呼びかけは深夜の博物館中にひびく。だが、いつも通りの“なんだ、リッカ”という返事はなくただただ目の前には大量の氷柱がとけきってできた大きな水たまりと石灰のような、塊だけだった。
立花はゆっくりとたちあがるとその黒い塊を手に取る。それはかすかにだがほんのり温かい、さきほどの光景をひとつひとつ理解していく。そしてー彼は自分が殺したという事もーー]
あっ…ちが、う…ちがう、ちがうの…こんな、だって…
[自分のした事に頭では理解しても、気持ちが、感情が拒否をする。自分の両手を見るが溢れんばかりの涙で歪んで見えた。]
じんにいちゃん、じん、にいちゃん…へんじ、してよぉ…りっか、りっかないてるよ…?慰めてよぉ…ねぇ…じんにいちゃっ…う、うぅ
[そして少女は両手で目を塞ぎ咽ぶ。]
【住宅街の陰:住宅街】
[人通りも殆どなくなった深夜の住宅街。切れかけの街灯がジジと音を立てて点滅して、立ち並ぶ住宅がカゲを作る。点滅の灯りに羽虫が集い、道路を駆け抜ける何かの小動物が一瞬だけ照らされる。]
[それが、通常の東景の夜の風景なのだけれど。]
[今はやけに街灯の灯りに集う虫たちが多く、陰には小動物や、もはや動物とも言えない何かの陰が蠢いている。空には夜を行く蝙蝠をはじめとした鳥たちが月明りを遮った。
それらはポカリと空白となった一本の道路を境に東と西、まるで合戦の直前ににらみ会うように塊を作っていた。]
――……酔っ払いでも通りがかったらどうするつもりなのかな。
[塊から離れた塀へと腰かけて両の塊を眺めながら、自分も所属している陣営へとぼやく様に呟く。]
>>152続き
[そんな少女を一匹の鼠と一羽の烏が見ていた。するとどうだろう、急に回りがざわっと不穏な空気が流れる。
ここは博物館。展示品だけではなく倉庫にも古くから存在する美術品などといった様々な“もの”が飾られているのだ。それはつまりーーー付喪神のたまり場である]
[烏と鼠はまだ泣いている立花に知らせる為に頭をどついたり、足をぺしぺしした。おかげで立花は意識を彼を殺してしまった罪悪感から現実に戻す事ができた]
う、うぅ…からすさん…ねずみさ…?
[立花はチラッと一匹と一羽を見るがすぐさま周りの異変に気づく。今までのを見ていた付喪神が騒ぎ始めたのだ。]
[“わっぱがジンを殺りおった”“こわやこわや。確かに人を支配したいと考える陣営にいるだけある”“危険因子ははやめに積んどかねば”そう各々すき放題に言うとピタッと空気がとまったかと思えば博物館中のものがガタガタと揺れだしたのだ。]
ひっ!!
[立花は本能で悟った。ここは危ないと、はやく逃げねばと。立花は持っていた塊を服のポケットにいれ、入り口に向かう通路を見ると烏と鼠はそちらに進み始め、立花も続いた。周りはまだガタガタと大きく揺れている。**]
【某路地裏/深夜】
[あれから立花は必死の思いで逃げてきた。博物館にいた付喪神の仕業か、一部の共存陣営にイフリートを殺したゆきんことして知れ渡っていたせいで、街に帰ってきた立花を待っていたのは危険因子をつぶす為に襲ってくる妖怪たちだった。]
ハァ……ハァ……あっ!
[それから妖怪達の襲撃から逃れるためにさまざまな通路を渡ってようやくここでまけたのだ。ただ怪我なしとはいかなかったようで少女の頬や手足、服のいたるところから血が滲んでいる。長い逃走に体力の限界がきたのか…とうとう立花はその場に座り込んでしまった。逃げる途中で烏や鼠たちとも途中ではぐれてしまった。]
もう…やだ…
[そうポソリと呟く。それぐらい少女は肉体的にも精神的にも疲労していた。少女の見知った者がいたらよかったものの今この場は博物館と同じで静寂だった。
立花はもう一度、自分の両手を見て今日の午前中で同じ支配陣営だった者たちに告げられた言葉を思い出す。]
>>155続き
…違う……立花はしたかったことは…望んだ事は…こんな、こんなことじゃない…
[その言葉をポツリと呟いた。幸か不幸か少女はここへきてやっと。自分がいまいる立場がどういう意味か、そしてそれは自分の望む未来と違うという事を、理解したのだ。じゃあ、この後どうすべきか、決まっている。目を伏せ浮かぶのは先ほど起こった博物館内での出来事]
…迅、兄ちゃん
[立花は立ち上がりゆっくり、ゆっくりとだが前に進む。するといつもなら黒いソレが出てくると同時に話しかけてくるのに今回は何もあらわれずに声だけが聞こえる]
《――リッカ?》
[頭の中に響く声は少し怪訝そうに立花を呼ぶ。しかし立花はそんな事お構いなしに進む]
《リッカ。ナニカンガエテル?》
…やめる。立花、最低なばかだったの。ひとを、支配して、も…立花の大切な妖や、人が争いして死んじゃったら…意味ない…もん。
[一歩、一歩。前進しながら語る少女の目はまだ涙で潤っているが意志は強い。]
>>156続き
《…イマサラ“キョウゾン”ニイッテモ、イフリートヲコロシタコトニハ、カワラナイ》
いい、の。立花、いっぱい謝るもん、罰もいっぱい…受けるもん。
迅、兄ちゃんが許してくれる、その、ときまで…立花、“1人でも頑張れる、よ?”
[そう言葉を強く放つと頭の中の声は呆れたのか驚いたのかなんなのか、何も話さなくなった。立花は納得してくれたのかなと思いながら路地を進む。この角を右に曲がると秘密基地である空きビルの裏にある溜まりペースに密かに入れる穴がある。立花はひとまずその秘密基地に隠れるつもりなのだ。運がよければ、幼馴染に会えるかもしれないという希望をもって。]
《…ソッカ。ソレナラシカタナイネ》
[曲がる直前に聞こえたその声。立花はその声を聞いて納得してくれたと安心する。あとすこし、そう思い角を曲がり目の前にはあのビルが見えるーーーーはずだった。]
《立花は…“用済み”だね》
[聞こえたその言葉と同時に立花が目にしたのは黒い影に左からキラリっと光る“何か”]
>>157続き
―――あ
[その光は立花の胸に一直線に進むと最後にドスッと音、そして衝撃が立花を襲う。]
[気がつくと、立花のお腹には刃物がキラリッと刺さっていた。立花には何が起こったのかわからない。視線を刃物から目の前に移すと、そこには見たこともない男性がいた。それはニヤリっと笑うと刃物を持ってた右手に力を入れ、そしてーーー]
《あのジンの代わりに僕が…立花を“裁いて”あげるよ》
[その言葉を放った瞬間。右手を右回りにグリッと捻り、そのまま刃物を引っこ抜いた]
[立花は自分のお腹から大量の血が出てくるのを見て、初めて、強烈な痛みがはしったのだ。]
っーーー!!!!!
[立花は叫ぶ余裕もないまま、ドサリとその場に崩れ落ちる。立花の周りには赤い、赤い血が逃げるように広がっていく。目の前の男は何かいってるようだが、今の立花にはわからない。ボーと見ていたら右肩に衝撃が走る。どうやら蹴られたらしい。けられた衝動からかポケットにしまった塊。男は持っていたナイフでその塊を叩き潰した。塊はパキンッと割れたのを確認すると、そのまま立花から離れ闇の彼方へと消えていった。]
>>158続き
(………いた、い)
[遠くのほうで羽の音や鼠の鳴き声が聞こえるような、気がした。立花は襲う痛みを絶えながらなんとなく、なんとなく自分はもう死ぬんだと悟ってしまった。]
(けっきょく、りっか、やくたたず、だったなぁ…)
(ごめんなさい、も、できなかった)
[悟った瞬間に脳裏に浮かんだのは同じ陣営の仲間達、違う陣営だけどこうやって別れる前、立花が懐いていた人たちの顔だった。そして立花は必死に顔をあげ、前をみるとぼやけてはいるが穴があるのがなんとなくわかる。]
(……どうせ、死ぬなら、あそこで死にたい)
[立花は最後の力をふりしぼり、近くに砕けた塊の一部を右手で掴んだ。右手はそのまま前にだし体を地面に擦り付けながらすべるように進む。本当は動いてはいけないだろうが。立花はどうしても、あそこに行きたかった。]
>>159続き
(なんで、こんな事になっちゃったんだろう…)
(迅兄ちゃんがいるあの家に帰りたかったなぁ…常盤さんの作ったごはんを食べたかったなぁ…あきくんと一緒に…あ、あきくん、最後に抱きしめたのいつだっけ?最後に会ってお話して、抱きしめたかったなぁ…)
(ねね姉ちゃんにいっぱい迷惑かけちゃったなぁ…ごはんいっぱいお礼にもっていきたかったなぁ…高尾兄ちゃんともっと遊びたかったなぁ…沙霧姉ちゃん…いつか、立花が大きくなったら、沙霧姉ちゃんに、素敵なドレス選んでもらいたかったなぁ…あと、あとは…)
(…いっくんに会いたかったなぁ)
[一歩、一歩とゆっくりだが進みながらこれまでの事を思い返しながら、たくさんお世話になった人たち、そして最後は幼馴染を思い浮かべる。
そしてやっとの事で穴にはいり、そこから3歩ぐらい進んでそこでようやく立花は止まった。まだ、息があるが、浅くなってる。もう立花には何も見えていなかった。]
[このとき、立花は知らない。秘密基地の周辺に白い雪が降っている事を、立花の周りだけ、赤い雪が降っている事を、立花の周りに烏と鼠がいてくれている事を。]
[どちらも数が頼りの一体一体は弱い妖怪たちが大半で、そこに時折、血気に逸る力を持った輩が見え隠れしている。妖怪にも力の大小があるから、数ですべては言えないけれど、今の勢いと数は支配陣営が勝っているようにも見える。]
(こっちは私をはじめ、保守的な妖怪も多いだろうしな。)
[塀の上、足を揺らす。揺らした爪先、家路を急ぐ酔っ払いの男が逢魔が辻へと何も知らずに歩を進めようとしていた。]
ほら、言わんこっちゃない。
[ゆらりと陽炎が揺らめくような一瞬の後、真っすぐの道であったそこを塞ぐように壁が現れる。
こんなところが行き止まりだっただろうか?道を間違えたのか?飲み過ぎたか?と首をひねる男性は一足早く角を曲がり離れていった。]
>>160花
【秘密基地/深夜】
[いつもの穴、今日はそこで寝ようと決めて向かったのだが。雪の降る様子を見つければすぐに駆け出す。烏と鼠がはばもうとするのならばそれも力づくでのける。入り口付近のあなたを見つければ]
――りっちゃん!?
なあ、どうしたんだよ!
[赤い雪を踏みつけながら、あなたの顔を覗こうと。]
>>天
――い、く……ん…?
[ボーとしていると上からふってくる幼馴染の声。か細い声で彼の名前を呼んだ。目が見えない為姿は確認できないが、長年幼馴染してきたのだ。声を間違えるなんて、ありえない。そうこうするうちに立花の体は薄く、薄く消えてきた。時間がーーーもうない。]
……い…く…ぎゅっ…し、て…
[最期に、なんて言えなかった。言うと目の前の幼馴染はどんな顔をするかなんとなくわかってしまうから。]
>>163 花
ぐ……。
[呼ばれた自分の名を間違えることもない。そしてあなたの傷を見て――これからを悟るだろう。話したかった。どうして、自分がいないとだめだといったのに何故一人でいたのか。今こんなにも悲しい顔をしているのか。]
んなこというな!
[抱きしめる、力強く、あなたが消えませんようにと願う。顔は肩にうずめ見れないように。]
[暫くすれば道は揺らめいてまた元のような見た目に戻った。]
[そこここで起こりつつある騒乱はまだ神社のある周辺へは波及していないようだけれど。この騒乱は台風なんかよりも強い勢いで古い物事を吹き飛ばしていくのだろうか。]
[再び妖怪たちの塊へと視線を向ける。一体一体は目立たないあの意志の集団の中には小動物も多くいるだろう。
ねね……「仲間」の幸せの為に未来を望んだという彼女の仲間もあの中にいるのだろうか。]
ねねを連れ戻すのは無理なのかな……楽しかったんだけどね。
[神社や水たばこ屋や商店街や特筆すべきことはないけれど、穏やかに過ぎていた日常を想う。その裏で死んでいく彼女の仲間たちがいたのは事実なのだけれど。]
【廃倉庫・夜】
[一人残り、立てた片膝を左の手で抱いていた。]
[カラスももはやいない。辺りにはこの倉庫をねぐらにする虫が鳴く、かすかな声だけが響いている。
だから口を開くことはしない。
綿しか詰まらぬ頭は常になく、思考を巡らせている。]
──……あぁ、 。
[不意にぽとりと落ちた思考と言葉。そんなものに自分で勝手に、
息が詰まった。目をつむり、額を膝に押しつける。これが「痛い」ということかなんて、綿の一筋がぼんやりと思う。]
[その痛みから逃れるように、顔を上げた。抱えていた膝をほどく。]
──あきら、める……もんかよ。
[醜い、化けきれぬ左の目。それを覆い隠すように、いつものようにフードを引き下ろした。
きゅと唇を結び、カーゴパンツの膝を叩いた。気合いを入れるその音は、鋭く倉庫に響く。]
そうでしょ? ……
[言い聞かせる言葉なのに、最後に言いよどむ。その言葉を知らぬ、まだ知れぬ。
今はまだ、それでいい。まずはこの足を動かして──行動、あるのみだ。**]
[最後の最期まで自分のわがままを聞いてくれる幼馴染に最期に彼に会えるなんて、自分はまだ幸せ物だ。本当はこんな姿見せて、困らせたくなかったけど…会ってしまった以上、仕方ない。]
りっ、か…わる、こ…だか、ら…ば、つ…う、けた…の
い、っく…はわる、い…こ…に、なっちゃ……やよ…
[そう、えへへ…と笑いながら彼の温かさを身にしみさせた。お陰で先ほどまでの痛みと冷たさはなくなっていた。
最期に、最期になんていおう。そう考えたけど、やっぱりこの言葉かな、と立花は最期まで笑う]
いっ、くん…しあ…わ、せに…なって…り、かの…ぶ、んまで
>>168花
りっちゃんは悪いやつなんかじゃねーよ!
甘えただけど、嘘つかねーし、よく笑うし、いいつけ守るし……!
[笑顔のあなたがいるときは幸せだったはずなのに。今なくなろうとして初めて気付く。そうだ甘えるあなたといたかった。]
やめろ。まだ、幸せに、なれっだろ。
なあ、りっちゃん。
りっちゃん
[あなたの名前を呼ぶ、きっとさいごのさいごまで。]
……成さんは立花に会えたかな。
[アブサンとかいうお酒は独特過ぎて1人ならもう一度飲んでみようなんて思わないんだけど。彼と一緒なら飲むのも悪くない。
無事に迎えにいけてよかった、なんて話せれば一番だ]
[塀の上、とりとめもなく考えながら空を仰いだ。
月は雲で隠れている**]
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