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90年代にあって未だ土葬の習慣の残る外場村。
三方を樅の山に囲まれ、南の端で国道と接するのみ。村は隔絶されていた。
ろくな娯楽もない村では皆、噂話に熱心だ。
雨が少なくいやに暑い夏の日。未だ住人が姿を見せぬ洋館が山の斜面から不気味に睥睨している。
しばらく前までそれが噂の中心だったが、今日は、村に点在する社――道祖神がことごとく破壊されていたことが話題になるだろう……
1人目、独居老人 大田敏文。
独居老人 大田敏文は、村人 を希望しました。
おおい、見たか? そこの地蔵、首が落ちておった。
一体誰があんな罰当たりなことを。
悪いことが起きなければいいが。
いやなに、兄の体調がなにやらよくないと聞いたものでな。後で見舞いに行ってくるとしようか。
村は死によって包囲されている。
渓流に沿って拓けた村を、銛の穂先の三角形に封じ込めているのは樅の林だ。
この樅の純林は、村を「死」として包囲している。それは村の境界線であり、こちらとあちらを隔てる稜線、林の中は既に此岸ではなく彼岸だ。
村は営々とこの樅材を利用して卒塔婆を作り、のちには棺を作った。村は生まれた当初から、死者のために祭具を作って成り立ってきた。
そして樅の林の中は、まさしく死者の国であり、樅はその墓標なのだった。
村では今も死者を土葬にする。村人はそれぞれが山の一郭に墓所を持ち、そこに亡骸を埋葬する。墓石はない。そこが死者の住居であることを示す角卒塔婆が立つきりだ。
三十三回忌を過ぎると卒塔婆を倒して樅を植える。植えて忘れる。死者はすでに山の一郭に還り、もはや人と接点を持たない。
三方を樅に囲まれて、村は死の中に孤絶している。
すべては村の内部で完結しており、村は生きるに部外者の助けを借りない。
外の力は、ちょうど村の南を貫いたパイパスのように、村を通り抜けていくだけだ。その道が村よりも大きな町へ、町よりもさらに大きな都市と繋がっていても、それを降りて立ち寄る者もいない以上、村は隔絶されている――
国道にほど近く、タケムラ文具店の店先に並べられた床机では暇を持て余した老人たちが日がな一日噂話に興じている。大田老人もその一人だ。
山入に住む兄の他に縁のある身寄りも今はなく、一人細々と暮らしていた。
今日もいつもの調子で噂に興じる、その様子は健康そのもの。老いているとはいえ死が迫っているようには見えなかった。
しかし、それが村の者が最後に見た老人の元気な姿だった。
2人目、院長 高瀬顕尚。
院長 高瀬顕尚は、封印狂人 を希望しました。
― 高瀬医院・食堂 ―
[ようやく午前の診療が終わり、遅めの昼食を摂る]
それにしても、今年は暑いな。
[窓の外を眺める]
年寄りがくたばっちまう。
[医師として不謹慎ともいえるセリフを平然と吐く]
3人目、事務長 神威。
事務長 神威は、村人 を希望しました。
―高瀬医院・受付―
[午前の診療を終えた医院。その、やはり一旦役割を終えた受付に、二つの人影があった。片方は白衣を着て長髪を結んだ男。もう片方はいかにも健康そうな老女。
カウンターを挟み、二人は会話をしていた。
老女は生き生きとして、男は困ったようにいて]
「早くいい相手を見付けなさいって。
もう三十五になったんでしょう。若く見えるけどねえ」
……はあ、……
[曖昧に相槌を打つ。先程からこうだった。老女は――噂話ばかりで一日を過ごす一般的な老人だ。医院にも特に悪いところもなく訪れていた――男に結婚を勧めてきていた。このようなやり取りも、今に始まった話ではなかったが]
「ほら、房子さんもねえ……
話す度、貴方の事を心配しているわよ。
房子さんには昔から仲良くして貰っているから……
私も貴方の事も心配なのよ。ね。年寄りのお節介と思って、あんまり気を悪くしないで頂戴ね」
ええ、勿論……
いつもお世話になっています。
私も、いい加減身を落ち着けたいとは思うのですが、なかなか……
[眉を下げて笑んでみせる男に、老女は更に捲し立てて]
「貴方さえその気だったら、いつだって世話してあげられるわよ。
貴方なら幾らでもいいお嫁さんが見付けられるわよ」
はあ……そうですね。いずれ……
……と……
すみません、そろそろ昼食を取らなければ……
はい。其方も、食事はちゃんと摂って下さいね。
今年は特に暑いですから。
[男は半ば逃げるように話を終わらせては、去っていく老女を見送った。そして、ふう、と溜息を吐く。老女は快活で気遣いが多い人間だったが、自称する通り、悪く言えばお節介だった。実際親子で世話になっているし親しみもあるが、こういう点では正直困っていた]
……安心させてあげたいのは、山々なんだけどね。
[呟き、天井を仰ぎ見る。
男は医院の近くに母と二人で住んでいた。父は男が都会の大学で学んでいた時に死んだ。兄弟はなく、男は三十代半ばにして未だに独身だった。母がその事を常々気にしているのは本当だ。
男はこの高瀬医院で医療事務主任を勤めている。仕事の面では十分に親孝行が出来ていると思っているが]
……暑いなあ。本当に。
[独りごち、襟元を摘んで扇ぐ。それから、食堂の方へ*向かった*]
/*
ふぉい!
お邪魔します。お邪魔します。大事なことなので(ry
死の匿名改めmimu175rです。wikiではいつになくでしゃばっててすみませんでした。
カスタムwktk
匿名メモwktk
そういえば瓜科には匿名メモなんてものがあったのか、と……! 瓜科は三回目(+参観者一回)、RP村に限れば初な参加です。ドキドキです。
xxセットキャラでRPも前からやりたかったので嬉しい。カミュ大好きなんです……某所短期で使いまくりかつガチで前使っていながら、自重出来ませんでした……。
設定も思うままに考えたらこんな事に。こんな事務長ですが先生宜しくお願いします、という。……見かけ柄が悪い診療所になってしまった気がしますg
事務長 神威 は肩書きと名前を 事務長 神威京斗 に変更しました。
/*
こそこそ。
名前は名字が名前から、名前が肩書きからです。
屍鬼村、ついに開催まで来ましたね……! という事で。
頑張りたいと思います。
死ぬ気満々蘇る気満々狩られる気満々です。……うっかり生き残ったら狂いたいでs
以上、gdgd入村独り言でした。
[事務長の神威が入ってきた]
神威さん、随分遅いじゃないか。
仕事熱心なのはありがたいが、この陽気だ。
根を詰めるとバテるぞ。
[言葉のわりに人懐っこい笑みで神威に話しかけた。]
4人目、喫茶店のマスター ディビッド・ライス。
喫茶店のマスター ディビッド・ライスは、村人 を希望しました。
ワァタシィのお店、くれおーる、オープンしてマスネー。
モーニングセット、アリマース。
もちろん、お米、味噌汁、お漬物、プラス四季折々のお料理デース。ワァタシィ、お箸の国のご飯、ダイスキネー!オプションで、タマゴと焼きジャケもアリマスヨー。
[神威と話した後、午後からは回診に出ることに。
今年は雨が少なく、例年になく暑い。
実際体調を崩す年配の者も多かった。]
ん?あれは…
[道端に立っている地蔵の首が落ちていた。
午前の診療の時に患者たちから散々聞いていたが、
本当に地蔵の首が落とされている。
しかも、どこの地蔵も皆首が落とされていた。]
…。
[信心深いというほどではない男の目からしても、
この事態は異常だと感じた。
とはいえ、この暑さでは思考も働かない。
男は行きつけの喫茶店であるクレオールに*寄ることにした*]
オー、若先生、イラッシャーイ!
回診、タイヘンネー。冷たい麦茶とくず餅がありマース。
…オジゾーサマの首が落とされてたデスか?オー、それ、ヨクナイネー。ワァタシィ、オジゾーサマ、ダイスキネー。そんな事するヒト、バチ当たるのがイイネー。
5人目、青年 雨宮紫苑。
青年 雨宮紫苑は、人狼 を希望しました。
――???――
[今はまだ棺の中で眠っている。起き出すのは、そう、日が暮れてから。
夢も見ず、死んだように眠っている。
いや――それは死体だ。しかし?]
―高瀬医院・食堂―
[食堂に入ると、院長である高瀬の姿を見付けた。声をかけられれば、その笑みにふっと笑み返してから、肩を竦めてみせ]
いえ……少し、捕まっていまして。
自業自得なのですがね。
[先の老女の名を出してそう話した。男が老女に――また他の、やはり世話焼きな人々に――結婚の話をされるのは度々の事だったから、詳しく語らずとも事情は伝わっただろう]
先生に宜しくと仰っていましたよ。
先生も気を付けて下さいね。
[午後から回診に行くという高瀬にはそう言って。
遅めになった昼食を摂っていた]
長く――永く生きてきた。
世界に正体を偽って、存在"させてもらっている"ことにはもう飽きた。
太陽に怯え、この身の存在を世界の隅で許してもらう、それほどまでの罪を俺は負っているというのだろうか。ただ、こういうイキモノであるというだけで。
この日本で土葬の習慣のある村を見つけたのは好機だった。
この小さな村一つ、それぐらいは、いいだろう?
[昼食を食べ終えると、窓際に歩み寄った。窓の表面に手を触れる。ひんやりとした温度が心地良かった。そうして外の景色を眺めた。照り付ける太陽の下の景色は眩しく]
……道祖神が壊されて……か。
[地面に転がる石ころを見て、ふと呟いた。兼正の屋敷に関する話題に次いだ、村中の道祖神が何者かによって壊されたという話題。今も村の其処此処で話の種にされているに違いない。老人達は特にこの件を気にかけているようだった。
そこまでではなくも、不吉さや不気味さを覚えている村人は多いだろう。男も、何か落ち着かないような思いがしていた]
……、
[首を横に振る。
それから受付の中に戻り、諸々の作業を*し始めた*]
世界に対する反逆――そこまで大きく出るつもりはない。
ただ、生きる場所を作ってみたくなった、それだけだ。
ムラとソトとの境界線たる道祖神の破壊は、命じた通りに動く「人形」が行ったことだろう。
村を手に入れる準備はつつがなく進んでいる。
もう、すぐだ……
/*
しかしライス氏、ツッコミ所満載なんだけどw
シリアスな中でいい緩衝材、なのか?
村建てとして匿名メモで挨拶と業務連絡でもと思うんだけど、このタイミングで書くと俺が村建てなのモロバレなんで悩み中。
オープンでいい気がしなくもないが。
しかし屍鬼、日が暮れないと表で特にやることがないな。始まれば忙しいんだろうが……嵐の前の静けさ、か。
― 回想:病院食堂 ―
[神威が捕まっていたという話に苦笑する。
男より年上の神威が未だ独身であることに、彼の母も、
周りもヤキモキしているのは知っていた。]
あぁ、ハルさんにまた結婚を急かされていたのか。
自分の雇い主を見ていると、結婚が幸せになれる道だと思えないくらい言っとけばいいさ。
[自嘲気味に軽口をたたく。
男はすでに結婚しているとは言え、母と妻の折り合いが悪く、妻は現在隣町で店を開いている。
男の母が呼び出さない限り滅多に顔を出さない妻に、
男は特別悪感情もないが、母を初め年寄り連はいい顔をするはずもない。]
― 回想:食堂 ―
[神威に気をつけてと声をかけられると、首を竦める]
お地蔵様の首が落ちてるから、何か悪いことでも起きるかもしれない…か?
誰の悪戯か分からんが…ま、留意しておくか。
[神威に留守を頼むと、診察鞄を手に外に出た]
― クレオール ―
[外のうだるような暑さから冷房の効いた店に入り漸く一息つける。
そんな事を考えているといつもの陽気なマスターの声に相好を崩す]
麦茶よりコーヒーがいいな。
いつもは病院のインスタントで我慢してるんだ、
ここに来た時くらい“ちゃんとした”コーヒーにありつきたい。
[カウンターに座り、大きく息をつきながらマスターに告げた]
オー…、麦茶、ダメデースカー。ワァタシィ、麦茶ダイスキネー。デモ、お客さんのオーダーに応えるの、ワァタシィの仕事ネー。
[口ではぶつぶつ言いながら、慣れた手つきで年季の入ったグラインダーで豆を挽き、コーヒープレスをセットした…]
――黄昏時――
大田老人が兄を見舞うべく山入に足を踏み入れた頃、既に日が暮れかけていた。
村道から細く曲がった林道に入り、轍の跡だけが道を示す山の中の集落。山入は隔絶された外場村にあってなお隔絶されていた。
林業が廃れて行くにつれ住む者も減り、大田の兄と、一組の老夫婦の二軒を残して後は廃屋があるばかりになっている。
既に滅びの足音は集落に迫っていた。
道祖神の破壊によって村は境界を失い、既に悪しきものへ入り口を開けている。日が落ちれば彼らの時間だ。
山入で何があったのか、その真相を知るのは夜の住人だけ。
[コーヒーを出してもらいつつ、好物のスモークチーズのサービスに]
さすがマスターだな。ありがとう。
マスターの入れてくれるコーヒーで一服するのが、
いい気分転換になるんだ。悪いな。
[麦茶にこだわるマスターに侘びを入れる。]
[マスターと他愛ない話をし、店を出る
回診を終えた頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。
空を見上げれば雲ひとつない星空、いつもと変わらない風景]
明日も暑くなりそうだ
[暗くなってもなお蒸し暑さの残る中、病院への帰路についた]
6人目、グラサン 須藤暁。
グラサン 須藤暁は、血人 を希望しました。
――???――
[かたり。棺の蓋が軽い音を一つ立て、ゆっくりと開く。
中から、起き出して来たのは青白い肌の青年。
ふわりと笑むその表情は、一般には爽やかな笑みと分類されるだろう。
しかし、その目の奥は笑っていない。それは見る者によっては不穏なものに映ることだろう]
やあ、おはよう。
さて、命令通り準備は進んでいるか?
[彼の傍に控える屍鬼、そして"なりかけの人形"に声をかける。
人を従えることを知っている口調であり、表情だった]
7人目、未亡人 瀧華伽耶。
未亡人 瀧華伽耶は、C国狂人 を希望しました。
ここまで長かった、いや、さぼど長くはないか。
(俺の"生きて"きた年月に比べれば、そう、瞬く間だ)
忌々しい境目の社は既にない。
やっと村に入れる、楽しみだ、な?
[男はこの村を手にする為、入念に準備を重ねていた。
兼正の屋敷、その元の持ち主は既に彼の操り人形と化してその土地屋敷を彼に売り、山入の老人――大田といったか――を彼に合わせる手引きをした。
屋敷の元の主人は起き上がらなかったが、大田は役に立った。
社を破壊し、山入の始末も進めていることだろう]
8人目、学生 咲田瞳。
学生 咲田瞳は、村人 を希望しました。
―バス停―
[走り去っていくバスを無言で見送り、髪を手で抑えた。]
……久しぶり。
[独り言を呟いて、荷物を持ち直して歩き出す。
向かう先はしけた*実家*]
――しばらく後、移動する車中にて――
[後部座席にゆったりと腰を下ろしている。隣に座るのは、屍鬼か、"人形"か。
彼の乗る車の前を行く、引越し業者のロゴの入ったトラック。その中に荷物はさほど積まれてはいない。
これは、そう、ただ彼らが村に来たことを告げる為のもの。
既に準備のほとんどは整っているはずだった。]
外場村、か。これだけおあつらえ向きの村があるとは、ね。
もうすぐ、すぐ、だ……いい村だと思いたいね。
いや、十分にいい村だ。
死に包囲された村、我々にこそふさわしい。
[知れず、今日何度目かの笑いがこぼれる。
年相応、いや、それよりも幼くすら思える無邪気さを含んだ表情。
しかし、目の奥に生者の輝きがないことが一層違和感を増す。
彼がそんな風に笑うのは外場村を知る前には久しく無かった]
―高瀬医院・受付―
[かちゃり。通話を終えて受話器を電話に戻す。いつしか外はすっかり暗くなっていた。院内の白い照明と遠く聞こえる蝉の声とが、奇妙な程に静寂を感じさせていた。
深く一呼吸し、手を組み合わせて伸びをする。
程無くして高瀬の姿が見えれば]
お帰りなさい、先生。
お疲れ様でした。
[カウンターから出つつ、そう声をかけた]
ああ、浮かれている。実に、実に、馬鹿みたいに。
何十年、いや、百年は優に生きて、今更何を子供のように。
生きてきたから、こそ、か。
寂しかった、そう、寂しかったのかもしれない。
屍鬼の為の村が、家が、待っている。そう思うだけで満ち足りてしまうのは。
9人目、女子高生 支倉桜子。
女子高生 支倉桜子は、村人 を希望しました。
[窓を開けると、慣れ親しんだ木材の香りがする。
空には触れそうなほどの星があり、透明な闇夜があり、深く沈んだ山の形がある]
[ここを、ひなびた田舎だとか、墓場のような村だとか言う友人もいるけれど……。
──それでも わたしは ここが好き]
―クレオール―
さて、そろそろビールも出しまショー。
今夜はセパ交流戦で、巨人・西武戦をやってマスネー。ビールを飲みながらナイター中継を見るのが、ニッポンの正しい夜の過ごし方デース。
― 病院・受付 ―
[病院に戻ると明かりが灯っている。
中に入ると神威が出迎えてくれた]
あぁ、お疲れさん。
遅くまで悪いな。
何か変わったことは無かったか?
[何気なく尋ねる]
いえ。
変わった事、ですか? いいえ、特には……
……何かありましたか?
[高瀬に尋ねられると、首を傾げつつ答え]
と、明日の診療の予約が……
[午後の内に予約を入れてきた数人の村人の名前と、時間や理由などの簡単な内容を告げた。カウンターの端に置いていたメモを確認しつつ。常より些か多い人数は、そのほとんどが老人だった。来院者は何かしら噂が流行る折に増える。
多くはお喋り好き故のものだが、信心深い老人の中には、そのために実際に体調を崩してしまう者もいるのだろう。
そう考えては、ふっと、思わしげな表情をして]
あぁ、何もなければいいんだ。
[予約患者の人数を聞くとほんの僅か眉を顰める]
暑いせいなのか…予約が多い気がするな。
それとも、例の噂のせいかな。
殆どは世間話をしに来るんだろうが、あんまり押し寄せてこられても、こっちが参っちまう。
[ニヤリと人の悪い笑顔で零す]
[何もなければと聞けば、頷いて]
ええ。暑いせいもあるでしょうし……
噂のせいも、あるでしょうね。……いつものように。
兼正の噂が落ち着いてきたかと思ったところだったのですが。
[眉を下げて小さく笑い]
ですが、まあ……
皆さんが噂が出来るくらい元気なら、それはそれでいい事なのでしょうね。先生も大変だと思いますが。
きっと兼正が越してきたら、また話題に……
……そういえば、まだ越してきていないのですよね。
[己で口にして思い出したように、窓の外を見やって呟いた]
─支倉製材所・支倉宅─
[包み込むような虫と蛙と植物の音。
麓の高校にいる昼間には存在しない、確かな「いきもの」の存在感。
わたしはそれが好き]
…………?
[ふと、近所の家の、いつもは暗い部屋に明かりが灯っているのに気付く]
瞳姉さんのお部屋ね。
姉さん帰ってきてるのかな? それとも、おばさんがお掃除でもしてるだけかなあ。
もし帰って来てるなら、嬉しいな。
[大学に入ってしまって、すっかりご無沙汰になってしまったお姉さんの姿を思い浮かべ、わたしはふふっと笑った]
―自宅―
[日の暮れる中、足を引きずって家の前まで辿り着く]
ただいまー。
……ちょっと、もう夜なんだから、鍵くらい閉めておきなよ。
[二階の気配に眉をひそめる。と、母が慌てて降りてきた]
え、掃除しといてくれたの?
……ありがと。
[短く礼を言うと、父ももうすぐ帰って来るだろうとのこと。
挨拶もそこそこに、二階へと登って窓を開けた]
[見つめていた窓にふいに人影が現れると、思い浮かべたままの姿が現れ、ついていた頬杖がカクンとなるほど驚いてしまった]
ひ、瞳姉さん!
わあ! 本当に瞳姉さんだあ!
おかえりなさい!
[何の変哲もない山林の風景。
密かに溜息を吐いていると、近くの窓から声が聞こえたような]
……あ、桜子ちゃん?
[瞳を瞬かせてから、慌ててにっこり笑う]
ただいまー。
夏だからね、一旦帰ってきたよ。
[ちょっと声は大きめに]
[覚えてるまま、と思ったけど、少し違った。瞳姉さんは少し綺麗になったように見えた。
わたしは、なんだか照れて、意味もなくぱたぱたと手を振ってしまう]
昔みたいにさっちゃんでいいよお。
そっかあ、大学はもう夏休みなんだあ!
高校はまだもう少しあるよ。毎日暑くていやんなっちゃう!
[姉さんはきっと帰ってきたばかり、あまりご迷惑かけちゃいけない……と思いながらも、わたしはついつい好奇心に負けてしまう]
ね。大学楽しい?
彼氏、とか……できた?
[きれいな姉さんはきっとモテるだろうなと思いながらも、都会の男なんかに姉さんをとられるのは嫌だなと、複雑な思いで]
え、いいの?さっちゃんって呼んで。
じゃあ、さっちゃんね。
[村を離れるまではそう呼んでいた。
いつの間にか距離を置いてしまっていたのだろうか。軽く苦笑して手を振り返す]
そうだねー。テストも終わったし。
でも、さっちゃんももう少し頑張ればお休みでしょう?
……ん、楽しいかな。
ちょっと、色々ありすぎて疲れちゃったかも。
[都会は何もかもが目まぐるしい。
早速の質問には、大声で笑って顔の前で手を振る]
ないないない!
そんな、まだ入学したばっかりだし!
もちろん! わたしも姉さんって呼んでいいよね?
……うん! あとは期末テストだけ。
良かったら、また暇な時、勉強見てもらっていい?
ええと、姉さんの専攻は確か……だったよね?
[姉さんの変わらない笑顔に、わたしも自然に笑顔になる。
疲れちゃったかも、というのは帰宅までの道のりのことだろうか?、あ、と小さく声が漏れた]
そっかあ。これからかあ。
えへへ、実は姉さんまで結婚して出て行くって言ったら寂しいな、って思ったの。
[ペロと舌を出して冗談にして]
じゃ、また遊びに行くね!
あのね、あのね。
もう一度言うけど……おかえりなさい!
村の設定が変更されました。
― クレオール2階の私室(畳&ちゃぶ台) ―
ンー、今日の来客数と、売上はー…、まあこんなもんデスカネー。
今日もいいとこトントンデスネー。
[帳簿をつけながら、苦笑いした]
もちろん。
いつも通りに呼んでちょうだい。
うん、もちろんよ。宿題でも一緒にやりましょうか。
……テスト、頑張ってね。
[文学部に進学している。一応英語くらいはそれなりに出来る。
結婚、と口にする彼女に、しみじみと頷く。
出来ることならそうしたかったが、言葉を濁した]
拾ってくれる人、いるかなあ……なんてねー。大丈夫よ、大学に行っている間は、絶対帰って来るから。
うん。ありがとね、さっちゃん。
ただいま。
[頷いて、そろそろと窓から離れる。
向こうから見えなくなったところで、もう一度ため息を吐いた]
…………。
[帳簿で数字と格闘していると…、つい、昔のことを思い出す。
6年前の自分が扱っていた数字は、桁が二つ以上違っていた。今思えば、毎日が利益の数字を上げるための戦争だった。そんな中で自分は身体を壊し、同僚たちに追い抜かれる無念で身を焦がすような想いで休職し…。
結果として、自分はラッキーだった。その後の『バブル崩壊』、あの災厄に直接巻き込まれなかったのだから]
(…もう、トーキョーも、ステータスも、ビッグビジネスも、ゴメンデース。この静かな村で、ゴキンジョのヒトとのツキアイを大切にしながら、お店をヤリマース。この生活がサイコーデース)
[立ち上がり、帳簿を壁際の書棚に押し込んだ]
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