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[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
無頼 陣はメイド セリアに投票を委任しています。
ゲームマスターはメイド セリアに投票を委任しようとしましたが、解決不能でした。
監督者 ルーサーはゲームマスターに投票を委任しています。
望月 胡蝶はメイド セリアに投票を委任しています。
ラナ ヴラニェシュはメイド セリアに投票を委任しています。
無頼 陣 は ゲームマスター に投票した。
ゲームマスター は ラナ ヴラニェシュ に投票した。(ランダム投票)
監督者 ルーサー は 無頼 陣 に投票した。(ランダム投票)
メイド セリア は ゲームマスター に投票した。
望月 胡蝶 は ゲームマスター に投票した。
ラナ ヴラニェシュ は ゲームマスター に投票した。
セイバー は ゲームマスター に投票した。
ゲームマスター は村人達の手により処刑された。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか。
P.ライダー は立ち去りました。
暗雲が去り、まぶしい光が降り注ぐ。――全ての人狼を退治したのだ!
名前 | ID | 勝敗 | 生死 | 役職 | 希望 |
---|---|---|---|---|---|
自警団長 ヘクター | master | 勝利 | 2d襲撃 | 村人 | 村人 |
無頼 陣 | bdheki | 敗北 | 生存 | C国狂人 | C国狂人 |
ゲームマスター | utumi | 敗北 | 9d処刑 | 人狼 | 人狼 |
監督者 ルーサー | fate5_luther | 勝利 | 生存 | 村人 | 村人 |
メイド セリア | fate5_seria | 勝利 | 生存 | 村人 | 村人 |
姫倉 達生 | Junk.Food | 勝利 | 6d襲撃 | 村人 | 村人 |
望月 胡蝶 | りしあ | 勝利 | 生存 | 村人 | 村人 |
アーチャー | azuma | 勝利 | 4d処刑 | 村人 | 村人 |
メイアル・ユーリ | waterfall | 勝利 | 5d襲撃 | 村人 | 村人 |
ライダー | migya | 勝利 | 6d処刑 | 村人 | 村人 |
オルグロス | xavi | 勝利 | 4d襲撃 | 村人 | 村人 |
アサシン | KAME | 勝利 | 3d処刑 | 村人 | 村人 |
滝川 志乃 | kandori | 勝利 | 7d襲撃 | 占い師 | 占い師 |
キャスター | azumi | 勝利 | 5d処刑 | 村人 | 村人 |
ランサー | reahannta | 勝利 | 8d処刑 | 村人 | 村人 |
ラナ ヴラニェシュ | kairi | 勝利 | 生存 | 村人 | 村人 |
バーサーカー | yummy | 敗北 | 7d処刑 | 人狼 | 人狼 |
ジュリア エンジェル | seiya | 勝利 | 3d襲撃 | 村人 | 村人 |
セイバー | daima_oh | 勝利 | 生存 | 村人 | 村人 |
見物人一覧 | |||||
P.セイバー | fate5_savor | -- | 8d失踪 | -- | -- |
P.アーチャー | fate5_archer | -- | 6d失踪 | -- | -- |
P.ランサー | fate5_lancer | -- | 5d失踪 | -- | -- |
P.バーサーカー | fate5_berserker | -- | 5d失踪 | -- | -- |
P.アサシン | fate5_assasin | -- | 5d失踪 | -- | -- |
P.ライダー | fate5_rider | -- | 9d失踪 | -- | -- |
沖田 敬一郎 | fate5_okita | -- | 生存 | -- | -- |
…コチョウ、我が主。
主に、太陽の神の祝福を。
[生きてさえいれば。
それは完成されたものには到底望めぬこと。
残酷な、されど確かな希望(のぞみ)。
ゆえにひとは、うつくしい。
静かに――祈りを捧げた。]
[闇の中をずっと、歩いていた。
誰かを呼びたいのに、誰の名前も浮かんでこない。
自身の存在を意識することさえ難しく、いっそこの闇に溶けて消えてしまいたいと思うほど。
最初から、自分など居なければ。世界との接点などなければよかったのだ。
永劫とも一瞬ともつかぬ絶望と孤独感が心身を蝕み、全てを投げ出し諦めかけた時]
――"願いを"
[山の稜線の彼方に、輝く黄金の一縷を見出した]
[急速に覚醒する自我。手足の感覚。――生きている実感。
必死に願った。祈った。願望機を染め上げる幾多の、希求とも怨嗟ともつかぬ欲望渦巻く中、凛と。
魔術師によって失われた命を救わんと。
魔術が悪しき使い方をされない世界が見たいと。
ただ、その一心。
手を伸ばすこともなく、祈祷の形に組むこともなく。
ただ、熱のない鮮輝が、すとんと胸に落ちてきた。気がした]
[呆気ないものだと思う。
払われた犠牲と、越えてきた幾多の超常的な戦闘からすれば。
ただ、終わったのだと。
なんとなく実感のないまま、佇んでいた。
境内を中心に重苦しいほど渦巻いていた甚大な魔力は、残滓も霧散し悉く消費されたようだが。
それ以外は何も変わらぬ。打ち捨てられ朽ちた阿須乃神社。
人の気配は周囲になく、忍神町の人々が還って来たのかも、三年前の聖杯戦争すら起こらなかった並行世界に単身飛ばされたのかも、皆目見当がつかない。
――そもそも、あの不公平極まりない願いが叶えられたのかさえ定かでなく。
人が作る兵器ですら、広範囲を壊すことは容易くとも、創造と復興には破壊とは比べ物にならない膨大な年月と労力が必要で。聖杯の奇跡、蓄えられた魔力が如何ほどに見合うのかも。増して、その聖杯の魔力を無頼陣たちが好き放題使いまくっていたし。
どうなったのだろう、と。
見上げた空の淵、投げかけられる光が眩しくて。――いや、耳朶を掠めていった風の中に、小さく小さく、懐かしい声が。名を呼ぶ声が。確かに聞こえて]
[視界が滲んだ。
嗚咽を堪えようと口元を覆った指先が、しょっぱい液体で濡れた。
振り向けない。
振り向いてはいけない。
自分の望みは、かの人が自分と関わったせいで命を落とさず、生きてくれることだったのだから。
喉まで出かかった、はるか、と呼ばわる声を封じ込めて。
光射す方へと、足音もなく歩み出した]
[地に長く落ちた影は、消えることなく。
それは自分の一部にして、自分のすべて。
その後も、望月胡蝶は、一人の忍者として魔術師として、夜の世界に生き続けるだろう。
どれだけのことが為せるのか、為せぬのか。
その名が歴史に残ることは、決してなく。
『音もなく、臭いもなく、知名もなく、勇名もなし、その功天地造化の如し』
そう志す通りの生き方を貫くのみ]
[しかし、本人の思惑と異なり残ってしまったものが一つだけある。
聖堂教会の管理する聖杯戦争の記録、その勝者として綴られた名。
最初はアーチャーの、後にセイバーのマスターとなった、望月胡蝶。
魔術師たちの間でも謎の存在であり、後世の誰も気に留めることなく、埋もれていく一途。
ただ知るのは、共に聖杯戦争の夜を駆けた、八騎の選ばれし英霊と魔術師だけ。
その幾らが、この世界に生き残っているのかは、定かではないけれど**]
………。
[胡蝶が出ていく様を見送って。
聖杯の前へとどかりと腰を下ろす。――左腕が灰となって崩れ落ちた。]
長かったものであるな。
[聖杯に呟けば、聖杯から闇のようなものが滲み出る。]
ふむ、これはね…。
僕の中に在り、また、僕を包みこんでいる闇だ。
君に見えているのはナルキッソスの姿だろうけど、今話している僕は、聖杯の意思…みたいなものだと、思ってくれ。
こっちの概念で話すには、都合がいいんだ。
君は、僕やナルキッソスが世界を…「滅ぼす」ことを望んでいたと知っているはずだね。
それを僕らが決意したのは、この闇に絶望していることを互いに確認したからだった。
人も願望機も、この闇に希望を見出せなかった。
そしてこの闇自体もまた、世界を滅ぼすというベクトルを持っている。この闇に喰われたものは、そういうベクトルを持つことになる。
この闇が何かを話す前に…
世界について、話をしよう。
生あるものが、死を望むことはない。
それは、ごく当たり前のことだ。
誰も、最初から滅びを望んでなどいない。
それは僕もそうだったし、僕と重なった彼…ナルキッソスにとっても同じことだった。
僕らにとって、世界は愛すべきものだった。
決して、憎むべきものではない。
我々が住んでいるこの世界は…ガイアよりも広い意味でのこの世界は、ただあるがままを望む眼差しを、すべてのものに向けている。
ただ自分を守ろうとするガイアにも、狭量な神々にも、愛なき人々にも、失われゆく文化にも、…生まれてくる生命にも。
例えば、世界が、人が何かを望むのと同じように、世界を滅ぼそうと「望む」ことなど、断じてありえることではない。
逆に、世界が滅びを「憎む」ということも、同じようにありえないことだ。
ただ世界は、あるがままであろうとする。
世界のありようが変わったと感じる時、それは自分自身が変わったということだ。
世界が滅びを望むように僕は感じたけれど、僕はどこかで、自分が滅びを望んでいたことを思い出すことができる。
僕がそれを意識し、決定的に意思を持って闇に抗い、世界を作り変えようと決めたのは、ナルキッソスが光と闇について知るべく僕に接触した時だった。
あの時、闇が噴き出したのは、僕らの願いが噛み合ったからだったんだろう。
彼は愛のない男だった。
多くの人々と、同じように。
ただ、彼は飛び抜けて美しかった。
彼の美しさは、神々をも惑わせた。
多くの人が彼の前に無条件で膝をつき、その手に口づけすることを求めた。
しかし彼は、愛するということをしなかった。
彼は綺麗な自分が好きで、その自分に何を知ろうともせずに群がる神や人を嫌悪していた。
彼が自分の役に立つものだけを選り分けて自分の傍に置くようになるまで、大した時間はかからなかった。
やがて、彼に向けられた愛と欲望は嫉妬と憎悪へと変わる。なぜ、彼だけがあんなにも美しいのか。なぜ、彼は自分のものにならないのか。なぜ、彼を自分の思うままにできないのか。
人々は彼を傷つけるようになった。
神々は彼を呪った。
傷付き呪われた彼は、その容姿と引き換えに、愛という感情を知ることができないという枷を与えられることになった。
それは、絶望だ。
人の愛と欲望を一身に受け、しかし自分は誰を愛することもできない。
やがて彼は孤独になり、自分の姿だけをその目に焼き付けて、死んだ。
彼は愛を知ることを望んだ。
それは光と闇を知ること。
彼は誰かを愛することを望んでいたし、愛することができると思っていた。
「だって、それは当り前のことじゃないか?」
だが、旅を続けた彼が見たのは、ほんの少しの「愛らしきもの」と、多くの「愛ではない何か」だった。
彼は多くの人と神から直接呪いを受けていた。
自分が人を愛せないのはその呪いがあったからだと思っていたし、事実そうでもあっただろう。
だが、多くの人と神は、彼と同じように、自分しか愛することができない。
それを僕は身にしみて知っていた。
彼はいつしか、僕に辿り着く。
遠く世界の根源へと至る門。
でも、彼がそこで見たのは…
人の心の闇に飲まれぽつりとたたずむ、聖杯という名の、世界を構成するちっぽけな一要素だった。
それが僕だ。
そう、この闇は、
君たちが、そして僕たちが、生んだ闇…。
すべての思いと願いの奥に潜む、闇。
君はこの闇を見てなお、絶望せずにいられるかい。
この闇を背負い、生きていくことができるのかい。
僕らがどれだけ手を伸ばしても。
すぐに闇に飲み込まれ、見えなくなってしまう。
闇は僕らを包みこみ、喰らい尽くそうとする。
それでも、君は…。
そのままで、いられるのかい。
そんなものは知らぬであるよ。
[大の字に倒れる。すでに身を起こすだけの余力もない。]
選ぶ余地さえない人生であったからな、我が輩は。
[全ては領民のために。ただそれだけの人生に於いてどれほどの選択が出来たというのか。最愛の妹ラドゥにさえ、性別を偽らせるほどの道を歩ませて。]
だが、まあ、そうであるな。
この身になって判ることもある。
[懸命に右手を持ち上げる。目を開けてみても力なく震える腕は闇に溶け、指先さえもよく見えない。]
蝙蝠など、闇の中でも生きているのよ。
闇は畏れるものなのかね。流れる時間の半分は闇の中であるよ。
光が届かなくても、何も亡くなりはしない。ただあるがままに受け入れればいい。
――それだけであると思うがね。
[再び目蓋を閉じる。]
ただ、ひとつだけ我が侭を言わせてはくれんかね。
そのための聖杯なのだろう?
光が届かなくても、
何もなくなりはしない、か…。
ふふ。
そうかもね。
闇とともに生きる決意、それが君にあるなら…
僕はただ、願望機としての役割を果たそう。
でも、忘れちゃダメだよ。
その決意を。
闇が消えることはない。
「僕ら」が抱えた絶望も。
君のような人がいつもいて、「僕ら」や「闇」を受け入れて、そして止めてくれることを。
僕らはどこかで、願っているのかも、しれない…。
[声の主が立ち去った。闇が晴れていく。]
我が輩はもうこりごりだ。
次の機会は他の輩に任せるであるよ。
[掲げていた右腕をぱたりと床に倒し。
果たして願いは叶うのかなどと考えるも、サーヴァントとなった身ながら、いまは深く眠りたいと意識を閉ざした。*]
[「聖杯」は、最後に肩をすくめたようだった。
その姿は、ナルキッソスのそれと重なっていた。
声は届かないが…
その口は「じゃあね」と動いたようだった。]
[闇が沈み、やがて見えなくなっていく。
すっかり闇が晴れた後には、願望機としての役割を果たすべく力を満たした聖杯だけが残っていた。]
・・・・・・
[空が晴れていく。3年前から続いていた闇が消えていく。
全てを失い、沢山の物を破壊してしまった。
取り戻せはしない過ちを多く背負った。
しかし、無頼はいまだに生存していた]
[自害や介錯の願いも考えた。
だが、最後のナルキッソスの言葉を思い出し、少しだけ踏みとどまっている。
周囲を見回し、神社の境内の隅に退避し事の終わりを見守っていたラナを見つけ、ゆっくりと近づいた]
生きていたか。
ナルキッソスに何を頼まれたかは判らないのだが、最後に君を頼むといわれた。
少なくとも、バーサーカーがいた頃に君に色々嫌な事を言ってしまった。すまないと思っている。
[近付く気配。ゆると其方へ視線を向けて――
じり、と。一歩後ずさる。身構えるのは当然とも言えた。
聖杯戦争は終わったと言え、 流石に、過去にあり過ぎる。]
――…、当然。簡単に死ぬ心算は無いしね。
[死なないよ。 一つ溜息混じりにそう呟いた。
セムルクに、生きてくれと。 そう言われた。
…その彼の望みを叶える為に、此処まで来たのだから。
謝罪の言葉を聞きながら、一つ肩を竦めた。
全く、随分な事を言われた記憶は、ある。]
謝るぐらいなら、初めから言わなければいーのに。
…本心だったんじゃなかったの、アレ。
――其れでいて謝られたら、逆に怒るよ?私。
頼まれた?
…って、おにーさんに判らないのに。
[自分が判る筈がなかった。
ナルキッソス。 先の戦闘の時を覗けば、一度逢ったきり。
セムルクと共に逢って、暫くの会話を交わして。それきりだ。
――それ程に、気を掛けて貰った記憶は、 否。一度灰銀を瞬く。
そういえば別れ際に――彼らの望みと、
矛盾する事を言われた記憶はあるけれど。
…この結末に、彼がどう思ったのか。今更知る術は無い。]
本気だったさ。君からそういう迷いを感じていたから、君なら俺の思いを理解してくれると思った。
だが、今の君の眼はそうではない。
俺とは違う答えを出したんだと感じた。
だから詫びた。
ナルキッソスも、そうだったんだろう。
君はバーサーカーの傍にいながら闇に引き込まれなかった。
ナルキッソスは、俺が闇に飲み込まれることを心配していた。
君にも、似たような思いを持っていたのかもしれないな。
[聖杯のほうを振り返る。もはやあのどす黒い聖杯ではなくなっていた。
ならば、やはりあの聖杯はこの俺の心の闇を具現化したものだったのかもしれない]
――…評価して貰って喜ぶべきところなんだろうけど。
…私が、おにーさんに謝ってもらう権利は、無いよ。
[――確かに、理解していた。ただ、それでも否定し続けたのは
己の黒い部分を、――認めるのが怖かっただけだ。
其れを事実だという事から、眼を逸らしたかっただけ。
きっと根底は酷く似ていたんだろう。
結果として、彼らと異なる答えを出す事が出来たとしても。
その手を取っていた可能性は 幾らでもあったから。]
――私が闇に引き込まれなかったのは、私だけの力じゃないよ。
…セムルクは、ずっと優しかった。
[ずっと、己が闇に触れぬ様に。 ずっと想ってくれていた。
彼が闇に飲まれるのを、心配していて、
…今、無頼がこうして目の前にいるのなら。]
ナルキッソスも、優しかったんだろうね。
・・・・・・そうだな。
[バーサーカーはそんな闇の力に最後まで負けなかったのだろう。ナルキッソスも自分を強く持っていた。
一番弱かったのは俺だったのだろう。やはり、英霊には敵わない]
・・・・・・そろそろ行く。
君は日常に戻るがいい。
[事実、どうなのだろう。
自分が、己の中の闇の存在を認めなかったのは
…ただ己が、遥かに弱かったからでしかない。
目の前の男が、本当に一番弱かったのか――
それは、誰にも判りそうに無い話では、あるけれど。]
――どこに?
[その場を去ろうとする背に、短く問う。
「君は」。男はそう言った。
ならば――無頼は、戻らないのかと。]
全てを、清算しにいく。
[背負ったものを守れなかっただけではない、父と同じく、志乃を・・・・・・同じ退魔の者を殺してしまった罪。
それだけではない、多くのものを破壊した。
そして・・・・・・この眼。
ラナを見つめるこの眼には、まだラナの魂が見えている。
これだけのものを抱えて、生きていけるわけが無い。
例えそれが逃げだとしても]
もう二度と会うことは無いだろう。
君なら心配する必要はないだろうが、俺みたいにはなるなよ。
[そう言って、ラナに背を向けた]
……、心配しなくても。
言われなくたって、ならないよ。
[背を向けて歩きだす男に、
一度だけ、薄く口を開きかけて――噤む。
再度開いた口から出てきたのは、別の言葉。
彼の目が見ている物を――見てきたものを、
知る事は、無い。 これから先も、ずっと。
一度だけその背を見つめて、踵を返す。
そうして振りかえる事無く――駆けて行くのは、男とは逆の方向へ。
空は、宵の色を端から白く染めて。
長い闇に覆われた夜は、 漸く、*明けようとしていた*]
[ゆっくりと、歩き出す。
背後でラナが反対のほうへ走っていくのを感じた。
そうだ、ラナは俺とは真逆の人生をこれからも歩んでいく。
日向の中を生きていって欲しいと願う。
自分はきっとこれからも、*月と太陽に背き続けるのだろう*]
―教会―
[意識が、混濁からゆっくりと浮かび上がってくる。
海の底、暗い部分から次第に海面へと向かうように、ふわりと軽くなる体。
同時に、痛み]
――…。
[名前を呼ぼうとしてとまる。
誰の名前を呼ぼうとしたのか]
……?
[目が、醒めた。
自分がどこにいるのか、一瞬わからなかった。
身をゆっくりと起こす。体が痛んで少しだけ顔を歪めた]
[右手の甲にあった令呪は、もう無い。一度それを見てから、辺りを見回した。静かな部屋。
同じように寝かせられたマスターの姿。
寝台から降りる]
教会、だ。
[ひどく懐かしい気がした]
なんで、アタシここにいるん。
誰かが、運んでくれたの、かな?
[ぽてぽてと歩いてその部屋を出て行く。
廊下を歩いて、次に開いた扉は礼拝堂。
誰かが、祈っている姿。一瞬だけ浮かんだビジョンはすぐに消えて首を傾げた]
[ポケットに入ったサングラス。
それをはめようとして、窓ガラスに映った自分の顔を見た。
違和感が一つ]
……。
どゆことなの。
何。アタシの知らないうちに何があったの。
[緋色をしていた眸は、紺の混じる色になっていた。
髪色にも、ほのかに金が混じる。
それよりも。
今、どうして教会にいるのか、そもそもここはどこなのか、どうして令呪が無いのか――。
覚えてなかった]
[正確には、覚えていたはずなのに、ぽろぽろと抜け落ちていく。
朝見た夢が、時間がたつごとに忘れていくように]
――――……。
んー。
よくわかんないけど。
早くでよ。
休んでたお礼だけは、言っておいたほうがいいかな。
[教会の人間を探してきょろきょろと辺りを見回した]
[姿が見えると、とりあえずはお礼を一つ。お世話になりました、とだけ口にして]
Ja, das ist Japan.
[一つ一つ、考えていけば思い出せたのかもしれない。
教会を出ようとして、ひどく後ろ髪を引かれた。
何故かはわからない。
誰かがここにいたはずなのに]
?
[指先を見た。わからなくて、二度三度掌をぎゅっと握る。
断ち切るように外へと足を踏み出した。
眩しい日の光。
誰かが、一緒だった光景]
[タクシーを拾って、どこへ向かうかと問われた。
一度首を傾げてから、住所を一つ口にする]
樹那町だ。ここ。
聖杯の、――。
止めて運転手さん! ここで、いい。
[見覚えのある看板にタクシーを止めて、車を降りる。
鮨屋の看板。
準備中の文字。
誰かと来た。それは覚えてる。
思い出せずにイライラとした]
締まってるし。後で着たら開いてるかな。
ごめん、やっぱり乗る。
[もう一度乗り込んで、うちへと向かう]
[たどり着いた場所は長く来ていないはずなのに、ほんの数日いなかっただけのような家。
玄関から中へと、キッチンにはまだ使われていない食材。
自分が食事を作るはずはなく、この家の管理をしている人が持ってきたのだろうかと思って、即座に違うと心のどこかで叫んだ]
待って、整理しよう。
Es ist der Heilige Gral Krieg, kamen hierher.
Jemand erinnerte.
Curse läuft nicht in Ordnung?
Die Kirche wurde verloren.
Du meinst, ich bin.
[考えても、わからない。
どちらにしても、負けたのならばもうここにいる必要はなく。
帰国の準備をしようと部屋を片付け始めた]
[あらかたの荷物をまとめて、部屋を片付ける。
もう一つ使われていた部屋に入ると、畳んである衣服を見て、――なきたくなった。
衣服を処分しようとして、出来ずに。
テレビをつける。
焦土と化した森林公園の様子が映っていた。ここ一週間のニュースをダイジェストで映していたらしい。
見た覚えはあったから、きっと忘れているだけなのだろう。
カーテンを閉めようとしてもう外が暗くなり始めていることに気づいた。
水色から、空が夕焼けに染まっていく。
その色を、知ってる。
最後に、見た色だから]
[誰かがいたのに、――おそらくは呼び出したサーヴァントだ――
思い出せないことよりも、いなくなって寂しく思っている自分に驚いた。
サーヴァントは、聖杯戦争が終わればいなくなる存在で、それほど心を傾けるべきではない。
いわば使い魔の上級版。
何があったのかわからないけれど。
こんな風に思う自分が新鮮で、これでいいのだと思うことにした。
空が朱に染まって、やがて紺色に変わるまで、窓をあけてずっと見ていた。
太陽が沈んで、朱色が消えるころぽろと涙が一粒落ちた。
首を傾げて拭う]
[誰を呼んだのかは知ってる。実際に呼べたのかまではわからないけれど、呼ぶのはその英霊だと決めていたから。
でも、呼ぶ名前はそれではなかった。違う呼び方をしていたはずなのに思い出せなくてそれがとても切ない。
窓を締める。
飛行機のチケットが取れたら、明日帰ろう。
そう思うのに、離れがたく感じる。
そのことに一つ、苦笑を浮かべた]
ばかだなぁ、アタシ。
ほんと。
[置き忘れてきた声はもう聞こえない。
代わりに、一つまたあそこにおいてきたのだと思った。
取りに行く術はもうない。
目を閉じる。
『アル』と自分を呼ぶ声が、耳の奥で聞こえた*気がした*]
―― 西ブロック/教会 ――
[薄灯りの部屋の扉を開ける。中央のベッドに寝かされているジュリア。
いまにも灰になろうとする掌で頬に触れると、そこには確かな血のぬくもり。]
………。
[言葉はない。表情もよくは見えない。だがヴラドの口元には穏やかな笑みがあった。]
−西ブロック・教会−
[長い夢を見ている。
アーチャーの矢に貫かれ、霞んでいく世界。
父の声。母の背中。彼の顔。
傷付いたレコードのように、延々と繰り返される景色。
――不意に、そのリピートが途切れた。]
……ん。
[ごく僅かな灯りすら眩しく感じて、瞼が力む。
視界が光に浸食し尽くされるのを待って、ゆっくりと目を開いた。]
……ぁ……オジ、サマ……?
おわった……?
[自分の身体が、頭が、長い間使われていなかった機械のように鈍い。
それでも一生懸命考えて、答えに辿り着いた。]
……そう、勝った……のね……。
[なかなか思い通りに動かない身体を起こして、己が従僕の姿を確認する。
左腕は失われ、服装も襤褸のよう。]
な、によ。……ボロボロじゃないの。
いまはこれが精一杯であるよ。
[我が身をみれば、また灰がぼそりとこぼれ落ちる。聖域にいるためそこかしこより塵の如き煙も浮かぶ。
――目が霞む。そろそろ時間のようだ。]
それでは、帰るであるかね。
[身を起こすようにと、ジュリアに右手を差し出した。]
ええ。
[差し出された手を握り返して、立ち上がる。]
今度は私が約束を守る番ね。
帰ったら、飛びっきり美味しいカレーをご馳走するわ。
次に逢えたときには、必ずご馳走になるであるよ………。
[その言葉も薄灯りに溶け、灰となった姿は床に落ちるより早く塵となり消えていった――*]
[従僕の言葉にはっとして振り返る。
既にその姿は無かった。]
もう……、お別れの言葉くらい、言わせなさいよ。
……バカ……。
[教会の外に出ると、日の光が先ほどまでの灯りと比べ物にならない強さで網膜を焼いた。
眩しそうに目を細めて、従僕の消えた建物を振り返る。]
さよなら、オジサマ。
[伝えられなかった言葉を声に出すと、教会に背を向けて歩き出した**]
よし、と。
[朝。令呪を剥がされたマスターの施術がひと段落し、汗をぬぐう。
封印指定となった男性も、大事には至らなかったらしい]
今回も終わった、か。
[近くにある、滝川の子宮が入ったケースが視界に入る]
・・・・・・・いや、まだ僕の仕事は終わってないか。
[少し休憩してから、最後の患者の為に施術の準備を始めた]
― 聖杯 ―
[勝者は決定し、願いは叶えられた。
聖杯戦争が終わったのだから、英霊は座に帰るが道理。
もはや去りゆくしかない運命の、ほんの僅かな有余。
少女は父親と対面していた]
・・・・・・
[エーテルの波の中、娘に手を伸ばす]
君のマスターの願いだが、それで私の願いも叶う。
・・・・・・来い。
この私と融合すれば、お前はハサンの一人となれる。
そうすれば、ハサンが終わったという概念も消え、お前はハサンの一員となれよう。
[父親の手が差し伸べられる。
選択は、三つ。
父と融合し、20番目の正統なハサンとなるか。
新しい真名を得て、別の英霊となるか。
それとも、イレギュラーのハサンのままで座に帰るか。
選択は]
はい。私は、あなたと融合し、正統なハサンとなります。
[言葉に迷いは無く。しかし少しばかり躊躇したように、視線を逸らし……一呼吸、間を置いてから父親へと近寄る。
手を伸ばせば、触れられる位置]
[差し出された手を取る。大きな両手を、自分の小さな両手で握る。
そして、ふと外見相応の少女のように微笑むと、宣言した]
私は、ハサン・サッバーハとなり……聖杯戦争の勝利者、望月胡蝶を殺します。
そのために、正統なハサンとなりましょう。
[先ほど、目を逸らすふりをして捜した者に、聞こえる声で]
[返答は聞かなかった。同じ真名を持つハサン。そもそもが誰でもないが故のアサシン。
繋がった手から、融合を始める]
ねえ、父さま……もしかしたら、こんなふうに手を繋ぐなんて、初めてかも知れませんね。
[悪戯でも思いついたかのような笑顔。外見相応の、楽しそうな声。
それは、少しだけ寂しそうだったかも知れない]
そうかも、しれないな。
[アサシンの言う望月胡蝶の殺害が何を意味しているか理解は出来なかったが、本来持ってはいけないであろう父としての感情は、あるはずのないその手のぬくもりを感じていた]
[腕が、弾け飛ぶ。
その英霊は、ずっと手を伸ばしていた。届かない手を。ずっと。
だから、彼にこそ頼みたかった]
さよなら、父さま。最後にして最強のハサン。
[腕が撃ち抜かれる。撃ち落とされる。
かつて、この聖杯の中で、そう話したとおりに。
仰向けに倒れ込みながら、舌を出す。
そうして……融合は中途半端に、断絶されたのだ]
確かに我が『ザバーニーヤ』、そして『ファフニール』……お渡ししました。
[声は、悪戯が成功したかのようで]
・・・・・・なん、だと!?
[その腕の中には、ハサンの力が全てこめられていた。
そしてその腕だけが融合し、娘は・・・・・・エーテルの波の中離れていく]
なんて、馬鹿なことを・・・・・・
「−−−−−−−−−−−−−−−−!!!!!!」
[父は、最強にして最後のハサンへとなる事になる。
ハサンの概念が、少しずつ変化していくのだろう。
その代わりに、離れていく娘はハサンどころか英霊でもなくなってしまうのかもしれない。
父は新たな後悔を得た。
それは、もう二度と会えないであろう娘に、呼ぶべき名前をつけてやれなかった事だ**]
[消えていく。
所詮はイレギュラー。そう認識してしまえば、それは単純]
ありがとうございます。アーチャー。
さようなら、父さま。
[敵に甘え。父に別れを言い]
すみません、セリア。
[憐れんでくれた人に謝り]
ありがとうございます。……私の、相棒。
[彼に、礼を言う]
[こんな事は恥ずかしくて誰にも言えないけれど。
そりゃあ、こうなるだろう。
だって、自分は……]
やはり、彼は私のマスターです。
[最後の最後で、願い、なのに終わらせてしまうのだから]
――――… “約束通り”だ。
[太陽神の子は
消えゆく少女に向けて、そう云った。
手には、黄金纏う弓。
――――礼が聞こえれば、
眸を閉じて、
ふるき祈りの言葉を音なく紡ぎ、消え失せるまで、其処に*]
[その、名も無き少女は。
最後の最期に、
誰にも知られず、
誰でも無いまま死ぬのが……ほんの少しだけ寂しいと感じてしまった少女は。
そうして、
英霊の座を降りた**]
―座に至る前/西の果て―
[――……ただ、消え。聖杯から、座に戻るだけのはずだった。
聖杯戦争になど――二度とも呼ばれるかは判らぬ、座に。
――けれど、目が覚めたのは。温かく、風の薫る明るい世界]
――……ここは。
[いと高き天上ではない。それは、神気を知る己には理解できる。
だが、無論、冷たき冥界でも、四季訪れる大地でも、無に至る座でもない]
…………むー?
[首を、大きく傾げた。ここは、どこなのかと。その答えは、直ぐにあった]
『――至福者の島≪エリュシオン≫ですよ、母上』
――……へ?
[間抜けな声が漏れた。
自分を母と呼ぶ存在は、ただ三人しかいない。
即ち、偉大なるクレタ王にして冥界の判官ミノス。
同じく冥界の判官を務め、また、英雄たちの魂が暮らす楽土を治めしラダマンテュス。
そして、武勇に優れ、風強きイリアスで、アカイア勢の防壁を砕いた剛勇サルペドン。
無論、英雄の楽園≪エリュシオン≫を治めるのは、そのなかの、ただひとり]
――……ラダマンテュス?
[振り向けば。あの、陽光を含んだように柔らかな金髪と。優しい眼差し]
[それで、すべてが理解出来た。自分がここにいる理由。
――そう。ここは、神々に愛された英雄の魂が暮らす世界。
そこに足を踏み入れることが、出来るのは。その、条件は]
――……ええ。
兄さんたち……あなたのおじさんたちも。
[――地上で、碌なことをしてきたわけではない。
むしろ、英雄とは正反対のことをしてしまった。民を、巻き込んだ]
あなたも、ミノスも、サルペドンも。
……みんな、英雄って呼ばれているから――……、
[――けれど。幻想として祀られる英雄たちとも、ワイアームとも、逃げずに戦った。
それを、あのかたが。雷を司る、愛しき主神が、認めてくれたのだろうか。
それは――幾らなんでも、甘過ぎる。座に還る前の、一時のユメかもしれないと。
思って。疑って。有り得ないと。けれど――少し、景色が滲んだ]
ええ。私も、ちょっと――……、
『――……母上?』
――英雄の、仲間入りをしてきたのよ。
[怪訝そうな視線を向ける息子へと――*笑顔で*]
さて、これで終わったわけだけど・・・・・・
[目の前のベッドで寝ている人物がこの教会を訪れた時には少しだけ驚いた。だが、こうなる予感もあった。
”子宮を、届ける。”
それだけを彼は願った。
だが、彼がぽつぽつと口に出した言葉から、この手術を進言した。
”魔眼摘出”
かつて、このような手術に挑んだ者はいない。
それでも、やるべきだと思った]
[手術は成功・・・・・・したのだろうか。
魔眼は眼を潰しても失われるわけではない。
その視界は概念なのだ。生物的な視覚とはまた違う回路で作られている。
眼球と、そこに繋がる魔術回路の切断。
可能な限りは尽くしたつもりだ]
・・・・・・どうだい、まだ、見えるかい。
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