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武士の娘 紗都 は 私奴 とら に投票した。
名主の末子 成親 は 私奴 とら に投票した。
舞姫 梨枝 は 私奴 とら に投票した。
私奴 とら は 隠遁僧 蓬同 に投票した。
隠遁僧 蓬同 は 私奴 とら に投票した。
旅装束 風華 は 私奴 とら に投票した。
私奴 とら は村人達の手により処刑された。
名主の末子 成親 は、武士の娘 紗都 を占った。
隠遁僧 蓬同 は、名主の末子 成親 を守っている。
次の日の朝、隠遁僧 蓬同 が無残な姿で発見された。
《★占》 武士の娘 紗都 は 人間 のようだ。
《★霊》 私奴 とら は 人間 のようだ。
現在の生存者は、武士の娘 紗都、名主の末子 成親、舞姫 梨枝、旅装束 風華 の 4 名。
[成親の叫びにも近い声は、耳に届いていた]
鬼を退治するまでは、幾らでも死人が出るわ。
これ以上、死人を出したくなければ、鬼を退治するしかないの。
[とらを視界に留めたまま、成親に答える。
そして、とらが手にしていた包丁を床に落とすのを見れば、その隙に一気に間合いを詰める]
これで…終わるわ……!!
[振りかざしていた刀を、とらの首筋に近づければ、一気に横へ振るう。
気のせいだろうか。
とらは、自ら刀の方へ身を走らせたような……。
肉と骨を貫く感触、それは刀以上に重く、手にその振動が伝わってくる]
/*
玄佐さんいませんね。
墓に行ったら、もう喋れないのかしら?
あと議事読み返してみて、なんと独り言の多いこと!
ほんっと重ね重ねすみませんorz
もっとちゃんと、話せたらよかったのですが。。
[床に転がるとらの首に視線を落とす。
その表情は、玄佐のものとは違って、哀しみにの中に穏やかさが混じっていた。
まるで、こうなる事を望んでいたようにも感じられた]
どうして……
どうして、そんな顔を……
[小さく、震える声で呟く。
そして、力抜けたように、床へと座り込んだ]
[からん、ととらの手から包丁が落ちる]
[これで、おさまるのかと思った、その瞬間]
[紗都が刀を振ろうと腕に力を込めるのがわかった]
あ…!だ、だめだ…っ!!
紗都!!!
[声を上げたときには、とらの首が宙に舞った]
そ…んな!!
[先刻まで自分が纏っていた衾の上に、とらの首が落ちる]
なんて…なんてこと…
[小袖姿のままばたばたととらの首へ駆け寄る]
[とらの最期の表情からは鬼のような怨念は感じ取れなかった]
なぜ、あんなことをしたのですか…貴方は。
[みるみるうちに血で赤く染まる衾ごととらの首を抱く]
[驚くくらい穏やかなとらの顔の上に落ちる涙]
[とうに枯れ果てたと思っていたが…]
[乱れた息が、落ち着く事はなく。
ただ、自分のした事が正しかったのかを問い続ける]
『これで、良かったのよ…。とらは、鬼よ……。
でも、どうしてとらは……。』
[包丁を捨て、自ら斬られようとしたとら。
とらが鬼ならば、何故死を受け入れたのだろうか。
いつしか刀を落とした両手をみつめる。
かなりの力で握っていたからだろうか。それとも……。
手は汗ばみ、小さく震えていた]
[ぎゅう、と強くとらの首を抱え込むように抱く]
[しばらくそのままでいたかと思うと抱く力を弱めて上体を上げる]
[荒い息を繰り返す紗都]
[倒れこんだりえ…]
[はっとしてとらの首をそっと床に置き、二人の方へ向かう]
[紗都は意識があるようだったが、りえは意識があるか定かではなかった]
りえさん?!
だいじょうぶ、ですか?
[側に行くとその首に赤い筋が浮かんでいるのが見えた]
まるで、首を…
[それも、黄泉路映しであるが故のものなのだろうか]
[とらは、鬼よ…と紗都の声が聞こえ、そちらを振り向いた]
…なぜ、とらさんが鬼だと?
[自分には何も感じなかった。とらが鬼と言ったこともない]
[ならば、紗都はなぜとらを鬼と思い至ったのだろう?]
[りえの首の跡を見ながら、紗都に問う]
[成親が、床に転がるとらの首へと駆け寄れば、衾ごとそれを抱く。
小さく身体を震わし、瞳からは涙が零れているようだった]
『何故、泣くのよ……。』
[まるで、自分が成親を哀しませているような、そんな気分になり、これ以上泣いている成親を見る事ができず、震える身体を起しては、堂の外へと走り去った]
[成親が、床に転がるとらの首へと駆け寄れば、衾ごとそれを抱く。
小さく身体を震わし、瞳からは涙が零れているようだった]
『何故、泣くのよ……。』
[まるで、自分が成親を哀しませているような、そんな気分になり、これ以上泣いている成親を見る事ができず、震える身体を起しては、堂の外へと走り去ろうと]
井戸のところで聞いたのよ。
鬼狩りの一族が滅んでしまえばいいって…
鬼でなければ、そんな事思わないでしょう…?
[成親に問われれば、俯いたまま答える。
そして、一人堂の外へと出て行った]
[りえの目からこぼれる涙に自分も目を伏せた]
[しかし背後で紗都が立ち上げる気配を感じてまたも振り返る]
[紗都が堂を出て行く前に言う言葉に唖然としながら]
貴女を責めるつもりは…ないのですよ?
それを聞いたなら…私も疑ってしまったかもしれません。
[出て行った紗都を追うように堂の階段を降りた]
[しかし、そこから先は進むことができず、肩を落とす]
紗都さん…!
戻ってくるのです…!
[暗闇に向かって呼びかける]
まだ、まだ鬼は…
[多分、居るのだから…]
―堂の外―
[外は風一つなく、静寂さで包まれていた。
自分の、駆ける足音だけが響き渡る。
その足音が、もう一つ聞こえてくれば其方へと振り返る]
蓮同さん……。
[どうやら、心配して追ってきたようだった]
心配しないで。私なら大丈夫よ……。
成親さんの傍に居てあげて。
[そう言うと、蓮同は暫し困ったように無言になるが、やがて一つ頷くと堂の方へと戻っていった。
まさか、堂への帰り道、蓮同が鬼に襲われる事など、この時は思いもしなかった。
蓮同と別れた後、見つけた一軒の廃家に入れば、そこで蹲り、そのまま眠れぬ夜を*明かすのだった*]
[―成親殿は夜目が効かぬのであったな…では拙僧が参ろう―]
[紗都の行く先を気にかけていると後ろから声が聞こえて振り返る]
蓬同様…。
すみません。
[蓬同に頭を下げて紗都のことを頼むと堂へ戻る]
[気を失っているりえと、まだやや呆然としたままの風華がいた]
風華さん、すみませんが、りえさんのことを御願いします
私は、とらさんを…
[すっかり乾いた着物を羽織り、とらの身体を抱き上げた]
『こんな、小さな身体で…』
[とらの首を、からだの上にのせると再び堂を後にした]
─中有の闇の中─
[──足が地に着いた感触がない。]
『はて、どうした事やら』
[暫し思案を巡らせる。
確か紗都を追って外に出て彼女と話して──]
『これはどうも、拙僧は鬼にやられたらしいの。』
[そのあたりの記憶がさっぱり無いのだが。]
『とすると、もしかすると玄佐どのやとら殿もいるのではなかろうか?』
[とらが鬼であったとは思いづらい。
とらが死んだ後に自分も殺されているのだから。
また、りえの様子も玄佐の時とは全く異なっていた。]
『じゃとするならば、とら殿は何を思うておいでであったのやら』
[あの少年の胸の内を聞きたかった。生前にそうしていたなら、或いは違った成り行きになっていたやもしれぬ。]
[そして、鬼であった男にも会えればよいと思う。]
[堂の壁伝いに裏手へ回る]
[目を凝らしながら地面を探り、阿波と玄佐を弔ったと思しき場所を見つけた]
[衾を置いてその上にとらの亡骸を寝かせる
…すでに、三人…
…一度黄泉路へ旅立てば…鬼も人もいがみ合うことはないのでしょうか?
[先に埋葬された二人に向かって手を合わせる]
[堂の壁に立てかけられていた鍬を手に、その横へ新しく穴を掘る]
[穴を掘り終えると、次は井戸から水を汲んできてとらの身体を綺麗に拭く]
私も、貴方と同じ、忌み遠ざけられた子なのですよ…?
禁じられたはずの親族間の縁によって生を受けました。
一族の特徴を受け継いでいたのが大母にはわかっていたのでしょうが、
里の者からはいつも距離を置かれていましたっけ…
[手を動かしながら、とらに語りかける]
綺麗に、なりました?
[堂の窓からもれてくるかすかな光だけが頼りだった]
[繰り返しとらの身を拭いていたので、もうきっと、綺麗に清められたろうと]
[静かに穴にとらの身体を横たえ、首をその手に抱かせた]
いって、らっしゃい…
[丁寧に土をかけていく]
[泣き声をあげる心]
[口を開けば嗚咽が漏れそうで必死に堪えていた]
[穴を埋め終えると最後に手をそっと合わせ、堂へ戻る]
[紗都はまだ戻ってきてはいないようだった]
[倒れたままのりえの傍らに座る風華の、その横に座って*目を閉じた*]
─闇の中─
[蓬同がいると分かり]
ごめんなさい、僕はただ、かあさまに会いたかったんです。
でも、駄目でした。
死んだら会えると思ってたのに。
きっと、自分のことしか考えていなかったから。
せめて、この村の行く先を見届けるのが、僕の償いです。
[地上で悼んでくれる声が、*痛い*]
「そなた、ほんに楽しげに物の怪を切る。」
淡々とした、だが、呆れたように響く声。
言われた男は、血濡れた刀を肩に担いで笑ってみせる。
「……全く、幾許かでも気が咎めはせぬか? 物の怪とて、命あるものに変わりはあるまいに。」
淡々とした声に、咎め、諫めるような響きが混じる。言いながら、その者は男に顔を向ける。だが、その目は男に向けられているようには見えぬ。
薄く開かれた瞼から覗く焦点の合わぬ瞳は、この者が盲しいである事を知らせていた。
「ふん、楽しまずにどうする?」
笑い飛ばすような声。男のその物言いを聞いた盲しいの者の眉間に皺が寄る。盲しいの者が何か言わんとするのを制するかの如くに、男は言葉を続ける。
「放って置けば、きゃつめらは人を襲い喰らうのだ。だから俺はきゃつらを殺す。やるかやられるか、喰うか喰われるか、ただそれだけの事よ。」
言い放つ男に、盲しいのものは暫し黙り込み……やがて、大きく肩で息を吐く。呆れたとも、感心ともつかぬ溜息。或いは、両方なのかも知れぬ。それ以外のものも混じっているのやも知れぬ。確かなのは、言葉に出来ぬ思いを浮かべているという事だけだった。
「とは言えど……皮肉な話ではあるがな。人を喰らう化け物とさえ戦える力を与えてくれる我らが血も、元を辿れば……」
皆までは言わず……男にしては珍しい、憂いを混ぜたような笑みを浮かべる。
「――分かっておるのなら!!」
行き成りの叫び。
「分かっておるなら……忘れた訳では無かろう? この血に引かれ過ぎた者がどうなるのか。そなた、このままでは……」
滅多に情を揺らさぬ盲しいの者が、声を震わせ、顔を歪ませながら言った。息が荒い。眼には涙すら滲んでいた。初めて見るそのような姿に、男はばつが悪そうに頭を掻く。そして頬に手を伸ばそうとして――朱に染まったままの己の手を見て……引っ込める。
「……案ずるな。そんな間抜けな事に成りはせん。楽しいから、物の怪を切るのではない。己が意の下にそれをすると決めておるから、嘆かぬために、楽しもうとしている。楽しむしかない。そういう事だ。」
……小さく、啜り泣く声。盲しいたその瞳を真っ直ぐに男に向けていた。男は目を伏せ、背を向ける。
「…なあ。もし、俺が血に引かれ変わり果つる時が来たとしたら、お主は……」
そして、血に染まる己が掌を見つめた。
「……お主は、如何する?」
[明け方、廃屋から出ると、そのまま里の入り口へと向かう。
眠れずに、一晩考えていた事は、とらは鬼であったかどうか。
考えれば考える程に、違うような気がしてならなかった。
それでも入り口へと向かうのは、とらが鬼であった事を望む故。
自分の行為を、正当化したかったのかもしれない。
入り口の奥、そこは深い森。
それを覆うものは、此処へ来た時にもあった濃い霧。
霧が晴れていないという事は………]
や……だ………
とらは……鬼じゃなかった………?
―――私……人を…殺してしまった………
[未だ、里から出られない事が分かると、ぺたんと地に座り込む。
身体の震えは次第に強くなり、自分の両手をみつめては瞳から光を零す]
[どれほどの時間、座り込んでいただろうか。
しとしとと、いつしか空から雨が降り出すも、そこから動く事はなく。
ただ、雨に濡れながら、その場で*泣き続けた*]
[夢を、見ていた]
[そこに居たのは二人の男]
[会話のすべてが聞き取れたわけではないが、共に鬼狩りの一族であるようだった]
[自分と同じ心眼の者と…もう一人は]
[大振りの刀を担ぐもう一人の人物のその面影はどことなく玄佐に似ていただろうか]
[血に惹かれし一族の者が堕ちたのが、鬼]
[そして、一族の力も元は…]
[途切れ途切れの会話から聞き取れたのはおよそ夢とは思えぬ現実味を帯びた言葉]
[―もし、俺が血に引かれ変わり果つる時が来たとしたら、お主は…―]
[そう、問う男に心眼の者が返した言葉は]
[―その時は…必ずや私の血でそなたの血を絶ってみせよう。
たとえ、幾年掛かろうとも…―]
[その、言葉が妙にはっきりと聞こえ、そこで目が覚めた]
[囲炉裏の火が費えたのか、目を開いても自分にとっては暗闇だった]
[夢の内容を反芻しては頭を振る]
『鬼狩りの一族も、鬼も、元は同じだったというのか?!』
[だから人を装っていた玄佐にも違和感を感じることなく、
未だ潜むもう一人の鬼も、気配を隠すことができているのだろう、と]
『あの、心眼は…一体誰なのだろう。血で、血を絶つとは、一体…』
[自分の一族の他に心眼の血を継ぐ者達が居るだろうか]
[しかし、あの心眼はどことなく自分に似ていた気もした]
[きっと、自分の祖先なのだろうとわかってはいた]
[そして、それが何を意味するのかを察して再び目を閉じた]
『その、約束は果たされたということなのか…?』
[さらに残る一人の鬼を、見つけることができたなら、永きに亘る因縁も終わるのだろうか?]
[そのために自分がすべきことの重さに、苦しそうに顔をしかめる]
[不意に瞼の裏に浮かぶのは、あの光]
『まだ、私に鬼を…絶てと…』
[それを拒絶するように頭を振る]
[しかし光はどんどん強くなる]
『それでも、見知った顔を葬るのは…嫌なのです!』
[急に強い吐き気を催して立ち上がる]
[手探りで堂の入り口を探し、外へ出た]
[そこは風が吹いていること以外は何一つ変わらない暗闇]
[階段を下り、回り込もうとしたところで、我慢できずに吐き出した]
[生まれたときから背負っていたという力と宿命に潰されそうだった]
『こんな力…気づかずにいればよかったのに!』
[堂の壁に手をついて、ただただ荒い息を*繰り返した*]
/*
村建て様の話を急に拾ってみたくなったのです。
ええ、絶賛仕事中なのですけど。このダメ社会人め。
今日は朝の予想よりも早く帰れそうです。
[ 夢を見ていた。
長いながい夢を。]
[ 真白き花弁の降り頻るなか、緋の袴着けて舞うはひとりの娘――
白き面は一切の表情もなく、眼(まなこ)は夢幻の彼方を見すえて遠く――]
[ それを見詰めるは、大太刀携えたひとりの――]
[……しかしそれは影に塗りつぶされて見えない。]
[ 次に覚えているのは、
地を覆う怒りと哀しみ、
焼かれた家々、天をも焦がす炎、宙に舞う火の粉、
去り行く背中、
伸ばしても届かぬ手、]
『――無念を残して死にゆくひとの想いは強く、非業の死を遂げた者ならばなおさらに。
ゆえに、黄泉路映しは死びとの想いに囚われぬよう、己を律せねばならぬ。
悲しんではならぬ、思いを傾けてはならぬ、
常に巌の如くつよくかたく不動であれ――』
でも、それでも私はあなたに――
[ 娘の唇から、悲痛な叫びが洩れた。
見開いた瞳に映るは堂の天井。
娘は目を覚ましたのだった。
眦から涙を流して、娘は暫しの間、天井に張られた節の浮かんだ板を茫と眺めていた。]
[とらの悲しげな声を聞いた気がした。]
[誰ともわからぬ者の遥か古の記憶らしい光景も、何故だか脳裏に流れる。]
……はて。とら殿や玄佐どのとは、相見える事かなわぬか?
[今一人の鬼を討ち果たさねば、生ける者達はこの地を離れる事はかなわず。]
[ならば死せる魂も、鬼を倒す事なくば、彼岸に渡りきる事はまたできぬやもしれず。]
[少年が母御と再会が叶うのはそれからではないのか]
じやから、とら殿?ともに待つ事にせぬかな?
──全てが終わる時を。
[再度少年に*呼び掛けてみる。*]
ん…?
[どうやら香を炊こうとしてそのまま寝入ってしまったようだ…と]
『ゴロリ』
[刎ね飛ばされたとらの首、その安らかな瞳が目に焼きつく]
ぃ…!!
[上がる声を抑える、先ほども見たものだ、先ほども、見たものだ、と心に言い聞かせる]
旅装束 風華は、武士の娘 紗都 を能力(襲う)の対象に選びました。
旅装束 風華は、舞姫 梨枝 を能力(襲う)の対象に選びました。
[あの者の、笑みを思い出す…あの者の最後の言葉を思い出す…]
否、逃げるなど有りえぬ事じゃ…そのくらい御主なら分かっておろう…
なんとしても…敵は討つ、それが妾じゃ
[堂を出てゆく紗都、後を追う坊主…]
ふむ…此れならば…
[出てゆく二人を追う、暗闇の中、二人の足音を静かに追う]
[狙うは紗都、鬼狩りの刀を持ち出した憎むべき娘…]
[懐刀を抜く、闇の中、研ぎ澄まされた刃が煌く]
『紗都…あの者の血がほしい…肝が欲しい…』
[思わず口をついて人の言葉が漏れた、その瞬間]
[『御主が鬼か…よもや斯様な幼子に…』]
『御坊、御主も不運よな…』
[一閃、人の目には留まらぬ速度で走る刃は過たず片腕を切り落とし返す刃は御坊の頭部と胴を断ち切る]
妾は…御坊のことは気に入っていたのじゃがなぁ…ほんに不運よ
[倒れ伏すもっとも大きな塊から望む部位を引き出す、血に染まる肝…その紅に力が…僅かではあるが戻りつつあることを感じる]
[呆然、自失から帰る頃に駆け出して行く紗都、それを追う御坊]
私も追うから…ここで待っていて
[呟き堂を駆け出すも闇に紛れた二人を追うことは至難、暫くして戻ってくる]
見つからない…
[申し訳なさそうに呟いた]
[うとうととしながら]
鬼狩りの一族も、元は、鬼・・・・・・?
だから、とうさまも、鬼になってしまったのかしら。
それとも、最初から僕のことなんてどうでも良かったのかしら。
身分ってそういうもの?
・・・・・・若は、どうか、僕の分まで真っ直ぐに育って下さいますよう・・・・・・
[浅い夢の中、遠くで蓬同の声を聞いた気がした]
はい、待ちます。
かあさまは、きっと僕を叱るでしょうね。
蓬同さんは、会いたい人はいますか?
玄佐さんにも、いるでしょうか?
[玄佐にも話を聞きたいと思う。
鬼だからと言っても、そう違いはないのだから]
[ 娘はやおら身体を起こした。]
とらさんは……
[ そこで一度言いよどんだ。痛みをこらえるように、一瞬顔が引き歪む。
しかし、すぐにそれは思いを押し隠すかの如き無表情に戻った。]
……とらさんのこころにあったのは、悲しみと絶望……
苦しみ多い世に生きるより、おかあさまに、とらさんは会いたかったのです……
だから……
[ 娘は未だ赤い痕を残す喉首に手を置いた。]
―里の入り口―
[雨が止む事はなく、それは自らが流している涙のようで。
顔を覆っていた両手を離しては、空を仰ぐ]
『私…これから、どうしたらいいの……?』
[自分の使命を忘れたのか、それとも他の何かか。
すべき事を見失ったように、自問自答する。
答えが出る事はなく、固く閉ざされていた唇が僅かに弧を描く]
あはは……私、馬鹿みたい。
[昨晩の、とらとの会話を思い出す。
―――罪ある者に罰を与える……
今、罪ある者は自分であって、その罪を償わなくてはと、ゆっくりと腰を上げては、ふらふらと何処かへと歩き出す]
[ ふと見回せば、堂の中には成親と風華の顔しか見えず、]
……蓮同様と紗都さんは……外に行かれたのですか?
[ 喉に手を当てたまま、首を少し傾けた。]
[もうどのくらい、堂の壁にもたれかかっていたのか]
[ようやく身体が落ち着いてきて顔をあげた]
[堂に戻ってしばらくすればりえが体を起こした]
紗都さんが、急に外へ出て行ってしまって…
蓬同様が夜目の効かぬ私の代わりに追いかけて行ったのです。
[二人の行方を尋ねられて答える]
[ 落ち着いてみれば、堂の外からしとしとと雨音が聞こえてくる。
扉から見える空も、曇って薄暗くはあっても夜のそれではなく、仄明るい光が堂の中にも差し込んでいた。]
もう朝……なのですか?
私はかなり長い間気を失っていたんですね。
紗都さんが出て行ったのは夜なのですか?
それでは随分と時が経っているのに、まだ二人とも帰って来ていないことに……
[ 眉をひそめる。]
私、探しに行ってまいります。
[ ふらつきながらも、手を突いて何とか立ち上がった。]
ああ、もう…夜が明けたのですね。
[白んできた外の明かりが堂の中をほの明るくしていた]
[耳を澄ませば雨音が聞こえていて]
ええ、丸一晩ほど、でしょうか。
気を失っておられたのは。
[堂が明るいうちに見えたりえの首筋の跡が気になっていたが]
[それよりも紗都と蓬同が戻らぬことに焦りも感じていた]
お二人を探しに行った方がよいかもしれません…
どこかで雨宿りされているのでしょうけど
[そう言って外を見遣った]
成親さんはここに居て下さい。
鬼切りの太刀を。
それで守って下さい。
[ ちらりと風華に目を向けたのは、風華を鬼から守れということなのか、それとも風華が鬼であった場合に身を守れと言う事なのか。]
私は、大丈夫ですから……
すぐに戻ってまいります。
[ 応えを待たず振り切るように、表へと出た。]
[りえはここに居ろと言い残して外へ出て行ってしまった]
[引き止める間もなくその姿は里に消えていった]
また、この刀が。
[自分が振るい玄佐の首を刎ね、紗都が振るいとらの首を刎ねた]
[鬼のそれも人のそれも断ち切る太刀を手元に置くものの、掴もうとはしなかった]
[風華の様子が先ほどと変わらないことを見て目を閉じた]
[聞こえる雨音は止まる様子はなかった]
[ 娘は堂を出て、村を通る小道を小走りに走った。
当てがあった訳ではない。
だが娘には、特別な力があった。]
見つけられないのなら、まだ生きている。
けれど……
[ 堂を出る時に持ち出した、鈴を手に握り締める。]
[ 立ち止まり、神楽鈴を目の前に捧げ持ち瞠目する。
しばらくして、]
『……りん』
[ 鈴が澄んだ音を立てた。
それを聞いた娘の顔にうっすらと緊張の色が浮かんだ。]
ああ。やはり。
『りん』
『りん』
『りん』『りん』
[ 鈴の音に導かれるように、娘は村中を歩いた。
鈴は、ある方向に近付くと更に大きく、激しく鳴るようであった。
そして、鳴り響く鈴の音が絶え間なくなった頃。]
『りん』『りん』『りん』『りん』……
御坊様。
[ 頭と腕とを断ち落とされた老僧の無残な亡骸を、廃屋の影に見つけたのだった。
屍体の腹が裂かれて、はらわたがのぞいている。
娘は思わず片手で口元を押さえた。]
『……りん』
[ 最後に澄んだ音を一つ残して、鈴が鳴り止む。
足元に広がる血の海を前に、娘は悄然と立ち尽くすよりほか無かった。]
[闇に響く鈴の音を聞き、顔を上げる。
酷く曖昧なこの場所に石が投じられたように、音の波紋が伝わってくる]
悲しい、音ですね。
[呟き、また微睡んだ]
[ぞわり、ぞわりと体中を嫌な汗が伝っていた]
[それは蓬同と紗都のことを案じる故か、他に訳があるのか]
……。
[黙って何かに耐えるようにその場から動くことはしなかった]
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