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欲望の都市【P13ドーム】。
月からの異邦者が都市に混ざることも、まだ多くは知られていない。
どうやらこの中には、村人が4名、人狼が1名、霊能者が1名、狩人が2名、C国狂人が1名、共鳴者が2名、智狼が1名、辻占狂人が1名いるようだ。
そいつらは、人と見分けがつかないらしい。
センサーも反応しないようで、異能で正体を確認しようとしても、ひょいと避けられちまうそうだ。
ま。与太話の類。
ゴシップの一種さ。
何なら幽霊って可能性だってある。
耳利き ショーが「時間を進める」を選択しました。
そうそ。
身近で、一番発生しやすいものだ。
アタシらもなるべく対応していきたいとは思うけど、手が回らない可能性は十分ある。
だからそう言う時、不安になってる人達の支えになってやると良い。
こう言うのは身近な人の方が効果あるからね。
[リルの言葉から思い当たったこと>>0:402に肯定を返し、感謝の>>0:403言葉に頷く]
どう致しまして。
何もないに越したことはないけど……頭の隅にでも置いてくれると良い。
またね。
[その言葉を通話の締めにし、通信を切った]
…不安もそうだけど、実害の方もだいぶ出ると思うんだよね。
[最悪の事態 ─── それは本当に『機械生命体』が襲来し、ドームへと攻撃を仕掛けてきた場合。
また、戦いがドーム内で起きた場合。
恐らくは襲撃者の行動の結果のみならず、応戦の結果でも実害は起こり得るだろう、と。
それに対応するのも自分達の仕事になるんだろうな、などと考えながら、リルは下層区域へと足を踏み入れる。
その直ぐ後に例の通信>>378 >>389が入ってきたのだった**]
[タリアは男>>0:371>>0:374に小さく頷くように]
[声が震える身体状態を確かめるように、再度片手を頬にあて、目を覗き込むようにした*]
/*
赤だー あかだー アカダー(エコー
墓に人行くか、上手いことタリアに接触出来た時くらいしか赤使わないっぽいので、リルの方も囁き職に踏み切ったと言うお話。
あっちでもスティに接触しないとなぁ。
フリーランス ヴェスは、蒼い目の異邦者 タリア を能力(占う)の対象に選びました。
……ま、その通りだよな。
俺も似たようなもんだし。
[男の言葉に、肩を竦める。
最後の言葉は、そうであって、そうではない。
落ち着いてはいるだろうが、本当のところは違う。]
あまりに、いつも通りでしたので。
いくら特殊チームに任せりゃ大丈夫っつっても、
やっぱ怖いもんは怖いでしょ。
[情報を纏めたのが目の前の男だと分かっても、
少し、その男に違和感を覚えるくらいで。
それが何かは、良くわからないし、
『死神』と『ゲイル』が結びついたわけでもない。]
こんなときにまで、
俺んとこ来なくてもって思っただけですよ。
[そう言って見せるのは、再び商人の顔。]
ま、お互い無事だったら、
売りますよ。
[その言葉の意味は、"掘り出し物ありますよ"。**]
―昔の話―
[男は警察は苦手だ。ワケアリ専門の護衛なんてものをやっていたこともあったが、
単純に、関わりたくないのだ。
だが、警察に知り合いがいないわけでもない。
というか、出会った時は警察ではなく、
再会したとき、なっていた。
その再会が、妹が死んだ時。]
―回想 護衛時代―
…っ…ってぇ…
ばっかじゃねぇの!!?
[そう、声を荒げるのは、今より若く、まだ少し落ち着きもない頃か。仕事終わり、借金取りから逃げたいという男を村へ送り届けるだけ。要は夜逃げ。正直、そこに逃げたところで、逃げ切れるんだか、と思うが、
そんなことは言いはしないのだが。
その帰り。
身体のあちらこちらに、打ち身やら摺り傷やら。
獣にでも襲われたか、といえば、そうではなく。
高い岩場で足を滑らせ落ちかけている子供を見つけてしまい。
身体が勝手に動いたというか。
そして、案の定というべきか。
落ちた。]
『だって、そんなのないって言われたから』
[信じてもらえなかったのが、悔しいから、
見つけてやろうと、ドームを出てきたらしい。]
あのな…。度胸あんのはいいけどさ。
[立ち上がり、ポンポンと土をはらう。
まぁ、これだけで済んだのは運がよかっただろう。]
……っけほ、けほ…
[少しだけ、咳き込みながら、
転がった、武器である棒を拾い、背へ。
そして、一度屈んで、子供を抱きかかえる。]
……落ちたら死ぬからな?
[そう言って、そのまま子供を抱えて、
そして、たまたま通りかかった奴がいたから、ドームへと連れて行ってくれと、押し付けたか。
それとも、男がドームまで子供を送り届けた後だったか。
ともかく、去ろうとしたところをひっつかまれ、頼んでもないのに回復されたとか、そんな出会いだったか**]
君が"Bug-Thing"に転向しWatcherになってから随分と時が経った。
[イグナティウスは都市を見守るように焦点を定めずに全景を捉えている]
/*
ヴェスに何かあったら、またトラウマ積み重ねて行きそう…耐えきれちゃうからなぁ…この人…(なお、中の人が崩壊していく)
私が彼女を止められれば良かった。
しかし、私の力だけでは足りなかった。
[少年の似姿は空を見上げる]
今も、月では「人類統制局」と交戦中だ。
[双方の、追加の機械生命体が降下して来ないのはそれが理由だ。
月では月で、一進一退の攻防が繰り広げられている。
今回の出来事は「人類統制局」の精鋭数名による出来事とはいえ、彼らはどれもが優れた機体だ]
私が何も伝達しなければ彼女はやすやすとドーム中央に辿り着いただろう。
彼女にはそれだけの性能がある。
君の転向の切欠は知っている。
[イグナティウスはそれだけを会話にあげた。
ロザリンドを非難したり咎めるような響きは無かっただろう、そこには、だが*]
[ロザリンドは碧(あお)い眸をゆっくりと伏せた。
彼女は、見守り続ける存在。
彼女が、直接干渉を行うことは出来ない。
彼女の役目は、ウォッチャー。
見守ることに縛られる]
[彼女に出来ることは、出来て、誰かの前を横切るくらい。
3ヶ月前のように、例えば幽霊のように>>0:349**]
ドーム消滅の回避にはドーム住居者同士の協力は不可欠。
退けられない相手ではない。
だが侮るな、慢心は身を滅ぼす。
情報を寄越した奴が言ってたことだ。
信じる信じないは任せるぜ。
[加えて伝えたのは情報ネットワークにも載せたものの一端。
あちらには載せなかった忠告の言葉も加えた。
言葉はやはりゲイルが受け取った意味での変換になったが、多少の意味合いの違いはここでは瑣末だろう。
人間、自分にプラスのある可能性があれば奮い立つというものだ]
[他に問われることがなければ、ゲイルはスラム街を後にする。
ふらりと足を向けるのは下層区域**]
ー 青年の表情の話 ー
[青年は基本的に無表情で淡々とした言葉遣いをする。語彙も少ないため下手をすれば『愛玩用ロボットのほうがまだ生き物らしい』と感じさせるような男だろう。]
[しかし、青年にも感情が無い訳では無い。全く知らない事象に対しては驚くし、多少は思考のうちに感傷に浸るくらいする。]
[ただ、青年自身がその感情を感情として認識出来ないだけなのである。独りで能力を抱え込むことに慣れすぎていたせいではあるが。]
[だから驚き以外の感情が表情に出にくいのは、しかたのない、よくある話。]
[しかし、流れ星が落ちた次の日、確かに氷の目を溶かす何かが起ころうとしていた**]
/*
ゲイルさん、本当に犯罪者?ってなる…
スティーブと普段普通に仲良さそうだよ…
なんか感じ取って、苦手だったりするんじゃないかなぁとか思ったけど、よくよく考えたらこの人、普通にそういうの鈍いんだった。
慢心、ね。
ぜってぇ、死なねぇっていう自信はありますけどね。
[慢心。そんなもん、少しでもあってくれたほうがいい、と思う。あれば、怖いなんて思うこともないだろう。]
よぉく、心に刻んどきますよ。
…にしても…子供が言ったにしては、随分。
[物言いが、大人びているというか。
セーガが言ってた通りなら、情報源はイギーという子供だったはずだ。
まぁ、どれほど小さいかは男は知らないし、
ゲイルが難しい言葉で言い換えているのかもしれない。
それに子供が言うことは案外貫いてくるもんがあったりもする。]
ま、ガセなら、ガセで構いませんよ。
そっちのが良いですけどね。
ドーム消滅とか、とんでもねぇこと言われても正直、ピンと来ませんし。
[男にとってはそもそも、ドーム消滅を恐れているのではなく、失うことだ。
バグ野郎を止めず、全部任せ、全て逃げてしまえばいいと、思う。
外は危険だ。だが、ドームが消滅したとしても、死ななければ、どうにでもなるだろう。
だが『バグ野郎』が関わってくるなら、あいつを、止めようがないのは分かっている。]
んじゃ、またのお越しをお待ちしております。
[そう言って、笑い男を見送る。
その『ゲイル』こそ、男の嫌う『死神』であることを、知らず。]
今後共、ご贔屓に。
[そんな言葉をかけて**]
─ 回想 ─
[まだ警察機構へと加入するしばらく前、自立にはまだ少し年齢が足りなかった頃。
早くに両親を亡くしたリルは当時孤児院で世話になっていた。
そこで起きたのは小さな騒ぎ]
はぁ!?
またそんなことで喧嘩したの!?
[年下の孤児達が、御伽噺にある願いが叶う花があるだのないだので口喧嘩になったのだと言う。
いつもはその場でお互い謝らせてお終い、にしていたのだが]
しかもジンの奴出て行ったなんて……あんのバカ。
[その花を探しに出て行ったと聞いて頭を抱えた]
アンタ達はここにいな。
アタシが探してくる。
[子供達に待機を厳命して、リルは出て行った子を探しに出たのだ]
[念話を飛ばして居場所を確認すれば、外と繋がるゲートの傍にいると言う。
急いで向かうと、見慣れた子供を下ろす男性の姿>>9が見えた]
ジン!
[呼びながら駆け寄れば、子供もリルの方へと駆けて来る。
大きな怪我などは無いようで、無事な姿にホッとした。
それを確認した後、立ち去ろうとする男へと向き直る]
この子が世話になった、ありがとう。
何か礼を………
………ちょっと待て、アンタ怪我してるじゃないか。
ジンお前何してたんだ!?
あ、ちょっと、ストップ!
待てって!
[慌てて男の腕を引っ掴み、擦った箇所や痛めていそうな場所に触れた。
触れた箇所は温かな熱を持ち、内側から傷を癒していく。
抵抗されるなら即完治とは行かないが、痛みを軽減することは出来るはずだ]
軽い怪我でも放っておくのはよくないからな。
[有無を言わさぬ治癒はそんな理由から。
治せる力があるなら使う。
出し惜しみする理由なんてどこにもない。
ある意味では己に忠実な、真っ直ぐすぎる理由]
名前を聞いて良いか?
改めて礼をしたい。
アタシはリルだ。
こっちはジン。
[相手の名を求め、己の名を告げ、子供には後頭部を押して礼も言わせた。
治癒が礼で良いと言うならそれで引き下がるが、受け取ってもらえるなら後日手製のクッキーが渡されることになる]
[そんな出会いから数年後。
自立したリルは治癒士として警察機構に所属した。
そして5年前のあの事件、そこで”彼”と再開する]
……まさか、アンタの妹さんだったとはね。
[スラム街ではざらに起きるドンパチ。
その経緯調査と後始末のために訪れた場所に彼はいた。
被害者が残した血文字、”すてぃーぶ”。
それが彼の今の名前と判明した時は、犯人は彼かと囁かれたりもしたが、リルは彼の妹が被害者と知った時点でその考えは改めた。
周囲に聞き込みもすれば犯人である可能性もどんどん薄くなった。
やがて彼、スティーブは容疑から外れる]
[結局、警察機構の調査でも、いつものドンパチに巻き込まれた、と言う結果に落ち着いた。
追跡調査が行われたかもしれないが、能力上リルはその仕事からは外されている]
気を落とすな…って言っても無理な話だよな。
これ、持ってて。
ただの発信機だけど……アタシの端末に信号が送られるようになってるから。
何かあったら呼んで。
直ぐに”繋いで”あげる。
[スティーブに発信機を渡し、念話が出来ることも伝えた。
警察機構としてではなく、個人として渡した心算だったが、彼はどう思ったか。
それ以降、リルは非番の日に時折スラム街に顔を出すようにもなったという**]
/*
あ、違う、端末はリルさんのだ!
エーディも持ってるし、だんだん、なんでスティーブ端末持ってないんだろうってなってきた…あんま必要ないんだろうな
/*
皆が孤児院出身なのを見るにつけ、ヴェス君どうやって一人暮らししてたのよーと思うマン。
きっと頑張ったんだろう(ということにしとく)
祖父方とかいても良い気はしなくはないけど、縁は親世代で切ってるような気がしないでもない。
── スラム街・ゲートへの近道 ──
[見つめられる>>3と、赦しを請いたくなる。
そんな衝動が、胸を掠めた]
……っ、……
[心拍数は高いまま。
喉奥が引き攣れる。
上手く、やはり言葉が出せず、舌が絡まるようだった]
……ぅ、……っ、
[男自身にも、理由が分からなかった。
透き通ったような眼を見ただけで、明らかな変調。
恐怖の様な甘さの様な、感情が揺さぶられるような。
理由が、理由はただただ分からない]
[それは不安や恐怖といったものと綯い交ぜになった、脳の誤錯覚にもよるもの。
その透き通るような眼が、あの時>>0:328>>0:329見た機械生命体の外界確認用の眼と似通っている事に気づけ無い]
お、まえっ、……誰だよ。
[怖い、怖い程に美しくて、目が離せない。
陶酔のようなじくりとしたものに翻弄される]
[動揺を隠しきれない目で、無理に視線を引き剥がして、吐き出すように言葉にする]
い……い…、言わなくて、……もう
[目を離して、先程まで頬に当てられていた女性の手を掴む。
肌が一瞬粟立つも、握りしめると、ふわふわと頭が痺れた]
(なんでこんな……)
[ぐるぐると儘ならない感情に翻弄されながらも、ゲートへの近道を引き返して、路地の入口まで戻ろうとする]
ー 下層区域 ・倉庫街 ー
……とにかく、……早く、探そうーーー……。
[キョロキョロと小さな子供を探しながら独り言のように、だが確かにトレインに向かって呟く。ふとそこに、先程情報拡散の協力をしてくれた(というか協力した)ゲイルが目に入る。 何かあったのだろうか]
……げぃ、『うひょおおおおおおおお!?』
[声をかけようとしたら目の前で滑っていった。>>22
その手の審査員がいたら満場一致で10点を出しているような見事な滑りだった。]
………。
[足元を見る。自分の作ったスケートリンク>>0:388。そのままキレイに滑っていく。]
………。 はやく、探しに、いこう…。
[見なかったことにした。青年は基本的に事なかれ主義だった。]
ー 下層区域・どこか ー
[青年は少年を探しながら歩く。背が低いから少し下を見ていれば見つかるという、割と安直な考え。]
[青年は、イギー探しに目的を集中しているため…、どこかでトレインとはぐれてしまった可能性はあるかもしれない。
トレインから声をかければ流石にトレインのそばを離れるようなことはしないが。]
(…トレインに、イギーと、会わせる…。)
(……なにか、わかると、いいんだけど……。)
[そう考えながら、ぼんやりトレインも意識しながら、少年を探して歩き続けた**]
[体温上昇・心拍数増加。
簡易測定/恐怖反応]
[手を引かれるまま>>25に歩く]
[その歩みが一度距離を詰め、腕に寄り添うように]
[行き交う者達の群れ>>0:296>>0:317の中、男女の寄り添いのトレース]
[一度片手を男の背中に撫でるようにあてた。
離されない限りは、そのように歩んでいくだろう*]
[胸の震えが止まらない。
腕に寄り添われれば、混乱状態に陥りかけた。
叱られた子供が逃げ場を探すように、視線が彷徨うが、チリチリと首筋の毛は逆立てば、鼓動は耳を聾するばかりに感じられて]
……、…の……(やさ しい)
[背中に手が撫でるように触れられた時にも、強く心臓が打つ。
同時に、優しい、という思いが湧き上がった。
噛み殺した呻きのようなものが漏れ、それでも漸く、路地を抜け、薄暗い場所から脱した]
[胸中は人知れず震えていたが、体ごと震える程では無かったかもしれない]
ここから…… スラム少し通って
下層の道に出る……から……
[声の震えはそのままだったが。
何処か現実感の無いまま、下層に出るまで少しの間、スラムを歩くこととなる*]
/*よく考えるとセーガは異常体温の持ち主(多分最低でも体温30度は下回ってる。下手すると20度を下回るかもしれない)なんだけどそれって機械生命体側から見るとどう映ってるんだろ
―回想―
[ゲートの傍まで来て、子供を降ろしたあたり、
>>17女の声が誰かを呼ぶのが聞こえる。
顔を上げたと同時、子供はその方向へ駆け出した。
どうやら、ジンというのは子供の名前だろう。
それを眺め、息をつく。迎えに来る者がいるのなら、大丈夫だろう。
そうして、そのまま、一見すれば本当に何事もないように、
怪我を気にする様子もなく、そのまま二人を通り過ぎ、ドームへ帰ろうとし、]
……っでっ!!
[腕を引っ掴まれれば、思わず声をあげる。]
ちょっ、ばっ!!なにす…
[振り返り、その手を引き離そうと、自身の腕を引くが、
女の手が触れた場所に熱を感じ、傷が癒やされていく。]
頼んでねぇし、ほっといても治るだろ。
[放おっておくのはよくないからな。その言葉にそう返しながら、今度は立ち去ろうとはせず、その場に留まり、その顔を見る。]
…ウィル。
[名前を告げられれば、出かける時に、唐突に妹からつけられたばかりの名前を名乗る。]
礼も何もさ。
[軽く目を逸し、少し、考え、また目を見て、]
治しただろ。
[そう言って、後頭部を押されている子供に視線をうつし、]
あんま無茶苦茶してんじゃねぇぞ。
[そう言って、頭から手が離れたなら、ジンという子供の頭をぐしゃりとし、すぐに離し、そのまま、その場を後にするだろう。]
[ちなみに、男は生まれも育ちもスラムであり、
飯もすっかりスラムのもので馴染み、ゴミのような飯であろうと、なんでも食える、というよりは、
それが食い物はそういうものだと思っているのだが、
甘いものだけは、すこぶる駄目なようで、もし、リルから再会後なり、クッキーというものを受け取ることがあったのなら、一口目で、むせ返る様子を見ることもあったかもしれない。]
―回想 出会いから数年後(今から5年前)―
[そして、数年が経ち、あの事件が置きた。]
……あぁ。なんだっけ?
[そう言うのは、目の前の。
数年前に出会った人物に対して。]
リタ?リル?だっけ?
警察かよ。
[そういって、笑う。男は妹が死んでも、取り乱すようなことも、泣くようなこともなかった。
ただリタを前にしたとき、少しばかり表情の変化があった。視線が動き、どうしたら、良いか未だ分からないような、時折固まったような表情。
深い関わりもなく、それであって、たった一回出会ったというだけの、その僅かな接点があったからだろう。
ヴェスの前では、普通とまではいかないものの、
そういった様子は見せなかっただろう。]
[ここに帰還するまでは、"クレイグ"という名前だった。
その後、名乗ったのは"スティーブ"。]
スラムじゃ、よくあることだろ。
それが、ノーマだったってだけで。
[『ノーマ』それが、最後の名前だった。]
……
[そうして、渡されたのは、発信機らしい。]
……警察、は関わりたくねぇんだけど。
[彼女が、何を思って渡したかは、分からない。
ただ、男からすれば、警察との関わりを増やすことにほかならず。しかし、突っ返すこともしなかった。そこまで、頭が回らなかった。]
……んで。
[別れ際に、小さく。
呟き、口を閉ざす。
なんで、どうして、死んだんだ。
そんな疑問。
それは、今でも。
本当は、知りたい、と。
しかし、それを口にすることは、ないだろう。]
[結局、男がその発信機を使うことは一度もなく、
それでも男がそれを捨てることもなかった。
それからは、たまにスラムに顔を出すリルと時折顔を合わせることもあり、来る度に、げっ、という顔は見せるものの、
それなりに付き合いは続いている*]
/*
ヴェス、タリアに侵蝕されてません……?
ヴェスと敵対面白そうだなとは思ってたけど、
スティーブ、大丈夫かよ…
/*
ちょっ、まっ、
そんな通信機持ってて、しかも警察に知り合いいて、お前なんで、セーガ警察んとこ行かせてんだよ!!!!
[なお、どうして、警察の人間に繋がるという術を持っていて、セーガに上層へ行かせたのかといえば、
その通信機の存在をすっかり忘れていたのと、
リルが警察であることが、男の頭からすっぽり抜けていた、のかもしれない*]
─ 回想・5年前 ─
リルだよ。
去年入ったんだ、治癒士としてだけどね。
[名前の確認>>34に怒ることもなく名を告げる。
1度会った切りだったのだ、欠片でも覚えていてくれただけでも僥倖だろう。
妹が死んだと言うのに笑うスティーブ。
けれどリルを見た時、その表情に僅かながらの変化を見た]
(…笑うことで己を保ってるのか?)
[指摘こそしなかったが、そんな推測をして。
表情の変化は、警察機構に知る顔がいたせいだろうか。
それとも何か、揺らぐものでもあったか。
僅かな変化だけでは測り得なかった]
[スラムではよくあること>>35、と言われてしまうと否定出来なかった。
実際その通りで、裏のありなしに関わらずこの手のことは多い。
だが仕方が無いと割り切れるかと言えば、そうではないとも思った]
そう言うな。
何かあった時には便利だぞ。
[警察と関わりたくなさそうなスティーブに、そんな風に返して少し笑う。
頼れ、と。
言葉にしたところで、今はそれどころじゃないかもしれないし、久々に再会した己を易々と頼れもしないだろうし。
だからせめて、接点になるようなものを渡して相手の様子を見ようと、発信機を渡した。
使われないのなら、それはそれで別の支えがあると言うことだろうから、それで良い]
[リルは、孤児院にいた経歴から、手の届く範囲にいる者には手を差し伸べたいと考える人間だった]
[別れ際の小さな声>>36。
反応するようにスティーブを見遣るが、問う声は終ぞ発されなかった]
…………
[リルも問い返すようなことはせず、ただ、彼の背を擦るようにして触れてからその場を離れた。
現場に携われる位置に行きたいと思い始めたのは、その事件を経験してのこと*]
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