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流れ者 ギルバート は 医師 ヴィンセント に投票した。
双子 リック は 学生 ラッセル に投票した。
修道女 ステラ は 吟遊詩人 コーネリアス に投票した。
冒険家 ナサニエル は 村長 アーノルド に投票した。
吟遊詩人 コーネリアス は 村長 アーノルド に投票した。
学生 ラッセル は 修道女 ステラ に投票した。
書生 ハーヴェイ は 村長 アーノルド に投票した。
牧童 トビー は 学生 ラッセル に投票した。
村長 アーノルド は お尋ね者 クインジー に投票した。
見習い看護婦 ニーナ は 吟遊詩人 コーネリアス に投票した。
お尋ね者 クインジー は 村長 アーノルド に投票した。
医師 ヴィンセント は 村長 アーノルド に投票した。
村長 アーノルド は村人達の手により処刑された。
冒険家 ナサニエル は、双子 リック を占った。
次の日の朝、冒険家 ナサニエル が無残な姿で発見された。
《★霊》 村長 アーノルド は 人間 のようだ。
現在の生存者は、流れ者 ギルバート、双子 リック、修道女 ステラ、吟遊詩人 コーネリアス、学生 ラッセル、書生 ハーヴェイ、牧童 トビー、見習い看護婦 ニーナ、お尋ね者 クインジー、医師 ヴィンセント の 10 名。
修道女 ステラは、流れ者 ギルバート を能力(襲う)の対象に選びました。
[白い腕を覆う幾重もの重なる色合い、その徴の意味するところは。]
だが、お前という器は無窮ではない。
お前の器が途方もなく巨(おお)きくとも、みやこに溢れる穢れ全てを収めんとしたとて収めきれるものではない……
話に聞くお前の主は本当にみやこを守護し奉らんとしてお前を作ったのか。
おれは……
[そこまで畳み掛けたところで。
ふと己の落ち着きを喪った様に気付いたのか。
きつく寄せた眉を開き、大きく息を吐く。]
……いかんな。
どうもひとの善意というものが信じられぬらしい。おれは。
…そなたも、どうぞご無事で。
[彼の法師に促されるままに、狐は垣根の外へと身を隠しておりました。
禍々しき気配は、己には辛いものでもあったので。
ふと見上げた空、落つるはふたつのほうきぼし。
狐は思わず、高い声で鳴くのです。
袂に収めた彼の笛には、ぴしりと亀裂が入っておりました。]
―大殿邸・庭、門近く―
……検分はお済ですか?
[陰のある細いおとこに、声をかける。
薄笑み、己と似たような笑みだろうか。分からない。]
…あぁ、嗚呼。何方が彼の御方を。
[件の笛を胸に擁き、はらはらと涙を零すのです。]
あの御方へのご恩は、未だ返せて居らぬというのに。
あの御方の笛の音を、未だ聞けておらぬというのに。
──大殿の屋敷・中庭──
[白藤に声を掛けられ、おとこは困ったように色褪せた薄茶の髪を掻いた。]
…いやあ。
検分は、むしろ中将どののお勤めでしょう。
わたしは、ただ。葬儀の手はずを。
血がつながるか繋がらぬかは兎も角、大殿を悼む屋敷の者や、身内のものがおられましょうゆえ。
[身内のものと云ったところで、おとこはおのれの兄を見た。]
──屋敷の外──
[空に星の流れたを、鳶尾が見たわけでは無かった。
ただ、星の引く尾の消えたあと、するすると立ち込める黒雲を見た。
いかにも不穏な雲は、さりとて雨を降らそうとするであなく、頭上に立ち込めては陽を遮り、不吉に影を落として広げる。]
鳴き声…?
[高い鳴き声。
狐の物と分かっていたが、何故こんな所で?
そう思ったのか、辺りを見回してみる。
しかし、其の鳴き声の主は見当たらず…
見えるは空を見上げる白藤の姿]
…?
[同じように空を見上げれば、見えるは二つのほうき星]
お前は、純粋な式らしい。
余分なものが無い。簡素で、しかも力づよい。
お前を生み出した理由は何にせよ、
[と苦笑しつつ一旦開いた眉根は。
すぐさまにまた寄せられた。
邸の塀のすぐ外から響き渡る、狐の鳴声。高く。
その声の方へと顔を向けると、みきり、と音がしそうなほど深く、皺というより溝が眉間に刻まれた。]
…人が悲しみを恨みと為すのは、このような時で御座いましょうか。
[よくして頂いたこと、いやそれだけではありませんでした。
ずっと焦がれていたのです。
あの笛のあるじは、どのような素晴らしい御方なのだろうと。]
[空へ向けていた視線と顔を永漂へと戻し]
……そうですな。
手はずを整えてくださり、ありがとうございます。
屋敷のものも、多少は心が慰められるでしょう。
[少しの間、眼を閉じる。
――次に開いたとき、見えたのは 兄 を見る 弟。
剣呑な、奇妙な空気
そして何よりもあの空が酷く不安にさせる。
星が 落ちる。]
[目が暗い所為で、先刻までは兄の傍にいるかれが汐であることがわからなかった。
おとこはゆっくりと庭を歩いていった。おとこと兄の距離が近づいたゆえに、汐のことも認識する事ができたのだった。]
[そちらへと足を向けたところで、気が付いたように黒白の式に振り返り、]
……来るか?
[端然と座り居る式──未だその名付けられたる名を知らず──に寂びた声を掛けた。]
[影居の厳しさを秘めた横顔は 先(せん)の緩みはなく
鍛え上げた鋼の心 よく研ぎ錬られた刀であった
妖狐の鳴く声に そちらへと顔を向ける]
お尋ね者 クインジーは、流れ者 ギルバート を能力(襲う)の対象に選びました。
…汐どの。
薬師のあなたも来られていたのか。
なにやら巻き込んでしまったような心地がして、申し訳ないねえ。
[遠くで 犬の鳴き声がきこえた気がした。]
[けれども、まばたきをしたおとこの耳に正しく届いたのは、狐の声だった。]
…葛木?
[案じるようにささやいた声は、低く響かず。
空をみあげても星の光は暗い目ではうまくみることが出来なかった。おとこは困ったような表情のまま、近くの兄へ、そして汐に、白藤に顔を向けた。]
──空になにが、見えますか?
─故大殿邸の庭─
[緩みの無い足取りで、真っ直ぐに外に通じる門へと向かう。]
鳶尾──
[己に従う式の名を呼べば、その顔は決然と。]
…此は…不吉、と言うべきなのかな?
[落ちる星。
視線を下ろし、禿の髪を掻く。
ふと、法師の言葉に目を瞬かせるが]
…何。私は白藤の兄さんに話を聞きに来ていたのですが、ね。
巻き込まれ…てるのかはよく分かりませんが。
法師様は悪くはないでしょう…恐らく。
[緩く首を横に振った。
顎に手をやると、法師を見やる目を細め。
白藤の言葉に、小さく頷いた]
[御簾の中までもどこからか狐の鳴く声が聞こえてきて、御簾の外を見つめ]
狐の声のように聞こえましたけども。
この京の中でそんな声を聞くなどとは。
[どこか不吉なものを感じて、わずかに身震いする]
[遠い呼び声──それは単純に知覚できる範囲での声というものでは無かったかも知れないが、
喚びつけられ、はたと我に返る。
一度、邸内に溜るものたちの顔を見て
門の横へ黙って控えた]
修道女 ステラは、吟遊詩人 コーネリアス を投票先に選びました。
[垣根の脇へとへたりこんで、ゆるゆると頭を振るのです。
笛は、彼の方より預かりし件の笛は、
口を寄せ、息を吹き込もうとも、二度と歌おうとはしないのでした。]
─故大殿邸門前─
[足を止め、門の横に控える己が式にちらりと視線を送る。]
急いで行かねばならん。
間に合わない──だろうが、それでも。
[元来気難しい顔だが、今はそれが凶相とも見えるほど険しい顔つきになっていた。]
──先んじて向かいましょうか。
それともすぐにもお運びしますか。
[今度は無我──識の視線を感じながらもその顔へ目を向けず、短く応えた。
健脚である主と人ならざるものものの道行き、徒歩で進んだところで大した時間は掛かるまいが。]
[門へと向かう影居らが見える。
険しい――酷く険しい顔だった。]
……
[それが伝染したかのように、眉間に皺が寄ったまま。]
凶兆だな。
[呟いた。]
わたしは目が暗いのでね…
星の光は、明るいものだけ、滲んでみえるのだけども。
…おつる星か
──見えなかったな。
[兄からすこし顔を背け、白藤と汐に、困ったような笑みを浮かべたままで呟いた。]
[ゆるゆると車は進み、やがて中将の邸へと辿り着く]
なにやら、お騒がしいご様子。
何か、あったのでしょうか。
[御簾を上げて若宮が降りれば、後ろを付いていくつもりで女房の手を取る]
……そうでしたか。
気づかず、申し訳なく。
[おとこの目元の影、それゆえだろうかと思いながら見つめ]
――遠い、ですからな。
すぐに、きえてしまった。
[茫とした目は焦点は結ばずに広い視野――否。理へ向いているようでもある
主のみへといらえる式神――鳶尾は何処ぞに心を引っ掛けていたのか …あえて目を向けずに居るのは]
[門のところへ出てきた方々へ、人の姿をした狐は涙に濡れた面を上げるのです。]
行かれるのですか?彼の御方の所へ。
…凶兆が御座いました。おそらくは……。
[既に。との言葉は音にはならず。
握り締めた竜笛には、深い亀裂が入っております。]
…凶兆、か。
まぁ、兄さんの聴いたとおりの話であるならば…
[手は髪を掻きつつ。小さく息をつき…
法師の言葉には]
…それは不便…でしょうねぇ…
[もう一度天を仰ぐ。
しかし、白藤の言う通りほうき星は見えなくなっていた]
飛ばせ。
事は一刻を争う。
[きっぱりと命じ、自分は式に力与える禹歩(うほ)─本邦で行われる反閇の原型となった歩行術─を開始した。]
[短く断り、影居の肘の辺りへ手を添え]
[力を得てはいつも自分ひとりでするように
門前よりふい、と消え
おのが主の念ずる場所へ──]
−中将殿の屋敷への道−
[若宮様に同行し、中将殿の屋敷へと歩いていく最中]
・・・・・・匂い。厭な匂いがする。
[このような状況で若宮様の傍を離れるのは芳しくないのは承知している。だが間違いない。
これから向かう先に、何かある。
傍に他の従者もいる、今なら]
若宮様、大変申し訳ありませぬが、思うところある故某先行して中将殿のお屋敷へと参ります。どうかお許しを。
[少し間があった後、若宮様の小さい許可を頂き、中将殿の屋敷へと向かう]
[後をついていくに従い、血の臭いがきつくなってくる]
これは……。
(何でこんなに血の臭いが。誰が、やられたんだ? まさか、中将……が?)
[先へ付いているはずの、侍従の男の姿も見えず]
……。
[あの方角は]
橘の――屋敷だったかね。
[誰に聞くでもなく謂って、門の方へと歩いていく。
しろいきつねが泣いている。]
・・・・・・
[既に気が付いたときには、中将の頬は血にまみれ、自身は中将の体を貪る様にまさぐっていた。
局所をなめらかに、かつ強く刺激し、その反応を弄ぶ。
もう数刻後には潰える命を背負い、何も出来ずただ屈辱に塗れる姿を見ながら、富樫は激しく興奮していた。
これこそが理性を失うことで手に入れることの出来る快楽。これこそが己の中に蠢く欲望。死の気配と性欲に溺れ、最後に富樫は恍惚の表情で。
橘中将の四肢を喰らった]
いや、白藤どの。
謝られることは──
[こまったような笑みを二人に対して浮かべたまま、おとこはおのれを祓いを花山院の屋敷で行うてくれた陰陽師の「凶兆」と云う言葉を聞き、ふと何かを思いついたように汐に近づいた。]
この位の距離ならば──なんとか見えるのですよ。
[そのような言葉を続けながら、おとこが至近距離でじっと凝らしたように探っていたのは、大殿を内側より喰ろうた呪と化した野犬の気配。
天をあおいだ汐の首筋におとこは骨張った手をのばす。]
[乾いたおとこの手のひらが、そっと汐のうなじに触れた。]
・・……
(──獣はここにはない。)
ああ、失礼を。
汐どのは、形のよい 首をしておられる。
[薬師との出会いがそうであったゆえに、おとこは大殿を喰ろうた犬が、汐の元へもどり来る気配がないと云うそのことに安堵をおぼえたようだった。]
[おとこが基点となす場所は若宮の居る場所──
何となれば、怪異の起こりたる左大臣邸にこそ、若宮はおわします故に──]
−中将殿の私室−
・・・・・・これは、一体!?
[既に館の中は騒然としていた。混乱する従者を掻き分け、その私室へとたどり着いた富樫は、予感が的中していた事を察した]
な、なんと惨たらしい・・・・・・
[中将殿の体は切り裂かれ四散し、既に息絶えていた。まさに回りは血の池、さらに着衣は失われ弄ばれたような後もある。
胃の中からこみ上げてくるものを必死で止め、近くにある布を上から被せる]
この位…?
それほどまでに近づかねば見えぬとは…
[直ぐ傍まで来た法師に目を丸くしつつも。
其の目を見つめ…]
…!?
[目を瞬かせる。
項に何かが触れたためだった。
…声を上げなかったのは直ぐ傍に法師が居たからだったのだろう。
しかし、其の原因も法師だったのだが]
は、はぁ…首、ですか。
首を褒められた事は無かったですねぇ…
[自身でも首に手を当ててみて。
しかし、其の首が良い形をしているのかは分からず、首を傾げつつ]
──橘の中将の屋敷・廊下──
[急ぎとあらば礼も置き去りに門をも超え、中将の私室からはすこし離れた廊下へ──以前に来たからおおまかのつくりは識っていた]
[まだ血の匂いの届かぬ場所であれど、
慌しく動くものたちの気配は遠く近く感じる。]
[…白藤が行く先を見やる。
門へと向かう其の様子に、少し考えていたが]
…どうしたのです?
[声を掛けつつ。首に手をやりつつも後を追う]
[――穢れていた
血腥く 闇と紅を孕んで
幾つもの業(ごう)を 呪を 怨を その身に請けて
胎(なか)は たぽり たぽり と 巨きな穢れをおさめていた
ゆるりと繋がった刹那 跳ぶ一時の間に安倍影居に知れよう
その穢れは
一日や一月のものではあるまい
嗚呼もし その文を見たのが目の悪い花京院明輔という法師でなければ 既に半年を経た紙と墨の翳を知ったろうに]
一体何が起こったのだ!事を見たものはおらぬのか!
[部屋から出て、廊下の喧騒へと声を荒げる。だが混乱した者達はただこの状況から脱する為に叫び、そして混乱した様子で行き来するだけであった]
[門をくぐり、向かうは中将の寝所で、走る女房や従者らしき男たちから漏れる声を聞けば、中将のみに何かがあったことが判り]
……この、臭いは。
[進む足を止めて、若宮の裾を掴み]
若君様、行ってはなりませぬ。
お待ちを。
[行けば、若宮が気を落とすのは目に見えて、気を落とすだけでよいならまだ良いが、心神を喪失しなければ良いと]
─橘左大臣邸─
[基点となる場所を少し外し、勝手知ったる左大臣邸の適度な場所を到達点として結んだ。
いきなり邸内に出現したことになるが、幸い見咎める者も居らず。
ざわめく邸内の雰囲気を感じ取り、眦が吊り上がる。]
―大殿邸 門―
[首についての遣り取りは途切れ途切れにしか聞こえておらず。
泣くしろいおとこを見て眼を伏せた。]
……ひとが居たんでな。
[門が面する通りはひともまばらで、
ひどく寂しいものだった。
向いた先は星の落ちた方角のひとつ]
橘の屋敷――へ、ひとが集っているようだねぇ……。
[どうするか、と考える様子。
薄笑みは無く。]
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