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渇きの君 ザリチェ の役職希望が 占い師 に自動決定されました。
集会場は不信と不安がない交ぜになった奇妙な空気に満たされていた。
人狼なんて本当にいるのだろうか。
もしいるとすれば、あの旅のよそ者か。まさか、以前からの住人であるあいつが……
どうやらこの中には、村人が4人、人狼が2人、占い師が1人含まれているようだ。
あー、諸君、聞いてくれ。もう噂になっているようだが、まずいことになった。
この間の旅人が殺された件、やはり人狼の仕業のようだ。
当日、現場に出入りできたのは今ここにいる者で全部だ。
とにかく十分に注意してくれ。
自警団長 アーヴァインが「時間を進める」を選択しました
そうだな……塔にはもう戻らない。
そろそろ飽きてきたところだし、どうせ貰い物なのだし。
[僅かの間持ち物となる契約を結んだ、とある領主のことを思い出してほくそ笑む。
幾つか持っていた別荘の一つに仮初の愛人として彼を住まわせたかの領主は、その地位を保持するのも難しくなるほど魔力を無くし、遂には親族の一人に領土と爵位を奪われた。辺土へと落とされた元領主が今も生きているのか、それとも真の死を迎えたのか。彼にはもう興味のないことであったけれども。
その時、間違えようない銅鑼の音が、彼方より彼の耳に轟いた。]
変なの。
真剣にやるから「遊び」は愉しいんだよ。
[眼を細めて、笑みを形作った]
[琵琶の音色を覆い隠すように銅鑼の音が、五度]
[水もないのに、床を踏む小さな足が、ぴちゃと音を立てた]
アハ。
一緒に、「踊る」?
[誘うように、ゆるりとグラスを持ったままの手を上げた]
[弦の響きが広間に溶けて消える
その間際に]
――…。
[銅鑼が鳴る。
間違いなく 丁度、5つ。]
……始まったか。
[椅子から立ち上がると、腰に手をあて眼を細めた。
場の空気が変わったのは肌で感じ取れる。]
[響く琵琶の音に、唇が震える。
声ならぬ声――空気の波紋をそっと送った。]
[ぷわっ………ぱ、ぱ………]
[そっと吐息を泡にして――]
[銅鑼の音を耳元に感じ、顎をくいと上げて周囲を「みわたす」――目はうっすらと開いたままに。]
[殺気と覇気で、空気が揺れる。
ジュアンは肌にビリビリとそれを受け、毛穴の中に針が入るような心地を覚えた。]
…………………。
[琵琶を掻き鳴らす黒い爪の動きが、止まる。]
[確かに五つ、銅鑼の音が聴こえた。
翡翠色の地の先にある彼の館では、宦官の儀を終えたばかりの従僕が、クァルトゥスの帰りを待ちわびているはずだったが──]
――そうか。
[真剣に遊ぶから面白いと幼魔は謂う。
水音。
水の気配か、或いは。]
踊る か、
ステップは上手く踏めるのか?
[ウェスペルの言葉は、
からかい混じりに聞こえたかもしれない。]
……パーティの始まりですねぇ。
[銀糸の弦が、かれの身体と瑠璃色の琵琶に巻き付いた。瑠璃の頭部はかれの顔のすぐ近くに。そして、引き摺られても離れぬようにと、瑠璃の胴は2箇所で固定された。]
あー………
「音」、何もしなくても聴こえますねぇ……
[さらに目を細めて、笑う。]
[ろくでもない。
ウェスペルの憎々しげな呟きを背で聴きながら、ロネヴェは炎の壁を通り抜けた。脂の爆ぜるような音を立てる黒い炎は彼女を灼くことをしない。
その壁の向こう、ウェスペルが遠ざかってしまうと、炎も完全に消えた。]
本当に”可愛い。”
ねえ?
そう思わない?
――――何奴も此奴も。覗き見の好きなこと。
[ロネヴェの振り返った先、庭の片隅で火の手が上がり――]
[”候補者”の放った使い魔が、ロネヴェの手の中で炭化する頃。
銅鑼の音が彼女の耳に届いた。]
――少し、気が早かったみたい。
どうでもいいわね。そんなこと。
[使い魔の残骸はぼろぼろと、崩れ落ちた。
手指の煤を払う。]
上品なのは、苦手。
[手に力が篭められた。
硝子が割れ、皮膚が裂け、入り混じる緋と赤]
上手?
上手なら、教えて?
[欠けた問いかけ。
滴は地に落ちず、宙に留まる。
幾数もの、小さな丸い粒として]
[波紋が広がる如く、大気が波打った]
[彼が伯の居城を訪うことを拒んだのは、驕慢な自尊心の故ばかりではなく、彼の技が大勢を相手にするには向いていない、というのが最も大きな理由であった。
快楽の技は、一対一で用いるのがもっとも効果的な技であり、こんな序盤でそれ以上の手札を見せるつもりのない以上、ひとの多く集まる場所には行かぬのが賢いやり方というものだ。
彼は機嫌良く愛馬の首を軽く叩いた。]
来るぞ。
この己だけを目当てにやってくる輩が。
[ニクスとウィスペルのやりとりを「見て」、かれはすいと目を細めた。]
おやおや。
ニクスさんはダンスのお相手を見つけたでしょうか。
……よろしきことです。ええ。
悪いな。私は戻るより先に、
ヴァイイ伯の心臓と 愛とやらに殉じた銀の悪魔を喰らい──、得た力を試したい。
[何時の間にかクァルトゥスの右手には、彼の身の丈より更に大きな斧槍が握られていた。それは光届かぬ地の底で、クァルトゥスが自らを貫かせていた──あの槍だった。
馬は襤褸の様な外見に似合わぬ速さで、空を駆け抜けて行く。
風音に混じる聞き慣れた愛馬の嘶(いなな)きが、心地良くクァルトゥスの耳をくすぐった。]
少しは愉しめると良いな──
[ククク、と喉を鳴らすと、闇の獣はちらりと黒い眼を背の主に向けて、同意するように鼻を鳴らした。
魔と魔獣は更に速度を上げ、輝く雲海に突っ込んだ。]
[館の中からは、酷く凝縮された殺気、邪念、
交々の気配が波打ち、流れ、染み出しはじめている。
そうした空気を背に、ロネヴェは空へ手をかざす。
美しく整えた爪の先まで、煤が残っていないか確かめる為だ。
それから、口元に指を添えて思案する。
候補者のうちのどれほどかは解らないが、それらの集まる館へ入るべきか、彼らの潰し合うのを待つべきか。]
[節の目立つ武神の掌の内側で、斧槍が歓喜に震えていた。
クァルトゥスはまず最初に、名を良く知る悪魔騎士を狩りに行くつもりだったが、]
… …
[眉間に皺を寄せた。]
[混雑してきた屋敷を出て、ジュアンは外へと向かった。]
[コツリ、と歩くかれの足音――と、羽音。]
――ブウン――…
[――そして、頬にひとつ、傷跡。]
……どなたです?
[振り返ると、そこには無数の羽虫――その身は黒く、ギラギラした赤い目をし、牙と爪と臀部に鋭利さを持つ、言葉を知らぬ虫の群。そして――その虫たちの主の姿も。]
『よお、そこの細いの。』
――……はい。何でしょう?
[にこりと笑うかれの元に、黒い羽の群が襲いかかった。]
[聞き慣れぬ音が]
[声ならぬ声、
ちいさな泡沫が弾ける、かすかな吐息の様な音が届いた。]
─… 《候補者》か?
《候補者》――……
[ぽわ、ぽわ、ぽ、ぽ。
子どもの悪戯のように、空気の泡を送る。]
……だと、良いのですが。
なぁんて。
[笑むような「吐息」をそうっと送った。]
[滴り落ちるのは緋色。
それもまた液体だ。
黒い手袋に包まれた指先に淡く銀が編まれる]
生憎と、私は教えるのは不得手でな。
欲しければ盗み取れ。
[背は真っ直ぐに伸びている。
出で立ちも相俟って、ダンスの始まりを待つ者に見えただろう。
波紋が広がる、注視する。]
[エイのような飛魔は彼らの後を、一拍遅れて雲に飛び込む。
視界を遮る熱のない光の隧道を、夜色の魔獣の後姿を求めて一気に貫いた飛魔であったが、]
[突如として、輝雲の壁を破ってか黒い影が横合いから飛び出し、開いた顎に飛魔をがっきと銜えた。]
[次の刹那――…ざわざわざわと羽音がする場所の中心から、瑠璃色の球が浮かぶ。]
いけませんねぇ。
そんなに早すぎたら、あからさまにしょげた溜息ついちゃいますよ。聞きたくないって言ってもダメです。
[ザシュッ――…!
球の八方から瑠璃色の枝が一気に伸び、
ジュアンを取り巻く羽虫を次々に串刺しにしてゆく。
虫たちの哀れな断末魔と緑色の液体が飛び散り、大理石のテラスを思い色に染めた。]
どうするんですか?
こんなにたくさんの使い魔を一気に殺されちゃって。
[ジュアンは琵琶の頚を持ち、瑠璃色の傘をくるくると回す。
生気を失った虫がその動きに振り落とされ、ぼとりぼとりと地面に着地した。]
僕は笑った方がきっとあなたは救われますよね?
――…なぁんて。
[ヴァイイ伯の庭、屋敷を仰いでロネヴェは思案を巡らせる。
戦いがどれほど続くかは解らない。今すぐ雑魚の掃討へ力を使うことは、戦略的に考えてあまり得策とは思えない。
しかし、彼女は弱きものをいたぶる事は好きだった。悪魔の集まる中、己の力を誇示するという行為にも、酷く心惹かれた。
だが、いわゆる”露払い”に力を使うことは、己の品格を貶めるようにも思える。]
……。
[御馳走を前に、どれから食べようかと思案するような顔つきで、館の窓に時折映る影を眺めた。
煙が立つように、黒い影が視界へ割り込む。羽虫の群。何者かが交戦しているようだ。いまのところこちらへ攻撃しようとするものでは無さそうだが。]
さーて、誰でしょう。……なぁんて。
《候補者》さんなら、僕の姿は見たことあるかもしれませんねぇ。
[ぽ、ぽ、ぽ。吐息を送る。]
あなたこそ、誰でしょう?
声はよーく聞こえてくるのですが。ええと……
[小さく口元を弛めて、声の質を確かめる。
低く響く声。体躯はどのくらい……おそらく、己よりもはるかに大きな人間。喉を包む、首の筋肉の質量は。それから――…
――しかし確かに聞き覚えのある声だが、はっきりとした区別は付かないようだ。]
ああ、すみません。今ちょうど交戦中でして。
雑音が入ったので、一気に片づけますねー。
[瑠璃色が、羽虫を蹴散らす。
弱者の断末魔は耳に快い。
あの羽虫を使役していたものは、恐らくもう永くは保たないだろう。
ひとまずは弱者の滅びるところでも眺めてやろうと、ロネヴェは跳び、切り立つ庭石の上へ。
見ると、羽虫を蹴散らしたのは、ジュアンであるらしい。]
[黒の中に生まれる煌めきに、眼が弧を描く]
意地悪。
でも、その方が面白そうかな――
[続けようとした言葉は、耳に入る細かな羽音の連なりに止まった。
細い眉が顰められ、宙に留まっていた滴は制御を失って地に落ち、床を濡らす]
これだから、狭い場所も乾いた場所もキラいなんだ。
[視線を背後に向け、地を蹴って、跳ぶ。
軽やかに舞う身体は宙で回り、黒く縁取られた裾が蝶の羽のように広がった。片足で着地すれば硝子を背にする形になり、「パートナー」を見つめたまま]
興を削がれた。
[肘で窓を割る]
[闇馬は鋭い牙を飛魔の胴体に深く喰い込ませると、勢いのままに輝く雲を突き抜け、雲海の外へ飛び出した。
獣が駆け抜けた跡には、引き裂いた雲の尾が長く軌跡を描く。
馬上の淫魔はもがく飛魔を笑み含んで眺め遣る。]
覗き見でなく、じかに訪ねて来られよ。
何時でも歓んで迎えましょう……至高の快楽をもって。
[魔獣は首を一振りし、飛魔をバラバラに引き裂いた。]
[耳障りな羽虫の羽音、ウェスペルは眉を寄せた。
弾けた雫、地に染みていく。]
……此処は、其方が存分に踊れる
「舞台」ではないということだな。
[銀の霧を指先に纏わせながら、
空を舞う蝶の様な蒼の魔を見た。
ふわり、花びらの如く。]
それは、残念。
[砕けた硝子は光を反射してきらめいた。]
[けらけらと上がる嘲笑いには、たっぷりの毒と媚がまぶされている。
恐らくは飛魔の眼──視界を通じてその主にも、凄艶な嗤いが見えていた筈だ……飛魔が声にならぬ断末魔の喚きを残して息絶えるまで。
ふと、馬上の淫魔は頭を回らし、空と大地とを見渡した。]
あーもう。
こんなところで力を使うの勿体ないなぁ。
何で僕の所なんですか。
[瑠璃色の傘をくるりと回し]
弱そうだから……ですか?こまりましたねぇ……
[地を蹴り上げる]
それではお邪魔いたします。
[にこぉ、と笑うジュアンの手から、八方に広がった傘の「骨」がひとつの方向へと走り――…鋭い牙を突き立ててジュアンに飛びかかってきた「虫たちの主」の身体に、ざくりざくりと肉を割く音を立てて瑠璃色が突き刺さった。]
あー、僕、噛まれるの好きじゃないんですよ。痛いの嫌いだし。
牙の色って、怖いじゃないですか。綺麗な色にしましょうよ。
[抉るように、ジュアンは瑠璃色の傘の「骨」を何度も相手の肉の中に出しては入れる。そのたびに「虫たちの主」は使い魔たちと同じ緑色の飛沫と叫び声を上げ、大理石の上で身もだえている。やがてその息が切れたのか……「虫たちの主」は、タイルの上にどさりと崩れ落ちた。]
ダンスフロアには、不十分だもの。
[足下に散らばるひかり]
またの機会にしよう。
――銀の君、名は?
[かれの纏う色を眺め、問う]
[見えぬ相手に唇を歪め、眉を上げた。]
…成る程。
私が誰か知った上では無く。
誰にともなく、戯れに吐息を乗せた泡沫を送ってみたと言う所か。
お前が囁いている相手は、クァルトゥス。
魔槍のクァルトゥスだ。
[クックッと喉の奥で嗤う。
雑音、交戦と言う言葉に、]
──遊んでいるのか?
ならば、また暇になったら声を掛けるが良い。
随分と、奔放に踊る魔と見える。
ああ―――それでは、場を改めて、
次の機会に。
[ウェスペルは眼を細め、薄く笑んだようであった。]
私はウェスペル。
其方は。
ええ。気が向いた人が拾ってくれたらいいかなー…なんて。
クァルトゥスさんが拾ってくださったんですね、僕の泡。
ありがとうございます。
ああ、そうそう。こちらはジュアンです。
「瑠璃」に振り回されている、あのジュアン。
あ、遊びは終わりました。悲しいくらいにあっさりと。
せっかくのパーティなのだから、もーちょっとくらい遊びたかったんですけれど。まーでも、近くにただならぬ気配があるんで、これくらいでいいです。下手に手の内見せちゃったら、僕が損するだけですからねぇ。
――ニクス。
[花の咲くような、明るい笑顔で応える]
ウェスペル。
覚えておくよ。
今度は「盗ませて」貰う。
またね。
[窓辺から飛び立つ、夜の青と淡い白。
外に在る者に意識を向けることもなく駆け、
空気に溶けこむように、闇の中へと*消えた*]
[瑠璃色の傘を畳み、ブンブンと上下に振る。
おびただしい緑色の血と、瑠璃色にこびり付いた「虫」の肉片が雨のように降り注ぎ、べちゃりべちゃりと大理石の上に降りては奇妙な模様を作り上げる。]
ああー。あー……あー……もう……
[せっかくの一張羅である黒いロングタキシードに緑色の血が付着し、ジュアンはそれを左手でぱしぱしと取り払った。]
血の出ない方法って、無いものかなぁ……。
やんなっちゃうなぁ……
[瑠璃色の肌を垂れ落ちる緑の液体を指で拭うと、再び瑠璃を「琵琶」の形に戻してやった。]
村の設定が変更されました。
[そう遠く無い場所で何かが森に墜落する音が聴こえた。
左目は失われているが、クァルトゥスの両耳は悪く無いらしい。それが、バラバラにされた肉塊が、硬質な樹木の葉を叩く複数の音だと分かるのは、愛馬の嘶きと変わらぬほど聞き慣れた種類の音である所為だろう。]
遠からぬ場所、上空に悪魔が居る。
[クァルトゥスは、薄いくちびるを舐めた。]
[再び跳躍。
事切れ、くずおれた”虫たちの主”の骸の傍へと着地する。
風にドレスの裾が捲れ、いっとき顕わになったロネヴェの太股に、敗者の汚らしい色の体液が跳ねた。
琵琶を手にぼやくジュアンに]
素敵なショーだったわ。
[拍手の音を聞き、迷わずそちらの方へと視線を送る。]
ロネヴェさん。
……覗かれていたんですか。
[困ったような笑顔で、小さく首を傾げた。]
いえね、もうホント、瑠璃姫が抜けなくて。
何度も突き刺したら痛いとは思うんですが…致し方無いんです。
[あはは、と笑って一歩を踏み出すジュアンの足元には、肉の塊。それを知ってか知らずか、かれはぎゅむと肉塊を踏みつけた。]
ああっ!踏んじゃった。靴がー……
[大理石の上に、革靴のつま先をぐりぐりと押しつける。
緑色の同心円が大理石の上に描かれた。]
いえいえ。僕のは「素敵なショー」というほどのものでは。ロネヴェさんのダンスの方が、よほど美しいかと存じますよ。
――ニクスか。
[夜の気配がする。]
ああ、受けてたとう。
[溶ける蒼と白を見送ると、
ウェスペルは広間へと顔を向けた。]
……また、随分派手にやらかしたものだ。
[咎める色は全くなく、
寧ろ何処か愉快そうな響きを帯びた呟きである。
瑠璃が爆ぜ、また主の手中へと戻っていく。
近づきすぎた使い魔は
ウェスペルが通り過ぎるたび銀の針で
標本のように縫いとめられていた。]
覗きだなんて。
高みの見物よ。
[ジュアンの足で踏みしだかれる無惨な骸に少しだけ目を向けた]
ただの腰抜けと思っていたけれど、
案外良いセンス。
仕方ないなんて言い訳じゃ興が醒めてしまうわ?
ははは……高みの見物ですか。さすが。
じゃー僕は、さしずめ見せ物小屋のライオンですねぇ。
……や、ライオンっていうガラでもないですけれど。
センスがいいかどうかは判りません。
でも、「楽しんでいただけた」のなら、楽士としては光栄です。
[恭しく、一礼。]
……で、この方、どーなっちゃうんでしょうねぇ。
まさかこのまま放置、っていうわけにも。
こういうのを眺めるのがお好きな方もたくさんいらっしゃるでしょうけれど…ねぇ。
いいええ、ロネヴェさん。どういたしまして。
口づけ、ですか?
……ただの口づけならばお受けいたしますが。
[目を細めて、にこりと笑う。
瑠璃姫は身に寄せたまま。]
そんな残骸、魔物にでも啄まれるか、誰かに利用されるだけでしょう。
どうでも良いじゃない。
[ジュアンの微笑みに、ロネヴェも嗤って唇を舐めた。
力弱きものであれば溶かしてしまう酸の唾液が、ぬらりと光る。]
瑠璃のジュアン …─か。
[しゃべる声こそ記憶に残ってはいないが、ジュアンの名は以前から知っていた。槍で串刺しにされた者達の悲鳴と肉汁が飛ぶ戦場で、ジュアンは枇杷を抱いていた。その姿に、クァルトゥスは飄々として食えない男だと云う印象を持っていた。]
お前が、手の内を知られた程度で困るとも思えないが…。
[ジュアンは口ぶりからして、彼はヴァイイ伯の屋敷にでも居るのだろうと思われた。]
[ぺろり][ぺろり]
[唇を舐める音が、ジュアンの耳の中で二重に響く。]
……クァルトゥスさん。
僕、「耳」を舐められるのに弱いんですよ。
ほら、こんなに肌が泡立ってる。……なんて。
[くすくすと笑うジュアンの唇が、吐息の泡を生み出した。悪戯な視線を送り、クァルトゥスの「耳元」に吐息を放つ。]
あれ。そーですか。手の内が見られたら、次考えなくちゃいけないじゃないですか。僕にできることは限られているんで……。
でも、歴戦の戦士であるあなたに、そう言っていただけると嬉しいですねぇ。
ただの、口付けよ。
[無論、悪意と害意の籠もったものである。
ジュアンの頬に手を添え、彼を引き寄せようとしたとき]
[全くの不意に
孔が開いた。
黒い孔は、”虫たちの主”を音もなく飲み込み、消える。
撒き散らされ、同心円を描く体液だけが、そこへ何者かの存在があった証として残された。]
ロネヴェさんが僕にご褒美を下さるなんて、珍しいですね。
まあいいですけど……ね?
[己の頬に寄せられた手はそのままに、ロネヴェの唇をじっと見つめた瞬間――…大理石のタイルから一陣の風が吹き、ジュアンの前髪とインディゴブルーのマフラーが煽られた。]
[がばりと大きな「孔」が開き、哀れな羽虫と「虫たちの主」はその向こうに飲み込まれてゆく。]
[その様子を、ジュアンはただ黙って見ていた。]
[チリと首の産毛に触れるもの─送られた視線─がクァルトゥスを刺激したのか、ゆっくりと目を閉じた。]
耳が弱いなら、今度直接舐めてやろう。
[己の居る場所の近く、森に肉塊を散布させた近くの魔─ザリチェとはまだ知らぬ─の位置を探ろうとしながらも、低く擦れた囁きを泡に乗せて弾き返した。
すぐ傍に誰か《候補者》が居る状況で、のんびりと当てど無い遠話を続ける相手に、]
[黒い穴が。
貪欲に 堕ちたるものを 相応しい場所へ
誘う穴が開いた。]
……これが末路か、成程な。
[さして感慨もなく。
これから幾人もあの中へ叩き込まれるのだろう。
最後の1人になるまで]
おおー。すごいすごい。
[ロネヴェから身を離し、孔のあった場所を覗き込んだり、タイルの辺りをコンコンとノックしてみた。……が。もちろん、何も無い。]
あの方も…多分「後継者」の候補の方ですよねぇ。
もしああいう無惨な姿を見せたら……ってことですね。あはは。気を付けなくちゃ。
さて……と。一旦ここを離れなくちゃいけませんねぇ。
あの音と気配を知ったら、「後継者」候補の方がここをかぎつけるのは時間の問題です。
[己の身に瑠璃色の琵琶を引き寄せ、そこに付着した緑色を左指で拭い、にこにこ笑った。]
あーあ。
せっかくロネヴェさんの口づけがもらえると思ったのに、とんだ邪魔が入っちゃいましたねぇ。
もうそういうノリじゃなさそうだし、今回はお預けですね。
じゃー、次に機会があったら、よろしくお願いしますね?
[ジュアンは、ケラケラと笑うと、どこかへ*消え去った*]
[ケラケラと笑う声を止め、クァルトゥスの声がする方へと耳を傾けた。]
密約、ですか?この《後継者》選びの為の?
……面白そうですねぇ、そのお話。
[ジュアンは、そっと*目を細めた*]
[踵を返す。
黒が螺旋を描きながらウェスペルを包み
訪れたときのコートの形を成す。
裾が翻った。]
――それでは、よいダンスを踊ろう。
[此処に用はないとばかりに。
獲物を探すためにか。
かれは屋敷を後にしようと足を踏み出す。
ロネヴェと瑠璃の魔が戯れている様子に
矛先が向かないうちに――という思惑がなかったとは謂わないが。]
[一見無邪気に、タイルを叩く様子のジュアン。
琵琶を抱き寄せ笑う彼に]
そんなノリじゃないなんて。
いつでも構わないわ
でも……”姫”が嫉妬するでしょうから、
今度は置いてらっしゃい?
[ジュアンの姿が消えたあと。
ウェスペルのコートの裾が、歩き去るのを見――
それがすっかり視界から消えるまで目で追っていたが追うことはなく、
テラスから、ロネヴェの姿も*消える。*]
[ジュアンの反応に満足げに、]
そうだ、《密約》だ。
《候補者》が、五指に収まる人数になるまでの間、
──我々はお互いを殺めず、
──おのおのが知り得た《候補者》達の能力、情報の交換を行う。
と言う契約は、どうだ?
勿論、契約と云うからには、ただの口約束ではなく、代償を交換し、《契約》に背けぬ様お互いを縛る。私は契約に際して、相手の本体の一部をいただく事にしているが、
… ジュアン お前がそれで良いのならばだ──
[通常の肉体を持つ悪魔であれば、自ら抉り取った、利き腕の指、肩肉の一部、臓物のひとつ、鼓膜を含めた片耳。本体が楽器等であるならば、やはりそのボディの一部──程度が《契約》の代償にはふさわしいだろう。]
[クックッと声を漏らし、]
ただし、私の目玉と腕は勘弁してくれ。
…ご存知だろう、私には左目と左腕が無い。
[クァルトゥスの左目があった場所
──眼球の無い孔が、どくりと疼いた。
左腕、義手の表面、暗赤色が脈打つ様に蠢き、内側から軋む様な音が響いた。]
…見知った悪魔を、まずは串刺しにしてやろうと思ったが。
[近くの森に肉塊を散布させた悪魔は《候補者》だ。
お互いがこのままの速度でお互いの乗り物を走らせるならば、その《候補者》──ザリチェに先に出会うかもしれぬ。或いは、他の候補者が突如クァルトゥスの目の前にあらわれる可能性もある。
何故なら、すでに銅鑼は五度鳴らされ、始まりが告げられたのだから。
クァルトゥスは、未知の者へ意識を向けながら*愛馬を走らせた*。]
あはは、いいですよ。
1人で争うよりも、2人で争った方が楽しいですよねぇ。
どうにもならない御相手は、闇討ち使おうが毒盛ろうが、2人で襲おうが――…いいんですよね?だって、この「パーティ」の招待状には、「どうやって狩るか」の方法は書いてないから。
だから僕が困ってる時は、よろしくお願いしますねー。
あ……でも、お互いが「欲しい獲物」を狩る時は、邪魔しないようにしましょうね。
身体の一部……ですか。いいですよ。
できれば、瑠璃姫を傷つけたくは無いのですが。それでも良いですか?
では……
[右手の黒い爪が、自らの右目にザクリと突き立つ。血飛沫が闇空を舞い、インディゴブルーのマフラーと黒のロングタキシードの色が仄かに濃く染まる。]
[グジュリ、グジュリ。
右の眼球に繋がる視神経を鋭利な爪で切り、一度捻ってから、血に染まった眼球を外に出した。]
………これで良いですか?
[右目の瞼が落ち窪んだ男は、右半分の顔を真っ赤に染めて微笑んだ。]
ええと。僕は……そうですねぇ。
確かクァルトゥスさんは、目が青くないはずだから、目は要りません。
血の赤いのは嫌いだから欲しくないです。
あなたの身体の一部で、青い色ってありますか?あったらそれください。
なかったら……そうですねぇ。耳か性器でも戴ければ。ああ、別に僕は淫魔じゃあないですけどね。性器ちょんぎるのは面白いかなって。
[その時――不幸にも、蝙蝠のような姿をした哀れな悪魔が一匹飛来した。]
おや、あなた……綺麗な青い瞳をしてますねぇ。
申し訳ないんですけど、目、ください。
[瑠璃色の琵琶から4本の弦を繰り出し、蝙蝠の身体をがんじがらめに縛り付ける。弦の張りを急激に強め、憐れ蝙蝠は断末魔と共に肉を飛び散らせ――頭部以外の身体を全て失った。]
んー……と。
[右手の黒い爪が、蝙蝠の双の眼球を捕らえて抉る。ひとつは、己の右瞼の奥に。ジュアンはぱちぱちと瞬きをし、義眼を押し込めた。
そして、もうひとつは――…]
瑠璃姫――…新しい「青」をどうぞ。
[黒い爪で、取り出した眼球の「青」だけを掬い取り、瑠璃色の琵琶の胴に塗り付けた。]
――キロリ、キロリ。
[光って悦ぶ瑠璃姫の様子に微笑むジュアンは、要らぬ白目を何処ぞに*捨てた*]
ああ…
一対一の決闘で椅子を得よ、と言う決まりは無い。
そして、一に対し二。力の差で押し流すのが、最も確実で簡単な勝利の方法だ。
ジュアン、お前が危険な時は私が助けよう。
かわりに、私の死角をお前に頼もう。
…勿論。
お前が欲しい物を取る邪魔など、無粋はしないさ。
[「瑠璃姫を傷つけたくは無い」と言うジュアンの言葉に少し思案。]
・・…ジュアン
お前自身の身体が抜け殻で無いのなら、瑠璃姫で無くてかまわない。
不本意ながら、私にも差し出す事の出来ないモノがある…。
[クァルトゥスが、差し出す事の出来ないモノ。
それを知らずに間違った《契約》を結び、命を落とした銀色の悪魔を思い出し嗤った。]
お前が、青ばかりを集めている事も知っている。
では、
…私は、臓腑の青に誓う。
[クァルトゥスは斧槍を回転させ、己の脇腹に突き立てた。
槍先の鈎爪が男の身を引き裂き、器用に肝を抜き出した。激痛が馬上のクァルトゥスを襲うが、身を痙攣させながらも意に介した様子は無い。
クァルトゥスは噴き出したどす黒い血液で、魔法陣を描いた。]
今、──肝臓を送る。
[魔法陣は粘液質の音を立て、
漆黒の腕(かいな)となり、
クァルトゥスの肝を包み込み 中空に掻き消える。]
[遠隔地に居るジュアンの元へ、青く濡れた臓器が。
かわりに同じ腕によって、投げ捨てられたジュアンの眼球がクァルトゥスの元へ届け返された。]
“それ”は、お前の体内にでも入れておいてくれ。
…ああ、間違っても。
《契約》の証を捨てたり、瑠璃姫に喰わせるなよ、・・…ジュアン。
そうするのは、契約を破棄する時だ。
同様に、お前の目玉は暫し預からせてもらう。
[漆黒の腕が差し出すジュアンの血濡れた眼球を、摘んでくちびるに運んだ。ねろりと血の味を舌先で味わってから、クァルトゥスはジュアンの眼球を、肝を取り出した脇腹の*傷口に埋め込んだ*。]
[銀色の悪魔と戦った際に負傷でもあったのか、クァルトゥスの脇腹からは血が滲んでいた。
血の匂いに惹かれたのか、薄紅色に透き通る蝶の様な羽根を持った小さな下級の魔が、傷口に張り付いていた。
クァルトゥスは進行方向から紅の視線を逸らす事無く、脇腹から血を啜ろうとする妖精の様に美しい容貌の卑しい魔を、片手で握りつぶす。]
[ぴちゃり]
[クァルトゥスは、馬を止めた。]
・・…ジュアン
私にも、遊び相手が現れたようだ。
勿論、遠からず、
お前にも会いに行く──。
それまでに面白い事があれば、声を聴かせてくれ。
お前の声は、奇妙にそそる…
[囁きは泡沫と共に、ジュアンの耳元を愛撫する様に溶けて消えた。]
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