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[僕が行ってもいいの?という言葉に微笑む]
もちろん、いいに決まっているわ。
[可愛い坊やね、と付け加えホールで一緒にアップルパイを食べる]
飲み物は何がいいかしら?紅茶?ココア?
欲しいものが目の前に現れるわ。
[優雅な仕草で紅茶を淹れつつナタリーや一緒に来ているかもしれないメーフィエやキーラにも尋ねるだろう]
[ややこしい話は、あまり真面目に聞いていなかった
“聲”を話しているという自覚は、無い
そもそも人間、そんな事は出来ない
喋ろうともしていない
赤い夢、華やかな夢、マロースの色
なんとなく、言いたい事が伝わって
なんとなく、誰かの言葉が聞こえてくる
赤い夢
それは、心の中の、楽園という名の想い出]
[降り注ぐ、星
きらきら、きらきら
雪にも見えるそれは、でも冷たくないし、そもそも、触れない
そっと指を伸ばす
しゃらん、しゃらんと手を潜り抜けてゆく]
アリョールの魔法?
[魔法、魔法、魔法
幸せになる魔法、奇跡を起こす魔法
アリョールが使ったものではないけれども、勘違い]
良いな
私も、使いたい
人を不幸にする力なんか、要らないよ
人を幸せにする力が、欲しいよ
[“ガダルカ(占い師)”なんて、辛いだけでしょ?
人狼を糾弾するのも、妖精を駆逐するのも、悲しいだけでしょ?
今だけは、仲良しで――
いつまでも、仲良しでいられないとしても]
[きらきら、きらきら
舞い落ちる華、奇跡の雫
小さな事件、小さな想いが詰まった、五芒星の欠片
人が集まれば、人の想いが集まれば
そこが楽園になる
落ちる雫をホットミルクのカップに受け止めて
あたたかいミルクと一緒に、身体の奥底に流し込んだ
奇跡の味、幸せの味]
[レイスと、ダニール
別の人達
大人達の話に割って入るつもりは無く]
幸せの魔法、奇跡の魔法
人間も、狼も、おんなじだよ!
[ただ、そう、笑った]
― 物置 ―
さすがにここに、人はいないかぁ……
[そういえば、キーラと――
もうひとり、だれかと一緒に
此処へ入った事が、あっただろうか?]
[けれどこんなにこざっぱりした風景は
やはり見覚えがなくて。
うーん、と首を捻るばかり。]
[地下への入口を見つけたけれど
一人で降りるのは、ちょっとこわい。
興味があるにはあるけれど]
後でおねえちゃんに話してみようかな……
[他には特に珍しいものも発見できず
物置を後にして、
降り注ぐ銀の中、再びどこかへと。]
[ちなみに“クレーシャ”かもしれない疑惑の掛かっていたナタリーだが
話し方が違うので、却下されていた
それに“クレーシャ”よりも、ナタリーの方がずっと聡明そうだ、と
失礼な事を思ったのだった]
[ホールでアップルパイを貰って、齧る
甘い味が広がる
リディヤはもうどこかへ行ってしまったらしい]
えーと、イライダさん、だっけ?
幸せの魔法って、何だと思います?
[先程の星が、アリョールの起こしたものだ、と思い込んでいる
対抗してなんか起こしてやろう、なんて思う
些細なガキ大将精神だった
多分、悲惨な結末が待っている
やらかした、的な意味で]
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