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遅延メモが残されています。
誰かが寝たまま起きなかったみたい。
―――機械化連隊第三中隊の行方がわからなくなりました。
近隣で戦闘を行っていた友軍の情報によれば、突然湧き出した宇宙怪獣の群れへ突撃した直後、忽然とその姿を消した模様です。
新たな敵の出現を示唆する報告も多数上がっています。各員、十分に警戒するように。
しぶとい奴は改造人間 イル、泥棒 スコル、調達屋 ルッカ、魔法少女 エリー、機甲修理工 ユージィン、市長少女 明朱佳、訓練生 フェイト、少年 メガタ・テルオ、主席候補生 フラン・A・入坂 の 9 人だと思っておこう。
あ、先エリーの方の案内でもやっときますか。
そのぐらいの時間はあるだろうし。
[鉱石は量が少ないからすぐ終わるだろうと思って、
ひとまずエリーを一旦案内する。
…そも、魔力なんて見えないから自分にはどれも普通の鉱石だし。]
どう?少しは喜んでもらえた?
[開いたパラシュートで降下しながら、頭上の爆発を見上げる。ただ爆弾をぶつけるよりもよほどの質量が上乗せされた突撃だ。多少のダメージは期待できる]
…あんまりゆっくりはしてらんないわね。
[開いたパラシュートに気づかれただろうか。いくらかの宇宙海獣たちがこちらを標的として認めたようだ。
陣桜市の地表と地形、それから風向きを確認して]
ここと…それからこの辺ね。
[少女は、背のパラシュートの綱を、手にしたナイフで思い切りよく断ち切った。支えを失ったパラシュートは錐揉みしながら地表へ向けて加速度を増し]
…ッ…
[風に流され、鉄塔へと引っかかり]
…今っ!
[反動で揺れたところを、さらに少女にロープを断たれ、千切れ飛んだ拍子に、少女の体が放物線を描く。その先にあったのは]
知り合い……なのかなぁ?
[フェイト>>1:150の言葉に、小さく首を傾げる。
名前からピンとは来たものの、言葉を交わした記憶は多くはなかった。
それでも、意外な繋がりが嬉しくて、話を聞けるものなら聞きたかった]
あ、うん。そっちは任せてよ。
[と、エリー>>1:151に親指を立てて見せる。
元々彼女の商談に割り込むような形になってしまったし、と、彼女らが去っていくなら見送るだろう]
["事情"の言葉に、此方も口を閉じる。
続けざま、詳しいと尋ねられた言葉には]
ん?
おお、それなりにな。
[滅多に来ないとは言え、来ればその分も見て回るのが当たり前。言ってしまえば、先程も散々巡っていたのである、尋ねられればある程度は答える自信もあった。
トランクに視線を移してから、"クライアントの希望"とやらを告げられる。
思い当たる《パーツ》、そしてそれを取り扱う店は───]
《自動追尾》の《拡張版》みてえなモンって事、か。
[──少し考えれば、思い当たる節は幾つかあって]
値は張るかもしれんが、そう言うのを専門で取り扱ってる店は知ってる。
気の良い奴だし、尋ねれば色々答えてくれるだろうよ。
[其処で良いか?と尋ねた。
相手が着いて来る様なら、案内をするつもり]
…んー。
鉱石の魔力って、目で見たりして分からないの?
[もしそうできる魔法とかが有れば、
それらしき物探してくるのにと思いながら聞いてみた。
魔力もってる鉱石って、そこそこ便利そうだし。]
…まぁ、アタシは魔力使えないし魔力絡みの物扱えそうなのエリーちゃんしか知らないけど。
―― 詩論シティ上空 ――
[高く、速く――そして空の中で一度、停止する。
やはり。黒い数多の影に混ざって、捉えられたひとつの存在。
見慣れたジンロボよりは少しばかり小型の、見たことのない、その機体。
蒼を纏う螺旋。それを美しいと心は想い、それを忌々しいと胸の奥のパーツで思う。
錐揉み状に向かうそれが、虚空を電撃で彩ったように見えた。
電撃は、自分が扱ってきたものでも、ある]
ああ、癪だ……っ!
[その蒼を操る者が、誰なのか、まだ悪魔は知らない]
[高く、高く、未知の機体に追いつかんとばかりに舞い上がり。
そして、高度が同じくなった頃――けれど水平方向には距離を保った状態で――、両腕を黒い影の群れに向けて突き出す。
レーザー砲は、一極集中モードから散弾モードへと変化させて]
これが俺のサンダーだッ!!
[人の大きさをした青年は、無数の閃光の弾を放った]
あぁ、そうそう。
一応これ渡しておくわ。
[ポケットから取り出すのは、
手のひらサイズのトランシーバー。
何処にでも隠せそうなそれを、
ポンとエリーに投げて渡した。]
…や、他の人にも繋がるなら問題ないんだけどさ。
ソレ、アタシ直通で他に繋がらないんだわ。
―陣桜市・内部通路―
もしもし、あたしよ。気づいてると思うけど今戻ったわ。
こっちも至急市長室に向かうから、危機管理課の人間は手の空いてるとこから順次状況を報告しなさい。
まずは頭の上飛び回ってる連中から落とすわよっ!
[全身から水を滴らせながら、非常時用ハッチの内部に備え付けられた緊急ダイヤルで市庁舎と連絡を取る]
…ああ、それから。
ルッカから受け取った物資の運搬を担当して先発したすぐやる課の四班はもう着いてるわよね?
すぐに機関室の方に運び込ませて!
[簡単な指示だけ告げて、シェルター状の通路を駆け、少女は自らの市長室へと走った]
感知系の適正薄いのよね私。
解る人は解るんだけど、ね。後おおっぴらになってれば解るけど、精度としては杖媒体の方がいいのよ。
[だもんで、材料とか直接選ばないといけないんだよ、とルッカへ少し肩を落とした]
まー、もし適正があれば、開花させる事は可能よ?
……但し副作用はしんない。
[やってみる気ある?と真顔で聞いてみた]
[>>5泥棒のあげるパーツ名称に、微笑みを浮かべる。作った事はないが、扱ったことはある。
条件に対して、結果が早くかつ適切というのは、知識が多い証拠だろう。いい相手に再開出来たものだ]
高い物の方がいい。
すぐ壊れる安物を使い捨てるより、ちゃんとした本物を長く使う方が好みなんだ。なにせ、修理工だし。
[まさか、メイドの食事にするとは言えない。それらしい理由をあげた。
現金はないが、カードなら身につけている。金銭的な余裕はあった。3か月前まで、仕事を趣味にしてやってきたのだ]
案内を頼んでいいかな。
チップは……そうだな。修理一回無料ってあたりで。
おおう、ありがと。
[とりあえず、指で挟んで受け取れば服の中に入れておいた。
これで目立たないだろうし。]
まぁ、それでもいいんじゃ・・・ん?
[何か――”因子”に気づいたようにぽつりと。]
……何か妙ななにやらっぽいのに会った事ある?
なにやらってのも変だけど。
適性、かぁ…
何かむしろマイナス方向な気はするけど、
一応やってみようかな。
副作用とかは無いと思うし。
[正確に言うなら、思うと言うか思いたいと言うか。
適性ないならないで何事も無い事を願いながら、
とりあえずやってもらう事を決意した。]
会った事が有ると言うか、
アタシ自身が既に『妙ななにやら』と言うか。
基本人でないからねー、アタシ。
[笑いながら言う内容でも無いのだが、きっぱり言い切った。]
あ、一応言っとくとエリーちゃんとは畑違いだよ?
エリーちゃんは魔法畑、アタシ科学畑。
対極みたいな位置だし。
― 詩論シティ上空 ―
!?
[黒の群れを啼き声を上げさせ連続撃破。
バーニング・サンダーを回避した宇宙怪獣達が、
更に雷光の球弾で撃ち落されていく。]
後方より別のサンダー?
[フランがコックピット内で振り返る。
同じく『ウァテス・O・グノーシス』が振り返る。
閃光の弾は、無差別だ。フランは、グノーシスを操縦。
放たれる散弾を回避しながら、警戒を行う。
全天球モニタには周囲の光景が映し出されているが、そこに被さるように円形ウィンドウが現れ、”影”を拡大表示する。――蝙蝠の羽を持つ青年だ。]
―シームルグ内―
[充電の間、少しだけ顔を出しておこうと、背中を開いて]
入坂はなー…名前から言った方がいいか?
フラン・A・入坂。確か俺よか3つ年下なんだったかなー。
すげー可愛いんだぜ、そんでなんでもこなすと来たもんだ。
だからアカデミーでも人気が高くてさ?
それでいて近寄り難いって雰囲気でもなくってなー。
[両腕の接続端子からコードを外し、脚・腰とそれぞれからもコードを引き抜いて、ハニエルから降りてテルオに語り掛けている]
すげー奴なんだ、あいつは。
りょーかい、高い方って言うとアッチだな…。
──ま、俺も一緒だ、幾らか値引きは利くだろうよ。
[意外にも、(物理的な意味ではなく)横に広い顔、コミュニティ
案内を頼まれれば、応と一つ返事、快諾して]
──ああ、でも修理は間に合ってるからな。
悪ィが、自分のメンテは自分でやるってんが信条でね。
[相手のチップは、申し訳ないが、しれっと断っておいた。
連れ立って暫く、三人(?)が辿り着いたのはとある奥まった店]
あー、うん。そんじゃあまぁ。
意識を杖に集中してみて。魔力があれば、反応するから。
――我、古の盟約を引き継ぐ者なり
――我、世界を憂うものなり
――我――セカイを手にするモノ、エリーの名において命ずる。かの者の内に眠る力を起こしたまえ――。
[というわけで杖をルッカのおなか辺りに押し当て、むーん、と念じる。
さらにぶつぶつといつもの詠唱を小声で行い。探るように少しずつずらしていく、が――。まぁ、今回の場合は副作用は、恐らくなさそう、だ、が。
稀に魔力が大きすぎた場合等に暴走しだす事はあるだろうが]
そりゃ、私の言うなにやらとは違うなにやらかな。
っつーか、なんか生き物っぽい気配もかんじ・・・ないとおもったらそういうことなのね?
[あー、と納得する。]
するってーと。
『アイツ』の遺産とかなのかもしんないけど、まぁ、偶然……かな?
まぁいいや。畑違いってんなら多分違うだろうし。
んで、ルッカは『それ』の使い道って決めてあんの?
―市長室―
…なるほどね、確認できた新手は、機動性と耐弾性に優れた飛行タイプと、長い触腕を持った水棲タイプ、か。
[各部署から上がってきた報告に目を通し、呟く]
それから、実弾の残弾が…うん、これだけあれば十分ね。
[顔を上げ、市庁舎全館と陣桜市シェルター、防衛設備のすべてに通じるマイクを手に取った]
現時刻を以って新たに確認された飛行型の宇宙怪獣を“鳥”、水棲の宇宙怪獣を“イソギンチャク”と呼称するわ。
危機管理課A〜J班は対空火器で“イソギンチャク”の触腕を警戒して!
打倒する必要はないわ。現状維持を最優先!
まずは予定通り“鳥”から落とすわよ!
[僕得なチップだったが、さらりと交され、残念そうな表情を浮かべ、泥棒の後に着いて歩いた]
ジュリエットさん、だからつまみ食いはダメだってば。
トランクがいっぱいになっちゃうだろう? 今からご馳走あげるからね。
え? ティガーが食べたい? ダメだよ。この人、どっちがベースかは分からないけど……たぶん半分は生体パーツだ。
お腹壊しちゃうよ?
[割と物騒なことを、メイドとこそこそ話しながら]
[着ているスーツの接続部分に不具合が無いか確認しつつ、語り掛けは続く]
なんだったか俺はよく覚えてねーけど、最新型のジンロボのパイロット候補生でな。
……今も、出撃してるはずだ。
あいつは強い、だからあいつのいる所は大丈夫だ。
なんだけどさー?なんか心配なんだよ、こう。
完璧過ぎて大丈夫かー?ってそんな感じ。
[そんなの無ぇ?などと、緊張感の無い話をしているが
しばらくの後に再びコードを繋いで、すぐに機動出来るように顔だけ出してみる]
──奥まった店・電機屋《ニクス》──
──よ、俺だ。
お客を連れてきてやったぜ
[ぶっきらぼうに来客を歓迎する店主、歓迎している様には見えない相手に。
淡々と告げて、後ろの二人を前に出す。
店主は此方に寄ると、二人の要望を尋ねて。
──そう経たぬ内に、きっと、希望の《パーツ》は見つかるだろう]
―シームルグ内―
[スーツから顔を出したフェイト>>14の、横に並ぶようにして話を聞く]
フラン・A・入坂……?
[日本語と外国語の混じった、特徴的な名前。
瞬きを二、三度して]
あーーーーっ!!
[思わず、大声を上げてしまう]
思い出した、メカバトルの決勝で……。
相手が女の子だったから、びっくりしたんだっけ。
そういえば、今日の大会には来てなかったな……。
[最大にして唯一のライバルと目していただけに、一応その姿を探しはしたのだが。
移動手段が限られているだけに、余り期待はしていなかった]
[手ごたえ、あり。
あの機体が撃ち洩らした怪獣を、己が仕留めた。
歪む口許は笑みの形。その歪み方は正義の人間のそれではない。
そして、その歪みを形作るかんばせは――]
どうした。振り返っている暇は無い筈だが。
[普通の人間と同程度の声量が、機体に届くかは判らない。
いや、届かなくても構わない。言葉が意味を成すとは、思ってなかったから。
先程此方を振り返り、散弾を回避していた機体。
その機体に向けるかのような形で、今、右腕の砲を突き出す]
― 詩論シティ上空 ―
[フランの視界端で、嵐雲のような宇宙怪獣の群れが、こちらへまた向かい始めているのが見えた。どうやら、一部の注意を惹き、引き付ける事が出来たようだ。]
次が来た!!!
ここは生身だと危ないよ!
[フランの良く通る声が、ジンロボの拡声器を通して空に響く。]
わたしが食い止めるから、早く逃げて!
[背面の兵装格納箇所から、エピノイア・ライフルを取り出す。
ジンロボの手を通して蒼い光が充電され、ブリッドが装填された。]
魔力があれば、かぁ…
[目をつぶって意識を杖に集中してみるも、
暴走以前にぴくりとも反応しなくて。]
…むー…やー、はー、たー、とー
[掛け声で気合いを入れたりしても、
やっぱり反応しなかった。]
危機管理課KからO班は、複数の銃座による同時砲火を試して見て。爆縮の効果を見るわ。
P班以下は虎の子の徹甲弾の使用を許可。でも直接“鳥”は狙っちゃだめよ。確実に仕留められる“羽蟲”から狙いなさい。
すぐやる課の待機人員は対地放水による“蟲”のけん制、可能なら掃討を行って。
機関室は即刻KIAIエンジンの整備。
ダイシチョーの姿勢制御が可能になった時点で連絡入れなさい。
以上、各員作業にかかって!ここが正念場よ!
そうだよね、メカマリオンの操縦だって……。
[すげー、の言葉に、遠くを見ながら呟く。
評価を最後まで語りはしなかったが、表情には悔しさが浮かんだ]
そういえば、フランは今――
え、ジンロボ?
[と、フェイトの言葉>>19に驚きを見せる]
そっか。フランはジンロボに乗ってたんだ。
それで、もう――出撃するようになったんだね。
[今日初めて戦場に出た、訓練など何一つ受けていない少年とは大違いだった。
メカバトルの大会で見掛けた時よりずっと、遠くに行ってしまったような気がする]
完璧過ぎて……か。
[彼女の凄さが想像の向こう側に行ってしまって、視線は天井を彷徨った]
……からっきしってのも珍しい気もするけど……
[んー?と若干首を傾げるが、そんなものだろうか、と杖を彼女のお腹から離し、ふぅ、と一息]
……上手くいけば手し…とっと。
それじゃあ、まぁ。後は鉱石選んどくわね。
[ということで確認再開――まぁ、終われば外でがんばってる二人の方へと顔を出しにいく]
…ふっふっふ。
こうみえても、汎用アンドロイドの試作一号機…
なんだけど、バラされるの嫌で脱走したんだよね。アタシ。
[自慢しようと思ったが、
自慢出来るような経歴でもなくて。
微妙に残念でため息をついた。]
使い道、かぁ…
考えた事無かったね。
生きては無いけど、生きていけりゃ満足だし。
─電機屋<ニクス>─
ああ! シリウス製の回路がこんなにいい状態で?!
こっちは空唄社のアクチュエーターだ! すごい、もうどこにも置いてないのに!
……あっ、あっ! ジュリエットさんダメダメダメ、こんなところでコブラツイストだめだめだめ!
[メイドの凶器な両腕から逃れて、ひとつ咳払い]
……金額的には、ここまで出せる。
一番いいパーツをそろえて欲しい。
……紙ある?
性能としてはこの範囲、駆動器はこれで……、
[と、設計図を書いての説明を始める。
本当に作成するのは青年本人ではなくメイドだ。青年は彼女を最も生かすパーツを考案し、与えることが仕事。
結果、要求はややあやふやな所が残る。
その為に、知識のあるプロが必要だった]
[フランは、蝙蝠の羽と長い銀髪の青年の正体にまだ気付かない。
意識を割り振りきれない。]
こんな時、あの男の子がジンロボで一緒に戦ってくれてたら心強いんだろうな。
[フランが選んだ道は危険で、他の誰かを望まない危険に巻き込むつもりはなく本気の言葉ではなかった。
一つ下の少年、メカマリオン決勝戦で戦う筈だった相手を思い出すように独りごちる。]
なんて、ね!
[戦いに意識を集中させる。
全天球モニタに表示される光景に、素早く視線を巡らせる。]
馬鹿なことやってないで、ってば!
[『フラン・O・グノーシス』が、
青年へ向かい、エピノイア・ライフルを向ける。]
っち。魔力開花させてそこからパスつなげて洗脳しようとか思ってたのに、なんて3割の冗談は置いておいてよ。
アンドロイドっていうか脱走したんかい。
んー。…………私の下につくつもりはあるかしら?
[冷静に、最初は冗談交じりの口調で、その後は真顔のまま問いかけてみた]
割ともったいない。
邪魔者を消せる力だよ、それ?
まぁ見られたら、人類全部的にまわすけど。
[レンズアイを通して、シームルグ周辺を探りつつ]
つーかな、テルオだってすげーんだぞ。
あんなでけぇメガマリオンをその両手だけで動かしてんだろ?
ちょっとメカマリオンの事はよくわからねーけど、でかいってだけでも結構難儀するんじゃねえかなあ。
とにかく。
さっきのとかさ?よく投げられたなって思ったんだぜ。
俺だったら、また何かやらかしちまうんじゃないかって思って…多分、投げられねー。
[横に居るテルオ>>26の顔を覗き込み、ニッと笑って見せ]
お前も、きっと大丈夫だよ。
かっこいいんだろーなー、この地上でドカーンと駆け抜けるメガマリオンってよ。
そ、そんな事言われるほど才能無いの!?
[元から有ると思って居なかったが、
改めて言われると流石にへこむ。
暫く落ち込んでいたが、鉱石選びが再開すると手伝う事にした。
終わったら、機の状態を確認してからテルオの武器選びに付き合う予定で。]
もしもし市民生活課?
そっちはどう?
今回の戦闘は長引いてるけど、市民のみんなの様子は?
ちょっとの不調でも見逃しちゃだめよ。市民病院との連携を密にね。
ああ消防署長?そっちの人員もすぐやる課のサポートに回してもらえる?基本的には三分隊を一組として行動させて。水源の確保や送水だけでも担当してもらえたらかなり楽になるはずよ。
けど、くれぐれも無理させないように、警戒を怠らせないで。
[戦闘に直接関わらない部署へもそれぞれ指示を飛ばしながら、外部を写すモニターを確認して先刻出した指示の効果を確かめる。同時砲火による爆縮効果はいまいち効き目が薄そうではあったが、“羽蟲”への攻撃は予想通り。爆酸した羽蟲から飛び散る体液が、“鳥”の表面を焼いていた。
そして、待ちに待っていた報告が入る]
…機関室?そう、準備できたのね?
了解。そのままの状態を維持して待機なさい。
聞いて!危機管理課は全班今までの指示をいったん解除!
四班ごとに連携して、一斑が羽蟲を撃墜、体液で“鳥”の表皮が弱ったところへ同時砲火を浴びせてやりなさいっ!
この街を襲ったこと、連中にたっぷり後悔させてあげるのよっ!
……うん。コレで調べた相手がかなり少ないから比較でしかないけど。
[その中ではダントツでない、と言うか今までこの方法で調べた相手は何か反応があったりしたため、という比較の話でしかないが。
落ち込んでるところに悪いけど、と鉱石を選び、そのまま、表へ]
テルオー、交代っぽいよー。
[と呼びかけて]
うーん。
捨て駒とか解体とか無いなら、下についても良いかな?
あ、後対衝撃テストも。
…致命傷になるまでやるって、もうテストの意味無いでしょホント…
[過去のトラウマが出たらしく、
暫くぐちぐち暗いオーラを出していた。
…その辺りも脱走した理由だろうが。]
アタシは、とにかく「生きたい」だけだからね。
邪魔者消すために消す理由賭けてどうするの、って話よ、
[暫く様子を見ていると、其処には残念なドMが居ました。
しかし、残念な光景に、遠い目…にならずに、視線をメイドに向けて]
──禁忌《タブー》が、搭載されてねえ、のか…?
[驚いた顔で見つめる。
機械、そしてロボットには搭載されているであろう其は。
──けれど、目の前のメイドは現に、主人らしき相手をコブラツイストしていて
相手は驚いた顔に気付いたろうか、気付いた様子であれば、ストレートに尋ねてみるだろう。
気付かないのなら、そのまま暫くメイドの様子を見やる]
あいよ。まぁ、機械系くわしくないしそんな外道扱いはしないから安心して。
……因みに、詳しい事情聞きたい?
ルッカは聞いてもいいし、別に聞かなくてもいいよ?
[くすくす、と微笑みながら年不相応なドS系の笑みを浮かべ]
とにかく生存、ね。まぁそっちの目的ってーか理念はわかったわ。
[防御を捨てた一斉砲火で、“鳥”が一つ一つ撃ち落とされていく。やがて空が疎らに見え始め、上空からの攻撃はある程度の収まりが見えた。けれど、一斉砲火の代償に、すでに何本もの触腕が都市にへばりつき、進入を果たしている]
都市表層で活動してる人員は直ちに撤収!
最寄の安全索に体を固定しなさいっ!
総員耐衝撃用意ッ!
起動するわよっ!
[ だ ん っ ! ]
[少女の拳が巨大なスイッチを押し込んだ]
[>>35スコルの様子には、道具と店主への説明に夢中な青年の方は、全く気付かなかった。
メイドの方は気付いたが、全く指摘する理由がなかった。
ただ、捕食対象としての興味で、メイドはスコルに視線を向け、一拍遅れて、天使のような微笑みを浮かべた]
「何か御用ですか?」
え? そうかな?
[フェイト>>31に言われて、照れ半分戸惑い半分の表情を浮かべる]
さっきのはさ、何ていうか――やらなきゃダメだって思ったからさ。
でも、最初っからずっとそうなんだよ。
いきなりアリーナが怪獣に襲われて、オレがメガマリオン動かすしかないってなったから。
本当なら、オレよりもっとすげー操縦者がいるんじゃないかなって思う。
[言いながら、脳裏に浮かぶのは2つ上の少女の事だったのだが]
それでも、オレは強くなりたい。オレを助けてくれた人みたいさ。
そんで、メガマリオンのもっともっとかっこいい所見せてやるんだ!
[乗り越えないといけない壁はたくさんある。
メガマリオンの操縦者になってから今までに出会った人の事を思うと、自分には足りないものだらけの気がした。
それでも、青年の笑顔に勇気づけられたように、こちらも微笑み返した]
入坂って言えばさ――
[今の流れで思い出したか、もう一人の入坂――今日出会った青年の事が、口をついて出た。
しかしその言葉は途切れ、少年の表情が凍り付く。
視線は、フェイトの持ち物――壊れたレーザーガンに釘付けになっていた]
それ……どうしたの?
[妹の消息は、あれから全く耳に入れてこなかった。
利発で、自分よりも勉強もよくできて、メカマリオンの腕も結局彼女には適わなくて、将来の明るい妹だとは思っていたけれど。
まさか、こんなロボットのパイロットになっていたなんて、思いもしてない]
…………お前、フラン、なのか。
嘘、だろう。
[蒼褪めて、ふわりと舞い降りる高度を下げ。
その機体の後方を撃とうとしていた腕も、下げて。
はらり、そのまま下方へと落下を始めた]
詳しい事情?
んー、聞いてたほうが安全そうだし聞きたい。
[少なくとも扱いが酷くは無い、
という事を聞いて安心していたら気になる言葉が聞こえて、
好奇心から聞いてみる事にした。]
皆、その辺りはあまり変わらないと思うんだけどね。
少なくとも人は命より大事な物がある人も居るらしいけど、
アタシはまだそんなもの無いし。
まだ気を抜いちゃだめよっ!
総員、耐衝撃姿勢を維持してっ!
[全館通信により少女の声が響き渡る。少女の指示が、機関室に走る。機関室から、あからさまな不満の声が上がった。それを、少女が黙らせる]
いいからやんなさいっ!
連中を一網打尽にするならこれしかないのよっ!
[少女に怒鳴りつけられ、機関室が慌てて動作に戻る。
やがて、巨大な、巨大なダイシチョーの体は、揺らぎ、傾き、そして]
──お前さん、禁忌《タブー》が搭載されてねえのか?
[御用ですか?と尋ねられた相手に、ドストレート直球
遠慮する事も無かろうと、*問うてみる*]
[
だ
っ
っ
ぱ
ぁ
あ
あ
ん
…]
[巨体に相応の。高い、高い水柱を上げて、倒れこんだ。
おそらくそれは、遠く離れた都市からも見えるほどの、壮大な水飛沫を巻き上げて]
――まぁ、ぶっちゃけちゃおうか。
私の魔力、受け継いだものなんだわ。
ある意味だまし討ちで、ね。
”世界を手に入れること”を諦めると、次の人へと存在ごと移されちゃうってゆー。
てーことで、せかいせーふくの手伝いよろしくね?ほほほほほ!
[と、高笑いひとつ。いやまぁ小声でだけど。]
ちなみに、誰かに話したりしたら――。さっき因子は理解できたから、無理やりアクセスして門開くのでそのつもりで。
[とか、ブラフだか本気だか、解らないセリフをにこやかに]
命より、大事なもの――ないんだよね?
まぁ、今までのほかの継承者よりはマシな予定なんで、私。
さて、それはどーだろな。
メガマリオンがお前を選んだのかも知れねーぞ?
そう考えたら…落ち込んだりしてらんねえよなあ。
[自分に限ってはそうは思えないので、少し後ろめたい気持ちにはなったが笑って誤魔化して冗談をひとつ]
おう、どんどんカッコ良いとこ見せてくれ!
俺はその周りを飛んで撮影してっから。
…で、これか?
さっき俺が墜落した時に、誰かがどっかに飛んでった跡に落ちてたんだけどよ。
ホラ、お前の真ん前に立ってた奴…覚えてねえ?
多分そいつ。
忘れ物かと思って一応持って来た。
[そこでエリーから声を掛けられるのを見て>>34
行かなくて大丈夫か?と言うようにテルオの表情を伺った]
……たぶん、地球上でできる最大規模の質量攻撃よ。
これに耐えられるんだったら、今日まで人類は生き延びてこられなかったわね。
[半ばさかさまになった市長室で、そんなことを呟いた。
事実、群がっていた宇宙怪獣のほとんどは、その一撃によって潰されるか、さもなくば振り落とされて逃げ散っていただろう。
ここでの戦闘は、勝利といってよさそうだった]
って、ちょ……!
[行く先であがった巨大な音と水しぶきに、目を丸く。]
……ていうかなんかたおれてない、あれ?負けてる?
[自分から倒れる攻撃と判断できず、倒れたのは敗北したせいだろうか、と迎撃するために都市方面を一回眺めなおした]
うわ、ひどっ。
何て言うか、アタシより扱い酷くない?
その仕組み。
[自分は少なくとも幸福じゃ無かった
(幸福なら逃げてない)
と思っていたが、エリーの立場はそれ以上に酷くて。]
ま、話す相手も居ないからそこは安心して良いと思うよ。
…市長さんみたいに、捨て身で守る物も無いんだから。
[後半は、聞き取れるかどうかも分から無い声で呟いた。]
メガマリオンが……?
[そう言われて>>50、思わずメガマリオンのある方向を振り返る]
って、撮影って!
[冗談めかした言葉に、思わず手でばしんと叩く素振り。
しかし話がレーザーガンの事に移ると、途端に表情が暗くなる]
そっか、やっぱりそうだよな……。見覚えがあったから。
ううん、忘れる訳がないや。
オレを助けてくれたレーザーだもん。
[明らかに壊れているそれを、痛ましげに見詰める]
どうにか直せないかな、それ……。
それが、太古から続いてきたみたいでね?
……正直私で終わらせたいわけよ。
しかも、気を抜きすぎると、今までの妄執に影響を受けて……ほーっほほほほ!
…まただわ。
[はぁ、とため息つきつつ、高笑いする自分に、肩を落とし]
まぁ、そんなわけで、ヨロシク頼む、わ。
[聞こえてるのか聞こえてないのか、肩落として呟いた]
[と、エリーに呼ばれた事を指摘され、今いくよーを返事を返す。
それから、もう一度フェイトに向き直り]
さっき、フランの話を聞かせてもらったけどさ。
もう一人、入坂って名前の知り合いがいるんだ。
それが――そのレーザーガンの、持ち主。
[それだけ言い残し、エリーに呼ばれた方向へ駆けていった**]
え? こうもり……?
[と、エリー>>52の話に引き戻されるように立ち止まり]
そういえば、改造人間……って言ってたけど……。
[ヒーローのようだった彼の姿と、似つかわしくない蝙蝠の羽。
どこか不吉な予感がしたけれど、ゆっくり考えている暇もなさそうだと、次の行動を急いだ**]
「搭載しておりません」
[>>47どストレートな質問に、メイドに擬態した武器は、どストレートに答えた]
「補足いたします。
「タブー」が、いわゆる『安全性、命令への服従、自己防衛』の3条に集約される事項ならば、それはいづれも私の主目的ではありません」
[微笑みと共にメイドは、「武器」としては当たり前だが、「ロボット」としては欠陥レッテル間違いなしの事実を言い放った。
ようやっと店主との会話から、意識を外した青年が、困ったような微笑みを、泥棒に向けている。
事実、青年は困っていた。ジュリエットに生体パーツを分解吸収させた場合について、まだ未確認事項が多かったので]
おにっ…
[此処から戦線離脱は出来ない。
『ウェテス・O・グノーシス』が伸ばそうとした手は握り締められ、青年に背を向ける。でも、円形ウィンドウには青年を映したままで。]
おにいちゃん、だよね?
[エーテル配給量が揺れる。
その原因とも言える青年の体が揺らぎ傾ぎ、
落下を始めるのを見た。]
くっ……う、わああああああああああああああ!!!!!
[CAC4複雑モデルの表示が、全天球モニタと二重になって映る。
手に持つエピノイア・ライフルに押し込められるエーテルが過剰となるが、それだけではジンロボの武器は壊れない。]
『ウァテス・O・グノーシス』!!!最大供給!!!!
[体が燃えるように熱くなる。触れれば火傷するかのような熱さ。]
チャァァァァジ、ショォォォォ――――ッット!!!!!
[ライフルから放つエーテル・ブリッドを放つ。
ブリッドすらも、エピノイア・リングを跡に残し、三つの巨大な弾が宇宙怪獣達へ向けて放たれた。その結果を確認完了しきらないまま、『ウァテス・O・グノーシス』は急降下を行う!!!]
改造人間、ね。
…………まさかとは思うけど……ま、いってらっしゃい。
[何か思うふしをみせながらも、テルオの前では口に出さずに見送って。]
……フェイト。ソイツのことだけどさ。どっかの怪人で蝙蝠羽を生やした……のがいたらしいけど、まぁ一応覚えといて。
[昔シェルターで聞いた覚えのあるうわさ程度だが。耳に入れて置いて損はないだろう、と告げておいた]
[急降下を行いながら、『ウァテス・O・グノーシス』の胸部が開かれ、球型コックピットが顕になる。風圧やその他を考えれば、自殺行為とも言える行動だった。]
おに―――、ちゃ――――――
[風を切り、蝙蝠の羽を持つ青年に迫る。
エーテルに満ちたコックピットが開かれ、勢いを落とすように青年と同じ速度に同期させグノーシスの掌で受け止めてから、コックピットに迎え入れようとする。
コックピットのフランは両手を差し出し、青年の体を抱きしめようと]
機関室?体勢の立て直し、頼むわね。
市民生活課は他の課も動員して市民の状況を確認して。
危機管理課は二班一組になって表層の状況確認に当たりなさい。もしも宇宙怪獣の生き残りを発見したら、まずは報告を入れてから対処すること。
すぐやる課の人員は危機管理課の連絡補助に当たって頂戴。
頼んだわよ。
[事後処理をそれぞれの担当部署に指示して、マイクを切った。そこでようやく、機械化連隊第三中隊消息不明の報に気がついた]
よそもどこもおんなじか…
こりゃしばらく忙しくなりそうね…
[すでにフェイトから伝え聞いていたことだが、やはりどこも事態は深刻であるらしい。呟いてため息をついたが、その顔に悲観は欠片もない]
まぁ、どんな危機がこようと、あたしはあたしの街を守るだけよ。
さてっと…
[外部への通信回線に電話を繋ぎ、記憶をたどって回線を開く。繋いだ先は、フェイトから受け取ったもの、ルッカから聞いたもの、それにエリーに渡したものの三つだ]
もしもし?あたし。明朱佳よ。
こっちは大体一段落ってとこね。
まだ後片付けにちょっと時間かかるけど、いつでも来てくれてかまわないわよ。
到着前に一報入れて。じゃあ、待ってるわね。
以上、通信おしまい。
[幾分気の抜けた声で報告めいた連絡を送る。そして、市長室の椅子にもたれかかった。ほんの少しの間だけ、休憩したって罰は当たらないだろう**]
[一方、エリーの驚いた声>>53に慌ててハニエルに飛び込み
視界を広げて見たものの]
な、んだありゃ。
でけー……なんだ、メガマリオンと張れるかそれ以上?
うおおお…なんつ水柱。
てぇか、あっち行かなくて大丈夫なんか…?
[拡大、更に拡大と視界を限界まで広げると見えるだろう倒れた巨大な何かを見つめながら、エリーから続けて告げられた言葉>>61を記録しておいた。]
怪人か…仮にそいつがそうだったとして。
一旦はテルオを庇おうとしてたみたいだし、その割には何も言わずにどっか行っちまった。
――何か言えないような事情があるんかねえ。
まあ、その辺はまた会う事があるんなら尋ねてみるかな!
[カラカラと女性の声で能天気に。
それでもひとつの情報としてはしっかりと留めておくのだった。**]
世界を手に入れたら終わるんだよね?
それ。
[既に呪いの類としか思えない言葉にそんな呟きが漏れる。
世界の次は宇宙、とか言われたら手に負えないし。]
こちらこそよろしく頼むよ?
「ご主人様」。
[何処まで状態で、何処からが本気なのか。
それが分からないから不安な一言を呟いて操縦せきへ歩いて行った。]
[そういえば、さっき市長から貰った連絡装置、テルオに渡したままだった事に、首にかかる重みがなくて気づく。]
とりあえず、連絡とか、誰か取れない?つか、終わったみたいだけども……
あ、起きてる。
[水しぶきが上がった方向をみやり、少し様子を見るも……どうやら負けたと思ったが、勝っていた様だ。
……ならば、と口の中で呟く。一度首を振って]
あー。フェイト、一応かったっぽいよ?起きてるし。
後は連絡とかあればいいんだけど――。
[と、都市の法は一応大丈夫かな、とフェイトへと視線送り]
……あー、うわさでは過去形だった気がするし、どうなんだろうなぁ……
ま、遭遇したらでいっか。
[うん、とうなづけば。しばし周りを確認し、……そっと胸元の宝石へと視線を移した。そこには変わらない緑の輝きがあり――。]
誰も達成してないけど、多分それで終わると思う、よ?
[というかまごうことなく呪いの類である、と思う。
確証はないが、ソレで終わってくれ、と思う気持ちでいっぱいだった]
ん、よろしくね?
[ようやく、本当の意味でほっと一息つけて、――警戒へと戻っていく]
[名前を呼ぶ声が聞こえては、いなかったけれど。
結理人、と。おにいちゃん、と。そう呼ぶ声が、脳裏に鮮やかに響いてくる。
それが、辛くて、けれど]
[ぼんやりと、遠いながらも今度は確かに、弾丸の音が聞こえてきた。
それらが何処に向かったのかは、判らない。
けれど一瞬、とても淡く口許が緩んで――]
…………え、
[そして気が付けば機械の硬さを微かに背に感じて、目をぱちりと開けた。
その少女が差し出した両腕に、自分の体が収まった。
抗う様子もなく、コックピットと思しき内部へと迎え入れられる青年は、ただ、瞬いて]
……馬鹿。
なんで、今、俺に、構う。
目の前に敵が、居るだろうに。
[《敵》が何なのか、誰なのか、口にしないまま。
その目から、涙のような人工の液体を零した**]
おにいちゃん!
[フランは、ジンロボバイザーを跳ね上げて、
グローブに覆われたままの両腕で入坂結理人を抱きしめる。]
おにいちゃん…、良かった……生きてた。
ううん、ずっと生きてるって、信じてた。
[強く抱きしめたから、フランの手にはグローブ越しに蝙蝠の羽の根元の感触が伝わっていた。反対に、入坂結理人にはフランの体の熱さが伝わっているだろう。]
馬鹿でも、いいよ。
[フランは、入坂結理人の涙をグローブを付けたまま拭う。
フラン自身の目元からも涙が零れた。]
少し、我慢してて。
[軽快な音でコックピットが閉じ、胸部に格納される。
CAC4は、CAC3との間をランダムに揺れ動き、不安定だった。]
おにいちゃん、わたしの後ろに乗っていて。
すぐ、片付けるから。
[全天球モニタには、宇宙怪獣の姿。]
おにいちゃんは敵じゃない。
わたしが、知ってる。
[フランは両グローブを引く。『ウァテス・O・グノーシス』は引きつけた宇宙怪獣の一団を光の点とすべく再度飛翔した―――!**]
[はぁ、とため息を、ついた。]
……さ。…………”セカイを手に入れ”にいきましょーか。
[小さく、小さく呟いた。誰ともなしに。風に、紛れるように。
シームルグが陣桜市についたら――]
[はぁ、とため息を、ついた。]
…………この状況、宇宙怪獣にさらに色々と便乗もありえるわよね。
なら――――――
……ま、仮定の話はしなくていいか。
しっかし、残ってる”セカイ”…つか人類圏ってどのくらいなんだか。
[風に消えるように呟き、シームルグの到着を待つ**]
[補体であるトランクが、パーツ屋の店内商品をあらかた「食う」と同時に、青年は機甲としてのジュリエットを起動させた。
「メイドとトランク」という、精々150kgという質量制限を超えた変形・再構成が行われる]
[今まで、ジュリエットは、「機甲」として目指すべき形は、あくまで「人が纏う」物だと定義していた。しかし、市長の乗るジンロボの戦闘を分析・学習することによって、それでは強さに限界があると結論した。
その彼女が導き出した答えは、「支援機」の制作と……]
「サイズ」の見直し、か。
[5m級の動く鋼鉄は、パーツ屋の建屋を、たやすく破壊した]
[返ってきたのは、どストレートな返答。
"あってはいけない"ソレに、驚きを隠すこともせず。
──更に、と補足されたソレは、自身の予想していなかった返答であった]
──主目的じゃねえ…?
お前さん、まさか──!!
[店内の空気が不穏を纏ったのを、見逃す筈も無かった。
店主と話していた筈の相手は、此方の様子を見て、困った様な、そんな顔で微笑んでいる。
──どうやら、相手の態度を見る限り、自身の予想は当たっているのだろう]
[瓦礫を払いのけ、青年たちは空の下へ出た。後に着き従うのは、飛行能力がない機甲本体を補うための、戦闘機型の支援機だ]
[青年は、自分が「纏う」新しい機甲を確認した。カラーリングは以前と同じ青と銀。装甲自体は数と装飾を減らし、ややスマートになった感がある。代わりに各部の単体硬度をあげ、より衝撃に耐える形へ変わっている。
背を伸ばすと、建物の屋根上に頭が出る。が、20mを基準とするジンロボ級と比較すると、まだまだ小型である。
しかし、あくまで「装着」が主体である機甲は、これ以上のサイズ肥大化は難しい。「機甲」ではなくなってしまうからだ。
それがゆえのぎりぎりの妥協点]
<指示系統:全確認。各部動作異常なし。
支援機リンク:オールグリーン>
[メイドは青年より早く深く、自身の進化をチェック完了し、確かに完成が近づいていると結論した。
後はそれが間違いでないことを再確認するために、──戦闘だ]
なるほど。
──武器のお嬢ちゃんと、修理工兼《使い手》の兄ちゃん、か。
[確信したソレを、相手に向け、言葉として吐きかける
目の前では、既に相手が《武器》としての彼女を展開していて──]
口封じって訳かい。
やれやれ、面倒な事ばっかりだ。
──だが、これはこれで面白えや。
[目の前で変貌を起こす《武器》
そしてその傍に立つ相手に睨む様な視線を、投げた]
──出て来い《相棒》!
出番だぜ、目の前の《ガラクタ》を食い潰すッ!!
[店から距離を置き、相手と対峙するその時。
呼びかけに反応し、《相棒》は手から《分離》し、狼の姿をとった。
おまけと言わんばかりに、敢えて聞こえる様に叫んだその言葉は、相手の《彼女》を侮蔑する言葉]
[対峙する影、それは既に先程のメイドの姿とは遠く離れた、姿。
先程の"煽り"は相手をうまく挑発する事が出来たか、どうか。
──結果はともあれ、目の前のソレ、そしてその周りを飛ぶ戦闘機を見やる]
[混乱の渦中にあるとはいえ、仮にも首都で暴れるのは利口ではない。が、嬉々として戦闘準備をするジュリエットを止めるほど、青年は野暮ではない]
やれやれ。
ティガーには恩が一個あるんだけどね……。まあ、僕のジュリエットさんを侮辱した罪で、帳消しでいいか。
[眼下の半機械人を見降ろし、背部に収納していた機槍を起動させる。今までと同じ構造を、サイズを2.5倍に引き延ばした物だ]
じゃあ、始めようか、ティガー。
[──相手のサイズ的に、自身から近寄るのは良策では無い。
しかし、自身含め、搭載されている遠距離系の攻撃も、多い訳では無く。
思考をめぐらせる隅、届いた声に視線をずらせば、其処に見えるは]
──げっ。
[──槍。
獲物のサイズ、相手のサイズ、その両方で、不利な状況がどんどん積み重なってゆく。
──けれども]
──吼えろ、唸れ《相棒》
《ハウリング》、大型のスピーカーから発せられた巨大な音。 そう響かぬ内に、ソレはスピーカーの出力を超え、響き、ノイズとなるだろう]
──。
[ロボットなれば、ほぼ全ての機体は《ハウリング》ひとつで制御を失うだろうが──
──様子見は続く、果たして効果はあっただろうか。
退く事はまだ、考えていない]
…いや、ツッコミも無しはちょっと悲しいんだけどねー。
ま、下に着くんだからご主人様で合ってるっちゃ合ってるけど。
[一息ついているらしきエリーに小さくツッコミを入れる。
…終わるかどうかが不安と言う現実は、敢えて考えない事にした。
信じればなんとかなるだろう。魔法ってそう言う物らしいし。
...が魔法に関して色々勘違いしている事を、エリーはまだ多分知らない。]
…世界征服、かぁ…
基本子供が見る夢らしいけど…アタシが見ても良いのかね?
[通信では無く口で呟いた言葉は、たぶん誰にも聞こえなかっただろう。]
[武器選びに付き合う前に状況を確認しておこうと、
コックピットに入って見たのは大きな水柱>>49。]
…海底火山でも噴火したの?アレ。
あ、なんかロボがある。
………うわ、シームルグよりでかいんじゃないかなあれ…
[暫くあっけに取られて巨大ロボットを見て居たら、
市長からの通信>>64が来た。
確認したい事は幾つかあったが、最優先で聞きたいのは…]
着陸場所、そのロボの上で良いの?
あ、後だいぶ近くまで来たよ。
ロボまでなら後2,3時間で着きそう。
[コックピットの無線機でそう告げてから、とりあえずテルオの武器選びを手伝う事にした。
固まってて忘れかけてたし。]
[相手には飛行形態があるはずだが、いまだそれは見せず]
人前では、人間の振りをしていたいのかな?
それは悪いことをしちゃったね。……手加減はしないけど。
[相手の支援機らしき物から、放たれるのは、大音声の音波攻撃。……しかし、それはすでに、市長の攻撃から学習しているもので]
生体をほぼ傷つけずに、メカへのダウンを狙った攻撃。
市長と同じ、優しい人のようだね。……けれども。
<戦闘に置いては、ぬるいと形容するのが適切でしょう>
[集音センサーの感度を下げれば、表面装甲の共鳴は、不快だが無視できる。
お返しにと機槍を振るう。
巨大化したが為に緩慢に感じられる動作……実際は、穂先が真空を斬る早さでもって、建物ごとなぎ払った]
―― 上空では ――
[跳ね上げられたバイザーから覗く少女の顔は、紛れもなく、記憶の中のかんばせ。
否、記憶の中よりも……少し大人びてさえ見えた。
あれからまだ一年しか、経ってないというのに]
フラン、……っ。
[「良かった」「生きててくれてた」と返そうとした言葉は、胸の痛みに遮られて出てこない。
その痛みは強く抱きしめられたからという訳ではなく、
絆されるなとでも言わんばかりにざわめく胸のパーツの所為]
[そしてその手は、異形の翼の根元に触れていた。
人間の肌に近い、けれど決して同一ではない奇妙な感触の翼。
グローブ越しの手が当たったその箇所が、疼く]
……あまり、触れる、な。
[そう言いながらも結局拒まなかったのは、フランの身体の熱さが分かったから。
その熱さが、いとおしいとも、また思うことができたのだ。
スーツ越しに、その鼓動まで伝わってくる気さえした。
もう、自分にはない、人が生まれ持った心臓の鼓動――]
[こんな変わり果てた姿を家族に見られること、望んでいなかった]
[そう、あの日、空からの異変が切欠で。
人間・入坂結理人は死んだのだと、思っていた]
[けれど、それでも彼女は。
まだ、たった一人のおにいちゃん、と言ってくれる]
何で、お前が謝る。
何で、お前が泣く。
なん、で。
[拭われた後の目元もまた、ひりりと熱く感じられて]
本当に、馬鹿だ。
……ああ、分かった。
とっととその馬鹿みたいな力で撃ち落として来い。
[球の内側で、その不安定さを感じながらも、羽を閉じて膝をつく。
前方のフランが、引きつけていた怪獣の一団と対峙する。
何故か、グローブを引くその姿を見た時に、ふいに思う。
大会の中継に映っていた妹も、こんな風に凛々しく見えたのだったか、なんて]
[その時彼女と戦う筈だった少年は、《ヒーロー》と言った。
そして、彼女その人は、《敵》じゃないと言った。
そのふたりは、どちらも、自分を《悪》でないと教えてくれるような言葉を掛けてくれた]
…………。
[その時、身体の奥の《なにか》のパーツ、が。
今一番すぐ近くにいるフランを、何かから《ふせごう》とするように、微かに震えた。
実際にそれが何を事として起こすのか、自分でもまだ判らない]
[未だ胸の内で燻る昏い感触と。
背中のパーツに覚えた感覚の漠然とした不安と。
微かに、けれど確かに心に灯った光がないまぜになって。
飛翔する機体の中で、フランと、天球とに、瞳を向けていた**]
[相手の言葉にぐっと息を飲む。
振りをしていた訳ではない、ただ、細々しいこの場で飛ぶのは明らかな悪手。
そんな中、続けて放たれた、"ぬるい"の言葉に]
──煩えよ。
掛かって来い、ガキとガラクタ。
[──自分の中で、何かが外れた、気がした。
《ハウリング》を早々に止めると、振るわれた槍を伏せて避ける。
薙ぎ払われた建物をちらりと見て]
成程な。
[──刹那、振り切るその時を狙い、懐に飛び込もうと跳躍
相手の足元で再び跳躍すると、《彼女》の眼前を通過する程高く飛び上がった。
狙うは《メインカメラ》が搭載されているあろう顔の部分。
掴んで捻じ切ろうと、相手の顔面部へ、手を伸ばそうとする]
― 詩論シティ上空 ―
[最後の「記憶の中のまま」のおにいちゃんの姿。
蝙蝠の羽と銀髪と、記憶の中とは随分変わってしまった所もあったけれど今は細かい事には構っていられなかった。]
だって、今は、本当は宇宙怪獣に集中しなくちゃいけなかったから。
[どうして謝ると言われればそう言って。]
ううん。
[両目を瞑る。それから、目を開いて、視線を落とす。]
おにいちゃんが救えなかったら、わたしは後悔した。
おにいちゃんが救えなくて、皆を助けられなくて、
何が【人類救済級ロボット兵器】のパイロットなんだって。
おにいちゃんも、皆も、全部、全部、救ってみせる!!!!!
[『ウァテス・O・グノーシス』の両眼が、エーテルの光で溢れる!**]
[機槍にも、改良を加えたのだろう。いっそ小気味良いほど、砕け散っていく建物。
逃げ出す人々に、ごめんね、と小さく詫びて]
ジュリエットさん、このサイズ小回り効かないよ。
ロボやパワードスーツ相手に、速さと細やかさで攻めるのが、僕らのスタイルだったじゃない?
<では、ご主人様はクビです>
いやあ、このサイズいいね! 素晴らしいね!
さすがジュリエットさん! 最強機甲!!
スコルなんか、ひと捻りだよ!!
[どっちが真の主人か解りやすい、いつもの会話をしつつ、スコルが近づくのを許す。新しいオモチャの試し打ちをしたくて]
おいで、支援機M-1、M-2、M-3!
威力小で、数をバラまけ! 掃射!
[自傷を恐れない攻撃は、やはり市長から学習したもの]
[巨大化した分、感覚が鈍くなっている。
単純馬力や攻撃力、防御力は上がったものの、この方向で進化を続けるなら、機甲を修理機として運用する夢は実現不可能だろう。
戦闘に集中しながらも、意識のどこかで青年は残念に思う]
(もう機甲「修理工」とは名乗れないな……。機甲「戦闘兵」とかの方が正しいかも。
……でも。
ジュリエットさんがそれを望むなら、叶えることが、僕の目的であり、全てだ!)
[鈍い痛みが走る、しかし、腕の力を緩めるには至らない]
──《喰らえ》。
[短く、けれどはっきりとした指示は《相棒》へ届き。
支援機のひとつへ、《喰らう》べく、口を開いた状態で飛び掛っていく。
一方の自身は、伸ばした手で相手の顔面部を掴み。
捻じ切ってしまおうと、捻りと力を加えようと──。
捻じ切れても防がれても、一度、距離を開けようと試みようとするだろう]
あらら……効いてない?
これは甘く見たね。サイボーグってより、アンドロイドか。生体パーツは割と少なそう。
[内部スクリーンの内、メインカメラが捕える中央画像に、スコルが大写しになる。直後、その画像が黒く死んで]
なかなか巧いね。
大質量相手との戦いを心得てる。
……が、僕ら4ツ目なんだ>>0:84。ごめんね?
[正確には、4台のカメラは向いている方向が違うので、首を動かしての前方確認が必要となる。だが、それを親切に言ってやる義理はない]
……M-1! 相手の支援機を引き付けて自爆!
M-2・M-3は、ターゲットへ、より上位の攻撃を許可する! 撃ち落とせ!
[外部への音声を閉じてから、支援機へ指示を出す。自身も、スコルに距離を離させず、槍を短く持って小回りが効くように応用し、突くのではなく振るう]
[無事に頭部は捻じ切れた様で。
しかし、告げられた衝撃の事実と、距離を開ける所作を阻害する様に振るわれる槍。
そして、指示の中に聞こえた、"爆発"の言葉]
──《撤退》
[着地して直ぐに指示一つ、《相棒》は自身の左腕へ、《パーツ》となって戻る。
しかし、幾らか爆発の被害は受けていたらしい、思ったよりも損傷部位が見えていた。]
[距離を置くことの出来ない場所。
激しくなる弾幕、振るわれる槍、両方を完璧に避けきるのは不可能──。
──ならば、と。
巨体の足の間を抜けて背後へ、《彼女》の足へ手を掛け、転ばせようと試みる。
果たして、それで巨体を転等させる事は出来たろうか]
おや? 自爆攻撃が読まれたみたいだね。
ジュリエットさん、回線か音漏れかに注意して。
……というか、ずいぶん大事にしてるんだね、あの支援機。
パーツなんて、切り捨てるときは切り捨て……、、あの、ジュリエットさん? 何をしてるのかな? 僕を切り捨てのはやめようね?
ジュリエットさんは、一応建前上、自立ロボじゃないから、何か犯罪しても装着者=僕のせいにできるんだよ?
僕乗ってなかったら、ジュリエットさんは、ただの暴走メカだからね?
<一理あると判断しますが、人間なら別にご主人様でなくてもいいのでは>
ジュリエットさんの鬼畜! 悪魔! 冷血!
だが、そこがとてつもなくイイ!!!
[と、下らない事を言いつつも、股下を抜けた泥棒の行動で、崩れかけた姿勢を戻す方法を模索する。強化がすんだ今の装甲では、自重での損壊はないだろうと思うが、まだテストが完了していないため、出来れば避けたいところ]
[機槍の他に所持するもうひとつの武装……狙撃砲を取り出す。こちらも、本体の巨大化に合わせた改造が済んでいるが、流石に元の比率通り抱えるサイズにすることは出来なかった。主に砲筒の構築な問題で。
比率としてはライフル程度になった狙撃砲を、倒れゆく方向に向けて、連射する]
[反動を利用して、姿勢を正し、視線をめぐらせた]
……ジュリエットさん、そろそろ引き上げない?
[効いたかと思った攻撃は、反撃を伴って阻止される。
銃口に気付くと同時、更に後方に、勢いを付けて跳躍。
上からの銃撃を幾らか浴びるものの、文字通りの蜂の巣になる事は必死に避けて。
──仕切りなおし、と気を取り直そうとした、その時]
『お前ら!此処で何をやってる!!』
[大声を上げる、複数の警官の姿が見えた、気がした]
──げっ。
[さっきから驚くか苦い顔をしてばかりである。
しかも、嫌な事は続く物で──]
『ヌ…? 奴は、"泥棒"ではないか! 捕まえろ!』
[──其処には、自分を敵対視する警官の姿。
警官の姿を確認して直ぐ、ユージィンとジュリエットの方を向いて]
と、とりあえず勝負は預けておいてやる!
良いな、忘れんなよ!!
[──言うが早いか踵を返して、更に奥の路地裏へと、逃げる様に、走り出した]
[青年が見つけた物は、銃撃を避けた泥棒の目にも入ったようだ。シティの平和を守る警備隊]
解った。覚えておくよ、ディガー。
またね。
[今まで戦ってはいたが、別に憎い訳ではない。手を振って見送った]
……さて、ジュリエットさん。僕らも逃げよう。
警察なんかと戦ってもつまらないでしょう?
[ジュリエットが渋々許可をすると、即座に走り始める。
2.5倍になったせいで足は早いが、目立ちすぎる]
……ジュリエットさん。
これ解装したらどうなるの? ものすごく大きいトランクにならない?
……ものすごく大きいジュリエットさんは、嫌だな、僕。
<解決策は、考案済みです>
――シームルグ甲板――
んー、そろそろ到着だと思いたいんだけど……
そーいえばさ?
[と、辺りを見回しながら割と大きな声で、近くにいる誰かが答えてくれればいいや、という感じで問いかける]
ぶっちゃけ、陣桜市以外で、大きな都市って残ってたんだっけ?
その辺りが解らないんだけど……
【機甲兵装>解装】!!
沈黙せよ、Jul=I=Ett387!!!
……。
……って、ちょっと待ってジュリエットさん?!
良く考えたら、起立状態で機甲解除したら、僕の位置空中じゃ……!!!
[幾十万のパーツに分割された装甲の内、本体は、青年の背を抱くメイド姿へ戻る。
そして補体は……]
……飛行機?!
[今までトランクに擬態していた補体は、その質量を元に、ルッカの爆撃機を模倣した飛行機へと組み変わっていた]
……なるほど、ね。
[それなりには、慣れた場所
──警官よりも早く、《工房》に戻り着くのは容易い事]
──警官が来る、マズイもんは隠しておけよ。
それと、匿え。
[着くなり、短くそれだけを伝え、奥へ向かう。
騒ぎが落ち着く頃を見計らい、自身と《相棒》を修理していくつもり]
―陣桜市・市庁舎四階・市長室脇シャワー室―
ええ、発見できた宇宙怪獣の残骸は市立大の研究室に運び込んで。今回の新型は耐弾性も生命力も強かったから、念のために冷凍処置を忘れないようにね。
サンプルにならない分や研究が済んでる羽蟲の分はいつもどおりに焼却処分しちゃいなさい。
宇宙怪獣で焚いたお風呂でも、結構気持ちいいもんよ?
ちょうど今、あたしもシャワー浴びてるとこだし。
[帰還時にずぶ濡れになった少女が、着替えついでにシャワーを浴びる。そのシャワー室の中でも、少女は受話器を片手に、宇宙怪獣襲撃の残務処理に指示を出していた]
研究結果は関連各部署とあたしんとこにちゃんと回すようにね。
ああ、採取した“蟲”連中の体液研究の方はどうなってるか聞きたいわ。
今日の戦闘見てたでしょ? 宇宙怪獣の体液でも、他の宇宙怪獣には有効なのよ。
有効な手段になりえるんだったら利用したいとこね。
そっちも後で報告書回しといて頂戴。
[告げて、防水の内線電話を切った。しばしシャワーの水音だけが響く]
新型、か…種類もそうだけど、規模もよね。
これが今回の一回で済むのか、これからも続くのかにもよるけど、早いとこダイシチョーを完成にもってかないと…
…宇宙怪獣の体組織を構造材に利用できないかしら?
…駄目ね。市民の足元を作るには不確実すぎるし、感情的にも嫌悪する人が出て当たり前だわ。
やっぱり頼るべきはヒトの技術…今回届いた資材でどれだけ完成に近づくか、もう一回機関室の連中と話し合わなきゃ…
[なおもぶつぶつと独り言として零れるのは、すべて都市の防衛と運営に関わることばかりだった。
やがて、十分に体が温まったのか、シャワーの蛇口をひねり、閉める。濡れた赤毛をざっと掻き揚げ、赤い痣の浮かんだ肩へ、タオルをかける。
長い髪をタオルでほぐしながらシャワー室を出ようとしたそのとき。
少女の目が、視界の片隅に写る違和感に気がついた]
なんっかヤケに排水が悪いわね…
……げ。
[その顔が、思い切り嫌悪に歪む。そこにあったのは、漆 黒 の 髪の毛で詰まった排水溝だった。
当然、赤毛の少女の髪とは、似ても似つかない]
便乗ってことね…ったくどいつもこいつも…
[苛立ちを露にしつつも、少女の様子に焦りはなかった。言ってしまえば『いつものこと』だからだ。
冷静に着衣を着替え、肩にタオルをかけたままで執務机の電話を手に取った]
もしもし?企画広報課に伝えて。
『お客さん』よ。
たぶん宇宙怪獣の襲撃にタイミングを合わせたんでしょ。
今回はいつもより大規模な『来客』が予想されるわ。
第七コンテナシェルター丸々使って『接客』するわよ。
セッティングはいつもどおりにね。
市民も早めに避難誘導お願い。
じゃ、よろしく頼むわ。
[宇宙怪獣の襲撃とは毛色の違う部署へ指示を出し、内線を切ったのもつかの間。
ルッカからの返答>>84が入ったのは、そのときだった]
ああもしもし?
まぁ、おおむね間違ってないけど、そっちが到着するころにはもうロボの形してないと思うわ。格納庫に直接入れてもらうことになると思うけど、その辺はすぐやる課の班長が分かってるはずよ。
『第五格納庫に』って伝えてくれれば誘導手伝うはずだから、班長にそう伝えて頂戴。
にしても、2,3時間、か…
…ねぇルッカ、歌は得意?
[突拍子も脈絡もない質問が、少女の口から飛び出した。けれど、少女の口調はいたって平静だ]
たぶん、到着するころには騒がしいことになってると思うわ。そっちに乗ってるみんなにもそう伝えて頂戴。
大丈夫、危険はないわ。
じゃ、後でね。
[告げて、連絡回線を切った。
市長室を出た少女の足は、第七シェルターへ。『接客準備』の陣頭指揮を執るためだ]
[>>とはいえ、あくまで模倣。
サイズは2人乗りに調節されている。
もちろん、座席はひとつだが]
……さすがジュリエットさん、歪みないね……!!
お荷物扱い、嬉しいです……!
で、どこを目指してるの?
「より良い戦闘テストが行えるターゲットを、検索中です」
―― 詩論シティ上空 ――
[……そうだったな、と口にしかけた言葉は言葉にならなかった。
宇宙怪獣という《敵》を前にしながらもフランは自分を助けてくれた、ということ。
視線を落として告げた言葉。瞳が、震えた]
……、……でも、
[口にしかけたところで、あと、と制されて。
今は、集中多くを問うべき時ではない。そう思ったから、あとは、口を噤んだ。
フランの強い声色が、はっきりと、身に響く]
―― それから ――
[光を遮る黒い怪獣の影は、幾らかでも蹴散らされた頃だろうか。
この未知の機体――まだ知らない『ウァテス・O・グノーシス』ということば――の力を、改めて目の当たりにした。
蒼い光を想う。それは一層美しく、神々しく見える。
《人類救済級》――まさに、その名を冠すべくしてあるような]
[《それは脅威となり得るもの》と昏い声が囁く。
《今なら始末できる》と胸の内から脳へと声が響く]
フラン。
……降ろして、欲しい。
俺ならもう、大丈夫だ。
戦況も一旦収束した頃、だろう。だから……。
[皆を、自分を、救おうという彼女に。たったひとりの、妹に。
ここで銃を向けることを、したくなくて。
少し俯きながら、掠れた声で頼みごとをした]
-シームルグ機内-
第五格納庫ね?了解っ!
[位置誘導を貰えるなら、普段より着陸は楽だろう。
格納庫なら荷降ろしも楽だろうと思うと、小さく笑みがこぼれる。]
………歌?
えーと…企業の社歌とかアニメソングとかなら。
[なんで社歌など知っているのか、と言うツッコミが来そうだが、
来てもあえて無視して通信を市長から機内全体への連絡用に切り替えた。]
二、三時間後に陣桜シティに着くよー。
何か『騒がしい事』になってるそうだけど、危険は無いらしいから。
[軽く機内放送をして、操縦桿を握り直した。]
[ルッカからの放送にほう、と微妙に口元が笑む]
……まぁ、あんな立ち回りって言うか攻防戦があったらそりゃ騒がしいだろーね。
歓迎ってよりはこき使われるんじゃない?多分。
ま、2,3時間後はりょーかいっ。
[それじゃあちょっと休憩、とばかりに壁に背を預け]
……そーだなあ。
ちっと遠い所になるが、あるはあるぜ。
飛んで半日くらいの所って言やあ大体の距離は掴めそうか?
俺と姉貴が居た街が其処に在る。
昔は観光地として開けてたとこでな。その名残から甘いもん売ってる店がいっぱいあってさあ!俺としてはあんまり離れたくない都市だったんだよ。
[一旦言葉を切って、思い出すように]
……ま、色々あって離れたけど。
いや、移動速度がちょいとわかんないけど……まぁある程度推測は出来るかな。
故郷、かぁ。いいねぇ。
…………プリンとかシュークリームとかアイスとか?あ、いや、むしろ細工菓子とかかな?名産品っぽいし。
[無意識に、つばを飲み込むようにのどが動く。
離れた理由については聞くことはしないけれど、一言だけ]
今も、その都市は、無事?
/*
やっていいなら今日表で襲撃ロールかまして動かそうかと思ってたけど……ええええ、ってなりそうだしねぇ。
封印狂人の事も守護者の事もあるし。*/
おう、りょーかーい。
騒がしい事って、まだ何か居るって事かね。
そんじゃま、すぐに出られるようにはしておくか。
[ルッカからの伝えられた内容には少々首を傾げはしたが
考えても詮無いと、再び遠くを眺めるだけの作業を続けながら故郷の話へと>>125]
飴細工とか綺麗だったんだぜ、食うのが勿体無いくらいだったけど食った。
色とりどりの飴で作られた鳥、中でもひよこが有名だったんじゃねーかなあ。
他にも珍しい素材を使ったアイスもあったぜ。
[そして、無事を問われると急に声の調子が落ちた]
ん。まあ…今も在る。
無事かどうかは…どうだろな、結構荒らされたし。
/*
いや、自殺じゃなくて、おおっぴらに赤COぽいことしにいこうかなと。
結果負ける危険はあるけども(
まぁやめとく。*/
/*
(性格から行って積極的にわおーんしに行くようにも見えんし。
あ、ちなみにできるだけ先落ち希望。
…落ちたら、裏宙に弾薬とかその他諸々配達するから。)
*/
[…無線が閉じて居ても、一応音を拾いはする。
エリーとフェイトの会話も地味に聞こえて居る訳で…]
良いなぁ。飴細工。
…食べれないけど。
[そんな事をふとつぶやいた。]
たまに食べるのもったいなくて飾ってたら虫がたかっちゃったとかありそうだね、それ。
飴細工かぁ、そういえば見たことはなかったのよね…ん?飴細工でひよこって珍しくないかな?そういうのって結構孔雀とか羽を広げた成鳥が多いって聞いたことあるし。
[ほほう、と飴細工話に華を咲かせ、お腹がすいたのか杖握ったままお腹に手をあて]
……焼肉アイスとか?いや、ないか。流石に肉アイスはないよね。
んー。無事だと、いいね。上手く襲われなければいいんだけど――、
フェイトはさ?
故郷を守る為に、何かを守る為に、犠牲って必要だと、思う?
[フェイトの様子を見て、少し話の流れを変えるように、まっすぐに見つめ
静かな口調で問いかける]
/*
先落ちのためにはおおっぴらに動くとかバトルがいりそうなのよね…
9>6>4>2だから先落ち希望なら実は今日か明日落ちないといけない罠。
*/
/*
議題:今日襲撃見送りの是非について。
流れ的に誰も送らないって言うのもありなのよね。
送る理由が赤組にまだ足りないって言うか1時間でたどり着かないし。*/
―シームルグ内―
[ルッカの元へ向かう途中、機内に放送が響き渡る>>122]
2、3時間かー。
じゃ、その間にオレの用事を済ませないとな!
[と、足早にルッカの元へ急ぐ]
/*
なるほど…
……恋の位置、明日になったら分かったりしないかなぁ。
エスパーが恋したりしてたら笑うが。
(大体位置予想中
議題はだいぶ賛成。
正直、詩論の方で襲撃するにも後一時間じゃ行けない。
*/
/*
いやまぁ、ド本命はフラン―イルなんだけどさ、市長―フェイト、市長―テルオが対抗馬なのよ。
ルッカと私が売られてない以上、男女カプと考えると。
*/
そうだろ、孔雀とかならすげぇ解るんだけど小さい…しかもカラーの一口サイズのひよこが並べられてんの。
綺麗んだけど、なんでカラーなのってな。
そんで、アイスは…茄子だった。
[またカラカラと笑っている内、頭が段々と下へと向いて行く]
―――…丁度な、エリーの言ってる事をやって逝った奴が
いるんだよ、これが。
人を守る為に自分がやられちまって、結局何も守れなかった馬鹿な奴がなあ。
[その場に胡坐を掻いて、重い口調でぽつりぽつりと語り出す。
その視線は遠くから足元へと落ち切った]
/*
…まぁ、問題としてさぁ。
フラン、エスパーかなと読んでるんだよね。アタシ。
…エスパーとストーカー。恋起きそうにない。
で、市長-フェイトはまだあり…いや、ある意味脈ないな。
市長-テルオよか、フラン-テルオを推すわ。アタシは。
*/
…あ。
そういや、メガマリオン用の武器見立てなきゃね…
[進路案内を貰った後に、またオートパイロットにして操縦席を離れる。
機内をめぐってテルオを探す事にした。
見つけたら軽く手を振って、武器を置いている区画まで道案内するだろう。
一応、どんな武器が要るのかの確認をしながら。]
そ、社歌やアニメソングってことは明るかったりノリがよかったりするのよね?
ちょうどいいわ。
後でお願いすることがあるかもしれないから一応覚えといてね。
[ルッカにそんな返事を返して。少女は目の前の作業に向き直る]
スピーカーはそっちよ。
電源は分かる?
専用のプラグがあるから間違えないようにね。
こほんっ…
『あー、あー、マイクテス、マイクテス。本日天気晴朗なれども波高し…聞こえる?』
うん、よしっと…
ああ、『垂れ幕歪んでるわよ。左もうちょっと上げなさい。もう少し、もう少し。ん、いいわ』
[そんな調子で、『セッティング』は進む]
いや、確かにかわいいからいいんだけどもね。想像するだけで、こう。集めたくなるような……
[なんとなく指がわきわきと動いている。]
って、ナス?!
こう、どうなのそれ。っていうか合うの?
[なんて甘いもの話で場を和らげようと心みたけれど。]
故郷を守る為に自分を犠牲にした、って事?
…………それも、何も成果も、でなかった、かぁ。
……それでもさ。それでも。
その馬鹿な奴は、馬鹿なりに、やり遂げれたんじゃないかな、やれる事。
[フェイトの横顔を見つめながら、慰めるような口調でもない、淡々とした口調だけれど。背伸びして、肩に杖ごと手を置こうとしていた]
あ、ルッカさん!
[自分を探していたらしいルッカに、慌てて駆け寄る]
遅くなってゴメン!
武器見せてよ、武器!
[期待に瞳を輝かせた、けれど真剣な表情でルッカを見詰める]
やっぱりさ、派手なやつの方がいいよなー!?
[などと、勝手な希望を並べ立てて]
/*
というのも、フランがプロメモ縁故の時点で恋愛フラグを撒こうとしてた感じにみえたのよね。
だから求愛希望かなーと。*/
[ふる、と頭を左右に振って。
その肩に杖が近付いているのは止めずに居た]
ほんと、馬鹿な姉貴だよ。
すげぇ優秀なパワードスーツ使いって言われてたんだけどなー、あっちもこっちも自分が守る!なんて言って。
そりゃまあ何かを守る為には犠牲のひとつやふたつは仕方ないのかも知れねーし、エリーの言う通りやり遂げた!って一生だったんだろうけどよ。
手前が死んだ後の事なんか欠片も考えちゃいねーんだ。
でも、まあなんだ。
エリーの言ってる犠牲ってのはどんぐらいの規模のものなんだ?
俺みたいに身内一人、とかじゃ済まなさそうな気がするんだが…気のせいか?
[思えば、唐突に何を尋ねて来るのだろうと今度はこちらから問い掛けてみた]
/*
でも、エスパーって希望弾かれてのエスパーなんだよね…
参加の時めっちゃ赤希望してたように見えた振らんかなと思ってたんだけれど。
…弾かれで行くならスコルさんとかもありうるのか、エスパー(考えて怖くなった)
*/
[……ぽん、と肩に手と杖をのせて、ぽん、ぽん、と。軽く撫でる]
……お姉さん、かぁ。
…………自分の守りたいものの為に生きて、そのまま死んでいった、
確かに悔いはないけど、残された人を考えてなかった、……ってことかぁ。
[そっかぁ、と。口が小さく動く。どことなく、さびしそうな、顔をして。]
……ん、私?
…………そ、だね。
――――大きければ、”セカイ”ひとつ。小さければ、私一人、かな?
……なんて、ね。
派手な武器、ねぇ。
武器なんて派手でも良い事無いと思うよ?
特に、メガマリオンみたいな接近戦主体の機体の武器は。
[歩きながら、子供らしい希望を出す少年にくすりと笑う。
派手と言えば電撃や火炎、爆発だが、メガマリオンはあくまで近接主体。
博士が居ない今修理も厳しいだろうし、
扱いを間違えば自身の機体が損傷しかねない派手な武器は不向きだと思ったのだ。]
…武器区画はここなんだけど…
近接用武器で派手なのって無いんだよね。
溶接用トーチを戦闘用に改造したプラズマカッターとか、
扱い難しいスタンウィップとかだから。
[言いながら、無骨な金属の間を縫うように歩く。
雑に、けれどしっかり固定されているそれらはどれもジンロボや作業用大型重機用の武装で。]
…で、来る前に行ってたパイルバンカーってのはコレ。
勢い良くこの杭を相手に撃ち込む武器なんだけど、当然射程が短い。
後、一発撃つたびに杭と撃ち込むための火薬を詰め直さなきゃいけないのが欠点だけど、
当りさえすれば硬い殻が有るヤツにでも一発で穴開けられる武器だよ。
で、そっちはビル解体用チェーンソー。
鉄筋コンクリートの切断前提だから刃が丈夫に…あ、触ると危ないよ?
コレは大型ドリルね。
って、見りゃわかるか…
[お勧めの武器を解説しながら、聞かれたらソレがどんな武器か詳しく説明する事にした。
自分で扱いやすい物を選ぶのが一番良いだろうし。]
― 詩論シティ上空/グノーシスコックピット ―
[空に瞬く蒼い光、先に青年が勘違いした蛾状の宇宙怪獣の群れ、
両側に触腕とずんぐりとした頭部を持ち亀裂のような赤い眸を持つ別の宇宙怪獣の群れ。
CAC4-CAC3……パイロット以外を乗せている為か、エーテルの状態やモデルは安定しないものの、グノーシスは的確な判断の元、宇宙怪獣達を市街地に近づけないようにしながら避難が住んだ場所、戦域で倒し続ける。
一挙に倒す様は、地上からは黒い群れが無数の光の群れに変わる光景として映っただろう。]
そう、これは【人類救済級ロボット兵器】――現行のジンロボから、
新たなシステム・機軸で作られた『グノーシス』……人類が生き残る為のロボット。
[全天球モニタの光景と被るようにして表示されていたレーダー、最初はレーダーを埋め尽くす程に表示されていた宇宙怪獣の反応はもう少ない。]
戦域が移動したみたい。
……おにいちゃん。
[降ろして欲しいという言葉に、答えず、宇宙怪獣達が空から地上に落ちた場所を避けるように内地へグノーシスを移動する。]
ん?じょーだんだよ?
じょーだんじょーだん。
[くすくす、と笑い、ととん、とステップ踏んで離れて]
ほら、さっきのナイーブな気分もどっかいっちゃったでしょう?
/*
そうだなぁ。
「暴発、もしくは意図的に小規模な『門』を開く謎のエネルギー。
基本的に人に宿っている事が多い。
尚、このエネルギーは一部の宇宙怪獣からも検出されるが因子を宿す人間と宇宙怪獣との共通点は不明である。」
って所で良くない?
*/
― 詩論シティ/グノーシスコックピット ―
[やがて、グノーシスは地上に降り立つ。]
……。
[フランは俯いていた。
両側のグローブを外し、ジンロボバイザーが自動的に上がり外される。フランの、すらっとした両手が風切るような早さで動いたかと思うと、次の瞬間。]
おに、…ちゃ……!!!
[入坂結理人に抱きついた。
やはりフランの体は熱い。青年が火傷しないのが不思議な程に。
肩が震え、いや、全身が震えている。]
/*
んー、OK,それでいこっか。
なにかあったらダークマター理論でいい気もするし。
そんじゃあレッドツーからだしておいてくれると。
*/
いや、まあそれはそーだけどな!
世界は本気で冗談としておこうじゃねえか、だけど
お前一人ってのはちょっと冗談には聞こえなかったぞ!?
[離れて行くエリーを追おうと立て膝を付いて]
もし自分が犠牲になるとか言ってみろ、承知しねーからな!
[そういえばこの男、元々彼女を自殺志願者だと勘違いして飛び込んだのである。そう言うのもまあ仕方ない]
あはは、大きな事聞くと、色々吹っ飛んじゃうでしょ?
――――、さぁ、どうでしょ、なんて、ね。
[そういって、くるっとフェイトに背を向けたところで、足が止まる。]
――――……覚えてとくね。
[静かに、顔を向けずに、艦内へと、戻っていった]
さて、私一人とセカイ、フェイトはどっちをとるんでしょうね?
[艦内に戻って、クスクスと笑い声。]
ね、どっちだと思う?
[そう、明るい声で、ルッカへと問いかけた]
…悪いけどさ。
エリーを犠牲にする気は無いからね?
[通信機に向けて、小さく声を送った。]
…契約が求めるのは『セカイ』。
どんなセカイか、とかは求められてないんだから悪魔の契約みたいなトンチとか効かないかなぁ…
[肝心のトンチが出てこないと言う問題も有って通信では言わないが。
ひっそり調べて見る事にした。]
…どっちを取る、かぁ。
正直、どっちを取るか分かるほど『世界』を知らないんだよね。アタシ。
寄る街と言えば補給によるか配達によるかのどっちかだし。
さっきフェイトが言ってた街も、アタシは全く知らなかった。
…そのアタシの基準で行くなら、フェイトはエリーをとるんじゃないかと思ってるよ。
姉を無くしたって経験持ってる以上妹みたいに見えるエリーを見捨てたら二重にトラウマ抱えそうだし。
えーっ、そうなんだ?
だってロボットの武器って言ったらさー……
[と、ルッカになおも主張しようとするが、現実的なロボット操縦者としての思考がそれを止めさせた。
火花が散ったり爆発したりする攻撃では、当然メガマリオンにも傷が付くと理解出来たからだ]
それじゃあ……
[と、考えながら歩く内に、武器区画へ辿り着く。
そこにあるのは特撮ヒーローのような洗練されたデザインの武器ではなく、実用的で無骨な武装の数々。
それでも、それらの放つ重厚な雰囲気に飲まれて、少年の胸は高鳴った]
ぶっちゃけ、本気でセカイ、てにいれよーかなーなんて思ってるんだけどね。
いや、そう思わなくなったら最後なんだけどさ。
[いちおーほんきなんだよ?天秤にはかけてるけど。なんて囁きかけて]
だからさ。……その為に……シティ詩論へ行ってみてくれないかな?
現状、私が知る限り、まともな戦力が集結してるのは、陣桜市とシティ詩論。
この2箇所に、宇宙怪獣の出現場所も出現させる。
戦力を互いに消耗させて――邪魔が消えたら、セカイ、獲るよ。
パイルバンカー……これがそうなんだ!
[長らく正体不明だった武器を、ついに目の前にする。
その巨大な杭打ち機が、敵を打ち砕く様をありありと想像する。
勿論ルッカの言う欠点も耳に入っていたし、イメージ通りの動きをマリオネットで再現する事は、並大抵の腕では出来ないのだが]
決めた。
オレの武器はこれにする!
[と宣言して。それから、もう一つ思い出す]
あ、そういえばさー。
メガマリオンを空に飛ばすには、どうしたらいいの?
んー、私もそーだけど、さ。
ルッカもそこまで知ってるわけじゃあないか。
……そか、私をとる、か。
……当たってるとありがたいんだけどね。いろいろな意味で。
──警官が来た後・《工房》──
[物々しい雰囲気が一転静かになり、奥の部屋でも警察の人間が去ったのが分かった。
静かになってから暫く、億劫そうに、だが確かな足取りで修理台に向かう]
──さて、先ずはお前さ…。
[言って視線を《相棒》に移せば、予想に反して傷跡は直され、綺麗になった《相棒》の姿に言葉が止まった。
勝手に《解除》されていた、自分に誤作動が発生する程の損傷だと思わなかった、その事実は衝撃的ではあったものの]
奴にやって貰ったか、さすが本業って所か。
──キレーになった、良かったな。
[完璧な修理を施された《相棒》を撫でれば、嬉しそうに眼を細めただろう。
改めて、修理台に向かったスコル自身が工房の人員に取り押さえられ全身の修理を受けるのは]
──おい、離せやめろ!
だから、自分の修理は自分でやるって言ってンだろ!!
[この少し後のお話]
─上空 〜夢追い─
あっあっあっ!
ジュリエットさん、Gがかかりすぎると、人間って死ぬんだよ?! 死ねるんだよ?!
あっ、だめっ! 無理!
でちゃう! 何か出ちゃう! 中の人出ちゃうー!
[フランの口から、この機体について語られる。
今まで知るジンロボとは明らかに違う。それはまさに《新たなる》ものを、感じさせるもの]
グノーシス。
[彼女が告げたその名を、繰り返す]
人類が生き残る為の。
生き残る、為の。
[その言葉も、繰り返す]
……そう、か。
[請いの言葉にはYesもNoも返ってこず、ただ、戦域の移動が告げられるのを聞いて、目を伏せただけだった。
内心落ち着かないのは機体の不安定さの所為だけでも、パーツの影響だけでもなく。どことなく、フランが少し遠くに居るように見えたからでもあったのかもしれない。
そうしているうちに、やがて近づいてくる地上]
[降り立った後、視線を今一度向けた先の少女は俯いていて]
フラン、
…―――フラン?
[瞬くや否や、グローブの外れたその腕で、抱き締められていた。
熱い。ひどく、熱くて、けれど焦げるような痛みは感じない]
お前、……。
[遠くに行ってしまったと思っていた彼女は、また再び、こうしてすぐ近くにいる]
なんだあいつ、わっけわかんねぇ…。
[艦内へと戻って行くエリーの姿を、追おうとするも
何故かそのまま見送り再び胡坐を掻いて座り込んだ]
何かを守る為に世界を犠牲に。
何かを守る為にエリー一人を犠牲に。
――…馬鹿言いやがって。
[何度も同じ事を繰り返し呟いて。
やがて頬杖を付き、もう片方の手で苛立たしげに甲板を殴りつけた]
フラン……っ!
[震える身体を受け止める己の身体も、少しずつ、震え始めた]
(だめ、だ)
[熱い涙が黒い上着に染みる感覚。少女の腕から掛かる力。湧き出てくるのは人としての激情。
そんな中で、首許に牙を立ててやろうかと思う、人ならぬものの思考。
ふたつ、絡み合って、ぎゅっと目をつぶる]
― 詩論シティ/グノーシスコックピット ―
おにいちゃんの、…っ……、も、行かないで。
何処にも、行かないでよ。
おにいちゃんが居なくなって、おとうさんもおかあさんも、
それに、わたしだって…!
どんなに、心配、してたか。
わたしが、おにいちゃんをその体で、
優しいおにいちゃんをそのまま一人で行かせるって、
本当にそう思ってるの?
[溢れた涙を拭いもせずに、
フランは入坂結理人の顔を直ぐ下から見つめた。]
…となると、扱う練習も居るよね。やっぱり。
殴ったら自動で点火する訳じゃなくて、スイッチでの点火式だし。コレ。
[かといって、メカマリオン用のパイルバンカーなんてないし、
シュミレーターなんてもっとない。
どう練習させればいいのか分からなくて途方に暮れた。]
…確か、メカマリオンはコマンドで動かすんだよね?
リロードの動作はコマンド組んどいたほうがいいかも知んない。
後、飛行に関しては…
流石に専用装備とか無いと、ヘリでぶら下げて空輸とかが限界じゃない?
[ジンロボ用バックパックじゃ使えるかどうか分からない。
操縦システムが違う以上、ブースターのコントロールも違うんだから。]
― 詩論シティ/グノーシスコックピット ―
おに…ちゃん。
苦しいの?
わたしなら、大丈夫。
だから、おにいちゃん。
おにいちゃん、何があったか、教えて?
[可能なら、フランは入坂結理人を見つめた後、胸に耳当てるように寄り添っただろう。]
あ、そっか。じゃあ、指を動かさないといけないんだね。
うーん、やっぱり基本動作は登録して……。
[と、ぶつぶつと呟き始める。
如何に効率の良いコマンドを組むかは、メカマリオンの重要な戦略の一つである。
考えるのが嫌いな少年からすると不得意な分野だが、既に戦場に飛び込んでしまった以上そうも言っていられない]
わかった。メカマリオンも使ってどうにかするよ。
[少年は自身の小さな相棒を取り出した。
シミュレーターとまではいかないものの、機内でも自由に動かせる利点がある]
で、空を飛ぶ方はー……
専用装備って事は、博士に頼むしかない?
[と、そこで博士の連絡先を聞いていた事を思い出し、ルッカに断って一報を入れようとする。
しかし、電話の向こうに聞こえるのは呼び出し音ばかりで、一向に電話に出る気配はない――]
―同刻 ゼペット本社/社長室―
「……社長。本気なのですか?」
[ゼペット本社の最奥、社長室。
世界的大企業の中枢で、二人の男が対峙していた。
その内の一人、腹話術人形のメイクをした白衣の男が、スーツに身を包んだ男へ詰め寄っていく]
「本当に、何も知らない子供を、戦場のど真ん中まで送り出すつもりなのですか……?」
『……勘違いするな』
[答える男は、冷徹な口調を崩さない]
『重要なのは操縦者ではない。
メガマリオン――否、それに内蔵されたF.U.In撹乱装置だ』
[Factor of Universal Interface――宇宙境界因子。
それは、全世界を巻き込んだこの戦争の、切り札ともなりうる存在であった]
「それなら、尚更……!
あの子は、ヒーローになりたいと言っていたのですよ」
[尚も言い募る白衣の男。
しかし、次の瞬間、彼はスーツの男が唇の端を歪めて笑うのを見た]
『ならば、尚のこと相応しかろう。
我が社が求めているものは、まさにその、ヒーローなのだからな――**』
/*
…ルッカ、メガマリオンに近づくと体調不良でも起こすかね。
地味ーに赤アピール。(稼働はしてないと思うのだが)
*/
[行かないで、と。何処にも、と。
その言葉に頷きたくて、けれどできなくて……そんな中で、ふとフランから伝えられたことに瞬いた]
……父さんも、母さんも、無事、なのか。
無事、なんだな?
[何時だって近くで暮らしていた訳ではない家族。
それでも、それを「離れ離れ」だと感じたことは不思議となかったものだった。
それが、本当に離れ離れで一人ぼっちになってしまったあの日。離れ離れにさせてしまった、あの日。]
ごめん、な。
ずっと、心配掛けて……お前にも、父さん母さんにも。
[けれどそれでも、どこにも行かない、と言い切れない弱さ。
励まされて、頑張ろうとはするけれど、それでも上手くいかない]
……そう、だな。
フランはいつだってそうやって、確り者で、俺なんかより頼もしくて。
[優しい、の言葉には触れずに……何も返せずに、ただ苦笑いしてフランを見下ろした]
……まぁ、こんなとこね。
[シェルターの準備を終え、ぱんぱんと手を払って確認した。急ごしらえならばこんなところだろう。
その場を担当部署に任せ、陣桜市の内部通路を歩きながら携帯端末から内部回線へ接続する]
もしもし?市民生活課に繋いでくれる?
…どう? 市民のみんなからはおかしな報告上がってない? …そう。
いえ、それならそれで構わないわ。
ただ、思ってた以上の規模になるかもしれない。念を入れて宗教法人のほうにも連絡つけときなさい。教会、神社仏閣、何でもいいわ。市民が避難してる方のシェルターの防御は念入りにね。
[指示を出し終え、端末を切ろうとしたところで、はたと重要なことを思い出した。
即座に携帯端末で連絡をつける]
もしもし?
ああ大将? あたしよ、明朱佳。
あと2,3時間で来客があるから、5人前の出前頼める?
すぐに食べられるか分からないから、冷えても大丈夫なやつだと助かるわね。
ありがと。それじゃお願いね。
…あー…と、分かってると思うけど、ことが済むまではくれぐれもシェルター出ちゃだめよ?
ええ、分かってる。それじゃね。
[それから、フランの問いかけに、暫しの沈黙。
見詰めてくる黒い瞳に、己の瞳を少しの間だけ合わせて]
…………。
何を言っても、受け入れてくれる、なら。
今から、言う。
[寄り添う熱。その身に腕を回すことはしないまま、一度目を閉じた]
/*
科学系のアタシのがエリーより強く妨害装置の効果を受けるとか。
…実際、因子がどんなものかなんて決まってないしね。
ちなみに、ルッカにとっての因子って自我確立させてる部分だったりする(待てや
*/
― 詩論シティ/グノーシスコックピット ―
無事だよ。
おにいちゃん以外、無事。
ほんともう奇跡みたいだった。
[確り者で頼もしいと言われれば]
そんなこと、ないっ…!
そんなことはないよ、おにいちゃん。
わたし、いつだっても怖くて、不安で、わたし……
遠い場所にいるおにいちゃんが、皆が居てくれたから……。
[寄り添う。鼓動が何も聞こえない事に、暫しフランの目は閉じられずに開かれたままだったが、やがて慣れるように受け入れるようにフランの目は閉じられた。]
うん…、話して。
[フランは入坂結理人に、沢山聞いて欲しくて話したい事はあった。何故どうして、ジンロボのパイロット訓練所である、シルヴァクロック・アカデミーに入って今ここに居るかだとか、宇宙怪獣達がどんな事を齎したのかだとか。でも、今は、兄の言葉に耳を傾ける。]
受け入れるよ、おにいちゃん。
[きゅ、と更に強く寄り添うように頭が動いた。]
[2分後、そこにはピカピカに新調された《パーツ》に身を包む。
──ぶすくれた中年の姿が!]
自分でやるって言ってるのによおー。
聞く耳持たずにその上抑え付けるたあ、あんまりじゃねえのかよー。
["奴"に向けて、修理後ずっと吐き続けている言葉。
修理自体に不安がある訳ではない、其処は本業だけあって、流石に仕事が違う。
気になっていたのは、《魔力回路》が無事に《"起動"するかどうか》で──]
──《ハウリング/極小》
[──けれど、心配は杞憂に終わった様だった。
しっかり《魔力回路》は繋がっている。
大丈夫だと言わんばかりに、指示に応える《相棒》は《吼えて》]
[そんな様子を、ぼんやりと、眺めていた。
騒ぎが完全に収まるまでは暫く、身を潜めた方が良いだろうと思っての事だった**]
―シームルグ甲板―
なんで、自分が犠牲になっても良いとか思えるんだろ。
ワケわかんねえ…。
姉貴だって、結局何も守れないままやられて…体勢崩した小隊は散り散りのバラバラ。
守れた!と思いながら逝けたなら幸せだろうけど、後は悲惨だったって知ってるのか。
なあ、姉貴。
俺は同じようにはなんねぇ。
カッコ良く死ぬよか、無様にかっこ悪く生きてやるよ。
…いやもうすげぇかっこ悪いんだけどな。
このハニエルからしてもうな……
[それから独り言を空に投げて。
レーザーガンの事をルッカに尋ねようとしていたのを思い出して艦内へと戻って行った。
テルオとの話が終われば折を見て尋ねるつもり]
/*
移動ロールは無理かな。到着いれて、次の配達先、とかユージィン発見して〜とか。
ユージィンで投票かたまらない可能性もあるしねぇ*/
[基本的に指の動きは重視されていないメカマリオンだが、メガマリオンでは例外的に、指の動作に関するシステムも汲み込まれているらしい――と博士から聞いたのは、ようやく電話が繋がった30分後の事だった]
「――で、そのスイッチを切り替えると、肘から先の動きを完全に連動させられるのだ。
その代わり、それ以外の部分は全く動かせなくなるから、うまく使い分けるように」
はーい。
[電話越しの声に威勢よく返事する]
「ああ、それと、飛行装備の件は上に掛け合っておこう。
恐らく、開発自体は既に始まっているはずだ」
はずだ、って博士、知らないの?
[少年の問いに、少しばかり気まずい間が空いた]
「……メガマリオンの開発には、多くの部署が関わっている。
そのロボットは、"いろんな人"の、夢の結晶なんだ。
よく覚えておきなさい」
[その言葉は不自然な箇所を強調されていたが、少年には聞き返している余裕がなかった。
目の前の新武装の方が、少年にとっては大切だったからだ。
電話が切れて、今度こそ少年はメガマリオンに向き直る]
――シームルグ艦内廊下――
……調子がおかしいのは何でかしらね。
[はぁ、とため息をつく。こんな事はなかったような気がするのだけれど。
……いつからだっただろうか。思い返してみるけど、どうもはっきりとしない。]
あの時口走っちゃったみたいに、……ってわけでもないわね。
ったく。
[お手洗いへと入って、洗面所で顔を洗う。目を閉じて、パパパン、と軽い音をさせ。
両手の杖から水が零れ落ちる。ふと、両手の杖をみて、あ、と口を開き。]
……そういう事なのかしらね。
もしくは――、どちらにせよ、余裕はもう、そんなにないかもね。
[少しして、また廊下に出る。一応護衛である以上、外を見張りにいく必要はあるから、また、再び、外に出る。都市はもう、近い筈。]
[それから小1時間後。陣桜シティが見えて来る頃]
そろそろ到着、かな?
そういえば、何かが騒がしいみたいな事を言ってたような……。
[と、ルッカ>>122の言葉を思い出す]
もしかして、早速メガマリオンの出番、だったりする?
[不謹慎ながらもそんな事を考える。
新しい武器の事を思うと、わくわくするような気持ちもあり]
へっへっへ。
オレの新しい力を見せてやるぜ!
[どう考えても"オレの"ではないのに、ついそんな風に嘯いた]
奇跡、か。
そうか……奇跡って、あるんだな。
[目元が緩む。自分勝手な気もするが、それでも妹や両親に奇跡の恵みがあった、というのが嬉しい。
けれどその目の色は、フランが告げてきた思いに、少し弱まった。]
……ごめん。
[もう何度、ごめん、と言ったのだろう]
本当に、俺のせいで……辛い思い、させてきたんだな。
[受け入れると答え、更に寄り添う彼女に、目を伏せるように細めた]
ああ、……判った。
[この一年で彼女が見てきた世界の経緯。パイロットになった経緯。その動機、志、覚悟。……新しい友達もできたんじゃないだろうか、なんてこと。
自ずから尋ねようと思ったことはいくつもある。
けれど、そのいずれも、ここでは言葉にできない。
まだ続く苦しみで、自分のことを吐き出すことで精一杯で]
[そして、自分の内側のパーツを抑えるのにも、精一杯だった]
俺は、……怪獣の来た、あの日の後に。
機械の、悪魔の身体に、された。
俺は、もう人間じゃ、ないんだ。
[悪魔の翼を、ばさり、大きく広げて。そして身体を少し離した]
……とりあえず、今はそれだけ、だ。
詳しいことは、後で、話したい。今は、少し、拙い。
[少なくとも、両手に凶器を持っている今の状態では、何をしでかすか判らない]
シティ……詩論シティの、少し外れ。
『ソフィア・パーク』――古代遺跡か何かの公園、あったよな。
そこに、後で来てほしい。
[言い終わった後、顔を、背けた**]
─陣桜シティ近空 〜人同士の戦い─
[より速く。
実際に飛行しながら、飛行に最適な形を「学習」する……。「持ち運べる武具」であれという、己に与えられた3つの至上目的を、メイドは実戦し、空飛ぶ「トランク」は、飛び立った時からも更に姿を変えていた。
……もちろん、生身の乗務員の安全性なんか、完全無視で]
「……!!」
[そこで見つけたのは、己たちが後にしてきたシームルグ。
すでに、艦長ルッカに戦力がほぼないことは分かっている。「戦闘テスト相手」としての価値はない。
が]
「強襲します。……ご主人様、何呑気に寝てるんですか」
寝てないよ……ただ死にかけてるだけだよ……!
「どうでもいいので、早く準備して下さい」
奇跡も、魔法も、
愛も、希望も、あるんだよ。
[入坂結理人の胸に顔を伏せ呟いた時、フランの顔はどんな表情を浮かべていたのか。両手を兄の胸に当てていたけれど、妹を前に悪魔の翼を広げ、身体を離されれば自然に手は離れた。
……少しだけ、直径3mのコックピット内では羽を伸ばすのは大変そうだなんて事は思ってはいない筈だった。きっと。必ず。]
分かった、おにいちゃん。
きっと、来てね。
あっ、そうだ……えっと、これ。
わたしは一度アカデミー本部に帰るから。
必ず、行きたいけど……もし、また宇宙怪獣達の第二波が来たら。
[少しだけ表情が曇る。]
これで、連絡取り合おう?
わたしから、後で連絡するから。
[取り出したのはフランの銀の懐中時計。フランに与えられたアカデミーの物で、様々な機能が付いている。通信機能もその一つだ。
フランは、新たにアカデミーから拝借するから、兄はフランの懐中時計を使って連絡を取り合おうと持ちかけた。入坂結理人が別に通信機があるというなら、銀の懐中時計はフランが持ったままになる。]
さて、ちょっとばかし――フェイトの実力を試してくるわ。……”因子”をつかって。
調子がちょっと悪いけどまぁいいでしょ。
[そう、連絡を入れておく。]
おにいちゃんが、機械の身体でも、悪魔の身体になったとしても。
おにいちゃんは、フランのおにいちゃん。
家族だから。
おにいちゃん、忘れないで。
[通常状態の装甲でも、抱えるサイズだった銃は、改造により人間にとっては大砲サイズになっている。
青年は、既存のどのタイプの戦闘機でもない、異形の飛行機の床に伏せ、部分装纏で強化した腕で、それを押さえていた]
ジュリエットさん、配置完了。
ターゲットロックオン。
カウント開始して。
「3.9・3.8・3.7……」
まさかのコマ単位?!
[メイドのカウントが、0.0を数えた瞬間……。
飛行機から、シームルグへ向けて、砲撃の光が走った!]
――さぁ、て、と。
外に出たはいいけど、なんにも――。ん?
[首をかしげて艦内を見る。内部で何か物音がしたような気がしたのだ。
異質な感じ、に思えたが。中に戻って確認しにいこうとして]
フェイト、ちょっと向こうの方で何か物音しなかった?
[そう、近くでみつけたフェイトへと首をかしげ、たずねる。]
また後で、ね。 わたしの、たった一人の、…おにいちゃん。
[開かれたコックピットから入坂結理人が飛翔するのを見送った後、フランはグノーシスを操縦しアカデミー本部へ向かった。**]
―陣桜シティ近空―
[予感、という程のものではない。
言うなればちょっとした興味で、少年は甲板へと歩み出ていた]
…………?
[何かが光ったような――気がした]
えっ?
う、うわぁぁぁぁ!?
[攻撃を受けている。そう気付いた瞬間、叫んでいた。
しかし、逃げ場はないし、逃げる訳にもいかない。
少年は、格納スペースへと走る。
両手のリングは、片時も外した事はない]
いくぞ……
["起動"の信号を発して、彼の愛機を目覚めさせる]
メガマリオン!!
[起動音と微かな振動、そして動きだす体高20mの巨体。
その右手にパイルバンカーを構えた、鋼鉄のマリオネットがそこにはあった]
ん……。
ジュリエットさん、待って。
様子が変だ。抗戦の動きがあるね。
……コンテナ落下での絨毯攻撃は、飛行機の大群を攻撃するのには向いても、1機を撃ち落とすのには向かない……。
シームルグに、狙い撃ちの装備はなかったように思ったけど。
……変更した方がいいかもね。
「食事」対象じゃなくて、「攻撃」対象に。
「ジンロボを積んでいると思いますか?」
ジュリエットさん、戦いたがってたもんね。
積んでいなければ、もう少し先に進んで、陣桜シティへ行こう。そこなら、……彼女がいる。
リベンジできるよ。
「では、まずはシームルグを」
ジュリエットさんの思うがままに。
[シームルグへ砲撃したその飛行機を見ていたものがあれば、驚愕したかもしれない。
飛行しながら、それは変形し、5m級の人型……ジンロボにしては小型すぎ、パワードスーツにしては大きすぎる、既存の物ではない何かになったのだから。
それは、飛行の速度そのままに、シームルグの艦上へ着地した。
この衝撃を殺すのは、相当な操縦技術がなければ、難しいだろう]
[飛行機だと、空飛ぶ物体を見た少年は思っていた。
しかし、こちらへと向かって来たそれは、なんと変形を果たしたのだ]
えっ……? 人? ロボット?
[5m級の人型に、目を見開いた。
一瞬手が止まったのは、人かもしれないと思ったからだ。
それでも――相手は、敵だった]
な、何する気だよ……っ!
[そのまま突っ込むかと思いきや、信じられない制動でそれは着地した。
焦りを隠すかのように、メガマリオンを人型に向けて走らせる。
低姿勢の、タックルの構えだった]
[輸送船を壊す気はなかった。
現在、メイドが積んでいるのは、本来は飛行機に搭載するようなものではないパーツを、改造・変形して作り上げた自作機関がほとんど。
実際に飛行機として使われている機関を、吸収するつもりだった。
が……]
……?
あれは……こないだ見た>>0:232巨大メカマリオン。
ふーん、艦長、あのままアレを拾ったんだね。
[メカマリオンを、ただ巨大にしただけなら、どこかに操縦者がいるはず、と再生したメインカメラで周囲を確認する。
が、マリオンのタックルの構えを見て、腰を沈め、膝をたわめた]
中に人が入ってるか、ないかの違いを、見せてあげるよ。
20mもの巨大ロボで、飛行中の輸送艦の上を走る……無茶をするもんだ。
[自分が、5mの機甲で空中着地をしたことは横に置いて、相手の動作を見つめる。
ぎりぎりまでを耐え……接触の直前に右方向へ抜けた。
相手を艦上から突き落とそうという狙いだ]
[相手は動きを止めている――ように見えた。
理由はわからないが好都合と、そのまま突っ込ませようとする。
だが]
あ……しまった!!
[単純に引き付けられていたのだと、相手の動きで知れる。
右側に擦り抜けられて、メガマリオンはつんのめるような姿勢]
まずい、立て直さないと……!
[敢えて思いっ切り上半身を曲げさせると、半ば床にぶつけるようにして、生身の人間なら確実に失敗の受け身を取らせた。
足元まで走る衝撃に、やり過ぎれば艦の方が持たないと悟る]
すばしっこいな……!
落ちろよ!
[崩れた姿勢の相手の背へ、足蹴を加える。
容赦はしない。相手は4倍もの体長差があるのだ。
槍を出さないのは、飛行中の爆撃機という、足場の不安定な戦場のため]
[マリオンの動きの注視も続ける。これだけの巨体。爆撃機のどこかから「見て」動かしているなら、操縦者の視界に入らない方向があるかもしれないと]
[頭と左腕を着けた不安定な姿勢に、容赦なく足蹴が喰らわされた。
歩行時はメガマリオンの背中を後ろから見る形だったから、今はこちらから相手の背中が見えている]
……このっ、これでも喰らえ!
[倒れ込んだメガマリオンを更に屈めさせると、上体を勢いよく跳ね上がらせた。
ダメージとはいかないまでも、一瞬でも振り払えないかと]
……っ!
[片足の不安定な体勢に、下からの意外な攻撃を受け、一瞬、両膝が浮いた]
しまっ……!
[風に浚われ、逆に自分の方が爆撃機から身を躍らせる結果となってしまう]
ジュリエットさん!
[メイドへ呼びかける。青年のコントロール下を離れた左腕が、メイドの計算と命令で動き、爆撃機の表面を裂く……!]
[爆撃機にしがみつくことは、あっさり諦め、代わりに爆撃機を損壊させて、不時着させようと]
<第二ラウンドは地上でと行こうか!>
[風圧に逆らい、叫びながら、装甲戦闘兵は落ちて行く]
やった!
[狙い違わず敵機を引き離したが、喜びも束の間。
飛んで来た敵の左腕が、爆撃機表面を引き裂いた]
あーっ!!
[予想外の動きに、まだ立ち上がり切っていないメガマリオンでは防御が間に合わなかった]
ルッカさんの機体が……
あいつ、許せない!!
[相手の目的は未だにわからない。
とは言え、少年の心を今満たしているのは、怒りと悔しさの方だった]
ルッカさん、降ろして! あいつを追っかけないと!
[本音では今すぐ相手を追いたかったが、飛行装備のないメガマリオンを飛び降りさせる訳にもいかず。
今は艦の操縦者に移動を頼るしかなかった**]
うへ……ゆれるゆれるって言うか……
きっつ。
……あーもう!
――我、古の盟約を引き継ぐ者なり
――我、世界を憂うものなり
――我――セカイを手にするモノ、エリーの名におい――て――……へぶっ!
[舌を噛みかけて、床を転がる始末。それでも杖は手放さなかったが……
色々と大変な事になっていた**]
―陣桜市市庁舎・市長室―
………。
[執務机に向かい、溜まっていた事務仕事を片付ける。書類の数字一桁まで目を通し、必要ならば採決の判を押し、必要ならば担当の部署に連絡をつけて確認する。続く襲撃の合間、すぐにも次の襲来が来るかもしれない中で、しばしの静かな時間が流れていた。
そこへ]
…すぐやる課?い組ね。
どうしたの?そろそろ到着するころだとは思ってたけど…
外ね。分かった。
[シームルグに残してきた部下からの連絡に顔を上げ、促されるままに市庁舎の窓から外を見やる。
―――シームルグが、黒煙を上げて、こちらに向かってきていた]
…事態は把握したわ。そっちは作業ロボット隊動かして、可及的速やかに応急措置に移りなさい。
なんならグレスパは投棄してもかまわないわ。
航続距離を保たせることを優先して。
輸送艇のことはルッカが一番よく分かってるはずよ。彼女の指示に従いなさい。
[手短に指示を出し、回線をルッカへと回す]
もしもしルッカ?
今忙しいだろうから片手間で聞いて頂戴。
今からそっちに 滑 走 路 を 延 ば す わ。
距離は800m程度だから滑走距離には足りないだろうけど、こっちでもマニピュレーターを出して受け止めるから着陸は可能なはずよ。
何とかそこまで保たせて。
こっちの部下たちも勝手に動くかもしれないけど、好きに使ってくれてかまわないわ。
じゃ、また後で会いましょ。
[緊張をほぐすような軽い口調で通信を終える。続けざまに繋いだ回線は機関室へ]
もしもし機関室?
整備と組み付けは一時中断よ。左腕部だけでいいから稼動させて頂戴。
持ち上げ90°、海面と水平に、北へ向かって30°よ。
すぐやる課の待機人員を左腕部周辺の汎用マニピュレーターに向かわせて。
大至急頼むわよ。
[ ざ ざ ざ ざ ざ ぁ ぁ あ ぁ ん ...]
[少女の指示を受け、ダイシチョーの腕が持ち上がる。膨大な海水を跳ね除け、滴らせて、海の上を飛ぶ鳥を…シームルグを迎え入れるように、海中から“滑走路”が現れた]
こっちはこれでいいとして…敵襲受けてるってことよね…
…けど、シームルグのほかに機体は見えないし…宇宙怪獣が単体襲撃ってのもない話よね。
もう振り切ってきたか、あるいは…小型機体による単騎駆け? …だとしたら厄介ね…
もしもし、あたしよ。危機管理課に繋いで。
『来客』に備えて最低限の人員は警戒を継続、S班以下の各員はそれぞれCブロックを中心として対空銃座について頂戴。
残りの人員はジンロボで待機。装備は誤射を警戒して乙種兵装。あたしもすぐそっちに向かうわ。
一機余分に暖めときなさい。
[指示を終え、内線を切る。 やりかけた書類を執務机の引き出しに無造作にしまいこむと、少女は格納庫へと駆けていった**]
ごめんテルオ君、今ちょっと本気で無理ぃっ!?
[飛行機の表面というのは意外と大事だ。
板一枚が貼り付けてあったりするだけでも、
板が外れなければ気流が乱れてだいぶ揺れる。
…当然、表面を破かれたりすれば…]
とりあえず急いで機内戻って!
なるべく早く着陸するけど、
陣桜シティまで持つかどうか…
[そんな不安を抱いているところに、
天の助けのような市長からの通信>>196。
墜落か不時着かという状況の今、
滑走距離がないなんて気にならなかった。]
ごめん市長、助かったっ!
とりあえず滑走路までは何とか持たせるから、確保お願いっ!
[ふらふらとゆっくり飛ぶシームルグは、何事もなければ滑走路ぎりぎりには何とかたどり着けるだろう**]
[青年たちの飛行機は、ぎりぎりにシームルグが見える距離、陣桜とは逆の方を飛んでいる。
「武器に見えない武器」という目的に乗っ取って、ジュリエットの構成した飛行機は、輸送機をモデルにしており、戦闘機には見えない。
民間人を装っていれば、いきなり攻撃されることはないだろうと、推測している。
……とはいえ、機甲から変形する所を見られていないとも限らない。用心してのことだった]
良かったね。シームルグは無事に着陸出来そうだよ。
[モニターで確認しながら、青年は安堵の声だ。
人命が助かったことそれ自体よりも、メイドの食事、かつ戦闘相手が沈まなかったことが喜ばしかった]
でも、陣桜シティに保護されてしまうのは面倒だね。
あそこは手出ししにく……あっ、ジュリエットさん、そこだめ! そんなにしたら、イっちゃうイっちゃう……! あの世に!
分かった、なんとかするから、やめないで!
うへぁ……
[ごろんごろん転がりながら立ち直るのに時間を要して]
ええぃ。そんなら着陸しちゃって……
[フェイトにばれぬように小さすぎる声で返すのがやっと、であった]
≪『ウァテス・O・グノーシス』、戻りました!≫
― 詩論シティ/シルヴァクロック・アカデミー ―
[アカデミー指揮所に響く声。グノーシスは格納庫へ帰還する。
熱さで体力を消耗したのか、フランはコックピット内で俯いていた。その横顔のモニタに、矩形ホログラムが二つ簡易投射され指揮所と開発所と繋がる。]
「対宇宙怪獣組織各所との情報交換の結果、今回現れた宇宙怪獣達を、飛行型を”鳥”、一段階大きい魚型を”カメ”、水棲型を”イソギンチャク”、侵入・捕獲型を”花”と呼称する事に決定した。
”花”型については、植物に似た卵胞状のものを地上に投下しており、現在除去作業中だ。場所は、厳戒地域79区と命名して軍を主とし、狐夜社や闇烏重工製の機体が除去補佐に向かっている。」
宇宙怪獣達は地球に根付こうとしているっていうの?
[フランが独りごちるような言葉に、声が返される。]
「分からん。
宇宙怪獣対策本部指揮所は、
”孔”への突入を決定した(>>1:75)
戦艦は既に編成が完了。
第一陣はもう向かった。
お前達、よく持ちこたえた。よくやったな。」
[指揮所との通信が途切れる。]
― 詩論シティ/シルヴァクロック・アカデミー ―
「フラン君、お疲れ様でした。グノーシスの事ですが…」
おにいちゃんが、居たの。
[フランの呟きが漏れる。
開発所からの技術者の声が聞こえていないかのようだった。]
おにいちゃんが、居たんだ…。
「フラン君のお兄さんが?
行方不明になっていたという、あの。」
うん……。
少し外すね。
ごめんなさい。
「待って!グノーシスは既存のジンロボと違い、魔力学、魔回路とセルラ・オートマタ・システムで発生させたエーテルを同CACで制御する仕組みです。操縦者の負担は軽減されていますが、フラン君のシンクロ率は幾らか知っているでしょう?万が一……」
……そこは大丈夫ですよーだ。
ごめんなさい、行かせて。
おにいちゃんに会う為に。
[コックピットを開き、ひらりとフランは外へ飛び出した。**]
うん、気のせいかもしれないけど――
[実際の話、物音はしていた。ただ、そこには、何もなかった。その後、床を転がりまわる羽目>>191になってしまったのだが。杖を握ったまま、小さくぶつぶつ呟いて、とりあえず起こしてもらおうとフェイトの手に腕を伸ばす]
あ、や、たいてーの詠唱がこれ……。
[一先ず、起き上がって体勢を整えるのが先決だろうし、フェイトに腕を支えてもらって立ち上がる。
壁に凭れて一呼吸。]
……これ、墜ちない?むしろ今は墜落に備えないと――フェイト、出るよ。
[辺りを見回し、外へ出直そうと足を向け、一先ずは外を目指す**]
[実際の話、物音はフェイトの実力を試す為に少し因子で”開く”つもりだったのだが。メガマリオンによる妨害や襲撃等で失敗してしまったわけで、ある]
/*
詩論も襲撃したいんだけどなー……足がなぁ。
*/
/*
しかもエリーは操縦とかできないので、誰かからパクったりもできません。
海に落下してウォーターゴーレム作成して激流移動しようかしら。
*/
/*
…足場大丈夫なの?そのゴーレム。
なんかウォータースライダーみたいになって必死に杖掴んでるエリーが浮かんだんだけど。
*/
/*
残念ながら、普通に着替えることになりま・・残念?
……服買ったほうがいいんじゃないだろうか
毎回同じ服は商談のときにどうなのよ。*/
/*
大丈夫、飛行服だから。
(輸送機乗りが飛行服着てる分には違和感ないでしょ。あまり。)
どうしても必要になったら貸衣装かな―。
洗濯の手間要らないし。(飛行服は手入れしてますよ?ええ。)
*/
/*
あー、それもそっか。
―此処までネタ―
っと、話は変わるけど、赤から急展開行った方がいいのかしら。
詩論側も動いてるんだけど、基本この村のバトルってNPC降らせてるからねぇ。
*/
/*
どのみち、明日にはわおーん必要なのよね。
日数考えると……って私怨かい。
まぁ、わおーん関係なしで進んじゃってもいいんだけどねぇ。
*/
/*
どうせわおーんするなら、
する理由ある今日やった方がおいしいかなと言うだけの思考だったりします。
…明日襲撃理由と襲撃先探すの大変だし。(ォィ
*/
/*
なるほど了解(ぐっ
エリーもそろそろわおーんの時期なのでタイミングだけ計ってますね。
エスパーたちに悪いですが。*/
ええい、やっぱり墜ちてるぅぅぅぅ!?
[なんとか壁を伝って外へと視線をむければ景色だけで落下してるのがわかる。
とりあえず着陸しようとしているっぽいけど、無事出来るかはちょっと判断できない。]
……こんな所でっ!
[だが、詠唱する時間がない。となると、杖を衝撃の瞬間に壁にぶつけて自分に来る衝撃を和らげる試みくらいしかできなさそうだ――、シートベルトのような発想は、出なかった。]
ルッカさん!
[機内放送越しにルッカの悲鳴>>199が聞こえる]
ごめんなさ――うわっ!
[叫び返している間に、大きく機体が揺れる。
確かに、戦闘に移るどころか墜落の危機だ。
このまま外にいたら、真っ先に自分が振り落とされるだろう]
わかった、まずはどうにか、着陸しないとね……。
あいつを叩きのめすのは、それからだ!
[メガマリオンを安全な位置まで移動させつつ、自身も機内へと駆け戻る。
しかし、敵は今もどこかからこちらを伺っているのだろうか?
そう思うと気が気ではなかった]
―陣桜市・ダイシチョー左腕部突端―
とは言ったものの…
…まずいわね。
[ダイシチョーの左腕部の先、指先にあたる部分で、腕組みをした少女の機体が仁王立ちでシームルグを見つめる。コクピットで同じく腕組みをした少女の視線の先で、シームルグから次々とグレイスパロウの機体が投棄されていく。
目視の難しい視界の先で飛ぶ偽装輸送艇が飛行パーツを欲していることや、グレイスパロウが“彼女の”お気に召すかどうかなんて少女のあずかり知るところではなかったが―――]
…あのままだと落ちるわ。
[予定通りであるならば、問題なくたどり着けるはずだった。けれど、折りしも間の悪いことに、突如として吹き始めた生暖かい浜風が、向かい風となってシームルグへ吹き付けていた]
…ったく、この陰湿さ、『お客さん』の嫌がらせ?
ダイシチョーを動かす…いえ、間に合わないわね…
[少女の目算にして、シームルグが辿り着くには30m…否、50mほど航続距離が足りない。とはいえ、ここでダイシチョーを動かしては、シームルグとの相対速度によってさらに被害が大きくなることも考えられた。
少女に残された手段は―――]
ルッカ、フェイト、エリー、聞こえてる?
あたしのジンロボはそっちに乗ってるわよね?
操縦系統は死んでるけど、内蔵武装は未だ生きてるはずよ。
外部からの手動でワイヤーアンカーをこっちに飛ばして頂戴。
こっちから引っ張って距離を稼ぐわ!
テルオ君にもそう伝えてもらえる?
メガマリオンで姿勢維持ができればワイヤーアンカーもこっちに届きやすいはずよ。
[テルオ少年が先刻まで交戦していたことなど知らず、そう伝言を頼んだ]
エリーは魔法で向かい風だけでも何とかできない?
魔法のことはさっぱりだからその辺は臨機応変に、としか言えないんだけどね…。
[非常に、非常に残念な事に。もし反応できて操作できる位置にいたとしても。
エリーではワイヤーアンカーを扱うような事は、出来なかった。
ついでに、一度詠唱を諦めたせいで新しく、魔法を使う時間も、なかったのだ――そんなわけで、ルッカの操縦とフェイト・テルオに運命は託される事になる]
明朱佳さんのジンロボを……?
[機内の誰かしらから、明朱佳の通信を伝え聞く]
わかった、メガマリオンで支えるんだね!
[機内をメガマリオンが目視出来る位置まで移動して、待機姿勢のメガマリオンを再び起動する]
…………?
[いつもと何ら変わらぬその動作に、違和感があった。
機体が揺れているせいもあるだろうが――]
……気にしてる場合じゃないや。
エリー! フェイトさん!
動けるなら、ワイヤーアンカーをお願い!!
[と、機内の面々にも呼び掛ける。さすがにメガマリオンの手で、その作業は出来なかった]
─陣桜シティ近空 〜遠い場所─
[今は、メイドのパーツとして飛行機に組み込まれている盗んだラジオ>>1:31から、 「孔」への突入計画>>202の報道が流れている]
人同士で戦うなんて不届きだ>>0:92……なんて適当な事を言ったこともあったけど……つまり今ものすごく僕、不届き者だなあ。
……でもいいんだ。
宇宙怪獣とは、皆が戦ってるけど……ジュリエットさんには僕しかいないんだもの。
「別にそんなことはありませんが」
あ、そうだよね!!!
……orz
やるしかないのよっ!
やんなさいっ!
[通信機越しの相手を思いっきり叱咤する。事実、他に方法は思いついていなかった。腕組みをしたまま、ワイヤーアンカーを待つ]
ああもう、頭痛いってのに…
ええい、向かい風なら、寧ろ扱いやすいわっ!
[後部ハッチを閉じて機首を上げ、凧のように風を掴んで飛ぼうとするが…
砲撃で開いた穴や裂かれた傷は、風を捕まえる邪魔をする。
距離は稼げたが着地には届きそうに無く、
ワイヤーが届かねば水面に叩きつけられる事になるだろう。]
[ちなみに。明朱佳から受け取った通信機は今もテルオに貸したままのため、話が伝わっていない。]
いや、その、撃墜の為のだったから。
ええい、外に出ながらじゃないと間に合わないわよ!
無理やり追い風作る手もあるけど、加減がわからないから余計に着陸できなくなるかも……とりあえずフェイトはこっち気にせず行って来い!
[風をどうにかするには、少なくとも自分では、風に直接影響を受ける場所でなければ、ならない。
外へと足を進めるだけ進めながら、ぶつぶつ小さくあーでもないこーでもないと呟き]
[明朱佳の叱咤を受けて、両手の指に強く力を籠め、ジンロボのワイヤーアンカーを着陸地点に向ける]
フェイトさん、こっちはいつでも!
[メガマリオンの微調整のために意識を集中させつつ、その時を待つ]
あーでもないこーでもない……あーもー……
任せて大丈夫?
だめなら言って。できるなら操縦に集中しといて!
[ぶつくさ言うのに混じって確認を取りに行く]
一応なんとかはなる…と言うかするっ!
ギリギリ届かないかもだけど、水面着水でも沈みはしないから…
着水して浮いてるうちに回収して貰えばっ!
ん? あれ?
ちょっと様子がおかしいな。
……やりすぎたかな?
[言葉責めに、悶えつつ喜んでいたが、ふと遠くのシームルグを見て、首をかしげる]
かろうじて無事不時着できる……程度にしたつもりだったんだけどな……。
[エリーからの返答から一時支えを解いて]
ん、そんじゃ市長から怒鳴られたしさっさと行ってくるわ。
いーか、お前絶対無茶すんじゃねーぞ!!
ゆっくり急いで来い!!
[最高に無茶な注文を付け、ローブの裏側にあるバーニアで姿勢を保ちながらジンロボの待つ場所へ向かい]
えぇと!!!こいつか!?
肘の内側、内側……
[パワードスーツ科だからと、ジンロボの構造については同僚の通信士に丸投げしていたツケが今頃回って来たなどと誰が思うだろう。
必死で市長から指示のあった肘の内側、黄と黒で囲んだハンドルとやらを探す]
……いや、間に合わないでしょこれ。
[一先ず外に出るように急ぐも、この落下中に外から入ってくる風の巻き込み方からして、外に出るのは本来自殺行為。壁を伝いながらでは厳しい。]
――我、古の、盟約を、引き継ぐ、者なり
――我、世界を、憂う、ものなり
――我――セカイを、手にするモノ、エリーの名において、命ずる――
[それでも、外には間に合わないだろうけれど、淡々と詠唱しだす。多分その途中で墜ちてる可能性も、ワイヤーが間に合っている可能性もあるが。]
――――……っ
[市長は「『あんたにできる』って思えたことなら、容赦なくお願いすることになるかも」と言っていた事をふと思い出す]
畜生、俺なんも出来てねーじゃん。
姉貴以上に馬鹿だよ最悪じゃねーか…くそっ…
…あ。
これ、か!?
[ぶつぶつ泣き言を言いながら探っている内に表からでは見付け難い場所にそれは在った。
黄色と黒で囲まれたハンドル、視界に入った直後には両手の力を最大に上げて、引いた]
…アタシがやるわ。
正確な場所は分かんないけど、
近くに門開いてやれば巻き込まれるでしょ…
人の相棒に酷い傷付けた罪は重いっ!
来たっ!
[目前で高度を落とし始めているシームルグから、待ちに待ったアンカーが飛来する。腕組みを即座に解いて、その手に受け止めた。この辺りの器用さや握力の強さは格闘戦仕様である乙種兵装の強みだ]
総員ッ!
[少女の機体に控えていた部下たちのジンロボもワイヤーに群がるのを確認して、声を上げた]
引 っ っ け ぇ ぇ ぇ ぇ え え え !!!!
[あらん限りの声を上げ、あらん限りの力で引かれたワイヤーが、ほんの一時的な推力をシームルグへ与える。少女の頭上を、シームルグが飛び越えて行ったのはその数瞬後になっただろうか]
―― 幾許か前:詩論シティ・グノーシスコックピット ――
[この戦禍にあっても無事に生きていられる、奇跡。
少し苦手ではあるけれど……影なるものと戦う力を持つ、魔法。
長いこと遠ざけていて、けれど今感じられる、愛。
吹き消されそうになっても、それでもまだここにある、希望]
[あるんだよ、と。そう告げたフランに、
結理人も小さく、小さくだけれど、頷いていた]
[ちなみに翼を広げた時、球状の壁面にうっかり触れかけた。
……一瞬の微妙な静寂を感じたのは、自分だけではないのかもしれない。
思えば両手の、身の丈以上の砲身も窮屈な気がしてはいて……。
だから、胸の内がどうであれ、この場で実際にまともに構えて撃つことなんて不可能だっただろう]
ああ、必ず、来る。
……ああ、またやつらがやってきたら。
その時は俺には構わずに行って来い。
[今の襲撃で終わり、ではないことは容易に思考できる。
再びその時が訪れれば、フランは皆のために戦いにいくのだろうし、自分は…――。
そう考えながら、決して明るくはない顔で、けれど頷いた。
それから、彼女が取り出した連絡手段]
ん。あー……、そうだな。ありが……
って、これ、銀時計?
[一瞬、瞬いた。瞬いたが、彼女が新たにアカデミーから拝借すると聞けば、納得した様子で。
ほんの少しだけ、馬鹿みたいに目を丸くしてしまったりもした。多分、その理由について此処で語ることはない。
そして片方の銃から手を放し、腕で抱える形にして――改造前ならあり得なかった器用さだ――その右手で、懐中時計を確りと受け取った]
[実は、体内に一つ、通信機器の埋め込まれているパーツはあるのだけれど。
それは自分でも知らないうちに搭載されていた機器、己のアドレスとなる周波数も実のところはっきり把握できていない。
だから、その通信機について、ここで触れることはしなかった]
…………。
忘れるもんか、絶対。
[小さく、けれどはっきりと、返す言葉。
開かれたコックピット。外からの風を受けながら、フランに背を向け、また一度振り返る]
また後でな。 フラン。
[風の流れに乗るように、飛び立った]
[ハンドルを動かした直後、ジンロボからワイヤーアンカーが勢い良く発射され、身をかわす]
――!?
[危うくワイヤーに跳ね飛ばされそうになりながら、
その行く先をじっと見つめた。
上手く行ったかどうかなんて気にする余裕は全く無く、
とにかく「飛ばせた」ただそれだけを呆然と]
踏ん張れ、メガマリオン!!
[メガマリオンと少年を繋ぐリングに、手応えを伝える機能はない。
だから少年は、ジンロボを支えるメガマリオンを応援した。
メガマリオンの強大なパワーが、遺憾なく発揮されるようにと]
あ……
[そして機体は、境界線を超える]
やったっ!
[試みの成功を察して喜びの声を上げる。
しかし――]
ううん、本番はこれからだった。
[着陸に備えつつも、少年の思考はその先へ]
[滑走路に距離は届いた。後は着地だけ……]
[ふっ]
[その時、シームルグの表面を影が掠めた。
同時に数本の鉤付きワイヤが振り、ダイシチョーの上に腹から胴体着地しようとしていたシームルグに絡み、まるで飛行機そのものが意思を持ってるかのような細やかな動きで、着地をフォローする。
中の人々は、衝撃すら感じなかったのではないだろうか]
[シームルグの着地と同時に、ワイヤーを切り離し、正体不明の飛行機がその少し向こうに着地した]
っ…よし、乗ったっ…
え………?
[風を捕らえ、ワイヤーに引かれ、着地の衝撃に備えようとして居たら何かが機体をかすめる。
機体が不自然なほど軽くなった感覚に、なにが起きたか周囲を見回し…
着地した謎の飛行機に視線を向けた。]
―― 現在:飛翔、詩論シティ内の空域 ――
しかし。……初めて、触ったな。銀時計なんか。
[あの時目を丸くした理由。それは、銀時計、というものに対する入坂結理人青年のイメージ。
それは大学かで栄誉の証として授与されるもの……そんなイメージ。
期末のテストで26(75)点程度しか取れないような自分には縁のないものだと思っていた、それ。
どんなものなのかと、ふと、空中に佇んで懐中時計を開いてみた]
…………これ、俺。
[そこには、かつての自分の姿が映っていた。
思わず、瞬いた]
あー……いつ撮ったんだったっけな、これ。
[これを、今までずっと妹は持っていたのだろうか]
[だが、山場を乗り越えた、と判断できていない娘がここにいた。杖を掲げながら外に何とか出てくる。
加速して、減速して――未だに流れる景色。確かに都市に入ったようには見える。]
風よ――、
[だが、シームルグの動きが遅くなる。此処で、ようやくどうにかなったらしき事を判断できた。
しかし、もうすでに風に影響を与えてしまっている。後は――空襲を受けたのなら、飛ばせなくすればいい、はずだ。この辺りを飛んでるなら、さっきの恨み、晴らしてくれよう。
だから――]
地に、叩きつけよ!
[地上に、叩きつけるように、風向きを、変えた]
……ありがと。
[ひとり呟いて、そして、地上へ向けて旋回する。
目的はふたつ。銃を置いてくるのと……探し人を、見つけるため]
[本来の地に叩きつける風の目的は――]
これで、さっきの奴も落ちてくるかもしんない。
……お膳立てはしたよ?
[飛べない、借りを返す手下――同胞――への援護。]
――――?
[不意に機体の動きが安定した事に、少年も気付いていた。
そして、予想していた衝撃は訪れず、気が付けばシームルグは着地していた]
なんだ?
[慌てて外の様子を探ろうと、手近な窓に取り付く。
視線の先には、正体不明の飛行機]
助けてくれた、のか?
[それでも何故か、その両手から緊張は解けなくて。
メガマリオンを目視出来る位置まで、もう一度移動する]
[…自分より小さな「主」の言葉にくすり、と笑いがこぼれる。]
…ありがと。
見つけて、思いっきりお返ししてやる。
[愛機のセンサーを最大限に作動させて、さっきのロボットの反応を探した。
変形する所なんて見て居なかったから、あのまま飛べるんだろうと考えながら。]
─陣桜シティ・ダイシチョー腕部─
[飛行機は、その場で組み換わり変形し、人型に変わる。まだどこの情報にも流れていないだろう機体。
人類の敵になるか味方になるか、まだ決まっていないメカ]
<やりすぎてごめんね。沈んでしまわなくて良かったよ。
……それじゃあ、続きをしようか。おいでよ、大きなメカマリオン>
[外部スピーカーから、勇壮な音楽と共に流れるのは、市長やルッカなら知っているだろう声]
<環境に異常状況あり>>234>
[メイドの報告内容は、青年も感じていた]
なんだろうこれ?
局地的低気圧みたいなもの?
……何にしても、行動やジャンプに制限がかかりそうだ。
タイミングが悪いな。
へぇ…
人の機体に穴開けたり羽破いたりしたのは、アンタだったのね…
[居なくなっていた事や物が色々無くなっていた事に怒る気は無かったが、
流石に愛機を傷つけられた事には大分怒っていて。
…我慢する気も無く、機甲の近くに意識を集中させた。]
…ちょっとはこっち来ちゃうかもしれないけど、
市長さんとか居るしなんとかなるよね。うん。
[小さく開きはじめた『門』には、一体何人が気付くだろうか…]
…………
[自分が――自分の相棒が、呼ばれている。>>237
それを悟って、少年は自ら、シームルグの外へ出た。
天から吹き下ろす風に、髪が押さえ付けられたように乱れる]
おーよ!
[メガマリオンも、役目を終えたジンロボを安定姿勢にさせた後に歩き出す。
その右手に、新たな武器を手にして]
やってやるよ、変形ロボ!
[右の人差し指で、敵機を差す。
メガマリオンは、パイルバンカーを掲げ上げ――
そして猛然と、敵に向かって走り出す!]
マニピュレーター、確保急いで…っ
…なに…?
[視線を反転させ、頭上を飛び越えて行ったシームルグを受け止めるべく指示を出しかかって。けれどその言葉は途中で消えた。
視界の先で、謎の飛行機がシームルグをすでに受け止めている。そのカラーリングに、見覚えがあった]
修理屋、あんたね?
[そういえば、付き従っていた(というより従えられていた)メイドの名こそ聞いてはいたが、本人の名は聞いていなかった。名前の代わりに、少女が認識していた職業で誰何の声が飛ぶ]
今度は誰に喧嘩売りたいの?
[それら全てに対する回答として、外部スピーカー>>237から聞こえた声は十分だった]
そう…それなら…
[少女の脳内で思考が飛び交う。修理工の青年の、推測された目的…武器であるメイドの使用目的に、己が合わせること。メイドの推測される目的…戦闘のそれ自体と、あるいは勝利。
そして、戦闘の相手…メガマリオン。
メガマリオンに、操縦者こそテルオ少年がいるが、搭乗者は、いない。 ならば、市長たる少女の選択は]
……総員、警戒態勢で待機っ!邪魔しちゃ駄目よ!
矛先がこっちに向いてない以上、刺激する必要はないわ!
…テルオ君。悪いけどあたしは加勢できないわ。
けど、応援してる。がんばって。
[苦々しさを滲ませながら、そう告げるしかなかった。
先刻の浜風からして、次の襲撃は目前だ。戦力と人命を優先するならば、それが最良の選択であるはずだった]
うふふふふふふふふ…………お〜ま〜え〜かぁ〜……
[奇妙な笑みを零し、天から叩きつける風を保つ。
その風のせいで前髪が目に張り付きかけたので一旦首を振って、状況を確認する。
見慣れない何か、そして――テルオが向かっていく。まぁ、間違いないだろう。
逃げにくいようにこの風を維持するだけで、この場はよさそうだ。
……もしコレで逃がしちゃったりしたら、リミッターつけてる約束を忘れそうだが。]
[呼びつけた相手が姿を表す>>241のを見て、こちらも背部から機槍を取り出し、構える。
機動させると、穂先は細かな振動を走らせる]
大きいだけの玩具は、玩具箱にしまってあげるよ。
[こちらの4倍の体長、質量としては約10倍の相手が迫るが、気遅れもせずに。
体重では負けているが、小回りが効くことが強みだ。また、身長差がある相手にも、槍なら対処が効く。
負ける気はしなかった]
[ざっ!
こちらも走り出す]
──あれから暫くして・裏電機街《工房》──
──なのか?
[向けた通信は以前遭遇した彼へ、修理の際に使った《パーツ》を通して行なわれていた。
手元の"マーク付き"のパーツ、返さねばならぬソレ。
──今は綺麗に修復されている── を指で転がしながら。]
[相手の得物にセンサーを向ける。
建設機でいう杭打ち機に見える。
工具ではないが、親戚ではあるから、構造と用途は推測できた]
<それで本当に、僕と戦う気かな?
一発外したら終わりだよ。リロードなんて、させない>
[あえてスピーカーのボリュームを上げて話す。どこかで見ているだろう操縦者に、心理プレッシャーをかけてみた]
[相手が取り出した槍>>246に目を見張り、そして気を引き締める]
玩具なんかじゃない!
仮に元が玩具だとしても――動かすオレは本気なんだ!
[彼我の距離が縮まって行く。
しかし相手に同じ手は使わせない。
向こうが懐に入るより早く、武器を持たない左手を振り回す。
単に手で振り払うだけの攻撃、しかし体格差を考えれば――]
だったら外さなきゃいいんだろーが!
[相手の動きを伺いながら、聞こえて来た声>>248に叫び返す。
向こうの口調には余裕が感じられ、不安が胸の裡に忍び寄る。
それでも、一つの言葉が、少年に勇気を与えてくれた]
いいか、ヒーローはな、大事な一発を外したりなんか、絶対にしないんだ!!
――やれ、やってしまえ!
[音楽鳴らすヒトカタロボット睨み付けながらそう、叫ぶ。
若干の怒りの表情を見せ、叩きつける風を維持する――。]
――やれ、やってしまえ!
[音楽鳴らすヒトカタロボット睨み付けながらそう、叫ぶ。
若干の怒りの表情を見せ、叩きつける風を維持する――。
それは、――テルオにではなく、ルッカにむけられた、もの]
[どこかから聞こえる小さな声に>>249、青年はクスリと人の悪い笑みをこぼす。
本来は善良な青年だったけど、巨大なマリオンのもつ長点にして欠点には気付いていた]
本気?
……違うね。命の張り方が、決定的に違う。
マリオンがたとえ大破しても、そこに乗っていないきみは死なない。ジュリエットさんが大破したら、僕は死ぬ。
そこが違う!!!
[ガンッ!
左手の振り払いを避けなかった。槍の石突きを地面に、振動する穂先を先端にして、それを受ける。
払いを止めなければ、マリオン自身の力で、そちらにすれば小剣ほどのサイズの槍を、自分の腕に押し込むことになるだろう。
万一、自傷を恐れずに叩きつぶそうとしても、槍が衝撃を受ける間、に逃げる隙は生まれると予測して]
…もうやってるよ。
[くすり、と笑ってさらに意識を集中させる…
因子を持つエリーには、空の『門』が小さく震えたのが分かるだろうか?]
でも、流石に乱入も野暮かと思うんだけど…
あの門が我慢できるウチが華、かな。
ああ、うん。ちょっと怒りと、風の維持で判断しにくかったかな。
[と、小さく、小さくささやく。]
まぁ、少しはやらせてあげてもいいけど……気づかれる前に、ね?
私が風を解除しないのが不自然になる前に――お願い。
―― 詩論シティ・路地裏へ ――
[荒野への着陸。抜け道から通り過ぎる、地下基地。そこからさらに抜け道で、ある一件のカフェの地下へ。
いわゆる、実は背後に暗黒組織がありましたという類の店舗である。
そこの倉庫に一先ず一対の銃を放り込んで、通りへ続く扉をそっと開いた]
……何か、騒がしいな。
えっと、あっちって電気街の方だったっけな。
[ちらほらと警官の姿も見える。
折りたたんだ翼を黒のマントの下に隠す。服装が微妙に妙なのは兎も角として、これで一応《人》には紛れられる、筈、だ。
ちなみに怪人化してから今までずっと、マントと翼が共存していた状態だったらしい]
えっと、そう言えばどこだ、――――。
[上空から航空写真的に探すという発想はなかったらしい]
[言われてみれば、誰かが門に気付いても風が吹き続けて居ればおかしいと思われるかもしれない。
だったら…]
…ちょっと待ってね?
気付かれない内に、近づけて、気付いた頃には一気に行くから。
……、……。
[体内の機器から聞こえてきた《その人物》の声色を想う。
その人の声は、あの時どこか、優しい色をしていた。
先ほど外側から加わった熱さは、幾らかは冷めていた頃。
ほんの少し、身体の内側から熱が生じた気がしたのは何故だろう]
うふふふふ……ほほほほほ…………
[ぶつぶつとなにやら呟きつつ、戦いの様子をじぃっと見つめている。奴が逃げないか、集中してみている。]
つまり、もし逃がしそうになったら、最悪叩き割ればいいと……
[大破すれば死ぬ、そう聞いて、
目の色が、変わっている――何かを夢想するかのように。
いろんな意味で危ない状態に見えるかもしれない。]
こいつら、何の為に戦ってんだろ。
[テルオもその相手も、互いに敵意はなさそうに見えるし、かと言って友人知人の類でもないようにも思えるしで、天使は腰に手を当てて見上げては首を傾げてばかり]
意味はなくとも、やりあいたい時もあるってやつなんかな。
[耳元で静かに鳴る、本部からの通信にも今は答えず放置。
気付いても「取り込み中、また後で」と言って再び2人の戦いを見守っているだろう]
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