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くそっ、馬鹿力め!!
[負う傷も構わず突進してくるバーサーカーに向かい、防御陣を張る。
しかし、その拳の衝撃を止めることは出来ずに後ろに吹き飛ばされる]
ぐあああああっ!!
[無様に地面を転げるが、何とか膝を突き体制を整える。
今回は今までとは違いすぎる。
このバーサーカーを止める事は、生半可な覚悟では不可能]
アンネリーゼ!
[ゆっくりと立ち上がり]
悪いが、君の魔力が試される時が来た。
覚悟を決めろ。
[立ち上がったソロモンの周囲には、いつの間にかソロモンの鍵が・・・・・・大小様々な6つの魔方陣が具現化していた]
宝具を発動する。
[そして、中央には1冊のスペルブック。ソロモンの鍵の中でも最も情報量が多いとされている、ソロモンの大鍵]
[ビンセントは風変わりな術を使い
鞭の様にその変じた腕をしならせた。]
この…ッ
[まだ昨日の宝具開放の余波が残っているのか。
照準がぶれるような感覚がある。
それだけではない。
どろり。
ざわり。
闇が引き摺られるように奇妙な音を立てる。
少し離れ、ソロモンが相対する女に生えた黒い腕。
それもまた闇のようだ。]
יש.
(備えよ)
אורקל של סרה אוניברסלי אני, העניק את כוחו של השטן לך Tamae מו 力 למלך.
(万物の魂を操りし巫女よ、汝の力もて王に魔神の力を賜りたまえ)
[ソロモンの周囲に現れた魔方陣が、ソロモンを中心にぐるぐると回り始める。
そして、彼の手に輝いている指輪から、眩い光が毀れ始める。
同時に、オセが立ち上がりソロモンの方を見つめる]
ァ
[じとりとした赤が歪み、嬉しそうに舌なめずりひとつすると
唇がまるで血を啜ったかのように輝く。
悲鳴、破砕音、爆発音。
耳に心地よい負のコーラスに女の表情は、悦に染まる。
白い袖の下、滲んだ血を舐めとると
女は一歩大きく離れて黒い腕を緩く握りなおした。
主を追っている男があるなどどうでも良かった]
刮目せよ
[狂いを解いたわけではない。
けれど言葉が形作られた]
貴なる鬼に
[黒い拳がみぢり、と音を立てて]
横道などなし
[振り下ろされる]
[ビンセントを追う足が止まる。
振り返るは背後、
大きく膨れ上がる、
まばゆいばかりの膨大な魔力――]
……宝具か…!
[この場に居残るは、危険に過ぎる。
ビンセントを追うのを中断し、
その場からの撤退を開始した。]
[ソロモンの体から光が毀れ始め、今までの貧弱であった筈のその魔力が著しく増加していく。
そして、ソロモンの体の周囲には・・・・・・銀色に輝くライカンスロープが浮かび上がる。
まるでソロモンがその光の狼男を体に纏っているかのように、彼の腕も、体も、足も、そして顔も。光の鎧を纏っているかのように変貌していく]
第五十七柱、魔神オセ。
名も知らぬ英霊、悪いが貴様の命運もここまでだ。
[次の瞬間、光を纏ったソロモンはバーサーカー目掛けて光の速さで踏み込み、そのままバーサーカーの鳩尾に目掛けて光の爪を突き上げる]
[拳は地に叩きつけられ、そこから膨れ上がる黒く歪んだ炎と
捲れ上がった大地の、破片と呼ぶには余りに大きすぎる塊。
それらは轟音と衝撃を伴いキャスターへと叩きつけるべく
まるで地より龍の這い出でたかのような錯覚を伴って
真っ直ぐに伸びてゆく]
─── ァ はッ
[鳩尾に食らったところで女の進足は止まらなかった。
嗤う。嗤う、嗤う。
己の宝具の威力が相殺されようと、
戦闘を続ける能力に長けていた英霊は
男の腕を勢いよく、関節の稼動範囲外の方向へ
遠慮なく捻りあげようと鳩尾に沈んだその腕を掴みにかかる]
ぐっ・・・・・・!
[光り輝く腕はバーサーカーの剛力に捻られる。
咄嗟にバーサーカーの体を蹴り、距離を取る。
しかしそこには先に放たれた地龍が襲い掛かる。
数歩下がるが、ソロモンを補足し軌道を変えていく。逃れられない]
察し、ソロモンは正面に掌を突き出す。
周囲を回遊していた魔方陣が、掌を中心に集結し。
そしてその中央、まさに掌へと光が集まっていく]
・・・・・・打ち抜く!!
[その地龍の向こう側にいるバーサーカーまで見据え、その光を開放する。
オセが放つ光は一直線に地龍を正面から打ち抜く。
凝縮された魔力の光はもはや魔術師が扱うそれとは次元が違い、その塊を破壊し、周囲の空間が歪み、そして空間ごと塊は弾け溶けていく。
貫通しながらも小さな爆発を繰り返し、なおも直進し続ける]
――っ、…!
[弾け飛んだ地面の破片を
身を捻って避けるが腕に掠る。
とんだ先、非常階段の手すりに
掴まって体を支えた。
硝子の欠片、照らされて
神話の戦いが繰り広げられている。
御伽噺ほどに遠い、偉大なる王の魔術。
相対するは、いにしえの鬼。
巻き起こるそれは暴力といって尚生ぬるい。
ユダは探す。
マスターの気配を。
よもや巻き込まれてはいまいな――と。]
ッ
[舌打ちがひとつ。
そして女は後方への深い跳躍を以って間を空ける。
白い着物は既に赤い。
青灰色は、傷の割にす、と立ち上がった。
バーサーカーの、バーサーカーである証ととるべきか]
[光はバーサーカーを掠め、そのまま遠くの空へと空間を貫いていき、そして周囲の空間に歪みを残しながらも消えていく]
くっ、避けたか。
[誤算。この状態を保てる限界が近づいている。
今の一撃で倒せなかったのは致命傷になりかねない。
もう一度、今の一撃を放てば。自滅に繋がる]
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