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[その傍から、少しずつ。
全ての緑が枯れ、空気が腐っていく。
テラフォーミング。
最終の手段にして、究極の手段。]
ダメだ、あれは…!!
[無数のコードが地面に突き立つ。
イステはそれに見覚えがあった。
そのコードで、齎すのだ。
《青い星》にいる者たちにとっての破滅。《終焉》を。]
新手か!? 数はいくつだ!?
[思い浮かぶのは量産型の集団だった。
リルが操るHMだけでもつらいのに、余り良い状況とはいえなかった**]
[ヴォルバドスはその矛先を《終焉》へと向ける。
剣を鞭と変え、得意とはせぬが
遠距離より焔を放ち
地に刺さるコードを断ち切らんとした。]
[避けると言う選択を持たぬような機体コンゴウが、ラミアに直接ぶつかる衝撃。
両腕を交差させたまま、斜め後方へ弧を描くように跳んで下がる。
──その時だ。
【終焉】、惑星探査装置 GUIL-GAINが、Endeavour社ビルを崩壊させながら、その姿を現したのは。]
―――… ソウマ。そうだ。アレが《終焉》。
私たちの、敵だ。
[腐敗。それは古の再現だった。
コードを切ろうと、
それは焼け石に水だろうか。
本体を断たなければならない。
今度こそ。この上なく、徹底的に。
青の双眸に鋭い光が宿る。
――時を同じくして、
HMの部隊もまた腐り行く大地と
惑星探査装置の姿を見るであろうか**]
──……ッ
“あの子”なのね!
[ラミアを通じて伝わる肋骨がひび割れるような衝撃よりも、ギルゲインが現れた事への感情が痛みを凌駕して、異なる感覚をインターフェイスの身体にもたらす。
開始されるテラフォーミング。
リルだけは、その不吉な姿に、絶望、恐怖、暗黒の闇ではなく、希望の光を見る。]
― コクピット ―
[突然、機体の動きが軽くなる。
その動きの変化には覚えがあった。
あれはそう、初めてラミアと遭遇した時。
思い出すのは、肩から流れる青い血液。]
バ………ッ、くそっ!!
[イステに抗議の言葉を言おうとするが。
今はそのような場合ではないと
言葉を飲み込むと共に、自分への苛立ちを口にする。
終焉に対して攻撃すると同時に
機体に走る若干の衝撃はどれほどの影響があったか。]
[イステはヴォルバドスの魂。
自身を称するその言葉通り、
戦闘における操作は感覚共有が前提となっている。
《魂》と正しく接続したことで
何処か残していた動きの重さが一変した。
反応速度、意志伝達速度、技の展開速度、
すべてが上昇する。
蒼真はそれを如実に感じるだろう。]
―Endeavour社付近―
ほ、報告ー!
本社地下より…きょ、巨大なインフルエンザ出現! 本社ビルは倒壊、応援求む! 応援もt た、たすけ、うわあああ…!!
[突如現れた巨大HM。その姿にEndeavour社付近に待機していたシグ隊は圧倒される。
ある者は伸びた触手に貫かれ、ある者は変貌を遂げていく大地に飲み込まれ、またある者は巨大HMの攻撃で直接砕かれただろうか。
救援の通信より程なくして、そこに待機していたシグ隊は等しく壊滅していた――]
―上空―
おい! 誰か! 誰でもいい! 返事をしろ!
[だが、すでに本社ビル傍の部隊の反応はひとつとてなく――]
…――12小隊のシグが3分で全滅だと…?
なにが起こってやがる………。
[唇を噛む]
本社へ向かう! 各機、編隊を組みついてこい!
[翻し、青いシグエルを先頭にしてMEの一団はEndeavour社、本社ビルへと向かい飛んだ]
[大地に突き刺さったいくつかのコードが焼き払われた。
忌まわしき抗体。この星の意思の具現。あれのせいで、こんなにも長くの時間がかかってしまった。
だが今回は、その分、準備をする時間を取れた。
この星の抗する力を削り取るための時間。]
ブゥーン…
ブゥーン…
[駆動音が鳴り響くと、焼き払われたのと同じ、あるいはそれ以上の数のコードが現れた。
コードは次々と地面に突き刺さっていく。]
[闇に落ちた顔。
口にあたる部分がゆっくりと開いていく。
その中もやはり闇。]
ブゥゥウーーンンン…
[低く長い駆動音ひとつ。その余韻も消えぬうち、開かれた口から音もなく熱線が放たれた。
周囲の通信施設や抗体たちを巻き込むように、そのままゆっくりと首を回していく。]
[次いで、事前に準備してあったものを発動。
すなわち、Endeavour社の関わる全ての通信を強制的にシャットアウトさせた上で、いくつかの拠点や人工衛星から強烈な妨害電波を発信させる。
これで、地球上のほとんどの通信手段を無効化できる。
それだけで多くの人間が混乱に陥るだろう。自分のことが世界に伝わるのもしばらくは阻止することができる。
もし伝わってしまったら、次の手を打てばいい。
仕込みは終わっているのだから。]
―――!
[熱線が、夜を薙ぎ払う。
避けろ、と謂うまでもなく
ヴォルバドスは動いたろう。
そのスクリーンは映す。
連鎖する爆発。
電波塔がどろり、融解しながら飴細工のように折れて落ちた。
電線が引っ張られ、高圧電流を撒き散らしながら千切れ暴れる。]
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