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― ホテル ―
……俺は、風限蒼真だ。
[別れ去っていく爺の背中に、名前を投げ掛けた。]
あれもパイロット、か。
一筋縄ではいきそうにない爺さんだったな。
[表面は好々爺っぽくはあったか、
内には何か一物を抱えている……そんな印象。]
イステは、どう感じた?
…彼は。
この時代においても
何らかの戦いを経験しているのかもしれない。
[蒼真の問いにはそう答える。]
キャスリーンと対をなす
乗り手では、ないようだが。
前進、とも言い難いか。
[キャスリーンの質問>>166を受け、少女は静止する。]
本当……この場合の「本当」の定義。
「実際に起こった事」と変換する。
「本当」ではない。
あくまで外部音声データ。
外部波長データをロードした結果。
データ化された情報が元。
開発者によるメモリー操作は否定できない。
[女性の心中を余所に、少女は理論的事実を告げる。]
情報交換完了...
キャスリーン・ロンズデールの敵性度を設定。
[目的の有害度……E。
方針の合致……B。
会話対応、開示レベル……C。
総合。
契約者≪ダン≫の移行と合致。協力可能。
敵性度は低。
詳細な敵性度ランクを決定。
敵性度 ....]
[ ――― ̄ ̄____ ̄_ ̄_――
__  ̄  ̄ ―――_  ̄  ̄ ̄ ___
『人類__ ̄―画』
――_______ ̄―― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄__]
戦い……戦争、か。
[胸がチリと痛む。
両親が死ぬ原因となった物……。]
まぁ、会えただけでも良しとしよう。
険悪な雰囲気になったわけでもない、
次に話すときの取っ掛かりになると思えば良いさ。
………と、そういやメシだったな。
[よく考えれば、騒ぎのせいでまともな食事をそんなに取っていなかった。
意識をすれば、そこには確かな空腹感。]
設定を完了。
[演算は滞りなく処理サレマシタ。]
複数で固まっている。
信号が発見されやすい。
移動を提案する。
[ダンの裾をくいくいと引っ張った。
特に先ほどまでと変わりのない仕草。
その脇で、水色の花びらが一枚散る。
少女の視界を横切り――瞳はそれを追う事はしなかった。]
…ソウマ。
[戦争。
夜の公園で絞り出すように語った彼の過去を思う。
けれど。
(かのものに対抗しうる兵器。機神)
そう、遠い記憶が
イステのことを定義付ける。
ふるき禁呪さえ用いて編み上げられた。
戦争。戦い。目的は変わらない。その為にイステとヴォルバドスは―――]
あ、ぁ。 そうだな。
―――食事。
摂れるうちに、とることを勧める。
ここでもいいし、別の場所でもいい。
[イステは食べ物の好みを知らないから、そんな風に謂って。]
ん、あぁ……そうか。
[この時代、
違う時を生きていたイステにとって、
この時代の食べ物は殆どが未知なのだろう。
それでは当然好みもわからない。]
なんか、単純な嗜好もないのか?
[だったら俺が決めるけど、ともう一度問い掛けて。]
……。
…食物を摂取する必要は
特には、ない故。
[それでも。単純な嗜好、と問われれば]
エネルギー化の効率が高いという意味でなら、
あまいもの、だろうか。
甘いものか。
[この周辺の店を思い出していく。
流石に隠れた名店とかは把握していないが、
ある程度の数ならば流石に知っている。]
じゃあ、喫茶店にでもいくか。
ケーキとかパフェとか、甘いもんには事欠かないだろ。
確か……近くに評判がいい店があった筈だ。
[付近に条件が該当する店を思い当たれば、
そちらへと向かうために出口の方へと向かう。]
喫茶店。
[ケーキ?パフェ?と首をかしげたようだったが]
お前も食事も取れる場所ならば、
問題はない。ソウマ。
[来た時とは逆に、
蒼真のあとを付いていくように歩き始めた。]
― →喫茶店 ―
あー……そうか、しらないのか。
[知っていて当然の事を知らない。
そればまた、自分とイステの違いを再認識させられる。
生まれや、生きた時代、境遇。
それどころか種族すら違うのだろう。
それに少しだけ、複雑な思いを抱く。
店に入ると、運よく直ぐに席に案内された。
写真付きのメニューを受け取ればそれをイステに渡して。]
どれがいい?解らなければ適当にするけれど。
―喫茶店―
知らない。
それは、私たちには関わりない事だった。
[当時。
街がどうだったか、
神官や魔導師がどのように暮らしていたのか。
イステには遠いことだった。
けれど今は、違うらしい。
色鮮やかな写真の載ったメニューを渡され
じ、と真剣な顔をして見た。]
……。たくさんある。
こんなにも種類があるのか。
よく、分からない。
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