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そんなこと、だよ。
でもさ、嫌と言っても気にするんだろ?
[視線を逸らされて、自らもまた俯く。
取った手を撫ぜながら呟いた]
考えるんだ。
どうしたら悲しませないで済むか、って。
気持ちに無理をせず。ただ、幸せでいて欲しくて。
でも、駄目だね。優しすぎるよ。
[いつの間にか微笑みは消えて。]
どうしたら笑ってくれる?
どうしたら、幸せでいてくれる……?
[答えが明白な命題を、諦めたような声で問いかける。]
……嘘?
[その言葉の意図が読めず、瞬く。
だけどすぐに合点して。
重ねられた手と言葉に、息を少し深く吸った]
幸せでいて欲しいと願う気持ちは嘘じゃない。
ただ、そうできないだけで。
[手に視線を落としたまま、自嘲する。]
諦めないと言ってくれてありがとう。
けれど……。奇跡は、起きないよ。
[それはいつか、がいるに言った言葉>>1:197とは真逆の。]
そう。
奇跡は気軽に起こるものではないから。
それでも
一つだけ願いたい。
[気丈さと、不安定さの狭間を漂う。思考は千千に。おうむ返しのように。]
あんたを本当に笑わせるにはどうしたら良い?
[繰り返される問い。無限のループ。
やさしいひとの願いに、心は痛む。]
あなたが、幸せであればいい。
心のままに。
わがままに。
笑っていてほしい、ただそれだけ。
例えその場所が……俺の傍でなくても。
[口にする願いは、たったひとつ。それはとてもシンプルな。]
[過去に戻って、すべてを消して。
もう一度やり直そうか。
こんな馬鹿な店員がここにいた事実すら、全部消してしまえば。
そうしたら、あなたは笑ってくれるだろうか。]
馬鹿。
……馬鹿。
[手の甲に爪を立てる。
甘い言葉に行く先を封じられ、切ない言葉に退路を絶たれて言葉もなく]
ほんと馬鹿だね……。
[弱々しく言った。]
[預けられた身体をそっと包んだ。
まるでガラス細工を触るように、繊細に]
―――ごめんね。
[たった一言呟いて。
その熱を味わうかのように目を伏せる]
[そして男は、願いを決意に変える。
自分の力で起こすことができる、たった一度の。
そして最後の「奇跡」。
爪を立てられた甲が、責めるように*痛んだ*]
[アップルパイとリンゴジュースを平らげると、もそもそと肩までこたつにもぐりこんだ]
……寒い、ですにゃ。
[本当は心配で仕方なかった。不安になればなるほど、寒くなる]
[思い出すのは、ハデーの言葉>>6:83。そして、らびの言葉>>2:136]
らびさんの塔を消してしまったのは、ハデーさんだったみたいですにゃ。
[どうやったらそんなことができるのか、さっぱりわからないけれど]
らびさん、おっしゃってましたにゃ。
塔と一緒に消えた人は、しばらくしたら帰ってきたけど、全然変わってしまってたんですにゃ……。
もし、おにーさんも、変わっちゃってたら……。
[心臓がつかまれたようにぎゅっと痛んだ**]
[決意など今は知る由もない。]
[ねこにゃの呟きを聞きつけ]
あったかいものはいかが。
[一言訊ねた。
雷雨は続いているよう。*]
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