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―居室―
[城主は寝台に腰を下ろし顎を引く。
俯きがちなその横顔は何処か憂いを帯びたもの]
死者を出さぬには宴を終わらせぬばたまの檻を開くより他ない。
けれど、吸血鬼が居なくならねば終わらせられぬ。
それがこの宴の『理』であるから――…
[誰かの声に独り言ちて困ったような貌をする]
人が吸血鬼を葬るか――…
若しくは噂に聞く封じの力に依りて其れを為すか。
[その力持つ者がこの城に居るか如何かも知れない。
赤いケープの少女が不思議な事を言っていたから
それが引っ掛かっているだけかも知れず。
ふ、と物憂げな吐息を零し闇に意識を傾けた**]
── グレゴリーの部屋 ──
[その扉が開けられたとき、城そのものにも似た冷気を感じた気がした。
いつもと変わらぬ…否、ほんの少しだけ何かを捩じ伏せたような──飄々とした口調で挨拶をするグレゴリーの周囲はそれとわかる程に酒気を帯びている。]
──…、
こんな時に、酒に走る男ではないのはわかっていた。
だから──]
[グレゴリーの左の首筋に穿たれた傷痕を目にした時、視界の端が暗くなるような錯覚を覚えた。
それは拭うことのできない闇の刻印。]
──少尉、
[これまでに起きたであろう出来事を推測する。
ロランを殺した者は、現場に短剣を置いておけば、誰かがグレゴリーを糾弾しに来ることを計算していたのだろう。
グレゴリーを下手人として裁かせるため、あるいは──
グレゴリーにその者を引き渡すため。
だとすれば、自分はまんまとその奸計にのって、ここまで導かれたことになる。]
──中へ、入らせてもらう。
[宣言し、その通りにした。
室内を一瞥すれば、サイドボードに酒の空き瓶。
それも一本のみならず。
酔いで鈍らせようとした感覚。
彼なりの努力の証。]
[背後で扉を閉ざして、ふたたびグレゴリーと目を合わせた。]
…わたしは、ここにいるだけでおまえを苦しめているな。
──すまない。
-- 廊下 --
[目を閉じても寝入ることは出来ずに起き上がる。]
[シルクのスカーフを一枚、首に巻いて傷を覆い隠した。]
[それからひたひたと裸足廊下に出て、小窓から外を見る。]
[夜の闇が心地よくて、自然と口元が笑みを作っていた。]
[身体が人間の血を求めている。]
[その欲望のままに動いてはダメだということは理性が悟る。]
[でも、わからない。]
[親吸血鬼の血にすら身体は貪欲に反応したのだ。]
[そして―血で渇きを癒したときのなんともいえない感覚。]
[えもいわれぬ快楽の瞬間を、覚えてしまった。]
[果たして人間の血を見たとき、冷静でいられるかは―。]
[そして]
私の血は、さぞ美味しくないのでしょうね。
[彼女を吸血鬼だとする言葉。
近づけば伺えたのだろうか、首筋の跡に]
では、失礼いたします。
[なんと答えられようと、会釈し礼拝堂へと戻るだろう]
[気付けば城主の肖像画の前に来ていた。]
[画を見上げて、ほうと息を零す。]
――……。
[肖像画に冷たい手のひらをひたりと当てる。]
[自分はアナスタシアのように凛とはできず。]
怖い。
[はじめて、郷里に帰りたいと思った。]
[しかしそれはもう、叶わぬ願い。]
[太陽の匂いに満ちた場所へは―もう近づけない。]
[失ってはじめてその大きさに気付くのもよくある話である。]
[夜の向こう側の世界は―まるで闇の中を手探りで進むようだった。]
― 墓所 ―
[リディヤの墓。
訪ねるなら朝にしようと言われていたけれど、敢えて後に回す理由はなく]
呼んだ?
[闇から伸びた冷たい手が、男の金糸を 紗羅、と梳いた]
―居室―
[闇の眷属であり城主の手足とも言える影が何事か囁くと
城主の柳眉がピクと跳ねた]
静かだと思ったら……そう……。
あのこ、殺されてしまったのね。
[其れに対して心は動かない。
冷めた眼差しでその報告を聞き終われば応えを向け
闇の奥底へと意識を向けてみるけれど――]
目覚めるまで時間が掛かるかしら。
[声は未だ聞こえはしない。
ゆると首を傾げ思うは彼女の眷属の事。
主を失えば眷属は如何なるか――。
自分の眷属と其れを重ね、きつく眉根を寄せる]
[微笑を向けているとも見える肖像画を見上げる。]
城主様…私は、帰りたいんです。
どうすれば帰れるの…?
[ひたと当てたままだった手を離し、首に触れる。]
[一対の小さな孔。]
[吸血鬼の接吻を受けた証―。]
親吸血鬼を殺しても、人間には戻れないんだね。
そんな話もどこかで読んだ気がしたけど。
――!?
[触れたのは己の指ではなかった。
息が、停まった]
…………――
びっくりした……
[わざと、大げさに肩を落として溜息を吐く。
現れた女は、まるで闇がそのままかたちを結んだよう――そんなことはありえないのに]
呼んでは、いないですけど。
……。ひょっとしたら、いらっしゃるんじゃないかな、とは……なんてね。
[軽く笑う。わざとらしく笑う。
笑いつつも、彼女の首筋に目が行ってしまう。首筋に並んだ二つの痕に]
[グレゴリーの言葉にひとつ頷き、クローゼットを開けると “やたら金のかかった” 佩刀を手に取る。
代わりに、とでもいうように、ナプキンに包んだグレゴリーの短剣を床に置いた。]
グレゴリー、おまえに頼みがある。
これから、わたしと一緒に来てくれないか?
試してみたいことがある。
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