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[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
追われし者 ユーリー は 伯爵令嬢 カチューシャ に投票した
城主 イライダ は 伯爵令嬢 カチューシャ に投票した
アナスタシア は フィグネリア に投票した
海賊紳士 トリス は 敗残兵 ベルナルト に投票した
敗残兵 ベルナルト は 騎兵長 グレゴリー に投票した
伯爵令嬢 カチューシャ は 海賊紳士 トリス に投票した
騎兵長 グレゴリー は 薄命の青年 ロラン に投票した
オリガ は フィグネリア に投票した
フィグネリア は 城主 イライダ に投票した
遊牧の民 ナタリー は 海賊紳士 トリス に投票した
薄命の青年 ロラン は オリガ に投票した
ヴェロニカ は 薄命の青年 ロラン に投票した
薄命の青年 ロラン は村人の手により処刑された……
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか?
現在の生存者は、追われし者 ユーリー、城主 イライダ、アナスタシア、海賊紳士 トリス、敗残兵 ベルナルト、伯爵令嬢 カチューシャ、騎兵長 グレゴリー、オリガ、フィグネリア、遊牧の民 ナタリー、ヴェロニカの11名。
精々殺されないように、ね。
私、そんなに迂闊に見えるのかしら。
[トリスの言葉を思い出し唇を尖らせる]
――…態度を改めないようなら
私はトリスが消えても構わないと思っていてよ。
[棘のある言葉を闇の中独り言ちて]
― 食堂 ―
[お粥を少しずつ掬いながら、ニコライも死んだ事を聞く。
誰だかすぐにはわからないほどの関係。
興味も薄く――けれど、城内での死者という事実へは、心が軋む]
[体調を聞かれれば穏やかに見える応えを返した。
何度か扉の方を見るが、求める顔は入っては来ず]
―大広間―
アナスタシアは吸血鬼……。
[渦巻く疑問
吸血鬼の呪いは決して親を裏切らせない――そう刷り込まれた。
その彼女が、噛んだ親吸血鬼を『女だ』と断定した。]
裏、かー?
[親を庇う為なら、それは自然かもしれない。
吸血鬼は、男。
まるっきり睡眠を与えられていない為か、思考にもやがかかる――あるいは、それが館の魔力なのかもしれない。]
男は……。
― →居室 ―
[ぬばたまの闇をたゆたうのが心地好い。
けれど同時に何時かの孤独を思い出し不安になる。
自分が何者か忘れてしまいそうな――
名を呼ばれることのない気の遠くなるような時間。
怖気を感じ城主は闇から離れる]
……今は、違う。
名を呼ぶ者が、居るわ。
[自らに言い聞かせるように独り言ちる。
城主は居室へと戻り寝台に腰を下ろした]
[食事の場は賑やかとは言いがたく、誰かが今日のことと今後のことを話していれば、ただ静かに聞いていた。
心中は、ただただ早く城主に逢う事だけを。
話が一段落すれば、一言自室に戻ると告げてから食堂を出た。]
[自室に戻り、ラベンダー色のドレスを脱ぎ捨てる。
荷物の中から一番のお気に入りのドレスを取り出し、体に当てた。]
せっかくお逢いできるのですから。
[仕立て屋に頼んで、特別に作らせた物――姉が気に入っていた物と同じデザインの、白いドレス。
唯一違うのは、ローズピンクのリボンで縁を彩られている所。
丁寧に髪を梳かし、薄く化粧を。
昨日はなかったはずの花瓶に飾られた白薔薇を抜き出し、髪に飾る。
支度が終わった頃には、城はぬばたまの闇に包まれていた。]
内緒事なら薔薇の下で、ね。
[自室を抜け出し、薔薇園へと向かう。
昨晩見た夢と同じく白薔薇の咲く中へと立てば、胸に手を当てて小さく想う人の名を。]
私は、貴女に逢う為にここに来たのですわ――イライダ様。
[囁きは闇に溶け。
城の主の元へと届いただろうか。**]
― 夜・井戸の傍 ―
こんばんは。
[城門から食堂に向かうなら、一度階段を上って玄関に向かうより、別棟に沿って歩いて裏口から入る方が近い。
ロランもそうしたのだろう。
女も、一度一階に上がる代わりに、庭を通って礼拝堂の方へ向かおうとしていて。
ベルナルトには、ユーリーとすれ違うならハンカチのことを伝えて、と頼んであった。女の身を証す為に一緒に来ると頑なに言うなら止めはしなかっただろう]
煩い……
[髪を抑える指に力が籠る。ぐしゃり、黒い絹糸が乱れた。
―― 城主さんも眷属を表に出してくれて ――
―― 皆で ――
―― ――とも逢える ――
言い募るロランに、ついには弾けるように声を荒げた]
うるさい!
そんなのいらない!宴の目的なんて、知ったことじゃないわ!
私はただ壊れたままでいたくないだけよ!
[ロランの襟を両手で絞る。
女の力の強い腕は人形のように青年を揺さぶり、牙を剥いて]
……
半分じゃ、赤くもなれないのよ…
[ずるりと手を離す。力が抜けて石畳に膝をついた]
― 井戸端 ―
[ロランを探してグレゴリーが現れたとき、二人はどう見えただろうか。
霞かかった思考で。胸を押さえて苦痛に呻く青年の背中と、その前に膝をつくアナスタシアと。
女にはグレゴリーの歪められた思考の結末など知る由もなかったが]
―― !
[結局、青年に襲いかかったのは人間だった。
短刀が風を切る音。
背後からの致命的な一撃を、闇色の眸が捉えた]
[咄嗟にロランの服の裾を引かせたのは、無意識下に凝っていた、タナトスへの反発だったかもしれない。
深く左の背を抉られて崩れる青年越しに、月明かりを浴びるグレゴリーを見上げた。短刀が血を滴らせる]
[ あまい あまい 血のかおり ]
…… 今すぐ、選びなさい。
ここで死ぬか。 生きるかを。
[吸血鬼は唇を舐めると、うっとりと笑んで囁いた]
[射干玉の闇を伝い薔薇の園へと舞い降りれば
ふわりと風が起こりラベンダーの裾と白薔薇を揺らす]
……、…ディアーナ
[紡いでから気付く。
近く見ればローズピンクのリボンに彩られ
その姿も記憶の其れと何処か違っていた]
――…嗚呼。
[トリスから聞いた名を思い出す。
あの時感じたひっかかるような感覚は――]
あなたが、オリガ……
あのこの、妹……
[喪った彼女が大事だと言っていた妹の名を紡ぎ
酷く切なげな瑠璃色がオリガをじっと見詰めた**]
── 書庫 ──
[乾いた羊皮紙をゆっくりとめくるフィグネリアの白い指。
その表情も声も、居並ぶ貴重書の背表紙同様に静かだった。]
いいえ、あなたに問うべきことは何も…
[数多の時代を綴る書物の間を、フィグネリアへと近づいてゆく。]
まずは、訃報を──
ニコライ・ミハイロフ氏が亡くなられました。
葬儀は、明日、明るくなってからにしたいと考えています。
それと──
[ひとつ息をつき、常と変わらぬ静謐を約束する書庫を見渡す。
ここもある種の神域である。]
フィグネリア・エーリン、
あなたにお願いしたいことがあります。
司祭の代わりに、わたしの懺悔を聞いていただけませんか。
[ロランから託されたリディヤのロザリオを書見台に置き、
フィグネリアの前に膝を突いて、頭を垂れ、指を組む。]
──わたしの罪を告白します。
わたしは、ニコライ・ミハイロフの墜落死の状況を見た時、自殺だろうと直感しました。
リディヤを失った後の彼の落胆ぶりは尋常ではありませんでしたから。
けれども、わたしはロランの証言をたてに、彼は事故死だったと判定しました。
ニコライ・ミハイロフのような善良な人間を自殺者として断罪するのは躊躇われて──
それでもなお──わたしの頭に、ニコライ・ミハイロフは自殺だったのではないかという逡巡があるのも事実です。
…………。
[思いがけぬ言葉に深碧は瞬く。
しかしそれも、静かな空気のなかで落ち着いて]
私で良いのなら。
[司祭の代わりなどなれぬ身。
だがただ一言、目を伏せそう答えただろう]
もし、ニコライ・ミハイロフが真に事故死であったのなら、
わたしは彼を疑うという罪を犯した。
そして、もしニコライ・ミハイロフの死が自殺によるものであったなら、
彼をリディヤの傍らに葬ることで、わたしは神の法を破ることになります。
どうか、神のお慈悲をもって、わたしの罪をお許しください。
そして、罪の償いのために何を為せばいいか、わたしに告げてください。
――――。
[跪く彼のアメジストは伺えない。
そこにはどのような色が浮かんでいるのか、と思う。
彼はいつでも、皆を想い行動していた。
自らを追いつめているとさえ感じるその熱意と、直向さ。
娘にはユーリーを疑う気持ちなど欠片もなく。
ただ、近寄れぬひとだと思うだけ。
その彼が紡ぐ懺悔は深く、深く、心の奥底に届いた]
ユーリー・レオノヴィチ・ザハーリイン。
[彼の名を呼ぶ。
そしてどれほどの時か、ただその姿を見下ろして]
私は、神の代わりになどなれません。
それなのに聞いてしまって申し訳ないけれど。でも。
[彼の懺悔に対する、冒涜かもしれない。
それでもやはりこうとしか答えられなかった]
フィグネリア・エーリンは
あなたの罪を赦したいと、――心からそう思う。
― 井戸の傍 ―
[短い夜の隙間、吸血鬼には一瞬に感じられるほどの後。
血に染まった唇をペロと舐めて、黒い影は倒れた青年の背に触れた]
――致命傷じゃないわ。
だけど……もう命が薄いのは、貴方の定め?
決めた?どちらを選ぶの?
[死ぬつもりはないと嘯いたナイトは夜の闇に染めた。
昨夜の己自身と同じ。流し込まれた血の毒に負けなければ望み通り、生きていられるだろう]
[血を流す傷を塞ぐように押さえる手は赤く染まる。
月の光まで赤く染まる中、青年は穏やかにどこか遠くを見ていた。
咳と共に溢れた血の泡をもう一方の指の腹で払い、覗き込む]
既に半ば闇の淵にいるのね。
どうしてかしら……
貴方の体は死のうとしている。貴方の魂も。
心は、どちら?
決めるのよ。
貴方を生かすことは私でも出来るかも知れない。
けれど、この城で「仲良く暮らす」ことは永遠に、出来なくなる。
私は決して、御城主様に貴方を譲るつもりはないから。
──ありがとう、フィグネリア・エーリン。
わたしは、ニコライ・ミハイロフの魂は、今もリディヤと共にあると信じます。
[指をとき、ゆっくりと立ち上がる。]
突然、こんなお願いをしてすみませんでした。
でも、どうしてもあなたに…頼みたかったのです。
[わずかに頬に色を刷いて視線を逸らす。]
以前、訪れた街の教会で、美しい聖女のイコンを見たのですが──
それはあなたによく似てた。
[本当はそれはささやかな記憶違い。
ユーリーが教会で見上げたイコンと記憶しているものは、
高窓の辺に佇んでいたフィグネリアその人なのだけれど──](>>3:42>>3:75)
──そろそろ夕餉の時間です。
ご一緒しませんか。
独りでいたい、あるいは調査を続けたいのであれば、こちらに夕食をお持ちします。
[ロランのこたえを聞けば、吸血鬼は妖しい月の光を仰ぐ。
夜の民。
薔薇の薫。
血の香気――]
さようなら。夢物語の続きを、心ゆくまで楽しめば良い。
[グレゴリーから”借りた”短刀をロランの背にあてがう。
ぬるりと滑らかに傷口を押し開き肉を裂いて、
やがて、深々と突き立った致命の刃は青年の意識を闇に*溶かす*]
[自らも跪き、彼と同じ高さへ。
瞳に浮かぶのは哀切。しかし感情の浮かばぬ声をかける]
私に償いを決めることは出来ません。
ザハーリイン様自身がお決めになって下さいませ。
そしてそれを、果たせばいいのだと思います。
……申し訳ありません。このようにしか、返せずに。
[自分に赦されたところで何になるだろう。
気休めにさえならない。
神への信仰は薄いけれど、彼が求めたものくらいは分かるから。
最後の声にだけは抑えた感情の色が乗る]
でも、吸血鬼の魂を浄化出来ても
わたくしの祈りでは
せいぜい血への欲望を抑えられる程度にしか清められない…
…
やはり、吸血鬼は
その命を絶たなければ、いつまでも危険なまま…
もう、そのような時間なのですね。
[この書斎に時計はない。
そういえば部屋にはあったろうか。思い出せない]
私も食堂に向かいます。
[重い本を書架に戻せば、じゃらりと冷たく鎖が鳴る。
彼が書斎を出るあとを歩いてゆくだろう]
[いつの間にか門衛塔の中を歩いている。
そこに、一つの古めかしい扉が。
不思議と気になって手をかけてみると
扉は押し開かれた。]
[その部屋は
整えられるでもなく、片付けられるでもなく
雑多な物で溢れていた。]
(衛兵の部屋なのかしら…?それともただの倉庫?)
[壁には古めかしい武器が飾られている]
>>42
ありがとうございます…。
わたくし達は、決断しないといけないのかもしれませんわ。
ヴェロニカさま、
残念ながら、この城の不浄なる魂の支配が強くなっています。
でもまだわたくし達にも望みはありますわ**
―食堂―
ユーリーさん、来ないな……
[ハンカチの件。ささやかな違和感であれど、妙に気にならなくも――ない。
少なくとも自分が見た限りでは、ユーリーの前に居たときのアナスタシアは常に不機嫌だったと思う。その不機嫌の原因の一端が、ハンカチに?]
(……っつーか、お兄さんのハンカチをどうしてユーリーさんが持ってんだよ。知り合いなのかよ……)
[お貴族様同士だから、どこかで繋がっていてもおかしくはない?
食事に手をつけながら思考する。宴の席であったとき、ユーリーは服を変えていた。この城に来たとき、彼は自分よりも随分と品の良い服装をしていたが、着のままに近い状態であったような気がする。
吸血鬼の城で用意された着替え。
放蕩したまま帰ってこない兄]
――まさか、
[やがてユーリーとフィグネリアが食堂に姿を現せば、軽い会釈をして]
葬式の時はすみませんでした。俺も、何か妙に焦っちまってたみたいで。
……ニコライさん、お亡くなりになったと聞きました。
[思考している間に、耳の中に入ってきた情報であった。
口には出さないが、聞いた限りでは――自死だろうな、と。そう思っていた。
それから、軽く会話を交わしたかもしれない。適当なところで]
そうだ。それでですね。レオノヴィチ様……ユーリーさんとお呼びしても宜しいでしょうか?
あなたが使っていらしたハンカチを、三階の廊下で見つけました。
俺と一緒に居たアナスタシアさんが持ってらっしゃるはずです。
[事実だけ伝えればいいかな。
何ともないことのように口に出し、食堂を後にした]
―夜/井戸端―
[一応外の様子を見てから寝ようと思った。
アナスタシアはもう自室に戻っているだろう。グレゴリーは親吸血鬼を探しているのだろうか?
漂う薔薇の香りには、もう慣れた。本棟の二階にそれとなく目を向けながら、足をひきずる]
ニコライさん……
[二階から地面に『落ちた』という、貿易商。言葉はほとんど交わさなかった。
死にたいと願うならば、死ねば良いのだ。いつでも、死ぬための道具は揃っている。
死を願っているくせに――その死が、甘やかなものであることを要求している、自分]
ただの我侭じゃねえか。
[左足がずきりと痛んだ。顔を顰めた拍子に、視線が下へと落ちる。
人の気配は――ない。宵闇のなか、井戸のそばに、あれは?]
…決断、不浄なる魂…。
ねえ…望みを繋げるなら。私は何をすればいい…?
[通常の道理に則れば、子供の冗談だと一笑に付す話。
…けれど。その目を見れば、どうしてそれが言えようか。
恐らく、カチューシャには自分の見えないものが視える。
それは話に上がっていた不死たる魔物の気なのか──
…目の前の少女は、重い運命を背負っているように思われた]
……どういうことだ!
[ロランの遺体の傍らで、青年は困惑の声を上げる。
虜囚を引き取った青年が、背中に短刀を刺されて死んでいた。
恐る恐る手を伸ばし、触れる。間違いない、これは、さっき見た――]
何で、よりによって――
親吸血鬼は、女なんじゃなかったのか!?
[喉の奥から悲鳴じみた声を絞り出す。
考えがまとまらない。死体が一つ、吸血されて死んだのではない死体が一つ。
静かな、それでいて深い混乱が押し寄せてくる。
呆然と、ロランの遺体の傍らに立ちつくしていた。**]
―井戸端・夜―
[漠然とした足取りで彷徨う。
礼拝堂/薔薇園/城門――最後にそこへと足を向けたのは偶然ではなく、そこ以外は見て回ったから。]
……屋内まで踏み込む手間が省けた。
[闇夜から響いた叫びに、口の中で笑みを漏らした>>13。
瞳に力を入れる。井戸の傍、向かい合いしゃがみ込む二人>>15。
まず視認したのは/叫びの声の主だという確信/アナスタシア。
その手前の影、こちらに背を向けて蹲る影/男のもの。
ユーリー/否――ベルナルト/否――ニコライ/否。]
――。
[歪んだ喜色に頬が強張る/こんな時間に、こんな場所で、吸血鬼と二人で。
嗚呼、やはりこの男は――。]
[三/懐に手をやり、短刀の柄を握りしめる。
気付かれてはならない。まだ、距離がある故に。
二/懐に手を入れたまま、足を滑らせる。
徐々に間合いを詰める。夜のぬばたまと境を朧にする黒髪――まだ遠い。]
一/懐から手を抜く。息を顰める。
三歩走れば届く間合い。薄い夜霧は味方となるか。
零/ロランの黒髪と、闇夜の境に境界を見出す/飛び出す。]
[失態/失敗=捉えたはずの背中は、浅い手応えを残して消え去った>>16。]
はっはっは。
やはり、夜の吸血鬼を舐めるものじゃあ無かったですな。
[その言葉はどちらに向けてのことだったか。
短刀の刃先を指で拭う/潤滑油の様に暖かく滑る。
嗅げば、鉄の匂いがする事だろう/つまりは、殺せる。
二の太刀に移ろうかと体を深く沈め、バネを蓄える。
不意な質問/ロランからではなく、アナスタシア/ユーリーの言葉を思い出す。]
死ぬのは御免ですな……。
だから、私に殺されろ――化け物共ッ!!
[一足で飛び込む/銀閃を突き出す/女の影が揺れ、銀閃を飲み込んだ――。]
――ぬッ!?
[仕留めたと錯覚/一瞬の思考の停滞=伝わるべき手応えが無い。
短刀が貫いたものは、女の髪が落とした深い影。
避けられた驚き/判断を違えた戸惑いに一拍、動きが遅れる。
視界から雲散霧消したかのように見えた女の姿を探そうと振り向く/何もかもが遅かった。]
放せッ!
[短刀を持つ手を絡めとられ、もう一方は首にまわされる。
恐ろしい力/全身が銅像にでもなった様/まるで動かすことが出来ない。
女の声が耳朶に響く――甘く熱い毒の様な響き。まるで自信の熱を奪われるかのよう。
その熱は耳元から、徐々に下っていき――。]
――ガ、ァ……。
[首筋にて弾ける熱/切り裂かれた肌の痛みなど飛ぶほどの衝撃。
己の血の/肉の/魂の熱。全てが首筋から外へ流れる/奪われて逝く。]
代わりに注がれるのは――ぬばたま/闇夜/しんと冷える、濡れ羽色。
己の熱が消える/己が注がれた色に染まる/己が書き換えられていく恐怖に抗う/抗いたい/抗えるのか?
目に映るのは、ぬばたまの色のみ**。]
―― 食堂 ――
[最初の晩とは、かけ離れた沈鬱な晩餐の席。
フィグネリアの座る椅子を引き、ベルナルトから弔辞を受け取る。
イーミャで呼んでもいいかという申し出には、彼の目を見て微笑した。]
無論。
君の方から距離を縮めてくれたことを嬉しく思う。
[もうひとつの情報には、しばし黙止した後、フィグネリアの指へと視線を移す。]
ああ…思い出した。
[あれもまた「ダニール」の持ち物なのだろう。
アナスタシアの手に戻ったのは、なにかの絆のなせる業かもしれない。
アナスタシアの心中は穏やかではあるまいと思う一方で――]
…彼女に、これほどまでに想われている「ダニール」は果報者だな。
――嗚呼。
また、……血の香り。
[美しく甘く囀る小鳥の血が今は城主を満たしている。
餓えも渇きも感じはしない。
それに血に惑うのは己が不安定になる一人きりの時。
吸血の衝動に苛まれることなく
それでも甘く香る其れに口腔で蠢く舌先が鋭い牙をなぞる]
…もう少し、整理すればいいのに。
[大きな部屋に、声がこだまする。
様々なものが積み重なる部屋……ここは、永い時を経て使われるのを忘れられた付喪の倉庫だろうか。
武器も多く保管されている。
ここならば自分やカチューシャの身でも扱える武器があるかもしれない──
短剣や、銀製のなにかを求めて、武器庫を探索しはじめた**]
[ダニールの名に反応したフィグネリアにひとつ頷く。]
アナスタシア・ニコラエヴナ嬢は、この城で消息を断った「ダニール」さんを探しておられるようです。
この服は、その「ダニール」さんのものとのことですが、残念ながら、わたしはこれを拝借しただけで、彼女に益となる情報をもたらすことはできませんでした。
もし、どなたか「ダニール」さんについてご存知であれば、彼女に知らせてくださるようお願いします。
[最後の依頼は、食堂にいる全員に向けて。]
[席につき、簡単な食事をとりながらこれからの予定について話す。]
今夜は、礼拝堂に安置した故ニコライ・ミハイロフ氏の側に灯火を絶やさない「献灯の祈り」で見送れたら、と考えています。
適宜、蝋燭を足して夜通し灯の番をお引き受けくださる方がおられましたら、歓迎します。
むろん、交代で休んでいただけるよう、クッションや毛布を運び込んでおきますので。
ここに居られない方にも、会うついでにお知らせいただければ幸いです。
[それは、礼拝堂に籠るならば、自分が目を配っていられるという提案。]
―井戸脇―
(考えろ――考えろ――気を――しっかり――持て)
[ロランも既に親吸血鬼の襲撃を受けていて――]
……。
……ない。
[遺体の脇にかがみこみ、震える手を抑えながら首筋を見る。
痕はなかった。
グレゴリーはアナスタシアの言葉を疑っていた?ロランこそが本物の親吸血鬼で、アナスタシアの言葉は嘘だったのか?それともグレゴリーこそが嘘を吐いていて――吸血鬼騒ぎに便乗して、ただ単に殺人を犯そうとしていた?
確かなことは、今ここでロランが死んでいて、彼の背にグレゴリーの短刀が突き立っているということ、それだけ――]
── 礼拝堂 ──
[食事の後、礼拝堂へ赴き、後からここを目指してくる者が迷わないよう、入り口にカンテラを提げた。
そして、ニコライが安置された祭壇の隅に、この夜、一本目となる蝋燭を灯す。]
多くの命を守らんがため、
あなたの死をも利用しようとするわたしを許してほしい。
[死の状況を伺わせないよう整えられた亡骸の胸に、ロランから渡されたリディヤのロザリオをそっと乗せた。]
闇に引き摺り込まれるは、血の味を知った時が相場――だったかしら。
ふふ、気を強くお持ちになって?ナイト様。
血の餓えと隷属の本能に屈しさえしなければ…人の皮を被り続ける事も出来るでしょう。
[逃れようとか篭められた力に筋の浮き立つ首筋へ、唇を触れさせたまま囁き]
抗い続けるなら――少しは貴方の事を見直すかも知れなくてよ。
[嗤いながら、白く長い牙は男を*犯した*]
[もし、誰かがこのロザリオを持ち帰っても、それは「盗難」ではないと思う。
神の加護を求めた者に託されたのだ。
ニコライはあれほど執着していたロザリオを、死の前に手放した。
それも、必要なものに渡ることを願っての行為だろうと思う。]
──Cum spiritu tuo.
(汝の霊と共にいまさんことを)
[祈りの言葉を呟き、ニコライの側を離れると、一端、城へ戻った。
礼拝堂で夜を過ごすために必要な品を運ぶために。]
――ダニール視点――
[亡霊がユーリーのそばに現れたのは、またひとつ命が潰える前か、それとも後のことか]
……まさか、ハンカチまで再利用されていたなんて。
まぁ、それはいいんです。
あなたの、それ。
――まるで人質でも取っているみたいですよ。
[薄笑みを変えないまま、自分と同じ濃紺の服を指さして。
それ以上は何も言わず、黒髪を揺らして消えた]
― 薔薇園 ―
[夜霧に濡れた薔薇が眠る中。両手を胸にあて、祈るような姿で立っている。
井戸の傍にて流れた命。
ロランの遺体は運ばれたか、そのままであったか。影になっていたが為にそれを知ることはない。
血の匂いを隠すように薔薇の香りはいっそう濃く、娘を包んだ。]
―食堂―
この城で、消息を……。
[ふと脳裏に過ぎるのは、アナスタシアのピアノを弾く後姿。
低音の音色が蘇りなにかを語りかける気がした]
私も出来る限り、協力させてください。
[「献灯の祈り」の提案に。
元々食は細いけれど、更に少ない食事をどうにかとり、
一度部屋に戻るために食堂を*出た*]
[時が止まったような感覚。
逢いたくて逢いたくて堪らなかった相手が目の前にいる。
逃げ出してしまいたくなるような――しかし吸い寄せられるような、艶やかなるその姿。
姉の名で呼ばれるまでの僅かな間。ローズグレイの瞳は常よりも微かに赤みを増して。]
ディアーナ=ヴァレンニコフの妹、オルガ=ヴァレンニコフです。
お初にお目にかかりますわ。イライダ様。
[その唇から漏れる己の名。体が歓喜で震える。
両手でドレスの裾をつまみ、軽くスカートを持ち上げて。腰を曲げて頭を深々と。膝もより深く曲げた。
他の者たちへとした物とは違う、より丁寧な礼。
身体を起こした時には、切なげにこちらを見つめる瑠璃色に心を奪われていた。**]
そうだ……
野晒しは、駄目だ……
[持ったままだった、己の襤褸のコート。
緩慢な動作で、ロランの上にそれをかける。刃が見えないように。傷口が見えないように。
刃は、抜かず。突き立てたまま]
見捨てるんじゃない、
伝えに行くだけだ……
あとで、きちんと弔ってもらうために……
[おまえだけ、生き残るつもりか。
呻く。
左足が、ひどく、重い]
[薔薇の香りに隠された誰かの血の匂い。
鋭い嗅覚を持つ城主にはそれがはっきりと感じられる。
けれど独りでない今は其の香に惑わされ吸血の衝動が起こる事はない。
今、気になるのは目の前の存在。
赤みを帯びたローズグレイの眸が此方へと向けられている。
薄化粧を施したオリガ>>72の可憐なくちびるから発される言葉。
記憶の中の彼女よりも幼さの残るその声と姿――]
――…ようこそ、我が城へ。
[仮令面影があろうとも同じ存在ではないと理解している。
それでも何処かで重ねてしまいそうになるほど心が騒いでいる。
その心を隠すかのように城主は薄い笑みを浮かべ小首を傾げた]
トリスと取引してまで私に会おうとしたのは、如何して?
ディアーナを探しに来たの?
[彼女の真意を歪めぬよう魔性としての香気は内に潜めた。
敵意は感じられず寧ろ好意らしきものをその眼差しに感じながら
彼女が何を求め此処に来たのかを知ろうとする]
…重ければ強いと思っていたけど…
明日は筋肉痛になりそう。
[武器庫を探していて、大きなものは扱えないと知った。
先刻のヴォッカの瓶と言い、何故こんなにも重いものを、武器として扱えるのか?
大きな剣でさえ、箱入り娘にはまともに振る事など出来はしない。舌打ちをして、己の身に小さく愚痴を吐いた]
…これなら使えるわね。
[散々武器を振りまわしては床に投げ、を繰り返した後、
手に取ったのは一振りのマイン・ゴーシュ
洒落た柄も、刃の振りやすさも、丁度良いものを見付ける事が出来たと納得し。
カチューシャには、やはり小さなナイフを取り、所持を勧めた]
…こういうのって、本当に面倒ね。
[ドレスに武器を括りつける事などできはしない
…マイン・ゴーシュの鞘は、ドレスの上で滑るばかり。
後で普段着に着替えよう。そう思いながら、
吸血鬼に対峙できる可能性がある武器を探して礼拝堂へと向かう]
……ロザリオ……リディヤの、…。
[その胸元に、求めていたそれは在った。
想像していたものと異なる、小さな小さな、芯まで黒朱に染まった十字架。
しかし、今までに見たどんなものよりも力を持っているように感じた、
それは。
不浄なるものを貫く、生命の刃──]
-- 廊下 --
[一度自室で休憩した後、再び廊下へ。]
蝋燭はどこでしょう?
もしもーし、誰か知りませんかー?
[なんて空気に問いかけてみたり。]
なぁんて、本当にお城の人はどこへ行っちゃったのかな…?
[ぶつぶつと独り言を言いながら廊下を歩く。]
[物置らしき扉を見つけて中から蝋燭を持ち出した。]
[もしかしたら、物置に気づいたのは物音か何か―]
[切欠があったのかもしれない。]
………御免なさい、ニコライ。
御免なさい………
[亡骸からロザリオを取ってしまうのは、躊躇われた。
それでも、守るため。傍にある生命を、
『不浄の呪い』から──
…そっと、マイン・ゴーシュを置く。
震える両手で、ロザリオを、静かに持ち上げた]
― 自室 ―
水差しを換えて。
…お湯でも良いわ。
[空になった硝子の水差しを卓に置いて、女は誰もいない部屋へ言い放つ。自分が此処に居る限り、姿なき使用人が応じることはないだろうが。
盥に張った水は冷たく、水仕事を知らない女の手は赤く凍えてズキズキと痛んだ]
[香油を垂らした盥は仄かに香る。薔薇とも血臭とも違う、甘くとも穏やかな香り。
何度も水に晒し、染みを叩いてもシルクのハンカチは斑に黒ずんだままだった。
女は嘲笑う。慣れた皮肉を、かじかむ自分の手に向けた]
惨めったらしいったらないわね。
人を殺したっていうのにハンカチのご心配?
どうせ白になんか戻りっこないのに――馬鹿じゃないの。
―本棟一階―
[礼拝堂の方で通夜が営まれていることを未だ知らず。
人がいるとしたらこちらだろうと、本棟まで戻ってきていた]
誰か……誰か、いないのか。
ロランが……
[足音が廊下に反響する。
宵闇の向こうに、声をかける]
[ロザリオはカチューシャの手に渡ったのだろうか?]
[しかしその時には違うことを考えていたのでよく見てはいない。]
ヴェロニカさん、武器持ち出してる…
吸血鬼のこと、用心しているんだわ。
[自分は?どうする?]
[吸血鬼の存在を知って、用心は…しない?]
[そんなわけはない。]
[部屋に戻る前に自分も何かを探すべきだ。]
それじゃあ、ユーリーさん、皆さん。私は部屋に戻りますね。
[ここにいた方が安全なのはわかっている。]
[けれど、そうでないかもしれないことも。]
[ぺこりと礼をして、礼拝堂を後にした。]
ありがとう、ナティア・コサリコフ。
[運んでいた毛布をいったんチャーチチェアに置き、蝋燭を探し出して届けてくれたナタリーを祭壇――ニコライの傍らへ案内する。
ロザリオを持って去るヴェロニカには、その自衛の意志を励ますようにひとつ頷いた。]
礼拝堂の扉は夜中、あいていますから──
何かあったら遠慮なく。
[献灯を終えて、戻ってゆく者たちにそう声をかける。]
-- 自室 --
[それから、大広間の壁から、飾ってあった青龍刀を拝借した。]
[そのために飾り棚の上に上ったのは秘密だ。]
あまり切れそうにないけど…時間稼ぎくらいにはなるわ。
[脚力には自信がある。]
[実際吸血鬼がどのくらいの力の持ち主かはわからないが―]
[でも。]
もし、あの人が襲ってきたら…。
[トリストラムは、力はありそうだと思った。]
[手を引かれたとき、握られたときの印象で。]
―――………。
[険しい表情をして、刀をベッドから手の届くところへ置いた。]
[ナタリーの神妙な面持ちに、ふっと小さく息を吐いて。
……不安げな色までは判らないが、顔色が優れない事にはは気付いた]
…では、私も失礼するわ。
服を…着替えなければ、いけなくて。
[頷いたユーリーに深く礼をすると、手元の剣を掲げて見せた。
…そうして、カチューシャが居ればその手をとって、本棟・自室に向かって歩き出す]
[アリョールの歓喜の声が聞こえ、薄く笑みを浮かべた]
イヴァンの勘もたまには当たるのかしら。
[ポツ、と独り言ちて薔薇の中を佇み続ける]
―本棟→礼拝堂―
……あれ?
[窓の外に目を向ける。
礼拝堂に、人の影がある?]
夜中だぞ。
でも、人がいるなら――
[軽く舌打ちしつつ、踵を返して礼拝堂に向かった。
薔薇の香りに紛れてはいるが、――血の匂いは、確かにそこに存在する。
誰かとすれ違えば、井戸の傍でロランの遺体を見つけたことを伝えるだろう]
[美しい声で問われ、無邪気な笑みで返す。>>74]
いいえ。私はお姉様を探しに来た訳ではありませんわ。
確かに、数年ぶりにお逢いできるのなら嬉しいですけれど。
[家の者たちは娘がここに来た理由を、姉を探し連れて帰ってくるためだと思っていただろう。
しかし、その心算は初めからなかった。]
お姉様の願いを邪魔することなど、私にはできません。
私は、貴女に逢いに。
お姉様の心を捕らえて離さなかった貴女に、一目で良いからお逢いしたかったのです。
[幼い頃から慕っていた姉が家を出た事で、興味を持った。
初めは姉が心奪われた物に対して興味を持つ事で、姉になろうとしていたのか。]
[しかし、姉にはなれない事は、自分自身が一番知っている事。
それでも興味が失せる事はなく、逆に大きく胸を覆ったのは、やはり自身も、出逢う前から魅せられていたのかもしれない。]
一目お逢いして。そして、できれば。
──お姉さまと共に、貴女の傍にいることをお許しいただけたら。
[姉が1年前に死んだ事は未だ知らない為に。
そう願う。]
―自室―
[割れるような頭痛。ひりつく喉。
サイドボードに置かれた二本の瓶――一つは赤に満たされ、一つは無色に満たされている。
厨房の奥、貯蔵庫からかっぱらってきたものだ。]
おのれ……糞、あの阿婆擦れ……。
[譫言を繰り返し、震える手で赤に満たされた瓶を取る。
コルクを爪で抉り取る。中の赤を、手元の白いハンカチにたっぷりと浸み込ませた。]
はぁ、 はぁ、 ――くっ!
[べたりと左の首筋に貼り付けた。
アルコールの気化によるが冷やりとした冷気。焼ける痕。
焼き鏝を首筋に当てているかのような痛みに声を漏らす。]
――効かんか。やはり。
[半刻程耐えても、何かが変わる兆しはない。]
―礼拝堂―
[蝋燭の灯火。
横たえられているのは、ニコライの遺体だろうか。
――一番目にしたくないものが、立て続けに眼の中に飛び込んでくる。
叫びだしたくなる気持ちを抑え、その場に残っている人間に声をかけた]
……ロランが、井戸の傍で……
背中を、刺されて、もう、息が――
[顔色は蒼白。
声が上ずる。死体。血の匂い。ここは戦場じゃない!]
誰か、一緒に来て下さい!
[忘れかけていた悪寒を振り払うために、叫んだ]
― 三階→二階 ―
[階段の踊り場に立っていた。
丁度降りようとしているところに見える]
――あら、こんばんは。
[自室へ戻ろうとするヴェロニカに逢えば、静かに会釈した。
ドレスはやはり喪服に似た黒で、今はルビーのネックレスはしていなかった]
お休みになるの?
[そこでニコライへの献灯のことを聞けば、嗚呼、と瞬いた]
そう――私も行かなければ。
リディヤという子にも、未だ祈っていないのよ…
[衝撃に色を失ったベルナルトが懸命に知らせたロランの死。
その顔の青白さは、不死の魔物のそれとは違う――人を案じるからこそのもの。]
──案内を頼む。
[ベルナルトの不自由な足を気にしつつも、躊躇することなく即座に現場へと戻らせる。]
― →井戸―
あ――はい。
こっちです。
[祭壇に横たわるニコライに心中で謝罪する。
時折軽くよろめきつつも、何とか井戸の傍まで辿りつけば、
少々の躊躇いと共に、コートを捲る。
刃が月明かりに光る――]
……この、短刀なんですけど。
グレゴリーさんが使ってらしたのを――見たんです。
―自室―
[ワインボトルに口をつけ、一気に流し込んだ。]
――ふ、ふう。
[一息で飲み干し、ゆらりと立ち上がる。]
この程度では酔えんか……。
[胃から上がってくるはずの熱も、酒に呼応して大きくなる鼓動も感じない。
――あ、手っ取り早く酒に強くなるにはいい手じゃね?
下らないと首を振り、サイドボードに空き瓶を置いた。]
酔えん酒ほどつまらんものはない。嗚呼――寒い。
[一度背筋を震わせてから、外へ。]
使うことがなければいいのだけれど、
[ベッドのシーツ、その上に横たわるもの。
冴え凍る刀身は蝋燭の炎を反射する。
飾りの一切ないそれは、自らが持ち続けた唯一の武器]
聖なる祈りではなく、呪いといったところね。
[ずっとずっと共にあった短剣は、
娘のすべての感情が溶けているかのように、手に馴染む。
ドレスの裾を上げ身につける。
そして静かな足取りで塔の階段を降り、本塔へ]
── 井戸 / ロラン襲撃現場 ──
[ベルナルトが示した「凶器」。
ロランの背に刺さったままの短剣は、グレゴリーが朝食の席で誇示してみせたものに相違なく]
……、
背後から――
[グレゴリーならば、やると思った。
不意打ちを卑怯と退けたりせず、その場でとり得る最適の戦術を選ぶ歴戦の兵だ。]
けれど──、
[背中の傷に感じるわずかな違和感。
大きく背を開く斬傷。
脊髄を貫くように深く突き立つナイフの刃──致命の傷。
だが、グレゴリーがあえてこの「ニ撃目を背後から与える」意味を、ユーリーは解し得ない。]
具合…大丈夫よ。この城に来るまでに随分馬車に揺られたから、疲れていたのかしら。
昼間充分睡眠を取ったせいか、目が冴えてしまったくらい。
[くす、と笑う。
カチューシャがいるなら、女から漂う闇の気配に怯えるのだろうか。 それにはほとんど頓着せず、困ったような気配を口許に少し浮かべた]
ナタリーはお喋りね。皆に余計な心配をかけては悪いのに。
…ニコライという方は事故だったと聞いた気がするけど……剣を持つのは。
[眉を寄せる]
リディヤを手にかけた者がいるかもしれないものね。それに…吸血鬼も。
[彼女の一挙一動に目が奪われる。
悩ましげな表情にうっとりと目を細めるが、続いた言葉に驚いたように瑠璃色を見つめた。>>98]
お姉様が、いらっしゃらない……?
だって、お姉様は。
どんな事があっても、傍にいたいと……。
[信じられない事を聞いたように、ローズグレイの瞳が揺れる。
姉から届いた最後の手紙に、この世でもっとも気高く美しい生き物に逢えた、と。
悠久の時を生きるその者が飽きるまで――ほんの僅かな間でも、傍に居たいのだ、と。書かれていた。
ここに居ないということは、姉と共に居ることに飽きたのかと思い、悲しげに目を伏せた。]
…そう、良かった。
なら、追悼の手伝いをしてくれれば…きっと、彼も喜ぶ。
[目が冴えた、というアナスタシアにはぎこちない笑みを返して。
夜中に灯火を絶やしてはいけないな、と思い出したように付け足した]
…彼女なりに、貴方を思いやった結果だと思う。
心配では、体は減らないもの。
[最後の一言には、ナタリーの表情を思い出しながら答え]
……ええ。事故……にしろ、違っていたにしろ。
こうも続いたら、自分の身は、守らないと。
[自分が人外の存在を確信した理由は伏せて。
そこにカチューシャがいれば無意識に、剣を持たぬ方の手をそちらへと伸ばすだろう]
―回想・門衛塔の武器庫―
雑然としたその部屋に、何か無いかと探す。
…あら?これは
[棚の隙間に無造作に挟まれているのは…]
0-33...→異端の物語
34-67..→恋愛小説
68-99..→メーフィエの職務日誌
100....→官能小説
25
けれど?
[ユーリーの言葉に、瞬いて聞き返す。
傷口をなるべく直視しないようにしながら、遺体に目線を戻した]
……。
グレゴリーさんは、どこに行ったんだ……
──…、わかるか、ベルナルト。
この背の傷は、斬りつけた、というような鋭さじゃない。
無抵抗の身体を、ゆっくりと力を籠めて押し切ったような──そんな傷だ。
[ロランの背から刃を引き抜いて調べる。
柄まで塗れたそれは、明らかに「血塗れの手」で扱ったもの。]
──…、
ロランの背を引き切った後、血溜まりに剣を取り落として、拾い上げて、またロランを刺した? 馬鹿な。
[ランタンを地面に近づける。
井戸の周囲の石畳。
血に濡れた足跡のなかに混じる──ハイヒールのそれ。
そして、這うように足を引きずり去る男の足跡。]
──…
>>114
[そこには
時の檻に閉じ込められた、男の回想が綴られていた。]
…ここの使用人の趣味かしら。今はあんまり関係無いわね。
>>75
ヴェロニカさまありがとう。
そうね。このくらいで無いと使えそうにないかしら?
…まぁ、これだっていざとなったら落ち着いて
使えるかどうかは解らないけれど。。
[小さなナイフをポケットに忍ばせた。]
…。
[冷ややかに褪めた顔に、声だけはどこか悲し気に、憐れむように、ヴェロニカへ告げる]
でもね。
きっとその剣では身は守れない。
礼拝堂に人が集まるなら、夜の間はそこを離れない方がいいわ。
その方が良い。
-- 自室 --
[部屋の中で何が起きたのか。]
[小さな叫び声と花瓶の割れる音。]
[それから、刀が床に落ちるカランと乾いた音。]
[あとは布のすれる音と、くぐもった声。]
[それが嬌声に変わるまではそう時間はかからなかったはずだ。]
とどめを……刺そうとしたんじゃ、ないんですか?
ほら、吸血鬼って――生半可な傷じゃ死なないんでしょう?
ロランがそうだって認めるわけじゃないですけど……グレゴリーさんは、ハンターもやっているみたいだから。
[ロランを吸血鬼と誤認して殺したか、あるいはアナスタシアの言っていたことが嘘で、ロランが本当に吸血鬼であったのか。
どちらかしか、青年には可能性として思い浮かばない]
……?
[血溜まり。
反射的に口元を抑え、目線を逸らした]
[彼は距離を開けて歩こうとするのだろうか。
小さく頷き、手燭を片手に本塔の扉へと向かおうと。
途中でグレゴリーが人の気配に気付けば、
なにも言うことなくそれに着いていくはずだ]
――ぁ、
[傍の闇の気配に反応してか、指の傷が疼く。
まだ血は零れないものの、鉄錆の香りは届くかもしれない]
それにしても、また「吸血の痕のない死体」…
吸血鬼が死んだら灰なるのなら、死体があること自体が、人間の証ともいえるが、吸血鬼たちはあくまでも、人間の間に潜んでいるのだろう。
血のみならず、人の心まで貪るように。
[――空気は、重くなっている。誰かがまた、咬まれた。]
(誰?誰が…。)
[もし、礼拝堂へ向かおうとする面々がいたら、合流するだろう]
―回想・了―
[それを伝えた後は、黙って他の奴らの話を聞く事に徹する
昼に動き回ったせいか、どうにも力が抜け気味だ
ーーーやはり昼に動く物ではないな、と内心でぼやく
昼に動く事は屋内とは言え気力体力を使う
全員が食堂から辞しても、しばらくはそこで酒を飲んでいるだろう
確実に今立てばふらつく。酒を馬鹿みたいに飲んでしまえば、その言い訳もつくからだ]
(ヴァンパイア・ハンターだと仰っていたのに!
いえ、軍人であるひとが叶わないなんて…)
[知らず知らず脚が震え始める]
―礼拝堂へ―
[グレゴリーに促されるように前へ進む。
無意識にか、右手は布越しのそれに触れていた]
…………、
ブランシュ様。ええ、礼拝堂へ向かおうかと。
[出会った少女。
だんだんと変わってゆく様子に、心配の色を浮かべ]
どうかされました?
体調がすぐれないのなら、無理されては……。
[結局立ち上がったのは瓶を二本分飲んだ頃だった
酒自体はもちろん美味しいのだが、それで力が増す訳でもなく]
ーーーそろそろ、吸わないとまずそうだな
[あの、草の香りの娘の元へ行こう]
[ダメ、動揺しては。見抜かれたら狙われる。]
>>140
だって、ロランさままで亡くなられるなんて。
わたくし、なんだか辛くて…。
>>139
ええ。勿論ですわ。
[その声はどこか緊張してぎこちなかった。]
[部屋に入ったら
もう躊躇う必要はないと言わんばかりに
ナタリーの喉に歯を立てる
悲鳴が上がっても、口を手で覆い出来るだけ外に聴こえないように
からん、と何かが落ちる音がしたが
その方に目をやる事もなかった]
[扉は開けようとする前に開いた。]
……トリス、さん。
[この人は、吸血鬼だ。]
[さっと、全身で警戒する。]
[しかしよくみればどこか昼とは違う。]
[酔っているのか、足元をつつくと倒れてしまいそうな…。]
こんばんわ。
[白い腕に目を向ける。]
[まるで自分とは正反対。]
[うらやましいとちらと思っただけだった。]
(…もし、もっと早く気がつけたなら。。
グレゴリーが吸血鬼に狙われる前に。
これ以上、不浄の魂が増えていくのは耐えられないわ。)
[明日も葬儀、ベルナルトのその言葉に重く頷く。
死ななくてもよい人間が死なないうちに、宴をやめさせたい──そう言っていたロランが死んだ。]
ロランも礼拝堂へ運んでやらないとならないが──
今は、
──グレゴリー少尉を探しに行こう。
[ここで死ぬ心算はないと豪語した男。
異母兄弟からの悪意を自力で弾き返してきた男だ。]
ひとりで戦っているわけではないことを思い知らせてやる。
>>151
(―誰が吸血鬼なのかは、まだ確信が持てない。
でも、誰を護るべき?
か弱い女性ばかりでは、やはり…。
ユーリーはよく解らない。先導しているのか、それとも…)
……わかりました。
[ユーリーの言葉に頷くも。
素直に、グレゴリーを信じて良いのか分からなかった。
めくっていたコートをかけなおす]
ごめんな。もう少し待っててくれ。
明日、きちんと祈るから。
[立ち上がって]
……今の時間なら、本棟の方にいらっしゃいますかね?
[どのみち、一度本棟に戻るつもりだ。
口調は尋ねるそれだが、足は既に動き出している]
ひっ―、あ、ふぁ、あ…
[それはとても唐突で。]
[ぶつりと皮膚が裂かれる音と、痛み。]
[上げた声は塞がれただもがくのみ。]
[意識が遠くなる。]
[後ろ手に持った青龍刀が、カランと落ちた。]
[余程自分は飢えていたのだろうか
吸血と入血のバランスがつかめない、ひたすらに貪り、同じだけ自分の血も入れる
お陰で、血の気は先程と大して変わらない
しかしーーー満たされた、と言う気分ではあった
太陽の娘を夜の娘に染めた事への征服感とでも言うべきか]
っはぁ…
[牙をナタリーの首から抜いた
立ったままだったが、そのままふら、とベッドに倒れるだろう]
──Requiescant in pace.
[死者に哀悼の意を示すベルナルトに倣って十字を切る。
本棟へと戻ることに異論はなかった。]
ところで──
先ほどは、武器の探索案に即座に対応できず、すまなかった。
あれから、地下室とやらは探してみたのか?
[どくん。]
ぅ、う…?
[どくん。]
え、あ?
[―どくん。]
っあ、ああっ、は、あ、あ―っ
[身体を抱くように悶えてうずくまる。]
[どくどくと鼓動が跳ね上がり、ぼこぼこと血が沸立つ。]
[流し込まれた吸血鬼の血は、変容を一斉に齎した。]
[まるで内側から愛撫されているかのような、悦びと―]
[身体の内側を全部削ぎ落とされていくような、苦しみ。]
[太陽は深い深いぬばたまの底へと堕ちていく。]
―礼拝堂―
[カチューシャとともに扉の中へ。
蝋燭の炎が厳かに天井や壁、そして彼を照らしていた]
――安らかに。
[跪き灯りを手向けると、目を閉じて祈りを捧げ]
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