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― 朝・自室 ―
[壁に細く切られた窓から、斜めに銀の陽が射し入る。
額を締め付けられるような頭痛に、低い呻きが薄い薔薇の薫に溶かれた]
――つゥ
[体が重く痛む。
浅く弱く吐息を漏らしながら、緩慢に上体を起こした。蛾眉に苦痛の色を刻むのは、淡い霧越しにもあかねさす朝の光。
眩しさに赤く灼ける瞼を幾度か瞬かせ、玉を作る涙を払う。
女が横たわっていたシーツには乾いた血の痕が昨夜の”情事”の残滓を留めていた]
……。く ――
[毒を吐こうとした声は酷く掠れてひりつく。
喘ぐように幾度か唇を開いて、静かに褥を抜けた。
薄暗い室内に漂うのは、薔薇の薫と女の香、それに芳しい血の甘さ。流れた血は一種だったか、それとも混じって溶け合ったのだったのか]
嗚呼…頭にくる
[まだヒールを片方履いたままだった。宴の為に用意したドレスは二目と見られない有様で。
女は口中で悪口雑言を並べながらドレスを脱ぎ落とし、なくした靴を床に探す。
鏡の前に裸身を立たせれば、女の眸は――その部屋にもうトリスが居ないなら、泣き出しそうに切れ長の形を歪めるかも知れない]
[酷く眠かった。
水差しの水を一雫口に含むと、残りを盥に流し、水に香油を垂らす。前日と同じように手巾を浸して、前日とは違い冷たいそれで汚れを拭った。
丹念に繰り返し、張った水が濁るにつれて濃霧のかかったような思考が晴れていく]
馬鹿じゃない? 滑稽だわ。
……とんだ茶番。
[自らを嘲弄し。女はやがて唇を引き結ぶと、盥の水を捨ててクローゼットへ向かった。
吸血鬼がまだ部屋にいたとしても和やかな会話などあろうはずもなく。女の不機嫌は絶後のピークに達していただろう]
―早朝―
[いつも夢を見る。
陽光に思わず瞑った瞼の裏に、まだ母の後姿がある気がした。
夜着を脱ぎ去れば白磁の肌が現れ]
……まだ、残って、
[まるで呪いのように、鎖骨の朱は存在していた。
叔父の執着の跡ということか。
なぞる自らの人差し指が昨夜の棘を思い出し、じくりと痛む]
そういえば、彼らは起きているかしら。
[小さく頭を振り、消えた使用人に思考を移して。
ドレスは深い藍のベルベット。詰まった襟には黒のレースが沿う。
髪は肩に下ろして、ショール片手に部屋を出た]
― 朝・本棟 ―
[食堂へ向かおうとしていた。
城に入った時と同じ、布地のゆったりした黒の装い。億劫そうに、時折体が傾いで蹌踉めきながら、ヒールで床を踏む。
首周りには紅い華が三つ。
紅玉の首飾りと、吸血鬼の欲情の印。
かけたままの首飾りと同じく、首筋の牙痕はそのまま晒され、垂らした黒髪で隠れるばかり。
話 し か け る な
というオーラを全身から発散しながら、だが誰かが朝の挨拶をするなら、驚く程穏やかに会釈をして細く笑みを浮かべるだろう]
―本塔1階―
[食堂の扉に手をかければ、抵抗なく開く。
宴のあとは綺麗になくなっており、
いつの間に片付けられたのだろう、かすかに眉を寄せた]
……やはり、ここは普通ではないのね。
早朝に片付けられたという可能性も、あるけれど。
前者のほうが、この城にはお似合いだわ。
[食事の用意はまだない。早朝だから、当たり前か]
まあ、同胞になっちまえばお前の血の味が変わるのが残念だがな
[実にその血は自分好みだったのでーーー
違う種になるという事は、体の構成が変わるという事なのだから
吸血鬼の血は新鮮みに欠ける。まるで酸化し過ぎた葡萄酒のように]
お前が人間である限りは何度でも来てやるよ
その内お前からせがむようになるかもなあ?
あの白いドレスの少女のように、な?
[はははっ!と笑うとそのまま部屋を後にしようとする
アナスタシアがいぶかしむ素振りを見せればこう答えるだろう]
言っただろ?
いずれお前の方からせがむようになるってな
[そう言って今度こそ去って行った]
―朝/本棟―
[寝覚めは最悪だった。とりあえず眠れたから良かったが。
長椅子から身を起こして、重い頭を軽く振る。
喉が乾いた]
……あ、おはようございます。
[瞳をこすり、フィグネリアに挨拶を返す。
窓から差し込む光は、こんどこそはっきりと太陽のものになっていた]
ベルナルト、で、いいですよ。
[フィグネリアに言い残すと、水を求めて厨房の方に足を向けた]
― →厨房―
―厨房―
[相変わらず、人の気配はない。
多少の気後れはぬぐいきれないものの、勝手にグラスと水を拝借する]
吸血鬼の城なら、使用人が消えちまうのもさもありなん、なのかね。
イライダ様も、使用人と一緒に消えちまったんだろうか。
……でも、それなら宴って何なんだ、って話だよなあ。やっぱりどっかにいらっしゃるのかねえ。
[人が居ないのをいいことに、堂々と呟く。
空になったコップを指の先で弄びながら、再び己のうなじに軽く触れた]
[吸血鬼はいる、と自身もおとぎ話から出て来たような赤いケープの少女は言った。]
──そうか。
[ユーリーはただ諾う。
吸血鬼や人狼や守護天使──それらの存在を否定する論拠を、ユーリーは持たない。
ただこれまでは時間的にも距離的にも自分の近くにいたためしはなく、実物を見たことがなかったに過ぎないのだろう。
例えるならば、カルタゴの巨象兵団と同様。]
── 朝・自室 ──
[大抵の吸血鬼は日の光に弱く
また同じように大抵の吸血鬼は朝に弱い
しかし、人間達は朝から動き始める、動きの気配には敏感に出来ているのも吸血鬼だった]
くぅ…
早起きの奴らがっ
[それは例え血を吸った直後で生命力の高い時でも変わらない]
―回想―
[――吸血鬼>>76。
ユーリーに向けられた言葉を耳にして、それは実在するのか否かと議論する思考をすぐさま放棄した。
自身はこの状況を全く理解していないのだ。
誰が、何故、どうやって……全て不明。暗中を明かりなしで歩いているようなもの。
だったら、『吸血鬼の仕業』というのも選択肢に入れていい。
――あくまで、選択肢に、だが。]
そうか、吸血鬼か……。だったらリディア嬢ちゃん、ひとつ、よく眠れるおまじないをしてあげよう。
『吸血鬼の行く手に、茜と山査子の棘がありますように』……よし、これで吸血鬼は嬢ちゃんの所には行かない。
[戦場で知り合ったセルビアの傭兵から教わった吸血鬼除けの呪い。
当時は『何を馬鹿な』と笑ったものだが、何が何処で役に立つか……予想もつかないものだ。]
……お母さん?
[思わず髭面を指差して放心する。
その後、リディヤを部屋まで送り、ユーリーと別れて自室に戻っただろう。]
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