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──仕方ない。
わたしの部屋へ。
ご迷惑でしょうが、手を貸していただけますか。
[ニコライ・ミハイロフと名乗った貿易商に声をかけ──他に頼めそうな男手はなかった──椅子を担架代わりに、脚の方を持ってもらう。]
[マホガニーの椅子の重量を差し引いても、グレゴリーは重かった。
酒のせいではなく──これは筋肉の重さだ。
見てくれの軽薄さとは裏腹に、この男の腕力が相当なものであることは身をもって知っている。
思い出したくもないことではあったが。]
くそっ、フリガーン(ならず者)め。
[彼の所属隊の悪名で罵りながら苦労して階段を運び上げ、自分に宛てがわれた部屋のベッドにグレゴリーを放り出す。]
ご協力ありがとうございます、ニコライ・ミハイロフさん。
[元軍人らしく民間人への感謝を伝え、グレゴリーひとりを残して部屋を出る。
ベルナルトが戻ってこちらの部屋を覗いたら主が変わっていることに驚くだろうが、グレゴリーが騒ぎだしでもしない限り、勝手に入ることもないだろうと、考慮しないことにした。]
食堂へ戻られますか?
わたしはここで失礼させていただきます。
──よい夜を。
[挨拶をして踵を返す。]
[向かうは、黒衣の女が教えた去りがてに教えた客室。
三階への階段をのぼってゆく。
扉の脇、壁に沿うようにして立ち、指の節でドアをノックした。
銀のリングが硬質の音を重ねる。]
― 三階・自室 ―
[ヴォッカの齎す酔いの海に泳ぎ、しまいには大声で歌い出すにいたったグレゴリーに嫌気がさしたのか、それとも食事を終えても皿を下げに来ない使用人に訝しんだのか。
女は宴の場を早々に辞した。
ロランとは入れ違い、軽く挨拶を交わしたが名を記憶に残す事はなかった]
……誰もいない。
いなくなった? 馬鹿げているわ。
[別棟の厨房まで覗きに行ったのは酔狂だったが、そこには誰もおらず。
ただ竃の火の余熱で湿気た空気に、微かな息遣いが潜んでいるように思えて気味が悪かった]
[薔薇の薫の室内に、女自身の香をたなびかせ、窓から宵闇に沈む庭を見ていた。
硬質な音に振り返り、ドアを開いて男を招き入れる]
……宴はオシマイ?
それとも――お腹を空かせたのかしら。
[宴の場よりも、客室の灯は暗い。
男の表情は杳として知れなかった]
[重いドアが開かれる。
わずかな隙間から、ユーリーは室内へ滑り込んだ。
木々よりも高い位置にある窓を背に、部屋に居るのは女ひとり。
――少なくとも、ユーリーの目に映る者は。]
アナスタシア・ニコラエヴナ、
約束を果たしに。
さもなくば、おやすみの挨拶を。
挨拶で仕舞になさるおつもりなの?
[滑り込んだユーリーが己が名を紡ぐ。硬質で意志の勁い声。
兄とは似ても似つかぬ響きに、皮肉の笑みを浮かべ]
もちろん…脱いで頂くわ。
その服は貴方に相応しくない。
[胸の前で組んでいた腕を解いた。
手を伸ばす。
左の指は袖口の金糸へ、右の手は男の襟元、ホックに触れるか触れないか]
その為に来たのでしょう…?
[女の指が喉にかかるに任せる。
それが刃であれば、続く言葉も紡げぬと知りつつ。]
この服の由来のみならず──あなたは、わたしの知らないことを知っておいでのようだ。
城主が、あれら雑多な客たちを、何のために集めたのかも、おそらくは。
それを教えていただけませんか。
書庫へ行こうとも考えましたが、どうせカバーの間で過ごす夜ならば、暖かい方がずっといい。
[外側から腕を回し、女の髪を束ねているピンを抜こうと指を伸ばす。]
私が何を知っているというのかしら?
[ホックを外しただけで指は一度離れ。凍るぬばたまを猫のように細めた]
貴方も招かれたのならばご存知では?
御城主様は日々の無聊を慰めるため、時に宴を開いておられるのでしょう。此処は山の奥――訪なう者も多くはないでしょうから。
[男の首筋にかかる温かな金属質の光沢を、戯れに絡めて緩く引く。
後頭部でほつれたシニヨンは、留めを抜かれれば容易く形を失い、さらさらと女の背に流れて広がった]
わたしは、招かれた客ではないのですよ。
つい先日、血族も領地も失い、こちらに身を寄せているだけ。
宴に着てゆく服にも事欠く始末です。
[長大な針にも見えるヘアピンを指の間で器用に回し。
夜の帳に見まごう摺墨の黒髪をおろして艶を増した女の姿に、狩人の視線を向ける。]
けれど、それではあなたの話を聞くのに引き合いませんね。
では、お返しに、ひとつ情報を。
知っていますか?
礼拝堂に「居る」もののこと。
あなたであれば、あれを見ても恐がりはしないと思いますが。
[自尊心を呷るようにそそのかす。]
── 吸 血 鬼
[囚われの娘が漏らした言葉を不意に投げかけて。
アナスタシアの反応を見る。]
父上はご健勝と伺っていたけれど…そう。
大地を舐める怒りの炎が、貴方の”日常”を平らげたのね。
だから此れ程に、こわい色 をしているのかしら。
[不作が続いていることは、興味がなくとも知らぬはずもなく。憐憫を――飢えて狂っただろう民衆へ向ける。
健強なようで、闇の淵を覗き込むように危ういユーリーの瞳を、揶揄う。
銅色の髪に遊ぶ指を後頭部へ滑らせて、―――]
礼拝堂?
[唆す意図に僅か眉を顰め、次の言葉を聞いた]
――― 、ふふっ
[不意に投げかけられた言葉に、抑えきれない笑みが毀れる]
なぁに。それ――
ではこの城の宝物を護る魔物は、ドラゴンでもデモンでもなく、ヴァンパイアだったということかしら?
[くつくつと笑みながら、冷ややかな双眸をぶつかるほど近く、ユーリーの瞳に寄せた]
いいわ。何だろうが。構わない。
ダニールはこの城に招かれて、タナトスに魅入られた。
貴方が知りたいのはそれかしら?
[左の指が袖の返しをついと引く。そこに縫い留められているだろう兄の名を、握った]
もう門扉は閉ざされたのよ。魔物に成り変わるか、魔物を食い滅ぼさぬ限り出られはしない――命落としたとて、檻の虜なれば、同じ事。
[間近な唇に、甘く囁きを塗り込めながら――犬歯を触れさせる。逃れないなら噛み付く、と煽る素振り]
貴方も眠りにつく前には、それが真にオネイロス(夢)を連れているものかどうか、よく目を刮いておくことよ。
ぼんやり微睡んでいたのでは、目覚めた時には、吸血鬼になっているかもしれないわ。
[バルコニーに出る前、リディアの名を知る機会もあったろう。
ふっと頭を過ぎる、叔父の話す忌み子への辛辣な言葉。
応接間から聞こえたそれは、強く強く娘の脳裏に残っていた]
あの子が、
[娘はそっと近づくと、僅かに膝を折り]
初めまして。
あなたのように幼い方もいらっしゃるのね。
[彼女がここにいる理由。思い浮かばぬ訳はない。
感情の浮かびにくい瞳に、
かすかな哀切と、柔らかな慈愛を。
リディアは娘の周りになにかを視ることがあるだろうか]
―礼拝堂―
[辿り着いたのは、少女が虜囚を繋ぐ布を引き裂き、彼女を床に横たえた頃合い。
事情を尋ねる少女の声は耳に届かなかったが、月明かりに照らされた二人の姿は見えた]
何かあったのかい?
そちらの子――具合が悪そうだけど。
[数歩礼拝堂内に踏み込んで、声をかける]
夜も更けたし、ここは冷える。
……手が必要なら、貸すよ。
[横たわる少女の様子にまず抱いたのは焦燥の念で。
様子を伺うように――しかし、心配を隠さず、中の二人にそう声をかけた。**]
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