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― 礼拝堂 ―
[愉悦の声は今なく。
耐え難きは人の身では持て余す甘い毒。
噎せ返る薔薇に一時身を浸すよりも強く、蠱惑的で甘美な毒。]
――ぁ、…ぁ…。
[清らかなる場にさざめく哀歌は甘く。
訪れる者の耳朶へ響く通奏低音。
これまで幾ら熱りが煽られようと、
降りる事も行き着く事も出来ぬ場へのみ導かれる。
未だに摘み取られる事なく、
蕾から伝い堕ちる雫は溢れる。
礼拝堂に来たる者が、如何ばかりに扱うか。
予測出来ずとも、こればかりは確か。
啼く声の合間に小鳥は囀る。]
[城主との面会を終え、踵を返す。
長い廊下の途中で、こちらを見ている少女と行き交った。
城に到着した時、薔薇苑にいた少女だと思い出す。
城主の親族なのだろうか、と考えたのは一瞬のみ。
両者のまとう雰囲気は軋轢が生じるほどに──異なる。
ぬばたまの闇とひさかたの光。
女城主の私室の前から戻ってきた男を、少女はどう見たか。
今は小さな淑女に会釈をして傍らを通り過ぎるのみ。]
[その先の階段へと歩を進めれば、陰に佇む青年の姿。
着ているものから察するに使用人なのだろう。
だが、不遜な眼差しはむしろ饗を奉られる側のそれで、先ほどの老家令にも通じる「この城の一部である」気配を帯びていた。
そういえば、イライダを目の当たりにした陶酔で忘れていたが、あの老家令はユーリーの目の前で溶けて消えたのだった。
あれは、現実か、否か。
混乱を覚えて、ユーリーは自室へと逃れ戻る。
今はまず、旅と魂の疲れを癒さんと。]
─3階客室・室内─
[部屋の中は何れも高級品ばかり
自分には知り得ぬ上質品。
地方令嬢の持ち物は、それらの前では安っぽく。
感嘆と伴に、何かを抉られた様な苛立ちを感じさせた]
……薔薇か。
[呟いて、華やかな花瓶の紅のひとつを手に取り
慣れたように、棘を手折っては打ち捨ててゆく]
[愉悦を感じる、其は暇を潰す唯の趣味──]
…痛、
[ ぷつ
鋭い棘は蹂躙を許さぬか、親指の淡い肌を貫いた]
…っ……!
[くしゃり 白い花を、その手で握り潰して塵箱へと投げ捨てる
──花の色が、箱の中で喜色の紅に変化した]
しかしまあ、こんな季節に薔薇……ねえ。
貴族趣味もここに極まれり、ってものだなー。
[ふらふらと薔薇園の合間を縫うように歩き、ふと気付けば別の色――四阿が目に留まった。]
んー?
[人の気配を察し、其方に意識を集中する。
フィグネリアから聞いた薔薇園の存在、つまりは何者かがいても不思議ではない。
――霧のヴェールに遮られて視界は利かないが。]
失礼、既に先客が居られるようですな?
[一旦咳払いをして声を作った後、四阿へと意識的に足を向けた**。]
[広間から1階の廊下に向かい、各所に花卉があるのを目にする。
いずれにも飾られるのは薔薇の花]
庭にも薔薇が咲いていましたね
…よほど薔薇がお好きなようで…
[窓から外を見れば何人もの人が薔薇を愛でている。
しばらくその光景を眺めていた**]
── 自室 ──
[ベルナルトは続き部屋を使っているだろうか、それとも遠くへ行ってしまったか。
プライヴァシーを守ると言った以上、こちらから内扉は開けなかった。
人の善性を信じるか、人はそもそも邪悪なものなのだと突き放すか。
領民に父母を殺された自分は危ういバランスの上にいる。
ベルナルトの存在は、試金石でもあるのだ。]
[簡単な夜食を頼み、寝酒に暖かいワインを呷る。
その間に、湯をつめた皮袋でベッドが暖められた。
借物の衣類を脱ぎ、シーツの間に滑らかな裸身を潜り込ませる。
瞼を閉じれば、ほどなくヒュプノスが訪れた。]
── 夢の中 ──
[数多の存在がモノクロームの城郭内を、あるいはその天井付近を、重さのないものとして自由に擦り抜け、行き来していた。
博物館でしか見たことのないような古めかしいドレスをまとった人物、
行方知れずと捜索願いの出されていた者。
夢の中でユーリーは、彼らが既に死んでいることを察している。
故に、声をかけることも、己が存在を訴えることもなく、
ただ、イライダの鮮やかな姿を求めて、視線を彷徨わせていた。]
[銀の影を探し得ぬままに、庭園へと出れば、
遥か蒼穹の彼方から鎖が伸びてくるのが見えた。
その先端につながれているものは──
もがく 純白の 小鳥
こぼれ落ちるは
鋭く、甘く、圧しつぶさるる嗟嘆(なげき)の声。
それを翻弄するごとく被さる哄笑は、イライダのもの──]
[座るよう促す事も、皿に少し余っているプリャニキを差し出す事もせず、リディヤへ冷ややかに乾いた怒りを刺した]
小煩い餓鬼ね。
半身がどこでくたばってようが貴方の知ったことじゃないのよ。
[リディヤの暗緑色の瞳。
こぼれるほど大きな瞳に映る、女の姿。
何が気に入らないのか、舌打ちした]
黒いのは元からよ――
[黒い薔薇。血を吸って尚、赤くなる事も出来なかった薔薇。
歪な笑みを閃かせ、すぐに消した]
[ぬばたまの檻が虜囚を捕らえたのは暫し前。
宴が始まる其の時が近いと知れる。
城主たる吸血鬼はその宴に参加する気はない。
参加せずとも波乱を巻き起こしそうな者が居るのだから
それを近く遠く眺めるだけで良いかと思う]
――…私を愉しませて。
[艶めく聲が闇に響く。
甘い囀りはまるで睦言紡ぐかのよう。
人と吸血鬼の織り成す物語は未だ始まったばかり]
ここにいても仕方ないですね…
[どこへ行こうか思案しつつ外に出てみることに。
途中で誰かと出逢えば言葉を交わしただろうか。**]
退屈は嫌い。
[退屈を求める眷族が居る事も承知している。
それも個性と思いそれさえも認めるのだけど。
退屈を嫌うが故に城主は宴を開く。
血を喰らう魔性は人との関わりを断ち切れぬ――]
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