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しょせんいくつかの行動パターンの寄せ集めにすぎないくせに。
しょせん人間の映し身にすぎないくせに。
なんで私が捨て去った物を持っているんだよ……
[だが、その思考だだ漏れな言葉の続きは、Chlonoise――ヴィンセントとコーネリアスが次いで現れたことによって打ち切られた。
二人が立つ座標軸を、手元の赤とオレンジを基調にしたフレームが時間順に記録する]
[Vincentの発したcommands、『destroy』にAnt-lionは反応したか。
ソレは、アタックプログラムSuperbiaを超臨戦状態へ駆動する。
gulaを充たす膨大なエネルギーを源に、構えも予備動作もなく発生する熱衝撃波。
超攻性プログラムAnt-lionが攻撃行動に移るなら、ソレは、アタックプログラムを以て抗する心算だった]
聞こえてる――?
[雪は、いつか降り始めるだろうか]
[金属音がして、剣先が弾かれる。
男はおや、とおどけたように目を見開いてみせた。]
血気盛んですね。Babylonから破壊を命じられた私に向かって、勝算があるので?
[言いながら、男はLostOne.より距離をとろうと、一歩、また一歩、後方へ下がる。]
[雪の属性変化を代償に、「場」の記録能力は底上げされた。
結果、この場にいる全ての面々の行動が、フレーム上に記録されていく。
ヴィンセントがこの場で自らのデジタル化を行えばそれも記録されるだろう。
だが、ヴィンセントのプログラムに関する推論と返答を聞きながら、私は考える]
用意周到そうな奴のことだ……どうせこの場に入る前のセーブポイントがどこかに残ってるだろう。
それを使われて例えば――〈Sonne〉製作中の私が襲われでもしたらたまらない。
[ならば残る方法は一つ]
直接叩く。
絶対たぶんきっとの盾って、不安、だけど!
[ す、と杖を眼前に水平に構えて。
くるくると回転させ始める。それは、やがてぶんぶんと唸り始め、熾え盛り始めた。]
さあ、勝算は分かりはしないわ。
[ Chlonoiseが、Ira=Ant-lionの方面へか後退する。]
補佐AIのデータを吸収したということは、
あなたの単純な攻撃力は向上しているでしょうから。
[ 跳躍し、Chlonoiseへ叩きつけるような一閃=一打。]
お手柔らかにはお願いしたいものですけどね。
[ちかり、ちかり、男が歩くたび、白い瞬き。]
そもそも私、平和主義ですから。
MARIAの力がなければ無力なものですよ。
[先の言葉とは真逆のセリフを吐くうち、LostOne.の跳躍、撃ち出される一撃。それを受けるでも返すでもなく男の取った行動は、戻る。
たった3秒の前だった。自らの位置情報、座標を戻すだけで、撃たれた光弾を避ける。]
私の合図でECLATANTはAnt-lionを狙え。
私は、ヴィンセントをどうにかしてみる。
『分かったけど、徹底的にやっちゃっていいの? あいつの中のもう一つの――心、みたいなものが、あいつを打ち負かせば、あるいは』
敵はヴィンセント一人になる?
そんな希望的観測は、いらないよ。
[私とECALTANTの周囲で、雪が集まり、何かの形を模していく]
[やがてECALTANTが持つのとほぼ同じ形の氷の槍が、空中に6つ完成した。
そのうちの3つをAnt-lionに向ける。
当たれば氷結はしない。もはや、破壊をもたらすのみ。
言い換えれば雪の持つ属性は「破壊」のみになったとも言える。
本来は場に取り込まれた者全てを破壊する雪を降らせるコマンド――それがDances with Snow Fairies。
コーネリアスの「アイラ」への呼びかけは聞こえているし記録もされているが――]
そんなおとぎ話みたいな展開、期待しないよ。
[少女の姿をしたそいつが動き出したら即合図を送ろうと、身構えた]
[ 杖の先端から半ばへかけた位置、その部分でChlonoiseを捉えたと思えた瞬間、Chlonoiseが掻き消える。熾えた杖から、ちりりと飛び散るそれの位置からも消えた場所。]
( 攻撃の軌道が決まった瞬間に過去に戻ったということ。
……リトル、お願いね。)
そうね。
マリアの力よりも、四次元時間軸移動の力に頼っているわ。
それは癖?
[ Chlonoiseが現れた場所へ再度杖を振るい、攻撃を仕掛けようと]
癖? いえ。言ったじゃないですか、平和主義者なんですよ。
[LostOne.の攻撃を抜けた僅かな余裕。その隙に見たのは、ant-lionに近寄ろうとする、Cornelius―<gula>―とLittle Dancerの生み出した氷槍。
iraを壊させるためにも、彼らを彼女に触れさせるわけにはいかず。男はLostOne.が再びの攻撃を構えていることも構わずにCorneliusの方へ向き直る。]
iraなど居ません。無に興味を持つなど、狂いましたか?
[有を食らう暴食のプログラムに話しかける。可能ならば、彼の興味を惹くために。]
[掛けた言葉は、Ant-lionを揺さぶるもの。
それだけで応えがあるとは思っていなかった]
……
[少女の中に紛れ込ませたgulaの胞子>>74を、如何にしてブートさせようかと、avaritiaにリンクして思考は回転する。
かけられた言葉>>132には、無反応――の代わりの返答として、じり、と紫電の火花を散らせた。
自分は今”充たされている”と示すかのように]
[残る3つの氷の槍は、舞うように戦うシャーロットとヴィンセントの上方に位置づける。
二人の動きに合わせて氷の槍も舞う。
槍の一つが狙っているのは、3秒前にヴィンセントがいたと記録されている場所]
>>116
[――『destroy』
その言葉に、少女の瞳に光が戻る。
そうダ…!!自分は道具、ならバ、その役割を果たさなければナらない。
道具とシて…!生まれて来たから二は…!その責任を…!!
Ant-lionは知っているだろうか?その思いを人は「矜持(プライド)」と呼ぶ事を。
人間の感情である事を…。]
[キャロルとシャーロットが何か新しい防御プログラムを組んでいたのは分かっていた]
…面白イ…
ならば…このDioneのシステムと…どちらが強いか…勝負ダ…!
『全定義領域を解放… 最下階層システム 「崩落の刻」 supernova explosion(超新星爆発) 起動(イグニッション)――…出力…100%。』
…こノ体…全てを代償二…この部屋を…イや…この塔を…吹き飛ばしてヤる…!!!!!!
[少女の体全体に巨大な斥力が…白い光が収束を始めた…]
>>135
[少女が動いた。攻撃行動ではなく、起動する超攻性プログラム。
目の前でTobeyを消し去った力を、想起する。
圧倒的な質量の”情報”を一点に投入することによる、クラッシュ。世界の一部を消し飛ばす程の破壊力は、アタックプログラムという”属性付け”すらされていない純粋なコードの塊に依って成り立っているのだろう。
だからきっと、その気になれば]
これ 食べられるけど
[呟く。supernova explosionに、抗する代わりに――『腕』を伸ばす]
だけど―― アイラ。 Iraと 話したいよ?
――今だ。
ファンファーレを鳴らせ。
[その「合図」とともに6つの氷の槍が標的を狙いに行く。
3つは少女の姿をしたそいつに、2つはヴィンセントに、一つは現在は空白の――しかし3秒前にはヴィンセントがいた位置に]
>>135
[白い光が収束する。
赫く少女の体に、一足飛びに駆け寄り――触れた。回避行動をさせないため、アバターの腕で抱きしめるように。
ファンファーレ>>137
少女とソレを貫く氷の槍に、Ant-lionのプロテクトが弱まる]
そこに いる?
[ソレは、Corneliusに触れたAnt-lionを介して、ブートコマンドを送った。
Dioneシステムの深層階層のディレクトリに潜伏していたgulaの欠片を、呼び起こす]
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