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永遠の旅人 エーテル に 3人が投票した。
沈黙の カチューシャ に 2人が投票した。
永遠の旅人 エーテル は村人達の手により処刑された。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか。
現在の生存者は、沈黙の カチューシャ、放蕩息子 ベルナルト、医者の娘 ナタリー、陽気な女将 サンドラ の 4 名。
[賢者は、結局量産されてしまった死体の事を想っていた。この食堂車の中だけで、それは四つ在る。]
この列車には……人狼の肩を持つ奴が多過ぎた。そうは想わないかい、サンドラ。そしてベルナルト。
[おさらいをする教師のような口調で、言葉を紡いで行く。]
イヴァンを殺し、おおかみさまおおかみさまと鳴く献身的な狂人、サーシャ。
愛だとか云う不合理な感情に惑わされて、自らの敵を倒そうとせず、理解し合おうと願ったロラン。
自らの役目を忘れ、たった一夜の恋に狂った女、エーテル。
そんなだから、頭の悪い人狼達に好き放題を許してしまうんだよ。
全く、面白く無い。
そう、人狼は人狼で、救い様が無い程頭の悪い連中だったな?
[羊さんと左手を横に広げ、やれやれ、と云うジェスチャー。]
今まで何十人も殺し、喰っておいて、この列車内でもとても美味しそうにラビを食べておいて、ロランだけは喰おうとせず、ユーリーから守ろうとさえしたミハイル。
恋に狂ってしまったのかね? ロランの優しさに触れ、愛に目覚めた―――のだとしたら、滑稽だ。
あいつが今まで容赦無く殺し、喰って来た連中にも、ロラン以上に優しかった人間は居ただろう。そしてロランよりも若かった頃が在り、恋をして、それから家族を作り、愛を深めて行き、穏やかな余生を過ごそうと頑張っていただろうにね。そして、人狼で在るミハイルは、それらを踏みにじり続けて来たのにな?
それだけの事をしてきて突然あれだよ、ナタリー。
全く、救い様が無い。
ユーリーに至っては……本当、見境が無かったな。
あの自分本位さは、或る意味で人狼にはぴったりだったが。
[転がるユーリーの死体へと目を遣り]
シュテファンを殺し、ダニールを殺し……そしてエーテルを自分の仲間にしようと。「狂人」にしようと思ってたら、何だか失敗して。自分のモノに為らないなら、血肉として自分そのものにしようとしていた。
まあ、立派な人狼だったと云えるが……野性の狼はね、自らの仲間にまで手を掛けようとはしないものだよ。そもそも野性の狼は、あれでいて人類の害獣等を始末してくれる、益獣だから―――人狼とは、似ても似つかない生き物なのだが。あ。
[何かを思い出したかのように、ユーリーの死体へと近付き。ごそごそとポケットを漁る]
[そしてトランプを一組取り出して、羊さんと一緒にそれを開封して行く。]
挙げ句、確か……列車を爆破して、後続車両と切り離そうとか考えてやがったな。爆薬は、多分ユーリーの部屋か。
少し考えれば解りそうな事だが、その爆破の衝撃で脱輪したら、運転手も乗客も人狼もみんな死ぬだろうね。立派な列車事故だ。
あいつは本当に―――考え無しだったな。欲望に素直と云うか。「エーテルを助けろ、助けられなかったらお前を殺す!」とかナタリーに云ってたし。そりゃあ、裏切られる。そんな男を信じてついていく女なんて居ないよ。
あ、エーテルが居たか。
[苦笑して、エーテルの死体の方を視線を動かした。]
処でサンドラ、どうして私が、こんな事をペラペラと喋っていると思うかい?
[デックから、一枚ずつカードを選び、取って行く。]
冥土の土産? 強者の余裕?
それは違う。私はお前を殺す積もりは無いし、その気になれば、素手でさえ殺せてしまう程にか弱いよ。
[選ばれたカードは、スペードのA。クラブのA。スペードの8。クラブの8。そして、ハートの3。]
物語には、語り手が必要だと。
そう、思っているからだよ。
こんな悲惨な事件。こんな惨たらしい物語。
誰かが語り継いでやらないと、可哀想だろう?
悪いのは全て、人狼でした―――ってね。
[全てを表向きにし、ユーリーの傍へ扇形に並べた。残ったカードは、ひとまとめにしてテーブルの上へ。]
[ナタリーの状況説明に>>24>>25を聞けば]
エーテルは自分でナイフを使ったのかよ。
あいつらの間に何があったのかは知らなかったし初耳だけど、
…何てーか、そんなもんかね………
[信じる物愛する者の為に命を投げ出したと聞けば聞こえはいいが。
思慮深そうな者でも、愛が絡めば狂うと言うのか。
大して思慮深くもなく、自分の為に狂った己には否定も肯定もし難い、と嘆息する。]
ナタリーは盲目的に付き従ってた訳じゃねえのな。
理屈に合わない…筋の通らない命令なんざ潰してやっていいと思うぜ。
[撃った理由を聞けば、感情の籠らぬ声でそれだけ口にする。どこかに獣の痕跡が残ってでもいれば、複雑な表情で見詰めるだろう。]
とはいえ……二等車両に救急箱を取りに来るまで、俺はあいつを人間だと思っていたんだがな。
[これで全員。問いへの返答のような彼女の頷き>>26にも、頷きを返した。銃を拾い上げたのは、彼女がシャノアールに声を掛けている間のこと。]
[食堂車の適当な位置に座ろうとしたところで、シャノアールに呼びかけられる。>>0]
…人狼事件に関わった奴が多い割には、結局人狼側に有利に働いちまう条件が揃ってた……とは思う。
俺含め混乱してんのも多かったし、無理もないが……
[事実、前の事件の呪縛から未だ逃れられていない者も居た。
「仲間」の話に耳を傾けつつ、シャノアールが並べていくカードを見詰めている。――5枚。
爆破だとか物騒な単語まで飛び出せば、苦笑が浮いた。
サンドラを生かす目的に話が及べば、もう一度彼女へと視線を据えた。]
[...が縛られていたスカーフがはらりと腕から落ちた。縛られている振りはもう必要なさそうだ。
体がガチガチだ。椅子からゆっくり立ち上がると、ナタリーが淹れてくれた茶に手をつける。やはり緊張しているのだろう、熱さがさっぱりわからない]
[そして様子が変わったカチューシャに驚いた]
・・・・・・・あんた、あんたもなのかい。
>>8
何が、「も」なのかは知らないが……。
私やナタリーは、別にお前を取って喰おうとは思って無いぞ?
[その様子を、面白そうに。愉しそうに。]
[これからどうするのかと問うナタリー>>8:26の声を聞きながら]
………ん。
サンドラは語り手、として。
[シャノアールは彼女をどうするのだろうか。護衛というわけでもあるまい。
ふと浮かんだ疑問を口にすることはなく、曇った窓の水滴を右手で拭き落とした。
現状の生存者4人と、死者が4人――窓硝子に描き出される異様な光景が、雪景色と重なった。]
[サンドラが椅子から立ち上がる。
解いたのか解けたのかは分からないが、開放された彼女に二人が何も言わないところを見ると、構わないのだろう。
驚きの声を上げるサンドラに告げる。]
心配しなくていーぜ。
喰わないってことに関しては、コイツの言ってるのは本当だ。多分だけど、な。
到着したら………
………、
到着して「お前の事情を手伝ったら」、
無事に残ったモンは開放してやる、ってことで良いんだろ? 契約はよ。
[シャノアールを見る。
ナタリーがどうするかは分からないが、生き残るのは、サンドラと、そして、カチューシャと。
カチューシャの身体が致死毒に冒されていることを、男は知らない。]
>>11
ちゃんとお前が、汚れ仕事をしてくれたらな?
汚れた王子様と、血塗られたお姫様。
それはとても愉しそうで―――ゾクゾクするね。
[ベルナルトは気付いているだろうか。本来なら少女の躰は、声も出せない程に傷ついていた事を。腕も足も、癒えない酷い傷跡が在った事を。きっと、文字通り―――その躰だけは、綺麗に帰って来るのだろう。しかしその忌まわしい記憶に、果たして本来の少女が耐えられるかどうか。]
>>6
そうね、どちらかというと成り行きで…だったから。
[この列車に乗ってから気づいたのだ。
彼にもらった力が、狼達と会話できることだったなんて。]
盲目的…普通はそうなのかしら?サーシャみたいな?
[でも、サーシャも最終的にはロランに執着した。]
もしかしたら、ユーリーの側には盲目的な狂人しかいなかったのかもね。
それで、私の態度に納得いかなかったのかしら…?
[それが事実だったとしても、どうしようもないが。
潰してやっていい。感情の籠もらぬ声だったけれど、]
…“人”に肯定されるとホッとするわね。
[そう言って頬を綻ばせた。もしかしてこの人も理不尽な命令に
振り回されたことがあるのかな、とふと思ったが、
カチューシャに話しかけようとベルナルトから視線を外した。]
[>>9のカチューシャを忌々しそうに見る]
人間でない存在・・・・・・それは確かだろ?
まったくたいしたもんだ。騙されたさ。
[それから...は>>11ベルナルトを警戒するかのように見た。カチューシャ(シャノアール?)の事情に精通しているような彼を、ナタリーのような人間かどうか、判断しきれなかったのだ]
契約・・・・・?
[なんのことだろうと思いつつ、夜明けが近い空の色と、列車の減速の気配を敏感に感じ取るために、足先に力を入れた]
>>16
私は―――人間だよ。
多分ね。
少々人でなしかも知れないが。
ダニールやアナスタシアだって、人間だったろう?
世界には、賢者も居れば魔法使いも居て。
人狼や妖魔が居て。占い師や霊能者が居たりなんかして。
昔々から、そう云う風に回っているのさ。
[不思議そうな顔をするサンドラに]
人間なら、誰彼構わず見境無く食べてしまうような、そんな男には出来無い、繊細な繊細なお仕事が在るのさ。
>>17
云ってた云ってた。
私としては、より安全に脱出出来るのであれば、どちらの味方をしても良かったのだけれどね?
[ナタリーの方へと振り返り]
人狼は、囁きと呼ばれる会話手段を持つが、狼のように鳴く事も出来無いお前にどうしてそれが出来たのか。
考えた事は在るかい?
>>21
私が思うに、あれは通信系の魔法だよ。
周波数を定めて、特定の相手だけと話す。
詰まる処魔法なんてモノは、理性と論理と法則に過ぎないからね。
[ふと、辺りを見回し]
こんな大きな鉄の塊が動くのも、昔の人間にとっては魔法でしか無いだろう。これを作った技術者達も、魔法使いと云い換える事が出来る。
お前には、技術者とはまた違った……魔法使いの才能が在るよ。
それをどうするかは、お前の勝手だがね。
俺は無駄撃ちはしない主義なんだがな。
[シャノアールの返事>>12に眉を顰める。
立場が弱いのは此方だ、今は余計なことは言わない方が良いだろう。]
王子ぃ?
…俺はそういう役どころじゃあない。
やること終わらせて、どっかで野垂れ死ぬのが似合いだよ。
[会う心算はないことを暗に告げる。]
だが、あいつはこんな所で消えちまっていい筈が…ない。
[言いつつ、表情は徐々に翳る。
二等車で契約を交わした瞬間から、ずっと付き纏う違和感。
本当にそれが正しいのかと。
間違っているのは自分の方ではないかと。]
[そうして、サンドラに向き直る。
自分を見る目に警戒の色を捉えると、苦い笑みを浮かべた。]
そう、契約だ。
残念ながら、今のコイツの中身と……あ、いや。
……なあ、サンドラ。頼みがある。
北に着いて暫くしたら、カチューシャを任せても構わないか?
[意味の通らない話に、サンドラは怪訝に思うだろうか。
サンドラは元より、ナタリーもシャノアールの正体を知っているとは限らない。下手な事を言うと逆効果になるかも知れぬと。
どう話したものか、幾度か言葉に詰まり口篭りながら、伝える。]
此処にいるコイツじゃなくて、カチューシャを頼む。
>>23
それでは、面白く無いなあ。
[そう云う様子は、何処か他人事で。]
まあ、何もかも思い通りになるのであれば、そもそもこんな場所に居ない。
それもまた一興、か。
>>24
カトリーナ・アドリアノヴナ・テレスカヤ。
[ベルナルトの言葉に対し、突然そんな呪文のような言葉を云う。]
[...は>>17ナタリーを聞いて『それは、煮ても焼いても食えない女ってイヤミかい』とこっそり思ったが、やはりそういう意味ではなく、物理的に彼女は人間なんだと確信する。]
>>18 カチューシャ
基本は人間で、それに特殊能力がついてる、といった感じなんかねえ。自己認識としては。
他者からの認識とは、いささかずれてるかもしれないけどさ。それはお互い様な話か。
>>19 ナタリー
[...は、苦笑して]
生存本能が人一倍強い、というのは褒め言葉になるんかい?
[しかし、一度折れかけたその本能を、エーテルが継ぎなおしてくれたのだが]
一応礼を言っておこうかな。ありがとう。
>>27
余程人間離れしてる連中が、自分を人間だと云って、人狼を迫害する。
そう云うケースも色々在ったようだね?
本当に恐ろしいのは、人狼では無く―――人間の方さ。
[右手の羊を動かして]
そして私は、その恐ろしい人間だよな? メリーさん。
[クスクスと、自分の人形劇に笑った。]
>>24 ベルナルト
一体なにを・・・・・?
[ベルナルトの言ってることは、...にとってはさっぱり要領を得ない。
中身?
こいつでないカチューシャ?
しかし…ベルナルトが戯言で自分を惑わそうとしているようにも見えなくて。
いぶかしげにベルナルトを見る自分に苦笑の表情を見せた、彼のその表情は、どこか諦めを含んでいたようなアナスタシアを思い起こさせられた。]
[なぜ、自分でカチューシャの面倒を見ないのだろう? 多分、自分がわからない理由があるのだろう。
カチューシャは十分しっかりしているようにも見えたが、うなずいてみせた]
・・・・・・・・いいよ。
[自分の勘を信じよう。ベルナルトは、多分、人だろう。]
そりゃあ、期待に沿えそうもなくて悪ぃな。
……汚いモンは近づけたくねーのさ。
[他人事の様なシャノアールの言葉には、自嘲的な笑みを。
執着の割に何処か的外れな、歪んだ拘り。]
生きるために殺してきた。
そして、生かすためにお前さんを殺すのを止めた。
…………?
[呪文のような単語に、怪訝そうな表情を向ける。]
>>30
名前だよ。
この躰の。
カトリーナ・アドリアノヴナ・テレスカヤ。
カチューシャは、愛称。
たった一晩では……名前さえ、理解し合えないのが普通だ。
それなのに……
[視線を、二つの死体へと注ぎ]
下らない。全く、下らないな。
[肝心な所を伝えることが出来ないというのに、サンドラは頷きを返して返してくれる。>>29]
自分が生き残る為に、多くを殺してきた。
他人は頼れないと、大事な物は自分で抱えて来た。
取引でもなし、こんな風に、人に何かを頼むってのは初めてだ。
聞き入れて貰ったのも、な。
……ありがとう。
[心からの礼すらも、稀なこと。頭を下げたのも、恐らくは初めてだろう。
サンドラが自分を人間だと信じた事は分からない。
が、彼女の言葉に嘘は無いだろう。]
フルネーム、か。
そうか、「かちゅーしゃ」としか書かなかったから、ずっとそう呼んでた。
[数時間前、この食堂車に皆が集った時の事を思い出す。
シャノアールが視線を注ぐ先を黙って見詰め、目を逸らした。]
普通は、そうだな。
でも、不思議なことに短時間でそうなる奴らも案外といる。
それこそ何か、魔法でも掛かってんじゃないかって思うぜ。
[「この躰の名前」と口にしたシャノアールにもう一度視線を戻す。
その物言いは微妙な線ではないのだろうか、特に隠す心算はないのかと探るように。]
>>34
どうでも良い事だ。
どうせ、この列車を降りて。一週間もしたら。
二度と会う事は無いだろうからな。
[ふむ、と少し考え。]
ただ、奇妙な縁が在るかも知れないが。
どうでも良い事、だよ。
[>>31カチューシャの言葉が、なぜか胸に響く。
確かに彼女の言うとおり、名前すら知らないで別れる人もいるのに、そのたった一晩で激しい恋に落ちたものがいたのだから。
聞きつけない彼女のその長い本名を...は一度で覚えることは到底できそうになかったが前に立つ男はどうだったろうか。
...はちらっとベルナルトを見た。]
[>>32ナタリーの言葉を聴いて、胸の痞(つか)えがようやく取れたような気がした。
生きていることに罪悪感を持つのは、もう止めようと思う。
思いを振り切るように]
そろそろ、駅かな?
[窓から外を見ると、見るからに寒そうな凍てつく大地が見てとれた]
[>>33ベルナルトに頭を下げられたことに、不安がよぎる。嫌な予感がして…。
今まで人を頼ることを知らなかったらしい人間が、こんな時に物事を頼むなどということは、重要なことでしかないだろう。
この約束は守りきろう・・・・そう心で誓う]
>>37
そうだな。
では―――そろそろ行くか。
[ベルナルトの方へと視線を向け]
降りる準備をしろ。
緊急時とは云え、私もお前も人を一人殺してるんだ。
不必要で歓迎出来無い面倒事は御免でね。
[テーブルの上のデッキからカードを二枚抜き、並べる。それはスペードのジャックと、ジョーカー。歪な形のブラックジャックだ。]
[真っ白な窓の外を眺める。
薄まる闇色は、夜明けが近づいているからだろうか。
片腕で窓を押し開ければ、薄く冷気が吹き込んだ。]
………っ、と。
[ぶるり、と身を震わせて手を離す。
窓は元の位置へと音を立てて戻った。]
………、……!
[はっとして列車内を見回す。
一瞬でも、正常な空気を身に浴びた為だろうか。
余りの臭いが鼻について仕方が無い。
死の臭い、血の臭い、これは――異常な状況ではないか?
いや、異常だ。と心の中で繰り返す。]
ナタリーはどうする?
着いて来るか?
別にお前さんは……取り調べを受けても、何も出て来ないだろうし。
サンドラや運転手達と仲良く取り調べを受けても構わないとは思うが。
下手に逃亡者として覚えられても、面倒だしな。
まあ、任せるよ。
頑張って、幸せになる事だ。ック。
くく……。
[何かが琴線に触れたのか、壺に入ったか。そんな風に、笑った。]
………何か、たった一夜で感覚がおかしいぜ。
死体の山、血の海の中で、何談笑してんだか。
[奇妙な空気の中、笑い出したいような、叫びたいような、おかしな感覚。急に、全身を襲う震え。]
…原因不明の死を遂げた男、急所を一突きで死んだ女、
銃弾に射抜かれた人狼、ナイフで血塗れの男……
列車の前方にも後方にも、10体の死体。
飛び降りた女の死体は此処には、ない。
10体……!?
[何を今更と思うようなことを、ひとつひとつぶつぶつと繰り返す。
サンドラの視線には気づく事が出来ず>>36、降りるぞと声を掛けられても、眉間に皺を寄せたまま。]
>>43
一体どうした。
機関室に一つ。
此処に四つ。
私の部屋に三つ。
その隣に一つ。
向こうに一つ。
車外に恐らくは一つ。
車内には、十個の死体だ。
面倒この上無いね?
だから到着と共にさっさと逃げる。
それが、どうかしたか。
有り体に云えば、新しい躰に移るだけだ。
その辺の女を攫って来て、自我が壊れる程犯し通して、それから躰を奪う。
この躰を返す条件として、ベルナルトにそれをやらせる。それだけさ。
そう…。
躰を返すって、できるんだ、そんなこと。
[元カチューシャのためにベルナルトがそこまで…。]
それはまぁ、なんというか…*
と云うか、この躰を何年も使って居ると、私の方が追い出されかねない……のだがね。
所詮作用には反作用が。
エネルギーは総量が保存され。
賢者の石は夢の中だけに。
元より、あれはただの想像……に過ぎなかったが。
それを云ったら、空を飛ぶ事も鉄の塊が動く事も、想像に過ぎ無かった。
何処かで誰かが、既に完成させているかも知れないが。
不必要で歓迎出来ない面倒ごと、確かにそうだな。
でも、この血も、あの血も、
生きてる奴等も、喰われた遺体も、全て置いて?
[逃げるということか。
それはそうだろう、留まって律儀に尋問を受けるとは思えない。]
逃げた後は、誰かの心を壊すまで嬲って、お前に、器として差し出して。
そして………そして、どうするんだ。
意味は、あるのか……
[自問するように呟きは続く。
内容は周囲にも聴こえていただろう。]
>>46
人生に意味は無いよ。
遅かれ早かれ、どうせ誰もが死体になる。
死体になったら、それで終わりさ。
[そう云う少女は、何処か愉しそうで。]
だからこそ、意味を作り出す。
自分の生まれて来た意味を。
生きる意味を。
作り、見出し、与え、時には奪う。
それが、充実した人生って奴さ。
ベルナルト。元より意味なんて無いんだ。
それでも。
意味が、見つかりそうか?
…………っ、
[シャノアールの言う通りに「仕事」を済ませ、カチューシャが戻って来たとしても。
誰かの犠牲によって生を取り戻すことを彼女は望むのか。自分の意志とは無関係に人を殺したその身体で生きることを望むのか。
そう、二等室のあの部屋でも迷い、シャノアールと"契約"した後も幾度も胸を過ぎる、問い。
先の事を考えれば、全身が怖気立つ。
自身の思い入れだけで、自分はあの少女により深い傷を刻み、消えない十字架を背負わせようとしているのではないか――?]
[長い長い、息を吐く]
……何でだろな。
傷ついた細い喉とか、声が出せないトコとか見てたら、
護らなきゃいけないと思った。救わにゃならんと思ったんだ。
何が何でもこいつは生かさなければいけないと思った。
[最初の死者が出た後、探し回ったのも。
食堂室での集会に混ざりつつ、何処かで気にかけていたのも。]
でも、それだけじゃなかった。
多分、何よりもまず、生きていて欲しいだけだった。
[独白のような言葉の後、誰にともなく紡ぐ。]
シャノアールは……魂の状態で見てるっつってたな。
其処にいるかは分かんねーけどよ。
俺はお前を救えるもんだと思ってた。
でも、この方法じゃどう考えても駄目だった。
人の都合なんざお構いなしの身勝手な奴が乗り合わせてて、悪かった、な。
[シャノアールの愉しげな声を聞く。
少女の物なのかシャノアールの物なのか分かりはしないその声も、妙な親しみさえ覚えてしまう程度には、もうすっかり聞き慣れてしまった。]
意味、か。
ああ、人生に意味なんかなかった―――ずっと。
んっとに、笑えるぜ。ロクに回りもしねぇ頭で、会って間もない子供をどうにか護ろうとしてこのザマだ。
散々色んなモンに手を染めてきて、色んなもんを犠牲にしてきた俺がだ。
……尤も、これも、生きる意味を見出せてたってことになんのかも知れねーけどな。
[胸元の銃を取り出し、カチューシャに向ける。
撃鉄を起こし照準を合わせれば、僅かに自身の眉間が動いた。]
そう、死体になったら終わりなんだ。
だからこそ意味を求めるってのにも、異論はない。
だが、身体も人生も一人に一つだ。
カチューシャの身体はお前のモンじゃねえ。
次の身体も、そいつ自身のモンだ。
何より、お前みたいなのを解放したら、
死んだ奴らに申し訳が立たない。
契約反故で悪いが――返してもらう。
はっは、―――はっはっは。
別に身勝手だとは思わないよ。
どうせ、人生に意味など無いから。
だからこそお前には、『色々大事なモノを失ったけれど、それでも一人の少女の命を救う事は出来ました』―――そう云う意味を、くれてやろうと思ってたんだけどな。
[右手の羊を取り出す。そこから出て来たのは、何て事は無い工作用のハサミ。]
それで、たった一つの意味に縋り生きて行くお前を見て。
大笑いしてやろうと思っていたのに。
何せ―――人様の人生を掻き回すのは、最高に最高に愉しいからな?
サンドラが何かしないように、抑えていてくれると嬉しい。
別に命令等では無く、純粋なお願いだから……無視してくれても構わないがね。
そうそう、もう一度確認するが―――確かに引き金は二度、引いたんだな?
[ゆっくりとベルナルトへ近付いて行く。その命を、奪う為に。]
それにしても、この列車には死にたがりばかりだったな。
死を恐れ、生きたいと願わない限り、手に入らないモノはいっぱい在ると云うのに。
体面を気にして、実利を取らない奴等が多過ぎた。
お前もそうだよ、ベルナルト。
私を殺したいので在れば、どうして後ろからやらない。
何故、声を掛ける。
己への云い訳をしたいのであれば、背後から忍び寄り、首を絞めながらだって出来るだろう?
なのに、何故わざわざそういうお喋りをするのか。
答えは簡単だ。迷っているからだよ。
本当に、殺して良いのか?
助けられるはずの少女を、自分の意志で殺して良いのか?
お前は迷っている。
自信が無い。
だから、己の感情、理論、内側―――そう云ったモノを吐露する事で、決意を固めて行かなければならない。
[ゆっくりと。ゆっくりと。飛び掛かる為に間合いを詰めて行き。]
その引き金は重過ぎて。
ゆっくり、少しずつ、『自分は間違って無い』―――そう云い聞かせないと引けやしないんだ。
下らない。サーシャを殺した時のお前は、もうちょっとマシだったぞ。
ごめんなさい。
ジャックを撃った時、落としてたの、
すっかり忘れてたわ。
でも、確かもう弾は…。
[なかった、はず…。]
[しばらく立ちすくんでいたが、ゆっくりと、サンドラに近づいていった。
途中ベルナルトから制止されようと構わずに。
そして、サンドラの肩に手をおいた。
拘束するほどの力はいれず。]
ねぇ、また黙って見てるだけなの?
[耳元で囁きかける。
それはサンドラにしか聞こえないほどの小さな声。]
生き残るためには、それが一番賢明かも。
でも、ベルナルトさんの持っている銃、
もう弾が入ってないのよ。
このままだと、彼、死ぬかもね。
…どうする?*
…祈りみたいなもんだ。
お前みたいに頭が良くねえ、色んなモンを割り切れるほど長く生きてもねえ。
言葉にするとしないでは、大違いなんだよ。
それに地獄に行ってからじゃ、何考えてたか伝える術がないだろ。
[シャノアールの言葉は何一つ否定せず、肩を竦めた。
しかし、意味を与えてやらなくもないと言わんばかりの言葉にだけは眉が跳ねる。]
何だそりゃ、憐れみか?
俺は人から施しを受けるのは、何より嫌いなんだ。
[ほら、もう一つシャノアールを殺す理由が出来ただろう。
言い聞かせるよう、胸の漣に溶かし込んで行く。
殺せるはずだ、迷わず殺せと。]
[羊の中から出てきた鋏に、ほんの少しの困惑が浮かぶ。
少女と鋏、それに羊が、命の掛かった場には余りに不釣合いで、更なる迷いを生む。
が、工作用と言えど、命を奪うつもりで使えば十分凶器になるだろう。見誤るな、あれはシャノアールだ。]
………殺して良いのかと。
他に方法はねえのかって。
お前の事は見て見ぬフリしてでも、残りの生を取り戻せればって、
ああ、迷ってる。迷ってるさ!
[じりじりと間合いが詰まる。
余り近づかれると、リーチの長さが逆に不利。
喉の奥が引き絞られ、小さく鳴った。]
でもな。
聞いてりゃ、お前はお遊びが過ぎるぜ。
人の人生を弄ぶしか愉しみがねえんなら、そろそろ隠居のし時だ――!!
[指に力が籠る。
照準ぎりぎりで、銃爪を弾く。]
[―――銃身は、光を放たない。*]
……やれやれ。
[特に何かを云う訳でも無く。引き金を引くのと同時に飛び掛かり、その胸へとハサミを振り下ろした。明確な殺意と経験に裏打ちされたそれは、何者の邪魔も無ければ躰へと突き立てられるだろう。少女に迷いは無い。そんなモノが在っては―――此処まで来られなかったからだ。]
[...は困惑と混乱の極みにいた。目の前のことをどのように理解していいのか分からなかったのだ。
自分に少女を託した男は、明確な殺意をもって少女に対峙をしている。
男を見る、少女の冷ややかな視線を見て、男が本当に守りたかったものをようやく察した。]
あたしは…どうすればいい…?
[心のままに動くこと、それこそ生きる証かもしれない。
それなら、彼を止めるのはお門違いだろう。
迷いながら、ただ、呆けたように見守っていたら、肩を誰かに触れられ、我ながら大きくびくりと震えた。]
[ナタリーが告げる事実を、頭の中で咀嚼する暇など事態は与えてはくれない。
ただ、目の前で、鋏の銀色の光を見た瞬間に、...は走り出していた。]
やめてっ!!
[安全な止め方なんて知らない。ただ必死の捨て身でカチューシャに体当たりをして切っ先を反らす。
ハサミがその拍子に肩口に触れて燃えるように熱かったが、流れ落ちた血液が自分だけのものかどうかはわからない。]
ははは…。
カチューシャは軽いね。ウエイトの差は伊達ではないだろ。
早くダイエットしなきゃいけないって思ってたけど、役に立ったかな。
[軽口をたたいて痛みを紛らわそうとした]
……っち。
[距離を取り、進路を妨害するように椅子を蹴飛ばす。そしてテーブルナイフを二本まとめて掴みながら、前方車両へと消えて行った。]
最後は、ハイド・アンド・シークと洒落込もうか?
ちゃんと百、数えてくれよ―――。
[そんな声を残して。]
別に、こうなる気はしていたから。
良いけれどな。
引き金を二度引いたのなら、弾はもう無い。それは知っていたさ。
そして―――お前がサンドラを止めない処か、唆す事さえやってみるで在ろう事も。解っていたさ。
だから何も、問題は無い。死体がもう少し、増えるだけだよ。全く、お前は……良い同業者になりそうだ。
………、!?
[何が起きたのか理解が出来なかった。
飛び掛かられながら、もう一度、二度弾くが、いずれにせよ間に合いはしない。鋏が銀の軌跡を描くのを見た時、サンドラの声>>63を聞いた。]
―――ッ!!
[衝撃に身を折るも、新たな痛みはない。胸に刃が突き立てられたわけではないようだ。
サンドラの体当たりに救われた事に気づけば、驚いたように彼女を見る]
サンドラ……
[何故、と呟く。カチューシャを託した傍からこの状況、とても理解し難いものであったろうに。
ナタリーがサンドラに囁きを落としていたことに、気づいてはいなかった。>>58]
ちいっ………!
待て!! シャノアール!!!
[前方車両の闇へと紛れるシャノアールへと叫ぶ。
何とか立ち上がり、サンドラの肩口を見れば流れ落ちる赤。]
……助かった。
サンドラ、説明する間も無くこんな事になって悪い。
俺はアイツを追いかける。
[サンドラとナタリーへそう言い残して、前方へと走り出す。二人はどうするだろうか。
シャノアールは二人を殺しはしないと言っていた。
このまま此処に居れば無事に駅に付けるだろう。しかし、もし前方車両に行くと言うなら止めはしない。]
シャノアール!!!出て来い!!!
[走っては歩き、時折壁に凭れ、未だ薄闇に包まれた車内を進む。幾ら処置はされていても、血が足りぬままである事に変わりはない。
一等車の廊下を回り、各部屋の扉を開け、注意深く内部の様子を探る。先刻は気にも留めなかった死臭が、今は耐え難い程に鼻につく。]
[ふと、銃を手に持ったままである事に気づく。
今になって漸く、撃つことが出来なかった理由に思い至り]
……ハ…… 弾切れ、か……。
そう、か。そうだよな………
殺す感触が手に残らねーんじゃ……、…。
[ゴト。もう使い物にならなくなった武器を捨てる。
床を叩く重い音が、人の気配のない室内に反響した。
数拍の後、再び隠れたシャノアールを追って歩く。]
ベルナルト…っ!
っ…っ!
[走り出したベルナルトを止めようとすると、走る痛みに思わず動きを止めてしまう。
傷はそれほど深くないだろうけど、ぬるりとした感触と、鉄に似た臭気は不快きわまりなかった]
なんで、あの二人は殺しあっているんだ…?
もうすぐ、約束の地に着くのに。
[思わずナタリーを見る。彼女はどうするのだろうか]
[列車の前方から、何者かの悲鳴が聞こえたような気がした。それによりベルナルトは探している人間の場所の検討が付くだろうし、己の迂闊さで死体がもう一つ増えてしまった事にも気が付くだろう。これで、文字通り―――列車の中の生存者は、たった四人だけになった。]
細工は流々、後は仕上げをご覧じろ。さてさて一体、どんな顔をしてくれるやら?
[それだけ云うと、鮮血に止まった場所で……ぺたりと。まるで糸が切れたように、座り込んだ。]
……悲鳴?
[扉に掛けた手が止まる。
列車前方の闇に目を凝らした。]
………誰の?
いや、前に居るとしたらシャノアールか……
[その筈なのだが。嫌な予感が拭えない。
後ろの車両にちらと目を向け、それから前方車両へと走る。]
[特等車か、それとも別の部屋だろうか。
扉を開けた先に広がるのは、およそ想定を超えた情景だった。
床に広がる鮮血と。
座り込む小さな身体と………?]
――――!!
どういう…ことだ………?
[シャノアールは恰も隠れんぼでもするかのように前方へ消えたはずだ。何故血の海の中で座り込んでいるのだろうか。
首を振る。分からない。
罠だろうか、しかし―――
恐る恐る近付いて行く。
乾かぬ血が、靴を濡らした。]
−食堂車−
[もみ合う3人を離れた場所で見つめていた。
サンドラは間に合ったようだ。
けれど、カチューシャは捨てぜりふを残して、前方車両へと消える。
とりあえず近くにあった救急箱を手にして、サンドラの側に駆け寄る。
そして、その時に聞こえた赤い囁きに苦笑を浮かべた。]
[運転手の死体の傍で、少女は涙ぐみながらぺたんと座っていました。赤く赤く染まって。運転手の喉は、どうやらナイフで掻ききられてしまったようです。少女の手の中の、ナイフによって。]
…べるおにーさん…?
[からん、と。少女は呆然としたように、ナイフを取り落とします。訳がわからないといったように。まるで、悪夢でも見ているかのように。]
あはっ、お見通し、だった?流石、賢者様、ね。
もしかしてベルナルトさん籠絡失敗も想定の範囲内?
でも、私、あなたのことを積極的に殺すつもりはないのよ。
死んでも構わない、と思ってるだけで。
後、やっぱり“人”のことが好きみたい…。
ジョーカー、あなたのことも嫌いではないけどね。
想定内も何も。
これだけ事象が限られているなら、幾つかのパターンに備えておくだけだよ。
仲間が使える場合は任せて。使えないなら売り渡して。
ベルナルトが裏切るなら殺して。裏切らないなら使って。
邪魔が入らないなら殺して。邪魔が入るなら、確実にそれが出来そうな場所まで逃げて。
今、死体が一つ増えた。運転手のものだ。
もし、私がこのまま殺されてしまったら……大変な事になるかも知れないね?
[返ってきた囁きに、なるほど、と感心していたが、
最後の言葉にしばしの絶句。]
…今、運転士室?先頭車両にいるみたい。
運転士を殺したって。早く行きましょう。
[サンドラがふらつくようなら支えながら、先を急いだ*]
― 運転士室 ―
シャノアール………?
[少女の手からナイフが離れる。
赤く染まった刃の意味は、運転手の死体から溢れる血を見れば一目瞭然だろう。]
いや、カチューシャ……か?
まさか。でも、あいつ………そんな筈は。
[困惑に首を振り、疑念は消えない。
しかし、血の海に膝を付き、手は自然と伸ばされる。
有り得ない万が一、その可能性に引き摺られるように。*]
………、……。
[涙を見れば、言葉に詰まる。
カチューシャをよく知る者であればこれが本来の少女であるかどうか判断がつくのだろうが、自分には分からないのだ。
苦渋の表情の末、結局は、少女の目の前に座り込む。]
……こいつは、お前がやったんじゃない。
大丈夫。大丈夫、だから。
[涙を流す少女に言い聞かせようと繰り返す。
運転手を殺したのは、「カチューシャ」ではないのだと。
血の付いたナイフを一瞥しただけで遠ざけもせず。]
べる…おにーさん…。
[縋るように、少女はべるおにーさんの胸へと飛び込みます。まるで、助けて助けてと、叫んでいるかのように。涙を溢れさせながら。]
[どん、と。袖口から出したもう一本のテーブルナイフを、その胸に突き刺します。突き刺し、そしてねじり込むように。抉り込むように。]
……。
だから、云ったのに……。
―――ぐ、あぁッ………!
[急所を辛うじて逸れた人狼の爪跡から、ほど近い場所。
胸を突き刺し抉るその刃は、息も出来ぬ程の衝撃と激痛とを伴って、深々と身体に埋まり]
…っ……は……っ、
は、はは……やっぱり、か。
シャノア……ル……ッ……
[渾身の力を振り絞ってシャノアールを殺そうとしたのだろうか、腕が伸ばされる。
しかし、その手は少女の首元を掴む事無く静止した。
腕の中の少女の眼は、見慣れてしまった女の物で。
冷ややかなその色を捉えれば、憎悪と、憤怒と、悲哀と、ありとあらゆる感情が綯交ぜになり、最後に僅かばかりの安堵とが浮かんだ。
それぞれの感情が何に対しての物なのか、薄れ行く意識の中ではもう分からない。]
…………、………
[止まった指先が僅かに空を切り、やがて静かに背中へと下ろされた。泣いていた少女を宥めるような、撫でるような動きで掌が数度上下した後、落ちる。
シャノアールが離れれば、男の身体も容易に床に崩れただろう。]
−食堂車−
[>>77ナタリーの手当てを受けながら、椅子に腰をかけて深呼吸をする。]
ありがと…。平気…。なんかあんたに迷惑ばっかかけてるね。
[ナタリーの分析を黙って聞いていたがベルナルトが危ないと聞くと]
ああ、追いかけよう。
[迷わず立ち上がったが、わずかにふらつく。ナタリーがそれを支えてくれたが、大丈夫と首を振った]
[ナタリーに武器を探すように言われ、周囲を探すがあまり手ごろなものは見当たらない。
細い棒のようなものが見当たり、なんだろうと取り出してみるとシュテファンの私物だったのだろうか。破損した三脚のようだった。持ち手の部分を破けたスカーフで縛り滑り止めにする。
こんなものかね、と調子を見ていたが、>>78ナタリーの言葉に度肝を抜いた]
運転手を殺した!?
この列車はどうなるんだ!?
あのバカ娘・・・・・・・!
ベルナルトは…
[...は痛む傷を押さえながら前方へ急いだ]
>>87
背徳の賢者には、騙されるなよ?
[そう云うと少女は、擦れ違う様に。どさりと、支えを失ったベルナルトの躰が倒れる。]
……。
[ごしごしと、袖で涙を拭う。]
……冷えそうだな。
[ベルナルトを見下ろし、感傷に浸るのは僅か数秒。運転手の黒いコートを取り、返り血が跳ねているそれをばさりと羽織る。少女にとって大き過ぎるそれは、黒い外套のようで。]
あーあ。
……下らない。
[それから、がこんと。列車のブレーキを掛けた。]
ぅおあっと・・・・・!??
[...はナタリーと共に急いで移動していたが、急速に列車が速度を落とした。
車体が大きく揺れてバランスを崩してとっさに壁に手を突く]
ちょっと…。列車、停まった!?
まあ……割と愉しめたよ。
きっと。
それじゃあ、な。
[手をひらひらとさせながらベルナルトに声を掛けると、扉を開け。少女はこの列車を降りて行った。白み始めた空は段々と赤みを帯びていき、見る者に夜明けを感じさせた。]
[...は運転室のドアに手をかけて一気に開く。そこは既に血の海で、その中にベルナルトも倒れているのが見てとれた。]
ベルナルト・・・・・・・。
[遅かった。
間に合わなかったようだ。
しかし、まだベルナルトの息はあるようだが、立派な体躯の青年が、少女に返り討ちにされたというのか。
カチューシャはどこに行ったのか]
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