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[ジョーカーからの自分に向けられた言葉には、]
お気遣い、ありがとう。
仲間といっても何にも役にたっていないから、
保存食扱いでも別に構わないのだけど。
愛だの恋だのはジャックに任せておくわ。
……あのこ、どこ……?
[やがてダニール達に出くわせば。殺意を漲らせた目で問いかけただろう。]
……カチューシャっ、どこ……!?
[人ならざる力でアナスタシアや、ロラン。ミハイルが死んだ事を知ると振り返り、食堂車の方を見やる。]
……。
[逆上したあの少年が、今すぐに追って来る様子は無い。それを詰まらなそうに確認すると、再び後部車両をデッキに向けて歩き出した。羊のパペットに、銃を握った手を隠しながら。]
>>*47
二回のノックは、トイレへのノック。
三回のノックは、プライベートな相手へのノック。
四回のノックが、敬うべき他者への正式なノックで……。
それ以上のノックは、殺意を持ったノックだ。
そう云う状況を見たら、観測者は何を思うか。
愉しみだろう?
[止めようとされても、ナイフをかざし走り抜けただろう。傷が増えようとも、足が動く限りは止まらず。]
カチューシャっ、出てこい! カチューシャっ……!!
[名前だけを呼ぶのは先ほどと同じ。探す。走る。よろけて壁にぶつかる。立ち上がる。
食堂車に駆け込めば、先ほどと同じ問いを繰り返して。洗い場の果物ナイフをひっつかむ。
一直線に。向かうは後部車両。]
[何かを感じたのか、再び食堂車の方へと振り返る。左手で髪を軽く撫で上げると、丁度その車両の中央に位置するドアを開け、中を確認した。
薄いドアだ。蹴破る事も可能だろう。しかし、一応鍵は掛かる。
それを確認すると、開いたドアに寄りかかるようにして、誰かが来るのを待った。]
[ドアを開ける。椅子を蹴り飛ばす。辺りを見回しまた進む。
何度繰り返しただろう? ドアの向こうの低い位置、金色の髪が揺れるのが見えた。]
よくも、ロランを、ロランをっ!!
[声は意味をなす言葉になっていただろうか? 痛みも目眩も、全てが怒りに塗りつぶされた。]
[それを見ると待っていた、と云わんばかりに薄く笑い。部屋の中に入ると、鍵を閉めた。
明らかに前方車両とは金の掛けられ方が違い、扉の強度に不安が在る。
逆上した少年相手に、一体どれだけ持つだろうか。
薄いドア越しに刺されてはたまらないと距離を取り、左手で包帯の巻かれた喉を軽く撫で上げる。]
[勢いよく、目の前のドアが閉まる。
ガッ、と、ドアにナイフが刺さる音。]
っ……!!
[抜けない。焦る。両手をかける。抜けた反動で後ろに倒れ、頭をぶつける。]
カチューシャぁっ!!
[もう一度、もう一度、振り下ろされ続けるナイフ。がんがんと蹴られるドア。
……薄いとはいえ、果物ナイフには荷が重いドア。破られるまでは、まだ時間がかかるだろう**]
[ナイフが扉を貫くのを見ながら、扉の向こうへと話しかける。]
やあ、サーシャ。
御機嫌いかがかな?
どうやら向こうでは、ミハイルとロランが死んだようだね。痛ましい事だ。
君は、人を殺したり仲間を殺された経験は在るかな?
私は先程、両方経験したよ。折角ミハイルと、愉しい愉しい茶番を愉しんで居たのになぁ?
[果たして、その言葉が逆上しているサーシャに届くのか。そんな事は気にした様子が無く、一方的に語りかける。]
[誰かがサーシャへと近付いたら、黙ろうと。扉の向こう側の様子を伺いつつ]
そう云えば君も、先程私と全く同じ体験をしたんだっけか。
イヴァンとか云う男を殺し、ロランとか云う女を殺された。自分で味わって、ようやく解ったよ。ずっと不思議に思ってたんだ。人狼は何もして無いのに、どうして死体が増えるのかってね。
何にせよ、君と私は似たような体験をした、似た者同士と云う訳だね?
[その言葉に、より一層激しい怨嗟の声が聞こえて来る。]
ははははは、そう怒るなよ。
私は君の大事な大事なおおかみさまの、仇を取ってやったのだぞ?
[愉しそうに。実に愉しそうに、扉の向こうのサーシャへと話しかける。]
……処で、君は自分が他人の目からどう映るか。
それを考え、研究した事は在るかい?
私は在る。今も続けてると云って良い。
だってそれは、とても役に立つ事だからね?
[ボロボロになって行く扉。響く怒りに満ちた声。]
果たして、今の君の姿を見た人は……一体どう思うだろうね?
それともか弱い私は、このまま扉を破られ、誰かに見られる事も無いまま滅多差しにされて死んでしまうのかな?
ああ、それも、なかなかどうして―――愉しみな事だ。
>>*49
無くも無いが、ただしあの女の場合、条件を整えるのが少し―――っと。
それ処では無くなって来たな。お客さんだ。
サーシャが私を殺そうと、後部車両で暴れているよ。
なかなか愉しい見物だ。見に来るかい?
下手をしたら私は、此処で殺されてしまうかも知れない。
[いい天気ですね。―――そう云ってるかのような気軽さで、愉しそうに愉しそうに話す。]
しかしお前、ディーラーを名乗るのであれば、スペードとクラブで構成された、Aと8のツーペアの話ぐらいは知っておけ。
死者の手と呼ばれる、有名な話なのだからな。そう云う詰まらない事で疑われても、面白くは無いだろう?
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