情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
夢幻の竜騎士 マリア は 少年 ロジャー に投票した。
黒詰 ユージーン は 改造好き シャノン に投票した。
課長代理 マシマ は シルバーコレクター ナサニエル・ウエクサ に投票した。
少年 ロジャー は シルバーコレクター ナサニエル・ウエクサ に投票した。
記憶喪失 シュウ は シルバーコレクター ナサニエル・ウエクサ に投票した。
シルバーコレクター ナサニエル・ウエクサ は 少年 ロジャー に投票した。
赤貧宇宙人 ニーナ は 少年 ロジャー に投票した。
改造好き シャノン は 黒詰 ユージーン に投票した。
少年 ロジャー は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、課長代理 マシマ が無残な姿で発見された。
戦士ババルウ イター は立ち去りました。
フリーライター アーネスト は立ち去りました。
現在の生存者は、夢幻の竜騎士 マリア、黒詰 ユージーン、記憶喪失 シュウ、シルバーコレクター ナサニエル・ウエクサ、赤貧宇宙人 ニーナ、改造好き シャノン の 6 名。
[ランダムで選ばれたシュウの小型弾は、ナサニエルにとっては最悪の選択肢。]
それが来るか……。
このタイミングで。
[タイミングが悪く、消えなかった小型弾が星をすり抜けてナサニエルの機体に当たる
先程までの攻撃のダメージが貯まっていたため、それでも致命傷には十分]
フルスロットルオン、全速!
『ミストラル』右翼に総出力限定展開!
[現状火力不足の機体。それで重装甲の機体を落とすには如何すればいい?
右翼だけに、橙色の光が集中する。
幾許かの被害は出るが、落とされはしない。
白鋼色のワークス機の様に、体当たりを前提に作られた機体では無く、速度にぎしぎしと機体が軋む]
……――!
[クヴォルフィリアに対して垂直に機体を立てての、後方上空からの秋水一閃。
『ミストラル』を纏ったままの翼を剣とした、体当たり。]
[サンダーエースの弾幕には微動だにせず受け流す。
装甲値が下がっていくが、むやみに動いて翼を傷つけるよりはマシだ。
後ろに着かれるが、それよりもマリアのほうからロックがかかった事を気にした。
魔導砲の弾幕が、烏羽の全翼と、同空域に来ていたアルトキュムラスに集まっていく
全弾が烏羽の居た空間を、爆発がかき消していく]
パージ。
[男の機体は無事だった。
その高い防御力を誇る装甲は剥れ、翼一貫となったが
装甲がなくなったおかげで再び顔を出した死仮面は、後ろに着いたシャノンへ笑うように顔を見せただろう。
そして、端に全てを跳ね返せなかったアルトキュムラスが落ちていく姿が見えた]
―― 南東 ――
[マリアの体内時計が、もうすぐのピットインだと告げる。
だから、私はマリアの魔導砲にありったけのエネルギーを充填させた]
[黒い太陽に対抗して、雲を引き裂く陽光のルーン。
光のシャワーがアルトキュラスムとクヴォルフィリアに降り注ぐ。
それらは一見弧を描くように見えて時間差で次々とホーミングするスピードの速い弾幕]
[出力の上げすぎか、それともアルトキュラスムの堕ち際の攻撃を諸に受けたか、マリアの左肩が派手に跳ね上がり、私はくるくる回った。
精緻な計算がウリのルーン弾幕は、決して私やシャノンを狙わない]
――北エリア/高層――
[間髪入れず、もう一本の、より大きな矢が飛来。
しかし標的は僅かにずれた空間。追い込んだ先を予測演算しその間にエネルギー充填を行なっていたのだろう、と推測。
コクピットの中、少女は笑う。愉しげに、どこか残酷に]
ふぅん。随分と上から目線なヤツだとは思ってたけど。
それなりには、やるんじゃない。
けど――
[無秩序な散弾の渦が晴れ、ナサニエルの機体が姿を現す。
表面には幾多の損傷。恐らくは致命傷とみえた]
ここまで、だね。
[だが。
その時、発生する異常。
少女の左手首。ピシリ、と電撃にも似たショックが走った]
▽ターゲットを選択しなさい▽
▽ターゲットを選択しなさい▽
▽ターゲットを選択しなさい▽
[唐突に響く女性の声。
銀色の球体が虹色の彩りに覆われる。
はっとスクリーンを見れば、眼前のナサニエル機も同様に――その周辺空間が、虹色のバリアめいた膜に覆われていた]
な、なに……?
これ……!?
[狼狽した声をナサニエルへと向ける。少女が取り戻した“記憶”の範疇には存在しなかった事態。何が起きているのか分からないといった口調で]
ナサニエル、あなた一体、何を組み込ん、――!?
――北エリア/高層――
[ナサニエルの機体を覆う虹色の膜。
黒騎士の左手首でも同様に、『禍珠(フォルスコア)』が虹色の輝きを帯びた。互いに共鳴するかのように、色彩のダンスが激しさを増し――真紅へと転じた]
何故、後ろをそう簡単に取らせたか、わかるか?
それは、一番防御力が高いのが、後ろだからな。
[男はサンダーエースの体当たりをむやみに避けようとはせず。
そのまま流した。
後部から突撃してくるサンダーエースの翼剣に、烏羽の全翼が切り裂かれていく。
だがその翼剣は、死仮面の笑みを止めることはなかった。
サンダーエースの翼剣は死仮面の口のようなところで止まる。
近くで見るシャノンには、砲から出ている黒い光に翼が留められたのを見るだろう。
遠くで見るマリアや観客には、サンダーエースの翼剣が死仮面の口に真剣白刃取りをされたように見えるだろう]
さて、痛みわけでタイムアップか。
[男は、ブラスターをリミッターを外さず、熱さが機体を駆け巡る程度のものを吹き付けると、堕ちるかのごとく、戦線を離脱していった]
[マリアの両腕が真っ赤に染まる。
対峙する前から動かなかった右腕。弾けとんだ左腕。
真っ白になったマリアはぱさりと私の背中に倒れこみ、水晶の瞳を閉じた。
ナノマシンを運ぶ液体、血液の著しい減少]
[多くのナノマシンを失って、そのお陰か、それとももともとピットインまで持てば良かったのか。私の頭の中で回り続けていた音楽が止まった]
[私はマリアほど精度のない瞳で堕ち行く雲をぼうっと視線で追った。私よりうっと上手く風に乗り、動いていた機体]
(……アンギャルド)
[上手く気流がつかめない。
ぐぐ、と私は高度を下げる。ピットインの時間だ]
(――はは)
(次に私が落とさないといけない、私を殺すかもしれない機体の名か)
[私がゆっくり視界を回すと、目に入るのはサンダーエースの翼剣を受け止める黒い鳥]
[どちらも堕ちていないことだけ確認して、目を閉じる]
[時間切れ。ピットに着陸するときは地に足はつかない。転がるように胴体から腹をずった**]
――北エリア/高層――
[慌てた様子で全方位センサを呼び出し、周囲の機体状況を確かめる。球体スクリーンに映し出されたのは、推力を失って墜落していくマシマの機体]
どうして――わ、たし。
起動言語(トリガー)、使って、ない――
[それでも、白鋼の機体が墜ちていく姿は紛れも無く、“核”の停止によるもの。沈黙した少女へと、大会本部のアナウンスが届いた]
『間もなく、インターバルに入ります。
各機は弾幕兵装および近接兵装への施錠を行い、本部までコマンドログを転送してください。受領が遅れた場合、規定のペナルティ対象となります。繰り返します――』
……ナサ、ニエル。
[生まれた疑惑。今までの彼の口ぶりと状況からして、恐らく意図して発動させたものではない、とは思えたが――確認はしておく必要があった]
……今の、あれ――まさか、あなたが、やったの?
[男はボロボロになった翼を風に乗せ、ピットに舞い戻る。
少し思うところがあるが、男は烏羽の全翼を何かを言うことはしなかった。
それは心うちにしまいこむ。
「黒ピチー、魅せるねえ。
クヴォルのスポンサーの1人がシンケンシラハドリ、スバラシー!!!とか言ってたわよー。
さて、フィリアはこの天才のあたしが直すから、どっかにいってなー
休みが終わるまで戻ってくるんじゃないわよ?」
男は、やや渋った顔を見せつつ、ピットから外へと向かっていく。
烏羽の全翼は、また羽ばたけるのだろうか**]
[ばきばきと機体の壊れる音、衝突に伴う酷い振動。
それがどちらの機体の物かは判らない、実の所両方なのだろうが。
機体が停止した所でそろりと目を開ければおどろおどろしい形をした主砲の目前。
黒い光と橙色が拮抗するような形でサンダーエースが止められていた。]
……うぅ…。
[けれど、砲撃は無い。
ふと計器を見れば、折り返しであるロングピット。
アナウンスが跳ねるような心音を上書きして、耳に届く。]
[スラスターを逆噴射させ、クヴォルフィリアから機体を外す、全て終わってみれば――冷や汗で手の平がぐっしょりと湿っていた、今落されていないのは唯の幸運だと。判る。]
[震えが、抜けない。
回りも、見えていなかった。
がつりと横殴りに風防を、叩く。
自分が、不甲斐無さ過ぎる。
そのままアナウンスに従い、軋んだ機体をピットに投げ込むまで、一言も喋りはしなかった**]
―時間軸少し前・北側空域最上層―
―――いた。
[戦闘空域をほぼ縦断し、ようやく見つけた。黒い騎士だ。他二機の戦闘機型BFと戦闘を行っている。
次は、あとを追ってくるはずの二人に座標を知らせ、必要であれば機先を制する。
…それだけだ。恐れることなんかない、怖いことなんて何もないと自分に言い聞かせた。それでも鳴り出しそうな歯の根はぎゅっとかみ締めて、体と、機体と、戦意を、そこに留めておくことに専念する]
…っ…ぁ…ぅ…
[その、視線の、先で。黒騎士と共闘しているように見えた白鋼の機体が、赤い光に、包まれる。
優勢に見えたのに、なぜ?と、理性が疑問を投げかけるが、それどころじゃない。こわい。こわい。こわい。
それでも。何のために、その空域までやってきたのか、何のために、共闘する二人を危険の中に置き去りにしてまで、ここまできたのか、その一念で、その場に踏みとどまった。一部始終を、その目で見届ける。そのことに、集中した。体の芯からあふれ出してくる震えは、パイロットスーツごと、ぎゅぅっと抱きしめて押さえ込む。そのからだが不意にほぅっと暖かくなったのを感じて、不思議に思う。
フヅキだった。フヅキが、パイロットの体温管理機能を作動させて、暖めてくれている。
それを支えに、じっと体をその場に押し留めて。そして、白鋼の機体が落ちていくのを見届けて、改めて、ウィリーとシャノンに繋がる通信回線を開こうとする。
大会本部からのアナウンスを受信したのは、そのときだった]
…フヅキ。
全弾幕兵装を停止、以降、施錠ならびに報告処理をお任せします。
機体制御をすべてマニュアルに。
…戻りましょう、フヅキ。
[眼下では、一足先にコマンドロックを終えたと思しき黒騎士が、ピットへと降下していくのが見える。その背を見送り、心底ほっとする。
誤魔化す必要がなくなったのだから、もうガマンすることはないだろう。全身の力が弛緩した。だって、怖いものは怖いのだ]
…けれど、いずれは墜さねばならん相手であります…。
[いつまでも震えているわけには行かない、と、背を伸ばした。ウィリーのコアを止めさせるわけにはいかないのだし…と決意を新たにしたところで、また別の不安が鎌首をもたげた。
二人は、無事だろうか]
無事だと、いいのですけど…
[小さく呟き、機体をピットにふわりと着陸させる。
そこからは、一人の仕事だ。もとより整備スタッフなどいないし、各所に何十年も昔に廃れた技術が平気で組み込まれたリトルアースは、仮に人手があってもなかなか手伝ってもらうわけにはいかない。
それに、フヅキの中枢には、誰にも手を触れてほしくなかった。
と、なれば、否が応にも自分ですべての整備を終えなければいけない。
それに加えて、この機体損傷だ。
ピットインタイムが長く設けられているとはいえ、果たしてすべての補修を終えることができるだろうか。幸い、資材面ではきわめて…それはもう、機体自体を組み上げたときと比べてさえ遥かに…潤沢ではあるのが救いだった]
フヅキ、特に損傷の深刻な部分、作業を後回しにしやすい部分を優先的に各部部品の強度を再計算。
組み替えられるところは組み替え、省けるところは省いていきましょう。
それと―――アンリミテッドコードの使用を前提とした再設計ならびに改修も、可能であればそのように。
[告げながら、パイロットスーツのバイザーを被り、そこに映し出される情報を頼りに作業を進めていく。
あわよくば、二人の安否確認や、例の黒騎士のパイロットにも、直接面会することが出来るだけの時間が残ると、いいのだけど…**]
……あれ?
[墜落していくであろうはずなのに、何の衝撃もない。]
助かった、のか?
[きょろきょろと様子を見渡すと、墜ちていく機体が見えた。
そう、まるで自分がそうなっていた筈の運命を戦っていたはずのマシマ機が受けていた]
馬鹿な、どうして−……!
まさか……。
[今回起こった事象についての最悪の可能性に気がつく。]
一つは墜落しそうな時に、打ち込んだ相手を確実に巻き込み相討ちに持ち込むために打った物が、シュウには使えなかった為に手近なマシマに行ってしまったか、あるいはマシマに誤射したか。
もう一つは、マシマ機のコアのエネルギーを奪ったか。
実際今は機体のダメージの割に損傷が小さいというか、違和感があるようにも思える。
多分父や母は私を守るためにそうしたんだとは思うが……厄介な者だよ。
……生きて、いるか。
[もう駄目だとは思ったが、ぎりぎりで切り抜ける。
それでも墜ちないナサニエルに地上から歓声が上がっているかも知れないが、それを考えている余裕は無かった]
……マシマっ!
[戦闘相手であった機の墜落に目を取られる。]
私の打ち込んだ相手はあの黒い騎士のはずだったが……。
まさか。
[考えたくない可能性。]
墜落しそうな時に、まさか無意識にマシマ機を攻撃してしまっていた、のか?
[自分のBFに大会直前になって乗せた装甲。それはかつて、事故のあった惑星に勤めていた、幼い頃に別れた両親の物とわかった。]
父と母は、私を守ってくれたんだな……。
[しかし、その心中は複雑な物であった。共に戦いたいと思った相手をそのターゲットに選んでしまったのだから]
―― ピット MiddanEdenブース ――
[MiddanEdenブースに、私とマリアは運び込まれた。
べり、と、音を立てて動かぬマリアが私から引き剥がされた。
私はうずくまって目を閉じる]
[小人と人型鼠が大きな担架を引きずってきて、マリアと装備をどこかに運び去った。私の体に小人が上り、機能していない翼を小さな鋸でぎぃぎぃ切り取り始めた]
[私はMiddanEdenのサイトにアクセスをする。
そこには、モニターと称してマリアと私の修復情況がリアルタイムで載せられていた]
(……まやかしばかりだな)
[私は、マリアの損耗情況を思い出して目を瞑る。
あれだけ損傷していれば、おそらくあれは廃棄処分だろう]
[目の前を、眼鏡をかけて白衣を着た妖精が時計兎としゃべる]
【イマイチ上手く動かないねえ】
【ですねえ。
攻撃衝動を高めても、向かうべき相手にいかない。
やはり短期刺激型では複雑な運用に無理がありますね。
戦闘プログラムが容量くいすぎるんですよ】
【シナリオ班は?】
【急ピッチで作業中です。
フロッグスター主任がなんとかなる、と】
【ああ、あの天然人蛙か。
天然は厄介だから監視だけしておくか】
[私は不覚ため息をついて、聴覚をオフにした。
ネットワークにアクセスして、各種通信回線を探る**]
――地上/アンクルおじさんの酒店――
[大会本部近くの酒場の一角は8人の客で埋められていた。
町の修理工場の面々6人と、焼きそば屋台の店主と、少女。
店主は北エリアのスタンドで見知らぬ面々と酒盛りをしつつ観戦していたようで、最年長の男にマシマ機の様子をより詳しく話していた。
――しかしそのマシマ機も墜ちた。もう、両手で数えるくらいしか、飛べる機体は残っていないのではないか。
話の終盤、店主は赤ら顔を少し真面目な表情にしてはっきりと言った。
「赤い光が見えて、その直後に白鋼の機体が、突然動作が止まったかのように墜ちていった」と。
飲んだくれのたわごとと思うことは少女にはできそうもなかった]
[隣のテーブルでは情報通を中心に残る修理工場の面々が「ありえない」墜ち方をした機体の墜落の原因を話し合っていた。
誰が振ったのか知らないが話の内容が、20年前の”事故”により廃棄されたという惑星、そこで開発されていたBigFireにまつわる虚実入り混じった様々な説にまで及んだ頃――]
ちょっと、外の空気を吸いに、行ってきます。
[それだけ言うと少女は手元にあるかごを持って酒場を出た。
かごの中身は差し入れ作戦用に一応作っておいた焼きそば6(6)パックと焼きそばパン4(6)個]
―― 大会本部/格納庫 ――
[アルトキュムラスの機体が、特殊フィールドバリアに受け止められ、搭乗者は一時大会本部建物へ、機体は格納庫へと戻されていた。
アルトキュムラスの健闘、それを讃える拍手が上空では起こっていた。]
「ロジャー、墜ちちゃったね。」
[白兎の言葉に一つ頷く。
インターバル時における、アルトキュムラスの機体整備の補佐要請の不備の指摘。大会運営本部へ補佐要請がなされていない事、年齢が幼い事などからの見落としの可能性を知らされ、もしこの時間ロジャーのBigFireが空に在ったならば、一度グレンが向かうという話になっていた。]
[グレンは格納庫近くにある小型BFに向かう。
途中、誰かからグレンのスタッフ端末番号に連絡が来れば一緒に連れていくかもしれない。]
今から追加資材を届ける。
リトルアースの機体、兵装は現在の部品で補っている。
整備者の腕によるが、念のため、一部適合規格のない部品の代用より、本物《レプリカ》を持っていく。
先程、”本館”から届いた。
[”本館”、それは「大会」が行われている会場(エキシビション施設)から離れた所にある、BigFire学術協会によるBF博物館の事である。
本館施設は、BigFire関連の展示・保管の全てを一手に引き受けている地球最大のBF施設であり、其処から送られてきたものだ。
搬送に都合良い小型BigFireでピットに向かうと、整備中のニーナ、そしてリトルアースの所に行き、その旨を伝えて傍らに*資材を置いた。*]
[男は端末をいじりながら歩く。
目に入ったのは、センパイの記事]
あのセンパイがね。
[男は赤い光について考える。
センパイの機体は、最高速度ではクヴォルフィリア以上。
そして機体の大きさもある]
これは骨が折れるな。
さて、本当に骨が折れてるだろうセンパイを見舞うか。
[男は治療室に居るだろうマシマに、大会のスタッフに言付ける。【死ぬと寝覚が悪い。】
花を一緒にどうかと聞かれ、しぶとさの象徴のようなものを頼んで贈った。]
―― ピット ――
[白兎は、ピットの各ブースを見回している。
じ、と暫し特定の機体を見つめているようだが、その些細な行動は、小さな白兎の行動として特に目をひくものではない。
グレンはリトルアースから一旦離れると、搬送用BigFireから湯気の立っている餃子パンが29個入っている籠を持ってきた。]
大会スタッフのグレンです。
話は本部よりお聞きしました。
こちらは差し入れです。
「クヴォル」がコアに関わる声が聞こえるとか。
何かあれから分かりましたか?
[GRAVEの女史に余裕がある時を見計らい、切り出した。
「餃子の王子」――お前なんか、包んでやる――という宣伝文句で有名な、大会の協賛企業の一つだ。]
(>>24のつづき)
[地上は相変わらず平和だった。
ふと空を見上げると風船がふわふわと浮いていた。
空もまた、平和だ]
……あ。
もしかしてピットって空にしかない?
[だとしたら。
長いピットインの間に兵装交換等をできるくらいの人手があれば選手が地上に降りることも可能だが、兵装交換等を一人でやらなければならない場合、果たしてその選手は地上に降りてこられるかどうか]
……つまり、差し入れ作戦をしっかりと行うには、結局グレンさんの力を借りなければ駄目、ということだね。
[というわけでさっそく大会前に教えてもらったグレンのスタッフ端末番号に連絡をかけた]
もしもし、ダイアナです。ピットに行きたいんですけどどうすればいいですか?
……ええ、参加者に差し入れを持って行こうと思って。
[単刀直入だった]
[その時、リーダーが少女を追いかけてこちらに来るのが見えた]
……あと、修理工場に勤めている私の……仲間も一人、連れて行きたいんですけど、構いませんか?
[これからピットに行くと言えば、間違いなくついて行きたがるだろうから。
もっとも、グレンが駄目だと言ったならおとなしく引き下がってもらうつもりだ。
果たしてなんと答えたか]
……分かりました。それでは10分後に、格納庫で。
はい、女史にお世話になっていると。
地上に降りたら、是非食べに来て頂きたいと話してましたよ。
[にっこり笑い、伝言を伝えた。
大量に用意された高カロリーの餃子料理。
胃を弄った女史は顧客の一人でもあるのだろうか?
どちらにしても、全てがブラックホールに吸い込まれるように女史の胃に消えてゆく事は確かだろう。]
―― 大会本部/格納庫(少し前) ――
「――もしもし、ダイアナです。」
[連絡が入ったのは、搬送用小型BFに向かう少し前だった。]
分かった。
構わないが離陸は、5分後だ。急ぐんだ。
[ダイアナとリーダーが格納庫に来た時には、既に小型BFは準備を終えていた。
星が11個ある帽子で直ぐにグレンの所在は分かった事だろう。初めてBigFireに乗った時には、身に着けていたトレードマークの帽子だ。]
今から追加資材を届ける。
[そんな話を交わしながら上空へと向かう事となる。
滑らかに離陸したBFは程なくピットへ。]
――格納庫→ピット――
[ピットに向かう小型BigFire内では思っていたよりも会話がなかった。全力疾走して疲れていたせいかもしれない。
”本館”という言葉にリーダーが一瞬楽しげな表情を見せた。視線を向けると、「観光コースに入ってるんだ」と小声で返答。
なるほど、大会終了後も楽しい観光の時間が待っているのか。こちらは片付けの後すぐ撤収だというのに。
ピット到着後、リトルアースと呼ばれていた機体のそばに資材を置いて立ち去るグレンの後を追うことを少女はしなかった。なぜなら向かった先がGRAVEのブースだったからだ。
大会前に格納庫で因縁がついた男――ユージーンがいるかもしれないと思い近寄るのをためらったのだ。今は因縁を再燃させる気分ではない。
だから、熱心にリトルアースを整備する女性にそっと近付き、]
焼きそばはいかがですか?
[やっぱり単刀直入にそう声をかけた――**]
[喧騒。慌しいピット内。
インターバルといえ、時間は限られている。
この時間内で何処まで機体の修理修復、敵機体に対しての対策がとる事が出来るかで結果が変わってくるのだ。
GRAVEブースから戻ってくると、ダイアナが、リトルアースの搭乗者と話をしているのが見えた――。*]
『早速ここまで壊してくれるとはねぇ、
くくっ、あんな男の挑発に乗ってたら機体が幾ら合っても足りねぇよ。見てみろ、突っ込んだ右翼なんて殆ど使い物にならねぇ。』
――うん。
[ピットに降りるが早いか、手早く機体の整備を始めて行く。
前回のピット時に整備していない所を。と思っていたのだろうが更に状態を悪くして戻ってきたせいか、おっちゃんは苦笑いだった]
『――ま、こっちは何とかするから、嬢ちゃんは休んどけ。』
……でも、機体が間にあわ――
『休むのも役割ってヤツだよ。それに疲れたままあんな飛び方されたんじゃどうしようもねぇ。
やりたい事も。あるんだろう?』**
―空中ピット・表層整備区画―
よいっ…しょ…と……ふぅ。
[開いていたリトルアースの表面ハッチのうち、整備の終わった箇所のクリップを止め、バイザーを上げて額を拭う。
これで修理の進捗は六割といったところ。残り時間を考慮するに、多少は余裕を持って整備を終えられるだろうか。そうなると、気にかかるのはやっぱり、分かれたまま合流できなかった二人のこと。もちろん、他にも懸案事項は山積みだったけれど…]
…フヅキ、ネットワーク回線の誘導だけお願いしてもよいでありますか?
その先は小官が自分で行いますので、フヅキは引き続き再計算ならびに設計作業を願うであります。
[即座に開かれた回線に“手”を伸ばし、情報の海から必要とする案件を探し出す。…“ウィルアトゥワ”と、“サンダーエース”の現在状況]
……ッッッ
[見つけ出したそこに、惨憺たる状況を見て取り、絶句する。
後悔が頭を真っ黒に塗り潰した。
“マリア”の様子から、こうなることは、予想できていたのに。なぜ、自分はあのとき、あの場を離れてしまったのだろう。
その思考だけがぐるんぐるんと頭の中を回り、どうしよう、どうしたら?と、掻き混ぜられた思考は同じ問いを繰り返す。
…自分に、なにができるだろう。共闘するなどと口にしながら、肝心のときにその場から離れ、危険にさらしてしまった自分が何を?]
『小官が墜ちるならばそれは小官の責任です。』
[いつか、ウィリーに告げた言葉を思い出す。そう、そのはずだった。だから、気にすることはない。…などと。
割り切ることなんてできそうもない。気がつけば、伸ばした手は、MiddanEdenのネットワークアドレスを手繰り寄せていた。モニターと称するそこに、かすかな残滓を見つけ、その“気配”を辿り、手繰り寄せ―――]
“―――ウィリアム…さん…?”
[声ではない声で、恐る恐る、呼びかけた。返答は、あったかどうか分からない。聞こえなかった。MiddanEdenの、おそらくは重要機密に当たるであろう“其処”は、幾重もの防壁に阻まれ、遠く、繋がりは細い。そのことに歯噛みしながら、その“手”を繰って、ナニカを紡ぎ上げる。
しばしの時を経て形を成したそれは、ほんのささやかなプログラムウィルス。
強引なナノマシンによる精神介入を感知したとき、正気を呼び戻そうと耳元で囁く程度の、弱弱しいそれ。
防壁の小さな穴を抜け、あるいは間違っても“ウィルアトゥワ”と“マリア”を修復する作業の手を妨害しないように、サイズを最小に抑えたそれは、気休めになるかどうかも分からない]
―― ピット ――
[長いピットインの時間がそろそろ終わる。
私はその間、ぼうっとまどろんで体と脳を休ませていた。
最後に注入されたナノマシンだけではなく、この大会用にチューニングされたナノマシンは多く私に注がれていた。ショーでも滅多にない長期戦は、休んでいる時にこそその消耗を私に自覚させる]
[もしその休息時間に誰かが私を訪ねてくるなら、私はいくつか言葉を交わしただろうし、オープン・クローズド問わず通信が来ても同様だ。……マリアはまだ整備中だったけれども]
“―――こういうものを、旧い文化で、おまもり、と言うのでしょうか―――どうか―――お役に立ちますように―――”
[祈りの言葉とともに、回線に乗せ、その“おまもり”を送り出す。これで、お詫びになるとも、思わないけれど―――
…次いで、ネットワークを繰る“手”は、OLD Replicaの所属チームを探りだし、チームの所持する端末を手繰り寄せた。
生身の相手に、先ほどのように直接呼びかけることもできず。精一杯の謝罪を書き記した手紙をそこに残し、漸く“手”をネットワークの海から引き揚げた、その間際]
“お二人への、直接の面会を推奨いたします”
[そんなメッセージが、ごく間近から届けられて。
思わずむすっと顔をしかめ、フヅキの中枢が納められたリトルアースを、肉眼でじとっと睨んだ]
[男は、ピットで担当研究員長が賄賂によって余計な事を話しているとは知らない。
知っているのは、空から堕ちていくBFに、赤い光で堕とされたものが含まれていて、その区分けが出来る事だけだ。
男はふらふらと辺りを歩いていて、偶然マリアの居る区画に来ていたようだ。
緑がかった軽い金髪が見える]
どうやらこんなところまで来ちまったようだ。
…お疲れ様。
[男は、しがないサラリーマン同士の会話文句のように、労いの言葉をマリアにかけた]
…小官は、機体の再構築に関する計算と設計をお願いしたはずでありますが?
[悔し紛れの文句を受けても、フヅキは何も答えない。
そのままじぃっと見つめていたけれど。やがて降参したようにうつむいて、ごつんっと額をリトルアースにぶつけて]
…今更どんな顔で会いに行けばよいのですか…
[小さく、呟いた。やっぱり、フヅキは、答えない]
[どれくらいそうしていただろうか。あまり間を置かず、そこに、声がかけられた。
いつだったか、ケンカを止められたときに見知った顔だ。
なんとか余所行きの顔を繕って応対すると、彼は、追加の資材を届けにきてくれたのだという。
その手の品を、覗き込んで。静かに首を振った]
せっかくの補給、恐悦至極にありますが、けれど、その物資を受け取るわけにはいきません。
…その保存状態から察するに、それは大切に保管されていたものなのでしょう?
小官は、勝利のために必要とあらば機体の損傷を厭いたくはありません。
ですので、物資は現行の代替が利くものをお願いしたく思います。
せっかくの御厚意を無駄にしてしまうことは大変に遺憾でありますが…ご理解を。
[先ほどまでとは意味合いの異なる渋面を作って、そう告げる]
…一つだけ。贅沢をお許しいただけるのでしたら、『BFF・アームズラック』の修復が可能な設備をご紹介いただけると助かるのでありますが…
[BFF・アームズラック…Big Fire Field Arms Rack。BFを宙に浮かせるものと同様の力場を展開して、弾幕兵装の遠隔保持、支持展開を行うシステムで、リトルアースの弾幕兵装を操作する要でもある。兵装の柔軟な運用を可能とする引き換えに、膨大な演算能力を要求するうえ、機動力に回すBF出力まで低下させてしまうために開発されて早々過去の遺物となってしまった技術なのだが…その管制装置が、フルムーンの過剰出力に耐え切れず、損傷してしまっていた。
それでもなんとか、システムの書き換えや出力調整で騙し騙し切り抜けようかと思っていたところだったけれど…修復のチャンスが来たとしたならば、乗らない手はない]
…それともう一つ。ウィルアトゥワとサンダーエースの…
[修復支援が可能であれば…と。続けようとした言葉を、飲み込む。自分が赴くならばともかくとして、それを、目の前の男性に頼むのはあんまりに厚顔な気がした]
…いえ、なんでもありません。
お願い、できますか?
[告げて。まずは他にも行くところがあると、その場を離れていったグレンを見送った。
そこにかけられた、声]
『焼きそばはいかがですか?』
[振り向くと、そこにいたのは見知らぬ…いや、もしかすると、酒場で働いていたときに、顔を合わせたことは、あったかもしれない…少女で。
その手にした籠からは、いつだったか、これまた見知らぬ(今なら、それがチャンピオン候補にして、マリアが…ウィリーが、疑惑の人物として名を挙げた、ナサニエル・ウエクサだと分かる)から貰った、『やきそば』なる食べ物が、香ばしいかおりを立てているのが分かる。
折りしも、ネットワークに手を差し入れて消耗したばかりだ。結論から言おう。超。食べたかった。しかし]
…お、お金が…
…それは、売り物…なのでしょう…?
[立ちはだかる経済問題は、いかんともしがたいものだった**]
―― ちょっと前 ――
[それは、ピットインタイムの半ば頃。
ニーナからの細い通信が私に届けられた。
最後に注入されたナノマシンが私の脳内で奏でていたマーチは止まっていたが、その細い声は私を癒す]
[―― 何の薬剤を乗せているわけでもないのに]
『ニーナ』
[通信を返した。ただ、名前を呼ぶだけ。
まどろみの縁にいる私は、それ以上何と言っていいのか分からない。
そうしているうちに、「お守り」が送られてきて]
『……お守り?
データ化されたものも、あるのか。
ありがとう。……あの黒騎士を落とすのは、頑張ろうな』
[私はその「お守り」を何とはなしに凍結させたまま、
私の海馬の奥に大切にしまいこむ]
―― 今 ピット ――
[ピット時間も終了が近づいた頃、
私の元に傷のない「マリア」が届けられた。
リアリティを出すよう、腕に傷を描かれ、汚れで装飾された新しいマリアだ]
[私は無言で連結用の触腕をマリアに挿入し、ナノマシンを通じて私の中にバックアップをとっておいた「マリア」をインストールする]
[マリアはぱちぱちと瞬きした]
『ただいま、ウィリー』
(はじめまして、マリア)
[私たちがそれぞれ同時に口を開く。
交戦したばかりの相手から声をかけられたのは、そんな時]
[マリアはそちらを振り向いて、にこりと口の端を上げた]
『お疲れ様。……随分えげつない攻撃持ってるわね。
派手にやられちゃった』
[マリアが口を開いて、一歩彼に近づく。
私はきゅぽんと触腕を無言で抜いた]
[端末に通信が入る。
機体の修復が完了したらしい。
そして、ブラスターを変更するかどうか聞かれる。
俺の選択肢は
フィリアブラスターをそのまま使う。
レイジングブラストを使う>>0:460
T誘導弾を載せる。
サウンドユニットを載せる。
念動コネクトのランスユニットを付けてもらう。
フレイムトルネードを追加してもらう>>0:484
どれにするか、男は少し考える]
残存する機体に重装甲のユニットは他にはいない。
攻撃を当てる事を重点的にしたい。
レイジングブラストをお願いする。
[その場には、マリアが居たが
兵装の変更は後々どうせわかる。男は気にする事なく聞こえるように話した]
―ピット(MiddanEden)―
[男は、マリアがこちらに声を返してくると、皮肉を込めて返す]
赤い光ほどじゃないさ。
だから出来るまでの事をする。
[今の兵装交換も、目の前のウィルアトゥワに対して有効であろう武器をチョイスしていた]
そちらこそ、さっきの倶利伽羅…あの弾幕は驚いた。
[端末で情報を知っているが、途中で言い換える]
――各機ピット――
[コクピットを出た少女は休息もそこそこに、機体の修復作業を手伝っていた。老兄弟から飛ぶ声は厳しく、額に汗が伝う]
え…と、右前腕の処置は終わった、よ!
次は、どこ!?
[補修用形状記憶パネルの上から特殊高分子パテで埋めて、硬化スプレーを噴射。所詮これも応急の処置でしかないが、装甲部品そのものまでは持参できていない以上、やむを得なかった]
ん。脚ね。今と同じでいい? うん、わかった。
[目の前の相手に通信が入ったようだ。
マリアは肩を竦めた。
別に相手が気にしていないようだとマリアの視覚情報が判断したので、私はマリアの聴覚をそのままにしておく]
[彼の相手はマリアに任せて、私は私の目を閉じた。
まあ、まだこなれていないマリアだから、私からの指令は多くなるのだろうが]
『やだ。随分と余裕ね?
……アンギャルドは装甲、厚そうだけど』
[マリアは腕を組んで、挑発に返した]
『どういたしまして。楽しいでしょう?
この間、拾ったの。あれで堕ちてくれればもっと素敵だったのに』
[マリアは眉を上げて、声に笑いを彩らせる。
それから、マリアはふっと真顔を作った]
『あの赤い光は、あなたも嫌い?』
―― 回想・ピット>>42->>45 ――
きみは何か誤解をしているようだね。
[グレンはニーナを見つめる。ニーナとクロノとの、酒店アンクルおじさんの店での騒動未遂。その時の事は既に笑い話の種の一つでもあるが、今ここでは切り出さない。]
本物を元に新たに作られた、本物と同一の複製品《レプリカ》だ。
それにこれがもし唯一の本物だとしても、
最高の力を出し尽くす事が大切じゃないか?
保管され人知れず眠るより、きみに使われた方が喜ぶというものさ。
それに、この大会はそんなに甘くはない。
[グレンの眼差しは温かい。真摯にニーナへと話しかけた。
最後の一言は、声が深くなる。]
――各機ピット――
[クロノの機体――『メテログラフト』によって生じた損傷の中には、取り返しの効かないものが存在した。
肩から背面へ展開される弾幕兵装『響洞膜』がそれだった。
支持パーツの全損、さらに機構本体の脱落。回収されたそれを見て、ウェイン兄弟が発した言葉は一言だけ――]
『……駄目だな、コイツは』
[即ち。
これ以降は二つの兵装のみで戦うしかない、という分析]
……うん。でも、ね……あの……さ。
あれ――外す訳には、いかないかな。『禍珠(フォルスコア)』。
お爺さん達も、さっきの、見てた……でしょ?
[作業の手を止め、老兄弟が振り返る。
言いよどむ間をわずかに置いて、少女は言葉を続けた]
もう一機。どうやってだか分からないけど、さっきの状況を見れば間違いない。ナサニエルの機体。『ズィルバーン』にも、あれと同じようなのが組み込まれてるみたい。それで……。
―― 回想・ピット>>42->>45 ――
[それから一度目を伏せ、]
きみが使うかどうかは任されている。
きみ自身が決める事だったな。
[開く。]
―――黒隗。
「ボクの出番?」
[『BFF・アームズラック』に話が及ぶと、紅蓮は相棒であるチョッキを着た白兎、黒隗の名前を呼んだ。]
私が頼まれた届け物をGRAVEに持っていく間に、一度見ておいてくれないか。
「了解。」
[黒隗は、ぽふん、と右前脚を45度斜めにして額にあてる。
グレンの肩から白兎は降りると、リトルアースに近づき、修理が必要な兵装へと手をあてたり覗き込んだり、はたまた触れたまま、じっとしてみたりしている。]
――ピット――
[少女は目の前の女性と面識がなかった……ような気がする。彼女が働いている酒場には大会前夜に行ったが、夕食を食べた他は外ばかり眺めていたのですれ違っていたとしても記憶には残っていまい]
『…お、お金が…
…それは、売り物…なのでしょう…?』
[しまった。なんということだ。つい売り子さんモードで話しかけてしまった]
違います、私はこれを売りに来たのではなくて差し入れに来たんです!
[焼きそばを超食べたそうな顔をしている彼女に焼きそばパンもセットで差し出す。
そしてふと周りを見渡すと、彼女以外には人が、いない]
一人で……この大会に?
『こいつと共鳴してる、っていうのか?』
[兄の方からの問いかけに、少女は首を振る。眉根を寄せた]
わからない。多分違うと思う。
けど、さっきのは何か、勝手に発動したような感覚だった。
少なくとも、私の方からは。
[考え込む様子の老人二人。視線を交わし、どちらから口火を切るか躊躇っていた。少しして、一方が小さく声を上げた時――機体ブースへの接続音がその言葉を遮った]
――はい。『アンギャルド』の、機体ブース、ですが。
……え。メインメカニック、ですか?
[インカムを取って接続に答えた少女は、怪訝そうにしながら老メカニックを振り返る。手を伸ばしたウェイン兄へと手渡した]
……大会本部から、だって。パイロット――私に、じゃなく。
…アンギャルドは、お前らのドラゴンよりは厚いが、そこまでじゃない。
あの盾みたいなものは邪魔だけれどな。
[それをどうにかすれば、攻略できるとでも言うように]
拾い物、ドロップでずいぶんいいものが出たものだ。
[男は苦く笑う]
嫌いではないな。…好きでもないが。
お前たちは赤い光を放つ機体をターゲットにしているみたいだな。
そちらの味方はしないが、赤い光を放つ機体の味方もしない。
等しく同じ倒すべき敵だ。
それだけは言っておく。
[それを言うと、男は背を向けて出て行く]
[長いピットイン時間で、一端乗せた装甲を何とか外せないかと画策し、ロボット達に相談したが、結果は駄目だった、との事]
そうか……。
[自らの行動を悔やむ。あの時は、何故だかその装備に惹かれて装備を乗せてしまったが、良く良く考えてあんな怪しい物を乗せなければ良かったのだ]
普通に考えたら怪しいよな……。
『これでも鱗は結構固いんだから。
まあ、生きてるからしょうがないわね』
[マリアは振り返って私を見る。
私は、ふんと鼻息荒げて見せた]
『……この大会が終わったら、きっとドロップフェアでも行われるだろうから値崩れするわ。きっとね』
[そうして、マリアは去ろうとする相手の背を視線で追った]
『そっか。残念。
――向こうの味方でも、してくれるんなら良かったのに』
[マリアは声を低めてささやいた。
「向こうの味方」の部分だけ、幽かにアクセントを置く。
遠まわしな連係プレーの提案をしてきた彼。
今度は、こちらからとても遠まわしな願い。
まだ脳を持つほどにいたっていないナノマシンのロジックには捉えられないくらいの、遠回り]
[遠回り過ぎて伝わらなくても、この声が届かなくても、
それはしかたないと私は覚悟している]
『じゃ、ね。ばいばい。また空で』
[マリアもくるりと踵を返す]
…じゃあな。
[男はMiddanEdenのピットから出て、戻ろうと歩き出す。
しかし、途中でナサニエルのピットの様子が目に入った。
何を話しているかは、男には聞こえなかった。
しかし、その青い焔のような視線はナサニエルを捕えていた]
『そんな所で見てたって、どうにもならないだろ、シュウ。それよりこっち来て、作業手伝え。こりゃ……ちょっとやそっとじゃ直しきれんぞ?』
[弟の方に言われ、脚立をよじ登った。フライトディスクで空中に浮かんだ老メカニックはゴーグルを外し、損傷箇所の検分を終えたところのようだった]
『んんん……内部の破断が思った以上に来てやがる。知っての通り、お前のコクピットは腹部だからな。頭部センサからの情報、両腕への攻撃指示、そういったのの信号は一度この変を通ってく形になる。だがこれだと――』
うーん、と。
攻撃された時に、内側で壊れて、どうにかなっちゃう?
『そういうことだ。内部装甲自体が、逆にアダになっちまうってとこだな。とはいえ、換えが無い以上、外す訳にもいかねぇ。それこそ一撃でアウト、だからな』
……うん。
『どれか一系統だけ、重点的にカバーするか? それとも満遍なく――代わりにどれも均等に薄く――覆っておくか? 現状で可能な対処は、そのどっちかだ。どうする、シュウ』
―― ピット ――
『elen sila lumenn' omentielvo』
(elen sila lumenn' omentielvo)
[呪文を唱えて、私たちは1つに「戻る」。
私はマリアを動かして、前のマリアとの違いを探る]
[何も変わらない。何も。
私が入れ替わったら、マリアはどう感じるのだろう。
同じく何も変わらない私だろうか。それとも]
(……馬鹿か私は。ナノマシンは何も考えない)
[単なるデータや物質の運び手。そう、そのはずだ]
『Herio!』
[マリアの喉が大きく震えて、開始の合図。
私は大きく大地を蹴ると、両の翼を広げて高く舞い上がった]
じゃあ……それじゃあ、右腕を。
何があっても、『自在剣(ヴィヴロブレード)』だけは使えるようにして。見えなくなっても、『禍珠』が使えなくなっても、いいから。
[しばらく悩んで、少女はそう答えた。
問い返しもせず、老人は確りと頷く]
『わかった。なら、どんな攻撃が来たって、ソイツだけは耐えるようにしてみせるさ。俺達の腕の見せ所だな。おい、兄貴!
……兄貴? どこいった?』
――え。
[脚立から下を見下ろす。ウェイン兄の姿は見当たらない。
その代わりに。
一枚のメモ用紙だけがそこには残されていた]
[男は声をかけるか悩んで、重たい口を開けた]
…ナサニエル。
あんな風にセンパイを堕として、満足か。
[男は、推測をぶつけていた。
あの場に居たのは、アンギャルドと、ズィルバーンと、白川弐拾参式=改。
ズィルバーンは何故堕ちなかったのか。
ならば…赤い光を放ったのはズィルバーンか、それかズィルバーンに赤い光を防ぐ手段があった事になる]
え……でも、これ、どうしよう。お爺さん?
[すでに作業を再開し始めていた弟の方へと、不安げな視線を投げる。しかし、返ってきたのは楽観的な調子の声]
『心配するな。そう書いてあるんだろ? ここまで来たらたぶんこうなるってのはもう、俺達の方じゃ話してあったのさ。だから、シュウは気にせずに戦ってこい。
勝ち取るんだろう――“Golden Bough”を?』
……う、うん。じゃあ、けど――
『気にするな。集中しろ。コイツの処置だって、まだお前の手も使わなきゃならないんだからな』
[言うや否や、老メカニックから少女へと、補助の指示が飛ぶ。反射的に答え、BFの修繕作業へと戻っていった]
「うん、フヅキ。ボクは、黒隗。」
[GRAVEブースから戻ってくると、そんな声が聞こえた。
こちらに気づくと、早速黒隗が報告をする。]
「やっぱり管制装置が駄目になってる。
このまま使い続けるのは難しいよ。
”本館”に要請すれば送ってもらえると思う、けど…」
時間がないな。
設備は引っ張ってくる。
損傷箇所に必要な部位は、なければ他のものを解体して作り上げ、システムの負担軽減や再構成は、黒隗が手伝えるなら手伝うんだ。
[何か言いたそうにしている黒隗を止める。
暫し立ち止まっていた黒隗は、コクン、と頷き、]
[ニーナがどう答えようとも、少女は一つ頷きを返しただろう]
そうですか……
私も、かつては一人で星々を渡り歩いていたんです。
[故郷といえる場所では、星々が星域の覇権をかけて戦いに明け暮れていた。
幼い頃からBigFireに乗る訓練を積むのが当たり前となっている環境下にて訓練課程を終えていた少女は、遅かれ早かれ戦いに出ることになっていた。(その辺りのことはだいたい覚えていた)
だから少女は約三年前、試作機から自機に昇格したばかり、名前も与えたばかりのBigFireにありったけの荷物と金を詰めて、置き手紙だけを残して星域を出たのだ。
戦いの中を飛ぶことが、何か大きなものを背負って飛ぶことが怖かったから]
―― 空 ――
[私は空を回る。空を駆ける。
そうして、修復の様子をチェックした]
[新しいマリアとの接続は問題ない。
経験と学習が足りないので、前のマリアよりは少し反応が鈍いし、知覚領域も狭いが問題はない。兵装は復活している]
[ブレス用の熱の充填も、フルとはいかないまでも半分と少しまでは回復している。私自身の損耗率のチェックに移る]
[翼は重点的に修復されていた。
動かすと筋肉に少し固いような違和感は残るが、機動に支障はない。その分、胴体や手足のダメージがまだかなり残っていた。深刻な内部障害はほぼ回復したが、左足は動かないし、尾も満足に動かないためバランスを取るのが難しい。もちろん、防御力は大幅に下がったままだった]
(……想定の範囲内だ)
[マリアは胸元の端末で、残った機体のリストを呼び出す。
私達3人と、あの厄介なクヴォルフォリア。
シルバーコレクターに、アンギャルド]
『もう、たった6機』
[マリアが呟くと、私は身を翻してアンギャルドのピット上空を旋回した。その機体の発進を待つ]
[逃げたくて、震えそうな翼を無理矢理抑えながら。
ここで逃げたら、私は私でなくなってしまう。
ピットインで、新しいマリアにどんなプログラムが仕込まれているか分からない]
[そうしてずっと、大きなものを背負わずに飛んできた。
今までそうやって飛んで行けたのだから、これからもそうやって飛んでいけるだろうし、今さら新たに何かを背負って飛んだならば、背負ったものの重さで速度が鈍る。そんな気がしている。
だけどここまで勝ち残ってきた面々は、傷つきながらも、何かを背負って飛び続けようとしている。背負ったものを離さずに――再び、空にある戦いの舞台へと上がろうとしている]
[ピットで見つめていた黒いのに気が付く]
なんだ、前の黒いのじゃないか。どうした?私にコア破壊の事でも聞きに来たのか?
[黒いの、ユージーンが空域の変化を知らな、興味の無いはずはないだろう。多分見ているし、傍目から見ればどう見てもコア破壊の犯人であるだろう]
満足か?……正しい事をしている立場から間違った人を見下ろすのは。
私はあの時、墜落する見込みでいたさ。……だが、コアに墜落しそうになったら誰かを巻き添えにしろとかが組まれていたんだろうな。
そこでマシマが撃墜された。
私はそうしてまで生き延びるつもりではなかったが、結果としてそうなった以上、責任は取るべきなんだろう。
「了解。時間内で解決してみる。
計算にも協力するよ。何たってボクは――…」
お喋りはそこまでだ。
さ、やるぞ。
「うん。」
[BFF・アームズラックの損壊箇所の修理の為、グレンはピットの隅にあるボタンを押す。ピット内の重厚な壁の中から、格納されていた修理用設備が現れた。ピット内部の色とほぼ同一で無骨で耐性を重視したデザインだが、幅広い用途に使用出来る。
設備上部には稼動式レールが付いており、各ブースに移動出来るが大半は自社用の設備を使っている事か。
リトルアースの所まで引っ張ってきた後、リトルアースを中心に三面を占めるような位置に設置し、幾つかの機能調整を行う。まるで、潰えた技術を知っているかのように。
ライム色の光をラインの筋に灯らせていた設備は、やがて、リトルアースのカラーと同じように、青と白の光に満ちる。]
これが修復設備だが、他に何か必要なものは?
[ピン、と帽子の前を弾き、グレンはニーナに笑いかけた。]
偶然もあったとは言え、こういう事になったのはBFへの裏切りになるんだろうな。
……だから私は今回で空から降りる。
[本当ならば秘密にしておいても良い事を最初に会い悪印象を持っていたユージーンに話したのはナサニエルの中で何かがあったのだろう。
今回の件はそれだけの物だったのだ]
[ナサニエルの返答に、呆れたような表情になる]
こうまで胸糞悪くなる言い訳を聞く事になるとはな。
だからあんたは万年二位なんだよ。
…甘いな。
別に悪い事をしていると俺は思ってはいない。
俺がここに来たのは、ナサニエル、あんたが倒すべきような相手かどうか見に来ただけだ。
けれど、とんだ腑抜けだったようだ。
[やはり一番の敵は、マリアか
そう呟いて、男はそのままナサニエルのピットを離れようとする]
あと一つ。
あいつの事情も知らないで、勝手にあいつだけを悪者にして、楽しいか?
[通信の向こう側にいて、対立を宣言され、かつ攻撃もされたシュウではあるが、一応相手は女の子だし、味方のいない光景にどこか引っ掛かる物があった]
[背負うものは人それぞれだけど、きっと、一つだけ共通しているものがある。
それは恐怖。
誰もが墜ちるのを恐れている。
墜とされることへの恐怖は誰の中にもある。私の中にも]
だけど二年前にどうやら事故ってしまったようで。
色々と、思い出せないことが、多い身になってしまいました。
一人で星々を渡り歩いていた間、私は父のある言葉と、私を初めてBigFireに乗せてくれた人のある言葉を糧と――励ましとしていたのですが、私を初めてBigFireに乗せてくれた人の方の言葉が、どうしても思い出せないんです。
[私を初めてBigFireに乗せてくれた人=他でもない《HYMN TO THE INFINITE SKY》のパイロット]
おそらく、その言葉があったから、どんな恐怖にも立ち向かえたのでしょうけど。
それはどんな言葉だったのか……
そんなものは勝手にしな。
[空から降りる事には、何も思わない。
だが、追加された事に対しては反論した]
事情なんて知るつもりはないが
悪者?あいつは元々敵だろう。
お前も、センパイも、皆等しく敵だ。
誰の味方をするつもりは俺にはない。
[ただセンパイとは戦ってみたかったが、男はそれは言わなかった]
赤い光を使いたければ使え
堕とされれば、その時は堕ちたやつがそれだけの力量だったまでだ。
[男が堕ちたとしても、それは一緒]
お前もそれは仕事なんだろう?……シュウにとってのそれが、お前にとっての仕事のような物。
どっちが正しいかは、この空で戦えばわかる事だ。
甘い、か。
私が勝てばその甘いのが正しい事になるからな。
その言葉は私に対する挑戦と受けとるよ。
[相手が聞いているかどうかは関係無い。自分にいい聞かせるようにする]
[ユージーンが去った後、一人考える]
……シュウ、あいつはああ言っていたかも知れないが、自惚れかも知れないが本当は仲間が欲しかったのかも知れないな……。
[シュウの数少ない味方になれるであろう人間は間違いなく自分しかいなかった。
しかし、自分はそれを閉ざす事をしてしまった。]
今からでも遅くはない。あいつの手助けに行ってやろう。
[シュウが前のように自分を攻撃して来ても構わない。それでもシュウを妨害しそうな機を攻撃し、後に繋げる事が出来れば。]
(出来るなら何だってやるのか)
『そんなの反則だわ』
[マリアは轟然と胸を張る。
マリアの両手は、それぞれ左右の兵装にかける]
『壊すのだって、停止するのだって、同じこと。
少なくとも私にとってはね』
(それによって、堕ちてしまうのだから)
『そんな違いは言い訳だわ』
[マリアの視線が『自在剣』を捉えた。
相手の機体のこれまでの映像をマリアは検索する。
私はくるりと身を返して少し間合いを取った。
マリアの右手に力が入る。右の指で、出力を調整した]
――空――
[目の前、やや上方に浮かぶ水晶のドラゴン。
竜騎士と一体になった姿を間近で見るのは初めてだった。
こくり、緊張に唾を呑む]
エキシビジョンでは、竜だけだったわね。
――あなたがパイロット? 『マリア』。
[彼女の腰元には鞘に納められた剣。しかしそれこそが戦術的な脅威だと、仮設AIが警告した。“イアイ”と呼ばれる技術。鞘の中から抜き打ちで襲う攻撃の速度は、通常の構えからよりも一層迅く、軌道を読みづらい]
[油断無く動静を窺いつつ、『自在剣』を下段に構えた。聞こえてきた声に返す]
弁解はしない。
私は事実を告げてるだけ、よ。
あれは弾幕兵装『禍珠(フォルスコア)』の起動によるもの。
でも。議論は終わってからにしましょ?
私を待ってたのなら――戦うつもりだった、ってことでしょうし。
―時間軸少し前〜現在へ―
うぅん…
[グレンの眼差しは暖かく、それがこちらを気遣ってのものだと分かる。けれど、あるいはだからこそ、言葉を選んで]
…お言葉を返すようでありますが、グレン殿。
小官とてこの戦いが決して甘いものではないことは身に染みています。
[脳裏を過ぎったのは、クロノの苛烈な攻撃とそして、黒騎士の姿]
…ですから…如何に練達と言え、『老兵』にこの身を任せるわけにはいかんのであります。
[本物《レプリカ》の部品は使わないと、はっきりと告げた。
…違う。本当は、受け取った方が、機体の強度の面で、あるいは循環効率の面で、いくらかの有利があることは分かっている。けれど、最高であることが常に最善であるとは限らない。
今しもフヅキがそのための再計算を行っているところだ。
決して言葉どおりにそれら『老兵』を軽視しているわけではないと視線に込めて、グレンに返した]
…?
よろしく…お願いします?
[グレンになにごとか任されたらしい黒隗が機体に触れるのを、もぞもぞしながら見守る。自分以外の誰かに、こういった形で機体に触れられるのは初めてだ。ひどく落ち着かなかったけれど、こちらからお願いをした以上、何を言っていいか分からず、ただ、触れる場所によっては即座に止めようと身構えながら、眺めていた。
少女に話しかけられたのは、その後]
さ、差し…入れ…?
[少女が慌てたように付け加えた言葉に、目を瞬かせて、そんも言葉を繰り返す。差し入れ。売り物ではない。つまり、自分は、やきそばを頂けるということだ。なんと、驚くべきことにやきそばパンまでセットで。あまりの幸運に裏で何かの陰謀でも働いているんじゃないかと一瞬訝しんだが、やきそばパンを受け取ったらそんな感情もすぐに消える]
…貴殿の支援物資に感謝いたしますっ!!
[大仰に敬礼をした上で、やきそばに目を向けて…そして、続いた少女の言葉に顔を上げる]
ええ。この大会には一人で…な、何かおかしな点でも?
[やきそばに気をとられて、事前に“作って”おいた経歴も最低限しか告げず、相手の言葉を待つ。どうやら、警戒するようなことではないらしい。その言葉を、聞いて。
考える]
ううん…
[考える。言葉、が、何かまでは分からない。きっと、相手もそれを求めてはいないんだろうと思う。
恐怖に立ち向かう。
少し前の自分では、分からなかったかもしれない。今なら、分かるはずじゃないのかと、思う。恐怖の前に、踏みとどまることができた、今なら]
…きっと、それは…
[自分にとっては、きっと、フヅキや、友だちのような、何か]
―― 中央 中層 ――
[私は、黒騎士とにらみ合う。
風に乗ってじりじりとポジションを調整しているうちに、気が付けば中央中層の座標に位置していた]
[エキシビションの語に、
そういえば邂逅ははじめてだとようやく思い出した]
[マリアはぴんと背筋を伸ばし、大きく喉を張り上げる]
『そうよ。
虚無のみの満ちる0次元から我らが3次元まで、
全ての次元を見てきた"界渡り"ウィルアトゥワ。
その唯一のパートナーが私。夢幻の竜騎士マリア』
(MiddanEdenの名にかけて、参る)
[高らかに名乗りを上げた。胸は恐怖でいっぱいだったが。
私の金の瞳がきらりと光を反射した。
私の視線は、相手の片手剣から離れない]
…思い出せないのではない、のではないでしょうか。
大事にしまいこんでしまったか、あるいは、近すぎて見えなくなっているのかも。
[ウィリーからかばわれたときのことや、フヅキがそばにいてくれたことを思い出しながら、言葉を探す]
それだけ大切な言葉なのですから。失くしてしまったはずがありません。
本当に、本当に必要になったとき、きっと助けてくれるはずであります。
[そして、だから自分もきっと助けようと心に誓って…
…不意に、見当ハズレなことを行ってしまったのでは、と言う可能性に思い当たり、恐る恐る少女を見やる。呆れられていなければいいけど…]
[それから、またしばらく。戻ってきたグレンが黒隗とのいくらかのやり取りの後。引っ張り出してきた設備に、呆気に取られる。
…すごい設備だ]
ふぉおー…
いえ、十分であります!
けれど、そう…少々小官にも予定ができてしまいましたので…
[やきそばとやきそばパンを賞味するという結構な急務が]
多少お手を借りることになるかもしれません。そのときはよろしくお願いします!
[告げて、ふたたび機体の整備に戻る。フヅキの計算に沿って、機体を再構成。簡単な仕事ではなかったけれど、一部の力仕事を頼める人もいてくれたおかげで、予定よりも早く仕上がった。
残った少しの時間で、手早く。けれど最大限に味わってやきそばを腹に収め、それで空へと戻る準備が整った]
…ありがとうございました!
それでは、行って参ります!
[最後に敬礼を送り、青い機体はふわりと舞い上がっていく。友達が先に待っているだろう、空へ]
[マリアの初撃、おそらくは誘い。
様子見か、迎撃か。
だが少女は迷わずにそのまま、水晶竜へと突進した]
この機動、反応できるものならっ!
[ぐ、とコクピット内で身体を捻る。それに応じて、直進軌道を取っていた『アンギャルド』が右方向に跳躍するように移動。
突進はそのまま、『ウィルアトゥワ』の左翼へと切り込む斬撃に変化する]
[私たちは、後手に回ってのカウンターは得意だ。
けれど、今の私にそれが耐えられるとは思えない。
――怖い、今にも落とされると思いながら待つことが]
[だから、それを前提でマリアは先に仕掛けた。
飛ばした初撃はシュウに下からいなされる。
剣でビームを、と考えればおかしいが、その短剣はシールドにもなるのを知っているから切り替えは早い]
[アンギャルドが猛スピードで迫る]
『……そこっ』
[マリアは手首を返した。威力を絞った分、連射が効く。
もう一度細い三日月がこちらへやってくるアンギャルドに飛ばされた]
(……ちっ)
[途端、その軌道が右にそれ、三日月は黒騎士をかするかかすらないか。私の左翼が狙われたと、マリアが警告する。私は身を捻り、腹を上向けるようにぐるりと回転してぎりぎりで避けた]
[それでも、刃先にどこか掠ったか、白い液体が空中に散る]
―東空域、下層―
[男は空へと駆け上がる。
残る機体は、既に少ない。
そして、男が戦うべき相手は――]
まずは…
[そして男は中央空域へと機体を向けた]
『倶利伽羅不動 ―― ihwaz ――』
[マリアの左肩からルーン文字が発せられた。
マリアや私の体の周りを、ルーン文字が変化した弾幕がくるくると躍りまわる。私達の近くを通る物体を巻き込むように]
―南東空域下層―
フヅキ、機体状況の走査を…
[実際に浮かびながら、バイザーに映し出される情報を確認していく。
…結論から言えば、予想以上だった。黒隗の支援があったためかもしれないが、そこにまで気づくこともなく]
…行ける、でありますな。
フヅキ、コメット起動であります!
[告げて、急激な加速を感じながら、検索できる情報の中から、必要な情報を探す。
ウィリーの位置情報。
すぐに割り出されたそこをめがけて、彗星のように尾を引きながら、機体は加速していく]
―― ピット/リトルアースの出撃を見送りながら>>94 ――
ははっ、そうか。
それに、最高が'最善'とは限らなかったな。
[憶えがあるのか、気楽に笑う。
一瞬だけ、かつての記憶を思い出したのか遠くを見る目をして。
バン!
ニーナの背中を、グローブで覆われた掌で叩いた。]
私達に任せるんだ。
[ぐっと親指を立てる。
ニーナとフヅキに、グレンと黒隗は協力し、機体の再構築を進めていった。それは決して楽な仕事ではなかったけれども、やりがいのある事だった。]
――――Good Luck。
[空に向かうニーナへ向けて。]
[男は近くを移動する機体を発見した。
そして目指す場所が同じ事も理解した。
そして男は、相手の進路へと、光の弾を撃ち込んだ]
まず出会ったのがお前か。
邪魔だから、堕ちな。
シュート。
[逃がしはしないとばかりに、リトルアースと中央空域の間に弾幕を張っていく]
[ルーンの回転と共に蓄積されていくエネルギー。
『自在剣』での防御は恐らく通用しない。そう判断し、唱える]
“等しく集いて封じ込めよ、織り成す六十の頂点”!
――『バックミンスターフラーレン』!
[発動すれば、60の頂点を持つ多面体が構成され、その内部に砲撃を受け止めようとする筈――だった。だが、思い描いた形状を『禍珠』は創出しない。それどころか]
……まさか、今の、で!?
ッ…!!
邪魔を…!
フヅキ、コメット停止、出力をフルムーンへ!
[フルムーンによる弾幕の相殺と、急激な制動。それで、まずは弾幕の第一波を凌ぐ]
…そのままリミテッドコード・ムーンエイジへ移行。
出力が整い次第、現空域を強行に突破するであります。
[フヅキに告げて、兵装へのエネルギー供給を確認しながら相手へのオープン回線を開く。見れば、ウィリーとシャノンを散々に打ちのめした機体だ。
油断はできない]
貴殿の意思を問います。
交戦か、進路の妨害か、いずれをご所望ですか?
[休めと言われて張り詰めていた糸が切れたように、コクピットの中でしばしうつらうつら舟を漕ぐ。
どれだけ時間が経ったかは判らない所、機体からのBEEP音で、目が醒めた。
ピット時間は、後僅か。]
……う、うぅん。
[通信、一件。
パネルを操作してその『手紙』を開く。
切ない様な、謝罪の手紙、その内容になおの事、自分が恨めしくなる。
一時のそれに任せて、機体を飛ばした事。
そんな事してる場合ではなかったのに、機体を滅茶苦茶にした挙句これだ。]
――あー……。ばかだ、私。
『……起きたか。
修理はできてる、再補強もしたがスペックダウンは免れねぇ。
その上元々が軽量機だ、体当たりの衝撃で骨格まで歪んじまってる、バランスが完全にズレてる。
どんな機動するかなんて判らんし、真っ直ぐ飛ぶかも判らん、正直、潮時かもな。
それでも――飛ぶか?』
[修復で外装もつぎはぎになって、色もてんでばらばら。
そんな機体でも、ひどく愛おしい。]
――うん。飛ぶ。
真っ直ぐ、飛ばせて見せる。
[ここまで残れたのなんて、殆どが運だ。
きっと、まるで勝ち目のない戦いだ、けれど……]
『……よし、時間だ。
行って来い!』
――ありがとう。おっちゃん。
SRF0050後期型 サンダーエース。
発進、します。
GO A HEAD!
[向かうは一つ、中央中心。
機体を軋ませ、飛び立った。]
―― >>57〜>>72の間の出来事 ――
[――接触――。
細っそりとした黒隗の白い両前脚が、機体に触れる。
濡れた紅玉の瞳。沈黙のうちに語らう。
フヅキの存在。語らう言葉、無理矢理には尋ねない。
ただ、力を貸したいだけ。
データを聞く/識る、見る/識る、少しずつ、けれども速く。]
『――キミは、誰?』
[名前、そして、その存在。交わす言葉。]
――中央エリア/高層――
[水晶竜を眼下に収めたまま、一気に高度を上げる。
少女の左手首には、しみるような冷たい感覚が生まれていた]
あれくらいで――おかしくなる、なんて。
……でも、何、この感覚……。
[背筋を伝う寒気。
マリアの砲口に狙われているからではない、もっと別の何か]
……うん。彼女じゃ、ない。何、だろう。
(……ぐっ)
[修復されたといっても、未だ固くて動きの鈍い翼。
私はそこに無理矢理ナノマシンを密集させ、体のバランスを整えようとする。私の体が上下に揺れた]
[自分の魔導砲に対して相手の別兵装が動く。
私は息を呑んだ。反射的にちろちろと炎が私の口の周りを舐める]
[けれど、その武装は動かない。私は安堵のため息をついた。
その一瞬の気の緩み。短くなった私の尾。
上空に逃れる相手を追う動作が鈍くなる]
『ボクは、******・***−黒隗。』
[ボクは、ボク達は、キミ達に協力出来るよ。
そう、小さな白兎はフヅキに*伝えた*――――。]
[大規模なピットインを終え、再び空へと。]
しかし、参ったな……。
[墜落寸前までのダメージを受けた、ともなると回復はなかなか難しい物であった。
普段の状態ならば諦めていた状態だが、今回は幸いにも回復出来そうな物だった]
これも、マシマの機体からコアのエネルギーを奪ったからなのか。
[本当にそうかはわからないが]
それでは、出撃しよう。
[空へと浮き上がる。目的は……シュウのいる空域。]
本当に必要になった時に、きっと助けてくれる……
[女性のセリフ――それはかつての父の言葉を(>>2:100)を思い出させるものだったが、すぐに微妙に違うと気付く。
彼女が「助けてくれる」と称したのは、どこにいるのかも分からないヒーローのようなものではなく、すぐ近くに確かに在るもの。
それはたとえば――共に、立ち向かうもの?
その時不意に女性が恐る恐るこちらを見てきたので、呆れてはいないという風に笑って]
大事にしまいこんでしまった、か……それはありえそうです。
忘れたほうが楽、というセリフをどこかで聞いたことがあるんですが、納得できますし……
[心の奥に大事にしまいこんでしまえば、余計なものを背負わなくても済む]
…交戦だ。
お前たちが赤い光を放つ機体を狙っているのは知っている。
だが、お前たちの味方もしないし、あいつの味方もしない。
[男はトリガーを引く。
中央空域のほうに、黒い光をカーテンのように張った。
ダメージはないが、超えようとすると向きが正反対に変わってしまうだろう]
だから、戦う。
ブラスト、シュート。
[男はレイジングブラストを上方向へと散りばめる。
相手の行動パターンは上層へと移動する事が多かった。
威力が弱いが、広く散布された稲妻は、空を駆ける]
―― 中央 高層 ――
[マリアは中層から高層を見上げた。
途中、ニーナとユージーンが戦っているのが見える]
『ニーナ。そいつは、強いよ。
焦ったり無理しないで、全力で戦わないとだめ』
[マリアは固有回線で通信を入れる。
庇いにはもう行かない。私は少し遅れて気流を捕まえ、上層へと舞い上がる]
(……増援か)
[背後に見えるは、シルバーコレクター]
『あなたも、コアを止めたの?』
[シュウの機体は見つかった。攻撃よりも寧ろ回避に集中しているような風であった]
なるほど。相当強いのが近くにって訳か……。
あれか。
[見付けたのは竜。開始前に見ていたあのBF。]
パイロットは……ゲームのキャラクターか。よくある宣伝用の奴って事か。
まずはこいつに……。
[マリア機に、威嚇射撃として通常の銀色の矢を撃ち込んでみた]
[各機交戦中、竜と黒騎士。小さな地球と大烏。
ならば私は。
最後に残った銀色の機体に回線を繋ごうとする。]
……もしもし。
貴方は―――どっち?
ふむ。ならば貴殿は小官の敵機たりえません。
小官に交戦の意思はありませんし、応じる必要を感じませんので。
(55…60…65…
…この弾幕密度なら…)
…クレッセントムーン!
[会話の間に溜まったエネルギー量は、いつかクロノと交戦したときと比べ十分と言える量ではなかった。けれど、同時に目前の弾幕もあのときほどの密度があるようには見えない。
出力は少々弱いが、十分に切り抜けられると判断して、三日月の光刃に乗った。けれど]
くっ…
[その方向が、強引に捻じ曲げられる。上方からの突破を模索。稲妻の弾幕を目視、いったん断念]
…スターダスト!
[目前の暗幕と頭上の稲妻、それぞれの性質と、何より、相手の動向。それぞれを確かめようとするように、広範囲に星屑をばら撒いた]
[男はピットアウトする前の話を思い出す。
確かに烏羽の翼は、修理されたが
翼を切り裂かれたせいで、強度が落ちていた。
クヴォルの出力は上がっているが、それは機体のバランスを侵しはじめていた。
フィリアが耐え切れなくなるだろう。
装甲は再び追加されたが、翼本体の歪みは、隠せそうもない]
――中央エリア/高層――
[不意に、電気のような感触が銀色の球体を通して疾った。
眼下を見渡せば上昇してくる水晶竜と、現れた銀色の機体]
こんな時に……っ。
[唇を噛んで、青眼に片手剣を構えた。低い駆動音。
遮るように女性の声が流れ――]
▽ターゲットを選択しなさい▽
▽ターゲットを選択しなさい▽
▽ターゲットを選択し
――うるさいわね!
“あたし”は、嫌だ、って、言ってたでしょ!?
[『ウィルアトゥワ』がすぐさま攻撃に移る様子はない、と見て、
両手首の拘束ロックを解除した。右手で左手首に埋め込まれた球体を押さえる]
あたしは――あたしは、っっ!
[それでも、声は止む様子が無い。それこそが最優先だとでも言うように、音声が流れ続ける]
―― 中央 高層 ――
[もう一度、別のルーンをとマリアが魔導砲をシュウに向けたとき、ズィルバーンから発せられた銀色の矢]
『……あなたは、そっちなのね』
[どこか残念そうな声がマリアの喉から漏れる。
私は身体を捻って避けた。軽く避けられはしたのだけれど、随分大回りな動きになり、体勢を復帰させるのが遅れた]
『倶利伽羅不動 ―― sowilo ――』
[マリアは左手をがしゃこと引いて、2つの機体に向かってホーミング弾幕の太い筋を放った。マリアが目を上げる。ずっと通信していた友人の機体があって]
『……ごめんね』
[マリアの唇が、シャノンに向かってそう動いた]
ウィリーさんっ
[不意に入った通信に、思わずそちらを見上げようとするのを必死でこらえ、代わりに声を上げる]
…
…了解…しました…。
[告げられたのは、警告の声。分かっては、いるつもりだった。それでも。また、知らないうちに傷つけられるのがいやで、焦ってしまっていた。
悔しさは、友達を信じられなかった自分に向けたものか、あるいはすぐに駆けつけられない現状に向けたものか。
それらを全部一緒くたに飲み込んで、眼前の機体に集中する。
これは、敵機だ]
[だけど、私は、様々なものを背負った人々が飛ぶこの舞台に、いずれは立ちたいと、ほんの少しだけ思ってしまったから――]
ありがとうございます。
あなたは――確か選手データによるとニーナさん、ですよね?――勝つために必要な強さをもっていると、私は思います。
だけど、他の人もきっと、その強さを持っているとも思うから……まあ……強さをぶつけ合うのを、楽しみにしてます。
[むしろ私の方が呆れられるんじゃないかと思いつつ、最後に一言]
そして願わくはいつか、同じ――舞台で飛べることを。
[同じ空で、とは言わなかった。
なぜなら空は、つながっていると、少女は信じているのだから]
――“あたし”は、……“私”はっ!
[再びの記憶。漂着した時の。
目覚めたとき、初めて見た二人の老人。
心配げに覗き込む眼差しと、機械油の匂い。
暖かな、記憶]
――壊したり、なんかっ、しない!!
[音声が止んだ。替わって球体スクリーンに映し出されたのは、マリアが放った極太のホーミングビーム]
それがそもそも間違っているんだよ!
敵がいやなら、競争相手とでも言ってやろうか。
お前が堕とさないと言っても、こっちはお前を堕とす。
[三日月の光が、黒に当たり…歪むのが見えた。
上方には逃げられないと思ったリトルアースから星型弾が辺り一面に散りばめられる]
それでも、逃げるか?
[星は、黒い壁をすり抜け、稲妻は星と相殺される。
男は弾幕の中を避けずに一直線にリトルアースのほうに向けてくる。
弾幕に当たった部分の装甲値が減っていく]
[やがてピットから全ての機体が飛び去って、しばらくの後。
少女はグレンに声をかけた]
私はそろそろ降りてもいいですよー。
[なんだかんだで間近でピットインの様子が見られただけで満足した様子のリーダーも後方にいる。
かくして少女は地上に戻る。
胸のうちに決意を秘めたまま――**]
[マリア機はこちらをターゲットとしてはいるが、それでも完全にシュウがターゲットから外れてはいない。]
何とかターゲットをこっちにだけ持ってこさせたら……。
[そこで、バランスを崩させるために、レーザーを竜の翼に向けて打つ]
銀色の矢、収束弾!
翼にダメージを受けては、こちらにターゲットを変えざるも得ないだろう……。
[繋がったか繋がってないかはもうどうでもいい。
行動、ズィルバーンの攻撃先を見て判った。
――少なくとも]
こっちじゃあ、無い!
[攻撃目標、ズィルバーン。
機軸を、銀色の機体に向ける。]
こっち向きなさいよ、二番手さん!
『ガトラル』徹甲モード、コントロールオープン!
ええ。
いずれ墜とすことはあっても、今は撃墜するつもりはありませんでした。
…ほんのつい先ほどまでは。
[けれど、状況がそうはさせないことは分かったし、相手はどちらかが撃墜するまで通してくれるつもりもないらしい。
なら、倒す。落とす]
小官は逃げたいのではありません。ただ、
…ただ…
[友だちのところに、駆けつけたいだけだ、なんて。止めよう、事ここに至って、もう、問答は無用だ。
…アンリミテッドコードを使用すれば、現状の打開も?という思い付きを、即座に否定する。
戦いがこれで終わるわけではない。全力で戦うことに違いはないが、後に残す力も考えなくては…
思いながら、真っ向から向かってくる黒い機体を見つめる]
フヅキ、弾幕兵装甲・乙連結。
コードムーンエイジの余剰出力を兵装に継続供給、
コード・アカツキ―――
[連結され、正面で構えられた弾幕兵装に光が集まる。
ぽう…と光が生まれ、きわめて遅い速度で射出される。ぽう、ぽう、ぽう、と、次々と、目前の空間に“月”が生まれる]
―――白昼の残月。
[速度こそないものの、巨大さと、そして弾幕を相殺するに十分なエネルギーを持った光球の群れが、襲い来る黒い機体を迎え撃った]
[しかしこちらも飛べてはいるが限界が見え始めている。]
くっ……。
やはり一時的な物だった……のか。
それでも、何とか少しでもダメージを通してやる!
[次にレーザーが選んだのは竜の首部分。
ここにダメージを通すのも致命傷になりそうだと踏み、強いレーザーを撃ち込む]
[男はただリトルアースに機体を向けていたわけではなく。
チャージをしていた]
チャージ、シュート!
[男は、太陽のように輝く光弾を作り出し、それをリトルアース、いやそれが生み出した月に向かってぶつけた]
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新