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僕がそれを意識し、決定的に意思を持って闇に抗い、世界を作り変えようと決めたのは、ナルキッソスが光と闇について知るべく僕に接触した時だった。
あの時、闇が噴き出したのは、僕らの願いが噛み合ったからだったんだろう。
彼は愛のない男だった。
多くの人々と、同じように。
ただ、彼は飛び抜けて美しかった。
彼の美しさは、神々をも惑わせた。
多くの人が彼の前に無条件で膝をつき、その手に口づけすることを求めた。
しかし彼は、愛するということをしなかった。
彼は綺麗な自分が好きで、その自分に何を知ろうともせずに群がる神や人を嫌悪していた。
彼が自分の役に立つものだけを選り分けて自分の傍に置くようになるまで、大した時間はかからなかった。
やがて、彼に向けられた愛と欲望は嫉妬と憎悪へと変わる。なぜ、彼だけがあんなにも美しいのか。なぜ、彼は自分のものにならないのか。なぜ、彼を自分の思うままにできないのか。
人々は彼を傷つけるようになった。
神々は彼を呪った。
傷付き呪われた彼は、その容姿と引き換えに、愛という感情を知ることができないという枷を与えられることになった。
それは、絶望だ。
人の愛と欲望を一身に受け、しかし自分は誰を愛することもできない。
やがて彼は孤独になり、自分の姿だけをその目に焼き付けて、死んだ。
彼は愛を知ることを望んだ。
それは光と闇を知ること。
彼は誰かを愛することを望んでいたし、愛することができると思っていた。
「だって、それは当り前のことじゃないか?」
だが、旅を続けた彼が見たのは、ほんの少しの「愛らしきもの」と、多くの「愛ではない何か」だった。
彼は多くの人と神から直接呪いを受けていた。
自分が人を愛せないのはその呪いがあったからだと思っていたし、事実そうでもあっただろう。
だが、多くの人と神は、彼と同じように、自分しか愛することができない。
それを僕は身にしみて知っていた。
彼はいつしか、僕に辿り着く。
遠く世界の根源へと至る門。
でも、彼がそこで見たのは…
人の心の闇に飲まれぽつりとたたずむ、聖杯という名の、世界を構成するちっぽけな一要素だった。
それが僕だ。
そう、この闇は、
君たちが、そして僕たちが、生んだ闇…。
すべての思いと願いの奥に潜む、闇。
君はこの闇を見てなお、絶望せずにいられるかい。
この闇を背負い、生きていくことができるのかい。
僕らがどれだけ手を伸ばしても。
すぐに闇に飲み込まれ、見えなくなってしまう。
闇は僕らを包みこみ、喰らい尽くそうとする。
それでも、君は…。
そのままで、いられるのかい。
そんなものは知らぬであるよ。
[大の字に倒れる。すでに身を起こすだけの余力もない。]
選ぶ余地さえない人生であったからな、我が輩は。
[全ては領民のために。ただそれだけの人生に於いてどれほどの選択が出来たというのか。最愛の妹ラドゥにさえ、性別を偽らせるほどの道を歩ませて。]
だが、まあ、そうであるな。
この身になって判ることもある。
[懸命に右手を持ち上げる。目を開けてみても力なく震える腕は闇に溶け、指先さえもよく見えない。]
蝙蝠など、闇の中でも生きているのよ。
闇は畏れるものなのかね。流れる時間の半分は闇の中であるよ。
光が届かなくても、何も亡くなりはしない。ただあるがままに受け入れればいい。
――それだけであると思うがね。
[再び目蓋を閉じる。]
ただ、ひとつだけ我が侭を言わせてはくれんかね。
そのための聖杯なのだろう?
光が届かなくても、
何もなくなりはしない、か…。
ふふ。
そうかもね。
闇とともに生きる決意、それが君にあるなら…
僕はただ、願望機としての役割を果たそう。
でも、忘れちゃダメだよ。
その決意を。
闇が消えることはない。
「僕ら」が抱えた絶望も。
君のような人がいつもいて、「僕ら」や「闇」を受け入れて、そして止めてくれることを。
僕らはどこかで、願っているのかも、しれない…。
[声の主が立ち去った。闇が晴れていく。]
我が輩はもうこりごりだ。
次の機会は他の輩に任せるであるよ。
[掲げていた右腕をぱたりと床に倒し。
果たして願いは叶うのかなどと考えるも、サーヴァントとなった身ながら、いまは深く眠りたいと意識を閉ざした。*]
[「聖杯」は、最後に肩をすくめたようだった。
その姿は、ナルキッソスのそれと重なっていた。
声は届かないが…
その口は「じゃあね」と動いたようだった。]
[闇が沈み、やがて見えなくなっていく。
すっかり闇が晴れた後には、願望機としての役割を果たすべく力を満たした聖杯だけが残っていた。]
・・・・・・
[空が晴れていく。3年前から続いていた闇が消えていく。
全てを失い、沢山の物を破壊してしまった。
取り戻せはしない過ちを多く背負った。
しかし、無頼はいまだに生存していた]
[自害や介錯の願いも考えた。
だが、最後のナルキッソスの言葉を思い出し、少しだけ踏みとどまっている。
周囲を見回し、神社の境内の隅に退避し事の終わりを見守っていたラナを見つけ、ゆっくりと近づいた]
生きていたか。
ナルキッソスに何を頼まれたかは判らないのだが、最後に君を頼むといわれた。
少なくとも、バーサーカーがいた頃に君に色々嫌な事を言ってしまった。すまないと思っている。
[近付く気配。ゆると其方へ視線を向けて――
じり、と。一歩後ずさる。身構えるのは当然とも言えた。
聖杯戦争は終わったと言え、 流石に、過去にあり過ぎる。]
――…、当然。簡単に死ぬ心算は無いしね。
[死なないよ。 一つ溜息混じりにそう呟いた。
セムルクに、生きてくれと。 そう言われた。
…その彼の望みを叶える為に、此処まで来たのだから。
謝罪の言葉を聞きながら、一つ肩を竦めた。
全く、随分な事を言われた記憶は、ある。]
謝るぐらいなら、初めから言わなければいーのに。
…本心だったんじゃなかったの、アレ。
――其れでいて謝られたら、逆に怒るよ?私。
頼まれた?
…って、おにーさんに判らないのに。
[自分が判る筈がなかった。
ナルキッソス。 先の戦闘の時を覗けば、一度逢ったきり。
セムルクと共に逢って、暫くの会話を交わして。それきりだ。
――それ程に、気を掛けて貰った記憶は、 否。一度灰銀を瞬く。
そういえば別れ際に――彼らの望みと、
矛盾する事を言われた記憶はあるけれど。
…この結末に、彼がどう思ったのか。今更知る術は無い。]
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