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……………。やっぱり、許せないな。あいつら。
とてもじゃないけど、一発殴るだけじゃ気が済まない。
[ぽつりと呟く。
視線は、矢口を見ているようで、見ていなかった。
盗み聴きされていようがいまいが、関係がなかった。
言ってから恥ずかしくなったのか、瞬いた後、俯く。]
………。もし、その気になったなら、いつでも言ってね。
あいつらの都合で矢口さんが無理をすることなんてないし、……焚きつけてまでさっさと次を探さないと特別プログラムだなんて、どう考えてもばかげてる。
[そんなことにはさせない、とダンボールの中で目を瞑った。]
-208号室-
[朝食を食べた後、iPodnanoで音楽を聞きながら、部屋でボンヤリしていた。時間軸的に、きっと御手洗イベントには遭遇していない、筈]
山田くんはどうなの? …かぁ。
[矢口からの問いかけに、改めて自分を省みた。
親に閉ざされていた、女子としての自分。女の子として恋愛が出来る状況下に立って初めて思い知らされた事。]
アタシ……
男子から…女の子として…見られてない、よ。
ど、しよ。
[――どうして、鶯谷が怒るんだろうか?
疑問を咀嚼して、しばらく。
少し表情が、綻んだ]
……ありがと。
鶯谷くんは、優しいねえ。
[きっと、自分が、杏を泣かせた城に腹を立てたようなもの。
つまりは、鶯谷は、自分を心配してくれたのだ。
結論づけて、感謝を口に]
[表情が綻ばせてくれた矢口に、ほんの少しどきりとしたが、今は不謹慎だと軽く首を横に振った。
それから、ダンボール越しで見えはしないだろうけど、阿太郎もほんの少しだけ表情をゆるくした。]
優しくなんて、ないよ。
この前の件で僕も腹を立てているだけなんだ。
……本当は、自分で言いたかったんだから。
[最後の方は拗ねるような響きが含まれていた。
とにかく無理はしないでね、と言い急ぎ足しておいた。]
― 娯楽室 ―
『キングクリムゾン!!!』
[宇留間が階段を通過する時間を消し飛ばした! 宇留間が娯楽室にやってきたという結果だけが残り、階段を通過する過程は誰にも知覚されない!]
[……いいのか、それ?]
いいんじゃないか、な?
……。
[風峯と更科がいなくなったらしい事は知った]
ん。
[自分もいずれ、ここを出て行くのだろう。恋愛の末に出るのか、恋愛できずに出るのか、それはわからないが]
[だが]
前者が想像できないなあ。
[つぶやいた]
[どんなに仲良くしようと思っても、それは男子同士というかぶっちゃけオカマ扱い…
フラグを立てに行けば、スルリと逃げられる…
鏡を見ては、溜め息をついた。
何とかして、自分がスタート地点に立つ方法を考えないと、せっかくのチャンスを棒に振ってまた、御曹司としての生活に戻る羽目になるっていうか、自分のための特別プログラムで待ち構えて居るのが、本当に
"見た目はオンナ機能はオトコ"
という、なんとも複雑極まりない展開にもなりかねない。
*色々考え込んでいる*]
―食堂―
[出来上がったパスタは少し女子向きだったかもしれない。
自分の分を食べて、それからサンドイッチもいただく。
ソースは人数分作ったが、パスタはいる人数分だけゆでておいた。]
……なんだろ。
[矢口とダンボールの様子に首を傾げた。
良く声は聞こえない。
聞きに行くのもなんだか、のような気がしてその場に佇む。]
……。
[宇留間は右手の指をくねくねと動かした。ピンポン球サイズのゴム弾が指の間に現れたり消えたりする]
〈霊光弾/ショットガン〉!!!
[宇留間の右手からゴム弾が3(6)個飛び出して、壁へと激しくぶつかった]
[どんなに仲良くしようと思っても、それは男子同士というかぶっちゃけオカマ扱い…
フラグを立てに行けば、スルリと逃げられる…
鏡を見ては、溜め息をついた。
何とかして、自分がスタート地点に立つ方法を考えないと、せっかくのチャンスを棒に振ってまた、御曹司としての生活に戻る羽目になるっていうか、自分のための特別プログラムで待ち構えて居るのが、本当に
"見た目はオンナ機能はオトコ"
という、なんとも複雑極まりない展開にもなりかねない。
*如何にして男子とガッツリ恋に落ちるかを、色々と考え込んでいた*]
[ずっとここにいるのもなんだと思い。
キッチンから出る。
音を立てないよう食堂から出た。]
そういえば。
[エントランスに来たところで、行ってない場所があるのを思い出した。
――娯楽室。
自分が行くのはなんだか憚られていけなかった場所。
そっと覗いた。宇留間がいた。]
三発…。
[見てはいけないものを見た気がして、又閉じた。]
……。あれ?
なんだか憐れみを受けた気がしたけど。気のせいだったかな?
[宇留間は不思議そうに扉の方を見た。扉は閉じられている]
そ、そういえば、碓氷さん遅いね。
[キッチンに行ったまま結構な時間が経っている。多分。
先ほどのことを引きずってか、どもってしまった。]
結城くんもどこかへ行っちゃったし……。
もしかして僕。
自覚ないだけで、魔除けが擬人化したとかだったんだろうか。
[また訳の分からないことを。]
[扉を閉じてしまってから、少しの時間そこで宇留間が何をしていたのか考えた。
何かの特訓だろうか。
でも風峯はすでにいない。
なんとなく気になって、又ドアを開けてみた。]
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