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…………。
[何となく。本当に何となく。
新たなダンボールの切れ端を取り出し、書き加え……ようとして。止めた。
こういうのを文で聞くのは、卑怯だ。]
矢口さん。
[碓氷がキッチンにいることを確認し、顔を出す。
そして、ちゃんと矢口を正視しながら言った。
かつては憧れていた人を正面から見つめるという性質上、ほんの少し赤くなっていたかもしれないが気にしない。]
最初の時のこと、覚えてますか?
[盗聴されていても差し障りのない範囲で言葉にする。]
(キャストオフ) あたろーは、矢口 恵子から覚えていると答が返ってきたなら、今は(脱出したいのかどうか)どう思っているのか*聞くつもりだ*。
―2階廊下―
[次元を越えたわけではなく。
長風呂の間に、階段での騒ぎは終息していたに違いない。たぶんきっと。
肩にタオルをかけ、205号室に戻ろうとドアノブに触れる。]
……。
[触れた手を戻すと、廊下を奥に向かって歩いていく。
203、と書かれたドアの前で止まると、コンコン、ドアをノックする。]
……結城、居るか?
[返事が無い。ただのしかb……ではなく、留守なのだろうか。
カチャリとドアノブを回すと、何の抵抗も無く扉は開いた。
そのまま部屋の中に入ると、そこには人の気配は無かった。]
……。
[誰もいない部屋を見て、一つ溜息を吐く。
ほっとしたような、気が抜けたような、複雑な気持ちだ。
窓際に椅子を持ってきて、そこに座ると窓を開ける。
少し涼しげな風が前髪を*揺らした*]
―203号室―
[窓の外の日の光が、少し傾きかけてきた。
しばらくそれを眺めていたが、ふ、と息を一つ吐くと、立ち上がって部屋を*+後にした]
―食堂―
[昼食ができるまで、昼食を終えるまで、昼食を終えてからのゆるやかな時間。
その間、結城丈二はなるべく話題に混ざらないようにしながら、食堂に集ったクラスメイトたちのやりとりを観察していた。
鶯谷と矢口のやりとり。碓氷の様子。姿を見せない葛城。なにやら物憂げな西野、ガルシアの筋肉美。ああっわんこが、わんこが矢口さんのmなんでもなかった。丈二が見ていたものの描写はほとんどがIFでできています。]
さて、と、、、。
[弄っていたi-Podをポケットに押し込み、結城丈二は食堂から出て行った。]
[結城の去り姿に阿太郎は小さく小さく呟いた。]
幾ら妄想でも許さんよ結城丈二!
[今の阿太郎はエスパーフォルム。
あれ持ってるのはフォークだ。まあいいか。]
[鶯谷の問いには、覚えていると、頷いた。
ただ、それに続く問いかけには。
少し、陰った微笑を浮かべて、曖昧に応じた]
……普通に出れたら、それが一番、良かったんだけどね。
[大きく、息を吐いて]
いまは……すぐには、判らない。
いなくなっちゃった、ばかりだし。
[好きな人が、とまでは口にしなかった。
言葉を終えて。どこか遠くをみる目になった]
―ログハウス周辺―
[ 階 段 下 で は な に も み な か っ た !
さて、頭にフォークを刺した結城丈二はとりあえず外にいた。
夕日が沈もうとしている。強引だ。
i-podから流れてくるのはJUN SKY WALKER(S)。ガラスの街は名曲だ。ステキな夜空も名曲だ。心にしんみりくる。
どこかでは雨がざばざば降っているようだが、この島は相変わらずのいい天気。夕日が辺りをうすく朱に染めている。
ゆるやかに、涼しい風が吹く。ログハウスから少し離れたところに腰をおろし。丈二はこれからのことをいろいろと思案するのだった。]
―――。
[初めて見る表情だった。
勿論、フォークが刺さった結城のことではない。というかこんな行(くだり)を書かなければならなくなった要因(じょうじ)を後で始末しておこうと思う。
それは日常よく見る笑顔ではなく、かと言って誰もいない場所で詰まらなさそうにしている表情とも違った。]
そう、なんだ。
……ごめんね。聞くタイミングが、悪かった。
[いなくなったばかり、ということは、プログラムでいなくなったのだろう。そして対象のなる相手は限られている。
推測は出来ても、確かめることも、ましてや「残念だったね」などと薄っぺらい慰めを口に出来るはずもない。
けれど、今の問いかけで少なからず矢口は胸の痛みを思い出したのかもしれないと、想像することは難しくなかった。]
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