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カルロス。本格的な下ごしらえが必要な料理など、僕が作ると思うか?
双海は勝手に出ていったんだ。まずい飯に文句は言わさんよ。
手持ち無沙汰なら食器でも洗ってくれ。全員分の皿の用意も頼もうか。
確かにそうだな、いきなりクラスメイト同士で強制的に恋愛など・・・
[ただ馬鹿騒ぎしているのではない、皆なりに努力しているのかもしれない。少しだけ考えを改めた]
そう考えると、この状況に対して逃げる事しか考えていない私は愚かだな。
[一歩、二歩、前に出て。
白い手袋をはめた、青い雷の唸る左拳をぎゅっと握り。
半身をばねにし、渾身をこめて。
――モニターの戸田の顔面へ、稲光と共に一撃した。]
[拳を打ちつけたまま、鶯谷阿太郎はその場に崩れ落ちた。
モニターがどうなったか。
残念ながら、途絶える意識の中では分からなかった。]
…は?!
[理解が出来ない。そんな顔をして城を見た。
なんかまた抱きしめられた。
流石にちょっと前までベッドの友達だった病人相手を
全力で突っぱねられるほど極道ではない]
…。
何やの、それ。
[うまく憎まれ口も出てこなかった]
え、あの、ええと、、、。
[視線が泳ぐ。]
御手洗と一緒にあの“精霊”と山で会って、ちょっと、、、その、、、なんとなくそうかなって、うん。
[なんだろう、後ろめたい気分だ。ごにょごにょと答えながら、一度だけモニター室をちらっと振り返り。更科を食堂へと促した。]
逃げようと、してたんだ?
私も、できないと思ってたし、今も出来ないんじゃないかなって思ってるけど。
でも考えたら。
恋愛って努力してやるものでもないよね。
それで恋愛して少子化対策なんて、やっぱり何か違う。
それとも、政府は子どもさえ生まれたらそれでいいのかな。
−島から離れた場所・船−
ん、映像通信が切れたな。
何処かやられたか?
「さぁー?向こうに行く必要があるかもしれませんね。
まぁ、音声は生きてるから何かあっても基本大丈夫でしょう。
向こうに映像が届かなくなっただけですし、こっちから向こうに紙芝居配信とかする必要が出てこない限りは。」
ま、そうだな。
……構成員への通信機能も生きてるし、問題はない。
…。
[一筋の希望を、探そうとする。]
…。
[みつからない。]
…。
[…。]
…。
[…。]
…。
[…泣かない。泣かないぞ。]
――てかあのモニターの修理代だれが出すの。
「知ってます?戸田さん。
責任者って責任を取るためにいるんですよ。」
………上へのいいわけ考えとくかな。
なんとか責任を麻黄あたりに押し付けられねぇかなぁ。
「無理でしょ、常識的に考えて*」
[――目もくらむような閃光が、部屋中を満たして。
それが消えたとき、鶯谷(仮)が、倒れていた。
モニタは罅割れ、煙を噴き上げている。バチバチと、なんだか変な音もする。
画面が黒くなっているのは、通信が切られたのか、壊れたのか。判らない]
ええと……意味、判らないけど。
[倒れる鶯谷(仮)に近付いて。抱えて起こす]
あのヤクザ顔、殴りたいと思ってたんだ。すっきりした。
なにかすごい音聞こえましたが大丈夫ですか、トーマス?
[そういえばこのi-podもたいがい酷い目にあってるけれど壊れないな、とか思ったとか思わないとか。]
そうかも、しれないな。政府にとって恋愛よりも結婚・出産という結果だけを見ているのかもしれん。
とはいえ、否定する気にもなれんな。少なからず日本という国には見合いという文化もある。恋愛ではない出会いの結果に幸福な家庭が存在する可能性は否定できないし、この現状もある意味異質ではあるものの見合いなのかもしれない。
いや、見合いよりも健全かもな。こういった閉鎖空間・極限空間では種の保存に感情が向かいやすい。人工的ではあるが恋愛も発生しやすいだろう。
……カルロス、大丈夫か?
[漢泣きをこらえているかのようなカルロスの背を叩く。
この2人が並ぶと大きさが色々とおかしいことになるが気にしないでおこう。]
…?結城?
[泳ぐ視線に、首を傾ぐ。]
…そうなのか、
…まあ、山の中で何かあったんだな。
[深くは聞かない。
そういうスタンスだった。
モニター室から派手な音がしたので一度引き返しかけた が、促されれば後ろ髪引かれながらも食堂へと向かった]
→食堂
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