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……。
[視線を逸らして挨拶をしてきた結城に、少し困ったように笑って手を振り返す。
風峯と少し話したからか、胸のもやもやは少し晴れていた。]
……身体の方は大丈夫か?
綺麗事なんざ、そこらの詐欺師でもいえるっつうの。
少なくとも、俺はそういう意見を真っ向からいける奴を信用するね。
[苦笑しながら、首を鳴らす。]
俺を刺そうなんていう酔狂な女なんていねぇだろ。
つーかこのクラスに来るまで怖がられてる事が大半だったっちゅう話だ。
[ほんと、このクラスはいい意味で異常だ。とお茶を一口。
酒以外では基本ウーロン茶愛好家だったりする。]
お、相方の登場か。
結城………いいバトルだったぜ?
[相手の健闘を讃えサムズアップ。
これぞスポーツマンシップ。]
[ワンピを自分の身体にあて、洗面所の鏡を覗き込む。
鏡の中には、女の子らしい清楚で可愛いワンピをあてた、つり目がこちらを睨みつけている。]
にあわな。
[泣きたくなった。]
[拒否されたこともあって、何となく食堂には行きづらい。今は更科が料理に挑戦しているのだろうか。上手く克服できるといい。
食事なんて栄養が取れれば良いと考えている自分にとって、最近の食生活は普段の数段階上にある。それだけで双海の料理の腕は信頼できるし、二越の配慮もあるからそうそうまずい事態には陥らないだろう。例え陥ったとしても、他にも人は集まっているようだし何とかするに違いない]
……仕事がなくなった。
[呟いた]
―川―
…………。
[流れに足を浸しながら思う。
……やることがない。]
…………。
[鳥がピーヒョロローと鳴いている。]
…………。
[今まで何を基軸に行動してきたんだろうと考える。
修学旅行。本当は休もうかと思っていたけど、矢口を見ていたらうじうじしている自分を変えたくて、頑張ってみた。
シルクのタイツは、もう失ってしまったし、修学旅行も予定が変更されてしまった。
最初は脱出のこと。これはもう、皆が楽しそうなので断念することにした。
逆に恨まれるだけだろう。]
ん、、、なんだかあちこち痛いけど大丈夫だよ。ありがとう葛城さん。
[ところでどうして身体が痛いのか判らない。]
え、相方って?バトルとか、なにがあったの?
[頭の上にはてなマークを浮かべながら、風峯の向かい合わせに腰掛けた。]
‐207‐
[ご機嫌ななめの知奈をなだめすかして、食事を取らせる。
そりゃー起きていきなり別の男がいればそうだろう。
調子が悪くて心細い時ほど訳の解らん展開は堪える]
食べ終わったら、うちの部屋で休んどき。
城がここにおるんやったら、誰もおらんし。
[城は眠っていたので先に御手洗に食事をさせるべく、
206まで知奈を送り、階段から廊下で声をあけた]
誰かー、御手洗どの部屋におるか知らんー?
[その後は……矢口のことを考えていたように思う。気まずかったり、逃げたり、よく分からなかったり、色々。
でも、さっき考えないようにしようと決めた。
後は島の精霊のことだが、これはただの事故だ。
さて、そうなると――。
――何だ。物凄く暇になった気がする。]
…………。よし。
[笹舟を作って、川に浮かべた。
さようなら笹舟。遥か海を目指して頑張っておくれ。]
[サラダも作るなら、と。
大根をおろすのを、半分くらいで止めておく。
大根をもう一本用意して、そちらも半分くらいにすりおろす。
クビの側の半分ずつ。大根サラダにしてしまおう。
ちなみに、葉っぱは捨てずに、とりあえず取っておく。杏ちゃんがなにかに使うかもしれないし]
ええと。青ちゃん、そっちはどう?
[青の進捗状況を確認しつつ、脳内で工程表を組みたてる。
まあ、種にお肉を巻くのはすぐにできる。どっちみち、全部終わらないと焼けないわけだし。
ということで、取り出したるは乾燥ワカメ。水に叩き込んで、おいておく。
でもって、きゅうり。適当に輪切りにしていく。
包丁の音が響く。だだだだーん、だだだだーん。第5のリズム。ありえない。
でもって、大根を細切りに。
桂むきができれば、ツマみたいにするのだが。そこまで器用ではない。
そして、ツナ缶。ぱきっとあけて、油を切る。のせる。
よし終わり。あとはワカメが戻ったらのせて。出す直前に、海苔を刻んでのっければOKのはず。
ドレッシング? 冷蔵庫からだすよ、それは。杏ちゃんなら作るだろうけど]
なんだ結城、俺とお前のベストバウトを覚えてないのか?
お前の連続攻撃をチート性能で俺が凌ぎつつ、最後には俺が6フレームで263263Pのコマンド入力を成功させお前のアナコンダに渾身の滅昇竜拳を叩き込んだんだが。
[そういや大丈夫か?と声をかける。]
相方は、葛城の相方に決まってるだろう。
[ふいにバタンと隣の扉の開閉音、廊下を歩く音、女の子の話し声。
びくぅぅぅぅぅ!!!
っと震え、慌てて碓氷のワンピをベッドの上にそっと置く。
続いて、叫び声がする。アンのものだ。]
ななななななな、なによなによ。
[その内容に心当たりがあって、208号室のドアを開いて廊下に顔を出す。]
[ホットプレートの温度調節を任されると、焦げ目がつき過ぎないように注意しながら温度を操る。
矢口と葛城が来ると手を振った。
なにやら多角形な人間関係が形成されているようなのだが、たぶん気づいていない。]
いい匂いしてきたー。
[ホットプレートから目を離すと、双海の姿が消えていて、辺りを見回した。]
[ゆっくりと歩きながら、娯楽室の中を見回っていく。先ほど更科と来たときも驚いたが、まさに玩具箱のような場所だ。なぜか部屋の隅に布団まで用意されている。眠くなったらここで寝ろということか。
戯れに部屋の壁に立てかけてあるギターでも鳴らしてみようかと手に取るが、どうせ弾けないのですぐに戻した]
手持ち無沙汰。
[まさしくそれだった。大きく息を吐いて、人のいない娯楽室を見回す。棚に野球のボールが置かれている事に気付いて、手に取った。
軟球。真新しい、遊具]
………………。
[右手だけのお手玉を三度ほど。握りを確かめ、手近な壁に向かって思いっきり投げた]
お〜〜い、アンちゃん。
おトイレは、ジョージが自室へ連れ込んだよ〜。
[そう言いながらのんびり廊下に出て、双海の方へ。]
ジョージ、おトイレと愛をはぐくんでこっから出ようとしてるみたいよ。ほんとアイツ、おバカよね〜。
きゃはは〜
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