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それじゃあ、飛ばされた人たちは。みんなは。帰って来れないかもしれない。
飛ばしたのはドンファンくんじゃなくあの機械だから。
あの機械を利用できないと、会えないままになるかもしれない。
[と。それが、箱舟を破壊しながら、玉座の間だけを標的から外した理由]
それに。
…これは、わたしも甘く見すぎてたけど。
この舟の力は、強すぎる。
舟をそのまま飛ばしたんじゃあ、飛ばした先が壊される。
まさか、それでいい…なんて、言わないよね?
[彼だって、彼なりの正義を背負った人間なんだから]
つまり、こういうこと。
舟は、どうにかしなきゃいけない。
舟に飛ばされた人たちも、連れ戻さなきゃいけない。
それから、舟にもうこれ以上なにかを壊させちゃいけない。
…でも、その方法は。
[最初は、暴走したジェネレーターを使って。生じた歪みに自分が飛び込んで、向こうにいる人たちをすぐに連れ戻して。そして、暴走が破壊に移る前に、ジェネレーターを宇宙へと投げ捨てる…つもりだった。
たとえ自分の命に代えてでも。
けれど。
その見通しさえ、甘かった。アニュエラが埋め、グラジオラスが張り巡らせてくれた制御さえ跳ね除け、既に破壊を始めたジェネレーターは。もう、自分の手に負えるものではなくなっていたし。
いま、こうして、ゆーが。世界が、凍らせてくれていなければ。そもそも、ここにこうしていることだって、できなくなっていたかもしれない]
…方法は。
もう、君の力に頼るしか、残ってない。
だから、ドンファンくん。考えて。
君の力は、君にしか使えない。どれだけ制御できるかだって、君次第。
[だから。考えなしに力を振るうだけの彼には、任せられない、と。一度は切り捨てようとしたのだけど]
成功するまで挑戦できるようなチャンスは残ってない。
こうやって凍ってるのだって、いつまで保つか分からない。
その状況を、君に頼るしかないんだよ、ドンファンくん。
[すぐ目の前にまで持ってきた顔をじっと見つめて。告げる]
…君は、愚者になるって、ゆーと約束した…って、言ってたよね。
[不意にこぼれたのは、唐突な問い]
なら、今、ここで。ほんの短い間だけでいい。
ここを乗り切るまでだけでもかまわないから。
いまだけは。勇者に…英雄になるって、わたしと、約束して。おねがい。
[じっと、瞳を見つめて。告げて]
…それでもまだ分かんないっていうんなら。
今すぐ何十発だってぶん殴ってやる。
[物騒なことを言って。突き飛ばすように、掴んだ襟首を離す]
もちろん、ただでなんて言わないよ。
――――ほら。
[言葉を口にしながら。ジャスティス急便のロゴが入った帽子を、おもむろに外して。その中から、ばさりと長い髪が、こぼれ出る]
これ。勇者装備。
なんとびっくり世界も認めたお墨付き。
ほい。
[その帽子を。ぼふっと強引に、彼の頭にかぶせて]
それ被ってる間に、ジャスティス急便の社名に恥じる行いをしたら、あ と で 必ずぶっ飛ばす。
[…まぁ。正直なところ。人にとやかく言えるようなこと、自分だってできてないんだが。それはいまは内緒だ]
…じゃあ。ここは、任せたから。
わたしにできること、ここには、もう、ないし。
[告げながら。グラジオラスとシャルロットにもどうするか、聞きながら]
…わたしにできるジャスティスは、ここまで。
だから、もう、行かないと。
[ジャス天号のスタンドを、上げて。ぽんぽんといたわるように、そのハンドルを軽く叩く]
ごめんね、ジャス天号。
ほんのちょっとだけ。ジャスティスでもなんでもない、わたしのわがままに付き合って。
[言葉とともに。ペダルへと足をかけて]
じゃあね。
がんばんなよヒーロー!
[最後にドンファンに告げたのは。奇しくも彼と最初に会ったときと、よく似た言葉。
その一言を残して。凍りついた世界に、一陣の風が吹いた]
―凍るジンロウ町―
[すべてが静止したそこを。髪をなびかせ、疾り抜ける。加速は止まることなく、時さえ追い越そうとするように。ただ、だいじなひとのもとへ、駆けつけるために。]
…ゆー。
[勇者であり続けるっていう約束も、したけれど。それとは別に、もうひとつ]
[こんどは。こんどこそ、ずっとついてるって、いったんだ]
ゆーり…
[風に乗り、風を超えて、風を突き破り。ジャス天号は、ジンロウ町の中心街へ]
[あとでまたあおうなんて、まってなんかいられない]
ユーリエッタぁああああああ!!
[あとでじゃない。いま。すぐに]
[はらりと散る、あおいはなを、掴もうと、するように]
[そこにはもういない、けれど、胸元に、たしかに感じるあたたかさを頼りに]
[だいじな、だいすきな、ずっとずっとさがしていたひとのなを、よびながら]
[カンナギは、そこに、手を伸ばした]
― 回想・噴水前 ―
「ウチはジャスティス急便。そんなときは、配達一件お願いします、だよ。」(>>124)
えへへ、そうでした。
んじゃ、世界のジャスティス急便様。
ユーリエッタ=ル=ダルク様からのご依頼で、自ら役目を果たしたこの赤薔薇の配達をお願いします。
依頼主は、ユーリエッタさんなのでお代と領収書は、「ユーリエッタ様」でお願いしますね。
[そういって、悪戯っぽく二人へ微笑み、ジャス天号へ。]
― 玉座の間 ―
[いつもの1.61倍(当社比)のスピードでジャス天号は天を駆ける。
あっという間に玉座の間に到着]
お勤めご苦労様でした。(ぺこり)
あ、ちゃんと領収書を依頼主さんにお届けしてもらうところまでが、お勤めでした。
[カンナギに頭を下げると、慌ててグラジオラスの元へ駆け寄る。]
ただいまぁ!
[とびっきりの笑顔でグラジオラスに飛びつくのであった。]
―回想・玉座の間―
悪いがもう一度説明しなおしてくれ。
もっと解り易い例えで、だ。
[ユーリ達が去った後、玉座の間では静かな戦闘が2つ繰り広げられていた。
1つは箱舟中に咲いた魔法の花が自分達の居る所を避けて他所へと魔力を吸い上げるように宥める事。
もうひとつは…]
だから。
もう一度その次元じぇねなんとかの仕組みをだな…
[以後どうして行くのかの説明を聞いていたが理解の範疇を完全に越えていた為、ドンファンに何度も同じ説明をさせていた]
結局どうするのだ、壊すのか?止めるのか?それとも我々で扱えるように制御するのか?
しかし壊す・止めるにしても真下には町があり人々が居て…花達が生きている。安易な手段では全てを巻き込む事になるぞ。
[暗に、此処ではない場所へ行こうと言っているようなもの]
―回想・玉座の間―
…正直、この花達を抑えていられるのもそう長くはないのでな。本当に箱舟中に魔力が溢れ出ているというのに何故此処を…
[チラ、とジェネレーターのある方へを振り向いた]
なるほどな。
全く、魔力だけでは飽き足らずいじげんの力も欲するとは…グルメな花になったものだ。
どうせなら中立亭のカレーを食えば良いのに…
[中立亭の名を出した時、ほんの少し懐かしげに目を細めた。残ったアリアや皆は無事だろうか、と。]
―回想終了―
[凍りついた世界。冷気はほとんど感じないが、視角内に入るものはほとんど全てが凍り付いている。
カンナギがドンファンと会話している間に、彼女の動きを出来るだけ阻害しないように、グラジオラスを抱きしめながら話し始める。]
ユーリさんは「せかい」だったの。
さっきまでいたあのユーリさんはただの「幻影」で、本体が他の場所で閉じ込められていたの。
それで、「せかい」さんを閉じ込めていた檻の『鍵』になれるのが私しかいなかった。それが私の役目だった。
だけど、ちゃんと終わったよ。たぶんこうやって、いろんなものが凍ってるのも、解放されたユーリさんの力じゃないかな。
だってほら、こんなにカチンコチンにいろんなものが凍り付いているのに、全然寒くないでしょ。
これで、私の役目は終わりかな。後はこの箱舟を何とかしなきゃね。
[自分がやってきた事を一通り説明し、三人が不在にしていた間のこちらの状況を確認するだろうか。]
―現在・玉座の間―
[案がまとまったかまとまらなかったか、いずれにしても実行するには自分達だけではやはり足りない、とカンナギ達の帰還を切に願っていた]
「まいど」
[目を閉じて再び魔法の花の制御に集中しようとした時。
鋭い風と共に聞き慣れた言葉が飛び込んで来た]
良いタイミングだ、ジャス便。
最近は注文せずとも欲するものを届けてくれるサービスも行っているのか。
[ジャズ天号の後ろに視線を向けて大鎌を床に突き立てたまま両手を離す]
おかえり。
[一番最初の頃よりも幾分か優しくなった抱擁でシャルロットを出迎えた]
[不意に魔法の花達の動きが鈍りだす]
…?
[何故だろうと思いながらも、片腕で大鎌を持ちもう片方でシャルロットを抱き。しばらくの間の話を聞いていた]
青娘が、世界…
自然などではなかった、もっと大きなものだったんだな…道理で花達が怯え・そして尊敬の思念を送るはずだ。
私達が生きる世界そのものなのだからな、当然だ。
しかし囚われて居たとは…またその鍵がお前とは大任ご苦労だったな。って、凍っているだと!?
[言われてみれば寒いような気がする。外を確認したら全てが凍り付いているのが見えるだろう]
そうか…それでこの花の動きも。青娘に感謝せねばな。
こちら側は箱舟をどうするのかという話…しかしていないな。私の解らない言語が多すぎて何度も説明を求めていたのと、安易に行動に出られない状態だからな。
[状況を確認すると、ドンファンとカンナギに視線を向けて]
向こうでも話してるけど、あっちで意見が割れちゃったら私達も動きようがないよね…
ところで、
[周辺は全てが凍っている。人間はほとんど寒さを感じないが植物のグラジオラスはどうだろう。
寒さをいたわるように引き続き抱きしめながら]
グラジィちゃん、へーき?
[同じように視線をカンナギとドンファンに向けて]
先からいつもの奴ららしくないしな。
だがそうなるのも仕方がない、拳でどうにもならん事は…山ほどあるのだからな。
[この冷気ならしばらくは大丈夫か、と大鎌から手を離し]
…少し、寒いがまだ大丈夫だ。おそらく青娘が手加減してくれているのだろう、器用な奴だ。
[いつものワンピースでなくて良かったと軽く笑いながら、少しだけ抱き締める腕に力を込めた]
/*
>墓下の皆様
あー・・・、色々とグダってて申し訳ない。
ドンと墓下が会話できる描写を表で作りますので、誰かしら反応して頂けるとありがたいです。
以下、簡易的な流れ
ドン墓会話→異次元にノア持ってきて壊すぞ!→表で説明→能力発動異次元へ→エピ
―回想・砲撃直後―
ぐっ・・・これは!?
[玉座の間を揺るがす激しい振動とジェネレーターとの共鳴が二重に危機を伝えてくる。 同時に次元の力が膨れ上がり、...にしか見えない周囲の風景を歪めていく。]
(次元が・・・歪む・・・!?)
[異変に気付いた者達が外へと飛び出していく中、カンナギが厳しい表情を崩さずに言葉を投げかけ、拳を軽く当ててくる]
・・・!
[無言で深く頷き、ジェネレーターへと向き直る]
―回想・玉座の間―
[残るグラジオラスが花達へ集中している最中、簡単に次元ジェネレーターについての説明と憶測を何度か話す]
要するに、アレは人の手で作り出した不完全な力なのだ・・・そして今はそれが暴走し、次元を歪ませている。
今はまだ危ういところで均衡を保っておるが、下手に力を加えると本格的に暴走する可能性がある。
だが、放っておけばこの辺り一帯が次元の狭間に飲み込まれ・・・ジンロウ町自体が世界から消え去る・・・
簡単に言えば、この船自体が破壊力の高い爆弾のようなものだ。
対処は・・・今、ここでジェネレーターを破壊しても何も解決しないまま自滅となる・・・そうだな、周りへ被害が出ても影響のない場所で、大火力を持って箱舟毎異次元ジェネレーターを壊す・・・だろうか。
クソッ、そんな場所も方法も・・・思い付かんッ・・・!
[悔しげにジェネレーターへと視線を移す]
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