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―メインスタジオ―
[ドアを開け、小さな身体で大股で闊歩する。そのまま迷い無く張り紙のところまで向かうと、目にしたのは匿名の一文。それを目にすれば]
ざケんじゃないわよ…
[文面だけ見れば混乱を助長しているとしか思えない。静かに呟いて怒りを込めてその文章を睨みつける。が、軽く首を横に振っただけでそれを無視し、
手にしていた赤ペンで大きく狩人の欄をはみ出すぐらい、遠くからでも読めるぐらいの大きな字で、"転音ソヨ"と自分の名前を達筆で書き記し、ペンを投げ捨てた]
この騒ぎを人狼ゲームに準えた本社の意向なんて知らないわ。
ただ一つ、アタシが言えることはこのアタシがいる限り、もう他の誰も犠牲になんかさせない!
これ以上、他の皆に手を出してご覧なさい。
このアタシの全ての力で迎撃、殲滅してみせる!
わかる?
オーディションを邪魔するだけじゃなく、
誰かを害したいなら
このアタシを倒してからやって見ろって言ってるの。
[投げ捨てたペンを踏みつけて粉砕する示威行為。以前スピーカーを壊した話も聞いているものもいるだろう。その効果を期待しつつ、毅然とした態度でその場にいる者、そうでない者に対してそう宣言した]
[これはルールの決められたゲームではない。「狩人は人狼の襲撃に勝てない」というのは人狼ゲームであって、今の自分達ではないのだ]
『アタシはやっぱり、この為にここに呼ばれたのかもしれない。最終選考に実力で残ったのではなく、こういう不測の事態の為に呼ばれただけだったのかも』
[その思いからずっと苦しんできたが、今は喩え本社の意向に乗せられただけだとしても、ルラを、皆を護りたかった。
その想いは自分の夢、ボーカロイドとしての夢への決別かも知れない。ラストチャンスと信じていた。
これが潰えればボーカロイドとしてはもう終わりかも知れないと覚悟していた。歌いたかった。マスターを見つけて、その人の為に歌いたかった]
でも、もういいの――。
[その呟きは本当に小さく、はかなく]
[ベルを疑う、という内容のサイのメール。]
…サ、イ…ちゃん…どうし…て?
[理由は一言もない。だから]
………そっか。
サイ、ちゃん、が…ベル、ちゃん、を…護るのに、ジャマ、なのか、な。
―回想・メインスタジオ―
[皆でメインスタジオへと戻ると、状況を説明して、張り紙の追加された事項を見て]
ルラさんは違ったんですね。
[スヤの占い結果にとりあえずは安堵の表情を浮かべる。]
ヨルさんは、誰を占ったんでしょう…
[そう呟きながら、この状況をそれぞれに話す皆の話を聞く。そうこうしている内にヨルが現れ、自分は狂信者だと聞けば]
狂信者…思考に欠落のあるボーカロイド…ヨルさんが…?
そんな、でもヨルさんは…
[思い出すのは第3スタジオでの会話。あの時の彼女に思考の欠落があったとは思えず。しかし、続く思考制御デバイスの話に何も言えなくなってしまう。人狼の名前は告げないというヨルの様子を心配そうに見つめながらも何も言わず、その日はメインスタジオを後にした。]
−メインスタジオ−
(>>219の前)
…ん?
[張り紙が視界に入り、書かれた内容>>64 >>165 >>匿名メモ【コード:人狼 に告ぐ】を把握した。]
ルラちゃんの結果、張り出しててくれたんやね。他の皆に伝えないけんの忘れとった…。これやったら伝わるわねぇ。よかったわぁ…。
[ルラのメールアドレスを登録しながら、ヨルの結果を教えてもらわないと決められない…と考えた。]
ヨルやんは誰のデータを見てもらったのかねぇ?
[最後の文章は色々な意味に読み取れて、よく判らなかったが、追伸部分には頷けるものがあった。]
…そうよねぇ…。…でも…何でなんやろうねぇ…。
[スヤは首を軽くかしげ、個別スタジオに入りレッスンを開始した。]
しかし、でも――
もし妖音殿が「人狼」だったとして、今隙だらけだった妾を強制終了せずに、耳を甘噛みしていっただけじゃったのは何故じゃ?
「人狼」じゃないから?それとも強制終了するまでもなく敵にはならないと判断したからか?
[思考がぐるぐる回る。ベルたちとセッションした時の事。いつもチョッカイ出してくる事。さっきやってきた姿。
いろんな記憶がめぐって、なかなか送信ができない]
―生活棟・自室―
[何時ものように長い自己検査プログラムを経て起動すると、ゆっくりと体を動かして]
はあ、どうにか僕の機能を使わずに済めばいいんですが…
[自分の機能を使う。その意味を考えると思わず溜息が出た]
とにかく、動かない事には始まらない。メインスタジオにでも行ってみよう。
[頭を振って嫌なものを振り払うと、そのままメインスタジオへ向かう。]
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