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[あたりは、見慣れた狐の村から、鬼の里に変わっていた...]
……。
ははは。バカみてえだ。
狐の声を利用してまで、狐を守ろうとしたのに、この様じゃ……。
俺は、所詮、負け犬……。
やい、夕子、ミナに加え鬼ども。俺は、狐側の人間。
しかしお前たちはこの桂木に一生の屈辱を与えた。俺は、敗者だ。
……敗者は敗者らしく、勝者に従おう。
……負け犬の俺らしく、みじめに服従してやろうじゃねえか。
[...は決心し、夕子のもとへ向かっていった*]
(しかし......いつまでもこのままだとは.....おもうなよ....)
[めをつぶり、息を吐く]
どうかしていた。
夕子と戦うために、お前を追うたものの。
お前の去る姿を見て、お前のおらぬ堂を見て。
俺は取り返しのつかぬことをしたと思った。
それを、お前は・・・
[扇に写る記録。鬼の里の朱里の発言]
俺の腹を察してなお、俺を恨まず。最後まで俺を信じ。
[ようやく、朱里に顔を向ける]
ああ、ひとりにはせぬ。
泣く時も、笑う時も、ともにあろう。
お前を鬼の好きなようにはさせん。
そしていつか必ず、朱里が笑って暮らせる世界にお前を連れてゆこう。
♪このこ どこのこ かっちんこ
このこ どこのこ かっちんこ
こーとろ ことろ
こーとろ ことろ
こーとろ ことろ
こーとろ ことろ……
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