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【出発前日・図書館前】
じゃ、行くぞ。
出発ー!
[背後を確認すると、自転車のペダルを踏む足に力を込める。
図書館の敷地を出る所で、
ちょうど入ってきた人にぶつかりそうになって、慌てて急ブレーキ]
【出発当日(9時過ぎ)自宅前】
いってきまーす
[リュックを背負い 見送る母親を背に走り出した]
…いっくぜー!
[いつもよりも足は軽く体を切る風が心地よかった]
【→学校】
きゃあ!?
[自転車のスピードに慣れていた身体が、急ブレーキで前のめりになり、とっさに両手で紫籐にしがみつく形になる。慌ててぱっと離れた]
わ、わわ、ごめんなさい。
【出発当日(9時過ぎ)学校】
[全速力で走ってきたため息が上がっている 額の汗を拭いながら言った]
…もしかして俺一番乗り?あー!先生お早うございます!
俺が一番?
[既に待っていた引率教師に駆け寄って聞いた 先に博が着てるよと聞くと]
ちぇー残念…
[きょろきょろと辺りを見渡ししおりを眺めている博の姿を見つけると おーいと声を掛けた]
はよっす 博!何見てんの?
[ブレーキをかけた直後、悲鳴と共に背中にかかる重みが増した。
どうやら転倒や落下は免れたようで、ほっとしながら]
いや、俺が悪い、樫村平気?
あんたも大丈夫か?びっくりさせて悪い。
[怪我はないだろうか、とぶつかりかけた相手を見た]
【当日(9時過ぎ)学校】
おはよう、翔平くん。
あはは、残念、ぼくの勝ちだったみたいだね。
また来年頑張るといいよ。
[視線の先にあるものについて訊ねられると]
ああ、これ。バスの座席表だよ。先に確認しておこうと思ってさ。
ぼくは前から3(5)番目みたいだ。
【当日(9時過ぎ)学校】
[来年頑張ればいいという言葉にちょっと感慨深そうな顔になった]
んっ あーそうかぁ博達 来年いねぇんだ…
…座席表か 俺も見ようっと
[表情を戻して パラパラとしおりを覗き]
俺は5(5)番目の席だったぜ
そうだね、来年は中学生になっちゃうし……
翔平くんは6年生か。
一番を狙うのもいいけど、みんなのリーダーにならないとだめだよ。
[のんびりと諭すように言うが、ガッツポーズをする翔平の耳には届いていないかもしれない]
一番後ろがいいのかい?
周りに迷惑を掛けないようにするんだよ。
[博の最初の言葉はほとんど聞いておらず 最後の言葉だけはっきり聴いていた]
大丈夫だよ!俺もう餓鬼じゃねぇし!
[保障のできない返事をした]
…来年は宏樹を副リーダーにして俺がリーダーだな…
[ぶつぶつと呟いた]
…博は中学生になったら部活入んのー?[ふと聞いてみた]
本当、悪かった。
[どうやら相手に怪我はなかったようで。
気をつけろとこちらを睨んでから図書館へと歩いていく人に
再度頭を下げてから、周囲を注意して再度ハンドルを握る]
ごめんな。気をつけるから。
[荷台の後輩に告げる。
本日二回目のフライトは、一度目よりも少しだけ安全運転]
そうか、そうだよな。うん。
[信頼しているよ、とでもいうような顔で頷いて]
部活? うーん、部活か。考えた事なかったな。
化学とか工学とか、そういう部活があるなら入りたいけど。
翔平くんは、もうどこの部活に入るかまで決めてるの?
[逆に質問する]
【出発前日・図書館前】
[少し歩いてから、自転車の急ブレーキと、女の子の悲鳴に振り向いた]
あ。健二くんたち、大丈夫かな?
大丈夫みたい。
[ふたりが何やら話しているのが見える]
雛ちゃんと健二くん、仲良しなのね。
[また自転車で出発する二人を、にこにこと見送った]
ううん、大丈夫だから。こっちこそ派手に驚いてごめんね。
[ゆっくりと滑るように走り出す自転車は、一度目と違って緩やかな時間に漂う。太陽が赤く大きく山の向こうに落ちかけて、夕餉の支度の匂いもかすかに漂い、何だかしんみりとした気分]
あ、飛行機。
[夕焼け空に白い雲を引いて飛ぶ飛行機を、上半身をひねって追いかけた。紫籐とは半分背中合わせのようになりながら、風に吹かれ、自転車は走る。前髪も後れ毛もさわさわとなびいた]
化学に工学か…分かんないけど なんか博らしいなっ
頭良さそうな部活だぜ…
[頭の中に白衣を着て実験している博の姿が浮かんだ]
俺は絶対陸上部だねっ!走るの好きだし!
兄貴も陸上部だし…追い抜いてやるんだ…
[不敵に笑って ひとつ欠伸をした]
わりぃ俺 眠くなってきた
早く起きすぎたかな……バスで寝てる…
[フラフラとバスに乗り込み 自分の席で目を瞑った**]
【出発当日・学校】
[校門をくぐり、友達や先生の顔が見えれば挨拶しながら集合場所へ]
おはようー。
校長先生、おはようございます。
みんな早いね。一番のりは、翔平くんだったの?
バスの座席、決まってるんだっけ。
私は、前から2(5)番目かな。
そうかな? 理科が好きなのと頭がいいのは関係ないと思うけど。
そっか。翔平くんは足が速いしぴったりだね。
うん、きっとお兄さんにも勝てるさ。
[と、欠伸をする翔平を見て苦笑した]
そうだね。まだ出発まで時間あるし、バスが動いてからもちょっとかかるみたいだし。
ゆっくり休むといいよ。
[バスに乗り込む翔平を見送ると、自分はまた他の生徒を待ち受ける様子]
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