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――流廻橋の下――
[バーサーカーは浸していた手を川から引き上げた。
雫が滴る。泥に汚れているわけでもない、綺麗な雫だ。
マスターを一度、振り返り、橋桁の屋根から出る。
目的は橋の確認。
マントもぼろぼろなままだったし、破れた箇所からは傷口だって見えている。麦藁帽子だってどこかに吹っ飛んでしまった。
周りを見渡した後――きっちりゴドウツカサの存在は見落とし――橋を川原から見上げた。車体も通ることの出来る幅の広い橋。
天を覆う鉄骨に昇れば、奇襲の一つも可能になるのだろうか。]
……アーチャーやキャスターの領分か。
[投槍程度ならばマントを探ればあるかもしれない。
尤も、「最も隆盛していた頃の姿」で限界したものだから、奴隷の象徴であるグラディウス以外はてんで使い物にならない。
恐らく先日の刀使いとの戦闘であれば、一撃の下に粉砕されるだろう。]
[ 自分はいま、独りである。それはよく理解していた。
そして、向かう先に見える人影は二人分だ。それがはっきりと認識できる距離まで来ている。
では、何故に自分は尚も近付こうというのだろうか。]
…なんだろうね。本当に。
[ なんというかこう。その人影達からは殺気や怒気というものがいまいち感じられず。
橋の下で和んでいる仲良し親子に微笑みを浮かべ、通り過ぎる通行人のような気分だったのだ。]
―― 西ブロック・旧市街地 ――
[ひとしきり槍の鍛錬を終えた後、左之助は槍を消して神社を出た。「高楊枝」を片手でいじりながら歩みを進める。
そうしながら、未だにこれをくわえる癖が抜けない事に、どうにも煮え切らない気分になる。]
以前はそんな事、気にもならなかったんだがな……。
どうにも気が晴れねぇな。
信長がいるんだから、どこかに武蔵や小次郎辺りもいないかねぇ。
[強者と相対してる時は何も考えずにすむ。今の左之助は戦いの高揚感を求めていた。]
ん。
[魔力感知は疎い。それでも死線を幾度と潜った身。
注がれる視線にすら気付かないほど愚鈍ではなかった。
橋から目を離し、気配の下を探る……見つかった。]
あれは……。まずい、か。
[堤防の上に、ヒト。
マスターの忠告を思い出し、咄嗟に仮面を背けた。
だが、もう既に目撃されてしまっているのだろう。
まさか微笑ましい親子に見られているなどつゆ知らず。
更にはそれが魔術師で、マスターであることなど知り得るはずもなく、恐る恐るもう一度、視線を注いだ主を見た。
男。浮かぶ表情は微笑みから驚きへ。]
なんだ……今の笑みは。
[呟く。自身の格好も相当可笑しいのだろうが、男が浮かべていた笑みは滑稽なものを嘲笑うものとは種別が違ったように思う。]
…………。そうだな。
付近の住人であるなら。
[マスターを一瞥してから、堤防の上へ登るため歩く。
一歩ずつ近付く。
マントの汚れや傷に気付かれてしまうかもしれないと気付いたのは、既に話しかけられる程の距離まで近付いた頃だった。
仮面は見つめる。男の目を。
風貌はぼろぼろくたくたであるのに、それだけは真っ白、変わらず笑みを湛えた不気味な仮面。細長い仮面の目が、正面から男を見据えた。
マントがはためく。
片手に持っていた武器を懐へしまう。
そして――口を開いた。]
――君。
この辺りの食材屋と花屋を知らないか。
――??/??――
[泣いていた。蛙の様に足を曲げて、覆い被さる相手を受け入れながら、泣いていた。幾度行為を繰り返しても、慣れる事は無い。激痛と快楽。嗚咽と水音。涙と粘液。
嫌だ、嫌だと、泣きしゃくれば、頬に走る衝撃。パシッ。遅れて音が耳に届き、叩かれた事を知る。少女は恐怖に身を震わせ、ごめんなさい、ごめんなさいと繰り返した。やがて律動は止まり、相手が離れて行った。けれど、終わらない。これだけでは、終わらない。少女は知っていた。
闇が全てを包み、視界が利かない。その中から複数の足音と笑い声が響く。逃げなければならない。何とかして、逃げなければならない。
異物感を抱え、力の入らない足を鞭打って立ち上がる。躊躇している時間も、衣服を整えている時間も無かった。右の足首に引っ掛かったままの下着を抜き取った。スカートから入り込む空気を直に感じながら、一目散に走り出す。長袖のブラウスはぱっくりと肩口から脇腹まで開いていた。腹部に出来て一度は塞がった傷が、また広がった。白いブラウスを血が重ねて染めていく。
いつか死んでしまう。殺されるかもしれないし、殺すかもしれない。逃げなくてはならない。早く、早く]
[走っても走っても、光は見えなかった。何分走ったのか、どのくらいの距離を走ったのか、そういった感覚も無い。ただガムシャラに走り続け、足音と笑い声がその後を決まった間隔を開けて追って来ていた。
あっ。少女がそう思った時には、遅かった。地面の何かに躓いて、足が縺れる。そのまま倒れ込んだ。足はがくがくと震え、立ち上がる事が出来ない。首元のロケットペンダントを強く握り締めた。
(助けて、パパ! 助けてっ!)
少女は心の中で必死に叫んだ。その時、後方ではなく、前方から違った足音が聞こえる。訳もなく、助けに来てくれたのだと、そう確信した。
やがて足音は少女の前で止まり、手が伸ばされる。その手は少女の目に神の使いの手として映った。その手が少女の首を掴むまでは。声を上げる間もなく、壁に押さえつけられて体が宙に浮いた。首を片手で強く掴まれ、苦しさにもがく。少女はその耳元で笑い声を聞いた気がした。かかる吐息にぞくりと走る刺激と、途切れそうな意識の境目で、その人物が強い――到底、人間が有することの出来る量ではない――魔力を宿している事に気がついた。最後に聞いた笑い声は、神の使いのものだったか、悪魔のものだったか]
――二日目夜/自宅マンション(東ブロック)――
――っ!!
[ベッドから跳ね起きた。辺りを見渡す。日本人には到底見えない色素の薄い瞳は、暗闇の中で良く視界が効いた。そこは、自分の寝室だった。深呼吸を二度繰り返し、みなみは段々と現実を思い出す。
あの後、マンションに帰ってくると、みなみはそのまま寝室へ直行した。玄関近くの使っていない寝室をキラーに指し示した気がするが、意図が伝わったかは定かでない。服装も何もかもそのままに、ベッドに倒れ込み、意識を手放したのだった]
嫌な、……夢。
[ベッドサイドに置かれた写真立てに手を伸ばす。みなみの父親と、まだ幼いみなみが、幸せそうに笑ってこちらを見ていた。その近くには、いつでも見につけているロケットペンダント。隣には二つ置かれた携帯電話。嫌でも目に映る、しっかりと刻まれた令呪。気付けばみなみの頬を、涙が*伝っていた*]
[ その姿は、微笑ましい親子との形容とあまりにもかけ離れたものだった。
どこを見ても異様でしかない風体。感知してしまった、嵐のようなその本質。いまさら逃げることなど、叶うべくとは思えない。というか。
…イマ、刃物カクシマシタヨネ?]
………っ
[ 動けぬまま、息を呑む。相手はゆっくり此方へと歩み寄ってくる。橋下の影にいるのがこいつのマスターなのだろうと想像はつくが…そちらに意識を向ける事さえ、ツカサには出来ないでいた。だから――
――問われた内容に、頭の中は真っ白になった。]
ええと。コンビニならこちらにちょっといけば。大型スーパーでしたら郊外になりますのでこの橋を渡ってから…まあ結構歩きますか。
個人的には、中央通りに行けば花屋も含めて色々なお店がありますのでそちらをお勧めします。中央通りにはこの道を道なりに右方向へと進んで駅前に出れば…。
[ コンビニやスーパーという単語に首を傾げるようなそぶりを見せたが、目の前の人物は概ねうんうん、と素直に頷いて説明を聞いている。
しかし。なんでこんなことを懇切丁寧に説明しているのだろうか。笑顔の端に冷や汗を浮かべつつ、自分の対応がどれだけ間違っているのかを脳内で自分会議しているツカサだった。]
[息を呑む気配。目の前の男は明らかに動揺している。
しかし後からの説明はとても明瞭なものだった。精密だった。流暢だった。夜に飛んで跳ねてビルの上から把握していた地理を思い返し、地図を空想する。
知識としては知っていても、聞きなれない単語については素直に首を傾げる。相手も詳しくは追求してこないようだった。物分りがいいのか、懐が深いのか――実際にはサーヴァントと気付かれているからなのだが、バーサーカーには彼が大層親切な人物に見えたようだ。
見えるものは笑顔。きっと暑いのだろう。午前とはいえこの陽射しだ。汗も浮かんでいる。
最後に大きく頷いた。]
ありがとう、青年。
実はもう一つ頼みたいことがあるんだ。
[一歩、青年へとにじり寄る。
――――チョットDeathッテクレナイカ?
左目に血のような赤で装飾された仮面は、そんな言葉が出てもなんら不思議ではなかった。仮面は男をじっと見つめ、懐へ手を伸ばし――。]
――――実は、あそこに私の娘がいるんだ。
[橋の下へ視線を移した。]
今から娘に食材を仕入れてきてやりたいんだが、娘を一人にするのは不安なんだ。どうすべきか困っていた。いっそ、川で魚を取ろうかと思っていた――。
しかし、これも神の配剤だろう。君が通りかかってくれた。
[男へと仮面の視線は戻る。]
君はとても好い人物のようだ。
私が戻るまで、娘を介抱してやってくれないか?
いや、迷惑な提案だとは分かっている。しかし――このままでは娘が衰弱を続けてしまう。どうしても私は「中央コンビに花屋」とやらに行かねばならないのだ。
[更に一歩、にじり寄った。
仮面が無ければ息だってかかったかもしれない。]
頼まれてくれないか?
[バーサーカーは魔術感知に疎い。
生前も神秘に触れることも無かった一般人である。
そして今も、目の前にしたサーヴァントくらいしか判別できない。目の前の男が魔術師であるかなど論外だ。
故にバーサーカーはこう考えていた。
「仮にキャスターが戻ってきたり他のサーヴァントの奇襲を受けても、あのマスターならこの男を壁にして上手く逃げるに違いない。」]
いや、ええと、私は…
…はい。
[ 頷いてしまった。なんか勢いに飲まれて頷いてしまった。目の前には満足そうに何度も頷いている奇怪な男。
片っ端から間違っているとしか言い様のないその男の言い分にしかしツッコミを入れる事さえままならないまま頷いてしまった。なんと押しに弱いのか。
――いや、違う。
頭の中の何かがそれを否定する。違う、冷静に考えての結論なのだと。これで厄介なサーヴァントを追い払い、マスターを亡き者にする絶好のチャンスじゃないか乗るしかないこのビッグウェーブに!AA略なこの気持ち判るだろう聖杯戦争に勝つため長い時間を費やしてきたお前なら判るだろうと。
…いや、冷静ならこれは罠だと思う気もするがあまりに想定外の展開すぎてすでにツカサの脳みそは状況についていけていない。]
そうか!
ありがとう。やはり見込み違いでは無かったようだ。
では、娘のことは任せた。
出来るだけ早く戻るよう尽力しよう。
[男の肩に手を乗せて、バンバンと叩く。
最後に一つ、バンと叩いて、すれ違い様に歩き出した。]
この道を道なりに進んで…………左だったな。
[確認するように口の中で呟く。
困惑と冷静で挟まれた男から去って行く。
――だが途中、思い出したように立ち止まり。]
そうだ。君。
――もし、娘に手を出したりしたら。
[振り返る仮面。
半分が、暗い影に呑まれて見えない。
細長い片目の仮面が、男へと注がれた。]
―――を―――して貰うからな。
[言葉の重要な部分は風に紛れて届かなかった。
男は背中越しに手を振りながらマントを揺らし、教えられた通り道を道なりに進み「左」へと急いだ。]
ぃいえいえいえいえいえいえ私は妻一筋ですから!
[ 思わず本音で否定した。本当に親子かこの二人?などと一瞬本気で考えてしまいながらもそうか、と理解した。
つまり、このサーヴァントは今、私をマスターだと気付いていない“フリ”をしているのだろうと。
だから、奇怪ながらどこまでも親子のフリを通して、己のマスターに危害を加えさせぬようプレッシャーを与えてきたのだろう。なるほど、とひとつ頷く。]
大丈夫です。見も知らぬ私を信じてくれたお礼に、ちゃんとお嬢さんのボディガードを為しましょう。
[ 自然に喋れただろうか。こうした演技に自信はないが、ともかく信頼を得るための言葉を紡いでみせた。]
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