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ここはとある会社のオフィス。業務時間のようです。
ここは日本の男性下着業界最大手の「メロンウォーター社」(通称・メロ水:めろすい)のオフィス。
…ただしそのいち営業支社。
エリート集団の一角ではあるものの、本社と違い風通しのいい社内では上下の垣根も低く、自由な空気に包まれています。
女性が極端に少なく、事務(鳳さん)、掃除のおばちゃん(出法螺さん)、食堂のおばちゃん(伊佐平良さん)くらいしかいません。
所在地は「福岡県福岡市博多区」。
那珂川と博多川にはさまれた「中洲」には歓楽街が、その周辺には屋台がたくさんあります。
早良区にはドーム、中央区には大濠公園が。
そして地下鉄、私鉄、JRなども走っています。
そんな、どこにでもあるオフィスを舞台にした物語です。
本社会長 瓜水 戸久太 が出社した。
[顔だけは妙にいかつい年配の男が、目の前の秘書に話しをしている]
ふむ、ワシちょっと考えたんじゃが。
支社の生きのいいのを本社に入れてみんか?
本社はなぁ、トウがたったもんが多いような気がしてな。
若いのを引っ張ったら空気も変わって、業績も上がるだろ。
よし決まりじゃ。
後は頼んだぞ?
[相手の意見も聞かず一息でそう言い切ると、自分は趣味のゴルフに出かけてしまった]
本社会長 瓜水 戸久太 が退職した。(また来てね!)
[言われた秘書は困り果てたものの、仕方なしに人事課に通達しました。そして人事課はそれなりに成績の良い「博多支社」を選択し、秘密裏に責任転嫁する人間に辞令を出したのでした]
「適当な人間を見繕って、本社に送れ」
[しかしそんな話が公になるのは、もうしばらく後のこと。まだまだ博多支社はいつもどおりの営業を行っています…]
営業員は毎日の開始時に営業成績を提出のこと。
[[ fortune ]]を使ってパーセンテージを出し、その結果によって働き評価としする。
達成率が低い場合は、仕事をきっちりと頑張るように。
[出社時間になりました]
[社員、アルバイトの皆さんは遅刻せずに時間を守って出社しましょう]
[タイムカードは、三階ワーキングルーム中央入り口付近にあります。忘れずにチェックしましょう]
システム管理者 牧原 錬 が出社した。
[入ってすぐに在るタイムカードをチェック。
茶色の上着を羽織った男は、溜息と共に軽く肩を叩いた]
…連日これじゃあ疲れも抜けないな。
[呟きを誰かが捉えたかもしれない。捉えなかったかもしれない。
男はそれを気にもせず、一応置かれているデスクに荷物を置いて]
[何か必要なものを置いたままにしていたのか、
既に自身が部屋の主と化しているマシン室に慌てて*向かった*]
平社員 近藤 桂斗 が出社した。
[出勤ラッシュの時間帯。オフィスビルに入る男の影。
僅かに体に馴染んだスーツ姿にDバックを背負い、口にはパンを咥えいる。]
さぁ今日も乗り込むエレベーター……っあ、IDカードって何処にしまってたかなぁ…。
[エレベータホール前で立ち止まった姿は、突然上着のポケットを漁り始める。
その時間、約三十秒]
……。
…。
あ、あった。今日も上着の内ポケットの中。でもいつもしまった場所を忘れちゃうんだよねぇ…。
[独り言を漏らす唇から、へらりと自嘲の笑みが零れる。口に咥えていたパンは、カードを探す間にもうとっくに胃袋の中。]
さて、今日も仕事に勤しむとしますか。
[カードを翳し、ホール内へと足を踏み入れると、男は三階のボタンを慣れた手つきで押した。]
――三階 ワーキングルーム入り口――
[ゆっくりとした動きで開くドア。踏み出す足音はまだざわめきを覚えていない室内にコツリと響き渡る。]
おはようさんです〜……って誰も居ないみたい?
まぁ良いや、とりあえず出勤しましたよ…って、これチェックして置かないとね。
[タイムカードをチェックした。]
[割り当てられているデスクに荷物と上着を置き、ネクタイを緩める。
そして背筋を伸ばすように腕を頭上へと乗せながら周りを見渡し、既に牧原の荷物が有る事に気づく。]
…牧原さんってもう出勤してたんだ。早いね。
男やもめって朝は弱そうな感じがするんだけどなぁ。
[さらりと失礼な事をくちにしては、鞄から『ランチパック・たまご』を取り出しては口に咥え]
……オレ、仕事前にはコーヒーを飲まないと、頭が回らないんだよね。
[独り言が床に落ちる前に、給湯室へと*足を向けた*]
副主任 神部 慶志朗 が出社した。
[オフィスビルの前で一度立ち止まると清清しい凛とした空気を吸い込み一度空を見上げ]
――日和、だな…。
[眼鏡の銀フレームに反射する太陽の光に目を眇めるとカードケースに入れられたIDカードをスーツの内ポケットから取り出しビルの中へ。
カツンと靴音を響かせながらエレベーターへ乗り込むと社までの道程の最中に僅かに乱れたネクタイと眼鏡を整え、三階に着く頃には何時も通りの硬質な面持ちを創りあげると機械的にタイムカードをチェックした。]
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