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[メモ記入/メモ履歴] / 発言欄へ
次の日の朝、番組新人警備スタッフ アーヴァイン が無残な姿で発見された。
ハァイ、皆さん。聞こえてるかしら?こちらキャロルよ。
そうそう。アーヴァイン殺されちゃったのね――…まあいいけれど。
警備担当が自分の身を守れないなんて、とんだお笑いぐさよねぇ。
――それより、これからがゲームの本番。
倉庫の鍵を開けたから、武器はご自由に持って行って頂戴。
いよいよ殺戮ショウの始まり。
「死」は、即ち「敗北」の証――…それが嫌なら、存分に殺し合うがいいわ。
現在の生存者は、番組プロデューサー キャロル、?? (ギルバート)、ビタ押し カミーラ、覆面レスラー ナサニエル、のんだくれ ケネス、売られた少女 セシリア、退役軍人 モーガン、投資家 ジェーン、忘れられたロックスター ベンジャミンの9名。
[ギルバートの問いに]
そうだね。あたしの希望はきわめてシンプルだ。騙されてここへ来たわけでもなければ、売られてきたわけでもないからね。
つまり、あたしは何をしなければならないかわかった上でここにいるのさ。
[そういって、肩をすくめた]
[ごつぅん、とナサニエルの後頭部を叩き]
こぉら。・・・何いたいけな女の子から食べ物巻き上げてるのよ。
[効くはずがないとは、分かっているのだが。]
俺はあんたと手を組みたい。
俺の話を覚えているか?
俺の望みは、この闘いを存分に味わいつくすこと……
あんたが俺に協力してくれるなら、俺はあんたの望みが叶うよう手助けしてやる。
やー、ちょっと美味しそうだったし
この量だとセシリアちゃんには多いかなーって。
[小突かれたところをポリポリと掻く。
髪が指に引っ掛かり、抜け落ちたり途中で切れたりする。
ひどく髪が傷んでいるのか、枝毛もみられる。]
親切心だよ、親切心。
[ナサニエルの言ったゴールドファルコン、という言葉には聞き覚えはなかったがぱくぱくと食べていく姿をなかばあっけにとられたように見ている]
[ギルバートに向かって小首を傾げ]
それ。最後にずどんとあたしがやられてあんた一人勝ち、になる気がするわねえ。
単刀直入に聞くわ。あんたがあたしを選ぶ理由は、背中を見せた隙に襲いかかってきたとしても一番害が無いからかしら?そしてそもそも裏切ろうにもあんたの力にすがることしかできない能なしに見えるのかしら?
あんたがあたしを裏切らない保障がないでしょう?
あのねぇ、貴方とセシリアじゃ体格差が・・・っと、何ですって?
[警備のスタッフが殺された、との放送]
どうやら先走った奴がいるようね。
私は倉庫に行くけど・・・ナサニエルとセシリアは、どうするつもり?
いや。逆だな。
俺があんたを選んだ理由は、あんたが強いからさ…。
俺が約束は必ず守ると言ってもあんたは信用できないだろう。
だが、俺の願いははっきりしている。
調子のいいことをほざいた裏で何を考えてるか分からない連中よりは、あんたにとって遥かに理解しやすい筈だ。
ん……そうね。じゃあ、俺も行こう。
さすがに取っ組み合いだけのクリーンファイトって
わけにはいかなそうだしなあ。
[ゴキゴキと首を鳴らして立ち上がる。]
俺の条件は、あんたが普通の参加者でもギャングスター…だったか、であっても変わらない。
ただし、あんたがギャングスターと分かったなら、参加者の人数が5人以下になった時点で再度条件の提示をさせて貰う。
あんたが普通の参加者なら、勝利した時点で自分のだけじゃなく俺の分の賞金も手にすることができる。
あんたがその時点で死んでいた場合でも、あんたが金を送って欲しい人間がいるならそいつにくれてやる。
勿論俺もあんたも死んでいたら全部チャラだがな。
だが、もしあんたがギャングスタだった場合は、あんたを絶対に殺さない人間がいるのはありがたい筈だ。
……特に俺を味方につけることができるんならな。
[カミーラの言葉に少し考えていたが]
私は・・・私も見に行きます。ここで何が行われてるか見てみたいです。
[そういって立ち上がった]
[自分に宛てがわれたホテルの部屋、耳障りな高い声に目を覚ます。]
アーヴァイン……?
どいつだ……?
[咄嗟に今迄に見た参加者の中から該当しそうな相手を捜す。]
ああ、スタッフか……。
……ん?
早々に殺されたのがスタッフだ……?
俺はあんたが約束を破らない限り、俺の方から違えることはしない。
乗るか。
今ここではっきり「NO」と言うか。
途中で裏切るか。
それはあんたの自由だ。
[そこで男は言葉を切り、腕を組んでジェーンの返答を待った。]
[ギルバートの言葉に少し笑う]
別にあたしゃ強くないよ。人のことを信じないことは確かだが。
そうねえ。あの売られたと言ってるお嬢ちゃんがコールガール兼暗殺者として仕込まれてる可能性だって、あの、酔っぱらいの癖に妙に正義感の強そうな坊やが、ああいっておいて最後の最後に自分だけ生き残ろうとする可能性だって、十分にあるんだよねえ。
で、あんたは?あんたは私が後ろから撃ってきても確実にあたしを殺せる自信はある?
[ギルバートを値踏みするようにじろじろと見つめた]
おっと、忘れ物……。
[一人呟いて再度部屋に戻ると、琥珀色の小瓶をポケットに忍ばせた。
着替えもせず寝転んだ所為で、オーダーメイドらしいスーツのポケットは既によれている。]
ーホテルの通路ー
[廊下に出ると、面識の無い男がいてぎくりと顔をこわばらせた。
彼の体格はもう一人の歳若い参加者と同じくらいに良い。
咄嗟にもう一度、扉に隠れる。彼が一人ではなく、三人であることを確認して、彼らに手を振った。]
おう、セシリアと……なんだっけ?名前も知らないねーちゃん。生きてたか。
放送聞いたか?
[ギルバートの楽しそうな笑いを見ると、苦々しい笑みで応えた]
あたしには娘が一人、息子が一人いるわ。あたしがくたばった時、気が向いて本当にいくらかの金を送ってくれる気になったら、そいつらに送ってやって頂戴。どうせすぐに使い果たしてしまうのだろうけど。
商談成立ね。
あんた、得物を持ちこんでんの?違うのなら、一緒に武器庫の方へ行きましょう。
んー…ああ、どうもー。あなたも参加者の方ですねー。
[セシリアとカミーラは彼と面識があるのだろうか、
探るようにできるだけ語り口を軽く軽くする。]
ついに…って感じッすよねえ。
おう。
お前さんとは初めて話すな。
これから、いや、もう人殺しが始まってるってのに気楽なもんだな。
[恐怖、覚悟、渇望、これ迄の参加者から感じたどれも感じない口調に、探るように歳若い青年を見る。]
まあ、俺もいざ始まったからって、何をすれば良いのか分からねーけどな。
あ、取りあえず、殺し合いの道具を調達するのがやることか。
得物か。
俺はどうとでもなるが……他の奴が持ってるなら、取りに行った方がいいだろうな。
[と、歩き出そうとして足を止めて振り返り、]
[ケネスに気付きぺこりとお辞儀をする。]
はい、警備の方が殺されたとか・・・
本当にギャングスターがいるってことなんでしょうか
やー、殺伐としているのは慣れてるんです。
さすがに命まで取られる…ってわけじゃないんですが。
[にいっと白い歯を見せる。爽やかな笑顔。]
まァ、ただ単にいくら深刻そうな顔したって
殺し合わずに済むわけじゃないんで、
どんな顔していればいいかわかんないんですよー。
[まだ事態をよく理解出来ていないようなことを言う少女に小さく舌打ち。]
いなかったらゲームにならないだろう。
それに、ギャングスターが殺したとは限らない。
俺はまた、あの獣じみたにーちゃん辺りが早くもやっちまったのかと思ったぜ。
違うのか?
とんだエスコートだね。もう20歳若けりゃなんか勘違いしちまったかもねえ。
あんたは、私が何を選ぶかきっちり見ときな。あたしが裏切ったときのためにね。
なあんて言わなくても、あんたは最初からそんなことわかっているか、でなければ、あたしが何を選ぼうが確実にあたしを殺せるんだろうが、ね。
[歩きながらまた歌を口ずさむ。今度はベンジャミンのナンバーではなく、レッド・ツェッペリンの天国への階段]
[小柄な少女に尚も問いかけようとした言葉は、脳天気な青年の声に遮られる。]
ふうん。
あんたは、あのイカレタにーちゃんや軍隊かぶれの爺さんみたいに殺したくってたまらないってタイプじゃないんだな。
……ああ、あの爺さんはただ殺したいだけでも無さそうだったが。
[カードゲームの際、老人が口にした言葉を思い出し、顎を撫でる。]
あんたも騙されたクチか?
そうなんですよー。相手の手口が巧妙でー。
まァ、プライベートジムまで押し掛けてくる
という時点で、何かおかしいなと思うべきでした。
[にっこり笑うと、気がついたように。]
あ、そうそう。もう死人が出たってことは、
開放された倉庫に誰か向かっているかもしれませんね。
早くしないと、強力なの取られちゃいますよ?
[促した。]
♪There's a sign on the wall but she wants to be sure
'Cause you know sometimes words have two meanings♪
(…あたしが買ったのはどっちの天国への階段なんだろうね。金を手に入れる天国か。それとも最早金の要らない天国か。……それとも地獄行き?)
―ホテルの廊下―
……スタッフが殺された、ねぇ。
これも折り込み済みの演出なのかい?性悪姉ちゃんよ。
盛り上げる為なら何でもするんだなァ……
プライベート事務?
[男の言葉をおうむ返しに聞き返したものの、促されると倉庫の戸口に手をかけた。
酔っぱらいに許される限りの素早さで中を覗き込み、さっと身を隠す。]
……誰もいないみたいだ。
[他の面々に言うと、今度は落ち着いて中へ入り込んだ。]
あの別嬪さんのセレクトかね……悪趣味だな。
[辺りにずらりと並ぶ武器を見回して、顔をしかめた。]
―武器庫―
……おう。先客が既に居るのかい。
[武器庫で見つけた人影に、ちらりと視線をやった。]
ここまで武器を集めンのも大変だったろうに。
あの性悪姉ちゃんの手腕も大したモンだ。
『その手に銃を握れ』……か。
そんなことを昔歌ったことがあった気がするが、まさか本当に人を殺す為に銃を握るたァな。
[武器庫に置いてある銃のひとつを手に取り、まじまじと見つめた。]
おう、生きてたか。
警備員に続いてくたばっちまったかと思ったぜ。
[武器庫に現れたベンに片手を上げる。その口には緩んだ笑み。]
見ろよこのそうそうたるコレクションを。
これなんて、何に使うんだ?
ああ、あの爺さんが見たら喜びそうだな。
[恐らく武器だろうが見慣れない物体を指でつついた。
男の言葉にふと顔を上げて首を傾げる。]
……さっき歌ってたのはお前さん、*じゃないよな?*
―回想―
分かった。取りあえず、夜に打ち合わせしたい。
俺の部屋に来れるか?
[通信が打ち切られる前に、部屋番号だけを告げて回線を切る。]
[ゲーム参加者以外を殺すのは気が進まない。
あのプロデューサーは別だが。
だが、「進まない」だけであって、必要とあれば自分は躊躇いなく殺すだろうことも理解していた。]
歌?俺ァ歌なんかうたってないサ。
じゃあ、他の人間が近づいてるってこったな?
まあ、「武器がある」なんて話を放送されちゃァ、来ねぇワケにゃいくまいて。生存本能と興味本位ってヤツで、皆が押し寄せてくるのも、あの性悪姉ちゃんにとっちゃー予測可能な話だろう。……それ以上でも以下でもねぇ。
[ケネスがつついた物体を見つめ、眉をしかめた。]
あァ……こりゃ何だ?
戦場にでもいかなきゃァ、死ぬまでお目にかかれないシロモノばかりだな。
これは……ん?火炎放射器か?映画で見たことあるぜェ。
こんなモンを置いといてどうするってんだ。
ホテルを全焼させる気かね、あの姉ちゃんはよ。
[武器はある。
”おめでとう!貴方がギャングスターです。夜な夜な参加者を殺しまくってカジノを壊滅させて下さい”
そんなメモとともにクロゼットに用意されていた小銃。]
さて、問題はゲーム参加者以外を殺しても、罪に問われないのかってことだな。
[低い呟きは、流水音にかき消された。]
[やがてトイレを出て、スタッフを捕まえると客室のスペアキーの所在を確認する。
それが、先ほど名前の出た警備スタッフの手にあると知れば、どうやって彼を殺すかの算段を*始めた*。]
−回想−
部屋にこれるか?
[そう告げて通信は切れた。]
そうね、如何にして自分達に有利にことを運ぶかに関しては通信じゃ不十分よね。
[そういって通信機をしまい、ケネスに言われた部屋に注意深く向かい始めた。]
-武器庫-
[はぁ、とため息をつき]
よりどりみどりってこの事よね・・・どっから集めたのよこんなの。
んー。あんまり重いのはかえって邪魔よね。
[2、3丁の拳銃を試す眇めつしている]
ぬう。この歳になるとすぐに眠くなる…。
ほう!スタッフが殺されたとな!宴は始まったと言うことか!
よろしい!ならば戦争だ!
[老人はライフル片手に踊り狂った。]
―武器庫―
これはこれは。素晴らしい!
だが…使い慣れていない武器を使うのは得策ではない。幾つか簡単なものを拝借させてもらおう。
[手榴弾、ダガーナイフ、暗視スコープ、サイレンサーと弾薬を手に入れた。]
ほぉ。これはなんだ?
[老人は日本刀に興味津々だ。ついでに持って行くことにした。]
[そうして老人は*部屋へ戻った*]
[柄に『Grriffin』と彫られたナイフを手に]
接近戦では銃よりナイフが強い・・・どこぞの国家機関お抱えエージェントが言ってたわね。
『レミントン・ダブル・デリンジャー』
『COLT1911A1ガバメント』後は手を切らないようにグローブとホルスター。
これだけあれば十分でしょ。
[立ち上がると、他の人の様子を見に向かった**]
えっと…苦手なんだよねえ。狙い定めたりするの。
これとか、俺向きじゃねえ?
[サブマシンガンと弾薬を拝借する。]
ん…ああ、これも面白そうだね。
[目についたスタングレネードを幾つか手にとって、
その場を*辞する*。近接武器は「筋肉」と考えて
特に考慮はしていないようであった。]
[ナサニエルとカミーラが武器を選んでいくのを見て自分も中を覗いてみるが]
これ・・・
[恐ろしいまでの数の銃機や武器を見て思わず後退る。たまに現れる兵隊などがもっていた銃、それは恐怖の対象であった。ナサニエルやカミーラも自分の武器を選んでいるがどうしても恐怖が先に立つ。そもこんなもの自分に使えるのだろうか。
そう思いながら辺りを見てあるものを見付け手に取った。それは一冊の厚めの本。ここにある武器の解説書だった。
他のものは自分には扱えそうにもないものばかりだった。無理に使うくらいならまだ初めにもらった短剣の方が使えるだろう。本を読むなりしてなにか使えそうなものがあればまたここにくればいいのだ、と自分に言い聞かせ本を手に取った。それだけなのか?と訝しげに聞くナサニエルにはいと答え、部屋に戻る二人と一緒に自分も部屋に戻ることにした
[深夜、部屋を訪れたセシリアをカジノスタッフと同じ衣装で迎える。]
リネン室からパクってきた。
移動するにはこっちのが便利だろ。
女物も持ってきたから必要なら使え。
[ベッドに投げ出されたホテルメイドの衣装を顎で指し、再度、相手に目を据える。]
とりあえず、俺としてはホテルのスペアキーを入手したい。
あの警備員が持っていると言うのは調べた。
あんたの言うとおり、厄介そうな相手だな。
で、レッド、人を殺したことは?
キーの入手にはもしかしたら相手を殺すことになるかもしれない。
不安なら俺がやる。
[唇に浮かぶのは薄い笑み]
[ホテルの従業員の制服を受け取った後ケネスの言葉ににこり、と笑って]
そうね、思い出せないくらいは殺したと思うわ。結構人使いの荒い組織だから私の様な者も出番が多いのよね。
で、スペアキーの入手、というのは賛成。流石に衆目の中で殺すというのは骨が折れるわ。部屋にいるところを狙うのが一番だと私も思うわ。
そしてあれを殺すのは問題ないけどどちらがやる?
[そう問いかけるような視線をケネスに向けた]
おっと…大切な物を忘れてた。
[老人は武器庫へ駆け込んだ。]
そう。これだ。閃光弾。それとマッチ。あとは……ぬぅ。ここには無いか。
キャロルとやら!液体火薬と鉄釘と接着剤を持って来て欲しい!
[脅しのつもりなのか、老人はライフルを空撃ちした。そしてなぜか一つ一つ律義に空薬莢を拾った。]
[キャロルは、武器庫の隠しカメラに映し出された老人の顔を見て、呟いた。]
………ナントカに刃物。
[タバコの煙を大きく吐き出し、椅子にもたれた。]
液体火薬に鉄釘に接着剤ィ……?
爆弾作ってテロでも起こす気かしら、あのおじーちゃん。
まぁ、いいわ。
取り急ぎ、液体火薬に鉄釘に接着剤、用意して頂戴。
[それだけスタッフに命じると、キャロルは再びモニタに視線を向けた。何か妙な光景でも見聞きしたのか、時々肩を震わせクスクスと笑っている。]
―武器庫―
[武器庫に辿り着いた時には、当然のことながら先客がいて、武器を物色した後だった。
ラックにずらりと並べられた銃火器を、男はぐるりと見回す。
その顔には感嘆も驚愕も嫌悪も無い。
嘲笑じみて口の端を歪め、ただ平静に観察している。]
―武器庫―
[ギルバートの後ろからそっと顔を覗かせてみたものに、あまり、銃器のたぐいには興味はないらしい]
あたしが扱ったことがあるのは、これとこれぐらいだねえ……
[ライフル銃と拳銃を引っ張り出し、二つ眺めてしばし考えた後]
こっちはね。組み立てたり手入れしたりがわりと面倒なんだよね。大量虐殺やらかす気もあたしにはないし。こいつぐらいしか、あたしには選択肢がないね……
[結局手に取ったのはS&W社の38口径]
弾だけはちゃんと確保しておかなくちゃね。
……ま、俺でも使えそうなエモノって言ったらこういうモンかね。
[脂肪がでっぷりと溜まったウエストに、西部劇のガンマンのごとく、革製のホルダーを巻き付けた。そこに短銃を仕込む。念のためにサバイバルナイフも手に取った。]
[そして、彼は先ほどから気になっていた、火炎放射器を引き寄せた。]
何に使えんだかはわからねぇけど、他のエモノよかは「絵になる」だろうよ。
ヘンドリクスはギターに火ィつけた。だから俺は人間に火ィつけるってのも……悪くはねぇな。火ィつけるモノの規模のデカさなら、伝説の男にも負けねぇサ。
[ベンジャミンは、火炎放射器のベルトを身体に巻き付けた。]
………ん?
火炎放射器を持ってるのに銃を持つのは、間抜けというヤツか?
まずはどちらが性に合うか、試し撃ちできりゃぁいいんだがなぁ……
[拳銃を選んだジェーンに、]
あんたの選択は理に適ってるよ。
あの金髪女の話をちゃんと聞いてれば、ここにある武器の殆どは実は必要ないって分かる筈だ。
一度に一人しか殺せないんだからな。
結局いつでも何処へでも持ち運びできて、取り回しが楽な、使い慣れた武器を選んだ方がいい…
特にあんたみたいに若くもないなら。
[ギルバートに苦笑して]
おだてられたって真に受けやしないよ。
こんなもんじゃ自分の身を守れるかどうかも怪しいね。あたしの腕じゃ、これで人を殺そうとしたらよほど距離を詰めないとどうしようもない。
かといってライフルで遠くの人間を狙ってみたところでその時に後ろがお留守になっちまいそうだしねぇ。
[男が選んだのは、大振りのダガーと投擲用ダガーを数本。
鞘を身体にベルトで留め付けつつ、]
どうだろうな?
確かに遠くから撃てるって意味じゃあ銃は有利だがな…。
ー倉庫ー
自分で言っておいて……。
お前さん、このホテルを火事にする気か?
[火炎放射器を手に取った男に苦笑して、倉庫にも取り付けられたカメラに手を上げた。]
なあ、性悪さん。
ここにある武器を使えば、参加者だけでなく、見物人やアンタらスタッフも”運悪く”巻き添えになりかねないと思うんだが。
参加者以外の死についてはどう扱うんだ?
何人殺してもゲーム外、法治外か?
[ギルバートの装備を眺めつつ]
遠くから狙って当てるのは難しいもんさ。かといって動きの鈍いあたしじゃね。接近戦は無理だ。
そういえば……あんたの名前まだ聞いてなかったね。あたしはジェーンさ。名乗りたくなけりゃ、別に名のんなくてもいいけどさ。
[武器をいろいろ見ているうちに、人の声が耳に入ったらしく、そちらの方に向かった。]
おうよ、おばちゃんに、獣の兄ちゃん。
こいつァ随分とお珍しい組み合わせで。
[火炎放射器の噴出口を片手でひょいと持ち上げ、軽く挨拶をした。]
組織、ね。
[少女の口にした言葉に片眉を上げたが、追求することはなく。]
殺しに動揺しないのならそれで良い。
どっちがやるかは状況次第だな。
あんまり遅くなる前にさっさと行くか。
[ベンジャミンの方をはっと振り返ったが、その格好を見て、思わず吹き出す]
何よあんた。マジックの脱出ショーでもおっぱじめるつもり?
あんまりそいつを使った殺人の話を聞かないところを見ると、武器としての有効度は微妙じゃないかしら。
ビジュアル的にはいかしてるけどね。
[名を尋ねられ、男は少し考える素振りを見せた。
僅かの間の後、]
……ギルバートだ。
[とっさに名乗った名は、彼の本当の名前ではなかったが、それはこの場においてはどうでも良いことだろう。]
[ベンの言葉に、彼の視線にそって振り向く。
単独行動をしていた青年が、中年女と一緒にいるのには物珍しげに目を見張った。
ついでに、彼らが何を手に取っているかも確認する。]
[ケネスの言葉に、ニヤリと笑った。]
ホテルを火事にするつもりは無いがなァ。俺だって命が危なくなるのは御免だ。
こいつの使い方なんざ分からんが、使ってみたら、あの性悪姉ちゃんの「面白い顔」くれぇは拝めるだろうよ。
ま、使い所があったらラッキーぐらいだな。
他のエモノが使えそうなら、そいつを使えばいいだけの話サ。
まァ、一種のバッド・ジョークというヤツだ。
キャロルさーん…だっけ?
[どこかで、モニター越しに見ているだろうと、
プロデューサーに軽い口調で呼び掛けた。]
着のみ着のまま連れてこられたから、薬持ってきてないんだよー。
このままじゃあ、殺し合う前に一人病死しちまうよー。
[いくつかの薬品名と思われる名称と量を口にし始める。
それらは、即効性のドーピンググッズとして知られたもので
提示した量は、既定服用量の数倍にも及ぶものであった。]
できれば…でいいんだけど。よろしくね。
[出てきた鼻血を拭いながら。常日頃のドーピングのせいか、
鼻の粘膜が非常に弱っているらしい。眼も赤く充血している。]
[そして、これは日用道具としてなのか、折りたたみナイフを上着のポケットに放り込む。
掛けられた声に振り向くと、派手な革ジャンの中年男が火炎放射器を持って立っていた。
インパクトの強い姿だが、男は笑いはしなかった。
ただ、動く噴出口を目で追っただけだ。]
……なかなかだろ?おばちゃん。
[火炎放射器の噴出口を覗き込み、小さく呟いた。]
懐かしいモンだ……
ベースのヤツが冗談半分で、ステージでスピリタスを煽って、火ィ噴いたのを思い出すわ。
阿呆なことに、そいつの髪に火がついて、ライブハウスに来ていた客は、気が狂ったように歓声上げてたっけなァ……
[小さく溜息をつき、再び大きな声に戻った。]
要するに、アレだ。
せっかくのTVショウならば、ただ殺しをやるんじゃなくて、ド派手にやるのもまた良し、ってヤツだよ。
ま、実用的なブツも持っておけば何とかなるだろうよ。
はっはっはっは!!
・・・。火炎放射器は射程と言う点において大いに難あり。
逆に考えれば、距離さえ詰めれば有効よ。
[3人の話している所に出て行く]
私はカミーラ。特にこれと言った用は無いけど、お互いの名前くらいは知っておきたいの。構わないわよね?
使い道がねぇ訳じゃあ無いと思うがな。
その使い方がわからないんじゃ意味がねぇか。
まあ、テレビの演出としては映えるな。
[ベンに向かい言ったあと、中年女の問いに肩を竦める。]
どれも俺には使い勝手が分からなくて。
一番馴染んだ武器はこいつだからな。
[胸ポケットの酒瓶をさした。]
たぶん、大事なのは武器を選ぶことじゃなく。
[酒瓶を指した手をずらし、ナイフを手にとり弄ぶ。]
それで誰を狙うかってことなんだろうな。
[まるでコインでも投げるように無造作に、ナイフを投げた。
ナイフの刃はかろうじて前を向き、爬虫類の目をした青年へと。]
なんだ。結局、みんなここに勢揃いかい?
[カミーラに向かって手を挙げる]
あたしはジェーンさ。別におばちゃんでもかまやしないけどね。
……そうだなァ。
ま、おいおい慣れるサ。どうせ銃だって慣れてねぇんだしな。
[冗談とも本気ともつかぬ、軽い口調で言った。]
ああ、姉ちゃん。そういや名前訊いてなかったなァ。
俺のことは「ベン」とでも呼んでくれや。
カミーラいるー?
[武器庫に現れたナサニエルのいでたちは、
何かの映画から飛び出した主人公のようだった。
昔あった、主人公がかつての上司を助けるために、
某国に潜入するという101分で108人が死ぬ映画。]
[男の手が残像を残して素早く動き、過たずナイフの柄を掴んだ。
瞬き一つもしない。]
――
そう、肝心なのは、誰を殺すかだ。
[男は手に持ったナイフを指先で玩んだ。
その目は真っ直ぐにナイフを投げた相手――髭の男へと。]
―スタッフルーム―
[キャロルは、内線電話で話をしている。]
もしもーし。……あ、医療班?
あのさ、悪いんだけど、クスリ。
出場者が「常備薬」欲しいんだってさ。
モニターに叫んでる男、いるでしょ。
彼の言うとおりのクスリを用意してくんないかしら。
そーそー。ゲーム始まる前に死なれちゃ、かっさらって来た経費が無駄になっちゃうからねぇ……
……じゃ、よろしく。
[出場者のためではなく、あくまでスタッフのために用意された医療班に連絡を終えると、キャロルは深い溜息をついた。]
ったく……私は便利屋じゃないっつの。
ベンにジェーン、ね。そっちの・・・ケネス?は、ここに来る時一緒だったし。後はあの軍人っぽいじーさんと・・・
[巨漢を横目に]
彼、ね。
……同類?
見てくれ重視の肉襦袢野郎、という意味か?
どちらかというと、おばちゃん……ジェーンの方が俺と同類だと思うぜ。何が同類か、とは言わねぇが。
[肩を竦めて笑ってみせた。]
もしかして、あの映画観てない?
似合うかなー?って聞こうと思ったんだけど。
[そう言いつつ、武器庫をあさり始める。]
あった!これでヘリを撃ち落とすシーンあったよね。
この恰好してて、何か足りないなと思ったらこれだった。
[手にしているのはコンバットボウ。]
[自分を見据える男の目に、背筋をぞくりとした感触が這う。
その感触は、アルコールのせいで少しだけ鈍い。]
もう少しちゃんと投げりゃ良かったな。
[あの投射速度では、男の能力を測るには足りない。]
誰を殺すかは、決まったかい?
誰でも良いんじゃなく。
[ベンジャミンの言葉に首を傾げていたが、ぽんと膝を打って]
あー。あんたも好きだったんでしょ。ベンジャミン・フランク。表情とか仕草とかもんのすごく真似したんでしょ。そっくりよ。
見てくれ重視の肉襦袢野郎って……。
プロレスラーやってると、そういう陰口叩かれて
もう慣れちゃったからいいんだけども。
[ぶうっと頬を膨らませる。ムーンフェイスが、
さらに満月に近づいたような顔になる。]
「誰を殺すか」ねぇ。
……そいつは確かに大切なモンだ。
なるべく「犠牲者」を最小限に抑えるか。
ライバルを蹴落として取り分を増やすか。
ま、それぞれの目的にもよるわな。
……が。ギャングスターが誰だかっていうヒントも無く、闇雲に人を殺すのがどれだけ得策かはわかんねぇな。
「ギャングスター探しに役立つ助っ人」さんのご意見を訊きたいところだが……なかなかお顔を出してくれないらしい。まあ、彼らも命が惜しいだろうからな。そうそう出るとも思えねぇ。
……元から俺は誰でもいいとは言ってないぜ。
だが、誰から始めるかってことなら、そう、もう決めてある。
[急に騒がしくなった武器庫内の面々に、ちらりと視線を走らせる。]
まあ、兄ちゃんの肉襦袢ならモノの役に立つが、俺の肉襦袢は暖房以外にゃ使えねぇよ。
[大声で笑う男の耳に、何故か彼の本名が聞こえてきた。]
「ベンジャミン・フランク」?
あー……ああ。あの…バンドの名前は忘れちまったが、ヤク中で何度も捕まってた、昔の歌手か。
……「名前だけなら」知ってるサ。
人を殺せれば、誰でも良いって訳じゃないのか。
[本当に驚いたのか、驚愕ではないものの少しだけ表情に幼さが混じる。]
獲物を選ぶにも、拘りがあるってか。
ターゲットが決まったのなら、最初の狩りは始めないのか?
[言って、少しだけ警戒するように目を細めた。
肩に力が入る。]
―スタッフルーム―
……んもう。さっきからくっちゃべってるだけでつまんないなぁ。
とっとと殺し合いの一つや二つでもしとけっての。
これは真昼のトークライブショーじゃないのよ。
なんで武器庫があるのかを考えろって。
あーあ。つまんないなぁ。
[机に脚を投げ出し、しばし考え込む。]
……そうだ。アレを見せれば良いんだ。
[女プロデューサーは、煙草をくわえた唇の端を大きく歪めた。]
[再び髭の男に視線を戻す。
歯を剥き出し、喉奥から威嚇するような吐息を吐いた。]
あんたはいつまでそうやってるつもりだ。
隠し遂せたつもりか。
[またまたとぼけちゃって、といおうとしたジェーンだが、ファンだったのが過去の黒歴史だとしたらあまり深く突っ込むのも悪いかな、と思ってやめておくことにした]
昨日あたしが歌って、続きをあんたが歌ったあの歌作ったのがベンジャミンだよ。
ライブハウス半焼したり、クスリ決め決めでライブになんなかったりで、そのうち干されて消えていったけどね……
[対峙していた男の視線が一瞬、辺りに移る。
視線はずらさず、ベンに応えた。]
なかなか顔を出してくれないらしいって……アンタどこでそんなの聞いたんだ。
まあ、ギャングに見つかったら真っ先に狙われるからな。
当然ちゃあ当然だが……。
[その思考は、爬虫類の男の言葉に引き戻される。]
隠す?
何が言いたい?
[男の目に問いかけた。]
−自室−
[持ち帰った本を捲って読んでみる。なるほど武器の使い方はわかったがだからといってどうということではない。知っていると扱えるのとでは天と地との差がある。
使えそうな武器もあったが今それをとりにいく気は無かった。しばらく見ているうちにあることを思いつき鞄からハサミを取り出す。]
あとは・・・これでいいかな。
[持ってきた本にハサミを使って穴を開け、そこに紐を通す。それを服の下に着込めば防具としては気休めくらいにはなるだろう。これを教えてくれた人は防具ごと打ちぬかれて死んでいるので本当に気休めでしかなかったが。]
よいしょっと・・・
[少し重いがその重さが懐中の短剣と同じように安心感を与えてくれる。上から服をきても 全く違和感が無い。
そのことが自分の発育が遅いということでもあると思え、鏡の前で少し凹んだ。]
誰からも聞いちゃいないさ、ケネス。
だが、ちょっと考えてみりゃァ一発で分かるだろ。
「素晴らしい力を持った自分」の居場所を教える間抜けがどこにいる?
少なくとも、俺がそいつなら、そう簡単には顔を出したりはしねェ。
って……ああ、そうでもねぇか。
「夜襲から守ってくれる」人間に護衛させるために名乗り出るかもしんねぇよな。
……ああ、考えれば考えるほど複雑な話だ。
……あァ、あの歌が「ベンジャミン・フランク」の歌だったのか。
そういやー、そんなのもいたなァ。
ぽっと出て、すぐに消えた一発屋。
[そう言って、男はそらとぼけようとする。
ライブハウス半焼に、麻薬のやりすぎで逮捕……そんな話が出た瞬間、思わず小さく噴き出し笑いしてしまっていたのだが。]
―スタッフルーム―
……さァて、今週のびっくりどっきりショウ。
はじまり、はじまり……。
[薄笑いを浮かべ、キャロルは放送機器のスイッチを次々に入れた。]
[モニタにキャロルの顔が大きく映った。]
『ハァイ、皆さん♪ご機嫌はいかがかしら?
そういえばさっきも簡単にアナウンスしたけど、コレ、知ってる?
知らないヒトは流行遅れよ♪』
考えるのは嫌いなんだよ。
やなこった。
[楽しげに嗤う男の喉から顔を背け、けっと呟く。]
……人殺しにしか興味が無いのかと思いきや、なかなか厭味な野郎だぜ。
[その呟きは少しだけ小さく、拗ねた子供のように。]
−廊下−
[とりあえず部屋からでて当ても無く歩いてみる。実際のところこれからどうするか、と言われてもどうすればいいのか分からなかった。
紛れ込んでいるというギャングスターを殺せばみんな助かる。ではどうやって探せばいいのか。考えれば考えるほどどうすればいいのか、という思いは強くなる。
そこで誰かに相談したら、という考えが浮かび皆がいるであろうホールに向かって歩き始めた]
そこには、喉を掻き切られ、無惨な死体となった
アーヴァインという男の骸が映し出されていた。
首から大量の血を流し、白目を剥いた、男の死体。
キャンバスを掛けられることもなく、まるで晒し者のように、
どこかの床に横たえられている―――――
[しばらく男の遺体を映し出した後、再びキャロルの顔が映し出された。]
『……どう?ウフフフフ。怖いでしょう。
一歩間違えちゃえば、出場者の皆さんもあんな風になっちゃうのよ。
くれぐれも気を付けて頂戴。
あのスタッフ……アーヴァインのことを、誰がヤッたかなんて、
私は全然知らないけれど、ぼーっとしてたら明日は我が身、よ?
このまま退屈なトークショウを続けて全滅、なんて道も素敵でしょうけれど。
生き残って賞金を手に入れたいアナタは、果たしてそれで満足かしら?
……なぁんて、ね♪』
[クスクスという笑い声と共に、画面がゆっくりとブラックアウトしてゆく。]
[キャロルの声がした当たりからじっと武器庫のモニタを睨んでいたが]
悪趣味だね。もうすこしあたしの神経がヤワなら、ここに吐いちまってるところさ。
ギルバートよりも、じいさんよりも。あの金髪の小娘の方がよっぽどタチが悪いね。自分の手を汚す気すらないんだものね。
……あァ。ひでぇモンだ。
[ジェーンの言葉に呼応するかのように呟く。]
誰が殺したのか知らねぇけどよ、自分のスタッフ……あの姉ちゃんにゃ「手駒」でしかねえかもしんねぇけどよ……そいつが殺されちまって、悼むどころか晒し者にしてやがる。
こりゃあ「しばらく肉は食えねぇ」っていうレベルの笑い話とはワケが違うわな。
[火炎放射器のホースを持ち、噴出口をブンとひとつ振った。]
オッサン……以外と考えているんだな。
その頭がまぶしいぜ。
[先ほど男に言われた言葉を振り払うようにゲラゲラと笑って、ポケットに入れた小瓶に口を付ける。]
ギャングスターから他者を守れる人間ね……。
ガードマンてとこかぁ?
確かにな。そいつが守ってくれりゃあ話は早いが。
アンタが言っていたみたいに、そいつがギャングに組すれば意味は無い。
そいつは自分の身は守れないんだろう?
自分の身の安全と引き換えにギャングへの交渉を行う可能性はある。
ギャングにしてみれば、そいつの協力は喉から手が出るほど欲しいだろうからな、お互いに有効な取引だと思うぜ。
まあ、そもそもギャング……いや、ここにいる人間が取引において信用できるかはわからねぇがな。
[言って、見定めるように相手を見た。]
あ・・・・いやぁぁぁぁぁ!!
[ノイズと共に眼前に映し出された映像。首を切られ無惨に息絶えた姿。それが突然目の前に大写しになったのだ。驚くな、と言うほうが無理があろう。
すっかり腰を抜かして廊下にへたりこむだけですんだのはむしろ彼女にしては上出来だったかもしれない]
……ちっとも怖がってるように聞こえねぇぞ、おい。
[小瓶のキャップを開け、琥珀色の液体を口に流し込む。
ジェーンの言葉に、本を抱えて出て行った少女を思い出した。]
あのチビが見たらびびって泣いちゃうんじゃねぇのか。
……俺らも死んだら、あんな風にあいつに晒し者にされるのか。
[口にこみ上げる苦い者を唾にして吐き出した。]
なァ、ケネスよ。
ギャングスターに組するガードマンなんてのは、果たしてモノの役に立つのかね。ガードマンとギャングスターが取引きをするにしても、よほど人目をかわして、上手くやっていかねぇと難しいだろ。無いも同然の「正義の味方」は、その価値を喪った瞬間に袋叩きにされてゴミ箱行きサ。
「ガードマン」にしろ何にしろ、せめて最初くらいは「正常」に機能してくれるのを期待するまでだよ。
……ま。ここに居る人間全てが信用できるか否かが「分からん」のは、俺も同じだ。互いに信頼関係を築くにゃ、ちっとばかし時間が短すぎる上に、情報も足りねぇ。
必要なのは、「信頼」か「情報」か。
そこんとこも含めて周りを見ていかないと……何かと厳しそうだぜ?
[俯き頭をガシガシと掻いた後、カミーラのあとに続くように倉庫を出る。
倉庫を出るとカミーラとは別の方向へ、廊下を曲がる。
自室へ向かおうとして、座り込む少女を見つけた。
その前にあるモニタに、即時に状況を把握する。]
あー、まあ、予想通りの反応だな。
おい、大丈夫か?
[へたり込む少女の傍らにしゃがみ込み、その顔を覗き込む。]
……誰も見てないだろうに、よくやるよ。
[俯く少女の傍ら、カメラにさえ聞こえない呟き。
昨夜、彼の死体を見下ろし、そこから鍵を漁ったのは自分たちだ。]
[突然掛けられたケネスの声にビクッとするもそれがケネスで自分を気遣ってくれていることに気付く]
あ、ありがとうございます。と・・・突然目の前に男の人の・・・
[そこまでいってまた思い出したのか下を向いて口元を押さえた]
……大丈夫、とは言えなさそうな顔してンぞ。
何も知らずに売られて来て、こんなの見せられたら、「普通」は「こうなる」わな……。
[鼻の穴から、溜息を一気に吐き出した。]
あー、楽になるならここで吐いちまっても問題無いとは思うぞ。
[言って、後から来たベンを振り返り肩をすくめた。
胸ポケットから幾分少なくなった小瓶を取り出す。]
飲むか?
残念だが水はねえ。
嬢ちゃん、ありゃァよ。
あの性悪プロデューサー・キャロル女史の「趣味」だ。
それ以上でも以下でもねぇ。
酷なようだがこればかりは……慣れなきゃ、死ぬな。
もちろん俺だって慣れてるワケじゃあねぇが。
「慣れざるを得ない」ことは、紛れもない事実のようだぜ。
まあ、覚悟の上でここに来ても、あの手のモノを見るのが初めてならこうなるんじゃねぇか。
俺は初めてじゃあ無いが……。
でもなぁ。
[途方に暮れたような顔でベンをそして天を仰ぐと、軽く少女の頬を叩いた。]
ベンの言う通り。
お互い信じたくないけどな、これが現実だ。
アンタは、ここに集まった奴らをあの死体のようにするか、されるかだ。
悲鳴を上げるのも泣くのも結構だが、ああなりたくないなら悲鳴をあげてるだけじゃ無理だな。
だ、大丈夫です。多分・・・
[青い顔で口を押さえながらもケネスにそう答え]
趣味なんですか?これが・・・こんなものを流すのが
[そういって映像の消えたモニターを指差した]
……そういうこったな。
嬢ちゃんも「そいつ」を理解したら立ち上がれるだろうよ。
ま、その前に水を飲ませるくれぇの親切はしてやってもかまわねぇだろ。
立てるか?嬢ちゃん。
レストランまで自分の足で歩いて行きな。
「肩」が必要なら、今ならタダで貸してやるさ。
[こうして殺し合う相手である筈の彼女に声をかけることに含まれる矛盾。
それをほくそ笑んでみるだろうプロデューサーを思って顔を顰めるけれど、少女の背中を撫でる手は優しげだった。]
……あァ、「趣味」だ。
そうやって青い顔してるヤツを監視カメラか何かで観察して、ニヤニヤ笑っていることを含めて……な。
まったくだ。
ああいうのを、真のクズと呼ぶべきだろうよ。
ステージ上でカッコつけて「フリ」だけやってる人間にゃァ、一生辿り着けねぇよ。
……まァ、この番組に進んで参加してるヤツも、この番組をニヤニヤしながら眺めてるヤツも、誰ひとりとしてそれを言う資格なんざねぇがな。
セシリアの悲鳴に、ベンジャミンとケネスが飛び出していくのを見送って、独り言]
フィクションなら、どっちかとあのお嬢ちゃんとあの二人の生き延びたほうにロマンスが芽生える、ってのがありがちなシナリオだけど。
どっちが白馬の王子様でも、絵ヅラはいまいちだねえ。
ところで、あの人達は本当に言ってるとおりの騙されて連れてこられた無辜の市民や良心的な人たちなのかしら。
中には本気でそんなのも混じってそうだけど、かといって、全面的に当人達の言い分を信じて背中を向けてたら、絶対ギャングスターにぷっすりと殺られちまう。
ああ、やだやだ。あたしにはこういうところで、ああいう「自分は真っ当な善人です」と言いたげな物言いをする奴ってのはどうも胡散臭く思えてしまうのよ。
かといって[ちらりとギルバートを見て]この男を信用したらそれはそれで命取りだという確信もあるのよね。
[これはギルバートに聞こえるように。とはいえ、先の独り言も、あえて聞かせて反応を見るためものだったのかもしれないのだが]
本当に血みどろの殺しあいをさせたいのなら最初から別室に隔離して、せーのーでおっぱじめさせればいいのに。
下手に口聞くとお互いに情が移ってやりにくくてしょうがないにきまってるじゃないか。あたしのようなてめえのことにしか興味のない人間ですらそうだ。ましてやそこら辺からかっ攫ってきた連中ならなおさらだろ。
ほんとうは、あの小娘は自分で言っているような盛大な殺しあいと違うものを望んでいるんじゃないのかね。
信じていた相棒に喉を切り裂かれて、唖然とした顔のまま死んでいく者や、守るべき対象と信じていた女に後ろから撃たれた者や、自分を守ってくれると信じて頼り切っていた相手に生きながら切り裂かれる者の、絶望に染まった顔。
ルールや演出からすると、撮りたがってるのはきっとそういう絵、という推測が成り立つよ。
あと。これは素人考えの推測っていうか与太話と思って聞いてもらえればいいけど。
あのいかにもな軍人爺さんだけじゃなく、あの若い酔っぱらいも戦争に行ったことがあるのかもしんないよ。軍隊の話をしていたとき、妙なリアリティのあるセリフを吐いてた。
あたしの上の兄貴が軍隊から帰った後、戦地で少年兵を撃ち殺したのを気に病んでアル中になっちまったのと、あたしが勝手に脳みその中で重ねすぎてるだけかもしれない。
あくまでも、あたしの勝手な推測。
あと、まともに話してないのはあの爺さんぐらいか……
あたしはこれで自分の部屋に引き上げるよ。あんたはどうする?[ギルバートに向かって、言った]
[老人は頼んだものを受け取ったあと、モニターの映像を見た。]
ふむ。あのキャロルと言う女…。
よし。予定変更だ。
[老人は接着剤を使い鉄釘を手榴弾に接着し始めた。]
[さらに、空薬莢に液体火薬を入れ、密封した後さらに火薬を入れた。]
おい!少し協力してくれないか?
「…あの傍観者気取りの女を殺すために。」
[ジェーンの独り言――それは随分と大きかったが――にも男は何の反応も見せなかった。
続いて問われて、軽く肩を竦めて見せる。
どうやら「お好きにどうぞ」と言う意味なのかも知れない。
それとも他の意味があったのかも知れないが、男の表情からは窺い知れなかった。]
―レストラン―
[ベンとケネスに連れられて行ったレストランで水をもらいゆっくりと飲んでいるうちにやっと落ち着いてきた]
あ、ありがとうございます。ところであそこに映っていた女の人がここの主催者・・・なんですか?
[金髪のこちらを嘲笑うかの笑顔を向けていた女性を思い出しそう尋ねた]
……そうだよ、嬢ちゃん。
アレがこの番組のプロデューサー、キャロルって姉ちゃんだ。
お前さんみたいな「可哀想な」参加者を引っ張り込んだのも、おそらくあの女だ。
[煙草をくわえた口の端から、だるそうに言葉を発した。]
[ゆっくり歩く二人に先んじてレストランに入ると、水と、自分には酒を用意する。
飲みたけりゃ飲むだろと、もう一人の分は気にせずに、席に着いた二人にそれを運んだ。
セシリアがやがて落ち着き、口にした問いに肩を竦める。]
お前、今迄の放送ちゃんと見てなかったのか。
あの女が出てただろう。
生き残りたいなら、ゲームについての情報はきちんと得ておけ。
生きる気がない奴は、ギャングだろうと参加者だろうと殺すぞ?
[少しだけ本音を混ぜた口調で言うと、先ほどの映像を思いだし語調を弱めた。]
まあ、モニタの映像にはあーゆーのもあるだろうからな……見たくないってのも分かるが。
―カジノ―
[ひとりの女が、カジノの扉を開けた。
彼女の姿を見るや否や、ディーラーやバニーガール、バーテンダー、全てのスタッフが恭しく礼をする。
それに軽く目配せをし、女はカジノの中央――ルーレットのテーブルの前に座った。]
……ハァイ、調子はどう?
[ディーラーに声を掛け、ケラケラと甲高い声で笑った。]
―回想―
[メイド服を着てターゲットを探す。特に問題もなくアーヴァインは見つかった。]
あの・・・少しだけ手伝ってほしいことがあるんですがいいですか?
[両手で荷物を抱え困ったように上目遣いでアーヴァインを見上れば渋い顔をしながらもついてきたので倉庫に案内する。一人なら小細工を使った不意打ちを考えたが二人いるならその必要もない。荷物をアーヴァインに持ってもらった瞬間に背後からケネスが喉をかき切った。
後は騒ぎが大きくなる前にキーを奪うだけ。二人にとってはアーヴァイン殺害は造作もないことだった]
……と、そう思いきやご本人の登場か。
[遠目からもそれと分かる金の髪。
参加者以外で仮面を付けていないのは彼女だけだ。]
何しに来たんだか。
あァ……そういうことみてぇだな。
あの姉ちゃんも、まったくもっていいご身分してやがる。
セレブリティの考えることはさっぱりわかんねぇよ。
[不機嫌そうに煙を吐き出し、呟いた。]
……あのクソ女に一泡噴かせてやりてぇモンだぜ、まったくよ。
さァてね。さしずめ、「殺し合いの現場が見たい」とか何とかいう理由じゃねぇのか?あの姉ちゃんのこった、平和なことを考えてるだろうと察すると100%判断をミスるだろう…な。
……ま、カジノに行けば分かるンじゃねぇのか。
ケネス、嬢ちゃん、どうするよ?
[ベンやケネスの言葉に]
そうですか。顔はモニターで見かけることはあったのですがどういうひとなのか分からなかったので・・・
[そういったところでキャロルがホールにきたことに気付いて顔を向けた]
――――――ブツン。
――敷地内に設置されたモニタが、ひとりの女を映し出す。
「ハァイ、皆様ごきげんうるわしゅう。
こちらキャロルよ。
皆様……最初に殺す相手は決まっていて?
まったりお遊びは今日でおしまい。
……今日からは本格的な『ゲーム』を始めましょう。」
「武器は、お持ちになったかしら?
さぁ、殺戮ショウの始まりよ……」
――――――女の薄い笑みが画面で揺れる。
―――ブツン、と音を立て……モニタの映像が消えた。
そういやあのねーちゃんがプロデューサーってのは言ってなかったか。
あの顔だ。司会のタレントでも通らぁな。
[顎を撫でて考え込むと、ベンの言葉に少しだけ身を乗り出した。]
ん、俺はちょっとあの別嬪さんに聞いてみたいことがあったんだよな。
取りあえず行ってみようかと思うが……。
[セシリアの方をちらと見て]
アンタはまた気分が悪くなりそうならここにいな。
[老人は武器庫から出てきた。]
ほう。やっと現れたか…。
さて、ちょっと儂の部屋に来てくれないか?ベンジャミン、ケネス、それとお嬢さん。
……どうした、爺さんよ。
何か考えついたのかい?
[声がした方を振り返り、不穏な空気を纏う老人の顔をまじまじと見つめる。]
[レストランの入り口からひょっこり顔を出したモーガンの姿に、席を立とうと浮いた腰が止まる。]
おう、じーさん。
部屋へお呼出とは、一体何の用だ?
[老人は小声で囁いた。]
…傍観者気取りのどうしようもない女を殺したい。だが、一人ではなかなか難しいので協力してもらえないだろうか?協力する場合、特製の武器を差し上げよう。
……あの女を殺す、か。
爺さん、そいつはなかなか面白い発想だが……この番組の賞金を誰が出すのかを考えりゃー、それは無謀と……いや。賞金を出すのは、テレビ局であって、あの姉ちゃんのポケットマネーとは考えにくいな。いや……
[煙草の灰が、ポトリと落ちた。]
どっちにしろ、おまえさんの気持ちは分かるぜ。「協力」ってなー、何だい?聞くだけ聞いておこうじゃねぇか……。
[”傍観者気取りのどうしようもない女”
ルーレットに興じる女に、素早く視線を這わす。
彼女は、自分たちがここに集まっていることに気づいているのだろうか。
テレビカメラから口元を隠すように顎に手を当てた。]
アンタから真っ先にそんな話が出てくるとはね。
協力するかは、その作戦次第だが……。
カメラの回ってない場所で、詳しく話を聞きたい。
[この番組を進行させてるのはあの女だ。
前回は違ったかもしれないが、あの女が死んだらこの番組も取りやめになるかもしれない。
そんな淡い期待は、戦争を待ち望む老人には口にせず。]
ー回想/倉庫にてー
[少女に気を取られている男の背後に忍び寄り、手にしたナイフでその喉をかききる。
手袋に染み込んでくる温かい血の感触と、匂い。
久々のそれを深く吸い込むと、頭の奥がすうと冷える気がした。]
[老人は計画を紙に書いて渡した。]
<前提>
・キャロルを殺そうとするとキャロルの命令により他のスタッフが襲ってくる可能性がある。
・キャロルは確実に防弾チョッキを着ている。銃器を使っても殺傷は難しい。また、周りにスタッフが居るため狙撃は不可。
<計画>
1.閃光弾を数個投げる→視界封じ
2.特製手榴弾を他のスタッフの居る所へ投げる→注意をそちらへ向ける。キャロルがそちらへ逃げていた場合は怪我を負わせることが出来る。
3.頭を撃つ。
※閃光弾を投げた段階でキャロルがスタッフの居ない側へ逃げた場合→1対多数なので総攻撃。
[とりやめになるかも、というケネスの言葉にはっとして]
と、いうことはこの番組自体を潰す。ということですか?
[そうすればこの場所から逃れられるのかという期待を持って]
[ケネスと少女の言葉には、頷きも拒絶もせず、紫煙ひとつで答える。]
……なるほど、な。爺さん。
確かにあの姉ちゃんが防弾チョッキを身につけている可能性ってのも考えられるなァ。
ま、あの姉ちゃんにとっちゃあ、俺らは大切な「商品」だ。
そうそう傷つけることができない分、アレがこっちを攻撃するとは思えねぇ。
一泡噴かせてやりてぇ、ってのは俺も思ってたところだ。
手を貸してもいいぜ、爺さん。
[また紙を渡した。]
・特製手榴弾…手榴弾の周りに鉄釘を接着剤で取り付けたもの。防弾チョッキを着ていても負傷する程度の威力。投げ方にコツが要る。
・特性銃弾…着弾すると着火あるいは爆発するかも知れない試作品。取り扱い注意。
これらは一部儂の部屋に置いてある。
・・・分かりました。どこまで役に立つか分かりませんが協力します。
[モーガンの言葉にもしかしたらこの番組を中止にできるかも、という思いもあり自分にできることならと協力を申し出た。中止になるかもという淡い期待とキャロルへの嫌悪感が彼女にそういわせた]
[モーガンの言葉に従い、部屋に移動する。
歩きながら、どうやら同じことを考えていたらしいセシリアに小さく笑った。]
前の番組はプロデューサーが死んでも、そのまま続いた。
可能性はあるかもってとこだな。
同じ、人を殺して生き伸びるなら、一番殺したいのはあの女だ。
[参加者ではなく警備員が死んだことで、他のスタッフには動揺もあるだろう。
あの女が死んで、このゲームを続けたい奴はどれだけいるだろうか。]
……こいつはまた、随分と物騒なモンを作ったな、爺さん。
[渡された紙に書かれた内容をまじまじと見つめ、呟いた。]
俺みてぇなシロウトにゃァ使いこなせるものとは思えねぇ。
つまり、爺さんが「手伝え」って言ったのは、こいつを投げることじゃァねぇな?
[またまた紙を渡した。]
予定では閃光弾を投げるのがセシリア。一番油断されていないため。
手榴弾は儂が投げる。コツが必要。
ケネスとベンジャミンは銃を持って包囲。キャロルを捕らえるか、殺す。
[部屋に入り、モーガンのメモに素早く目を通すと短い返事。]
了解。
投げ方にコツがあるなら、手榴弾はアンタがやるか?
とどめは俺がやっても良い。
銃を持つと手が震えるんで、いまいち制度に自信は無いが、近距離ならいけるだろ。
……なるほどねぇ。
さしずめ俺らは、「人間の盾」ってところかい。
了解したぜ。
どうせやるなら、ド派手にいくのが面白ェ。
[火炎放射器のホースを持ち、ニタリと笑った。]
あ、特製銃弾はいらねぇ。
どうも手製の武器ってのは不安なんだ。
普通の玉でも頭に当たりゃなんとかなるだろ。
さて、と、皆に異論が無いようなら、カジノに戻るか。
―モーガンの部屋―
[3人の来客が入る前に監視カメラをライフルで撃って壊した。]
さて…これが例の物だ。
[閃光弾3つをセシリアに、特製銃弾を1つずつケネスとベンジャミンに渡した。]
閃光弾の扱いは簡単だ。おそらくその分厚い本に書いてあるだろう。
特製銃弾は念のためだ。銃は使い慣れたものを使ってくれ。
オーケイ、爺さん。
地獄の炎に守ってもらえるように、せいぜい神に祈っておくぜ。
特製銃弾……ねぇ。
何が飛び出るのかは分からないが、使わせて貰うか。
[一足先に部屋を出て、廊下にあった灰皿の上に煙草を押し当てた。]
[老人の頭の中]
――そう…この静けさ。戦の前の、独特の雰囲気。これが戦の楽しみの一つ。
今夜が良い宴にならんことを!――
また、こいつを触る羽目になるとはな……。
[カジノへ戻る途中、倉庫で調達した武器に手を宛てる。
胸に当たる硬い感触は酒瓶ではない。]
―カジノ―
……退屈。
[指先でコインを弄りながら、女は呟いた。]
まだ来ないのかしら。
トークショウの次は、お部屋でよろしくやってるのかしら?
そういやさっきから一部のカメラの映りも悪いし。何なのよ。
[自分の前に山積みになったコインを手で薙ぎ払う。]
あーあ、ちゃっちゃと殺し合いしないと、私があいつら殺すわよ。
[深紅のドレスをめくり上げ、スカートの下に手を伸ばす。
蝶の刺青が彫られた太腿に巻き付けられた黒い影を取り出し……]
……本気で、ね。
[呆気にとられているディーラーに、銃をひらひらと見せた。]
更新時間が24時間延長されました。
−カジノ−
[皆と別れ一人でホールに戻ってきた。コインを山と積んで退屈そうにしている金髪の女がそこにいた。
なるべく自然を意識して近くを通って少し離れた椅子に座る。
キャロルはちらとこっちをみたがこちらが何も持っていないのをみると興味が失せたようにテーブルのゲームに戻った。いかにもつまらない、といわんばかりに。]
Oh, Yeah......
あの頃を思い出すぜ。
あの頃はただの「遊び」だったが、今日はホンモノだ。
"Shout to the fire, Shout to the fire of the Hell..."
"Shoot at the Evil, Shoot at the Evil to kill..."
[誰に聴かせるでもなく、呟くようにメロディを口ずさんでいる。]
[沈黙していたモニターがまた明るくなり、女の顔を映し出した時、男は武器庫を出てホテルの廊下を歩いていた。
暫し足を止め、天井に程近い高所から微笑みかける驕慢な美貌を見詰める。
放送が終わり画面がブラックアウトする刹那、男は消え去った女にキスを送るように小さく唇を鳴らした。]
[モーガンの会釈、それこそが決行の合図だった。
懐から閃光弾を取り出しホールに向かって立て続けに投げた。全部投げ終わると言われたようにそのまま目を瞑って姿勢を低くした。
こちらの行動に気付いたキャロルがなにか言おうとする姿が瞼、さらに瞼越しでも分かる強烈な光の白にさえぎられた。
後は皆がそれぞれの役目を果たすだけ。そう、犀は投げられたのだ]
Tally-ho!!!
さぁ、戦だ!
[老人は慣れた手さばきで手榴弾をスタッフへ向け投げた。爆発音とスタッフの悲鳴が聞こえる。爆発にやられた者も釘にやられた者もいる。]
さて、ターゲットはどこだ?
[キャロルは戯れに、銃の撃鉄を起こした。
その様子に恐れおののくディーラーの様子を横目で見ながら、クスクスと心底可笑しそうにしながら。]
……ダメよ、そんなことでおじけづいては。
だってこれから、ここでは本物の……
[言葉を発するキャロルの視界が、次の瞬間に真っ白になる。
眩い光が周囲を包み込み、銃を持たぬ左手でそれを遮った。]
……何ッ、何なのよ!?誰の仕業……?
[ざわつくカジノの中で、耳をそばだてる。]
場合によっては、誰であろうが殺すわよ……ッ!
Yeah....爺さん、素晴らしい作戦だ。
こいつはとんでもねぇ光景だな、オイ。
明日のトップニュースはこいつでいただきだ。
[銃を構え、中の様子に耳をすました。
どんなデスボイスよりも悲惨な声が聞こえる。]
……酷ェ歌声だな。
[左手で視界を覆う女の姿が目に入ると、距離を縮める。
女の側には人がいたかもしれない。けれど、揺れる視界はそれを捕らえきれなかった。
引き金を引く瞬間、ベンをちらりと見る。]
[彼女の周囲で、断末魔が聞こえる。
何かが肉に突き刺さる音、床に人間が崩れ落ちる音。]
……ちッ、誰だってのよ。
[全身に釘が刺さりもはや瀕死のディーラーの身体を盾にし、周囲の様子を伺っている。幾度もなく爆発音が聞こえ、そのたびに周囲で悲鳴が上がっている。]
[光が収まると同時に鳴り響く爆発音と悲鳴。床に蹲り耳を塞いでも完全にシャットアウトできるものではない。
更に聞こえてきた銃声に早く終わって、と心の中で叫びながら床に伏せている。]
[ケネスの方をちらりと見る。]
Oh, Yeah....
たんまり鉛玉叩き込んでやろうや。
そして、地獄の炎に包んでやろうや。
このbxxchにゃ、そういう最期がお似合いさ……
[銃の引き金に、指を掛けた。]
[逃げ出すキャロルの姿を認め、引き金を絞る。中には特製の銃弾。そう、もう一つの特製の銃弾。
ライフルから放たれた弾の先端は鋭い。そう。釘だった。]
―レストラン―
[男がそこに現れたのは偶然であるのか、それとも戦の気配を感じ取ってか――
とまれ、吹き抜けから見下ろすカジノは阿鼻叫喚の地獄絵図と化していた。]
何……ッ?
[ふたつの不穏な気配が、彼女の周りに立った。
しかし、目で追うことはできない。]
くそやろおおおおおおおおおおッ!!!!!
[キャロルの手元から、銃声がひとつ、ふたつ、みっつ、鳴る。しかしその弾丸は見当違いな場所に向かったらしく、カジノスタッフの断末魔をまた新たに生み出すだけだった。]
死ねッ!死ねッ!!
貴様ら虫ケラの癖に!!
死ねえええええええッ!!
[再び銃声が3つ響き……そして、銃は沈黙した。]
[老人は伏せているセシリアの姿を見つけた。キャロルと距離が放れていることを確認し、セシリアの元へ駆けつけた。]
よくやった!君は退いてて良い!
[老人は今度はロープを取り出した。かなり丈夫そうだ。]
Hold it!
[カツッと突き立てられた投げナイフ。]
・・・逃がさないわ。
[真っ赤なハイヒールの踵が半分になっていた]
は、はい!
[モーガンの声に目を開け弾かれたようにその場から立ち上がる。物陰に避難する前に見たホールは硝煙で曇っていてはっきりとはしなかったが、金髪の女性が床に倒れ、そこにモーガンが駆け寄っていくのは見えた。]
[キャロルは3ヵ所から血を流していた。意識はないが…死んでいるわけではないようだ。]
虫けらの癖に…か。ただのボケ老人と思われては困るのだがな。
[立て続けに炸裂する爆音。破砕音。
悲鳴。呻き声。]
……ハ。
[男は嗤った。嘲笑った。
眼下に蠢く、『文明化された人間』――全員を。]
[カジノの入り口で様子をうかがっているが、動かない]
ドンパチやってるところに飛び込んで、流れ弾でお陀仏はごめんだ。
……しかし誰が、誰とやり合ってるんだ……?
[キャロルは、うっすらと目を開けた。
拘束されているということに気づき、ギロリと周囲を睨む。]
警備員がどう殺された、ですって……?
知るか、くそジジイ。
[身体をロープで拘束された女は、老人の顔めがけて唾を吐いた。]
お前らが私を殺すだって?ふざけるのも大概にしなさいよ。
[喉の奥を鳴らして嗤った。]
警備員は喉を掻き切られて殺されたそうだな。知らないはずはないだろう。お主がモニターで流していたのだから。
…暴君はいずれ倒される。そういうものだ。
「お主の首は柱に吊るされるのがお似合いだ!」
少し古臭く言うと今の儂はこんな気持ちだな。
[老人は、ホールの隅へ行き戻ってきた。その老人の手には、何と日本刀が握られていた。]
武器庫で見つけて、面白い形だったので考えてみたが…これは何かを斬るのに向いているようだ。
さて……。と。
[老人は日本刀を振り上げた]
[ベンジャミンは銃を構えたまま、モーガンの様子を見つめている。]
[時折、ケネスの様子を見る。
閃光弾のせいで視界は遮られているが、おそらく同じ状態だろうと、彼は推測していた。]
「首を柱に吊す」ですって?
フン、この番組を作ったのは誰だと思っているの?
……私が死んだら、全てがオシャカよ。
賞金も何も、全てパア。
あんた達の命だって、保証されないわよ……?
[クスクスと嗤っている。]
「お主の首は柱に吊るされるのがお似合いだ!!」
[日本刀をキャロルの首目がけて一気に振った。
扱いに慣れていないため首の骨を斬ることは出来なかったが、鮮血が飛び散った。]
警備班!!
何をやっているの!?
早くこいつらを撃ちなさいッ!!
[キャロルの叫びがカジノに響く。
だがそれに応える声も、銃声も無い。]
早くしなさい!このクソスタッフ!!!
[しかし、声は無い。当たり前だ。
警備班もまた、今ここで日本刀を握る老人が作った爆弾と、他ならぬキャロルが放った銃弾に撃たれ、あの世とこの世の間をさまよっているのだ……]
[相変わらずカジノ前で様子をうかがいながらモーガンとキャロルのやりとりをじっと聞いている]
賞金も何も、全てパア……ね。契約にはそんなことは一言も書いちゃいなかったように思うが。
だからといってここで連中を止めても死体が二つに増えるだけ、か。
あああああああァァァァァ!!!
[スタッフに対する叫びと罵声が終わるか否かのタイミングで、キャロルは絶叫した。
――彼女の目の前に、鮮血が飛び散る。]
……お前さんの獲物?
[銃口をキャロルに向けたまま、獣の男を睨んだ。]
こいつは、ここに居る全員の敵サ……
「金」だの何だののしがらみさえ無ければ、な。
それともアレか。お前さんも最期に一発キメたいクチか?
[まるで力の抜けた自然体で、男は床に転がったキャロルとそれを囲む3人に近付いていった。――ただし、老人は先程の投擲が当たって負傷して倒れている。]
いや。闘えない人間をやるのは詰まらないからさ…。
「闘えない人間をやるのはつまらない?」
どういうこった?
お前さんはコイツをざっくりやる気は無いってことか?
それとも、今からこいつをロープから解放するって寸法か?
……そうだ。
[男はベンジャミンとケネスの持つ銃に構わず、瀕死のキャロルの傍にしゃがむと、老人が縛ったロープをダガーで断ち切った。
キャロルの目の前の床にそのダガーを突き刺し、立ち上がって数歩下がった。]
[キャロルは、赤黒い血に染まった頭上を見つめている。
ふたつの銃口がこちらを向いている。]
[自分のことを締め上げている老人が倒れているらしいことにも気づいた。]
[……思わず、ほくそ笑んだ。]
……ほう。
[銃口を上げ、若い男の様子を見守る。
反対側に居るケネスに目配せし、キャロルから一歩、二歩、離れた。]
[男の手によりロープが切られたことを察し、キャロルはずるりと身体を動かした。
喉を切られたせいか、ヒュウ、ヒュウと息が漏れる。
口を動かせど、もはや何も声は聞こえない……
それでも立ち上がろうと、よろよろと身体を起こした。]
……姉ちゃん。ここまでだ。
[ずるずると蠢くキャロルの前に立ち塞がり、銃口を向ける。]
まァ、生きたまま焼いたりはしねぇから安心しな。
俺はそこまで悪魔じゃァねぇ。
[ケネスに目配せをし、ふたり一斉に、キャロルの身体に銃口を向けた……]
[ゆっくりと顔を上げ、己の頭上にある銃口に、目を見開いた。]
[咆吼を上げるかのごとく広がった口。
喉からは、ヒュウヒュウと音が鳴る。]
[女は、ふたりの男に、何も持たぬ手を伸ばした――…]
――…"Say HELLO to your God..."
[男はキャロルを睨み付け、引き金を引いた。]
[――…ズドン、ズドン。
女の至近距離で銃声が鳴る。]
[ひとつは、ベンジャミンの持つ銃の音。
ひとつは、ケネスのそれだ――…]
[ずるずると手を伸ばし、何かを探し求める。
銃は弾切れ。他に武器など無い。]
[手が床を這う。何かがネイルにこつりと当たった。]
[――刃物だ。
女はそれを引き寄せ、手に取ろうとする……]
[彼らの放った弾丸は、キャロルの身体を掠めた。ダガーを求めて女が動いたからだろうか…]
……ちッ、やっぱり慣れないモンを使うモンじゃあねぇな……
[舌打ちし、キャロルに再び銃口を向けた。]
[女はダガーを手にし、よろよろとした動きで振り上げた。]
[キャロルは叫ぶ。否……叫ぼうとするが、喉から息が漏れるだけだ。]
もう一度だ、姉ちゃん。今度は外さねぇ……
……「死 ね 。」
[再び、キャロルの至近距離で銃声を鳴らした。]
[瀕死の女が、牙を剥く。]
………………!!!
[耳に聞こえるのは、銃声と、ナイフが抜かれる音。]
[周囲を威嚇し、ダガーを振り下ろした。]
[見開いた目に、ナイフが突き刺さる。]
………………ッ!!
[唇が二、三言を呟く。]
[――カラン。
ダガーが床に落ち、喉から落ちる血と、眼窩の辺りを拡げるナイフに沿って滴る血が、カジノのレッドカーペットの赤をさらに深く染め上げる。]
[まるでモノか人形のように、キャロルの身体はドサリと崩れ落ちた。ピクリと指先が動き、カーペットをズルズルと掻きむしる。]
[しかし、それも刹那のこと。
いくばくかの後――女は静かに*事切れた*]
[崩れ落ちた女の死体を見つめ、ベンジャミンは無言で立ち尽くしていた。
銃口から立ち上る煙が、「女を撃った」という状況を冷静に伝えている。]
……死んだ、か。
[それしか言うことができずにいる。]
―カジノ―
[物陰からひょこりと現れた。]
…………。
[ただただ、ぼうっと突っ立って中心部での
事を見ている。いや、見ているのか見ていないのか。]
[たどたどしい足取りで、中心部へと歩を進める。]
……死んだの?
[周囲に尋ねる。そして、傍らの老人を一瞥し]
そっちは?
……おう。いっそコイツのこと、燃やすか?
[先ほどから背負っている火炎放射器のホースを取り出し、静かに溜息をついた。]
跡形も無く処理するっていうのも、悪い話じゃァねぇ。
「邪悪な存在」は消し去っておいた方が、何かと気持ちがいいモンだ。
……それとも、こいつがやったのと同じように、死体晒しておくかい?
あァ、筋肉坊主。
性悪姉ちゃんは…たった今、「死んだ」サ。
そっちの爺さんは知らねぇ。
生きてるかもしれんし、死んでるかもしれん。
[ポケットから煙草を取り出し、くわえた。]
[女が絶命したのを確認すると、男はさっさと眼窩からナイフを抜き取った。
握り締めた手からも、こじ開けるようにしてダガーを捥ぎ取る。
ちらりと老人の方を見た。]
ふうん……。
[キャロルのそれをマジマジと見つめた後、吐き捨てる。]
これが敗者の姿ってわけか…。
体張って番組盛り上げるなんて、プロだね。
[ゴキリと首を捻る。]
御老体はわかんないのか。このままじゃどの道死ぬね。
放っておいても、生きてりゃ勝手に目覚めるか。
戦争マニアな爺さんだ。
もしかしたら、ゾンビのように生き返るかもしれねぇよ。
[煙草に火をつけ、ナサニエルの方を見た。]
キャロル女史にゃァ、「死に様はこう晒せ」という例を見せていただいたのサ。全国の視聴者の皆様にも、とくとご堪能いただけただろうよ……
[ふぅ、とひとつ紫煙を吐き出す。]
オイ、そこで震えてるバニーの姉ちゃんよ。
バーボン、一本くれねぇか。
言えてる。あまり話してない爺さんだけども、
確かに首斬っても死ななそうなツラしてる。
[クスクスと笑った。]
なるほど。こう殺すのね。プレビューマッチは終わったし、
メインイベントに向けて鍛えておかなきゃね。
[プロレスラーとはいえスポーツマンである。
煙草は毒になりかねないので、相手が気を悪くしない
程度に顔をしかめておいた。]
・・・これであらかたの人間が共犯者ね。
見てても止めない人だって、広義で考えれば無関係ではいられない。
もう・・・後には引けないわ。
[バーカウンターの影で、ガタガタと震えているバニーガールに手招きする。「バーボンは全て割れてしまった」という彼女の声に、小首を傾げてこう言った。]
……じゃあ、飲める酒なら何でもいい。
とりあえず1本くれや。
[バニーガールは、ベンジャミンにおそるおそる近づき、ハイネケンの瓶を渡した。]
ビール、か。
コーラの間違いみたいなモンだが、……まあいいか。
明日、酒が入荷されるのをおとなしく待つとするか……
[酒瓶の欠片が散乱するバーカウンターを眺めながら、ベンジャミンはハイネケンをゴクゴクと*飲んでいる*]
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