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[ずるずると手を伸ばし、何かを探し求める。
銃は弾切れ。他に武器など無い。]
[手が床を這う。何かがネイルにこつりと当たった。]
[――刃物だ。
女はそれを引き寄せ、手に取ろうとする……]
[彼らの放った弾丸は、キャロルの身体を掠めた。ダガーを求めて女が動いたからだろうか…]
……ちッ、やっぱり慣れないモンを使うモンじゃあねぇな……
[舌打ちし、キャロルに再び銃口を向けた。]
[女はダガーを手にし、よろよろとした動きで振り上げた。]
[キャロルは叫ぶ。否……叫ぼうとするが、喉から息が漏れるだけだ。]
もう一度だ、姉ちゃん。今度は外さねぇ……
……「死 ね 。」
[再び、キャロルの至近距離で銃声を鳴らした。]
[瀕死の女が、牙を剥く。]
………………!!!
[耳に聞こえるのは、銃声と、ナイフが抜かれる音。]
[周囲を威嚇し、ダガーを振り下ろした。]
[見開いた目に、ナイフが突き刺さる。]
………………ッ!!
[唇が二、三言を呟く。]
[――カラン。
ダガーが床に落ち、喉から落ちる血と、眼窩の辺りを拡げるナイフに沿って滴る血が、カジノのレッドカーペットの赤をさらに深く染め上げる。]
[まるでモノか人形のように、キャロルの身体はドサリと崩れ落ちた。ピクリと指先が動き、カーペットをズルズルと掻きむしる。]
[しかし、それも刹那のこと。
いくばくかの後――女は静かに*事切れた*]
[崩れ落ちた女の死体を見つめ、ベンジャミンは無言で立ち尽くしていた。
銃口から立ち上る煙が、「女を撃った」という状況を冷静に伝えている。]
……死んだ、か。
[それしか言うことができずにいる。]
―カジノ―
[物陰からひょこりと現れた。]
…………。
[ただただ、ぼうっと突っ立って中心部での
事を見ている。いや、見ているのか見ていないのか。]
[たどたどしい足取りで、中心部へと歩を進める。]
……死んだの?
[周囲に尋ねる。そして、傍らの老人を一瞥し]
そっちは?
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