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女給 芙蓉 に 7人が投票した。
花守人 千代 に 1人が投票した。
女給 芙蓉 は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、花盗人 烏丸 が無残な姿で発見された。
花守人 千代 は哀しみに暮れて 花盗人 烏丸 の後を追った。
つむじ風が舞い、村中に人狼達の雄叫びが響き渡った。しかし、彼らは真の勝利者に気付いていなかった……。
……まー、ともあれボクは自分の目的も果たせたし、ボクの中にいる"お狐様"を も楽しむことは出来たみたいだから、いっかー。
はあ〜……ほんっと、人間を連れ去るなんて、オオカミ嫌いだなあ。
ま、とりあえずおやすみー
わおおおーーーーーーーーーん!
あー!烏丸のにいちゃんお狐様じゃなかったのか!?
結局、お狐様には逃げられちゃったや
ごめんな調…当たって砕けちゃった…
本当にお疲れさまでした!
皆さんも仰っていますが、本当に美味しい配役でしたね。
世界観はもちろん、皆さんのキャラクターがとても魅力的で、もっともっとお祭り気分に浸っていたい気分でした。笑
朱調コンビと芙蓉、リェンはたかみをが養う!
お金いぱい払ウヨ!
どうやらお狐様と狼様のイタズラは止められなかったみたいだ
「クスクス…ねぇ、次はなにをする?」
「うー!がおー!
なにしよっかなー!
でももうみんなとこんなにおしゃべりできたし、
たーくさん遊べたし、もういいかなぁ!」
「がおー!俺もだ!
とってもたのしかった!」
すると、突然取り憑いていた者の身体から何かが抜けていく
「では、また100年後」
「でも来年もいきたいぞ!」
「めっ!それはお許しがもらえないぞ」
そう言って彼らはいなくなってしまった
一体なんだったのだろう?
「……イタズラは、おさまったのか?」
「ああ……折角の祭りが…」
祭りができなくて落胆するものがいる
それもそのはず、狼様の人攫いやお狐様のイタズラで祭りどころではなかったのだ
「…いや、いまからやるのは…ダメなのかな?」
ぽそりと誰かがつぶやく
それをきいたものは顔をバッと上げた
「…そ、そうだな!今からやろう!
それに攫われた人も戻ってきた!
今夜は盛大にやろうじゃないか!」
[そうか、全てが元どおりに。……全てが。これで良かったのだ、そう自分に言い聞かせる。例え、一時の夢であろうと俺は『花』を手に入れることが出来たのだから。またの機会を…いや、それはもう無いのか。幼い字で書かれた手紙を握りしめる。『はなればなれになってもずっと好きだよ、けいくん。ちぃより』…悪いとは思うが、これだけは盗ませてもらおう]
あ、お祭り再開するネ?
お昼だから、色々作ってきたヨ!
1杯につきワンコイン
>>ヤガミサン
水餃子スープドーゾ
ワンコインネ!
他メニューリストも作るネ!
ん、うーん…ああ…
あれ?
[少年は起き上がり辺りを見渡す。ここ数日の記憶が霞みがかっているようだ]
ええっと、前夜祭でリェンのお店に行って…
もう少しで本番って時に騒ぎがおきて…
え?あっ!そうだ、本番!
調!調!稚児行列の準備をしないと!
今日が本番じゃん!お師匠さまに怒られる!!
[そう言って、焦りながら隣にいる少年を叩き起こそうとする]
なんだろう、調ちゃんの反応がなんかすごーく気になるんだけど、知らない方がいいこともありそうだからボクはこれ以上触れないことにするよ……
(りんごあめ、たべたいなぁ…)
[と思った矢先に女給に声をかけられ、ぱあっと顔が明るくなる]
フヨウおねえさま……?
たべたい…!
朱もほしがると思うから…買いたいの。
−−伝承の通りの稲荷様騒動が起きて、一通りの悪事も済ませてひと段落。
巻き添えの村人たちはポカンと口を開けて、今この1週間の出来事は何事だったのか、と誰かの正答を待ちわびている。尤も、その問いに答えられるものなど、誰一人とていないのだが。
初めに攫われた、というキクヒメも何の気なく、戻られた。
俺や皆を閉じ込めていた蔵はもう公然と岩戸が開き、眩い朝日も提灯の灯りも、全てが元の通りである。
「何……だったんだろう」
−−当事者の一人、カガチでさえもよく分かってはいない。
−−今でも狐に化かされているそんな不思議な感覚になりながら、カガチは思う。
……神主の力を継ぐものとして、この結末は良かったのだろうか。
人に乗り移りし狐の霊を追い払う力。これらを持ってして、過去の稲荷村は安寧を手に入れてきたのではなかったのか。
何一つ家の名を背負う働きもせずに一連の騒動を最早傍観者であるかのように見つめるカガチは、この違和感だけが拭えない。
平和である。
否、自力で勝ち取った平和などではない。
予め悪事でも何でもない、古くよりおわしますお稲荷様の悪戯にすぎなかった。
その程度の話で済まされるほど、この100年の節目というのは、軽いものなのか。
俺自身が、納得がいっていない。
−−ふっ、と、力が抜ける音がした。
どんな踊りであろうか。
家業とまで名を冠して仰々しい力を受け継いだと思えば、いざその段になれば自分はその力を一度とて村のために行使した試しはない。
どんなにも簡単に、悪事を働く狐が、
狼が、この村を乗っ取ってもおかしくはなかっただろう。
ところが蓋を開ければ、そんなことは御構い無しに、遊ぶだけ遊んではふらりと帰られたかの伝承の物の怪たち。
こんなことなら、俺が家より授かった力など、あろうがなかろうが構わないのではないか。
一気に、
力が抜けるのを感じる。
−−本当に、自分の言い続けていた通り、ただの言い伝えで、昔話で、現実にはありえない話だったのではないか。そうとさえ思ってしまう。
言うなれば、なんと称すべきか。
「杞憂……だったのかな」
岩戸から顔を出して一言、
眼前に広がる、例年と変わらぬ稲荷祭の賑わいを見て口をついた言葉。
今までの気苦労が、馬鹿みたいだった。
−−そしてそれはきっと、カガチだけではない。
>>甘利
「……ねぇ、甘利ねえさん。
もういいんだよ。
古い村の風習とか、家から伝えられたお役目とか、本当にどうでもいいんだよ。
見てみてよ。俺たちがずっと昔から、この時期に楽しんでいた稲荷祭だ。
全然、関係なかったんだ。
だから、いいんじゃないのかなぁ。そんな気に引っかかることなんかなくて。
俺は少なくとも、甘利ねえさんが帰ってきてくれたこと、嬉しかった。
この村のことも、俺のことも忘れて何処かへ行っちゃったんだって、ずっとそう思ってたから。
だから、
なんも気にしないで、このお祭りだけでも、楽しむのが、正解なんだと思ったんだ。
一緒に行こ、甘利ねー」
−−何もかも考えることのなくなったカガチは、
それまでの−−それこそ、村にいた時の甘利さえ存ずるところの、カガチそのものだった。
「……あ」
−−そういえば、と思い出したようにカガチは続ける。
「お花のお披露目会、どうなったのかな。
キクヒメさんが攫われたから取りやめになったって聞いたけど。
今の村の状況なら、何も問題なく、できそうなんだけどな」
−−家の縛りから解放されたカガチは、
それでも頭の隅に、自分らと同じくして家業に囚われている二人のことを思う。
−−彼らは、この騒動を後にして、どう歩いていくのだろう。
せやなぁ……
そも、気ぃ晴らそう思ってお祭りきたんもすっかり忘れとったわ……
お狐さんと遊べるんも、ここだけやろし。
アザミちゃんと遊べるんも、ここだけやろし。
>>甘利
「うん。
千代の花のお披露目もある。
朱と調の本番もそろそろだし、
リェンさん、まだ残ってるんでしょ?
アザミさんはもう、多分始めちゃってるけど……。
せめてお祭りの間だけは、楽しもう。
俺もまた、晩酌付き合うからさ」
「ねーさん。
そろそろ稚児行列、始まるんじゃないかな。
朱と調ちゃんが出るんだよ。
二人とも、特に調は頑張ってたから。
ほら、見に行ってあげよう」
うわー!!稚児行列見に行かなきゃー!!
キクヒメ様のお説教長いんだよもぉー……そもそもボクここ数日の記憶があんまりないっていうのに……ボクが何したっていうのさ!
ねっ、そう思わない?小鳥さん!(ピ……ピヨ……)
あーもー時間がないや、走れー!
[朱と調が出る稚児行列の始まりを今か今かと待つ人が増えてきた。かくいう自分も最終調整をあらかた終わらせ、全力で会場へと走ってきたばかりであった。]
「はあ、は……間に合った、か?」
[自分のいるところまでまだ来ていないようだ。一息つくと安心して腰を下ろし、行列を待った。]
あ…調さまと朱さまだ…
…素敵だなぁ、なんだかこの一連のことを忘れてしまいそう…
……出会った人々のことは勿論、忘れないけど…ね
最後にあの人に、会おうかな
…えー、祭り、でございますね。
祭りなんてなァ、幾つになっても心踊るもんで、連なる提灯、並ぶ出店。賑やかな町人、綺麗な浴衣のおネエちゃん。
一言に祭りと申しましても、色ンな祭りがございます。
此度、あたしたちがいるこの稲荷神社のお祭りは…なんでも百年に一度の当たり年ってェ話でして…ここだけの話、出るんですってよ、ば、け、も、の。
「おィ、バカなこと言ってんじゃねェよ、お狐様ったらこちらの神様だよ。バケモノなんつったらバチが当たるよ、このバカモノ。」
「そんなもんかねェ。おい、そんなことよか何か呑みてぇよ、ちょいと出店で一杯やろうや。丁度いい、あすこに唐物屋があらァ。どうでェ、たまにゃ洋モノ…」
「唐は大陸だよ、もう酔ってんのかィ」
「すまねェ店主、一杯頼むよ!」
「アイヨ!イイお酒アルヨー。【ムラサメ】【ニワサメ】【ジキサメ】っていう世ニモ珍しいお酒ヨ」
「へぇ、そりゃいいや。どんなだい?」
「【ムラサメ】は村カラでたラ、酔いが覚メル、【ニワサメ】は店カラ出たラ、酔いが覚メル、
【ジキサメ】は飲ンダそばかラ酔いが覚メルネ」
「なんでェそりゃあ。呑まねェ方がマシだィそんな酒。どうせ酒にいっペぇ水回してんだろ?」
「マサカ!水にお酒、回シテるネ」
「なンだよあの店は…」
「アレも商売なんだろ。それよかこれ見ろ、かっぱらってきてやったぜ」
「杏仁豆腐かィ、…おお、こりゃうめぇや」
「食ったらその辺の藪にでも皿ァ捨てとけよ、足がついちまう」
「あいよ、そおーれっと」
「あ痛っ!…誰です、お皿なんて投げて寄越したのは…これは…!杏仁豆腐のお皿…!私が稲荷の遣いの狐と知っての振る舞いですか…?杏仁豆腐の恨み、思い知りなさい!」
「…うーん、んん〜…?」
「どうしてェ、道にでも迷ったか」
「ああ、こんなとこに川なんてねェはずなンだが」
「大方、先だっての大雨で出来た川だろ、そんな深くもねえ、渡っちめェ」
「…ちょちょ、あの人ら、服脱ぎはって裸で水溜まり跨いどるんやけど」
「あらぁ〜?どうせお狐様に化かされてるのよ。放っておきましょうよ〜」
「そないなこと言うたかて…ちょい!旅のおふたりさん!」
「あァ?どしたィ姉ちゃん?…ありゃあ!川はどこいったァ!?」
「あーあー…この辺には『七度狐』ってな、えらい執念深い狐が居るんや。目ェ付けられたら、100年は恋焦がれられるかもなあ」
「俺たちゃ化かされてたンか…」
「まあ気ぃつけることやな。…とりあえず、服着ぃや?」
「…えれぇ目にあった」
「まったくでぇ…おい、もう遅ぇし、今夜は野宿だぞ」
「えー?のじゅくー?野宿するのー?」
「うお、おっでれぇた!こんな時分にガキ二人してなにしてやがんでぇ」
「…ん、このあたりは、『カメ』がでるの…」
「亀ェ?だからどしてィ」
「そうだよ、頭に『お』を付けて長ぁーくして『カメ』」
「…おぉ〜〜かめ。『オオカミ』かィ!?」
「…そう、だよ…?」
「そうだよ、じゃあねェよ…」
「おぅ、灯りが見ェるぜ、あすこで泊まらしてもらおう」
「それがいいや、あのぉー、すみませェーん。一晩休ませちゃあ頂けませんかね?」
「はあい、大丈夫ですよ。お任せ下さい!旅の方、お腹空いてらっしゃいませんか?スープならたくさんありますからどうぞあがってください」
「ありがてぇ、色々あって腹ァ空いてたんだ」
「くぅー、温まらァ……んん?なんだァこの味は?赤土の出汁に藁までへえってんじゃねェか。腹に左官でもへえりゃ壁ェ出来ちまわァ」
「おふたりさん、ちょっと悪いんだけど」
「今度はなんだィ、兄ちゃん。提灯なんかぶら下げて」
「急で悪いんだけど、留守にすることになってね。留守番を頼みたいんだ」
「ああ、泊まらして貰ってんだ、そのくらい構わねぇよ」
「…ただね、ここ、出るんだよ、幽霊」
「ゆ、ゆ、ゆ、幽霊!?」
「大丈夫。この提灯の油さえ絶やさなければ、あいつら寄ってこれないから。任せたよ」
「…お、おい、消ぇそうだぞ!」
「そんなこといったってもう油がねェよ!」
「こ、これなんかどうだ!?」
「バカ!油ったってこいつァ醤油じゃねぇか!ああ!消ェちまった!!」
「どどどどうすンだよ!で、出ちまうよ!」
「おお、落ち、落ち着け!そう簡単に幽霊なんか出やァったら坊主神主丸儲け…ひゃああああ!!」
「ででで出たぁぁぁぁああ!!」
「…え?あ、僕ですか…?」
「なんまんだぶなんまんだぶ…!成仏してくだせェ…!」
「いやぁ、生きてるんですけど…色白で生気がないとかは言われるけど心外だな…あ、聞いてない…。…おまえたち!」
「へ、へいぃ!」
「僕は怒ってるので、何か面白いことをしなさい」
「へ、へいぃ〜!!」
「…ねぇ、さっきの人たち、今度はお地蔵様の前で裸になって踊ってるわよ〜?」
「まぁた化かされとんのかい…なぁ!おふたりさん!!」
「おお?さっきの姉ちゃんたちかィ!いまそれどこじゃねンだ、こちらの幽霊さんが…あれェ!?」
「はいはい、ええから服着ぃ?」
「ったく、次から次と狐の野郎!」
「…くすくす、おじさんたちさっきから面白いねえ」
「ああ?なんだこのガキ……(……おい、こいつ狐じゃねえか?)」
「(ほんとだ、尻尾が見ェてやがら!)」
「あ!なにするんだよ、おじさん!」
「てめぇ!さんざっぱらひでぇ目にあわしやがって!神妙にしろィ!」
「おっ、こいつ!暴れんじゃねえ!」
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「尻尾が抜けたァー!!」
…ふと我に返ると、抜けたと思って掴んでいたのは、一本の花。
今宵の祭りのお披露目花でございました。
『稲荷祭りの七度狐』というお話でございます。
…さて、爺の仕事ァ終わりだ。
あとは若ェモンの先行きを見守らして貰いますよ。
くく、思ったよか愉快な里帰りになったよ。
…それにしたって不公平だねェ、あたしばっかりすっかり歳ィとっちまった。
やれやれ。あん時あたしも村に残りゃあなァ…。
[松風は、煙草を含みゆっくりと長い煙を吐き出した。]
朱や調の稚児行列も素敵だし、松風さんの小噺も面白かったなあ。
千代さんも花のお披露目が出来て良かったね。
……。
そろそろ帰らないとなぁ。
…帰ったら、父さんと母さんが余計僕を家から出さなくなるかも。
そうしたらもう、しばらく皆とは会えなくなるんだね。
……でも、僕だってたくさん経験したんだ。
体を早く治して、また来年もお祭りに行きたいな。
僕も、頑張ろう。
(みんな、みてくれてるかなぁ…?)
[行列を続けながらも、見知った人の顔を探してみる。
遠巻きに佇む烏丸と、誰かを探すように歩き回るシラサワの姿が見えた、気がした。]
(あ、おじさまもいる……!)
[自分に気付いたかはわからないが、松風に向かってそっと微笑む。]
朱……みんな見にきてくれてるよ…!
[すぐ近くで頑張る仲間に耳うちをする]
[調の隣で格好つけながら歩いていると耳打ちされる]
みんな?あのリェンのお店であった人たち、か?
あ!ほんとだ、あの袴のねえちゃんも見かけたことあるし、芙蓉のねえちゃんもきてるね!
芙蓉のねえちゃんにはスープももらったしなあ…
[少年はぼんやりと昨日?の記憶にある顔を発見し、調に話しかける]
[あらゆる見世物が終わり、辺りはいつもと変わらない静けさを取り戻し始めていた。遠くではまだ、誰かが祭りの余韻に浸っているのだろうか。ぼんやりと提灯の灯りが見える。]
…予告のとおり、迎えに来た。
[二人だけの秘密の場所に、ちぃは居た。暗くて表情はよく分からない。が、俺は『花盗人』。盗むのに『花』の意見なんて聞くわけがない。鮮やかな若葉色の髪を隠すように自分の帽子を被せる。]
泣いて嫌がっても連れていく、と言っただろ。……来て、くれるか?
宴もたけなわだけれど。
わたくし、一足お先にお暇するわねぇ。
リェンさん、今度はわたくしのいるところで出店して欲しいわぁ。いっそ、お店構えちゃいなさいな、良い常連になるわよぉ?
甘利ちゃん、わたくしとお酒飲んでくれて、ありがとうねぇ。とーっても、楽しかったわぁ。
また会いましょ♪今度は女通しの語り合いもしたいわぁ。きっとわたくし達、良いお友達になれそうよぉ。
兎面のおにーさんは、ふふっ。また夢で会いましょぉ…?
[夜は良い。俺たち二人を隠してくれる。…残念ながら奇術師でも魔術師でも無い俺は、こうして息を潜めて逃げ隠れするしかないんだ。いなくなった、と気付かれるのはいつになるだろうか。それまでに遠くに逃げなければ。…ああ、でもその前に、伝えなければ]
ちぃ、愛している。
…ずっと、これまでも、これからも。
−−稚児行列の人だかり、噺家松風の此度の祭噺。
おいおいが祭りを楽しんで、日常と非日常の狭間に差し掛かる。
今回の100年の節目も、もう一度迎える頃には、また風化しているのだろう。
それが良いことかは分からない。これまでの100周年はそれぞれの家はどう迎えていたのか、それすらも分からないし、狐と狼を目の当たりにした今でも、カガチはまるで、分からない。
不思議な年に、偶然巡り会えた。そのぐらいでもいいのかもしれない。
「……」
明日からはまた、普通の日々が訪れるのだろう。
もうこの地に残るものはおらず、朱も調もセンも、ゆくゆくはこの村を出て行く。そんな気がする。
そして、
「……そっか。
千代……君も、この村を離れるんだね」
幾人もこの村を離れ行くものを見送ったカガチだが、この時の心情は、常とは異なるものだった。
−−地上のお花披露目は、それは見事なものだった。
側に寄るだけで香り高いキンモクセイの一株に、周りの人々は見入っている。
そこから子供達も連れられ、地の花見から、夜空の花見へと。
少し時節を外して打ち上がる花火を決行するのは、この辺りではカガチたちの村の他にない。それこそ毎年、隣町からも人が訪れ見に来るほど。
−−そんな花披露目が注目を浴びる傍らで、
この会の立役者であるべき花守の少女は、物陰で人知れず、禁断の逢瀬を重ねているところ。
カガチも、それを直面するほど野暮ではない。
だが、彼の家に継がれてきた鬼灯の灯火が、そんな二人の許されざるこの先の行く末を、ぽぅ、と見透かしていた。
見て、カガチは二人の姿を見ずに思う。
「……烏丸。ウチの花守を頼んだよ。
それと千代。もう少し穏やかにたおやかに、ね」
−−キンモクセイでさえ彼らの恋路を手助けするように。
一身に、人目をあらん限りに惹いていた。
「……甘利ねえさんに続いて、もう何度目だろうな」
−−過去に見送った、まだ自分の年頃ほどであった甘利の姿を思い出しながら、カガチは耽る。
もう何度、あと何度、俺はこの地で旅立つ人を見送ることになるんだろうか。
年々重なるごとに寂しくなる我が村を、留めることができないでいる。
勿論、カガチにそのような役目はないのだが、
自分の生まれ故郷が小さく、薄れて行くかのような感覚は、未だに慣れない。
それこそ、この100年に一度の稲荷騒動も、村ごとなくなってしまうのではないか、と思うほどに。
−−縛られているわけでもない。
特別、この村にいつく理由もあるわけではない。
反対に、カガチには出て行く理由もまた、ない。
言いようのない寂寥感だけが、胸に募る。
ただ、今回の稲荷祭の騒動が風化して、村とともに消え去る。
そんな未来は本当に寂しいなと、そう思った。
昨日までいらした稲荷様も、さぞ悲しまれるだろう。
−−ならば。
自分だけでも、しっかりと覚えておこう。
この村に祀られしお稲荷様の伝承を、後世にも。
そしてその時こそ、我が家系に継がれし鬼灯の灯火が、本来の陽の目を見るように。
−−だから。
「また、いつでも帰ってくるといい。
俺だけは、皆を歓迎しよう」
家を捨て、村を捨て、この地を去ったかつての旧友たちへ。
そして、もはや己はいないだろうもう100年後の未来へ。
その者たちにとっての"故郷"であることを、カガチは止めない。
−−緑の葉っぱに陽が落ちて
紅刺すころオヤシロに
稲荷の神様コンコンと
鳥居の真ん中通りゃんせ−−
−−人が困ってこうべを垂れりゃ
十四(じゅうし)の宮司がぞーろぞろ
いたずら神様閉じ込めりゃ
この先百年安泰だ−−
また、あの唄だ…
…でも、不思議、あの時はあんなに怖かったのに…
いまはこわくない…
…調さまやヤガミさまが、助けてくださったからかな…?
…っあ!そうだ、調さまと朱さまにりんご飴!!
忙しそうだったからって買っておいたんだった…!
はやく渡しに行かなきゃ!
[荷物をまとめ、屋台を引いてリェンは村を出る]
んむ。
一時はドーナルことカと思ったケド、終わってみれば結構楽しかったネ
普段はあんなにお客さんと飲まないからネ!
アザミサンに誘われたケド……確かに、売り上げも貯まってきたシ、ソロソロどっかにお店構えてもいいかもネ
ソノ時は、お酒中心の唐国料理屋カナ〜
じゃ、皆サン、マタネ
またドッカで会えたらショーヒン買ってネ〜
[お祭りも終演のとき、恒例行事の行列も終わり、いつものように貰ったお菓子を持ちながら2人で屋台をまわる]
ねえ、さっき言ってた渡したいものってなんだ?
りんごあめ?
芙蓉のねえちゃんに貰ったのか!
さっきみかけたときにありがとうって言っとけばよかったな!
––––––ヒュ〜〜〜〜、パンッ
[そうこうと話しているうちに、このお祭りの大トリが夜空に花ひらく]
あ!花火だ!
もう今年のお祭りも終わっちゃうなあ
せーっかくの百年目だっていうのに何にもなかったけど!
[ぱんぱんと上がる花火を見ながら隣の調に問う]
ねえ調、俺たちあの行列をいつまで続けるのかなあ
コウセイに必要だからって言うけど、いつ必要になるんだろう?
百年目の今年も使うことなんてなかったのに
来年からもずーっと続けていくのかなあ
[朱の後をついて歩きながら]
…うん。
昨日、おれがたべたいっていったから…。
おれもお礼をいうまえに、“ごしゅじんさま”をさがすって行っちゃったんだ…。
[大きな音と朱の声につられ、顔をあげる。
夜空に大輪の花が咲き、周囲は最後の盛り上がりをみせていた。]
…ほんとうに。
……ふつうの、おまつりだったな。
[と呟き、再び空を見上げる]
(そういえば…やたいに夢中で、お花みのがしちゃったな……。
おねえさま、うまくいったのかなぁ…?)
[その頃、会場から彼女の姿はとうに消えていたとも知らずに]
[朱がいつになく真面目な口調で問うてきたことに驚く]
えっ……。
おれ、そんなこと考えたこともなかったから…わからない……。
“ひつよう”かはわからない…。
けど…みんなが見て、ほめてくれて。
おれはうれしかった…よ。
[朱は…? といった顔で見つめ]
そんなもんなんじゃないかな…って。
レキシとかデントーとか、よくわからないけど、やってみてよかった…と思うから…つづいてるんだとおもう。
おれは、来年もしたいとおもう…よ。
[と答える。
花火は終盤に差し掛かったようで、大玉のものが何発も何発も打ち上げられていた。]
朱と調ちゃん、本番よくやってたね!
2人とも、短い間だけどお話できて、楽しかったよ。またしばらく会うことはないかもしれないけど、これからも2人で、頑張ってほしいなあ。
千代ちゃんと烏丸おにーちゃんは、村をはなれちゃうのかな?また2人に会えて、お話できて嬉しかったよ。
2人が"アイ"で結ばれ続けること、ボクは遠くから祈ってるよ。
撫子おねーさんは、不思議な人だったね。もしかして、撫子おねーさんは……お狐様そのものだったのかもね?
そしたら、またきっと、会えるかな?鳥居で会ったらね、りんご飴を、あげるんだー。
シラサワさんとは、結局お話できなかったんだよねー!ほら、キクヒメ様にも教えたでしょ?杏仁豆腐の句!
でもボクのお仲間だった人だし、きっと届いてると信じてるよ!
芙蓉おねーさんは、これまで通りシラサワさんにお仕えするんだろうね。芙蓉おねーさんの作ったスープ、美味しかったなあ。性別は結局どっちだったんだろう?……まあ、どっちでもいいか!
そうそう、まつ風さんが最後にしてくれたおはなし、とっても面白かったよ!松風さんて本当に凄い人だったんだね!また、ほかのものも、聞いてみたいなあ。
リェンおにーちゃんも、行っちゃったねー。またお店に行けたら嬉しいなあ。肉まんに、餃子に、杏仁豆腐!なんだか怪しいお札に、色々お買い物するんだよ!
アザミおねーさん、たくさんお酒のんでて楽しそうだったねー!またお祭りの時は、アザミおねーさんならきっと、お酒ー!って言いながら村に来てくれるんじゃないかなー?
ヤガミは、どうだろう?また、村に来てくれるかなー?お祭り、とっても楽しんでいたみたいで、なによりだったよ!元の街に帰っても、元気にやってくれていたらいいな。
甘利おねーさん、カガチおにーちゃんとお祭り一緒にまわっていたねえ。見た時、とても楽しそうだったよ。甘利おねーさんも、帰っちゃうのかな?またお話できるといいなあ。
そして、カガチおにーちゃん。お祭りの間もたくさんお世話になったねえ。
誰よりも人が好きで、誰よりも村のことが大好きな人だから……ちょっとだけ、さみしそうだったね。
新しい人がやってきても、誰かがこの村に戻ってきても−−カガチおにーちゃんが、きっと"歓迎"してくれる。ボクはそんなカガチおにーちゃんが、大好きなんだ!
……え、ボク?
うーん、そうだなあ。またお狐様に会える日まで、100年もあるんだもん。ずっとこの村にいてもいいけど、みんなはいずれいなくなっちゃうからねえ。
今がどんなに素敵な思い出でも、ボク、どうせ100年経ったら今年のお祭りのこと何もかも忘れてそうなんだよねー。……楽しかった、って記憶以外はね!
……100年後は、今とは違う、新しい人達が集まってるんだ。
そしてきっとまた騒ぎが起きて、また1からみんなで悩んで、話し合って、
−−だけど最後は、きっとみんなで笑い合えるんだ!
今の楽しい思い出を、少しずつ、少しずつ忘れながらも……ボクはゆっくりと、次の"100年目"を待つことにするよ。
100年経った時……同じお祭りで、100年前にも素敵な思い出があったこと、ボクは絶対に思い出すからね!
……さ、そろそろ夜が明ける。
この稲荷祭りとも、お別れの時だね。
来年、再来年と続いていく、稲荷祭りまで。
そして次の、"特別な稲荷祭り"まで−−
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