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― クリスマスぐらい ―
お? エリちゃんから?
お? おお?
[謎の郵送物(>>25)を開ける。
残念ながら、エリちゃん自身が入っている7%とか考えられない大きさだったので迷うことなく。
開けてみれば猫系の編みぐるみ]
おぉうめぇ!
うーん……
いや上手いね23%
上手いんだけどさ23%
こうじゃねえんだよなぁ……54%
[出来栄えは素晴らしいのだが、シチュエーション的に思うところがあったようだ。
とりあえずはベッドに転がしたが。]
[幼馴染からの誘いは、正月を過ぎて身辺が落ち着いてから。でなければ誘いを断っていた。マサノリを巻き込みたくはなかったし]
『嬉しい。喜んで。』
[それから詳しい待ち合わせの時間のやりとり。朝、最寄りの公園で、と]
[朝、部屋の寒さで目覚めた。寝間着のまま半纏を羽織ってダイニングキッチンのコンロのヤカンでお湯を沸かして炬燵をつけて窓際へ。
カーテンを開けると積もった雪の照り返しで眩しくて目を細める。
家の中でも吐く息が白いのは安普請なアパートだからだろう。それでも寒さなんて服を着ればどうにでもなる。
昨夜半分残しておいた焼き魚と、インスタント味噌汁と温かいお茶で朝食を済ませ、ガスの元栓を閉めて、動きやすく暖かい服装を選ぶ。
手袋と財布を上着のポケットに突っ込んで戸締まりを確認して、白兎にメール。もう身辺に不安はないのに習慣化している]
to:usa
:
:今日は近くの公園で雪遊びをします。
[誰と、とか書かなかったのは男の子とふたりでと知らなければ様子を見に来てくれるかもという気持ちが少しあるから]
[外は冷たい空気。それでも喉の調子は良い。先に待ち合わせ場所に着いたのはどちらが先か]
マサノリくん、誘ってくれてありがとう。
[手袋をはめていない指先が少し冷たい。
公園には先客は居るだろうか。人が踏み荒らしていない所で白の眩しさに目を細める]
綺麗だね。
[しゃがんで素手で雪に触れる。最初は少し冷たいと感じるだけだけど、ずっと触れていると手が痛くなる。持っていた雪を落として服で手の水気を拭いてからポケットの手袋をはめた]
ね、なにする。ふたりで雪合戦もなんだし、雪だるまでもつくろっか。天気によっては明日には溶けてしまうかもしれないけど、スマホの写真にも心にも残るから。
―― クリスマス:実家にて ――
[クリスマス当日は実家で家族と晩餐会。
たとえどんなに忙しくても、聖夜だけはみんなで集まって談笑しながら食事をするというのは、私達家族の暗黙の了解だった。]
「お見合いしない?」
嫌です。
[そんな中、放たれた父様の言葉を一刀両断。]
私、まだ高校生ですよ?
もうちょっとモラトリアムを楽しみた……じゃなかった。
学生のうちはさすがに早いと思うのですが。
[私の将来を心配する気持ちも、閨閥を作りたい気持ちも分かるけれど。
そもそも姉様だって結婚したのは大学を出てからだし、いくらなんでもまだ早い気がする、と答えて。]
――それに、高校で恋人ができる可能性だってあるじゃないですか。
[料理を粛々とナイフとフォークで取り分けながら放った言葉は、
半分くらいは冗談のつもりだったのだけれど。]
「じゃあ、高校卒業までに恋人が出来なかったら――
その時こそ、いいね?」
[有無を言わせぬ父様の口ぶりに。]
……考えておきます。
[ぷいっと目線を逸らしたのだった。]*
わかったー。わかったー。
[とは言え、チーズが固まらない時間と言うと、かなりダッシュな気はするのですが]
て......、まさのり、何想像してんのかな?かな?
[何か違う方向になってるようなのです]
ま、まあ、いいんだけどね。
[何がいいのかは不明ですが]
[自分の赤毛に合うかは知らないが、白兎が筋トレに来てくれた時にマフラーを巻いて見せて、笑顔で報告する]
エリちゃんから届いたの。クリスマスプレゼント。これって、手編みかな。手編みって見たことないからしらないの。
[編み物とかする母親じゃなかった。習い事と言っては家にいなかったが、社交ダンスとかだったっぽいし。
父親も、手編みのセーターとかを着る人ではなかったし。
元家主の服を洗濯していたが全部既製品のタグがついていた]
あ、これ、タグがついてない。既製品なら洗濯の為についてるよね、取り外す紙のやつか、縫い付けてるやつ。
手編み、くれたんだ、エリちゃん。
[白兎に問いかけておいて、答えは自分で出してしまったが、嫌いな人達の事を思い出して沈みかけていた気持ちが一気に持ち直した]
大切にしなきゃ。
[マフラーに頬ずりした]
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