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─東地区─
[父が『なりたて』らしき症状であるという通報が公安へと入り、そこから処分命令が送られてきた。]
あいつ、…かな。
[ターゲットの顔を、携帯端末へと送られてきたデータと見比べる。間違いないだろう。
確かに『なりたて』のような様子で、家の前でただ座っているだけの男。]
これが任務なんだ。……ごめんね。
[引き金を引く。
一発。
二発。
それで、終わり。
遺体の処理を、と役所へと連絡を入れた。]
― 路地裏 ―
『あれ見るなのです、マスター』
どした?
[現場での作業員を眺めていたが、ミカたんが指差す方に顔を向けると、神父と雛烏の姿が見えるだろうか]
……何か変な雰囲気じゃねえか?
『そうなのです?よくわからないなのです、マスター』
気のせいか?
[遠目から微かに二人の表情にぎこちなさを感じて首を捻りつつも、軽く手を上げて挨拶し、近づいて行く]
だーかーらー…謝んなくて、いいんですっ。
[笑顔を作ろうとするクリスに、胸がちくり、とする。]
…それにさ、ずいぶん昔のような、だなんて、んな走馬灯の見えそうな台詞は聞きたくありませんっての。
[クリスのわかったという答えに、うんと屈託なく答える。
一瞬振り向いた後、小声で]
……なんか、ちっと人が増えてきたみたいっすね。
話聞かれてもアレっすし、ここで一旦引き揚げましょうか?
それに…もうひとり、聞きこみしなきゃいけない人が、いるんで。
―回想・広場―
[端末越しにケビンの話を聞く。]
ああ、そうなのか。
わかった。よく覚えとく。
隣のちっちゃいお嬢ちゃんは感染してないんだね。
[念を押すように聞く。
研究チームの話について、詳しく聞く心算はないようだ。]
ありがとね、わざわざ教えてくれてさ。
じゃ。
[ぷつり、と端末を切った。]
─回想終了─
ジャン……。
[やんわりと、手を振り返す。]
…ちっと、ここで、……リーン姉さんが。
感染して…亡くなってた。
[さっき彼が広場から駆け出して向かった先は、ここだったのだろうか。
…それはない。だとしたら自分より早く着いている。
ではどこに、と首を傾げるも、今は他に気掛かりなことがあって聞く気になれなかった。]
す、すみません…ああ、また言ってしまいました…
[あわてておどけるように口を押さえてみた]
[小声が耳に入れば、こちらも小声で答える]
そうですね…一旦別れましょう。
私も別口で聞き込み、しておきますから。
[そういって、近づいてくる男を視線で示す]
それでは。気をつけて。
[ケビンが場を離れるなら、笑顔で見送るだろう]
─中心街・ストリート─
[すっかり静かになった町の中を、携帯端末片手に歩く。]
ああ、そうかい。
例のモノ、手に入ったんだねぇ。ありがとさん。
じゃあ、明日辺りにでも落ち合えるかい。
ブツの受け渡しに。
[端末越しに、相手と軽いやりとりをした後、切る。]
さて。
あとはメディクスに連絡を付けるだけだが………。
知らんのよね。連絡先。
またケビンに頼るかな、どうするかな。
ううん。
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