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よし、よし、ニイナは良い子だね。
大丈夫、相手は子供だ。
必要なら、台所からナイフでも持っておいき。
[とはいっても、心配はしていない。
彼女の両手には消えない死臭が染みついている。
まあ、彼女が仕留め損ねた時に備え用意だけはしておくつもりだ。
彼女にはまた別の機会もあるだろう]
― 夕刻/自室 ―
夢…………。
[全身が、汗でじっとりと濡れていた。
少し休憩するだけのつもりだったけれど、眠っていたのか。
運動をしたわけでもないのに、激しい動悸と息切れがする。]
……気持ち悪い。
汚い……。
[滴り落ちる雫が。
心まで奪おうとするように伸し掛る汗臭い体が。
いや――気持ち悪いのも汚いのも、自分自身か。]
[湯浴みがしたい。
ふらりとベッドから立ち上がると、娘は部屋を出た。]
― 廊下 ―
アリス様……?
……ええ、わかりました。
すぐに食堂へ行きます。
[廊下へ出ると、ちょうど自分を呼びに来たらしいアリスと遭遇して。
浴室へ向けようとしていた足は、食堂へ。]
ランスに教えてあげるのはもう少し後にしよう。
ああでも、君はしたいようにおし。
そちらのほうが楽しめる。
[正体がばれても、新たな顔に成り代わればいいだけのこと。
人に好かれる性質の彼女が『狂い』なのは好都合だ。
彼女なら何をしたとしても彼らは最後まで疑心暗鬼に迷うだろう。
もししくじって彼女自身が吊られたとしても、その死体に歪む彼らの表情を見れるのなら悪くはない]
[再び始まろうとしている惨劇を待ちわびて、抑えきれぬ高揚の内に様々な情景を思い描いた。
マイダの幼い拒絶はもうすぐ永久のものとなる。
ヤーニカは可愛がってきた娘たちを手にかける。
マコトはそれでも表情を変えないのだろうか。
クリスタはすぐに壊れてしまうだろう。
存分に殺しあうと良い。
生きる為という真理を自己愛と錯覚して]*
― 食堂 ―
[周囲を見回せば、アリスの言葉の受け止め方は三者三様だった。
平静を保つ者>>102も、恐怖に震える者>>98もいる。
信じたい、というヤーニカの言葉>>91をぐっと噛み締める。
これからまた見るかもしれないものを、想像したくはなかった。
溢れだした疑いはきっと何もかも呑みこんでしまう]
……ごちそうさま、でした。
[そっと席を立ち、食器を台所に下げる。
食堂抜けて廊下へ出ていく途中、小さくなって震えるニイナ>>98の傍らに足を止め、少しためらったが]
ニイナさん落ち着いて、大丈夫ですよ。
きっと勘違いかなにかです。
ほら、目をつぶって、ゆっくり息をしてください。
[トントンと軽く肩を叩いてそういってから、その場を立ち去った。
ゆっくりと、礼拝室に向かう]**
[昼食を取る者の背景に隠れるようにして、掃除用具を取ってくる。
道中、鉈に裂かれた壁に立ちすくみはしたけれど、すぐさま虚空へと意識をやってやり過ごした。壊れたものを見ていよう。そして細かな破片を集めて、現実を見すぎないように没頭していた]
アリス──…?
[だったか。
マコトと共に「何かぼんやり呟いてる系」というお前が言うなカテゴリに仕分けていた少女が、夕食に皆集まるように言う。
『人狼なんていない』
去り際の言葉は、この間繰り返していたそれより重く響いた。
揺れる窓枠の向こうへ目をそらす。
風の音は誰かの声に似ているのに、やっぱり人のそばでは死者の幻影を見ることは出来なかった]
─ 夕食 ─
[食事を取らず、じっとアリスの話を聞いていた。
憑狼、占い師の来訪予定、それから──]
占い師……。
あの時の続きみたい、だね。
[狼がいるかもしれないから、森に近づいてはいけません。
ぶつぶつ幼子を諭して俯く。
ここに集まった者たちは、生き残りの人間ではないか。
牧師と同じやりきれなさを覚えたが、娘は占い師の生存は当然のように受け止めていた。
多くの能力者、特に占い師は命を落とすとはいえ、村ごとに状況は異なる。
それに、後発で目覚める者もいれば、失う者、……隠す者も、いると知っていたから]
[否定するもの、怯えるもの、宥めるもの。
それぞれが受け止める中、男はぶつぶつと独り言ちる。]
人狼が人に成り変わるのなら。
あれは……いや……。
違う、違う。ちがう。
[けがらわしいと罵る醜い声。
村の占い師もまるで人が変わったように人狼だと名指しした相手を殺せと声高に叫び、そしてその死を願った口で処刑人を責めて立てていたのだったか。
結局、すぐに無残な姿に成り果てていたが。]
……床の具合心配なので見てきます。
誰かが転んだら危ないので。
[言うだけ言ったアリスが去り。
一人また一人と人が立ち去っていく中、男も誰へともなしに、どこか場違いのような日常の事を言って食堂を後にした。
頑ななほどにクリスタの方を見ようとしないまま。**]
― 廊下 ―
や、だから
[鉈を引き抜き眺めるマコト>>44に、どう言ったものか迷う。
彼が行ったことではないのか、何があったのか。
迷って言葉を詰まらせていると、たった今知った様な呟き。
その後続きがあったが、それでもパーツは余りに足りない。
けど、]
そ、すか。いや大丈夫すよ。んな頭下げないでください。
えと、釘なら届いた物資を置いてる部屋にあるんで、
[考え込んで云々なら自分にもあるから。
思考は流してしまうべきだ。常時考えている必要は無い。]
…その……マコトさん?
[意識を揺らしてる間に彼もぼうっとしていたらしく、声をかけたのとかかったの>>63のはほぼ同時。
ヤーニカが来れば>>65挨拶を返して、転んでしまったのには慌てながら、やるべきであった事>>17を思い出した。]
― 夕方:自室 ―
…あ゙
[やってしまった。
資料を置いた>>92と聞いて、部屋に立ち寄ってしまったのがいけなかった。読み耽って、気付けば昼が過ぎ、夕方だ。]
―――はー……ぁ、
[ニイナに昼前、
「キリクさんが、マイダの事を気にかけてほしい。っつって、ニイナと俺に。お前の負担にはならない程度でいいから、俺からも頼む。」
「それと、資料ありがとうな。礼言いがてらマイダに包帯と薬届けてくる。」
等々、言っておいて。深い溜息がつい漏れる。]
ん?ああ、アリスさん。
[今からでもと立ち上がると、ノックの音。鍵のない扉が開けば、アリスが食堂へ集まってほしい>>#2と。
何の話があるかも知らず、昼を抜いて鳴る腹を押さえ、食堂へ向かった。]
― 夕食後/台所 ―
[洗い物を終える頃には表面的な汗は引いたけれど、服はべたりと肌に纏わりついたまま。
修道服はこれ一着だけ。湯浴みがてら洗って、部屋の中で干すか。
明日までに乾くかどうか、かなり怪しいけれど。]
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