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− 決意 −
[真実か否か判らぬ噂を聞いた夜は一睡も出来なかった。
自室に戻らず、偶像の神の姿を掲げた礼拝堂で1人佇む。]
……キリク。
あんたは、何を祈ってたんだい。
同士の繁栄、人間への憎悪、それとも。
……いや、あんたが祈っていた神は……人狼の神なのかね。
[人間と同じように、人狼を見守る神もいるのだろうか。
それを人間は悪魔と呼ぶのだろう。
それを知る術は永遠に無くなったけれど。]
キリク……あんたなら……仲間を活かす為に
全力を尽くすかい?
自分が生き残る為に仲間を犠牲にするかい?
[敵である人狼達が引き起こした騒動の数々を思い出す。
仲間を生かす為に、自ら命を捨てた人狼もいた。
知れば知るほど、憎悪だけで埋め尽せない自分がいた。]
あたしは……人間だよ。
[磔刑になった聖者に祈る事も無く、
今まで関わって来た者達を思い出す。
諦める者、足掻く者、抵抗する者、狂う者、嘆く者。
皆人狼騒動を知らなければ、苦痛を抱いたままの
笑顔を浮かべずに済んだ筈だ。]
あたしは人間だ。
あの人達は結社員で、
人狼と戦わなければいけない人達だけど。
知らずに生きてくれるなら、それが一番いい。
だから。
……あたしと、一緒に行ってくれるかい?
[白々と夜が明ける頃、決意と共に立ち上がる。
そして決意を礼拝堂の扉の傍に立っていた男に告げた。
男も静かに頷いた。
あれは彼にとっても守りたい場所なのだ。]
ありがとう。
心強いよ。
[それから間も無く、本部から占い師と狩人が消えた。]
− 旅の途中 −
[本部に気付かれる前にと急いでも、支部までは道程がある。
途中で寄った市場で、それは起きた。]
……え……あんた?
[髪の色も違う、アクセサリーや派手な化粧も無い
ローブ姿の女を酒場の名で呼ぶ声がした。
もう知る者はいないはずの名に、顔を上げた先にいた
男の顔を見てしまったと思ってしまった。
こんな時に再会するなんて。
生きて再会出来るなんて。
結社員となった今、他人の空似で終わらせるべきだったのに。
出来なかった。
人目もはばからず抱きしめた身体は逞しく、
何1つあの時と変わっていない愛した男の腕に
忘れていた涙が溢れ出す。]
ごめんよ。ごめん。
あんたの所に行けなくてごめん。
[言いたい事が山の様にあるのに、言葉に出来ない。
ただ謝罪の言葉だけが、それこそ山となれと積み上がる。
生きてくれてさえいれば、それで良いと
男は言ってくれた。
そしてあの娘の言った通りだとも。]
……クリスタが……?
あの村に……。
[話を聞けば酒場のあった場所で1人の娘に出会ったと言う>>37
それがクリスタだと気付くのに時間は掛からなかった。
あれから逢えてはいない。
それでも何処かできっと生きていてくれると信じて、
それだけは祈っていた。]
ごめん……ごめんよ。
あたしは、もう……一緒には生きていけない。
あたしはあたしにしか出来ない事があるって知ったから。
だから……あんたと、同じ世界には生きていけない。
[あれだけ年月を経ても変わらなかった男は、
それでも共にと言ってくれた。
その言葉とその手に縋ってこのまま消える事が出来たら。]
でもあたしは、見殺しに出来ない人達がいるんだ。
その人達を助けないと、あたしはあたしを許せない。
[宿で離すまいと握られた手の力に負けぬよう、
握り返して男を見つめた。
男も真剣な目でこちらを見ていた。]
これが、終わったら……あんたの所に戻るから。
必ず戻るから……。
[震え出す手を止める為に、男の首に縋り付く。
それが合図の様に寝台が2人分の体重を受けて軋む音を立てた。]
ねぇ、あんた。
あの子はいなくなったけど、あたしに不思議な力をくれたんだ。
だからもう一度力を頂戴。
あたしがあんたの所に戻る為の力を。
[生きる為の力を、希望を願い、男に囁いた。]
―― あれから終わりまで ――
[亡霊となって60余年。その間に数々の村が救われて滅んでいったのを見た。
もしかしたら見覚えのある人たちを、どこかで見かけたことがあるかもしれない。
彼女たちに私の姿など見えないだろうけれど、どうか幸せになりますように]
ねぇ……お兄ちゃん?
――違う。
ねぇ……お兄ちゃん?
――違う。
ねぇ……お兄ちゃん?
――違う。
ねぇ……。
[もう、後 話すべきは兄のみ。
だがそれも見つからない。
諦めるべき?妥協するべき?無かったことにするべき?]
――無理、かな。
[そう簡単に諦められたら、きっと私はあの時狂っていなかっただろう。
心のどこかで諦めようと思っても、奥底で諦めていない限り成仏できることはない]
ねぇ……どこにいるの、お兄ちゃん?
[もう年月を数えるのも忘れてしまった。数える意味もなくなっているから。
次で最後にしよう、次で最後にしよう。そう思って、一体いくつの村を何度も回ってきただろうか]
――もう……むりなのかな。
[最近、自分の意識が最近希薄になってきた気がする。この意識が亡くなった時、私は無くなるのだろう。
どういう形になるかは置いておいて]
……?
[また新たな村に立ち寄った時。
ふと、子供たちが遊んでいる声が聞こえた気がした。
なんとなく気になったので、声のする森の方へ向かっていく。すると]
『おにーちゃーん、まってよー!』
……あ。
[昔、とても懐かしい日々がそこにはあった。
妹らしき女の子と、その兄と――その友人だろうか。
3人で森で遊ぶ姿があった。
一人一人の顔ぶれは違うけれど、私には、それが昔の再現のように思えて]
――お兄ちゃん、私、幸せだったんだよ?
例え、ずっと前からお兄ちゃんが人狼でも、お兄ちゃんはお兄ちゃんで。
私は、楽しくて……。
[子供達が遊ぶ姿を目にしながら、一人ごこちる。
遊ぶ姿の先に兄がいるような気がして]
だから、ずっと言いたかった。
ありがとう、って。
[兄をこの手で殺した日から、ずっと言えなかった一言。
それが、自分をこの世に押しとどめていた。
これだけは、これだけは言わないといけない気がして。だから]
……もう、時間、かな。
[自分の体が消えていくのを感じる。
ただの自分の幻想かもしれない。だけれども、兄に伝えられた。
そう、思えたからこの世から消えていく]
――あなた達は、そのまま幸せに、ね。
[薄れていく意識の中、仲がよさそうな3人を見やりながら、願望を。
果たせなかった私達の代わりというと変な話だけれど、そう願った。
私達のような話は、私達だけでいい]
[細めた青の眸で、黒の眸を覗き込んで]
生まれ変わった先でも、私は貴方に恋をします。
何度でも、貴方に恋をします。
……愛しています、マコト様。
[囁いて、くちびる同士をそっと触れ合わせた**]
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